JP5901359B2 - 静電塗装システムの中間貯留装置及びその洗浄方法 - Google Patents
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Description
前記第1孔部の開口径と前記第2孔部の開口径とを、シリンダ室の洗浄効率を高めるべく、相違させ、前記第1孔部から洗浄液を供給し、洗浄後の廃液を前記第2孔部から排出することで、前記シリンダ室を洗浄する第1洗浄と、前記第2孔部から洗浄液を供給し、洗浄後の廃液を前記第1孔部から排出することで、前記シリンダ室を洗浄する第2洗浄と、を行い、前記第1洗浄では、洗浄液及び乾燥用エアの供給を前記第1孔部に向かう第1方向の流れについて制御し、前記第2洗浄では、洗浄液及び乾燥用エアの供給を前記第2孔部に向かう第2方向の流れについて制御する、ことを特徴とする。
図1は、本発明の第1実施形態に係る中間貯留装置10を備える静電塗装システム1の概略構成図である。本実施形態に係る中間貯留装置10は、本発明に係る洗浄方法を実行可能となっている。
静電塗装システム1は、第1洗浄弁21を備える色替弁機構20と、第1ダンプ弁31と、第1トリガ弁32と、中間貯留装置10と、第2ダンプ弁41と、第2トリガ弁42と、第2洗浄弁51と、塗装ガン60と、制御装置70と、を備える。
第1洗浄弁21は、図示しない洗浄液タンク及びエア供給源が接続されており、洗浄液W及び乾燥用エアAの供給を制御する。複数の塗料弁22,23は、図示しない複数の塗料タンクが接続されており、異なる塗色の導電性塗料の供給を制御する。
第1トリガ弁32は、色替弁機構20の複数の塗料弁22,23からの導電性塗料の供給を制御する。また、色替弁機構20の第1洗浄弁21からの洗浄液W及び乾燥用エアAの供給を制御する。
シリンダ11は、略円筒形状であり、絶縁樹脂製である。シリンダ11内には、ピストン12を介して、導電性塗料が貯留されるシリンダ室14が形成される。シリンダ11の先端部110には、シリンダ室14に開口する第1孔部141及び第2孔部142が穿設されている。
第1孔部141は、色替弁機構20に接続されており、第2孔部142は、後述する塗装ガン60に接続されている。
第2トリガ弁42は、後述する塗装ガン60への導電性塗料の供給を制御する。また、後述する第2洗浄弁51からの洗浄液W及び乾燥エアAの供給を制御する。
なお、制御装置70は、第1孔部141から洗浄液Wを供給する第1洗浄を実行する第1洗浄部と、第2孔部142から洗浄液Wを供給する第2洗浄を実行する第1洗浄部と、を備える。また、制御装置70は、第1洗浄と第2洗浄との切り替えを実行する切替部と、駆動源としてのサーボモータ13を駆動制御する駆動源制御部と、を備える。
図2は、中間貯留装置10の構成を示す部分断面図である。より具体的には、図2は、洗浄実行時の中間貯留装置10を示している。図2に示すように、洗浄実行時には、ピストン12をシリンダ11の先端部110近傍まで摺動させる。そのため、ピストン12の先端面120とシリンダ11の先端部110との間の僅かなクリアランスによりシリンダ室14が形成され、この小さな容積のシリンダ室14に導電性塗料が残存することとなる。
ピストン12の先端外周部には、環状のシール部材15が嵌設されている。シール部材15は、絶縁樹脂製(例えば、テフロン(登録商標)製)のシール部材本体151の先端側に、Oリング152が埋設された構造となっている。
図3(A)に示すように、洗浄液Wが供給される供給孔部91から、シリンダ11の先端部110の略中心を通って略直線状に延び、洗浄液Wが排出される排出孔部92に至る経路を経路Xとする。また、供給孔部91から、シリンダ11の先端部110の外周縁近傍を通って曲線状に延び、排出孔部92に至る経路(即ち、シール部材15が配置される位置に相当する経路)を経路Zとし、供給孔部91から経路Aと経路Cとの間を通って曲線状に延び、排出孔部92に至る経路を経路Yとする。
なお、経路Zの経路抵抗が経路Xの経路抵抗よりも小さい理由は、経路Zは経路Xよりも経路長が長いものの、シリンダ11の先端部110とピストン12の先端部外周に嵌設された環状のシール部材15との間のクリアランスが、シリンダ11の先端部110とピストン12の先端面120との間のクリアランスよりも大きいためである。
しかしながら、この洗浄は、物理的な押し出しに対して時間を要するため、経路Yの特に排出孔部92近傍の洗浄に時間がかかることになる。また、シリンダ11の構成上、供給孔部91と排出孔部92の開口径に対して、シリンダ11の内径ははるかに大きく、シリンダ11の大容量化によりシリンダ11の内径が大きくなるほど、この傾向は顕著となり、洗浄に時間を要することになる。
図4は、本実施形態に係る第1洗浄を説明するための図であり、図4(A)は、第1洗浄実行時の洗浄液Wの流れを示す図である。図4(A)に示すように、第1洗浄では、色替弁機構20の第1洗浄弁21により第1孔部141から洗浄液Wを供給し、洗浄後の廃液を第2孔部142から排出することで、シリンダ室14を洗浄する。このとき、制御装置70の切替部は、第1ダンプ弁31及び第2洗浄弁51を閉弁し、第1洗浄弁21、第1トリガ弁32及び第2ダンプ弁41を開弁することで、第1洗浄を実行する。
また、第2洗浄の実行時間は、第1洗浄の実行時間よりも短時間でよい。これは、第1洗浄の実行により、すでに残存していた導電性塗料Pの溶解が一部進行してその粘度が低下しており、容易に導電性塗料Pを押し出すことができるからである。
先ず、制御装置70により、第1ダンプ弁31、第2ダンプ弁41及び第2トリガ弁42を閉弁し、いずれかの塗料弁及び第1トリガ弁を開弁する。また、制御装置70の駆動源制御部により、中間貯留装置10のサーボモータ13を駆動する。これにより、所定の塗色の導電性塗料が中間貯留装置10のシリンダ室14へと圧送され、第2トリガ弁42まで導電性塗料が供給される。
本実施形態では、静電塗装システム1の中間貯留装置10において、シリンダ室14に開口し且つ塗料供給源としての色替弁機構20に接続された第1孔部141と、シリンダ室14に開口し且つ塗装ガン60に接続された第2孔部142と、を設けた。そして、第1孔部141からの洗浄液Wの供給と、第2孔部142からの洗浄液Wの供給とを切り替えながら、シリンダ室14を洗浄した。従来のように、一方の孔部からのみ洗浄液Wを供給すると、他方の孔部近傍の洗浄に時間がかかるところ、本実施形態によれば第1孔部141から洗浄液Wを一定時間供給した後、第2孔部142から洗浄液Wを一定時間供給するため、双方の孔部近傍に残存する導電性塗料を効率良く排出できる。従って、本実施形態によれば、効率良く洗浄できる静電塗装システム1の中間貯留装置10を提供できる。
本実施形態では、シリンダ室14の洗浄効率を高めるために、第1孔部141の開口径と、第2孔部142の開口径を相違させた点が第1実施形態と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。具体的には、本実施形態では、第2孔部142aの開口径を、第1孔部141aの開口径よりも小さく設定している。
ただしこれに限定されず、第1孔部141aの開口径を第2孔部142aの開口径よりも小さく設定してもよい。
本実施形態では、シリンダ室14の洗浄効率を高めるために、ピストン12の先端外周部に嵌合する環状のシール部材15を、その先端面150が、ピストン12の先端面120と面一となるように配置させている点が第1実施形態と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。
これにより、洗浄液Wの流れを確保しつつ、導電性塗料が貯留されるシリンダ室14のシリンダ軸方向の長さを、略均等とすることができる。そのため、シリンダ室14を流れる洗浄液Wに対する抵抗が略均等となり、洗浄液Wがシリンダ室14全体に略均等に分散することで、シリンダ室14全体を効率良く洗浄できる。
本実施形態では、シリンダ室14の洗浄効率を高めるために、制御装置70の駆動源制御部により、第1洗浄実行中と第2洗浄実行中に、サーボモータ13を駆動させることでピストン12を摺動させる点が第1実施形態と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。
先ず、図8(A)は、第1孔部141から洗浄液Wを供給し始めたときの様子を示している。上述したように、シリンダ室14に残存する導電性塗料Pは、第2孔部142の近傍に多量に存在する。
ただしこれに限定されず、第2洗浄実行中にピストン12を摺動させてもよい。
10…中間貯留装置
11…シリンダ
12…ピストン
13…サーボモータ(駆動源)
14…シリンダ室
15…シール部材
20…色替弁機構(塗料供給源)
21…第1洗浄弁(第1洗浄手段,切替手段)
31…第1ダンプ弁(第2洗浄手段,切替手段)
41…第2ダンプ弁(第1洗浄手段,切替手段)
51…第2洗浄弁(第2洗浄手段,切替手段)
60…塗装ガン
70…制御装置(第1洗浄手段,第2洗浄手段,切替手段,駆動源制御手段)
120…ピストンの先端面
141…第1孔部
142…第2孔部
150…シール部材の先端面
Claims (6)
- 塗料供給源と塗装ガンとの間に設けられ、塗料が貯留されるシリンダと、当該シリンダのシリンダ室を摺動可能なピストンと、当該ピストンを駆動させる駆動源と、を備える静電塗装システムの中間貯留装置であって、
前記シリンダ室に開口し、前記塗料供給源に接続された第1孔部と、
前記シリンダ室に開口し、前記塗装ガンに接続された第2孔部と、
前記第1孔部から洗浄液を供給し、洗浄後の廃液を前記第2孔部から排出することで、前記シリンダ室を洗浄する第1洗浄手段と、
前記第2孔部から洗浄液を供給し、洗浄後の廃液を前記第1孔部から排出することで、前記シリンダ室を洗浄する第2洗浄手段と、
前記第1洗浄手段による洗浄と前記第2洗浄手段による洗浄とを切り替える切替手段と、を備え、
前記第1孔部の開口径と前記第2孔部の開口径とは相違しており、
前記第1洗浄手段は、洗浄液及び乾燥用エアの供給を前記第1孔部に向かう第1方向の流れについて制御する第1洗浄弁を有し、
前記第2洗浄手段は、洗浄液及び乾燥用エアの供給を前記第2孔部に向かう第2方向の流れについて制御する第2洗浄弁を有する、
ことを特徴とする静電塗装システムの中間貯留装置。 - 請求項1記載の静電塗装システムの中間貯留装置において、
前記ピストンの先端外周部に嵌合する環状のシール部材をさらに備え、
前記シリンダ室の先端面に対向する前記シール部材の先端面が、前記ピストンの先端面と略面一に形成され、前記洗浄液の流れを確保しつつ、前記シリンダ室のシリンダ軸方向の長さを略均等とされている
ことを特徴とする静電塗装システムの中間貯留装置。 - 請求項1又は2記載の静電塗装システムの中間貯留装置において、
前記第1洗浄手段による洗浄の実行中及び前記第2洗浄手段による洗浄の実行中に、前記駆動源を制御して前記ピストンを駆動させる駆動源制御手段をさらに備えることを特徴とする静電塗装システムの中間貯留装置。 - 塗料供給源と塗装ガンとの間に設けられ、塗料が貯留されるシリンダと、当該シリンダのシリンダ室を摺動可能なピストンと、当該ピストンを駆動させる駆動源と、を備える静電塗装システムの中間貯留装置の洗浄方法であって、
前記シリンダ室に開口し且つ前記塗料供給源に接続された第1孔部からの洗浄液の供給と、前記シリンダ室に開口し且つ前記塗装ガンに接続された第2孔部からの洗浄液の供給とを切り替えて、前記シリンダ室を洗浄するに際し、
前記第1孔部の開口径と前記第2孔部の開口径とを、シリンダ室の洗浄効率を高めるべく、相違させ、
前記第1孔部から洗浄液を供給し、洗浄後の廃液を前記第2孔部から排出することで、前記シリンダ室を洗浄する第1洗浄と、
前記第2孔部から洗浄液を供給し、洗浄後の廃液を前記第1孔部から排出することで、前記シリンダ室を洗浄する第2洗浄と、を行い、
前記第1洗浄では、洗浄液及び乾燥用エアの供給を前記第1孔部に向かう第1方向の流れについて制御し、
前記第2洗浄では、洗浄液及び乾燥用エアの供給を前記第2孔部に向かう第2方向の流れについて制御する、
ことを特徴とする静電塗装システムの中間貯留装置の洗浄方法。 - 請求項4記載の静電塗装システム中間貯留装置の洗浄方法において、
前記ピストンの先端外周部に嵌合する環状のシール部材を適用し、前記シリンダ室の先端面に対向する前記シール部材の先端面が、前記ピストンの先端面と略面一となるように前記シール部材を配置して、前記洗浄液の流れを確保しつつ、前記シリンダ室のシリンダ軸方向の長さを略均等として前記シリンダ室を洗浄することを特徴とする静電塗装システムの中間貯留装置の洗浄方法。 - 請求項4又は5記載の静電塗装システムの中間貯留装置の洗浄方法において、
前記第1孔部からの洗浄液の供給中及び前記第2孔部からの洗浄液の供給中に、前記駆動源により前記ピストンを駆動させて、前記シリンダ室を洗浄することを特徴とする静電塗装システムの中間貯留装置の洗浄方法。
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