JP5903879B2 - エンジンのクランクピン給油構造およびエンジンの給油装置 - Google Patents
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Description
クランク軸はメインジャーナル部とクランクピン部とを備えており、メインジャーナル部が軸受を介してシリンダブロックに軸支される一方で、クランクピン部は軸受を介してコネクティングロッドに連結されている。
多気筒エンジンの場合、気筒相当数のクランクピン部には当該クランクピン部に隣接するメインジャーナル部からピン部給油路を介してオイルが供給される。
メインジャーナル部およびクランクピン部は何れも油膜を介して回転するもので、油膜に作用するせん断力で摩擦熱が発生し、油膜の温度が上昇し、適当な油膜温度が維持されると、オイルの粘性が適切となって、回転抵抗が軽減できる。
特に、クランクピン部はメインジャーナル部の軸心(クランク軸の軸心)より偏心した位置にあり、偏心量が比較的大きいので、該クランクピン部の油膜は遠心力の作用を受け、この遠心力はエンジン回転数が高くなる程大きくなり、油圧の増加によりオイル流入量がさらに多くなるので、回転抵抗がより一層増大する問題点があった。
筒状弁体はメインジャーナル部軸心から遠ざかる側に大径部を有し、メインジャーナル部軸心に近づく側に小径部を有しており、これら小径部と大径部とには受圧面に差をもたせているので、有底油室に作用する油圧力に対応して筒状弁体はメインジャーナル部軸心に近づく方向に変位し、交差油路の開口面積を増大させる。
このように、ピン部給油路に作用する遠心力による油圧上昇分が、筒状弁体に作用する遠心力分を打ち消し、遠心力による油圧上昇分を概ねキャンセルすることができ、筒状弁体を遠心力に影響されない油圧に応じて、適正に変位させ、油量調整を正確に行なうことができる。
換言すれば、筒状弁体に作用する遠心力を、有底油室において大径部の受圧面に作用する油圧で打消し、遠心力の影響を概ねなくすことができ、本来の制御油圧により筒状弁体をコントロールすることができる。
上記構成によれば、ピン部内油量制御弁をユニット化(複数部品としての筒状弁体、バネ等が一体的に組付けられた構成単位)することができ、これにより、クランク軸の加工を簡素化することができる。
上述の特定のメインジャーナル部は、直列多気筒エンジンにおいて気筒列方向の中央に位置するメインジャーナル部に設定してもよい。
また、それぞれのクランクピン部に対しては、ピン部給油路とピン部内油量制御弁とを介してオイルが供給される。
上記主油路の流量は軸受部用流量制御弁でコントロールされ、ピン部用サブ油路の流量はクランクピン部用流量制御弁でコントロールされ、しかも、クランクピン部の潤滑部に供給される油圧はピン部内油量制御弁により遠心力による油圧上昇分を概ねキャンセルすることができる。
よって、メインジャーナル部とクランクピン部との総合的な給油をより一層高精度に行なうことができる。
図面はエンジンのクランクピン給油構造およびエンジンの給油装置を示すが、まず、図1〜図4を参照してエンジンの給油装置について説明する。
図1はエンジンの給油装置を示す全体構成図、図2はクランク軸のメインジャーナル部からクランクピン部に向かうピン部給油路を示すクランク軸の断面図、図3は特定軸受部における縦断面図、図4は特定軸受部以外の軸受部における縦断面図である。
エンジンEは、シリンダヘッド(図示せず)と、シリンダブロック2と、エンジンEの潤滑油(つまり、オイル)を回収および貯留可能なオイルパン4とが上下方向に連結されている。
シリンダヘッドには、複数の吸気弁と、複数の排気弁と、複数の吸気弁を駆動する吸気側カム軸と、複数の排気弁を駆動する排気側カム軸等が配置されている。シリンダブロック2には、列状に配置された気筒相当数、つまり4つのシリンダボア2aが形成され、各シリンダボア2a内をそれぞれ上下方向に摺動可能な4つのピストン(図示せず)が配置されている。
4つのピストンとクランク軸10が4本のコネクティングロッド5を介して連結されている。縦壁部3aおよびロアブロック3bには、中央軸受部21(特定軸受部)と、4つの側部軸受部22(特定軸受部以外の複数の軸受部)とが形成されている。
特定軸受部としての中央軸受部21は、第2気筒#2と第3気筒#3との間にクランク軸10と直交するように形成され、特定軸受部以外の軸受部としての側部軸受部22は、第1気筒#1と第2気筒#2の間と、第3気筒#3と第4気筒#4の間と、第1気筒#1の外壁部と、第4気筒#4の外壁部とにそれぞれクランク軸10と直交するように形成されている。
中央軸部11は、クランク軸10の回転軸心と同軸状に配置され、クランク軸10の軸方向中央位置に形成されている。
中央軸部11は、縦壁部3aおよびロアブロック3bに形成された中央軸受部21に軸受メタル21aを介して回転自在に枢支されている。
中央軸部11の外周には、潤滑油を中央軸部11の内部へ導入可能な1対の開口部11aが形成されている。
4つの側部軸部12は、クランク軸10の回転軸心と同軸状に配置され、クランク軸10の中央軸受部21の前後側方位置にそれぞれ2つづつ形成されている。
各側部軸部12は縦壁部3aおよびロアブロック3bに形成された側部軸受部22に軸受メタル22aを介して回転自在に枢支されている。軸受メタル21a,22aには、該軸受メタル21a,22aの内外を連通可能な連通開口が形成されている。
中央油路14eは、一方の開口部11aから他方の開口部11aに亙って軸心直交方向へ略直線状に形成され、中央軸受部21に供給された潤滑油をクランク軸10内部へ導入可能に構成されている。
第1ピン部給油路14aは、中央油路14eに供給された潤滑油を側部軸部12を経由して第1気筒#1に対応したクランクピン部13の交差油路13aへ流動可能に形成されている。
第2ピン部給油路14bは、中央油路14eに供給された潤滑油を第2気筒#2に対応したクランクピン部13の交差油路13bへ流動可能に形成されている。
第3ピン部給油路14cは、中央油路14eに供給された潤滑油を第3気筒#3に対応したクランクピン部13の交差油路13cへ流動可能に形成されている。
第4ピン部給油路14dは、中央油路14eに供給された潤滑油を側部軸部12を経由して第4気筒#4に対応したクランクピン部13の交差油路13dへ流動可能に形成されている。
これにより、開口部11aからクランク軸10内部へ導入された潤滑油は、各交差油路13a〜13dからそれぞれに対応した軸受メタル5a(図1参照)に給油される。なお、軸受メタル5aには、該軸受メタル5aの内外を連通可能な連通開口が形成されている。
ここで、ピン部給油路14a〜14dと交差油路13a〜13dとの間には、ピン部内油量制御弁60(図5参照)が設けられるが、このピン部内油量制御弁の具体的構造については後述する。
オイルポンプ6は、吐出圧の下限が150[kPa]に設定された電動式の可変容量型オイルポンプにより構成されている。なお、電動式のオイルポンプ6に代えて機械式の固定容量型オイルポンプを適用することも可能である。
主油路7には、分岐主油路7aと、ピン部用サブ油路30と、分岐油路45とがそれぞれ接続されている。
分岐主油路7aは、シリンダブロック2やシリンダヘッド等に穿設された通路により構成されている。分岐主油路7aには、ピストン潤滑用油路8と、ピストン冷却用油路9とが接続されている。
ピストン潤滑用油路8には、潤滑用ノズルの上流側位置に運転状態に応じて開閉可能な電磁切換弁V3が設けられている。潤滑油は、各ピストンの背面に噴射され、ピストンに装着されたコンプレッションリングとオイルリングとの間のランド部へ供給される。これにより、ピストンが上昇移動する時、潤滑油がオイルリングの先行域へ給油され、オイルリングのシリンダボア2aに対する摺動抵抗が低減される。
また、第2逆止弁33は、その逆止作用により、第2制御弁V2により調圧され中央軸受部11に供給される潤滑油の油圧が、第1制御弁V1により調圧され各側部軸受部22に供給される潤滑油の油圧より大きくても連通路31を介して各側部軸受部22の給油形態に影響を与えることはない。
第2制御弁V2は、例えば、デューティソレノイドにより駆動するスプール弁であり、コントロールユニット50から送信される制御信号によりデューティ制御される。
第1制御弁V1は、例えば、デューティソレノイドにより駆動するスプール弁であり、コントロールユニット50から送信される制御信号によりデューティ制御される。
第1逆止弁43は、分岐給油路42の油圧が所定圧力以上の時、潤滑油を軸受メタル22aへ供給する。オリフィス44は、上流端が第1逆止弁43の上流側の分岐給油路42に接続され、下流端が軸受メタル22aへ連通されている(図4参照)。
オリフィス44は、軸受メタル22aへ供給される潤滑油量を第1逆止弁43が連通した時の潤滑油の流量よりも少量に制限するように形成されている。よって、この実施例では、軸受メタル22aへ供給される潤滑油量をオリフィス44により制限するため、各軸受部22に形成される潤滑油膜の厚さを軸受特性数が境界摩擦領域に入らない範囲になるように制御している。
分岐油路45の中途部には、電磁開閉弁V4が設けられている。電磁開閉弁V4は,ノーマルオープンタイプの電磁方向切換弁であり、コントロールユニット50から送信される制御信号によりオン・オフ制御される。これにより、電磁開閉弁V4がオフ状態の時(図示状態の時)、主油路7の油圧(潤滑油量)が分岐油路45から共通通路41へ供給され、電磁開閉弁V4がオン状態の時、分岐油路45から共通油路41への油圧の供給が遮断される。
また、第1気筒#1に対応するオリフィス44の上流側位置には、油温センサ16が設置されている。油温センサ16は、分岐給油路42を流れる潤滑油の温度を検出し、その検出値をコントロールユニット50へ送信する。
コントロールユニット50には、エンジンEの回転数センサ(図示せず)や負荷センサ(図示せず)等からエンジンEの運転状態を示すエンジン回転数や負荷等の検出値が送信されている。
図5は図2の要部拡大断面図で、図示の便宜上、第2気筒#2と第3気筒#3とにおけるクランクピン部13,13への給油構造を示しているが、第1気筒#1と第4気筒#4におけるクランクピン部13,13への給油構造も、これと同様に構成されている。
図6はピン部内油量制御弁の拡大断面図、図7はその作動時の説明図、図8は図5のX‐X線矢視断面図である。
同様に、第3気筒#3のクランクピン部13にオイルを供給するピン部給油路14cの一部にも、該ピン部給油路14cに沿うようにピン部内油量制御弁60を収容している。
各気筒#1〜#4のピン部内油量制御弁60(以下単に、油量制御弁と略記する)は同一構造に形成されており、この実施例では、図5に示すように、ピン部給油路14b,14cの延長線上に制御弁配設孔61をクランク軸10外部と連通するように開口形成し、制御弁配設孔61の開口端61aから該制御弁配設孔61に油量制御弁60を捩じ込み固定している。
また、ケース67における開口端61aと近接する外周部には環状のOリング溝67aを形成し、このOリング溝67aには、制御弁配設孔61とケース67との間をシールするシール部材としてのOリング69を嵌着している。
さらに、上述のケース67の周面には前述の交差油路13c,13c(図8参照)と連通する開口(いわゆる、アウトレットポート)70,70が形成されており、交差油路13c,13cはクランクピン部13周面に連通するように形成されている。
しかも、図6,図7,図8に示すように、小径部62Sのメインジャーナル部軸心100に近づく方向の端部と、大径部62Lの外端側との受圧面に差を形成し、ピン部給油路14cの油圧の上昇に伴う大径部62Lのメインジャーナル部軸心100に近づく方向の位置変化により、開口70の面積を調整して、クランクピン部13の周面に連通する交差油路13cの開口面積を増大させるように構成している。
図9の(a)は横軸にエンジン回転数をとり、縦軸に遠心力による油圧変化(有底油室66において図7に点線矢印で示す方向に作用する油圧)をとった特性図で、エンジン回転数が高くなる程、遠心力による油圧(図7の点線矢印方向の油圧)が高くなることを表わしており、この実施例では、上述の油量制御弁60で、図9の(b)の特性と、図9の(a)の特性とを相殺して、遠心力の影響をなくすものである。
換言すれば、筒状弁体62に作用する遠心力(図9の(b)参照)を、有底油室66において大径部62Lの受圧面に作用する油圧(図9の(a)参照)で打消し、遠心力の影響を概ねなくすことができ、本来の制御油圧により筒状弁体62をコントロールすることができる。
なお、図6,図7で示した油量制御弁60に代えて、図10,図11に示す油量制御弁60´を用いてもよい。
また、図10,図11の油量制御弁60´では、図6,図7のスプールガイド65を廃止して、ケース67にコイルスプリング64のバネ座67bと、筒状弁体62のガイド部67cとを一体形成している。
コントロールユニット50は、始動モード、温間モード、高温モード、高回転/高負荷モード、フェールセーフモードの5つのモードにより、電磁開閉弁V4と各制御弁V1,V2を制御している。コントロールユニット50は、第1制御弁V1を制御するための油圧マップと、第2制御弁V2を制御するための油圧マップとをそれぞれメモリ内に格納している。
第1制御弁V1の油圧マップは、予め実験的、または、理論的に求められたマップであり、各軸受部22の潤滑油膜の厚さを所定の限界厚さ近傍に維持可能な油圧と、エンジン回転数と、エンジン負荷との対応関係が設定されている。各制御弁V1,V2は、これら各制御弁V1,V2がオン(作動)状態の時、それぞれの油圧マップに基づいて制御される。
中央軸受部21用の潤滑油は、ピン部用サブ油路30の第2制御弁V2を経由する第1のルートと、主油路7、分岐油路45、共通油路41、連通路31、第2逆止弁33を経由する第2のルートとの2つのルートからピン部用サブ油路30へ給油される。
各側部軸受部22用の潤滑油は、主油路7、分岐油路45、共通油路41を経由して各分岐給油路42へ給油される。これにより、各給油路へ潤滑油を早期に充填することができる。
中央軸受部21用の潤滑油は、油圧マップに基づいて主油路7からピン部用サブ油路30により軸受メタル21aへ給油される。
各側部軸受部22用の潤滑油は、油圧マップに基づいて主油路7、共通油路41、各分岐給油路42、各オリフィス44を経由して各軸受メタル22aへ給油される。これにより、各側部軸受部22へ供給する潤滑油量を最小限に抑えることができ、潤滑油のサイドフローを減少し、各側部軸受部22に滞在する潤滑油温度を高めることによりオイルポンプ6の駆動負荷を低減できる。
中央軸受部21用の潤滑油は、始動モードと同様に、第1、第2の各ルートから軸受メタル21aへ給油される。
各側部軸受部22用の潤滑油は、主油路7、分岐油路45、共通油路41、各分岐給油路42、第1逆止弁43を経由して各軸受メタル22aへ給油される。これにより、中央軸受部21へ供給される潤滑油量を増加し、中央軸受部21と各クランクピン部13の潤滑油膜の厚さを確保できる。また、各側部軸受部22へ供給される潤滑油量を増加し、各側部軸受部22の潤滑油膜の厚さを確保でき、潤滑油粘度の過剰低下を抑制することができる。
フェールセーフモードの時は、電磁開閉弁V4がオフ状態に制御される。これにより、第1、第2の各制御弁V1,V2が故障した場合でも、中央軸受部21と各側部軸受部22と各クランクピン部13の潤滑油膜の厚さを確保できる。
流量L1は、油圧がP0[kPa]未満の範囲と、油圧がP0[kPa]からP1[kPa]までの微小流量制御範囲Aと、油圧がP1[kPa]以上の範囲に分けて制御されている。
微小流量制御範囲Aの時、電磁開閉弁V4がオン状態(閉弁)のため、第2制御弁V2を介して供給される潤滑油が軸受メタル21aへ給油される。
油圧がP1[kPa]以上の時、前述した油圧がP0[kPa]未満の場合と同様である。
筒状弁体62はメインジャーナル部(中央軸部11、側部軸部12参照)の軸心100から遠ざかる側に大径部62Lを有し、メインジャーナル部軸心100に近づく側に小径部62Sを有しており、これら小径部62Sと大径部62Lとには受圧面に差をもたせているので、有底油室66に作用する油圧力に対応して筒状弁体62はメインジャーナル部軸心100に近づく方向に変位し、交差油路13a〜13dの開口面積を増大させる。
換言すれば、図9の(b)に示す筒状弁体62に作用する遠心力を、図9の(a)に示す有底油室66において大径部62Lの受圧面に作用する油圧で打消して、相殺し、遠心力の影響を概ねなくすことができ、本来の制御油圧により筒状弁体62をコントロールすることができる。
上記主油路7の流量は軸受部用流量制御弁(第1制御弁V1)でコントロールされ、ピン部用サブ油路30の流量はクランクピン部用流量制御弁(第2制御弁V2)でコントロールされ、しかも、クランクピン部13の潤滑部に供給される油圧は油量制御弁60により遠心力による油圧上昇分を概ねキャンセルすることができる。
よって、メインジャーナル部(中央軸部11、側部軸部12)とクランクピン部13との総合的な給油をより一層高精度に行なうことができる。
さらに、実施例で開示したように、油量制御弁60を外部から制御弁配設孔61に捩じ込み固定して取付けるように構成すると、油量制御弁を圧入固定するものと比較して、取付け時において筒状弁体62に歪みなどの不所望の応力が付加されることがなく、該筒状弁体62による高精度な油圧制御が可能となる。
この発明のエンジンは、実施例の直列4気筒エンジンEに対応し、
以下同様に、
ピン部内油量制御弁は、油量制御弁60,60´に対応し、
バネは、コイルスプリング64に対応し、
メインジャーナル部は、中央軸部11および側部軸部12に対応し、
特定のメインジャーナル部は、中央軸部11に対応し、
特定以外のメインジャーナル部は、側部軸部12に対応し、
特定軸受部は、中央軸受部21に対応し、
特定軸受部以外の軸受部は、側部軸受部22に対応し、
軸受部用流量制御弁は、第1制御弁V1に対応し、
クランクピン部用流量制御弁は、第2制御弁V2に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
また、上記実施例においては、クランク軸方向中央位置の中央軸受部にピン部給油路を連通した構造を例示したが、第1気筒と第2気筒との間の側部軸受部や第3気筒と第4気筒との間の側部軸受部に対してピン部給油路を連通させる構造を採用してもよい。
さらに、ピン部給油路を単一の軸受部に連通させた構造を例示したが、これは、2つの軸受部に連通させる構造であってもよく、複数の軸受部に連通させる構造であってもよい。
さらにまた、第1および第2の制御弁V1,V2としてはデューティソレノイド弁を例示したが、これはオイルの流量制御が可能であればよく、機械式の流量制御弁を適用してもよい。
加えて、筒状弁体62および大径部62Lの形状は、必ずしも円筒状でなくてもよく、該筒状弁体62、大径部62Lがメインジャーナル部軸心に対して接離する方向に軸動可能であれば、角筒状であってもよい。
V1…第1制御弁(軸受部用流量制御弁)
V2…第2制御弁(クランクピン部用流量制御部)
7…主油路
10…クランク軸
11,12…軸部(メインジャーナル部)
13…クランクピン部
13a,13b,13c,13d…交差油路
14a,14b,14c,14d…ピン部給油部
21…中央軸受部(特定軸受部)
22…側部軸受部(特定軸受部以外の軸受部)
30…ピン部用サブ油路
60,60´…油量制御弁(ピン部内油量制御弁)
62…筒状弁体
62S…小径部
62L…大径部
63…中央連通路
64…コイルスプリング(バネ)
66…有底油室
67…ケース
70…開口
100…メインジャーナル部軸心
Claims (3)
- クランク軸のメインジャーナル部からクランクピン部に向かうピン部給油路に外部からオイルを供給し、
該ピン部給油路にピン部内油量制御弁を設けた
エンジンのクランクピン給油構造であって、
上記ピン部内油量制御弁が、上記ピン部給油路の一部に該ピン部給油路に沿って収容され遠心力を受けてメインジャーナル部軸心から遠ざかる方向に移動可能な筒状弁体を有し、
該筒状弁体が、小径部のメインジャーナル部軸心から遠ざかる外端側にフランジ状の大径部を有して、
上記小径部のメインジャーナル部軸心に近づく方向の端部と上記大径部の外端側との受圧面に差をもたせて設け、
上記大径部の外端側に筒状弁体の中央連通路とつながる有底油室を設けると共に、
該筒状弁体をメインジャーナル部軸心から遠ざかる方向に付勢するバネを設け、
上記ピン部給油路の油圧の上昇に伴う大径部のメインジャーナル部軸心に近づく方向の位置変化によりクランクピン部周面に連通する交差油路の開口面積を増大させるように構成した
エンジンのクランクピン給油構造。 - 上記ピン部内油量制御弁は、上記筒状弁体と、上記バネとを収容して有底油室を区画するケースを備え、
該ケースが上記ピン部給油路の一部に嵌め込まれ、
該ケースの周面に、上記交差油路と連通する開口が設けられ、
上記大径部の油圧による変位で該開口の面積が調整されるように構成した
請求項1記載のエンジンのクランクピン給油構造。 - 一端がクランク軸の複数のメインジャーナル部のうちの特定のメインジャーナル部に連通すると共に、他端がそれぞれのクランクピン部に連通するピン部給油路を設け、
各ピン部給油路に上記請求項1または2に記載のピン部内油量制御弁を設け、
上記特定のメインジャーナル部を支持する特定軸受部以外の複数の軸受部に連通し、軸受部用流量制御弁を介した主油路を設け、
上記特定軸受部には、該主油路の上記軸受部用流量制御弁より上流側で分岐し、途中にクランクピン部用流量制御弁を介在させたピン部用サブ油路が連通されてなる
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JP2013130161A (ja) | 2013-07-04 |
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