JP5905279B2 - フローコンベヤ - Google Patents

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Description

本発明は、コンベヤケース内で駆動スプロケットおよび従動スプロケットに巻き掛けたチェーンとこのチェーンの左右両側にチェーン長手方向に所定の間隔を開けてそれぞれ取り付けた弾性材料でなる複数の弾性スクレーパー板とを備えて粉粒体を水平搬送するフローコンベヤに関する。
ここで、「粉粒体」とは、穀類の粉体、粒体、粉炭、食品、薬品、樹脂などの粉体や粒体をいう。
従来、コンベヤケース内で駆動スプロケットおよび従動スプロケットに巻き掛けたチェーンとこのチェーンの左右両側にチェーン長手方向に所定の間隔を開けてそれぞれ取り付けた鋼製の複数の掻き板とこの複数の掻き板のうちの一部に弾性材料でなる弾性スクレーパー板とを備えて粉粒体を水平搬送するフローコンベヤが知られている(例えば特許文献1)。
このような従来のフローコンベヤとして、例えば、図7(A)および図7(B)に示すフローコンベヤ500がある。
このうち、図7(A)は、掻き板560が移動している様子を示すフローコンベヤ500の内部の側面図であり、図7(B)は、図7(A)の状態から掻き板560が進行方向へ進んだ状態を示す側面図である。
従来のフローコンベヤ500は、コンベヤケース510内で駆動スプロケットおよび従動スプロケットに巻き掛けたチェーン540とこのチェーン540の左右両側にチェーン長手方向に所定の間隔を開けてそれぞれ取り付けた鋼製の複数の掻き板560とを備えていた。
掻き板560は、この掻き板560の面が掻き板560の進行方向へ向いた姿勢でチェーン540に設けられたアタッチメント545にボルトとナットによって取り付けられ、コンベヤケース510の底板511上の粉粒体Mを搬送するように設けられていた。
なお、コンベヤケース510の底板511上の粉粒体Mの残留物M1を掻き取る目的の図示しない弾性スクレーパー板も掻き板560と同様に、弾性スクレーパー板の面が掻き板560の進行方向へ向いた姿勢で一部の掻き板560の前面に取り付けられていた。
また、コンベヤケース内で駆動スプロケットおよび従動スプロケットに巻き掛けたチェーンとこのチェーンの左右両側にチェーン長手方向に所定の間隔を開けてそれぞれ取り付けた鋼製の複数の掻き板とを備え、この複数の掻き板のうちの一部の掻き板の下端がコンベヤケース内の底板から離間しているとともにこの掻き板の前面が進行方向へ粉粒体を押すことにより粉粒体から下方への押圧力を受けるように進行方向に対して上方を向くように傾いており、残りの掻き板の下端がコンベヤケース内の底板に接触するとともにこの掻き板の前面が進行方向へ向いて前述した下方への押圧力を受けながらコンベヤケース内の底板上の粉粒体を搬送するフローコンベヤが知られている(例えば、特許文献2)。
特開2008−143631号公報 特開2009−143720号公報
しかしながら、上述した従来のフローコンベヤ500は、掻き板560および弾性スクレーパー板(図示せず)の前面の全体が平坦で、この前面の全体が掻き板560の進行方向へ向いている構造であったため、図7(B)に示すように、図7(A)の状態から掻き板560が進行方向へ進むとコンベヤケース510内の底板511上の粉粒体Mに乗り上げてこの粉粒体Mの上を通過し、粉粒体Mの残留物M1が生じるという問題があった。
なお、特許文献2に記載されている従来のフローコンベヤは、一部の掻き板の前面が進行方向の上方へ向いているがこの一部の掻き板の下端がコンベヤケース内の底板から離間しており、実際に底板上の粉粒体を搬送するのは、コンベヤケース内の底板と接触するとともに前面が進行方向へ向いた残りの掻き板であり、この残りの掻き板の前面の全体が平坦で、この前面の全体が掻き板の進行方向へ向いている構造であったため、前述した下方への押圧力が十分でない場合は、図7(B)に示すように、掻き板が進行方向へ進むとコンベヤケース内の底板上の粉粒体に乗り上げてこの粉粒体の上を通過し、粉粒体の残留物が生じるという問題があった。
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、コンベヤケース内の底板上の粉粒体の上をフライトが通過して残留物が発生することを防止するフローコンベヤを提供することである。
本請求項1に係る発明は、コンベヤケース内で駆動スプロケットおよび従動スプロケットに巻き掛けたチェーンと該チェーンの左右両側にチェーン長手方向に所定の間隔を開けてそれぞれ取り付けた弾性材料でなる複数の弾性スクレーパー板とを備えて粉粒体を水平搬送するフローコンベヤにおいて、平面状前記弾性スクレーパー板の下端が、前記コンベヤケースの底板と面接触する底部接触面を有するとともに、前記弾性スクレーパー板の前面が、該弾性スクレーパー板の進行方向に対して垂直な垂直面と、前記垂直面の下端と前記底部接触面の前端とを結んだ状態で底板上の粉粒体と接触する傾斜面とを有し、前記垂直面の下端が、前記底部接触面より高い位置にあることにより、前述した課題を解決するものである。
本請求項2に係る発明は、コンベヤケース内で駆動スプロケットおよび従動スプロケットに巻き掛けたチェーンと該チェーンの左右両側にチェーン長手方向に所定の間隔を開けてそれぞれ取り付けた複数の掻き板と該複数の掻き板のうちの少なくとも1つの進行方向前側に取り付けた弾性材料でなる弾性スクレーパー板とを備えて粉粒体を水平搬送するフローコンベヤにおいて、平面状前記弾性スクレーパー板の下端が、前記コンベヤケースの底板と面接触する底部接触面を有するとともに、前記弾性スクレーパー板の前面が、前記掻き板の進行方向に対して垂直な垂直面と、前記垂直面の下端と前記底部接触面の前端とを結んだ状態で底板上の粉粒体と接触する傾斜面とを有し、前記垂直面の下端が、前記底部接触面より高い位置にあることにより、前述した課題を解決するものである。
本請求項1に係る発明は、コンベヤケース内で駆動スプロケットおよび従動スプロケットに巻き掛けたチェーンとこのチェーンの左右両側にチェーン長手方向に所定の間隔を開けてそれぞれ取り付けた弾性材料でなる複数の弾性スクレーパー板とを備えて粉粒体を水平搬送するフローコンベヤにおいて、平面状弾性スクレーパー板の下端が、コンベヤケースの底板と面接触する底部接触面を有するとともに、弾性スクレーパー板の前面が、この弾性スクレーパー板の進行方向に対して垂直な垂直面と、垂直面の下端と底部接触面の前端とを結んだ状態で底板上の粉粒体と接触する傾斜面とを有し、垂直面の下端が、底部接触面より高い位置にあることにより、傾斜面によって粉粒体が進行方向前側に押されるとともに下方にも押されて粉粒体が傾斜面と底板との間に抱え込まれるようにして溜まるため、この溜まった粉粒体が進行方向前側へ移動しながら底板上の残留物をクリーニングすることができる。
すなわち、底板上の粉粒体(残留物)の上を弾性スクレーパー板が通過することを防止することができる。
この際、弾性スクレーパー板が適度に弾性変形するため、粉粒体を下方へ押す力の大きさを適度な大きさとして粉粒体を潰さずに搬送できる。
また、上方へ積み重なった粉粒体が傾斜面と接触する場合、複数の粉粒体が一塊になって傾斜面と底板との間に溜まるため、この溜まった一塊の複数の粉粒体が進行方向前側に移動しながら底板上の残留物をクリーニングすることができる。
さらに仮に弾性スクレーパー板の下端と底板との間に隙間が生じた場合であっても、傾斜面と接触している複数の粉粒体が一塊となって底板と接触しているため、この隙間より小さい残留物をもクリーニングすることができる。
本請求項2に係る発明は、コンベヤケース内で駆動スプロケットおよび従動スプロケットに巻き掛けたチェーンとこのチェーンの左右両側にチェーン長手方向に所定の間隔を開けてそれぞれ取り付けた複数の掻き板とこの複数の掻き板のうちの少なくとも1つの進行方向前側に取り付けた弾性材料でなる弾性スクレーパー板とを備えて粉粒体を水平搬送するフローコンベヤにおいて、平面状弾性スクレーパー板の下端が、コンベヤケースの底板と面接触する底部接触面を有するとともに、弾性スクレーパー板の前面が、掻き板の進行方向に対して垂直な垂直面と、垂直面の下端と底部接触面の前端とを結んだ状態で底板上の粉粒体と接触する傾斜面とを有し、垂直面の下端が、底部接触面より高い位置にあることにより、傾斜面によって粉粒体が進行方向前側に押されるとともに下方にも押されて粉粒体が傾斜面と底板との間に抱え込まれるようにして溜まるため、この溜まった粉粒体が進行方向前側へ移動しながら底板上の残留物をクリーニングすることができる。
すなわち、底板上の粉粒体(残留物)の上を弾性スクレーパー板が通過することを防止することができる。
この際、弾性スクレーパー板が適度に弾性変形するため、粉粒体を下方へ押す力の大きさを適度な大きさとして粉粒体を潰さずに搬送できる。
また、上方へ積み重なった粉粒体が傾斜面と接触する場合、複数の粉粒体が一塊になって傾斜面と底板との間に溜まるため、この溜まった一塊の複数の粉粒体が進行方向前側に移動しながら底板上の残留物をクリーニングすることができる。
さらに仮に弾性スクレーパー板の下端と底板との間に隙間が生じた場合であっても、傾斜面と接触している複数の粉粒体が一塊となって底板と接触するため、この隙間より小さい残留物をもクリーニングすることができる。
本発明の第1実施例のフローコンベヤの概略側面図。 本発明の第1実施例の弾性スクレーパー板を取り付けたチェーンの平面図および側面図。 本発明の第1実施例の弾性スクレーパー板の正面図。 本発明の第1実施例の弾性スクレーパー板の斜視図。 本発明の第1実施例の弾性スクレーパー板の効果を示す側面図。 本発明の第2実施例の弾性スクレーパー板を取り付けたチェーンの平面図および側面図。 従来技術のフローコンベヤの掻き板を示す側面図。
本発明は、コンベヤケース内で駆動スプロケットおよび従動スプロケットに巻き掛けたチェーンとこのチェーンの左右両側にチェーン長手方向に所定の間隔を開けてそれぞれ取り付けた弾性材料でなる複数の弾性スクレーパー板とを備えて粉粒体を水平搬送するフローコンベヤにおいて、平面状弾性スクレーパー板の下端が、コンベヤケースの底板と面接触する底部接触面を有するとともに、弾性スクレーパー板の前面が、この弾性スクレーパー板の進行方向に対して垂直な垂直面と、垂直面の下端と底部接触面の前端とを結んだ状態で底板上の粉粒体と接触する傾斜面とを有し、垂直面の下端が、底部接触面より高い位置にあることによって、傾斜面によって粉粒体が進行方向前側に押されるとともに下方にも押されて粉粒体が傾斜面と底板との間に抱え込まれるようにして溜まるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
例えば、弾性スクレーパー板は、弾性素材で形成されていればよく、樹脂等を用いてもよい。
また、弾性スクレーパー板を鋼製の掻き板と併用してもよいし、鋼製の掻き板を用いずに弾性スクレーパー板のみを用いてもよい。
さらに、弾性スクレーパー板を取り付ける箇所は、チェーンの内プレートおよび外プレートのいずれでもよい。
また、「面取り加工されて形成」は、実際に角を削って形成してもよいし、初めから角が削られたように形成してもよく、つまり、結果的に角が削られたような形状となって傾斜面が形成されていればよい。
さらに、粉粒体の搬送方向は、略水平であればよく、弾性スクレーパー板の前面の垂直面は、この弾性スクレーパー板の進行方向に対して略垂直であればよい。
以下に、本発明の第1実施例であるフローコンベヤ100について、図1乃至図5に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の第1実施例のフローコンベヤ100の概略側面図であり、図2(A)は、本発明の第1実施例の弾性スクレーパー板150を取り付けたチェーン140の平面図であり、図2(B)は、本発明の第1実施例の弾性スクレーパー板150を取り付けたチェーン140の側面図であり、図3(A)〜図3(C)は、図1のX−X’断面の位置でみた本発明の第1実施例の弾性スクレーパー板150の正面図であり、図4は、本発明の第1実施例の弾性スクレーパー板150の斜視図であり、図5(A)および図5(B)は、本発明の第1実施例の弾性スクレーパー板150の効果を示す側面図である。
このうち、図3(A)は、図2(A)および図2(B)に示す基本的はタイプの弾性スクレーパー板150aであり、図3(B)は、図2(A)および図2(B)に示す弾性スクレーパー板150bであり、図3(C)は、図2(A)および図2(B)に示す弾性スクレーパー板150cである。
本発明の第1実施例であるフローコンベヤ100は、図1乃至図5に示すように、コンベヤケース110内で駆動スプロケット120および従動スプロケット130に巻き掛けたチェーン140とこのチェーン140の左右両側にチェーン長手方向に所定の間隔を開けてそれぞれ取り付けた弾性材料でなる複数の弾性スクレーパー板150とを備えて粉粒体Mを水平搬送するように構成されている。
このうち、駆動スプロケット120は、モータの動力によって駆動するように設けられている。
一方、従動スプロケット130は、チェーン張力方向へ公知のテークアップ機構180によって調整可能に設けられている。
テークアップ機構180は、使用によってチェーン140が徐々に伸びた場合にチェーン140の張力が低下する傾向があり、チェーン140の張力が強くなる側に従動スプロケット130の軸部を移動させて張力を所定の大きさに保つための機構である。
また、長尺に設けられたコンベヤケース110の一端側には、投入口112が設けられており、他端側には、排出口113が設けられている。
そして、駆動スプロケット120が駆動することにより、チェーン140に取り付けられたフライトとしての弾性スクレーパー板150が、投入口112から投入された粉粒体Mをコンベヤケース110の底板111上で掻き取りながら排出口113まで搬送することにより、粉粒体Mが排出口113から排出される。
なお、コンベヤケース110内の下方の底板111上を排出口113側へ移動したチェーン140および弾性スクレーパー板150は、反転してコンベヤケース110内の上方のレール支持部材171に支持されたレール材170に案内されて投入口112側へ移動して再び反転してコンベヤケース110内の下方の底板111上を排出口113側へ移動するように構成されている。
チェーン140の具体的な構成について説明すると、チェーン140は、図2乃至図4に示すように、左右一対の内プレート141と、この内プレート141のブシュ孔にブシュ端部を圧入嵌着するブシュ(図示せず)と、左右一対の内プレート141の両外側にそれぞれ配置する左右一対の外プレート143と、ブシュに回転自在に嵌挿して外プレート143のピン孔にピン端部を圧入嵌着するピン144と、左右一対の内プレート141の間にそれぞれ配設するとともにブシュの外周に回動自在に遊嵌するローラ142とを備えている。
そして、弾性スクレーパー板150が、一例として内プレート141の左右両側に設けられたアタッチメント145に押さえ板153によって押さえられるとともにボルトBおよびナットNによって取り付けられている。
なお、図2および図3に示すように、一例として3タイプの弾性スクレーパー板150a、150b、150c(150)があり、基本的なタイプの弾性スクレーパー板150aが多く配列されている中で弾性スクレーパー板150bおよび弾性スクレーパー板150cが所定の間隔で配設されている。
図3(A)に示すように、弾性スクレーパー板150aと、コンベヤケース110内の側壁板114a、114b(114)との間に隙間が設けられている。
また、図3(B)に示すように、弾性スクレーパー板150bは、コンベヤケース110内の側壁板114aと底板111とで形成される角にフィットするように形成されている。
同様に、図3(C)に示すように、弾性スクレーパー板150cは、コンベヤケース110内の側壁板114bと底板111とで形成される角にフィットするように形成されている。
これらにより、コンベヤケース110内の側壁板114a、114b(114)と底板111とで形成される角に残留物M1が溜まることを防止できる。
さらに、図5(A)および図5(B)に示すように、平面状に形成された弾性スクレーパー板150の下端151が、コンベヤケース110の底板111と面接触するとともに、弾性スクレーパー板150の前面152が、この弾性スクレーパー板150の進行方向に対して垂直な垂直面152aと、この垂直面152aの下方で面取り加工されて形成され底板111上の粉粒体Mと接触する傾斜面152bとからなる。
これにより、図5(A)および図5(B)に示すように、傾斜面152bによって粉粒体Mが進行方向前側に押されるとともに下方にも押されて粉粒体Mが傾斜面152bと底板111との間に抱え込まれるようにして溜まる。
さらに、上方へ積み重なった粉粒体Mが傾斜面152bと接触する場合、複数の粉粒体Mが一塊になって傾斜面152bと底板111との間に溜まる。
さらに仮に弾性スクレーパー板150の下端151と底板111との間に隙間が生じた場合であっても、傾斜面152bと接触している複数の粉粒体Mが一塊となって底板111と接触する。
また、傾斜面152bの上端からコンベヤケース110の底板111までの長さLが、底板111上の粉粒体Mの粒径Rより長い関係が成立している。
これにより、粉粒体Mがより確実に傾斜面152bと底板111との間に抱え込まれるようにして溜まる。
さらに、傾斜面152bと底板111と垂直面152aの延長線Eとで閉じられる空間の大きさA1が、底板111上の粉粒体Mの大きさA2より大きい関係が成立している。
これにより、底板111上の粉粒体Mが傾斜面152bと底板111との間の空間内に抱え込まれるようにして弾性スクレーパー板150とともに移動する。
より詳しく説明すると、図5(A)に示すように、弾性スクレーパー板150が進行方向へ進むと、底板111上の粉粒体Mが弾性スクレーパー板150の傾斜面152bと接触する。
この際、傾斜面152bによって粉粒体Mが進行方向前側に押されるとともに下方にも押されるとともに、粉粒体Mが傾斜面152bに僅かに食い込むように弾性スクレーパー板150が適度に弾性変形することにより、粉粒体Mが傾斜面152bと底板111との間に抱え込まれるようにして溜まる。
つまり、粉粒体Mが潰されることなく、傾斜面152bと底板111との間に抱え込まれるようにして溜まる。
そして、図5(B)に示すように、図5(A)に示す位置から弾性スクレーパー板150が進行方向へさらに進むと、傾斜面152bと底板111との間に抱え込まれるようにして溜まった粉粒体Mが、底板111上の粉粒体Mの残留物M1を掻き取って搬送する。
この際、傾斜面152bと底板111との間に抱え込まれるようにして溜まった複数の粉粒体Mが一塊となるため、底板111上の粉粒体Mの残留物M1をきれいに掻き取る。
また、仮に弾性スクレーパー板150の下端151と底板111との間に隙間が生じた場合であっても、傾斜面152bと接触している複数の粉粒体Mが一塊となって底板111と接触するため、底板111上の粉粒体Mの残留物M1をきれいに掻き取る。
なお、傾斜面152bの角度が殆ど変化しないので、傾斜面152bと底板111との間に抱え込まれるようにして溜まった粉粒体Mの位置が傾斜面152bと底板111との間の空間内で安定する。
このようにして得られた第1実施例であるフローコンベヤ100は、平面状弾性スクレーパー板150の下端151が、コンベヤケース110の底板111と面接触する底部接触面を有するとともに、弾性スクレーパー板150の前面152が、この弾性スクレーパー板150の進行方向に対して垂直な垂直面152aと、垂直面152aの下端と底部接触面の前端とを結んだ状態で底板111上の粉粒体Mと接触する傾斜面152bとを有し、垂直面152aの下端が、底部接触面より高い位置にあることにより、この溜まった粉粒体Mが進行方向前側へ移動しながら底板111上の残留物M1をクリーニングすることができるとともに、粉粒体Mを下方へ押す力の大きさを適度な大きさとして粉粒体Mを潰さずに搬送でき、さらに、この溜まった一塊の複数の粉粒体Mが進行方向前側に移動しながら底板111上の残留物M1をクリーニングすることができ、仮に弾性スクレーパー板150の下端151と底板111との間に隙間が生じた場合であっても、この隙間より小さい残留物M1をもクリーニングすることができる。
また、傾斜面152bの上端からコンベヤケース110の底板111までの長さLが、底板111上の粉粒体Mの粒径Rより長い関係が成立していることにより、クリーニング効果をより高めることができる。
さらに、傾斜面152bと底板111と垂直面152aの延長線Eとで閉じられる空間の大きさA1が、底板111上の粉粒体Mの大きさA2より大きい関係が成立していることにより、抱え込まれた粉粒体Mが底板111上の残留物M1をより確実にクリーニングすることができるなど、その効果は甚大である。
続いて、本発明の第2実施例であるフローコンベヤ200について、図6に基づいて説明する。
ここで、図6(A)は、本発明の第2実施例の弾性スクレーパー板250を取り付けたチェーン240の平面図であり、図6(B)は、本発明の第2実施例の弾性スクレーパー板250を取り付けたチェーン240の側面図である。
第2実施例のフローコンベヤ200の弾性スクレーパー板250を取り付けたチェーン240は、第1実施例のフローコンベヤ100の弾性スクレーパー板150を取り付けたチェーン140の弾性スクレーパー板150の配列を、鋼製の掻き板260と併用した配列としたものであり、多くの要素について第1実施例のフローコンベヤ100の弾性スクレーパー板150を取り付けたチェーン140と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する200番台の符号を付すのみとする。
なお、図示しない第2実施例の駆動スプロケットおよび従動スプロケットについては、第1実施例の駆動スプロケット120および従動スプロケット130と同じであるので、同じ符号を用いることとする。
図6(A)および図6(B)に示すように、本発明の第2実施例のフローコンベヤ200は、コンベヤケース210内で駆動スプロケット120および従動スプロケット130に巻き掛けたチェーン240とこのチェーン240の左右両側にチェーン長手方向に所定の間隔を開けてそれぞれ取り付けた複数の掻き板260とこの複数の掻き板260のうちの少なくとも1つの進行方向前側に取り付けた弾性材料でなる弾性スクレーパー板250とを備えて粉粒体Mを水平搬送するように構成されている。
チェーン240は、左右一対の内プレート241と、この内プレート241のブシュ孔にブシュ端部を圧入嵌着するブシュ(図示せず)と、左右一対の内プレート241の両外側にそれぞれ配置する左右一対の外プレート243と、ブシュに回転自在に嵌挿して外プレート243のピン孔にピン端部を圧入嵌着するピン244と、左右一対の内プレート241の間にそれぞれ配設するとともにブシュの外周に回動自在に遊嵌するローラ242とを備えている。
そして、鋼製の掻き板260が、一例として内プレート241の左右両側に設けられたアタッチメント245に押さえ板253によって押さえられるとともにボルトBおよびナットNによって取り付けられるとともに、弾性スクレーパー板250が、掻き板260とともにこの掻き板260の進行方向前側に少なくとも1つ取り付けられている。
さらに、図5(A)および図5(B)に示す弾性スクレーパー板150と同様に、平面状に形成された弾性スクレーパー板250の下端251が、コンベヤケース210の底板211と面接触するとともに、弾性スクレーパー板250の前面252が、この弾性スクレーパー板250の進行方向に対して垂直な垂直面252aと、この垂直面252aの下方で面取り加工されて形成され底板211上の粉粒体Mと接触する傾斜面252bとからなる。
これにより、傾斜面252bによって粉粒体Mが進行方向前側に押されるとともに下方にも押されて粉粒体Mが傾斜面252bと底板211との間に抱え込まれるようにして溜まる。
さらに、上方へ積み重なった粉粒体Mが傾斜面252bと接触する場合、複数の粉粒体Mが一塊になって傾斜面252bと底板211との間に溜まる。
さらに仮に弾性スクレーパー板250の下端251と底板211との間に隙間が生じた場合であっても、傾斜面252bと接触している複数の粉粒体Mが一塊となって底板211と接触する。
また、弾性スクレーパー板250の厚みは、鋼製の掻き板260の厚みより厚く、さらに粉粒体Mの粒径Rの2倍以上であることが望ましい。
これにより、弾性スクレーパー板250の強度を高めて残留物M1をきれいに掻き取ることができるからである。
このようにして得られた第2実施例であるフローコンベヤ200は、平面状弾性スクレーパー板250の下端251が、コンベヤケース210の底板211と面接触する底部接触面を有するとともに、弾性スクレーパー板250の前面252が、掻き板260の進行方向に対して垂直な垂直面252aと、垂直面252aの下端と底部接触面の前端とを結んだ状態で底板211上の粉粒体Mと接触する傾斜面252bとを有し、垂直面252aの下端が、底部接触面より高い位置にあることにより、この溜まった粉粒体Mが進行方向前側へ移動しながら底板211上の残留物M1をクリーニングすることができるとともに、粉粒体Mを下方へ押す力の大きさを適度な大きさとして粉粒体Mを潰さずに搬送でき、さらに、この溜まった一塊の複数の粉粒体Mが進行方向前側に移動しながら底板211上の残留物M1をクリーニングすることができ、仮に弾性スクレーパー板250の下端251と底板211との間に隙間が生じた場合であっても、この隙間より小さい残留物M1をもクリーニングすることができるなど、その効果は甚大である。
100、 200、 500 ・・・ フローコンベヤ
110、 210、 510 ・・・ コンベヤケース
111、 211、 511 ・・・ 底板
112 ・・・ 投入口
113 ・・・ 排出口
114 ・・・ 側壁板
120 ・・・ 駆動スプロケット
130 ・・・ 従動スプロケット
140、 240、 540 ・・・ チェーン
141、 241 ・・・ 内プレート
142、 242 ・・・ ローラ
143、 243 ・・・ 外プレート
144、 244 ・・・ ピン
145、 245、 545 ・・・ アタッチメント
150、 250 ・・・ 弾性スクレーパー板
151、 251 ・・・ 下端
152、 252 ・・・ 前面
152a、252a ・・・ 垂直面
152b、252b ・・・ 傾斜面
153、 253 ・・・ 押さえ板
260、 560 ・・・ (鋼製の)掻き板
170 ・・・ レール材
171 ・・・ レール支持部材
180 ・・・ テークアップ機構
B ・・・ ボルト
M ・・・ 粉粒体
M1 ・・・ (粉粒体の)残留物
N ・・・ ナット

Claims (2)

  1. コンベヤケース内で駆動スプロケットおよび従動スプロケットに巻き掛けたチェーンと該チェーンの左右両側にチェーン長手方向に所定の間隔を開けてそれぞれ取り付けた弾性材料でなる複数の弾性スクレーパー板とを備えて粉粒体を水平搬送するフローコンベヤにおいて、
    平面状前記弾性スクレーパー板の下端が、前記コンベヤケースの底板と面接触する底部接触面を有するとともに、
    前記弾性スクレーパー板の前面が、該弾性スクレーパー板の進行方向に対して垂直な垂直面と、前記垂直面の下端と前記底部接触面の前端とを結んだ状態で底板上の粉粒体と接触する傾斜面とを有し、
    前記垂直面の下端が、前記底部接触面より高い位置にあることを特徴とするフローコンベヤ。
  2. コンベヤケース内で駆動スプロケットおよび従動スプロケットに巻き掛けたチェーンと該チェーンの左右両側にチェーン長手方向に所定の間隔を開けてそれぞれ取り付けた複数の掻き板と該複数の掻き板のうちの少なくとも1つの進行方向前側に取り付けた弾性材料でなる弾性スクレーパー板とを備えて粉粒体を水平搬送するフローコンベヤにおいて、
    平面状前記弾性スクレーパー板の下端が、前記コンベヤケースの底板と面接触する底部接触面を有するとともに、
    前記弾性スクレーパー板の前面が、前記掻き板の進行方向に対して垂直な垂直面と、前記垂直面の下端と前記底部接触面の前端とを結んだ状態で底板上の粉粒体と接触する傾斜面とを有し、
    前記垂直面の下端が、前記底部接触面より高い位置にあることを特徴とするフローコンベヤ。
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