JP5906081B2 - 有機系材料の仕上げ材の撤去方法 - Google Patents

有機系材料の仕上げ材の撤去方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば壁や床などに吹付け或いは貼着された既設の有機系材料の仕上げ材を撤去する有機系材料の仕上げ材の撤去方法に関するものである。
一般に、壁や床の改修工事として、例えば壁に吹き付けられた塗膜、若しくは壁や床に貼着されたタイル等を撤去して下地面を露出させた後、その下地面に新たな仕上げ材料を施工する工事が行われている。
特に、近年、アスベスト問題に鑑みて、アスベストを含有する既設の有機系材料の仕上げ材を撤去してアスベストを含有しない仕上げ材に置き替える改修工事が行われている。例えば、前記した改修工事における既設塗膜の除去方法としては、ワイヤーブラシやスクレーパー、ディスクグラインダーなどを用いて既設の塗膜を削り落とすのが一般的です。一方、前記した改修工事における既設タイルの撤去方法としては、小型ブレーカーやチッパー等の斫り装置によって既設タイルを破砕しながら撤去するのが一般的である。このように既設塗膜や既設タイルを撤去する際には、アスベスト粉塵が飛散するおそれがあるため、アスベスト粉塵の飛散を抑制する対策を講じる必要がある。特に、施設を使用しながら改修工事を行う際には、厳重な対策を講じる必要がある。
従来のアスベスト粉塵の飛散対策としては、ホースなどで放水しながら既設塗膜を削り落としたり既設タイルを破砕したりする手段がある。この手段によれば、水によってアスベスト粉塵の飛散が抑えられる。
また、従来のアスベスト粉塵の飛散対策として、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)付きの負圧除塵装置を使用する手段がある。この手段によれば、負圧除塵装置によってアスベスト粉塵を回収しながら既設塗膜を削り落としたり既設タイルを破砕したりすることができるので、アスベスト粉塵の飛散が抑えられる。
また、従来、例えば下記特許文献1に示されているように、既設タイルを破砕しながら既設タイルの破砕片を回収する床タイル除去装置が提案されている。この床タイル除去装置によれば、前記した破砕片と共にアスベスト粉塵をバキュームで吸引して回収することができるので、アスベスト粉塵の飛散が抑えられる。
特開2001−40884号公報
しかしながら、上記した何れの従来技術であっても、既設塗膜や既設タイル(有機系材料の仕上げ材)を撤去するため、全ての作業員の石綿に関する特別教育(又は石綿作業主任者)と特別健康診断(石綿)が必要となる。また、粉塵の飛散防止のために、作業領域を養生シートなどで囲う養生作業が必要であり、手間がかかるという問題がある。
また、ディスクグラインダーによって既設塗膜を削り落としたり斫り装置によって既設タイルを破砕したりするときには大きな騒音が発生し、さらに、放水音、又は負圧除塵装置若しくは床タイル除去装置の稼動音によって騒音の問題が増長され、周辺環境に甚大な影響を及ぼすという問題がある。
また、既設タイルと共に、既設タイルとスラブ面(タイル貼着面)との間の接着剤を削り落とそうとすると、接着剤と共にスラブ面が削られ、スラブ面が粗面となる。そのため、スラブ面を砥石(ポリッシャー)で研磨する作業が必要であり、非常に手間がかかる。
特に、上記した放水する従来技術では、既設塗膜を削り落としたり既設タイルを破砕したりする間、常時、放水し続けなければならず、また、放水した水を回収又は排水する必要があるため、作業が煩雑である。
また、上記した負圧除塵装置や床タイル除去装置を使用した従来技術では、大型の装置を搬出入する必要があり、また、回収した粉塵を処分したり、作業終了後或いは作業中に上記した装置を清掃したりする必要があるので、実際の撤去作業以外の作業(作業開始前の準備や作業終了後の片付け)が煩雑である。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、既設の有機系材料の仕上げ材を容易に撤去することができ、工事に伴う騒音や手間を軽減することができる有機系材料の仕上げ材撤去方法を提供することを目的としている。
本発明に係る有機系材料の仕上げ材の撤去方法は、既設の有機系材料の仕上げ材を下地面から撤去する有機系材料の仕上げ材の撤去方法であって、前記仕上げ材の表面に、有機則非該当の剥離剤を塗布する剥離剤塗布工程と、前記剥離剤が前記仕上げ材に浸透して前記仕上げ材が軟化するまで静置する静置工程と、軟化した前記仕上げ材を撤去する撤去工程と、を備え、前記剥離剤塗布工程の前に、前記仕上げ材を撤去する範囲を囲繞する囲繞材を前記仕上げ材の上に設置し、前記剥離剤塗布工程のときに、前記囲繞材の内側に前記剥離剤を塗布し、前記囲繞材の内側の撤去領域の前記仕上げ材のみを軟化させて撤去しつつ、その周りの領域の前記仕上げ材を軟化させずに残すことを特徴としている。
このような特徴により、静置工程の後、有機系材料の仕上げ材に剥離剤が浸透して、硬質材料(非可撓性)である仕上げ材が軟化(可撓化)するので、撤去工程の際、仕上げ材を容易に剥がし取ることが可能になる。
また、このような特徴により、大面積の壁面や床面のうち、囲繞材の内側の領域の仕上げ材の表面にだけ剥離剤が塗布されて、その周りの領域の仕上げ材の表面に剥離剤が塗布されない。よって、一部の領域の仕上げ材のみを軟化させて撤去しつつ、その周りの領域の仕上げ材を軟化させずに残すことが可能である。すなわち、仕上げ材を部分的に撤去する際に、剥離剤による周りの仕上げ材の剥離や劣化(軟化)が防止される。
また、本発明に係る有機系材料の仕上げ材の撤去方法は、前記剥離剤塗布工程のときに、前記剥離剤の塗布厚さを、前記仕上げ材の厚さ寸法以上にすることが好ましい。
これにより、仕上げ材表面に剥離剤を塗布すると、仕上げ材に剥離剤が浸透して仕上げ材が膨潤するが、剥離剤の塗布厚さを仕上げ材の厚さ寸法以上にすることで、仕上げ材の厚さ方向全体に剥離剤を浸透させることができる。なお、剥離剤の塗布厚さが仕上げ材の厚さ寸法未満であると、仕上げ材の厚さ方向全体に剥離剤が浸透せず、仕上げ材が十分に軟化されないおそれがある。
また、本発明に係る有機系材料の仕上げ材の撤去方法は、前記静置工程のときに、前記剥離剤が、前記仕上げ材だけでなく、該仕上げ材と前記下地面との間に介在する中間層にも浸透するまで静置することが好ましい。
これにより、静置工程の後、仕上げ材だけでなく中間層にも剥離剤が浸透して、中間層が軟化(可撓化)するので、撤去工程の際、又は後に、中間層を容易に除去することが可能となる。
本発明に係る有機系材料の仕上げ材の撤去方法によれば、既設の有機系材料の仕上げ材を容易に撤去することができる。したがって、工事に伴う騒音が軽減され、周辺環境に及ぼす影響を小さくすることができる。
また、粉塵が発生しないので、養生作業などが簡略化され、また、作業開始前の準備や作業終了後の片付けも簡単である。これにより、有機系材料の仕上げ材の撤去工事にかかる手間を軽減することができる。
また、粉塵が発生しないので、既設の仕上げ材にアスベストが含有されている場合であっても、上記した石綿に関する特別教育や石綿作業主任者、特別健康診断(石綿)が不要であり、有機系材料の仕上げ材の撤去工事を手軽に行うことができる。
本発明に係る有機系材料の仕上げ材の撤去方法の第一及び第二実施形態を説明するためのフローチャート図である。 本発明に係る有機系材料の仕上げ材の撤去方法の第二実施形態を説明するための有機系材料の仕上げ材を撤去する範囲の平面図である。 図2に示すA−A間の断面図である。 剥離剤の一例を示した配合表である。
以下、本発明に係る有機系材料の仕上げ材の撤去方法の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
[第一実施形態]
図1に示す有機系材料の仕上げ材の撤去方法は、アスベストを含有する既設の塗膜(有機系材料の仕上げ材、図示せず。)を塗装下地面(下地面、図示せず。)から撤去する方法である。具体的には、上記した塗膜は、一般に吹付け塗装と呼ばれる壁等の仕上げ材であり、例えば図示せぬコンクリート壁の表面(下地面)を被覆するものである。
上記した塗膜を撤去する方法について詳しく説明する。
まず、図1に示すように、塗膜撤去作業を行う前の準備工程100を行う。
詳しく説明すると、後述する剥離剤は、有機則非該当の有機溶剤が少量含まれており、低臭気ではあるが無臭気ではないので、施工エリアの換気手段を確保しておく。また、剥離を行わない箇所の養生を行う。特に床は、3層養生とし、後述する剥離剤塗布工程101の後に、上層の1層を剥がして回収する。
次に、既設の塗膜の表面に、有機則非該当の剥離剤を塗布する剥離剤塗布工程101を行う。
詳しく説明すると、剥離剤は吹付け装置(リシンガン)等を用いて塗膜の表面(塗装壁の表面)に吹き付けられる。なお、剥離剤はローラーや刷毛等を用いて塗膜の表面に塗る方法も可能である。この剥離剤の塗布厚さは、後述する静置工程102によって、剥離剤が塗膜の厚さ方向の全体に亘って浸透し、さらに塗膜だけでなく塗膜下のパテやシーラー(下地面と塗膜との間の中間層)にも浸透するだけの厚さにする。
次に、剥離剤が塗膜等に浸透して塗膜が軟化するまで静置する静置工程102を行う。
詳しく説明すると、まず、剥離剤塗布工程101が完了した後、剥離剤が塗膜の厚さ方向全体に亘って浸透し、さらに塗膜下のパテやシーラーにも浸透するだけの十分な時間だけ静置する。この静置時間(オープンタイム)は、剥離剤の塗布厚さ、塗膜の厚さ寸法、前記したパテやシーラーの厚さ寸法、及び剥離剤の塗膜、パテ及びシーラーに対する浸透性、さらに気温や湿度などによるが、およそ16時間程度静置する。
次に、塗膜の軟化状態を確認する軟化確認103を行う。
詳しく説明すると、刃付きスクレーパー(金ヘラ)等を用いて塗膜が剥がれるか否かを確認する。塗膜が剥がれない場合には、しばらく静置(静置工程102)して、上述した確認方法で塗膜が剥がれるようになるのを待つ。
上述した軟化確認103で塗膜が軟化したことが確認された場合には、軟化した塗膜全体を撤去する撤去工程104を行う。
詳しく説明すると、刃付きスクレーパー等のケレン工具を使って、軟化した塗膜をパテ及びシーラーごと削ぎ取るように剥がし、既設の塗膜を撤去する。
次に、塗膜が除去された下地面を仕上げる後処理工程105を行う。
詳しく説明すると、下地面に残存するパテが少ない場合には、残存するパテを不織布研磨材によって擦り落とす(不織布研磨工程105A)。その後、下地面をウエスによって水拭きし、塗膜カスや残存する剥離剤、水分などを除去する(水拭き工程105B)。最後に、下地面を十分に乾燥させる(乾燥工程105C)。
一方、下地面に残存するパテが多い場合には、水養生を行った上で、残存するパテをウォータージェットによって削ぎ落とす(ウォータージェットによる研磨工程105A´)。その後、下地面をウエスによって乾拭きし、塗膜カスや残存する剥離剤、水分などを除去する(乾拭き工程105B´)。最後に、下地面を十分に乾燥させる(乾燥工程105C)。
さらに、下地面に残存するパテが多いが、水養生ができない場合には、パテが残存する下地面に霧吹き等で水を吹きかけ、パテを軟化させた後、刃付きスクレーパー等のケレン工具を使って、残存するパテを削ぎ取るように剥がす(霧吹き・ケレン工程105D)。その後、上記した不織布研磨材による研磨工程105A、水拭き工程105B及び乾燥工程105Cを行う。
以上により、既設の塗膜の撤去が完了する。
なお、この下地面が完全に乾いてから新しい仕上げ材の施工を行う。
上記した有機系材料の仕上げ材の撤去方法によれば、静置工程102の後、既設の塗膜に剥離剤が浸透して、その塗膜が軟化(可撓化)するので、撤去工程104の際、既設の塗膜が剥がれ易くなる。したがって、ディスクグラインダー等を用いることなく既設の塗膜を容易に撤去することができ、工事に伴う騒音が軽減され、周辺環境に及ぼす影響を小さくすることができる。また、粉塵が発生しないので、養生作業などが簡略化され、また、作業開始前の準備や作業終了後の片付けも簡単である。これにより、塗膜撤去工事に係る手間を軽減することができる。また、アスベスト粉塵が発生しないので、石綿に関する特別教育や石綿作業主任者、特別健康診断(石綿)が不要であり、塗膜撤去工事を手軽に行うことができる。
また、上記した有機系材料の仕上げ材の撤去方法によれば、静置工程102のとき、剥離剤が塗膜にだけでなく、その下のパテやシーラーにも浸透するまで静置するので、撤去工程104の際、パテやシーラーが軟化(可撓化)して、塗膜と共にパテやシーラーを除去することが可能となる。これにより、下地面を傷付けることなく、パテやシーラーを容易に除去することができ、その後の研磨作業を軽減することができる。
[第二実施形態]
図1に示す有機系材料の仕上げ材の撤去方法は、アスベストを含有する既設のタイル1(有機系材料の仕上げ材、図2に示す)をタイル貼着面2(下地面、図3に示す)から撤去する方法であって、図2に示すように複数のタイル1が格子状に並設されたタイル面領域Xのうち、一部の領域(タイル撤去領域Y)のタイル1だけを撤去する方法である。具体的には、上記したタイル1は、一般にPタイルと呼ばれる床仕上げ材であり、図3に示すようにコンクリートスラブ3の上面(タイル貼着面2)に接着剤層4(中間層)を介して貼着されている。
上記したタイル撤去領域Y内のタイル1Aを撤去する方法について詳しく説明する。
まず、図1に示すように、タイル撤去作業を行う前の準備工程100を行う。
詳しく説明すると、後述する剥離剤5は、有機則非該当の有機溶剤が少量含まれており、低臭気ではあるが無臭気ではないので、施工エリアの換気手段を確保しておく。また、図2に示すように、タイル1Aを撤去する範囲(タイル撤去領域Y)を囲繞する囲繞材6をタイル1の上に設置する。この囲繞材6は、タイル撤去領域Yを仕切るように枠状(矩形環状)に配設された断面矩形状の棒状仕切り材であり、剥離剤5による影響を受けないポリエチレン製のバックアップ材を用いることができる。
また、図3に示すように、囲繞材6を配設する際、囲繞材6の内面6aがタイル撤去領域Yの外縁(タイル撤去領域Yの外周に配置された撤去対象のタイル1Aの外縁)に一致するように位置合わせして、タイル撤去領域Yの外縁に沿って囲繞材6を延設させる。また、囲繞材6は、タイル撤去領域Yの周囲のタイル1の上面に粘着テープ(例えば両面テープなど)や接着剤によって仮着(剥離可能に接着)して固定する。なお、囲繞材6としては、その高さ寸法Hが後述する剥離剤5の塗布厚さT1以上になるような所定の断面形状のものを選ぶ必要があり、好ましくは、囲繞材6の高さ寸法Hが剥離剤5の塗布厚さT1よりも若干高くなるようにする。
次に、図1に示すように、タイル撤去領域Y内のタイル1Aの表面に、有機則非該当の剥離剤5を塗布する剥離剤塗布工程101を行う。
詳しく説明すると、図2に示すように、枠状に配設された囲繞材6の内側に剥離剤5を塗布する。図3に示すように、この剥離剤5の塗布厚さT1は、後述する静置工程102(図1に示す)によって、剥離剤5がタイル1Aの厚さ方向の全体に亘って浸透するだけの厚さにし、さらに、剥離剤5がタイル1Aだけでなく接着剤層4にも浸透するだけの厚さにする。
具体的には、剥離剤5の塗布厚さT1は、タイル1Aの厚さ寸法T2以上にし、好ましくは、タイル1Aの厚さ寸法T2よりも厚くする。例えば、タイル1Aの厚さ寸法T2が2mmである場合には、剥離剤5の塗布厚さT1を3mm(2mm(T2)+1mm)とする。
なお、このとき、剥離剤5が他のタイル1(タイル撤去領域Y以外の領域のタイル)に付着しないように注意する必要があり、仮に、他のタイル1に剥離剤5が付着した場合には、乾いたウエスで除去した後、濡れたウエスで拭き取る。
次に、図1に示すように、剥離剤5がタイル1Aに浸透してタイル1Aが軟化するまで静置する静置工程102を行う。
詳しく説明すると、まず、剥離剤塗布工程101が完了した後、タイル撤去領域Yのタイル1上に塗布された剥離剤5の上に図示せぬシートを被せて保護する。そして、剥離剤5がタイル1Aの厚さ方向全体に亘って浸透し、さらに接着剤層4にも浸透するだけの十分な時間だけ静置する。この静置時間は、剥離剤5の塗布厚さT1、タイル1Aの厚さ寸法T2、接着剤層4の厚さ寸法、及び剥離剤5のタイル1Aや接着剤層4に対する浸透性、さらに気温や湿度などによるが、通常の放置時間は16時間程度である。
次に、タイル1Aの軟化状態を確認する軟化確認103を行う。
詳しく説明すると、上記した図示せぬシートの一部を剥がし、タイル1Aの隅に金ヘラ等を入れてタイル1Aが剥がれるか否かを確認する。タイル1Aが剥がれない場合には、しばらく静置(静置工程102)して、上述した確認方法でタイル1Aが剥がれるようになるのを待つ。
上述した軟化確認103でタイル1Aが軟化したことが確認された場合には、タイル撤去領域Y全体の軟化したタイル1Aを撤去する撤去工程104を行う。
詳しく説明すると、まず、上記した図示せぬシートを全て剥がす。次に、タイル1Aに浸透しないでタイル1Aの上面に残った余剰分の剥離剤5を金ヘラ等で削ぎ落して除去する。また、上記した囲繞材6をタイル1の上面から剥がして撤去する。次に、軟化したタイル1Aを接着剤層4ごと金ヘラ等で削ぎ取るように剥がし、タイル撤去領域Y全体のタイル1Aを撤去する。なお、接着剤層4は、タイル1Aと共に除去しなくてもよく、タイル1Aを撤去した後に、接着剤層4を除去してもよい。
次に、タイル1Aが除去されたタイル貼着面2を仕上げる後処理工程105を行う。
この後処理工程105は、上述した第一実施形態における後処理工程と同様の工程であり、第一実施形態における「残存するパテ」のように残存する接着剤層4をきれいに落とす。
以上により、タイル撤去領域Y内のタイル1Aの撤去が完了する。
なお、このタイル貼着面2が完全に乾いてから新しいタイルを貼着する。
上記したタイル撤去方法によれば、静置工程102の後、タイル1Aに剥離剤5が浸透して、硬質材料(非可撓性)であるタイル1Aが軟化(可撓化)するので、撤去工程104の際、タイル1Aを破砕しなくても容易に剥がし取ることが可能になる。したがって、既設のタイル1Aを破砕せずに容易に撤去することができ、工事に伴う騒音が軽減され、周辺環境に及ぼす影響を小さくすることができる。また、粉塵が発生しないので、養生作業などが簡略化され、また、作業開始前の準備や作業終了後の片付けも簡単である。これにより、タイル1Aの撤去工事にかかる手間を軽減することができる。また、アスベスト粉塵が発生しないので、石綿に関する特別教育や石綿作業主任者、特別健康診断(石綿)が不要であり、タイル撤去工事を手軽に行うことができる。
また、上記したタイル撤去方法によれば、タイル1A表面に剥離剤5を塗布すると、タイル1Aに剥離剤5が浸透してタイル1Aが膨潤するが、剥離剤塗布工程101のときに、剥離剤5の塗布厚さT1をタイル1Aの厚さ寸法T2以上にすることで、タイル1Aの厚さ方向全体に剥離剤5を浸透させることができる。これにより、タイル1Aをより容易に剥がし取ることが可能になる。
また、上記したタイル撤去方法によれば、静置工程102のとき、剥離剤5がタイル1Aだけでなく接着剤層4にも浸透するまで静置するので、撤去工程104の際、接着剤層4が軟化(可撓化)して、タイル1Aと共に接着剤層4を除去することが可能となる。これにより、タイル貼着面2を傷付けることなく、接着剤層4を容易に除去することができ、接着剤層4を除去した後に研磨作業などが軽減することができる。
また、上記したタイル撤去方法によれば、タイル撤去領域Yを囲繞する囲繞材6をタイル1の上に設置し、この囲繞材6の内側に剥離剤5を塗布するので、タイル面領域Xのうち、タイル撤去領域Yのタイル1Aの表面にだけ剥離剤5が塗布されて、その周りの領域のタイル1の表面に剥離剤5が塗布されない。よって、タイル撤去領域Yのタイル1Aのみを軟化させて撤去しつつ、その周りの領域のタイル1を軟化させずに残すことが可能である。これにより、タイル1の部分的な撤去を行いつつ、剥離剤5による周りのタイル1の剥離や劣化(軟化)を防止することができる。
ここで、本発明における剥離剤について説明する。
剥離剤としては、撤去対象物である有機系材料の仕上げ材(既設の塗膜又はタイル1)を軟化させることができる有機則非該当の溶剤を使用する。この剥離剤は、廃棄物処理法の特別管理産業廃棄物に該当しない溶剤を使用する。例えば、可燃物とならないように引火温度が70度以上であって、さらに、有機溶剤中毒予防規則に抵触しないように有機則該当の有機溶剤が含まれてなく、低臭気で環境に優しい溶剤を使用する。
詳しく説明すると、上記した剥離剤の主成分としては、五員環のラクタムまたはラクトン、フェニルアルコール及びその誘導体またはフェニルグリコール及びその誘導体があり、具体的には、N−アルキル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ベンジルアルコール、アルキレングリコールフェニルエーテルなどが挙げられる。これらは単独用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、前記剥離剤が、脂肪酸エステルやその誘導体、二塩基酸エステル等のエステルやパラフィン系炭化水素、多価アルコールやその誘導体を含有していてもよい。多価アルコールとしては、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルスルホキシド、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテルなどが挙げられる。
さらに、剥離剤が増粘剤を含有することが好ましく、これにより、塗布作業性を向上させることができる。増粘剤としては、セルロース誘導体、多糖類、ポリビニルアルコール、アクリル酸系の有機系増粘剤や、シリカ、カオリン、ベントナイト、セピオライト等の無機系増粘剤があり、カルボキシアルキルセルロース、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
その他に、アニオンやノニオン、両性界面活性剤を用いることで水洗性の向上だけでなく、剥離剤の安定にも寄与する。界面活性剤としては、カルボン酸型、スルホン酸型、スルホコサク酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型、脂肪酸エステル型や、ポリオキシアルキレングリコール型、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン多価アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン重合型、ソルビタン脂肪酸エステル型、アルカノールアミド型や、アミノ酢酸ベタイン型、アルキルポリグルコシド等がある。
さらに、前記剥離剤が、pH調整剤として、アルキルアミンやアルカノールアミン等を少量含有することも可能である。
図4は、上述した剥離剤の配合例を示している。なお、図4に示す表は、剥離剤の配合をパーセンテージで示した表であり、表内の数字の単位は「%」である。ただし、図5に示す剥離剤の実施例1−10は例示であり、本発明の剥離剤はここに示す配合に限定されるものではない。
以上、本発明に係る有機系材料の仕上げ材の撤去方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した第二実施形態では、囲繞材6によってタイル撤去領域Yを囲繞してその内側に剥離剤5を塗布することで、タイル面領域Xの一部の領域のタイル1Aだけを撤去する方法について説明しているが、本発明は、タイル面領域X全体のタイル1を撤去する方法であってもよく、この場合、囲繞材6を用いる必要はない。
また、上記した第一及び第二実施形態では、剥離剤5がパテ及びシーラー、又は接着剤層4などの中間層にも浸透するようにしているが、例えば新しいタイルを貼り付けないので中間層の撤去が不要である場合や、中間層が軟化させなくても容易に除去できる場合などには、中間層に剥離剤5を浸透させなくてもよい。
また、上記した第二実施形態では、剥離剤5の塗布厚さT1をタイル1Aの厚さ寸法T2以上にしているが、例えば、タイル1Aの厚さ方向全体に剥離剤5が浸透していなくてもタイル1Aを十分に撤去できる場合には、剥離剤5の塗布厚さT1をタイル1Aの厚さ寸法T2よりも薄くすることができる。これにより、剥離剤5の使用量を抑えることができ、コストダウンを図ることができる。
また、上記した第一及び第二実施形態では、アスベストを含有する塗膜やタイル1Aを撤去する方法について説明しているが、本発明は、アスベストを含有しない塗膜やタイル(有機系材料の仕上げ材)を撤去することも可能である。さらに、本発明は、壁仕上げ材の塗膜を撤去する方法及び床仕上げ材のタイル1(Pタイル)を撤去する方法に限定されず、例えば、壁に貼着されたタイルを撤去する場合や床に塗布された塗膜を撤去する場合にも適用可能であり、さらに、壁や床以外に設置された仕上げ材を撤去する場合にも適用可能である。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 有機系材料の仕上げ材
1A 有機系材料の仕上げ材
2 (下地面)
4 接着剤層(中間層)
5 剥離剤
6 囲繞材

Claims (3)

  1. 既設の有機系材料の仕上げ材を下地面から撤去する有機系材料の仕上げ材の撤去方法であって、
    前記仕上げ材の表面に、有機則非該当の剥離剤を塗布する剥離剤塗布工程と、
    前記剥離剤が前記仕上げ材に浸透して前記仕上げ材が軟化するまで静置する静置工程と、
    軟化した前記仕上げ材を撤去する撤去工程と、
    を備え
    前記剥離剤塗布工程の前に、前記仕上げ材を撤去する範囲を囲繞する囲繞材を前記仕上げ材の上に設置し、
    前記剥離剤塗布工程のときに、前記囲繞材の内側に前記剥離剤を塗布し、
    前記囲繞材の内側の撤去領域の前記仕上げ材のみを軟化させて撤去しつつ、その周りの領域の前記仕上げ材を軟化させずに残すことを特徴とする有機系材料の仕上げ材の撤去方法。
  2. 請求項1に記載の有機系材料の仕上げ材の撤去方法において、
    前記剥離剤塗布工程のときに、前記剥離剤の塗布厚さを、前記仕上げ材の厚さ寸法以上にすることを特徴とする有機系材料の仕上げ材の撤去方法。
  3. 請求項1又は2に記載の有機系材料の仕上げ材の撤去方法において、
    前記静置工程のときに、前記剥離剤が、前記仕上げ材だけでなく、該仕上げ材と前記下地面との間に介在する中間層にも浸透するまで静置することを特徴とする有機系材料の仕上げ材の撤去方法。
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