JP5902953B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
樹脂製の成形品の表面保護や、成形品への意匠性付与などを目的として、樹脂材料からなる樹脂基材の表面に光硬化性樹脂などを塗布して塗膜を形成する場合がある。
しかし、例えばポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどからなる樹脂基材は、塗膜との密着性が悪かった。
そこで、塗膜との密着性が悪い樹脂基材(以下、「難密着性樹脂基材」という。)の表面の密着性を向上させるために、予めコーティングによる化学的処理や物理的処理(例えばコロナ処理等)などの表面処理を施すことがあるが、表面処理の工程が煩雑である、コスト高となるなどの問題があった。
そのため、表面処理を施していない難密着性樹脂基材に対しても優れた密着性を有する塗膜を形成できる材料が求められていた。
このような材料として、例えば特許文献1には、特定の構造を有するイソステアリル(メタ)アクリレートと、熱可塑性エラストマーと、光開始剤とからなる難接着材質用光硬化性樹脂組成物が開示されている。
特開2005−307082号公報
しかしながら、特許文献1に記載の難接着材質用光硬化性樹脂組成物より形成される塗膜は、難密着性樹脂基材に対する密着性が不十分であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、密着しにくい樹脂基材に対しても、表面処理などの煩雑な別工程を必要とせずに、密着性に優れた塗膜を形成できる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定構造の2官能(メタ)アクリル酸エステルと、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルと、質量平均分子量、不飽和結合当量、酸価が特定の範囲であり、芳香族成分を含有するラジカル重合性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化型樹脂とを併用することで、難密着性樹脂基材に対しても、表面処理などの煩雑な別工程を必要とせずに、優れた密着性に優れた塗膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、下記(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分を含有することを特徴とする。
(a)成分:下記一般式(1)で表される2官能(メタ)アクリル酸エステル
(b)成分:(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル
(c)成分:芳香族成分を含有し、質量平均分子量が3,000〜200,000であり、不飽和結合当量が300〜20,000g/molであり、酸価が5〜450mgKOH/gであるラジカル重合性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化型樹脂
(d)成分:光開始剤
Figure 0005902953
式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、nは1〜6である。
また、前記(a)成分と(b)成分と(c)成分の含有量の質量比(a)+(b):(c)が10:90〜95:5であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物によれば、密着しにくい樹脂基材に対しても、表面処理などの煩雑な別工程を必要とせずに、密着性に優れた塗膜を形成できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[活性エネルギー線硬化型樹脂組成物]
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」という。)は、下記(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分を含有する。
なお、本発明において(メタ)アクリレートとは、メタクリレートとアクリレートの総称であり、(メタ)アクリロイル基とは、メタクリロイル基とアクリロイル基の総称であり、(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸とアクリル酸の総称である。
また、本発明において活性エネルギー線とは、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、赤外線等を意味する。
<(a)成分>
(a)成分は、下記一般式(1)で表される2官能(メタ)アクリル酸エステルである。(a)成分は、後述する(b)成分、(c)成分、(d)成分との併用により、樹脂基材(特に難密着性樹脂基材)に対する高い密着性を塗膜に付与する成分である。
Figure 0005902953
式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、nはRO(エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド)の繰り返し単位であり、1〜6である。
nが6を超えると、後述する(c)成分の溶解性が悪くなり、本発明の樹脂組成物より形成される塗膜の樹脂基材(特に難密着性樹脂基材)に対する密着性が低下する。
(a)成分としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、密着性および樹脂溶解性に優れ、適度な粘度に調整しやすい点で、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、特にジエチレングリコールジアクリレートが好ましい。
これら(a)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、(a)成分としては、市販品を用いることができる。例えば日立化成工業株式会社製の「ファンクリルFA−222A」、新中村化学工業株式会社製の「NKエステルA−200」などが挙げられる。
<(b)成分>
(b)成分は、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルである。本発明の樹脂組成物が(b)成分を含有することで、後述する(c)成分の溶解性が高まり、形成される塗膜の樹脂基材(特に難密着性樹脂基材)に対する密着性が向上する。
(b)成分としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、密着性および樹脂溶解性に優れ、低揮発性である点で、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、特に4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
これら(b)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<(c)成分>
(c)成分は、ラジカル重合性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化型樹脂である。
(c)成分は、芳香族成分を含有する。芳香族成分を含有することで、樹脂基材(特に難密着性樹脂基材)に対して密着性に優れた塗膜を形成できる。
ここで、「(c)成分が芳香族成分を含有する」とは、(c)成分が芳香環を有する単量体を含む単量体混合物を重合して得られた重合体であることを意味する。芳香環を有する単量体としては、例えばスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニルグリシジルエーテルアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(c)成分の質量平均分子量は、3,000〜200,000であり、5,000〜100,000であることが好ましい。(c)成分の質量平均分子量が3,000未満であると、製膜時にハジキが発生し、樹脂組成物を樹脂基材に均一に塗布できないなど、塗工性が低下する。一方、(c)成分の質量平均分子量が200,000を超えると、樹脂組成物の粘度が上昇し、ハンドリング性が低下する。
(c)成分の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、標準ポリスチレンで換算した値である。
なお、詳しくは後述するが、(c)成分を(a)成分と(b)成分の存在下で合成すると、(c)成分は(a)成分と(b)成分に溶解した状態で得られる。このような場合は、(a)成分と(b)成分に溶解した状態で(c)成分の質量平均分子量を測定してもよく、(a)成分と(b)成分は(c)成分の質量平均分子量に影響しない。
(c)成分の不飽和結合当量は、300〜20,000g/molであり、500〜10,000g/molであることが好ましい。(c)成分の不飽和結合当量が300g/mol未満であると、硬化後の塗膜の硬化収縮が大きくなり、樹脂基材(特に難密着性樹脂基材)に対する密着性が低下する。一方、(c)成分の不飽和結合当量が20,000g/molを超えると、(c)成分が十分に硬化せずに未硬化のまま塗膜に残留しやすくなり、樹脂基材(特に難密着性樹脂基材)に対する密着性が低下する。
ここで、「不飽和結合当量」とは、ラジカル重合性不飽和結合1モルあたりの樹脂の質量により定義されるものであり、(c)成分の原料モノマー(単量体)の仕込み量により求められる。
(c)成分の酸価は、5〜450mgKOH/gであり、10〜300mgKOH/gであることが好ましい。(c)成分の酸価が5mgKOH/g未満であると、塗膜の樹脂基材(特に難密着性樹脂基材)に対する密着性が低下する。一方、(c)成分の酸価が450mgKOH/gを超えると、(a)成分および(b)成分に対する(c)成分の溶解性が低下する。
ここで、「酸価」とは、(c)成分1g中に含まれる酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数のことである。具体的には、(c)成分をアセトンで希釈し、フェノールフタレインを指示薬として、0.1N水酸化カリウム−メタノール溶液で滴定し、測定値を(c)成分1gあたりの量に換算した値である。
なお、(c)成分を(a)成分と(b)成分の存在下で合成する場合は、(a)成分と(b)成分に溶解した状態で(c)成分の酸価を測定してもよく、(a)成分と(b)成分は(c)成分の酸価に影響しない。
(c)成分としては、芳香族成分を含有し、質量平均分子量、不飽和結合当量、および酸価が上記範囲内であれば特に限定されないが、アクリルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどが挙げられる。
(c)成分がアクリルアクリレートである場合、前記芳香環を有する単量体としては、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(ジ)エチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸が好適である。
(c)成分がウレタンアクリレートである場合、前記芳香環を有する単量体としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートが好適である。
(c)成分がエポキシアクリレートである場合、前記芳香環を有する単量体としては、フェニルグリシジルエーテルアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが好適である。
(c)成分としては、アクリルアクリレートが特に好ましい。
(c)成分がアクリルアクリレートである場合、芳香環を有する単量体以外の(c)成分を構成する単量体としては、(メタ)アクリロイル基を有する単量体が挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これら単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<(d)成分>
(d)成分は、光開始剤である。
光開始剤としては特に限定されず、公知の光開始剤を用いることができる。具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(例えばBASF製の「イルガキュア184」など)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(BASF製の「ダロキュア1173」など)を用いることができる。
<割合>
(a)成分と(b)成分と(c)成分の含有量の質量比(a)+(b):(c)は、10:90〜95:5であることが好ましく、40:60〜80:20であることがより好ましい。各成分の含有量の質質量比が上記範囲内であれば、塗膜の樹脂基材(特に難密着性樹脂基材)に対する密着性がより向上する。
なお、塗膜の樹脂基材(特に難密着性樹脂基材)に対する密着性がさらに高まる点から、各成分の含有量は、以下の範囲であることが好ましい。
(a)成分の含有量は、樹脂組成物100質量%中、5〜90質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。
(b)成分の含有量は、樹脂組成物100質量%中、5〜90質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。
(c)成分の含有量は、樹脂組成物100質量%中、5〜90質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。
また、(d)成分の含有量は、(a)成分と(b)成分と(c)成分の含有量の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜7質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることが特に好ましい。
<その他の成分>
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上述した(a)成分および(b)成分以外の (メタ)アクリル酸エステルモノマーを含有してもよい。具体的には、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば老化防止剤(フェノール系やリン系等)、無機充填材(シリカ、アルミナ等)、防黴剤、難燃剤、可塑剤、チクソ性付与剤、接着付与剤、硬化促進剤、顔料などが挙げられる。
<樹脂組成物の製造>
本発明の樹脂組成物は、(a)〜(d)成分と、必要に応じて他の成分とを混合することで得られる。
ここで、(c)成分は公知の方法で合成できるが、例えば以下に示す方法により合成してもよい。なお、以下に示す製造方法は、(c)成分がアクリルアクリレートの場合である。
まず、(メタ)アクリロイル基およびカルボキシル基を有する単量体と、芳香環を有する単量体とを含む単量体混合物を重合して重合体(合成樹脂)を得る。
ついで、(a)成分、(b)成分、および重合禁止剤(例えばメトキシヒドロキノン)の存在下、得られた重合体(合成樹脂)と、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基を有する単量体とを反応させて、(c)成分を得る。
この製造方法によれば、(c)成分は(a)成分および(b)成分に溶解した状態で得られる。
このようにして得られた、(a)成分および(b)成分に溶解した(c)成分に、(d)と必要に応じて他の成分とを加え、本発明の樹脂組成物としてもよい。
<作用効果>
以上説明した本発明の樹脂組成物は、上述した(a)〜(d)成分を含有するので、難密着性樹脂基材に対しても、密着性に優れた塗膜を形成できる。また、本発明の樹脂組成物より形成される塗膜は密着性に優れるので、本発明の樹脂組成物を塗布する前に、樹脂基材を表面処理する必要がない。
<用途>
本発明の樹脂組成物より形成される塗膜は、難密着性樹脂基材に対しても、密着性に優れる。
難密着性樹脂基材の材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、軟質塩化ビニルなどが挙げられる。
樹脂基材への樹脂組成物の塗布方法については特に制限されず、公知の方法を採用できる。具体的には、スプレー塗装法、刷毛塗り法、ローラ塗装法、カーテンコート法、フローコート法、浸漬塗り法などにより、樹脂基材上に本発明の樹脂組成物を塗布する。このとき、このとき、樹脂基材には予め表面処理を施しておく必要がない。
ついで、活性エネルギー線を照射して樹脂組成物を硬化させることにより、樹脂基材上に本発明の樹脂組成物からなる塗膜を形成する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の各例中、断りがなければ「%」は質量%を示し、「部」は質量部を示す。
[樹脂溶液の調製]
<合成例A>
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、水1000部、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、「PVA−117」)1部、スチレン200部、メチルメタクリレート125部、メタクリル酸175部、アゾビスイソブチロニトリル5部、ドデシルメルカプタン5部を仕込み、80℃の窒素ガス気流下で8時間、懸濁重合法により重合反応を行った。固液分離後、減圧下で乾燥し、合成樹脂A’を得た。
ついで、撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび空気の液中導入管を備えた反応装置に、得られた合成樹脂A’500部を投入し、これに(a)成分としてジエチレングリコールジアクリレート(日立化成工業株式会社製、「ファンクリルFA−222A」)1000部、(b)成分として4−ヒドロキシブチルアクリレート500部、重合禁止剤としてメトキシヒドロキノン2部、トリフェニルホスフィン5部を加えて希釈し、さらにグリシジルメタクリレート100部を加えてから、110℃の空気バブリング下で8時間加熱し、ラジカル重合性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化型樹脂((c)成分)が、ジエチレングリコールジアクリレート((a)成分)および4−ヒドロキシブチルアクリレート((b)成分)に溶解した溶液(以下、「樹脂溶液A」という。)を得た。
得られた(c)成分の質量平均分子量、不飽和結合当量、および酸価を以下に示す方法で求めた。これらの結果を表1に示す。
(質量平均分子量の測定)
(c)成分の質量平均分子量は、GPC法により標準ポリスチレン換算で求めた。測定条件を以下に示す。なお、質量平均分子量の測定には樹脂溶液Aを用いた。すなわち、(c)成分が(a)成分および(b)成分に溶解した状態で、(c)成分の質量平均分子量を測定したが、(a)成分と(b)成分は(c)成分の質量平均分子量に影響しない。
・装置:東ソー株式会社製、「HLC−8120」
・カラム: 東ソー株式会社製、「GMHXL」、サンプル用3本、リファレンス用2本
・ガードカラム:東ソー株式会社製、「HXL−H」
・サンプル濃度:0.1%になるようにテトラヒドロフランで希釈した。
・移動相溶媒:テトラヒドロフラン
・流量:1.0ml/分
・カラム温度:40℃
(不飽和結合当量の計算)
「メタクリル酸の仕込みモル数>グリシジルメタクリレートの仕込みモル数」であることを確認した上で、下記式より(c)成分の不飽和結合当量を求めた。なお、スチレンと、メチルメタクリレートと、メタクリル酸と、グリシジルメタクリレートは、全て反応したものとみなす。
不飽和結合当量[g/mol]=モノマー仕込み合計g数/グリシジルメタクリレートの仕込みモル数
(酸価の測定)
樹脂溶液Aの1gを精秤し、アセトン50mLを加えて希釈し、フェノールフタレインを指示薬として、0.1N水酸化カリウム−メタノール溶液で滴定し、測定値を(c)成分1gあたりの量に換算し、これを(c)成分の酸価とした。なお、(c)成分が(a)成分および(b)成分に溶解した状態で、(c)成分の酸価を測定したが、(a)成分と(b)成分は(c)成分の酸価に影響しない。
<合成例B>
ジエチレングリコールジアクリレートをメチルイソブチルケトンに変更した以外は、合成例Aと同様にして、ラジカル重合性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化型樹脂((c)成分)が、メチルイソブチルケトンおよび4−ヒドロキシブチルアクリレート((b)成分)に溶解した溶液(以下、「樹脂溶液B」という。)を調製し、(c)成分の質量平均分子量、不飽和結合当量、および酸価を求めた。これらの結果を表1に示す。
<合成例C>
ジエチレングリコールジアクリレートの量を1500部に変更し、4−ヒドロキシブチルアクリレートを用いなかった以外は、合成例Aと同様にして操作したところ、合成樹脂A’を溶解することができず、その後の反応(合成樹脂A’とグリシジルメタクリレートとの反応)を行うことができず、(c)成分を合成できなかった。
<合成例D>
4−ヒドロキシブチルアクリレートをn−ブタノールに変更した以外は,合成例Aと同様にして、ラジカル重合性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化型樹脂((c)成分)が、ジエチレングリコールジアクリレート((a)成分)およびn−ブタノールに溶解した溶液(以下、「樹脂溶液D」という。)を調製し、(c)成分の質量平均分子量、不飽和結合当量、および酸価を求めた。これらの結果を表1に示す。
<合成例E〜H>
ドデシルメルカプタンの量を表1に示す通りに変更した以外は、合成例Aと同様にして、ラジカル重合性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化型樹脂((c)成分)が、ジエチレングリコールジアクリレート((a)成分)および4−ヒドロキシブチルアクリレート((b)成分)に溶解した溶液(以下、「樹脂溶液E〜H」という。)を調製し、(c)成分の質量平均分子量、不飽和結合当量、および酸価を求めた。これらの結果を表1に示す。
<合成例I〜Q>
(c)成分の原料モノマーの仕込み量を表1に示す通り変更した以外は、合成例Aと同様にして、ラジカル重合性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化型樹脂((c)成分)が、ジエチレングリコールジアクリレート((a)成分)および4−ヒドロキシブチルアクリレート((b)成分)に溶解した溶液(以下、「樹脂溶液I〜Q」という。)を調製し、(c)成分の質量平均分子量、不飽和結合当量、および酸価を求めた。これらの結果を表1に示す。
Figure 0005902953
表1中の略号は以下の通りである。
・MMA:メチルメタクリレート
・St:スチレン
・MAA:メタクリル酸
・GMA:グリシジルメタクリレート
・FA−222A:ジエチレングリコールジアクリレート(日立化成工業株式会社製、「ファンクリルFA−222A」
・4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
・MIBK:メチルイソブチルケトン
・n−BuOH:n−ブタノール
[実施例1]
合成例Aで得られた樹脂溶液Aの100部に、(d)成分として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF製、「イルガキュア184」)3部を添加し、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、以下に示す密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
<密着性の評価>
難密着性樹脂基材として未処理のPETフィルム(東洋紡績株式会社製、「E5000」)に、紫外線照射後の膜厚が5〜10μmになるように樹脂組成物を塗布し、紫外線照射装置を用いて積算光量1000mJ/cmの条件で樹脂組成物を硬化して、難密着性樹脂基材上に塗膜を形成し、これを試験片とした。
試験片について、JIS K−5600−5−6:1999に準拠し、クロスカット法により密着性の評価を行った。具体的には、試験片の塗膜に1mm幅で10×10の碁盤目状にカッターで切れ目を入れ、碁盤目状の部分にセロハンテープを貼着し剥がす操作を実施した。難密着性樹脂基材と塗膜とが剥離しなかった碁盤目の数NをN/100として、表2に結果を示す。なお、100/100は全く剥離がなく密着性が良好な状態を示す。
[実施例2〜7、比較例1〜9]
樹脂溶液Aの代わりに、表2に示す種類の樹脂溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005902953
表2から明らかなように、実施例1〜7の樹脂組成物は、難密着性樹脂基材に対して密着性に優れた塗膜を形成できた。
一方、(a)成分を含まない比較例1、および(b)成分を含まない比較例2の樹脂組成物より形成された塗膜は、難密着性樹脂基材に対する密着性が劣っていた。
質量平均分子量が2,000である(c)成分を含む比較例3の樹脂組成物は、難密着性樹脂基材に塗布しても弾かれてしまい、均一に塗布することができなかった。
質量平均分子量が250,000である(c)成分を含む比較例4の樹脂組成物より形成された塗膜は、難密着性樹脂基材に対する密着性が劣っていた。
芳香族成分を含有しない(c)成分を含む比較例5の樹脂組成物より形成された塗膜は、難密着性樹脂基材に対する密着性が劣っていた。
不飽和結合当量が23,809である(c)成分を含む比較例6、および不飽和結合当量が290である(c)成分を含む比較例7の樹脂組成物より形成された塗膜は、難密着性樹脂基材に対する密着性が劣っていた。
酸価が461である(c)成分を含む比較例8、および酸価が3である(c)成分を含む比較例9の樹脂組成物より形成された塗膜は、難密着性樹脂基材に対する密着性が劣っていた。

Claims (2)

  1. 下記(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
    (a)成分:下記一般式(1)で表される2官能(メタ)アクリル酸エステル
    (b)成分:(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル
    (c)成分:芳香族成分を含有し、質量平均分子量が3,000〜200,000であり、不飽和結合当量が300〜20,000g/molであり、酸価が5〜450mgKOH/gであるラジカル重合性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化型樹脂である、アクリルアクリレート
    (d)成分:光開始剤
    Figure 0005902953
    (式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、nは1〜6である。)
  2. 前記(a)成分と(b)成分と(c)成分の含有量の質量比(a)+(b):(c)が10:90〜95:5であることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
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