JP2007032718A - クランクシャフトのオイル通路構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランクシャフト内で流通するオイル流量を適切に制御することで、オイルポンプの負荷を低減し、エンジンの燃費および出力低下を抑制できるようにする。
【解決手段】
クランクジャーナル12とクランクピン13とを有するクランクシャフト11と、エンジンによって駆動され軸受とクランクジャーナル12との間にオイルを供給するオイルポンプと、クランクジャーナル12およびクランクピン13の内部を連通しオイルを流通させるオイル通路15と、このオイル通路15に設けられ、クランクシャフト11の回転速度に応じてオイル通路15内を流通するオイルの流量を変更する流量規制手段20とを備えて構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンのクランクシャフトのオイル通路構造に関するものである。
従来より、エンジンによって生じた動力を出力するクランクシャフトは、シリンダブロックの軸受に支持されるクランクジャーナルと、ピストンのコネクティングロッドと回転可能に接続されるクランクピンと、クランクジャーナルおよびクランクピンと一体に形成されクランクジャーナルおよびクランクピンの間に介装されたクランクアームとから主に構成されている。
また、シリンダブロックの軸受とクランクジャーナルとの間にはオイルが供給されるようになっており、クランクシャフトが滑らかに軸受上で回転できるようになっている。さらに、このクランクシャフトの内部には、クランクジャーナルからクランクピンに亘ってオイル通路が形成され、軸受とクランクジャーナルとの間に供給されたオイルが、このオイル通路を通じてクランクピンとコネクティングロッドとの間に供給され、クランクピンとコネクティングロッドとが滑らかに回動できるようになっている。なお、このオイル通路は、その入口がクランクジャーナルに形成され、他方、その出口がクランクピンに形成されている。なお、このようなオイル通路が形成された一般的なクランクシャフトに関する技術を示す一例としては、以下の特許文献1が挙げられる。
ところで、例えばクランクシャフトの回転速度が増大すると、オイル通路内にあるオイルに作用する遠心力も増大することとなるが、オイル通路内のオイルに作用する遠心力が大きくなると、この遠心力の増大に伴い、クランクジャーナルと軸受との間にあるオイルが積極的にオイル通路入口から吸い込まれ、オイル通路出口から流出するオイル量が増大するという現象が生じる。このように、オイル通路内のオイルに作用する遠心力によって、オイル通路内のオイルがオイル通路の出口から積極的に排出される現象を「吸出し現象」という。
他方、オイルは、クランクシャフトに接続されたオイルポンプが稼動することによって軸受とクランクジャーナルとの間に供給され、クランクシャフトの回転速度が増大するに連れて、このオイルポンプから吐出されるオイルの圧力(即ち、吐出圧)も増大するようになっている。もっとも、このポンプにはリリーフ弁が備えられており、このリリーフ弁の設定により、ポンプ吐出圧を適宜設定することが可能であり、通常は、上述した吸出し現象を考慮してその吐出圧が設定されている。
換言すれば、吸出し現象を考慮せずにポンプ吐出圧を設定した場合には、オイルポンプから吐出されるオイル流量よりも、オイル通路出口から流出するオイル流量の方が大きくなるという現象が生じることとなる。この場合、クランクジャーナルと軸受との間のオイル量が十分ではなくなり、クランクジャーナルと軸受との間からオイル流路内に空気が入り込んでしまうという現象(いわゆる、エアレーション)が生じてしまう場合もある。
特開平6−249230号公報
しかしながら、上述のように、吸出し現象を考慮した上でオイルポンプの吐出圧を高く設定するということは、オイルポンプの負荷を高く設定するということでもあるため、エンジンの燃費の悪化を招くとともに、エンジン出力の低下を招くという課題がある。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、クランクシャフト内で流通するオイル流量を適切に制御することで、オイルポンプの負荷を低減し、エンジンの燃費および出力低下を抑制することができる、クランクシャフトのオイル通路構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のクランクシャフトのオイル通路構造(請求項1)は、エンジンのシリンダブロック内に設けられた軸受によって回転可能に軸支されるクランクジャーナルと、コネクティングロッドと回転可能に接続されるクランクピンと、該クランクジャーナルと該クランクピンを有するクランクシャフトと、該エンジンによって駆動され軸受と該クランクジャーナルとの間にオイルを供給するオイルポンプと、該クランクジャーナルおよび該クランクピンの内部を連通しオイルを流通させるオイル通路と、該オイル通路に設けられ、該オイル通路内を流通するオイルの流量を変更する流量規制手段とを備えることを特徴としている。
また、請求項2記載の本発明のクランクシャフトのオイル通路構造は、請求項1記載の内容において、該オイル通路は、該クランクジャーナルに形成され該軸受から該オイルの供給を受けるオイル入力口と、該クランクピンに形成され該オイル入力口から入力されたオイルを排出するオイル排出口とをそなえ、該流量規制手段は、該オイル入力口と該オイル排出口との間に設けられ、該オイル入力口側のオイル圧と該オイル排出口側のオイル圧との差圧が増大するに連れて該オイル排出口側へ流通する該オイル通路内の該オイルの流量の制限することを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明のクランクシャフトのオイル通路構造は、請求項1記載の内容において、該オイル通路は、該クランクジャーナルに形成され該軸受から該オイルの供給を受けるオイル入力口と、該クランクピンに形成され該オイル入力口から入力されたオイルを排出するオイル排出口とをそなえ、該流量規制手段は、該オイル入力口と該オイル排出口との間に設けられ、該クランクシャフトの回転が増大するに連れて該オイル排出口側へ流通する該オイル通路内の該オイルの流量の制限することを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明のクランクシャフトのオイル通路構造は、請求項2又は3記載の内容において、該流量規制手段は、該オイル通路内で移動可能に設けられ、該オイル排出口側にスライドし該オイル通路内におけるオイル流通面積を減少させる弁体とを備えることを特徴としている。
また、請求項5記載の本発明のクランクシャフトのオイル通路構造は、請求項4記載の内容において、 該流量規制手段は、該弁体を該オイル入口側へ所定の付勢力で付勢する付勢部と、該オイル通路内において該オイル入力口と連通し第1の内径で形成された第1内径部と、該オイル通路内において該オイル排出口と連通し該第1の内径よりも小さい第2の内径で形成された第2内径部と、該オイル通路内において該第1内径部と該第2内径部との間で徐々に内径が変化するテーパ部とをそなえ、該弁体は、該第1内径部に対して摺動可能に当接する摺動部と、該テーパ部に入り込む突出部とを有することを特徴としている。
本発明のクランクシャフトのオイル通路構造によれば、クランクシャフト内で流通するオイル流量を適切に制御することで、オイルポンプの負荷を低減することが可能となり、エンジンの燃費および出力低下を抑制することができる。(請求項1)
また、オイル入力口側のオイル圧とオイル排出口側のオイル圧との差圧が増大するに連れて、オイル入力口からオイル排出口へ流通するオイル通路内のオイル流量を制限することで、オイル排出口から過剰にオイルが流出することを防ぐことができる。(請求項2)
また、クランクシャフトの回転速度が増大するに連れて、オイル入力口からオイル排出口へ流通するオイル通路内のオイル流量を制限することで、オイル排出口から過剰にオイルが流出することを防ぐことができる。(請求項3)
また、オイル排出口側に移動する弁体により、オイル通路内におけるオイル流通面積を減少させることで、確実にオイル流量を制御することができる。(請求項4)
また、弁体をオイル入口側へ付勢する付勢部による付勢力と、オイル通路内に配設された第1内径部,第2内径部およびテーパ部と、弁体の摺動部および突出部とにより、オイル入力口からオイル排出口へ流通するオイル通路内のオイル流量を適切に制限できる。(請求項5)
以下、図面により、本発明の一実施形態に係るクランクシャフトのオイル通路構造について説明すると、図1はその要部構成を示す模式的な側面図、図2は図1の模式的なA矢視図、図3および図5は図1の模式的なB−B矢視断面の要部を示す図、図4は図3の模式的なC−C矢視断面図、図6はクランクシャフトの回転速度とオイルポンプの吐出圧との関係を示すグラフである。
図1に示すように、クランクシャフト11は、シリンダブロックの軸受(図示略)に支持されるクランクジャーナル12と、コネクティングロッド(図示略)と回転可能に接続されるクランクピン13と、クランクジャーナル12およびクランクピン13と一体に形成され、クランクジャーナル12およびクランクピン13の間に介装されたクランクアーム14とから主に構成されている。なお、このクランクシャフト11は多気筒エンジン用であって、この図1に示す構成、即ち、クランクジャーナル12,クランクピン13,クランクアーム14という構成が、図示はしないが複数備えられている。また、この図1において、説明の便宜上、カウンタウェイトの図示を省略している。
また、シリンダブロックの軸受とクランクジャーナル12との間には、図示しないオイルポンプより吐出されたオイルが供給され、クランクジャーナル12が滑らかに軸受上で回転できるようになっている。なお、このオイルポンプは、クランクシャフト11の回転により駆動されるようになっている。また、本明細書中、「上流側」あるいは「下流側」といった表現を用いる場合があるが、これは、オイルポンプから吐出されたオイルの流れを基準とした表現である。
そして、図1および図2に示すように、このクランクシャフト11の内部には、クランクジャーナル12からクランクピン13に亘ってオイル通路15が形成され、軸受とクランクジャーナル12との間に供給されたオイルが、このオイル通路15を通じてクランクピン13とコネクティングロッドとの間に供給されるようになっている。また、このオイル通路15の入口(オイル入力口)15Aがクランクジャーナル12に形成され、他方、オイル通路15の出口(オイル排出口)15Bがクランクピン13に形成されている。なお、この図2においては、オイル通路15をわかり易く表示するため、クランクアーム14およびカウンタウェイトを省略して作図している。
そして、図3に示すように、このオイル通路15内には、クランクシャフト11の回転速度に応じてオイル通路15内を流通するオイルの流量を変更する流量制御アッセンブリ(流量規制手段)20が設けられている。
この流量制御アッセンブリ20は、ケース部材21,弁体23,リターンスプリング(付勢部)24から構成されている。
これらのうち、ケース部材21は、図3、図4に示すとおりオイル通路15内に圧入されるケースであって、太径部(第1内径部)21Aと、細径部(第2内径部)21Bと、テーパ部21Cと、オイル溝21Dとを備えて形成されている。
太径部21Aは、オイル通路入口15Aと連通し、第1の内径D1で形成されたケース部材21の一部分である。また、細径部21Bは、オイル通路出口15Bと連通し、第1の内径D1よりも小さい第2の内径D2で形成されたケース部材21の一部分である。また、テーパ部21Cは、太径部21Aと細径部21Bとの間で徐々に内径が変化するケース部材21の一部分である。また、オイル溝21Dは、太径部21Aおよび細径部21Bの内面にオイル通路入口15Aからオイル通路出口15Bに向け、複数本設けられた凹部である。
なお、太径部21Aにおいてオイル溝21Dを含まないオイル通路15の内径を図3中符号D1Aで示し、また、細径部21Bにおいてオイル溝21Dを含まないオイル通路15の内径を図3中符号D2Aで示す。
また、弁体23は、摺動部23Aと突出部23Bとが一体に形成されたものであって、オイル通路15の中心線C1に沿って移動することで、オイル通路15内の流路面積を変更し、これにより、オイル通路15内を流通するオイルの流量を変更するものである。
この弁体23の摺動部23Aは、太径部21Aに対して摺動可能に当接する弁体23の一部である。また、突出部23Bは、摺動部23Aと一体に形成された弁体23の一部であって、オイル通路出口15B側へ突出し、テーパ部21C内に入り込むようになっている。また、図4に示すように摺動部23Aと太径部21Aとの間にはオイル溝21D、突出部23Bには4つの穴部23Cが形成され、弁体23の移動量に関わらず、オイル溝21Dおよび4つの穴部23Cを通じて必要最低限のオイル流量を確保できるようになっている。なお、必要最低限のオイル流量を確保する方法として、弁体23の軸心にオイル通路入口15Aとオイル通路出口15Bを連通する中央穴部23Dを設けてもよい。
また、図3に示すように、テーパ部21Cには段付部22が形成され、この段付部22と弁体23の摺動部23Aとの間にはリターンスプリング24が介装されるようになっている。そして、このリターンスプリング24により、弁体23が上流側、即ち、オイル通路入口15A側へ付勢されるようになっている。
また、太径部21Aには、ストッパ部材25が固設され、オイル通路入口15A側へ付勢された弁体23が流量制御アッセンブリ20からオイル通路入口15A側へ飛び出さないように、弁体23の移動を規制している。
なお、図4に示すように、オイル通路15の断面は円形であり、また、ケース部材21もオイル通路15の断面と同様に円形である。
本発明の一実施形態に係るクランクシャフトのオイル通路構造は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
クランクシャフト11がクランクジャーナル12を中心に低速〜中速域で回転している場合、流量制御アッセンブリ20の弁体23は、図3に示すように、摺動部23Aがストッパ部材25に当接している。
これは、低速〜中速域でクランクシャフト11が回転している場合に、弁体23よりも下流側におけるオイル通路15内の圧力P2とリターンスプリング24による付勢力P3との合算値が、弁体23よりも上流側におけるオイル通路15内の圧力P1よりも大きくなる(即ち、P2+P3≧P1の関係が成立する)ように設定されているためである。なお、クランクシャフト11の回転により弁体23自体に遠心力が発生する場合には、同遠心力を考慮して設定する。
そして、クランクシャフト11の回転速度が高速域にある場合には、図5に示すように、弁体23がオイル通路出口15B側へ移動する。
これは、弁体23の上流側におけるオイル通路15内の圧力P1が、弁体23の下流側におけるオイル通路15内の圧力P2とリターンスプリング24による付勢力P3との合算値よりも大きくなる(即ち、P1>P2+P3の関係が成立する)ように設定されているためである。つまり、P1とP2との差圧に応じて弁体23が移動するものである。なお、クランクシャフト11の回転により弁体23自体に遠心力が発生する場合には、同遠心力も弁体23の移動に寄与する。
そして、弁体23がオイル通路出口15B側へ移動すると、弁体23の突出部23Bがテーパ部21Cに入り込み、これにより、オイルが流通することができる流路面積が縮小され、オイル流路入口15Aからオイル流路出口15Bへ流れるオイルの流量が制限される。なお、オイル溝21D及び穴部23Cによって必要最低限のオイル流量は確保されている。
なお、ここで、低回転域,中回転域,高回転域といったエンジン回転速度の速度域は、エンジンの排気量やエンジンの種別(ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなど)によって異なるため、エンジン毎に適宜設定する。
ここで、図6を用いて、従来の技術と本実施形態に係る本願発明とを比較する。
オイルポンプは、一般的に、クランクシャフトの回転速度の上昇に伴ってその吐出圧が増大する特性を有しているが(図中の直線L1参照)、このオイルポンプには図示しないリリーフバルブが設けられているので、実際の吐出圧(実吐出圧)としては直線L2で示すように、図中のクランクシャフト回転速度(エンジン回転数)がNe1を上回ると、徐々にその吐出圧の増大率が抑制されるようになっている。
この直線L2に示す実吐出圧の従来の設定は、従来の技術の欄でも説明したように、オイル通路内のオイルに作用する遠心力によって、オイル通路内のオイルがオイル通路の出口から積極的に排出される現象、即ち、「吸出し現象」を考慮した上で、高目に設定されている。しかしながら、オイルポンプの実吐出圧を高く設定するということは、オイルポンプの負荷を高くするということでもあり、このためエンジンの燃費の悪化を招いている。
また、この直線L2に示すように、実吐出圧をある程度高目に設定したとしても、クランクシャフト回転速度が所定値Ne3よりも大きくなった場合には、オイルポンプの実吐出圧よりも吸出し現象の発生を防ぐために必要な吐出圧(要求オイル圧;図中直線L3参照)が上回ることとなり、軸受部とクランクジャーナルとの間に介在するオイルが不足し、焼き付が生じるおそれがある。
これに対して、本実施形態に係る本願発明によれば、流量制御アッセンブリ20が、クランクシャフト11のオイル通路15内を流通するオイル流量を適切に制御することで、図6中符号L4で示すように、要求オイル圧がオイルポンプの実吐出圧よりも高くなることを防ぐことができるので、クランクシャフト回転速度が所定値Ne3を超えた場合であっても吸出し現象の発生を防ぐことができる。なお、図6に示すクランクシャフト回転速度は、Ne1<Ne2<Ne3という関係にある。
より具体的には、クランクシャフト回転速度が増大することで、オイル通路15内のオイルに作用する遠心力が増大し、オイル通路入口15A側のオイル通路15内のオイル圧P1が増大するに連れて、オイル通路入口15Aからオイル通路出口15Bへ流通するオイル通路15内のオイル流量を制限することで、オイル通路出口15Bから過剰にオイルが流出する現象、即ち、吸出し現象の発生を防ぐことができる。
また、クランクシャフト11の回転速度に応じて、オイル通路出口15B側に移動する弁体23により、オイル通路15内におけるオイル流通面積を減少させることで、クランクシャフト11の回転速度が増大した場合であっても、オイル通路15内を流通するオイル流量を確実に制御することができる。
また、弁体23をオイル通路入口15A側へ付勢するリターンスプリング24による付勢力P3と、オイル通路15内に配設された太径部21A,細径部21Bおよびテーパ部21Cの形状と、弁体23の摺動部23および嵌入部23Bの形状という各要素をそれぞれ適宜設定することで、オイル通路入口15Aからオイル通路出口15Bへ流通するオイル通路15内のオイル流量を適切に制限できる。
また、オイル通路入口15側のオイル圧とオイル通路出口15側のオイル圧との差圧の発生は、クランクシャフト回転速度だけではなく、クランクピンの磨耗によるオイル通路出口15の拡大によるオイル排出量増大等が考えられる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、図7,図8および図9は上述の実施形態の第1変形例を示す図であって、このうち、図7は本変形例に係るクランクシャフト31の要部を示す模式的な側面図、図8は図7の模式的なD矢視図、図9は図8に示すクランクシャフト31が45度回転した場合を示す模式図である。
本変形例に係るクランクシャフト31は、原則的には、図1等を用いて説明したクランクシャフト11と同様のものであるが、クランクジャーナル12内にサブ・オイル通路32が形成されている点で、上述のクランクシャフト11と異なっている。
このサブ・オイル通路32は、図8に示すように、クランクジャーナル12に設けられたオイル通路入口15Aと、中心線C2を挟んだ反対側におけるクランクジャーナル12の表面に形成されたサブ・オイル通路入口32Aとを連通させるオイル通路である。
このサブ・オイル通路32を形成することにより、クランクジャーナル12の位相に関わらず、オイル通路15内でオイルを流通させることができる。この点について、以下、もう少し詳しく説明する。
まず、クランクジャーナル12が図8に示す位相(約0度)である場合、クランクジャーナル12の下方から供給されたオイル(図中矢印F1参照)は、オイル通路入口15Aからオイル通路15を通じて流量制御アッセンブリ20に達し(図中矢印F2参照)、この流量制御アッセンブリ20で流量調節された後オイル通路出口15Bから流出する。
他方、クランクジャーナル12が図9に示す位相(約45度)である場合、クランクジャーナル12の下方から供給されたオイル(図中矢印F1参照)は、サブ・オイル通路入口32Aからサブ・オイル通路32およびオイル通路15を通じて流量制御アッセンブリ20に達し(図中矢印F3参照)、この流量制御アッセンブリ20で流量調節された後オイル通路出口15Bから流出する。
つまり、クランクジャーナル12と軸受との全周に亘ってオイルが均一に供給されるのではなく、その一部分(ここでは、クランクジャーナル12の下方)に対してオイルが供給される場合であっても、オイル通路15に直接オイルを流入させたり(図8参照)、あるいは、サブ・オイル通路32を介してオイル通路15にオイルを流入させたり(図9参照)することができる。
これにより、クランクピン13とコネクティングロッド(図示略)との間に、連続的にオイルを供給することが可能となる。
また、オイル通路15内には、流量制御アッセンブリ20が設けられているので、オイル通路入口15A側のオイル通路15内のオイル圧P1が増大するに連れて、オイル通路入口15Aからオイル通路出口15Bへ流通するオイル通路15内のオイル流量を制限することが可能となり、クランクシャフト31の回転速度が増大した場合であっても、オイル通路出口15Bから過剰にオイルが流出することを防ぐことができる。
つまり、クランクシャフト31の回転速度に応じて、オイル通路出口15B側に移動する弁体23により、オイル通路15内におけるオイル流通面積を減少させることで、クランクシャフト11の回転速度が増大した場合であっても、オイル通路15内を流通するオイル流量を確実に制御することができる。
また、弁体23をオイル通路入口15A側へ付勢するリターンスプリング24による付勢力P3と、オイル通路15内に配設された太径部21A,細径部21Bおよびテーパ部21Cの形状と、弁体23の摺動部23および嵌入部23Bの形状という各要素をそれぞれ適宜設定することで、オイル通路入口15Aからオイル通路出口15Bへ流通するオイル通路15内のオイル流量を適切に制限できる。
次に、上述の実施形態の第2変形例について説明すると、図10は本変形例に係るクランクシャフト41を示す模式的な側面図、図11は図10の模式的なE矢視図、図12は図11に示すクランクシャフト41が約45度回転した場合を示す模式図である。
本変形例に係るクランクシャフト41は、原則的には、図1等を用いて説明したクランクシャフト11と同様のものであるが、オイル通路15が、クランクジャーナル12内に形成された第1オイル通路35と、クランクピン13内に形成された第2オイル通路36と、第1オイル通路35と第2オイル通路36とを連通させる第3オイル通路37とによって構成されている点で、上述のクランクシャフト11と異なっている。
また、流量制御アッセンブリ20が第2オイル通路36内に2つ設けられている点でも上述のクランクシャフト11と異なっている。
このうち、第1オイル通路35は、図11に示すように、クランクジャーナル12の中心線C4に沿って形成された通路であって、その両端に第1オイル通路入口35A,35A(オイル入力口)が形成されている。
また、第2オイル通路36は、クランクピン13の中心線C5に沿って形成された通路であって、その両端にオイル通路出口36A,36A(オイル排出口)が形成されている。
そして、第3オイル通路37は、クランクジャーナル12およびクランクピン13の中心線C3に沿って形成され、第1オイル通路35および第2オイル通路36を接続している。
このような構成により、クランクジャーナル12の位相に関わらず、クランクピン13とコネクティングロッドとの間にオイルを連続的に供給することができる。以下、もう少し詳しく説明する。
まず、クランクジャーナル12が図11に示す位相(約0度)である場合、クランクジャーナル12の下方から供給されたオイル(図中矢印F1参照)は、軸受とクランクジャーナルとの間を通って第1オイル通路入口35A,35Aから(図中矢印F4,F4参照)第3オイル通路37を通じて流量制御アッセンブリ20に達し(図中矢印F5,F5参照)、この流量制御アッセンブリ20で流量調節された後に、オイル通路出口36A,36Aから流出する。
他方、クランクジャーナル12が図11に示す位相(約45度)である場合、クランクジャーナル12の下方から供給されたオイル(図中矢印F1参照)は、一方の第1オイル通路入口35Aから(図中矢印F6参照)第3オイル通路37を通じて流量制御アッセンブリ20に達し(図中矢印F5,F5参照)、この流量制御アッセンブリ20で流量調節された後に、オイル通路出口36A,36Aから流出する。
つまり、クランクジャーナル12と軸受との全周に亘ってオイルが均一に供給されるのではなく、その一部分(ここでは、クランクジャーナル12の下方)に対してオイルが供給される場合であっても、クランクジャーナル12の位相に応じて、第1オイル通路入口35A,35Aから第3オイル通路37および第2オイル通路36を介してクランクピン13とコネクティングロッド(図示略)との間に、連続的にオイルを供給することが可能となる。
また、第2オイル通路36内には、流量制御アッセンブリ20,20が設けられているので、流量制御アッセンブリ20,20の上流側のオイル通路15内のオイル圧P1が増大するに連れて、第2オイル通路出口36A,36Aへ流通するオイル流量を制限することが可能となり、クランクシャフト41の回転速度が増大した場合であっても、第2オイル通路出口36A,36Aから過剰にオイルが流出することを防ぐことができる。
また、クランクシャフト41の回転速度に応じて、第2オイル通路出口36A,36A側にそれぞれ移動する弁体23,23により、第2オイル通路36内におけるオイル流通面積を減少させることで、クランクシャフト11の回転速度が増大した場合であっても、第2オイル通路36内を流通するオイル流量を確実に制御することができる。
また、弁体23を上流側へ付勢するリターンスプリング24による付勢力P3と、オイル通路15内に配設された太径部21A,細径部21Bおよびテーパ部21Cの形状と、弁体23の摺動部23および嵌入部23Bの形状という各要素をそれぞれ適宜設定することで、第2オイル通路出口36A,36Aから流出する第2オイル通路36内のオイル流量を適切に制限できる。
なお、上述した第2変形例では、第2オイル通路出口36Aにそれぞれ流量制御アッセンブリ20を設けたが、第3オイル通路37に流量制御アッセンブリを設けることにより、流量制御アッセンブリの個数を削減することができる。この場合、第3オイル通路37の加工するために中心線C3に沿ってクランクジャーナル12又はクランクピン13側に外部と連通しする加工穴がもうけられるので、この加工穴を利用して流量制御アッセンブリを設置できる。
本発明の一実施形態に係るクランクシャフトのオイル通路構造の要部構成を示す模式的な側面図である。 本発明の一実施形態に係るクランクシャフトのオイル通路構造の要部構成を示す図であって、図1の模式的なA矢視図である。 本発明の一実施形態に係るクランクシャフトのオイル通路構造の要部構成を示す断面図であって、図1の模式的なB−B矢視断面を示す。 本発明の一実施形態に係るクランクシャフトのオイル通路構造の要部構成を示す図であって、図3の模式的なC−C矢視断面図である。 本発明の一実施形態に係るクランクシャフトのオイル通路構造の要部構成を示す図1の模式的なB−B矢視断面であり、クランクシャフトが高速域で回転している場合を示す。 本発明の一実施形態に係るクランクシャフトのオイル通路構造における、クランクシャフト回転速度とオイルポンプ吐出圧との関係を示す模式的なグラフである。 本発明の一実施形態の第1変形例に係るクランクシャフトのオイル通路構造の要部構成を示す模式的な側面図である。 本発明の一実施形態の第1変形例に係るクランクシャフトのオイル通路構造の要部構成を示す図であって、図7の模式的なD矢視図である。 本発明の一実施形態の第1変形例に係るクランクシャフトのオイル通路構造の要部構成を示す模式図であって、クランクシャフトが約45度回転した場合を示す。 本発明の一実施形態の第2変形例に係るクランクシャフトのオイル通路構造の要部構成を示す模式的な側面図である。 本発明の一実施形態の第2変形例に係るクランクシャフトのオイル通路構造の要部構成を示す図であって、図10の模式的なD矢視図である。 本発明の一実施形態の第2変形例に係るクランクシャフトのオイル通路構造の要部構成を示す模式図であって、クランクシャフトが約45度回転した場合を示す。
符号の説明
11 クランクシャフト
12 クランクジャーナル
13 クランクピン
15 オイル通路
15A オイル通路入口(オイル入力口)
15B オイル通路出口(オイル排出口)
20 流量制御アッセンブリ(流量規制手段)
21A 太径部(第1内径部)
21B 細径部(第2内径部)
21C テーパ部
23 弁体
23A 摺動部
23B 突出部
24 付勢部(リターンスプリング)
35A 第1オイル通路入口(オイル入力口)
36A 第2オイル通路出口(オイル排出口)

Claims (5)

  1. エンジンのシリンダブロック内に設けられた軸受によって回転可能に軸支されるクランクジャーナルと、コネクティングロッドと回転可能に接続されるクランクピンと、該クランクジャーナルと該クランクピンを有するクランクシャフトと、
    該エンジンによって駆動され軸受と該クランクジャーナルとの間にオイルを供給するオイルポンプと、
    該クランクジャーナルおよび該クランクピンの内部を連通しオイルを流通させるオイル通路と、
    該オイル通路に設けられ、該オイル通路内を流通するオイルの流量を変更する流量規制手段とを備える
    ことを特徴とする、クランクシャフトのオイル通路構造。
  2. 該オイル通路は、該クランクジャーナルに形成され該軸受から該オイルの供給を受けるオイル入力口と、該クランクピンに形成され該オイル入力口から入力されたオイルを排出するオイル排出口とをそなえ、
    該流量規制手段は、該オイル入力口と該オイル排出口との間に設けられ、該オイル入力口側のオイル圧と該オイル排出口側のオイル圧との差圧が増大するに連れて該オイル排出口側へ流通する該オイル通路内の該オイルの流量の制限する
    ことを特徴とする、請求項1記載のクランクシャフトのオイル通路構造。
  3. 該オイル通路は、該クランクジャーナルに形成され該軸受から該オイルの供給を受けるオイル入力口と、該クランクピンに形成され該オイル入力口から入力されたオイルを排出するオイル排出口とをそなえ、
    該流量規制手段は、該オイル入力口と該オイル排出口との間に設けられ、該クランクシャフトの回転が増大するに連れて該オイル排出口側へ流通する該オイル通路内の該オイルの流量の制限する
    ことを特徴とする、請求項1記載のクランクシャフトのオイル通路構造。
  4. 該流量規制手段は、
    該オイル通路内で移動可能に設けられ、該オイル排出口側にスライドし該オイル通路内におけるオイル流通面積を減少させる弁体とを備える
    ことを特徴とする、請求項2,3記載のクランクシャフトのオイル通路構造。
  5. 該流量規制手段は、
    該弁体を該オイル入口側へ所定の付勢力で付勢する付勢部と、
    該オイル通路内において該オイル入力口と連通し第1の内径で形成された第1内径部と、
    該オイル通路内において該オイル排出口と連通し該第1の内径よりも小さい第2の内径で形成された第2内径部と、
    該オイル通路内において該第1内径部と該第2内径部との間で徐々に内径が変化するテーパ部とをそなえ、
    該弁体は、
    該第1内径部に対して摺動可能に当接する摺動部と、
    該テーパ部に入り込む突出部とを有する
    ことを特徴とする、請求項4記載のクランクシャフトのオイル通路構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013130161A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Mazda Motor Corp エンジンのクランクピン給油構造およびエンジンの給油装置
JP2015007389A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 三菱自動車工業株式会社 エンジンの油供給構造
CN113898725A (zh) * 2021-09-29 2022-01-07 潍柴动力股份有限公司 一种曲轴油道结构、发动机及车辆

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