JP5902986B2 - 有限要素解析システム - Google Patents

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本発明は、有限要素法を用いた有限要素解析システムに関し、特に、長尺のレール体の上をこれに沿った進行方向へ向けて転動する車輪体による接触応力解析のための有限要素解析システムに関する。
有限要素法では、一般的に、解析モデルの要素を細かく設定するほど解析精度が向上し得る。その一方で要素の数が増大し、計算処理に時間が必要となってしまう。そこで大規模な解析モデルとなる長尺物の解析、例えば、路盤を転動する車輪体の移動方向に沿った路盤への応力などの解析の如きでは、許容される解析精度と解析時間との関係で各種の工夫が必要とされる。
例えば、特許文献1では、ローラに当接して移動せしめられる長尺のコンベヤベルトについて、ローラとの接触によりコンベヤベルトに生じる応力及び/又は歪みについて有限要素法を用いて解析する方法が開示されている。ここでは、コンベヤベルトの要素をローラの当接位置において細かく、当接位置から離間するほど粗く設定して、解析精度の向上と処理時間の短縮の両立を図っている。なお、コンベヤベルトは中心間隔Lで並ぶローラによって支持されるため、有限要素法による計算処理は長さLのコンベヤベルトに対してのみ行うことで十分である。
更に、特許文献2では、玉軸受けやころ軸受けといった転がり軸受けの転動疲労による剥離等の損傷状態の推定を目的とした有限要素法による解析方法が開示されている。ここで、剥離等は転がり軸受けの金属製基体に内在する非金属介在物に起因するとされる。また、転動体が金属製基体の表面上を一回だけ通過するのではなく、繰り返し転がる場合には、歪(内部損傷)が金属製基体の内部に蓄積される。そこで、金属製基体の表面近傍に内在する歪の蓄積の原因となる非金属介在物の周囲でマトリクスの応力計算を有限要素法で行っている。かかる有限要素法において、金属製基体に与えられる要素は、非金属介在物の近傍及び転動体の移動範囲内での接触位置において細かく、これらの位置から離れるにつれ粗く設定している。非金属介在物に基づく転動疲労のシミュレーションであるから、転動体の移動範囲を非金属介在物の周囲に限定して計算処理を行ったとしても解析精度を損なうことがなく、また解析時間も短縮出来るのである。
一方で、例えば、特許文献3では、転動体であるタイヤが水膜を与えられた路面上を移動する挙動をシミュレーションする方法が開示されている。タイヤが高速で転動した場合、タイヤとともに、路面を長距離に亘ってモデル化してシミュレートする必要がある。そこで、流体解析領域をタイヤの進行方向に対して所定の長さの範囲に抑えた上で、タイヤの移動に追従するように流体解析領域を移動させる解析方法を採用している。詳細には、タイヤモデルをその移動速度と解析時間の刻み幅に応じた距離だけ移動する毎に流体解析領域を同じ距離だけ移動させ、流体解析領域中に設定された各要素に対して境界条件を再設定するのである。かかる方法によれば、タイヤモデルの移動方向に長い流体解析領域を設定する必要がなく、解析時間を短縮できる。
特開2005−75617号公報 特開2011−64644号公報 特開2004−338660号公報
ところで、長尺のレール体の上をこれに沿った進行方向へ向けて転動する車輪体による接触応力解析においても、許容される解析精度と解析時間との関係で各種の工夫が必要とされる。特に、鉄道車両の高速化が進む中で、より長尺のレール体における解析を必要とされ、かかる要求は顕著となっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、長尺のレール体の上をこれに沿った進行方向へ向けて転動する車輪体による接触応力解析のための有限要素解析システムにおいて、高い解析精度を保ちつつ解析時間を短縮させたシステムを提供することにある。
本発明による有限要素解析システムは、長尺のレール体の上をこれに沿った進行方向へ向けて転動する車輪体の接触による応力解析のための有限要素解析システムであって、前記レール体をその長手方向に沿って単位ブロックの複数に仮想分割し、少なくとも前記車輪体及び前記レール体の接触部を含む前記単位ブロックを挟んで前後所定数ずつの前記単位ブロックからなる解析区間を定めた上で、前記解析区間内を前記接触部が前記進行方向に所定進行距離だけ移動するまで有限要素解析を行い、前記解析区間を前記進行方向に前記単位ブロックの1つ分だけずらして新たな解析区間を定め、更に前記有限要素解析を行うことを繰り返す解析手段を含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、長尺のレール体に亘って与えられた要素間の所定の計算を繰り返し行う有限要素解析システムであっても、解析精度を維持したまま計算回数を減じ得る。すなわち、解析時間を短縮できるのである。また、解析区間を複数の単位ブロックからなるようにすることで、解析区間を新たに定めるステップを簡素化出来て、解析時間を短縮できる。
上記した発明において、前記単位ブロック毎に独立したメッシュモデルを付与することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、解析区間を新たに定めるステップの処理を簡素化でき、解析時間を短縮できる。
上記した発明において、前記有限要素解析を行うに際し、新たな解析区間を定めたときに、新たに解析に組み込まれた前記単位ブロックに対してメッシュモデルを追加付与していくことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、解析区間を新たに定めるステップにおいて、メッシュモデルの付与の処理を簡素化し、解析時間を短縮できる。
上記した発明において、仮想分割に続いて、前記レール体の全体に亘ってメッシュモデルを付与することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、解析区間を新たに定めるステップにおいて、メッシュモデルの付与の処理を簡素化出来て、解析時間を短縮できる。
上記した発明において、前記単位ブロック毎の前記メッシュモデルは同一であることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、解析区間を新たに定めるステップにおいて、メッシュモデルの付与の処理を簡素化出来て、解析時間を短縮できる。
上記した発明において、前記解析区間の前記メッシュモデルにはその要素節点を特定するための特定符号を与え、新たな解析区間を定めたときに、新たに解析に組み込まれた前記単位ブロックの対応する要素節点に解析から外れた前記単位ブロックの前記特定符号を付与することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、単位ブロックに与えられる特定符号の数を減じて、解析区間を新たに定めるステップにおいて、メッシュモデルへの特定符号の付与の処理を簡素化出来て、解析時間を短縮できる。
上記した発明において、前記所定進行距離は前記レール体の長手方向への前記単位ブロックの長さであることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、解析区間を新たに定めるステップを簡素化出来て、解析時間を短縮できる。
本発明による有限要素解析システムを示すブロック図である。 本発明による有限要素解析システムにおける有限要素解析の手順を示すフロー図である。 有限要素解析システムに使用される解析モデルの図である。 有限要素解析システムに使用される解析モデルの図である。 有限要素解析システムによる解析モデルの荷重条件の図である。 有限要素解析システムによる解析結果のうちの車輪の並進速度履歴を示す図である。 有限要素解析システムによる解析結果を示す図である。
本発明の1つの実施例である有限要素解析システムについて、図1を用いてその詳細を説明する。
図1に示すように、有限要素解析システム30は、レール上を転動しながら進行する車輪をシミュレートし、レールと車輪との接触に伴う応力解析(若しくは、歪み解析)を行うコンピュータによるシステムである。有限要素解析システム30は、制御部31及び記憶部32を含み、有限要素解析を行うための解析モデルの作成を支援するための解析モデル作成部33、後述する解析区間を定めるための解析区間設定部34、及び、作成された解析モデルの解析区間における解析を行うための解析部35を含む。
制御部31は所定のプログラムを実行する図示しないCPUとそれに付随するROM及びRAMなどを含む。制御部31において解析モデル作成部33、解析区間設定部34及び解析部35の各プログラムを実行することで計算処理を行う。すなわち、制御部31は所定のプログラムを実行することで有限要素解析システム30の解析手段として機能し得る。なお、解析モデル作成部33、解析区間設定部34、及び解析部35の詳細については後述する。
記憶部32は、解析モデル作成部33によって作成された解析モデルを記憶し、解析部35によって算出された解析結果を記憶する。つまり、制御部31の動作に必要となる入力データと、制御部31の算出した出力データとを必要に応じて記憶することができる。
次に、有限要素解析システム30における解析処理の手順について、図2及び図3を用いて説明する。
図2に示すように、有限要素解析システム30では、解析モデル作成部33を起動させ、解析モデルの作成を行う(S1)。図3に示すように、解析モデル40の対象としてレール42の上を転動する車輪41が選択されると、まず、レール42の所定の区間を長手方向に沿って複数の単位ブロックに仮想分割する。ここでは、単位ブロックの形状を全て同一とする。この解析モデル40の対象は記憶部32に記憶される。なお、後述する解析区間を定めるための指定値など、解析に必要な所定値はこの時点で入力されて、併せて記憶部32に記憶させてもよい。
次に、解析区間設定部34は、レール42についての解析区間の設定を行う(S2)。解析区間は車輪41のレール42に接触する接触部Pの位置に基づいて定められる。すなわち、図3(a)に示すように、接触部Pが単位ブロック42b上にあるときに、単位ブロック42bと、これを挟んで前後所定数ずつの単位ブロックとからなる単位ブロックを解析区間として定める。このとき、所定数は、解析精度を高く維持できるよう、解析結果に与える影響の比較的大きな単位ブロックを解析区間に少なくとも含むように定めることが好ましい。ここでは、車輪41の進行方向(X方向)の前方に1つ、後方に1つの、計3つの連続した単位ブロック42a、42b及び42cをレール42の解析区間として定めた。
続いて、解析モデル作成部33は、車輪41及びレール42にメッシュモデルを付与する(S3)。なお、車輪41には、あらかじめ入力された条件に従ってメッシュモデルが与えられるが、図面ではこのメッシュモデルを省略した。レール42には、解析区間として定められた単位ブロック42a〜42cと、ダミーブロックである単位ブロック42dとの4つの単位ブロックに対して、単位ブロック毎に独立するようなメッシュモデルを与える。つまり、メッシュモデルを構成する1つの要素が複数の単位ブロックに亘って跨ることなく、単位ブロック内に納められるようにメッシュモデルが与えられる。また、単位ブロック42a〜42dに付与されるメッシュモデルは同一である。
続いて、解析部35は、接触部Pを所定距離だけ移動させるまで有限要素法による計算処理を行う(S4)。詳細には、接触部Pの位置が、単位ブロック42bの後方端にあるときから、車輪41の転動により単位ブロック42bの前方端に到達するまで計算処理を行うのである。
更に、図3(b)に示すように、接触部Pが単位ブロック42bの前方端に到達するまでの計算処理をしたら、終了条件を満たしたかを判定する終了判定を行う(S5)。終了判定が否定された場合には(S5;N)、解析区間の設定(S2)に戻る。なお、終了条件については、例えば、接触部Pが解析の終了地点として定めた位置まで移動した場合や、解析により算出される値が所定値へ到達した場合など、種々の場合の設定が可能である。
終了判定が否定された場合には、続いて、解析区間設定部34は、解析区間の設定(S2)を再び行う。このとき、接触部Pは単位ブロック42cの後方端に到達し、単位ブロック42cの上にある。すなわち、レール42の解析区間は、単位ブロック42cと、これを挟んで前後に1つずつの単位ブロック42b、42c及び42dに定められる。つまり、解析区間の後方端と前方端をそれぞれ進行方向(X方向)に単位ブロック1つ分だけずらして新たに設定する。このとき、解析区間から外れた単位ブロック42aについての解析結果は記憶部32に保存される。
続いて、解析モデル作成部33はメッシュモデルの付与(S3)を再び行う。新たに定められた解析区間には単位ブロック42b〜42cが含まれるが、これには先の計算処理において既にメッシュモデルが付与されている。つまり、ダミーブロックとして新たに解析に組み込まれる単位ブロック42eにだけ、単位ブロック42aと同一のメッシュモデルが追加付与されるのである。なお、車輪41のメッシュモデルについても既に付与されたものと同一である。
続いて、上記と同様に、解析部35により新たに定められた解析区間において接触部Pが単位ブロック42cの前方端に到達するまで計算処理を行い、以後、同様に計算処理を続ける。
一方、終了判定(S5)において、終了条件を満たした場合、終了判定は肯定され(S5;Y)、有限要素解析システム30における解析処理が終了する。
このように、レール42の全長に亘る要素全てについて常に解析を行うのではなく、接触部Pの位置を基準に解析区間をレール42の一部の範囲に限定し、この解析区間を接触部Pの位置に応じて移動させて、解析の計算規模を小さくできる。つまり、メッシュモデルの細かさを維持して高い解析精度を保ちつつ、解析時間を短縮できる。
なお、解析区間の設定(S2)において解析区間を移動させる処理は、接触部Pが所定距離だけ移動する毎に行えばよく、接触部Pが単位ブロックの端部に到達したとき以外に行うこともできる。このとき、所定距離を単位ブロックの長さと同一にすると、解析区間と車輪41との位置関係を常に一定の範囲内とできて、解析精度を安定させ得る。
ここで、メッシュモデルにより定められた要素の節点のうち、解析区間に加えられている単位ブロックの各節点にはこれらを特定するための節点番号が付与される。更に、単位ブロックの前方端と後方端に位置する節点においては、隣り合う単位ブロック同士で節点番号を共有している。すなわち、図3(a)を再度参照すると、解析区間の単位ブロック42a〜42cの各節点にはそれぞれ節点番号1〜20が付与されているが、単位ブロック42aと単位ブロック42bとで節点番号7及び8を共有しており、単位ブロック42bと単位ブロック42cとで節点番号13及び14を共有している。
また、解析区間の移動に際して節点番号を新たに付してこれを増やさないため、解析区間の単位ブロックにおいて同一の節点番号が重複しないよう、解析からはずれた節点番号を新たに解析に組み込まれた単位ブロックの節点番号として使用する。なお、解析に組み込まれる単位ブロックには、後述するダミーブロックも含む。また、節点番号の各節点への付与を効率よく行うため、節点番号の単位ブロック内での組み合わせを定めておくとよい。
詳細には、図3(a)において、解析区間にない単位ブロック42dは、ダミーブロックとして、解析区間にある単位ブロック42cと節点番号19及び20を共有し、これに加え節点番号19から24までが付与されている。つまり、単位ブロック42dは、解析区間にはないが、その一部の節点番号19及び20は単位ブロック42cと共有するダミーブロックとして解析に組み込まれている。また、図3(b)では、単位ブロック42dが解析区間に新たに加えられ、これと同時にダミーブロックとして新たに解析に組み込まれた単位ブロック42eに単位ブロック42aに対応する同一のメッシュモデルが追加付与される。つまり、節点番号1から6までを設定するが、節点番号1及び2は単位ブロック42dと共有するのである。これにより、節点番号の数を抑制できる。続いて、図3(c)では、解析区間に新たに単位ブロック42eを加え、同様の処理が行われる。
次に、上記した有限要素解析システム30により解析を行って得た計算処理結果を、レールの全長の要素について常に計算を行う従来式での解析による計算処理結果と比較した例について、図4乃至図7を用いて説明する。なお、有限要素解析システム30による解析を「移動式」と表示する。
図4に示すように、移動式として、メッシュモデルを付与した車輪51と、レール52の全長に亘って単位ブロックに分割した上でメッシュモデルを所定の単位ブロックに付与したレール52とを含む解析モデル50において、レール52は同一形状の複数の単位ブロック52a〜52fに分割されている。他の単位ブロックについてはその表示を省略した。この移動式での解析において、車輪51の接触する単位ブロック52bと、この後方の単位ブロック52aと、その前方の単位ブロック52c〜52eとの合計5つの単位ブロックが解析区間である。なお、最前方に表示されている単位ブロック52fは、解析区間に加えられている単位ブロック52eと一部の節点番号を共有するダミーブロックとして解析に組み込むべく設定されている。また、各単位ブロックの進行方向の長さは任意に設定できるが、ここでは0.125mとした。なお、車輪51には、側面に突出する要素54が設定されており、解析に影響のない程度に剛性及び密度を小さく設定することで、車輪51の転動を明示するためのマーカーとして用いた。
なお、移動式での解析では、解析に組み込まれることのない単位ブロックを設定する必要はない。つまり、解析の開始から終了までに解析区間に加えられる単位ブロックと最後にダミーブロックとして設定される単位ブロックとを合わせた長さがレールの全長となる。
図5に示すように、解析モデル50にはいくつかの解析条件を与える。ここでは、車軸53にトルクを与えるため、その外周において転動する向き(周方向)に0.75kNの集中荷重を4カ所均等に与え、その中心において下向きに車体重量に相当する50.0kNの荷重を与えた。また、レール52の底面を完全固定する拘束条件を与えるとともに、車軸53がY軸方向に移動しないよう、車軸53の端面53aをY軸方向に固定する拘束条件を与えた。
また、従来式での解析では、レールの全長を5mと10mの2通りとし、上記した解析モデル50と同じメッシュモデルをレールの全長に亘って与えた。更に、従来式での解析では、解析区間を定めずに常にレールの全長について解析を行った。それ以外の解析条件は移動式での解析条件と同じである。
図6は、上記した解析条件で、車輪の転動をシミュレートしたときの車輪の中心軸の進行方向への移動速度の履歴、すなわち車輪の並進速度の履歴を示したものである。車軸には同一のトルクが常にかかるため、車輪の並進速度は直線的に増加している。かかる並進速度において、従来式のレールの全長を5mとした解析結果(従来式(5m))及び10mとした解析結果(従来式(10m))と移動式の解析結果とを比較すると、図6に示すような一致を得られることが判る。
図7に示すように、移動式での解析を従来式での解析と比較すると、解析に使用する要素数及び接点数が大幅に削減できる。なお、移動式の要素数及び接点数はダミーブロックも含めて算出している。また、車輪の並進速度が10km/hとなるまでをシミュレートした解析において、移動式での計算時間は54023秒を要し、従来式(5m)での188880秒及び従来式(10m)での583448秒と比較して、それぞれ0.29倍及び0.09倍と非常に小さい計算時間比である。つまり、移動式では、解析時間を大幅に短縮できる。また、レールの全長を長くすると計算時間比は更に小さくなるのである。
一方で、車輪の並進速度が10km/hとなったときにレールにかかるZ方向の最大応力は、移動式で−768.0253MPa、従来式(5m及び10m)で−7680.252MPaとなった。つまり、高い解析精度を維持していた。
本実施例によれば、レール42(52)について接触部Pの位置を基準に所定の範囲に解析区間を限定してこれを移動させることで、解析時間を短縮できる。また、解析区間の移動に際しては、接触部Pの所定距離の移動毎に単位ブロックの1つ分だけずらすので、解析区間の移動の回数を低減できる。更に、単位ブロックには独立したメッシュモデルを与えて、例えば複数の単位ブロックに跨る要素についての処理のような煩雑な処理を回避し、解析区間を新たに定めるステップの処理を簡素化できる。また、単位ブロック毎のメッシュモデルを同一にすることで、解析区間を新たに定めるステップにおいてメッシュモデルを変化させるなどの処理を不要とし、メッシュモデルの付与の処理を更に簡素化できる。よって、レール42(52)のメッシュモデルを細かくして、解析の精度を高く保つことができ、その一方で、解析時間を短縮できる。
なお、解析区間の移動においては、解析区間を接触部Pの位置に応じて単位ブロックの1つ分だけ進行方向にずらせばよい。つまり、単位ブロックを解析区間に加えて解析区間から外すパターンを上記以外のパターンとすることもできる。例えば、前方に新たに1つの単位ブロックを加えて解析を行った後、後方から単位ブロックの1つを外して解析を行い、更にこれを繰り返すこともできる。予め定めたパターンに従い接触部Pの位置に応じて解析区間に加えられる単位ブロックの数を変更することも可能である。
また、レールを複数の単位ブロックに仮想分割した際に、レールの全長について予めメッシュモデルを作成しておいてもよい。メッシュモデルを与えられた単位ブロックを解析区間に選択するのである。上記した実施例との比較において、メッシュモデルの付与の処理をより簡素化して解析時間を短縮できる方法を選択することが好ましい。
ここまで本発明による代表的実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した請求項の範囲を逸脱することなく種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
30 有限要素解析システム
34 解析区間設定部
35 解析部
41、51 車輪
42、52 レール
P 接触部

Claims (7)

  1. 長尺のレール体の上をこれに沿った進行方向へ向けて転動する車輪体の接触による応力解析のための有限要素解析システムであって、
    前記レール体をその長手方向に沿って単位ブロックの複数に仮想分割し、少なくとも前記車輪体及び前記レール体の接触部を含む前記単位ブロックを挟んで前後所定数ずつの前記単位ブロックからなる解析区間を定めた上で、
    前記解析区間内を前記接触部が前記進行方向に所定進行距離だけ移動するまで有限要素解析を行い、前記解析区間を前記進行方向に前記単位ブロックの1つ分だけずらして新たな解析区間を定め、更に前記有限要素解析を行うことを繰り返す解析手段を含むことを特徴とする有限要素解析システム。
  2. 前記単位ブロック毎に独立したメッシュモデルを付与することを特徴とする請求項1記載の有限要素解析システム。
  3. 前記有限要素解析を行うに際し、新たな解析区間を定めたときに、新たに解析に組み込まれた前記単位ブロックに対してメッシュモデルを追加付与していくことを特徴とする請求項2記載の有限要素解析システム。
  4. 仮想分割に続いて、前記レール体の全体に亘ってメッシュモデルを付与することを特徴とする請求項2記載の有限要素解析システム。
  5. 前記単位ブロック毎の前記メッシュモデルは同一であることを特徴とする請求項2乃至4のうちの1つに記載の有限要素解析システム。
  6. 前記解析区間の前記メッシュモデルにはその要素節点を特定するための特定符号を与え、新たな解析区間を定めたときに、新たに解析に組み込まれた前記単位ブロックの対応する要素節点に解析から外れた前記単位ブロックの前記特定符号を付与することを特徴とする請求項5記載の有限要素解析システム。
  7. 前記所定進行距離は前記レール体の長手方向への前記単位ブロックの長さであることを特徴とする請求項1乃至6のうちの1つに記載の有限要素解析システム。
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