JP5641724B2 - 紫外線硬化型塗料組成物 - Google Patents
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塗料組成物に関する。
近年ではプラスチック基材への真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーディング法
により成膜されるケースが増えている。しかしこのようにして成型される金属層は傷付き
やすく、水や酸素により劣化しやすい。一方、工業用資材等として有用なプラスチック樹
脂も傷付き易いという欠点を有している。そのため、これらの欠点を解消しようとする試
みとして、生産性の高い紫外線硬化型組成物を用い、基材表面に皮膜を形成させる方法が
検討されてきたが、密着性、耐傷付き性、耐湿性のバランスが不十分であった。特許文献
1では末端変性ポリカーボネートオリゴマーを含む組成物が開示されている。
また、特許文献2では、マグネシウム基材に下塗り層及び上塗り層を形成させ、1回の塗
装だけでは、不十分であった光沢、硬度を向上させている。
点があった。また、高い硬度を維持しつつ密着性を向上させるためには、下地処理やアン
ダーコートなど2回の塗装をする必要があった。
化物、およびプラスチック樹脂との優れた密着性、耐傷付き性、耐湿性を有する塗膜を形
成可能な、紫外線硬化型塗料組成物を提供するものである。さらに、アンダーコートなど
の下地処理が必要なく、一層コートで、優れた密着性、硬度を有する塗膜を形成可能な紫
外線硬化型塗料を提供するものである。
換(メタ)アクリルアミド、(a2)(メタ)アクリル酸脂環式炭化水素エステルから成る
共重合体、及び(B)分子内に2個以上の二重結合を持つ多官能モノマーを1種類以上、
を含有する紫外線硬化型塗料組成物が、上記課題の解決に合致することを見出し、本発明
に到達した。
金属酸化物、およびプラスチック樹脂などの基材との優れた密着性、耐傷付き性、耐湿性
を有する塗膜を形成可能なものである。さらに、アンダーコートなどの下地処理が必要な
く、一層コートで、優れた密着性、硬度を有する塗膜を形成可能である。
置換(メタ)アクリルアミド(a1)、 (メタ)アクリル酸脂環式炭化水素エステル(a
2)を溶媒中で重合したものである。
特に限定されない。具体的には、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)ア
クリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、n−プロピル(メタ)アクリルア
ミド、メチルエチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジ
メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミ
ド、ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、
メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロ
ポキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、アクリロイルピペリジ
ン、アクリロイルピロリジンなどが挙げられる。これらが基材との優れた密着性、耐傷付
き性を有する塗膜を形成可能なものとして好適である。
アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート
、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート
、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2-(メタ
)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキ
シエチルヘキサヒドロフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、テ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらが基材との優れた
密着性、耐傷付き性、耐湿性を有する塗膜を形成可能なものとして好適である。
重合、エマルジョン重合、塊状重合など、公知の方法により行うことができる。
/60の範囲であることが好ましいがこの限りではない。さらに好ましくは、80/20
〜50/50の範囲である。(a2成分)が60モル%より多いと(B)分子内に2個以
上の二重結合を持つ多官能モノマーとの相溶性が悪くなる。
であることが好ましいがこの限りではない。さらに好ましくは10000〜100000
の範囲である。重量平均分子量が5000より小さいと基材への塗膜の密着性が悪くなり
、重量平均分子量が300000より大きいと、(B)分子内に2個以上の二重結合を持
つ多官能モノマーとの相溶性が悪化し、粘度が高くなりすぎてハンドリングが困難になる
可能性がある。
分及び(B)成分の合計量100重量部のうち、前記(A)が10〜70重量部の範囲で
あることが好ましい。さらに好ましくは、30〜60重量部の範囲である。
4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオール
ジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニ
ルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレ
ート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ
(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プ
ロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトール
ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カ
プロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ
)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレートやエトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレートが挙げられ、これら1種以上を混合して使用する。前記(A)成分と共に用
いることで、金属、金属酸化物、およびプラスチック樹脂との優れた密着性、耐傷付き性
、耐湿性を有する塗膜を形成可能なものとして好適である。
材に応じて適宜選択できる。例えば、プラスチックやアルミ板を基材とする場合は、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを前
記(A)成分と共に用いると密着性、耐傷付き性、耐湿性を有する塗膜を形成することが
できる。
は(D)有機溶剤を配合することができる。(C)成分または(D)成分のどちらか一方
を1種以上用いるか、両者を2種以上混合して使用してもよい。
ミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、
プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN置換(メタ)アクリルアミドの他に、単
官能(メタ)アクリレートモノマーも用いることができる。例えば2−エチルヘキシル(
メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、
3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート 、脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート、ベンジ
ル(メタ)アクリレート 、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル
オキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、イソアミル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソステア
リル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリ
コール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート
、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、メチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、t-ブチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート
、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレ
ートなどが挙げられる。これらの単官能モノマーは、塗料の粘度を下げる場合など、必要
に応じて配合する事が出来る。
部に対して30重量部以下にすることが好ましい。(C)単官能モノマーの含有量が30
重量部よりも多くなると、塗膜の密着性、耐傷付き性、耐湿性に影響が出る場合があるた
め好ましくない。
ル、n−ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、ト
ルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メトキシプロパノール、メトキシブ
タノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。これらの有機溶
剤は、塗料の粘度を下げる場合など、必要に応じて配合する事が出来る。
計量100重量部に対して50重量部以下にすることが好ましい。(D)有機溶剤の含有
量が50重量部よりも多くなると、塗膜の密着性、耐傷付き性に影響が出るため好ましく
ない。
剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインまたはそのエーテル、ベンゾフェノンなど
のベンゾフェノン系化合物、ベンジル、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケター
ルなどのベンジル系化合物、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1
-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オ
ンなどのヒドロキシアルキルフェニルケトン系化合物などが挙げられる。市販されている
ダロキュア1173、ダロキュア2959、イルガキュア184(チバ・ジャパン株式会
社製)が好適である。
して1〜10重量部の範囲であることが好ましい。少なすぎると十分な硬化性が得られず
、多すぎると被膜強度が低下する可能性がある。
限定されるものではない。
(A−1)
攪拌機、還流冷却管、温度計及び窒素ガス導入管を設けた1L容量のセパラブルフラスコ
に、ジメチルアクリルアミド(株式会社興人製)45重量部、イソボルニルアクリレート
(東京化成工業株式会社製)23.6重量部、メチルエチルケトン(和光純薬工業株式会
社製)588重量部を投入し、撹拌下、窒素ガスで1時間脱気した。この後、アゾビスイ
ソブチロニトリル(和光純薬工業株式会社製)1.2重量部をメチルエチルケトン30重
量部に溶解させた溶液を加え、60℃に昇温して8時間重合反応を実施した。この重合反
応後、反応溶液を減圧下で30℃にて溶媒を留去し、白色の固体状ポリマー65重量部を
得た。得られたポリマー(A−1)の重量平均分子量は50000であった。
ジメチルアクリルアミド22重量部、イソボルニルアクリレート46.2重量部とした
こと以外は(A−1)と同様に実施した。得られたポリマー(A−2)の重合平均分子量
は33000であった。
モノマーとしてジメチルアクリルアミド67重量部のみを用い、溶媒をメタノール(和
光純薬工業株式会社製)に変更したこと以外は(A−1)と同様に実施した。得られたポ
リマー(A−3)の重合平均分子量は64000であった。
モノマーとしてイソボルニルアクリレート80重量部のみを用い、溶媒をトルエン(和
光純薬工業株式会社製)に変更したこと以外は(A−1)と同様に実施した。得られたポ
リマー(A−4)の重合平均分子量は40000であった。
実施例1
(A)成分として(A−1)のポリマー60重量部、(B)成分としてジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製)25重量部、(D)成分としてメチル
エチルケトン30重量部、(E)成分としてダロキュア1173(チバ・ジャパン株式会
社製)2重量部を撹拌混合し、紫外線硬化型塗料組成物を調整した。この組成物をアマイ
ト処理したアルミニウム板、アルミニウム蒸着ポリカーボネート、蒸着膜無しのポリカー
ボネート、PET基材に対してバーコーターを用いて塗工した。
外線照射機OHD−320M(株式会社オーク製作所製)を用いて塗膜を硬化させて試験
片を作成した。
表1に示す配合割合で紫外線硬化型塗料組成物を調整した以外は、実施例1と同様にして
試験片を作成した。
付き性、耐湿性に関して評価を実施した。結果を表1に示す。
(*2)1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)
(*3)アクリロイルモルホリン(株式会社興人製)
(*4)イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)
(*5)メチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)
(*6)トルエン/和光純薬工業株式会社製
(*7)チバ・ジャパン株式会社製
基材B:アルミ蒸着ポリカーボネート
基材C:ポリカーボネート
基材D:PET
した。
◎:評価点数10
○:評価点数9〜8
△:評価点数7〜4
×:評価点数3〜0
の荷重をかけながら10往復させ、傷の発生の有無を評価した。
◎:膜の剥離や傷の発生がほとんど認められない
○:膜にわずかな細い傷が認められる
△:膜全面に筋状の傷が認められる
×:膜の剥離が生じる
℃、95%雰囲気下で、72時間放置後の密着性と外観を評価した。密着性に関しては、
前記方法と同様に実施した。外観に関しては次のように評価した。
◎:変色、剥離などのほとんど変化なし
○:僅かに変色が見られるのみ
△:膜の一部が剥離する
×:膜が完全に剥離または溶解する
ク樹脂などの基材との優れた密着性、耐傷付き性、耐湿性を有する塗膜を形成することが
でき、家電機器、電子機器、工業用資材などに利用可能である。
Claims (3)
- (A)構成単位として(a1)ジメチル(メタ)アクリルアミドを40〜90モル%、(a2)(メタ)アクリル酸脂環式炭化水素エステルを10〜60モル%からなる共重合体、及び(B)分子内に2個以上の二重結合を持つ多官能モノマーを1種類以上、を含有する紫外線硬化型塗料組成物。
- 前記(B)成分が、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び1,6−ヘキサンジオールアクリレートである、請求項1に記載の紫外線硬化型塗料組成物。
- 前記(A)成分及び前記(B)成分の合計量100重量部のうち、前記(A)が10〜70重量部の範囲である請求項1または2記載の紫外線硬化型塗料組成物。
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