JP2001049872A - コンクリート構造物の亀裂における漏水個所探索方法及び補修方法 - Google Patents

コンクリート構造物の亀裂における漏水個所探索方法及び補修方法

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JP2001049872A
JP2001049872A JP11228542A JP22854299A JP2001049872A JP 2001049872 A JP2001049872 A JP 2001049872A JP 11228542 A JP11228542 A JP 11228542A JP 22854299 A JP22854299 A JP 22854299A JP 2001049872 A JP2001049872 A JP 2001049872A
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Shuichi Imai
周一 今井
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KANKYO BIKEN KK
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KANKYO BIKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な資材を一切必要とせず、廃棄物を利用
することも可能であって熟練の技術も特に必要としない
ために、作業コストを大幅に下げることができるコンク
リート構造物の亀裂における漏水個所の探査方法及び補
修方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 亀裂2上の1箇所又は複数箇所に耐水性
資材にて貯溜区画3を形成し、前記貯溜区画3内に漏水
探査液又は防水液を注入し、前記漏水探査液又は防水液
をその水頭圧によって前記亀裂2内に導入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート構造
物の亀裂における漏水個所の探査方法及び補修方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】オフィスビル、マンション、公共施設、
駐車場等のコンクリート構造物においては、乾燥収縮、
熱膨張、振動等によって亀裂が発生し、そこから水が浸
入する被害を出す例が少なくない。これらコンクリート
構造物の亀裂を補修する方法として、様々な工法が開発
され、実施されている。
【0003】一般的な漏水補修方法としては、コンクリ
ートにドリルで穴を開けたり、プラスチック製のシリン
ダー式注入器等を使用したりして、コンクリートの亀裂
にウレタン系防水剤等を注入して止水する方法がある。
また、低圧シリンダーをコンクリートの亀裂に沿って変
性シリコン樹脂で固定し、シリンダー内部に樹脂を入
れ、ゴムの伸縮による圧力により内部の樹脂をコンクリ
ートの亀裂に圧入して亀裂内部を塞ぎ、止水する方法も
ある。しかし、これらの方法は、樹脂の比重が小さいた
めに亀裂内部に入りにくく、亀裂巾が0.3ミリメート
ル以下の場合は、ほとんど亀裂に入っていかないことが
多い。
【0004】他にも、コンクリートの亀裂に電動ドリル
で穴を開け、ステンレスピンを打ち、グリスポンプで樹
脂を圧入する方法や、コンクリートを亀裂に沿って電動
カッターでカットし、シーリング剤で亀裂を塞ぐ方法が
あるが、いずれも熟練の技術を必要とし、補修費用も高
く、また、一回の作業では満足のいく補修ができないこ
とも少なくない。
【0005】更に、亀裂個所の補修に際しては、亀裂の
どの部分から漏水が生じているかを確認する必要がある
が、従来この漏水個所の探査を簡単且つ確実に、しかも
低コストにて行ない得る方法は提唱されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のコンクリートの亀裂の漏水個所の補修方法は、一般に
大掛かりとなり、補修費用も嵩んでいたので、本発明
は、高価な資材を一切必要とせず、廃棄物を利用するこ
とも可能であって熟練の技術も特に必要としないため
に、作業コストを大幅に下げることができるコンクリー
ト構造物の亀裂における漏水個所の探査方法及び補修方
法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、亀裂上の1箇
所又は複数箇所に耐水性資材にて貯溜区画を形成し、前
記貯溜区画内に漏水探査液を注入し、前記漏水探査液を
その水頭圧によって前記亀裂内に導入することを特徴と
するコンクリート構造物の亀裂における漏水個所探査方
法、を以て上記課題を解決した。
【0008】本発明はまた、亀裂上の1箇所又は複数箇
所に耐水性資材にて貯溜区画を形成し、前記貯溜区画内
に防水液を注入し、前記防水液をその水頭圧によって前
記亀裂内に導入することを特徴とするコンクリート構造
物の亀裂補修方法、を以て上記課題を解決した。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態につき、添付
図面に依拠して説明する。図1は、本発明に係る漏水個
所探査方法及び補修方法のうち最も一般的な例を示すも
ので、図中1はスラブであり、2はスラブ1に発生した
亀裂を示し、また、3は貯溜区画を示している。
【0010】貯溜区画3は、金属、プラスチック、厚紙
等の防水性資材を用い、例えば底を欠く筒状、その他、
使用個所に対応する形状に形成する。そのサイズは亀裂
巾に合わせたものとし、例えば、直径25mmから15
0ミリメートル程度にし、亀裂幅が小さいときは直径の
大きいものを使用し、亀裂幅が大きいときは直径の小さ
いものを使用する。また、貯溜区画3の高さを高くし
て、注入される漏水探査液又は防水液の水位を高めるこ
とにより、その水頭圧が大きくなるように調節すること
ができる。
【0011】貯溜区画3を亀裂2上に水密状態に固定す
るためには接着剤を使用するが、ここにおいて用いる接
着剤としては、貯溜区画3中に漏水探査液又は防水液を
溜めたときの液漏れを確実に防止すると共に、施工終了
時に簡単に除去できるという意味において、変性シリコ
ン樹脂の再剥離型シーリング剤が適当である。この変性
シリコン樹脂の再剥離型シーリング剤を貯溜区画3のコ
ンクリート設置面に塗布し、約30分から1時間ほど放
置すれば、変性シリコン樹脂が硬化し、貯溜区画3がコ
ンクリート面に固定される。
【0012】具体的な施工方法及び施工順序を説明する
と、漏水探査に当っては先ず、スラブ1の亀裂2上をワ
イヤブラシ等で清掃して粉塵等を除去し、貯溜区画3を
亀裂2上に、変性シリコン樹脂等で接着して固定する。
固定後樹脂の乾燥を待ち、漏水探査液を貯溜区画3内部
に溜め、約12時間から24時間ほど放置し、液の水頭
圧力による亀裂2への流入を待つ。そして、所定時間経
過後、スラブ1を下側から観察することで、漏水の有無
を知ることができる。漏水探査液としては、カルシウム
塩、蛍光塗料、臭気液等の、通常使用される種々の漏水
探査液を用いることができる。
【0013】補修工事の場合も、上記同様にして亀裂2
上に貯溜区画3を立て、貯溜区画3内に防水液を供給、
放置してその亀裂2内へ浸透させ、亀裂2内を防水液で
充填する。防水液としては、アルキルアルコキシシラン
モノマー系、ポリシロキサン系、シランオリゴマー系
(水性、溶剤系)、アルキルシラノール、変成アルキル
シランオリゴマー、変成アルキルシリコーン、シラン系
オリゴマーの浸透性防水剤、その他様々なものを用いる
ことができる。
【0014】上記漏水探査後に引き続いて補修作業を行
なう場合は、漏水探査液が全部流出した後に貯溜区画3
内部を清掃し、その後防水液を注入して上記同様の補修
処理を行なう。
【0015】図2は、パラペット4に亀裂5が入り、こ
の亀裂5から防水層10の下側に漏水し、防水層10の
下側の亀裂5aから更に室内に漏水しているような場合
の施工例を示すものである。このとき、外壁6に亀裂5
が入っている場合には、漏水は簡単には止まらない。そ
こで、パラペット4の亀裂5上に貯溜区画3を配置し、
そこに漏水検査液を入れて約1時間から12時間ほど放
置すると、亀裂5から液体が浸入して防水層10の下に
入り、亀裂5aから流出する。
【0016】図中7は押えコンクリート9の伸縮目地で
あるが、伸縮目地7上にも貯溜区画3を配置し、防水層
10の不具合を調査する。この場合、防水層10に故障
があれば、時間とともに躯体8の亀裂に漏水探査液が入
り込み、以て不具合を把握することが可能となる。な
お、11は断熱材を示す。
【0017】図3は、床がタイル仕上げとなっていて、
漏水経路が判明しないときに防水層10の故障状況を検
査する方法を示す。この場合、タイル12のタイル目地
13の亀裂14上に貯溜区画3を配置し、その中に漏水
探査液等を入れ、約1時間から12時間ほど放置するこ
とで該液を押えコンクリート15の亀裂14内に浸入さ
せる。防水層10に故障があれば、該液が亀裂14aに
流出してくるのでそれと分かる。この方法は、貯溜区画
3を使用して防水液、漏水探査液等を注入する方法と、
防水層10の漏水確認とを同時に行なうことができるこ
とが特徴と言える。
【0018】図4は外壁の亀裂補修方法を示すものであ
る。この場合は、有底の筒状体を縦割りした形状の耐水
性資材で形成した貯溜区画3aを用いる。その壁面の亀
裂16上への固定には、やはり変性シリコン樹脂の再剥
離型のシーリング材を用いることが好ましい。なお、こ
の場合は、シリコン樹脂が硬化するまでガムテープ17
で仮止めすることにより、未硬化状態の時における脱落
を防止する。
【0019】貯溜区画3は、亀裂面が斜面の場合や部屋
の角に亀裂がある場合など、施工部位に応じ、上記した
もの以外の種々の形状に構成することができる。図5は
その例を示すもので、(A)に示すものは、傾斜面に亀
裂がある場合に用いるもので、筒状体の下部を斜めにカ
ットしたものである。また、(B)に示すものは、角部
に亀裂2がある場合に用いるもので、円筒状物を4分の
1に縦割りしたものである。
【0020】なお、上記本発明における貯溜区画3、3
aを形成するための耐水性資材として、用済みで廃棄さ
れる飲料缶、ペットボトル、食品包装材、建築、土木工
事現場から出る塩化ビニールパイプその他の資材を利用
することもできる。
【0021】
【発明の効果】本発明は上述した通りであるので、亀裂
上に貯溜区画を設けて漏水探査液又は防水液を注入す
る、という非常に簡単で熟練を要せずに行ない得る作業
によって、漏水個所の探索並びに補修を行なうことがで
きる効果がある。
【0022】殊に、貯溜区画を空き缶やペットボトル等
の廃棄物で簡単に、しかも使用個所に対応する形状に形
成することができるので、作業コストの低廉化、並び
に、廃棄物利用による省資源に寄与するところ大なる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る補修方法のうち最も一般的な場合
を示す図である。
【図2】パラペットに亀裂がある場合の施工例である。
【図3】タイルに亀裂がある場合の施工例である。
【図4】壁に亀裂がある場合の施工例である。
【図5】貯溜区画の形状例を示す図である。
【符号の説明】
1 スラブ 2 亀裂 3 貯溜区画 3a 貯留区画 4 パラペット 5 亀裂 6 外壁 7 伸縮目地 8 躯体 9 押えコンクリート 10 防水層 11 断熱材 12 タイル 13 タイル目地 14 亀裂 14a 亀裂 15 押えコンクリート 16 亀裂 17 ガムテープ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亀裂上の1箇所又は複数箇所に耐水性資
    材にて貯溜区画を形成し、前記貯溜区画内に漏水探査液
    を注入し、前記漏水探査液をその水頭圧によって前記亀
    裂内に導入することを特徴とするコンクリート構造物の
    亀裂における漏水個所探査方法。
  2. 【請求項2】 前記貯溜区画を無底の筒状の耐水性資材
    で形成する請求項1に記載のコンクリート建造物の亀裂
    における漏水個所探査方法。
  3. 【請求項3】 前記貯溜区画を有底の筒状体を縦割りし
    た形状の耐水性資材で形成する請求項1に記載のコンク
    リート構造物の亀裂における漏水個所探査方法。
  4. 【請求項4】 前記耐水性資材として飲料缶、ペットボ
    トル、塩化ビニールパイプ等の廃棄物を用いる請求項
    1、2又は3に記載のコンクリート構造物の亀裂におけ
    る漏水個所探査方法。
  5. 【請求項5】 亀裂上の1箇所又は複数箇所に耐水性資
    材にて貯溜区画を形成し、前記貯溜区画内に防水液を注
    入し、前記防水液をその水頭圧によって前記亀裂内に導
    入することを特徴とするコンクリート構造物の亀裂補修
    方法。
  6. 【請求項6】 前記貯溜区画を無底の筒状の耐水性資材
    で形成する請求項5に記載のコンクリート構造物の亀裂
    補修方法。
  7. 【請求項7】 前記貯溜区画を有底の筒状体を縦割りし
    た形状の耐水性資材で形成する請求項5に記載のコンク
    リート構造物の亀裂補修方法。
  8. 【請求項8】 前記耐水性資材として飲料缶、ペットボ
    トル、塩化ビニールパイプ等の廃棄物を用いる請求項
    5、6又は7に記載のコンクリート構造物の亀裂補修方
    法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003307464A (ja) * 2002-04-16 2003-10-31 Ohbayashi Corp コンクリートダムの漏水検査方法および漏水処理方法
JP2010044076A (ja) * 2009-08-24 2010-02-25 Tadashi Obuchi 建造物の雨漏り検査方法、および装置
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CN103195261A (zh) * 2013-04-10 2013-07-10 舒洪祥 房顶下水管道口环状裂缝的补防漏方法
KR101594576B1 (ko) * 2015-04-28 2016-03-09 (주)월드이앤씨 콘크리트 댐 구조물의 누수 예방 방법
CN106290719A (zh) * 2016-07-27 2017-01-04 贵州遵义铭东商贸有限公司 一种新型防水材料渗漏性检测装置

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