JP5902069B2 - 被加工物の加工方法および加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被加工物の加工方法および加工装置に関し、特に、円筒状の外周面を有する被加工物の加工方法、および、当該被加工物を加工するための加工装置に関する。
従来、一般に行われているセラミックスの加工方法として、ダイヤモンドホイール、ダイヤモンドソー、ダイヤモンドバイトおよびダイヤモンド砥石などの工具を用いて、切断、研削・研磨などの加工を施す方法がある。特に円筒形状の部材の加工方法として、特開昭61−279455号公報(特許文献1)に示すセンタレス研磨が知られている。これらの方法では、セラミックス材料のもつ高い機械強度、硬度により加工能率が低い問題があり、砥石や工具にダイヤモンドを使用するためコスト面での問題もある。
上記の方法に対して、レーザや電子ビームなどの高密度エネルギーを照射することによって加工する方法が提案されており、一般的に穴あけ・切断・スクライビング加工が知られている。さらに円筒状ワークの外径面を研削する方法として、特開昭59−120390号公報(特許文献2)、特開昭60−231588号公報(特許文献3)および特開平07−048189号公報(特許文献4)に示す方法が提案されている。いずれも円筒状ワークを回転させながら加工面にレーザを照射する加工方法であり、かつ加工中にレーザ光ないしはワークを移動させることで加工寸法および加工位置を制御することができる。
またレーザなどの熱加工と物理的、化学的作用を組み合わせた加工として、特開昭64−77506号公報(特許文献5)、特開昭62−34727号公報(特許文献6)、特開昭61−152345号公報(特許文献7)がある。
特開昭61−279455号公報 特開昭59−120390号公報 特開昭60−231588号公報 特開平07−048189号公報 特開昭64−77506号公報 特開昭62−34727号公報 特開昭61−152345号公報
円筒状ワークの外径面の加工に関して、特開昭60−231588号公報(特許文献3)および特開平07−048189号公報(特許文献4)に、レーザを利用して円筒外径を加工する方法が図示されている。これらの方法では、被加工面である円筒外径に対して垂直にレーザ光が照射されるため、数百μmの除去加工ができる高エネルギーレーザを照射した場合には、被加工物に熱影響が生じる問題がある。また精密な軸受用セラミックころの径寸法を満足する寸法制御が困難である。
特開昭59−120390号公報(特許文献2)に示す加工方法は、被加工面である円筒外径の接線方向に対して水平にレーザ光を作用させることから、被加工物の熱影響は少ない加工方法である。しかし、完全に熱影響のない状態にするのは困難であり、精密な軸受用セラミックころの径寸法を満足する寸法制御も難しい。また、ワークを個別に固定して加工する方法であり、量産性は低い。
特開昭64−77506号公報(特許文献5)、特開昭62−34727号公報(特許文献6)、特開昭61−152345号公報(特許文献7)では、レーザ加工に加えて、エッチングや超音波加工、研削加工を行なうことによってそれぞれの加工の特長を活かした効率的な加工を目指すものである。しかしながら、工程が2工程以上になってしまうことから、ころ材のような単純形状では、加工効率の点で問題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、連続加工性を有する被加工物の外周面の加工方法および加工装置を提供することである。
本発明に係る被加工物の加工方法は、駆動ロールと、駆動ロールと軸方向に平行に配置された第2ロールと、駆動ロールと第2ロールとの両方に対向して配置された押さえ部材と、の間に、円筒状の外周面を有する被加工物を配置し、駆動ロールと第2ロールと押さえ部材とにより被加工物を支持する工程を備える。駆動ロールと第2ロールとの少なくともいずれか一方は、軸方向に沿う被加工物の移動方向の下流側へ向かって径が急拡大する急拡径部を有する。加工方法はさらに、被加工物を回転させながら外周面に対し外周面の接線方向からレーザを照射することにより外周面を加工し、被加工物を急拡径部を通過して軸方向に移動する工程を備える。
好ましくは、移動する工程の後に、外周面を砥石によって研磨する工程を備える。
好ましくは、研磨する工程において、被加工物に冷却用クーラントが供給されて被加工物は冷却される。冷却用クーラントは水溶性クーラントであってもよい。
好ましくは、被加工物はセラミックス製である。好ましくは、被加工物はサイアロンまたは窒化ケイ素系セラミックス製である。
本発明に係る加工装置は、円筒状の外周面を有する被加工物を運動させる駆動部を備える。駆動部は、駆動ロールと、駆動ロールと軸方向に平行に配置された第2ロールと、駆動ロールと第2ロールとの両方に対向して配置された押さえ部材と、被加工物を軸方向に移動させる軸方向駆動部と、を含む。被加工物は駆動ロールと第2ロールと押さえ部材との間に支持される。駆動ロールと第2ロールとの少なくともいずれか一方は、軸方向に沿う被加工物の移動方向の下流側へ向かって径が急拡大する急拡径部を有する。加工装置はさらに、回転している被加工物の外周面に対し外周面の接線方向からレーザを照射して外周面を加工する加工部を備える。
好ましくは、加工装置は、加工部により加工された外周面を研磨する砥石を備える。
好ましくは、加工装置は、外周面を砥石によって研磨するときに被加工物に冷却用クーラントを供給して被加工物を冷却する冷却部を備える。冷却用クーラントは水溶性クーラントであってもよい。
好ましくは、被加工物はセラミックス製である。好ましくは、被加工物はサイアロンまたは窒化ケイ素系セラミックス製である。
本発明の被加工物の加工方法によれば、連続加工性を有する加工方法を提供でき、被加工物の加工効率および加工品質を向上することができる。
実施の形態1に係る加工装置の概略構成を示す模式図である。 駆動ロールと被加工物との接触部付近を拡大して示す模式図である。 実施の形態2に係る加工装置の概略構成を示す模式図である。 被加工物の外周面を研磨する砥石の模式図である。 比較例1の加工装置の概略構成を示す模式図である。 比較例2の加工装置の概略構成を示す模式図である。 比較例4の加工装置の概略構成を示す模式図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る加工装置100の概略構成を示す模式図である。一例として、図1に示す加工装置100を用いて、被加工物1を加工する機構を説明する。被加工物1は、円筒または円柱形状を有し、円筒状の外周面2を有する。たとえば、被加工物1は、軸受に用いられるセラミックころであってもよい。
加工装置100は、被加工物1を運動させる駆動部10を備える。駆動部10は、被加工物1の下側を支持する2本のロール、すなわち駆動ロール12および第2ロール14と、被加工物1の上側に配置された押さえ部材16と、後述する軸方向駆動部26とを含む。
駆動ロール12と第2ロール14とは、円柱形状を有し、円筒状の外周面を有する。駆動ロール12と第2ロール14とは、軸方向に互いに平行に配置されており、それぞれ周方向に回転可能に設けられている。被加工物1と、駆動ロール12および第2ロール14とは、軸方向に平行に配置されている。
たとえばモータなどの図示しない駆動力源が発生する回転力が駆動ロール12へ伝達されて、駆動ロール12は回転する。2本のロールのうち駆動側のロールである駆動ロール12は、図1中に示す矢印方向に、回転軸まわりに回転する。駆動ロール12の外周面と被加工物1の外周面2とが接触しているので、駆動ロール12が回転することで、被加工物1に回転運動が付与される。駆動ロール12から被加工物1へ回転力が伝達され、被加工物1は図1中に示す矢印方向に回転する。被加工物1は、回転と共に、図1中に示す矢印の方向に沿って、軸方向に移動する。
第2ロール14は、駆動ロール12と共に、被加工物1を下側から支持する。2本のロールのうち従動側のロールである第2ロール14は、被加工物1の回転運動により回転運動を付与される。第2ロール14は、被加工物1の回転運動に伴って被加工物1から回転力を伝達されてつれ回りする従動ロールである。なお、第2ロール14は、図示しない他の駆動力源から回転力を伝達され、駆動ロール12と協働して回転する第2の駆動ロールであってもよい。
駆動ロール12は、軸方向の途中から径が太くなり、駆動ロール12の外周面には段差が形成されている。駆動ロール12は、被加工物1の軸方向に沿う移動方向の下流側へ向かって径が急拡大する急拡径部18を有する。第2ロール14もまた、急拡径部18と同様の、被加工物1の移動方向の下流側へ向かって径が急拡大する急拡径部を有する。第2ロール14の急拡径部は、軸方向において駆動ロール12に形成された急拡径部18と同じ位置に設けられている。第2ロール14の急拡径部における径の増加は、駆動ロール12の急拡径部18における径の増加と等しい。
駆動ロール12と第2ロール14とは、相対的に径の小さい小径部分をそれぞれ有する。駆動ロール12の小径部分と第2ロール14の小径部分とは、互いに等しい径を有する。駆動ロール12と第2ロール14とは、相対的に径の大きい大径部分をそれぞれ有する。駆動ロール12の大径部分と第2ロール14の大径部分とは、互いに等しい径を有する。典型的には、駆動ロール12と第2ロール14とは、同一の外周形状を有する。
なお、第2ロール14には、必ずしも急拡径部が形成されなくてもよい。たとえば、軸方向に間隔を空けて並べられた径の異なる二つの円柱形状の部材によって第2ロールが形成されてもよい。この場合、軸方向に沿う被加工物1の移動方向において、急拡径部18よりも上流側に相対的に径の小さい円柱部材を配置し、急拡径部18よりも下流側に相対的に径の大きい円柱部材を配置することができる。また、駆動ロール12に急拡径部18が形成されず、替わりに第2ロール14に急拡径部が形成されてもよい。つまり、急拡径部は、駆動ロール12と第2ロール14との少なくともいずれか一方に設けられていればよい。
押さえ部材16は、駆動ロール12と第2ロール14との両方に対向して、被加工物1の上側に配置されている。押さえ部材16は、円筒状の外周面を有する。被加工物1は、駆動ロール12と、第2ロール14と、押さえ部材16と、の間に支持されている。被加工物1の外周面2は、駆動ロール12の外周面と、第2ロール14の外周面と、押さえ部材16の外周面とにそれぞれ接触する。
駆動ロール12から回転力を伝達されて被加工物1が回転すると、押さえ部材16に被加工物1から回転運動が付与され、押さえ部材16は回転する。押さえ部材16は、その回転軸が被加工物1の回転軸に対し平行になるように、配置されている。
加工装置100は、レーザ38を発生するレーザ光源である加工部30を備える。レーザ38は、回転している被加工物1の外周面2に対し、外周面2の接線方向から入射される。レーザ38が外周面2に照射されることにより、外周面2が研削され、被加工物1の径が小さくなるように、被加工物1は加工される。レーザ38は、被加工物1の軸方向において、駆動ロール12に設けられた急拡径部18の位置に照射される。加工装置100は、レーザ加工によって生じる被加工物1の溶融物を吹き飛ばすための機構、たとえば図示しないアシストガス噴出部などをさらに備えてもよい。
図2は、駆動ロール12と被加工物1との接触部付近を拡大して示す模式図である。加工装置100には、加工対象となる被加工物1に加え、被加工物1の次に加工対象となる被加工物6が保持される。被加工物6は、円筒状の外周面を有する。軸方向駆動部26は、被加工物6を支持し、被加工物6を軸方向に移動させる。軸方向駆動部26は、被加工物6を介して、被加工物1を図1,2中に示す矢印方向に沿って、軸方向に移動させる。軸方向駆動部26が被加工物6を軸方向に移動させることにより、加工中の被加工物1が軸方向に沿う矢印方向に押されて移動する。
被加工物1は、駆動ロール12の急拡径部18の位置において、駆動ロール12の径の変化により形成された段差によって保持される。この位置で、被加工物1の外周面2の接線方向からレーザ38を照射し、レーザ38により被加工物1の外周面2が研削加工される。外周面2を研削された被加工物1の径が小さくなると、急拡径部18において被加工物1を保持できなくなり、図1,2中に示す矢印方向に被加工物1が移動する。このように外周面2の加工が連続的に進行して、被加工物1の全体が順次加工される。
加工装置100で加工される被加工物1の材質は、セラミックスが望ましい。被加工物1の材質が樹脂や鉄系の材料である場合、被加工物1にレーザ38を照射すると、加工部位が溶融し、ロールへの付着が生じる。また溶融による凹凸が加工部位に生じ、寸法が安定しない。その結果、急拡径部18の段差を利用した被加工物1の送り機構が有効に作用しなくなり、加工が適切に進行しない。
より望ましくは、被加工物1の材質は、窒化ケイ素またはその複合化合物である。レーザ光による加工作用点では、加工物とその近傍の表層部とに大きな熱勾配が生じる。アルミナのように熱衝撃に弱いセラミックスを用いる場合、冷却用クーラントにより被加工物1が急冷されたときに割れが生じてしまう。窒化ケイ素は、耐熱衝撃性に優れ加工後の熱影響が少なく、被加工物1の外周面2に欠陥が生じることを抑制できるので、より高品質な加工が可能になるため好適である。
次に、上述した加工装置100による被加工物1の加工方法について説明する。当該加工方法では、まず、駆動ロール12と第2ロール14と押さえ部材16との間に被加工物1を配置し、駆動ロール12と第2ロール14と押さえ部材16とにより被加工物1を支持する。駆動ロール12には急拡径部18が形成されている。この状態で駆動ロール12を回転させると、被加工物1が回転する。このとき、軸方向駆動部26によって図1の右方向から次に加工される被加工物6が供給されると、加工中の被加工物1は次の被加工物6に押されて、軸方向に沿って図1,2中の矢印方向に移動する。被加工物1は、急拡径部18が形成する駆動ロール12の外周面の段差によって、所定の位置に保持される。
軸方向において急拡径部18により所定の位置に位置決めされた被加工物1を回転させながら、外周面2に対し外周面2の接線方向からレーザ38を照射する。これにより、被加工物1の外周面2が研削される。外周面2が加工されると、被加工物1の直径が小さくなる。被加工物1の直径の減少が、急拡径部18における駆動ロール12の直径の拡大分を超えると、急拡径部18の段差による被加工物1の保持が効かなくなり、被加工物1は急拡径部18を通過して、軸方向に沿って図1,2中の矢印方向に移動する。
レーザ38による被加工物1の外周面2の研削と、被加工物1の径の縮小に伴う被加工物1の軸方向への移動とが順次進められ、外周面2の全面が加工されると、被加工物1の全体が急拡径部18を超えて移動する。そして、次に加工される被加工物6が、急拡径部18が形成する駆動ロール12の外周面の段差によって、所定の位置に保持される。その後被加工物6にレーザ38が照射され、被加工物6が加工される。
このようにして、複数の被加工物の加工を連続的に進行することができ、被加工物の加工の連続性を達成し加工効率を向上することができる。被加工物1の加工寸法は、急拡径部18におけるロールの径の変化によって決められる。また、被加工物1の加工精度は、2本のロールである駆動ロール12および第2ロール14と押さえ部材16との位置関係によって決められる。そのため、複数の被加工物を連続的に加工する際も、被加工物の加工寸法および加工精度は均一になる。これにより、被加工物1の加工品質を向上することができる。
さらに、ロールに設けられた急拡径部における段差、および、2本のロールと押さえ部材との位置関係を調整することで、様々なサイズの被加工物1を所望の寸法に精度よく加工することができる。これにより、加工の汎用性を達成することができる。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2に係る加工装置100の概略構成を示す模式図である。図3に示す実施の形態2の加工装置100は、実施の形態1の加工装置の構成に加えて、砥石40をさらに備える。砥石40は、加工部30で発生したレーザ38により外周面2が加工された被加工物1に対し、外周面2を研磨する。砥石40はたとえばダイヤモンド製であって、円筒状の外周面を有する。砥石40の外周面に対し被加工物1の外周面2が摺動することにより、被加工物1の外周面2が研磨される。
図4は、被加工物1の外周面2を研磨する砥石40の模式図である。図3に示すように、砥石40に外周面2が接触した状態で被加工物1が回転することにより、外周面2が研磨される。加工装置100は、冷却部46をさらに備える。冷却部46は、被加工物1の外周面2を砥石40によって研磨するときに、被加工物1に冷却用クーラント48を供給して、被加工物1を冷却する。
砥石40と冷却部46とは、被加工物1の回転軸に直交する同一平面上に、冷却用クーラント48が砥石40と干渉しないように配置されている。被加工物1の回転に伴って、砥石40で研磨された外周面2に冷却用クーラント48が供給される。このようにして外周面2が研磨され、所望の表面粗さの外周面2を有する被加工物1が得られる。
冷却部46から供給される冷却用クーラント48は、水溶性クーラントであることが望ましい。水溶性クーラントを使用することにより、所望の仕様の外周面2を有する被加工物1を得るために必要な加工時間を短縮することができる。
実施の形態2に係る被加工物1の加工方法では、被加工物1の外周面2は、急拡径部18を通過した後、ダイヤモンド製の砥石40によって研磨される。このとき、外周面2の研磨と同時に、図3に示すように、被加工物1に冷却用クーラント48が供給されて被加工物1は冷却される。実施の形態2の加工方法によると、実施の形態1と同様に被加工物1の加工品質を向上でき、加えて、レーザ38による被加工物1の外周面2の研削と、砥石40を用いた外周面2の研磨とを連続的に行なうことができるので、被加工物1の加工時間をより短縮し、加工効率をより向上することができる。
被加工物1の加工効率および加工精度を比較する実験を行なった。被加工物として、円柱形状に成形し、一般的な条件で焼結を行なった、窒化ケイ素系セラミックスを供した。加工取代は直径で400μmとした。したがって、加工取代は半径で200μmであり、これがロール段差部においてロールの径が増大する寸法になる。ロールの回転数は3000rpmとした。
実施例1では、図1に示す実施の形態1の加工装置100を用いて被加工物を加工した。実施例2では、図3に示す実施の形態2の加工装置100を用いて被加工物を加工した。比較例1では、通常のセンタレス加工方法により被加工物を加工した。図5は、比較例1の加工装置の概略構成を示す模式図である。図5に示す加工装置では、被加工物1は支持刃150の上を案内されて、回転している調整車112および砥石車140の間を通るときに、被加工物1の外周面が研削加工される。
比較例2では、センタレス加工機を模擬した2つのロールとシューとの構成の途中にレーザ照射点を設けて加工する方法により、被加工物を加工した。図6は、比較例2の加工装置の概略構成を示す模式図である。図6に示す加工装置では、砥石車140が軸方向に二分割されており、分割された砥石車140の間を経由してレーザ138が被加工物1に照射され、被加工物1の外周面が研削加工される。
比較例3では、図6に示す比較例2の加工装置で被加工物を加工した後、図5に示す通常のセンタレス加工を行ない、被加工物を加工した。
比較例4では、端面をチャックした被加工物を回転させて外周面をレーザ加工する方法により、被加工物を加工した。図7は、比較例4の加工装置の概略構成を示す模式図である。図7に示す加工装置では、被加工物1の端面が三つのチャック160により保持された状態で、被加工物1を回転させ、このときレーザ138が被加工物1に照射され、被加工物1の外周面が研削加工される。
実施例1〜2および比較例1〜4では、100個の被加工物の加工時間および加工精度の比較を行なった。実施例1〜2および比較例1〜4の結果を表1に示す。
Figure 0005902069
比較例1の加工方法では、一パス当たり10μmの加工となり、400μmの加工では40回の繰り返し加工が必要で、総加工時間は50260secであった。形状精度は、真円度、円筒度とも良好であった。
比較例2の加工方法では、一パス当たり15μmの加工となり、400μmの加工では約27回の繰り返し加工が必要で、総加工時間は2250secであった。形状精度は、真円度、円筒度とも通常のセンタレス加工機より精度は低かった。
比較例3の加工方法では、3025secの総加工時間を要した。形状精度は、真円度、円筒度とも良好であった。
比較例4の加工方法では、一個当たりのサイクルタイムは26secで、100個の加工では2950secを要した。形状精度は、真円度はセンタレス加工機並みに良好であったが、円筒度は比較試験の中で最も劣っていた。
実施の形態1の加工装置100を使用した実施例1の加工方法では、原理上一パスで400μmの加工が可能であり、加工時間は1210secと比較例1〜4と比べて高い加工効率を示した。また実施の形態2の加工装置100を使用した実施例2の加工方法では、加工時間は1160secと、実施例1と比べてさらに高い加工効率を示した。実施例1〜2における形状精度は真円度、円筒度ともほぼセンタレス加工機に近い精度であり、良好であった。これらの結果により、比較例1〜4の加工方法と比較して、実施例1〜2の加工方法は、加工効率および加工精度において優れていることが示された。
本発明に係る加工装置100に適した冷却用クーラントを調査する実験を行なった。被加工物1の外周面2をレーザ加工してから10sec後、図4に示す装置を用いて、被加工物1の外周面2を砥石40により研磨した。冷却部46から冷却用クーラント48を供給しない加工方法(比較例5)、冷却用クーラント48をエアーにした加工方法(比較例6)、冷却用クーラント48を油性クーラントにした加工方法(比較例7)、および、冷却用クーラント48を水溶性クーラントにした加工方法(実施例3)において、100個の被加工物1の総加工時間の比較を行なった。実施例3および比較例5〜7の結果を表2に示す。
Figure 0005902069
冷却用クーラント48を用いない比較例5では、総加工時間は3890secであった。冷却用クーラント48にエアーを用いた比較例6では、総加工時間は3110secであった。冷却用クーラント48に油性クーラントを用いた比較例7では、総加工時間は2480secであった。冷却用クーラント48に水溶性クーラントを用いた実施例3では、総加工時間は2060secであった。これらの結果から、水溶性クーラントを使用すれば被加工物1の加工時間を短縮できるので、冷却用クーラント48として水溶性クーラントが好適であることが明らかとなった。
本発明に係る加工装置100に適した被加工物1の材質を調査する実験を行なった。ポリアミド、ナイロン、SUS、SUJ2、アルミナ、窒化ケイ素およびサイアロンを円柱形状に成型したもの100個を実験に供した。加工後の被加工物1の外観から、加工可否を評価した。結果を表3に示す。
Figure 0005902069
比較例8,9に示すプラスチック材料、すなわちポリアミドおよびナイロンは、融点がセラミックスと比較して低いため、レーザ光が被加工物1に照射された瞬間に加工部周囲の部位も溶融する。この溶融物がロールに付着し、加工不可であった。
比較例10,11に示す鉄系材料、すなわちSUSおよびSUJ2に関しては、溶融したドロスが外径面に付着して、ロール段差を越えて被加工物1が進行せず、加工不可であった。
比較例12に示すアルミナ材では、加工はできたものの、加工後の被加工物1の表層に大きなクラックが生じており、品質に問題があった。
実施例4,5に示す窒化ケイ素およびサイアロンは、加工後の熱影響が少なく、被加工物1の表層に欠陥が生じなかった。これらの結果から、窒化ケイ素およびサイアロンが本発明に係る加工装置100に適した材質であることが示された。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、軸受などに使用されるセラミックころの加工方法および加工装置として、好適に適用され得る。
1,6 被加工物、2 外周面、10 駆動部、12 駆動ロール、14 第2ロール、16 押さえ部材、18 急拡径部、26 軸方向駆動部、30 加工部、38 レーザ、40 砥石、46 冷却部、48 冷却用クーラント、100 加工装置。

Claims (10)

  1. 駆動ロールと、前記駆動ロールと軸方向に平行に配置された第2ロールと、前記駆動ロールと前記第2ロールとの両方に対向して配置された押さえ部材と、の間に、円筒状の外周面を有する被加工物を配置し、前記駆動ロールと前記第2ロールと前記押さえ部材とにより前記被加工物を支持する工程を備え、
    前記駆動ロールと前記第2ロールとの少なくともいずれか一方は、前記軸方向に沿う前記被加工物の移動方向の下流側へ向かって径が急拡大する急拡径部を有し、
    さらに、前記被加工物を回転させながら前記外周面に対し前記外周面の接線方向からレーザを照射することにより前記外周面を加工し、前記被加工物を前記急拡径部を通過して前記軸方向に移動する工程を備える、被加工物の加工方法。
  2. 前記移動する工程の後に、前記外周面を砥石によって研磨する工程を備える、請求項1に記載の被加工物の加工方法。
  3. 前記研磨する工程において、前記被加工物に冷却用クーラントが供給されて前記被加工物は冷却される、請求項2に記載の被加工物の加工方法。
  4. 前記冷却用クーラントは水溶性クーラントである、請求項3に記載の被加工物の加工方法。
  5. 前記被加工物はセラミックス製である、請求項1から請求項4のいずれかに記載の被加工物の加工方法。
  6. 円筒状の外周面を有する被加工物を運動させる駆動部を備え、
    前記駆動部は、駆動ロールと、前記駆動ロールと軸方向に平行に配置された第2ロールと、前記駆動ロールと前記第2ロールとの両方に対向して配置された押さえ部材と、前記被加工物を前記軸方向に移動させる軸方向駆動部と、を含み、
    前記被加工物は前記駆動ロールと前記第2ロールと前記押さえ部材との間に支持され、
    前記駆動ロールと前記第2ロールとの少なくともいずれか一方は、前記軸方向に沿う前記被加工物の移動方向の下流側へ向かって径が急拡大する急拡径部を有し、
    さらに、回転している前記被加工物の前記外周面に対し前記外周面の接線方向からレーザを照射して前記外周面を加工する加工部を備える、加工装置。
  7. 前記加工部により加工された前記外周面を研磨する砥石を備える、請求項6に記載の加工装置。
  8. 前記外周面を前記砥石によって研磨するときに前記被加工物に冷却用クーラントを供給して前記被加工物を冷却する冷却部を備える、請求項7に記載の加工装置。
  9. 前記冷却用クーラントは水溶性クーラントである、請求項8に記載の加工装置。
  10. 前記被加工物はセラミックス製である、請求項6から請求項9のいずれかに記載の加工装置。
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