JP5901193B2 - ポリビニルアルコール系位相差フィルム - Google Patents
ポリビニルアルコール系位相差フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5901193B2 JP5901193B2 JP2011200166A JP2011200166A JP5901193B2 JP 5901193 B2 JP5901193 B2 JP 5901193B2 JP 2011200166 A JP2011200166 A JP 2011200166A JP 2011200166 A JP2011200166 A JP 2011200166A JP 5901193 B2 JP5901193 B2 JP 5901193B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- pva
- skin layer
- thickness direction
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
Description
[1]面内位相差値が70〜400nmであるPVA系位相差フィルムであって、スキン層Aおよびスキン層Bの間にコア層Cが存在する3層構造を有すると共に下記の式(I)〜(IV)を満たすPVA系位相差フィルム;
(I) (dA+dB)/(dA+dB+dC)≦0.3
(II) ΔnA≦6.0×10−2
(III) ΔnB≦6.0×10−2
(IV) ΔnC≦3.0×10−2
〔上記式中、dA、dBおよびdCはそれぞれスキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み(μm)を表し、ΔnAはスキン層Aの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、ΔnBはスキン層Bの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、ΔnCはコア層Cの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率を表す。〕
[2]ホウ素原子含有率が0.7〜2.0質量%である、上記[1]のPVA系位相差フィルム;
[3]面内位相差値が70〜400nmであるPVA系位相差フィルムであって、スキン層αおよびスキン層βの間にコア層γが存在する3層構造を有すると共に下記の式(V)〜(VIII)を満たすPVA系重合体フィルムを原料に用い、且つ、下記の式(IX)を満たすようにPVA系重合体フィルムを一軸延伸する工程を含む方法により製造される、PVA系位相差フィルム;
(V) (dα+dβ)/(dα+dβ+dγ)≦0.4
(VI) 1.0×10−3≦Δnα≦4.0×10−3
(VII) 1.0×10−3≦Δnβ≦4.0×10−3
(VIII) 5.0×10−4≦Δnγ≦2.0×10−3
(IX) L/W≦1.5
〔上記式中、dα、dβおよびdγはそれぞれスキン層α、スキン層βおよびコア層γの厚み(μm)を表し、Δnαはスキン層αの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、Δnβはスキン層βの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、Δnγはコア層γの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率を表し、Lは一軸延伸の際の延伸間距離(cm)を表し、Wは一軸延伸する直前のPVA系重合体フィルムの幅(cm)を表す。〕
[4]面内位相差値が70〜400nmであるPVA系位相差フィルムの製造方法であって、スキン層αおよびスキン層βの間にコア層γが存在する3層構造を有すると共に下記の式(V)〜(VIII)を満たすPVA系重合体フィルムを原料に用い、且つ、下記の式(IX)を満たすようにPVA系重合体フィルムを一軸延伸する工程を含む、製造方法;
(V) (dα+dβ)/(dα+dβ+dγ)≦0.4
(VI) 1.0×10−3≦Δnα≦4.0×10−3
(VII) 1.0×10−3≦Δnβ≦4.0×10−3
(VIII) 5.0×10−4≦Δnγ≦2.0×10−3
(IX) L/W≦1.5
〔上記式中、dα、dβおよびdγはそれぞれスキン層α、スキン層βおよびコア層γの厚み(μm)を表し、Δnαはスキン層αの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、Δnβはスキン層βの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、Δnγはコア層γの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率を表し、Lは一軸延伸の際の延伸間距離(cm)を表し、Wは一軸延伸する直前のPVA系重合体フィルムの幅(cm)を表す。〕
[5]前記スキン層αおよびスキン層βの間にコア層γが存在する3層構造を有すると共に前記式(V)〜(VIII)を満たすPVA系重合体フィルムを水で膨潤後、前記式(IX)を満たすように一軸延伸する工程を含む、上記[4]の製造方法;
[6]前記スキン層αおよびスキン層βの間にコア層γが存在する3層構造を有すると共に前記式(V)〜(VIII)を満たすPVA系重合体フィルムの厚みが20〜50μmである、上記[4]または[5]の製造方法;
に関する。
本発明のPVA系位相差フィルムはPVA系重合体を主たる構成成分として含む位相差フィルムであって、その面内位相差値は、70〜400nmの範囲内にあり、150〜350nmの範囲内にあることが好ましく、200〜300nmの範囲内にあることがより好ましい。面内位相差値が上記範囲から外れると、位相差フィルムとして求められる機能が十分に発揮されず、その用途が限定される。当該面内位相差値はPVA系位相差フィルムの任意の1箇所〔例えば、PVA系位相差フィルムの幅方向中央部に位置する線上の機械流れ方向に任意の1箇所〕について測定すればよく、具体的には、実施例の欄において後述する方法により測定することができる。
(I) (dA+dB)/(dA+dB+dC)≦0.3
(II) ΔnA≦6.0×10−2
(III) ΔnB≦6.0×10−2
(IV) ΔnC≦3.0×10−2
特に上記他の単量体が(メタ)アクリル酸またはその塩、不飽和スルホン酸またはその塩などのように、得られるPVA系重合体の水溶性を促進する単量体単位となり得る単量体である場合には、当該PVA系重合体を用いて製造したPVA系重合体フィルムからPVA系位相差フィルムを製造する際などにおける水溶液中での処理時に、フィルムが溶解したり溶断したりするのを防止するために、ポリビニルエステル系重合体におけるこれらの単量体に由来する構造単位の割合は、ポリビニルエステル系重合体を構成する全構造単位のモル数に基づいて、5モル%以下であることが好ましく、3モル%以下であることがより好ましい。
これらの界面活性剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
PVA系重合体フィルムにおける、PVA系重合体、可塑剤および界面活性剤の合計の占める割合は50〜100質量%の範囲内であることが好ましく、80〜100質量%の範囲内であることがより好ましく、95〜100質量%の範囲内であることが更に好ましい。
PVA系重合体フィルムを製造するための装置には、PVA系重合体フィルムを適切な状態に調整するために、熱処理装置;調湿装置;各ロールを駆動するためのモータ;変速機等の速度調整機構などが付設されることが好ましい。
(V) (dα+dβ)/(dα+dβ+dγ)≦0.4
(VI) 1.0×10−3≦Δnα≦4.0×10−3
(VII) 1.0×10−3≦Δnβ≦4.0×10−3
(VIII) 5.0×10−4≦Δnγ≦2.0×10−3
膨潤度(%)=(W1)/(W2)×100
(IX) L/W≦1.5
なお、以下の実施例および比較例において採用された、PVA系位相差フィルムおよびPVAフィルム原反のスキン層とコア層の厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、およびスキン層とコア層の厚み、並びに、PVA系位相差フィルムの面内位相差値、ホウ素原子含有率、耐熱性、および外観の各測定または評価方法を以下に示す。
(i)以下の実施例または比較例で得られたPVA系位相差フィルムまたはPVAフィルム原反の機械流れ方向(一軸延伸された、または一軸延伸される方向;MD)の任意の位置で、フィルムの幅方向(TD)における中央部からMD×TD=2mm×10mmの大きさの細片を切り出し、その細片を厚み100μmのPETフィルムで両側を挟み、それを更に木枠に挟んでミクロトーム装置に取り付けた。
(ii)次に、前記で採取した細片を、細片の機械流れ方向と平行に約10μm間隔でスライスし、観察用のスライス片(MD×TD=2mm×10μm)を作製し、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製)でスライス厚み(約10μm)を正確に計測した。
(iii)次いで、スライス片の断面を上向きとしてスライドガラス上に載せて偏光顕微鏡へセットした。
(iv)偏光顕微鏡(オリンパス株式会社製)の鏡基のフィルター受けに干渉フィルター(IF546)をのせ、べレックコンペンセータ(オリンパス株式会社製)のハンドルを回して視野中心の測定部位が最も暗くなる位置に合わせ、そのときの角度aを読み取った。次にコンペンセータのハンドルを反対に回し、視野中心の測定部位が最も暗くなる位置の角度bを読み取った。この操作を5回繰り返し、角度a、bともに計5回の平均値を読み取り値とした。
(v)上記で得られたa、bの角度から補償値i=(a−b)/2(ただしa>b)を求め、換算表を用いてレタデーション値を求め、(ii)で正確に計測したスライス厚みで除して複屈折率を求めた。
なお、PVA系位相差フィルムまたはPVAフィルム原反において、スキン層の複屈折率の測定はスキン層の厚み方向の中央部の1点で行い、コア層の複屈折率の測定はコア層の厚み方向の中央部の1点で行った。得られたPVA系位相差フィルムのスキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率を、それぞれ、ΔnA、ΔnBおよびΔnCとした。同様に、得られたPVAフィルム原反のスキン層α、スキン層βおよびコア層γの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率を、それぞれ、Δnα、ΔnβおよびΔnγとした。
上記複屈折率の測定方法における(iii)の状態で、PVA系位相差フィルムのスキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの各厚みを偏光顕微鏡(オリンパス株式会社製)によって測定し、それぞれdA、dBおよびdCとした。PVAフィルム原反についても同様にスキン層α、スキン層βおよびコア層γの各厚みを測定し、それぞれdα、dβおよびdγとした。
以下の実施例または比較例で得られたPVA系位相差フィルムの幅方向中央部における任意の1箇所において、大塚電子株式会社製 セルギャップ検査装置「RETS−1100」を用いて、540nmの単色光での面内位相差値〔PVA系位相差フィルムのフィルム面に対する位相差値〕を測定した。
以下の実施例または比較例で得られたPVA系位相差フィルムを酸素フラスコ燃焼法により前処理を行った後、ジャーレルアッシュ社製 ICP発光分析装置(IRIS−AP)を用いてそのホウ素原子の含有量を測定し、PVA系位相差フィルムのホウ素原子含有率を算出した。測定条件は、出力:1150W、補助ガス流量(Ar):0.5L/分、ネブライザー流量(Ar):26.00spi、ポンプ回転数:130rpmとした。
以下の実施例または比較例で得られたPVA系位相差フィルムの幅方向の中央部から、機械流れ方向(一軸延伸方向)12cm×幅方向2cmの長方形の試験用フィルムを切り出し、中央部の面内位相差値(R1)を上記したのと同様の方法により測定した。次に、両端にクリップを用いて200gの重りをつけた後、130℃の乾燥機中に設置された曲率半径5cmで湾曲させた鉄板上(サイズ30cm×35cmの鉄板の長辺が曲線となるように曲げ、湾曲部(凸部)を上部とした)に試験用フィルムを密着させるように置いて10分間熱処理を行った。熱処理後の試験用フィルムの中央部の面内位相差値(R2)を上記したのと同様の方法により測定した。面内位相差値の変化率〔以下、R値変化率と称することがある〕を下記式により算出し、耐熱性の指標とした。
R値変化率(%)=100×|R1−R2|/R1
以下の実施例または比較例で得られたPVA系位相差フィルムの外観を目視により観察し、以下の基準により外観を評価した。
○・・・しわがなく、問題なし
△・・・しわがあるが、実用上問題ないレベル
×・・・しわがあり、実用上問題あり
第1ロールから剥離する際の揮発分率を22質量%にして得られた、PVA100質量部に対しグリセリンを12質量部およびラウリン酸ジエタノールアミドを0.1質量部含有するPVAフィルム原反〔PVAの重合度2400、PVAのけん化度99.9モル%、厚み40μm、幅3m、dα=7(μm)、dβ=8(μm)、dγ=25(μm)、Δnα=3.6×10−3、Δnβ=3.0×10−3、Δnγ=1.6×10−3、膨潤度218%〕の幅方向中央部から、機械流れ方向(MD)×幅方向(TD)=10cm×30cmの試験片を採取し、当該試験片の機械流れ方向の両端を、延伸部分のサイズが機械流れ方向(MD)×幅方向(TD)=4cm×30cm(W=30(cm))となるように延伸治具に固定し、30℃の水中に1分間浸漬して膨潤させた。次いで、43℃水中で13cm/分の延伸速度で、幅方向が収縮可能な状態で4倍(L=16(cm))に一軸延伸し、ホウ酸を0.5質量%含む水溶液に1分間浸漬した後、120℃で5分間乾燥し、厚み15μmのPVA系位相差フィルムを得た。
得られたPVA系位相差フィルムについて、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み、面内位相差値、ホウ素原子含有率、耐熱性並びに外観を上記の方法により測定または評価した。結果を表1に示した。
第1ロールから剥離する際の揮発分率を22質量%にして得られた、PVA100質量部に対しグリセリンを12質量部およびラウリン酸ジエタノールアミドを0.1質量部含有するPVAフィルム原反〔PVAの重合度2400、PVAのけん化度99.9モル%、厚み40μm、幅3m、dα=7(μm)、dβ=8(μm)、dγ=25(μm)、Δnα=3.7×10−3、Δnβ=3.8×10−3、Δnγ=1.8×10−3、膨潤度218%〕の幅方向中央部から、機械流れ方向(MD)×幅方向(TD)=14cm×30cmの試験片を採取し、当該試験片の機械流れ方向の両端を、延伸部分のサイズが機械流れ方向(MD)×幅方向(TD)=8cm×30cm(W=30(cm))となるように延伸治具に固定し、30℃の水中に1分間浸漬して膨潤させた。次いで、43℃水中で13cm/分の延伸速度で、幅方向が収縮可能な状態で4倍(L=32(cm))に一軸延伸し、ホウ酸を0.5質量%含む水溶液に1分間浸漬した後、120℃で5分間乾燥し、厚み15μmのPVA系位相差フィルムを得た。
得られたPVA系位相差フィルムについて、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み、面内位相差値、ホウ素原子含有率、耐熱性並びに外観を上記の方法により測定または評価した。結果を表1に示した。
第1ロールから剥離する際の揮発分率を18質量%にして得られた、PVA100質量部に対しグリセリンを12質量部およびラウリン酸ジエタノールアミドを0.1質量部含有するPVAフィルム原反〔PVAの重合度2400、PVAのけん化度99.9モル%、厚み40μm、幅3m、dα=12(μm)、dβ=8(μm)、dγ=20(μm)、Δnα=4.5×10−3、Δnβ=4.8×10−3、Δnγ=3.0×10−3、膨潤度216%〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚み15μmのPVA系位相差フィルムを得た。
得られたPVA系位相差フィルムについて、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み、面内位相差値、ホウ素原子含有率、耐熱性並びに外観を上記の方法により測定または評価した。結果を表1に示した。
第1ロールから剥離する際の揮発分率を18質量%にして得られた、PVA100質量部に対しグリセリンを12質量部およびラウリン酸ジエタノールアミドを0.1質量部含有するPVAフィルム原反〔PVAの重合度2400、PVAのけん化度99.9モル%、厚み40μm、幅3m、dα=10(μm)、dβ=9(μm)、dγ=21(μm)、Δnα=3.5×10−3、Δnβ=3.3×10−3、Δnγ=1.6×10−3、膨潤度217%〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚み14μmのPVA系位相差フィルムを得た。
得られたPVA系位相差フィルムについて、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み、面内位相差値、ホウ素原子含有率、耐熱性並びに外観を上記の方法により測定または評価した。結果を表1に示した。
第1ロールから剥離する際の揮発分率を22質量%にして得られた、PVA100質量部に対しグリセリンを12質量部およびラウリン酸ジエタノールアミドを0.1質量部含有するPVAフィルム原反〔PVAの重合度2400、PVAのけん化度99.9モル%、厚み40μm、幅3m、dα=8(μm)、dβ=7(μm)、dγ=25(μm)、Δnα=4.1×10−3、Δnβ=4.5×10−3、Δnγ=2.4×10−3、膨潤度218%〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚み14μmのPVA系位相差フィルムを得た。
得られたPVA系位相差フィルムについて、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み、面内位相差値、ホウ素原子含有率、耐熱性並びに外観を上記の方法により測定または評価した。結果を表1に示した。
第1ロールから剥離する際の揮発分率を24質量%にして得られた、PVA100質量部に対しグリセリンを12質量部およびラウリン酸ジエタノールアミドを0.1質量部含有するPVAフィルム原反〔PVAの重合度2400、PVAのけん化度99.9モル%、厚み40μm、幅3m、dα=6(μm)、dβ=8(μm)、dγ=26(μm)、Δnα=4.2×10−3、Δnβ=4.8×10−3、Δnγ=1.8×10−3、膨潤度220%〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚み14μmのPVA系位相差フィルムを得た。
得られたPVA系位相差フィルムについて、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み、面内位相差値、ホウ素原子含有率、耐熱性並びに外観を上記の方法により測定または評価した。結果を表1に示した。
第1ロールから剥離する際の揮発分率を22質量%にして得られた、PVA100質量部に対しグリセリンを12質量部およびラウリン酸ジエタノールアミドを0.1質量部含有するPVAフィルム原反〔PVAの重合度2400、PVAのけん化度99.9モル%、厚み40μm、幅3m、dα=8(μm)、dβ=7(μm)、dγ=25(μm)、Δnα=3.8×10−3、Δnβ=3.7×10−3、Δnγ=2.5×10−3、膨潤度220%〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚み14μmのPVA系位相差フィルムを得た。
得られたPVA系位相差フィルムについて、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み、面内位相差値、ホウ素原子含有率、耐熱性並びに外観を上記の方法により測定または評価した。結果を表1に示した。
実施例1と同様にして得られたPVAフィルム原反の幅方向中央部から、機械流れ方向(MD)×幅方向(TD)=10cm×10cmの試験片を採取し、当該試験片の機械流れ方向の両端を、延伸部分のサイズが機械流れ方向(MD)×幅方向(TD)=4cm×10cm(W=10(cm))となるように延伸治具に固定し、30℃の水中に1分間浸漬して膨潤させた。次いで、43℃水中で13cm/分の延伸速度で、幅方向が収縮可能な状態で4倍(L=16(cm))に一軸延伸し、ホウ酸を0.5質量%含む水溶液に1分間浸漬した後、120℃で5分間乾燥し、厚み16μmのPVA系位相差フィルムを得た。
得られたPVA系位相差フィルムについて、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、スキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み、面内位相差値、ホウ素原子含有率、耐熱性並びに外観を上記の方法により測定または評価した。結果を表1に示した。
Claims (5)
- 面内位相差値が70〜400nmであるポリビニルアルコール系位相差フィルムであって、スキン層Aおよびスキン層Bの間にコア層Cが存在する3層構造を有すると共に下記の式(I)〜(IV)を満たすポリビニルアルコール系位相差フィルム。
(I) (dA+dB)/(dA+dB+dC)≦0.3
(II) ΔnA≦6.0×10−2
(III) ΔnB≦6.0×10−2
(IV) ΔnC≦3.0×10−2
〔上記式中、dA、dBおよびdCはそれぞれスキン層A、スキン層Bおよびコア層Cの厚み(μm)を表し、ΔnAはスキン層Aの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、ΔnBはスキン層Bの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、ΔnCはコア層Cの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率を表す。〕 - ホウ素原子含有率が0.7〜2.0質量%である、請求項1に記載のポリビニルアルコール系位相差フィルム。
- 面内位相差値が70〜400nmであるポリビニルアルコール系位相差フィルムの製造方法であって、スキン層αおよびスキン層βの間にコア層γが存在する3層構造を有すると共に下記の式(V)〜(VIII)を満たすポリビニルアルコール系重合体フィルムを原料に用い、且つ、下記の式(IX)を満たすようにポリビニルアルコール系重合体フィルムを一軸延伸する工程を含み、一軸延伸倍率を3.0〜4.5倍にする、製造方法。
(V) (dα+dβ)/(dα+dβ+dγ)≦0.4
(VI) 1.0×10−3≦Δnα≦4.0×10−3
(VII) 1.0×10−3≦Δnβ≦4.0×10−3
(VIII) 5.0×10−4≦Δnγ≦2.0×10−3
(IX) L/W≦1.5
〔上記式中、dα、dβおよびdγはそれぞれスキン層α、スキン層βおよびコア層γの厚み(μm)を表し、Δnαはスキン層αの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、Δnβはスキン層βの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率、Δnγはコア層γの厚み方向中央部における機械流れ方向と膜厚方向がなす面の複屈折率を表し、Lは一軸延伸の際の延伸間距離(cm)を表し、Wは一軸延伸する直前のポリビニルアルコール系重合体フィルムの幅(cm)を表す。〕 - 前記スキン層αおよびスキン層βの間にコア層γが存在する3層構造を有すると共に前記式(V)〜(VIII)を満たすポリビニルアルコール系重合体フィルムを水で膨潤後、前記式(IX)を満たすように一軸延伸する工程を含む、請求項3に記載の製造方法。
- 前記スキン層αおよびスキン層βの間にコア層γが存在する3層構造を有すると共に前記式(V)〜(VIII)を満たすポリビニルアルコール系重合体フィルムの厚みが20〜50μmである、請求項3または4に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011200166A JP5901193B2 (ja) | 2011-09-14 | 2011-09-14 | ポリビニルアルコール系位相差フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011200166A JP5901193B2 (ja) | 2011-09-14 | 2011-09-14 | ポリビニルアルコール系位相差フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013061502A JP2013061502A (ja) | 2013-04-04 |
JP5901193B2 true JP5901193B2 (ja) | 2016-04-06 |
Family
ID=48186213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011200166A Active JP5901193B2 (ja) | 2011-09-14 | 2011-09-14 | ポリビニルアルコール系位相差フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5901193B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3848174A4 (en) * | 2018-09-07 | 2022-06-08 | Kuraray Co., Ltd. | POLYVINYL ALCOHOL RELEASE FILM FOR USE IN MOLDING ARTIFICIAL MARBLE AND METHOD FOR PRODUCTION OF ARTIFICIAL MARBLE USING THE SAME |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6534305B2 (ja) * | 2015-06-29 | 2019-06-26 | 株式会社クラレ | ポリビニルアルコールフィルムの光学斑の評価方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3165175B2 (ja) * | 1991-05-20 | 2001-05-14 | 日東電工株式会社 | 偏光板及び液晶表示装置 |
JP4093390B2 (ja) * | 2000-08-21 | 2008-06-04 | 日本合成化学工業株式会社 | 偏光膜用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法 |
JP2002071950A (ja) * | 2000-09-01 | 2002-03-12 | Nippon Kayaku Co Ltd | 光学フィルムおよびこれを用いた偏光板の視野角改良方法 |
JP4433462B2 (ja) * | 2004-05-12 | 2010-03-17 | 株式会社クラレ | ポリビニルアルコール系重合体フィルムおよびその製造方法 |
JP2010271497A (ja) * | 2009-05-20 | 2010-12-02 | Nitto Denko Corp | 光学フィルム、偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置 |
-
2011
- 2011-09-14 JP JP2011200166A patent/JP5901193B2/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3848174A4 (en) * | 2018-09-07 | 2022-06-08 | Kuraray Co., Ltd. | POLYVINYL ALCOHOL RELEASE FILM FOR USE IN MOLDING ARTIFICIAL MARBLE AND METHOD FOR PRODUCTION OF ARTIFICIAL MARBLE USING THE SAME |
US11883988B2 (en) | 2018-09-07 | 2024-01-30 | Kuraray Co., Ltd. | Poly(vinyl alcohol) mold release film for artificial marble molding use, and method for producing artificial marble using same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013061502A (ja) | 2013-04-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5117639B2 (ja) | ポリビニルアルコール系重合体フィルムおよびその製造方法 | |
JP5587517B1 (ja) | ポリビニルアルコールフィルムおよび偏光フィルム | |
JP5904725B2 (ja) | ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、偏光フィルム及び偏光板 | |
JP6679496B2 (ja) | ポリビニルアルコール系重合体フィルムおよびその製造方法 | |
JP4622698B2 (ja) | 位相差板、偏光板及び液晶表示装置 | |
KR20100049604A (ko) | 폴리비닐알코올 필름 및 그 제조법 | |
WO2014050696A1 (ja) | ポリビニルアルコール系重合体フィルムおよびその製造方法 | |
WO2016060097A1 (ja) | ポリビニルアルコール系フィルムおよびその製造方法、並びに偏光フィルム、偏光板 | |
WO2019054487A1 (ja) | ポリビニルアルコールフィルム及びその製造方法 | |
WO2013137056A1 (ja) | エチレン変性ポリビニルアルコール系重合体フィルム | |
KR102387497B1 (ko) | 폴리비닐알코올 필름 | |
JP2018135426A (ja) | ポリビニルアルコールフィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた偏光フィルム | |
WO2022004537A1 (ja) | ポリビニルアルコールフィルム及びそれを用いた偏光フィルム | |
JP5901193B2 (ja) | ポリビニルアルコール系位相差フィルム | |
JP6077626B2 (ja) | ポリビニルアルコールフィルム | |
JP2023083359A (ja) | ポリビニルアルコール系フィルム、偏光膜および偏光板、ならびにポリビニルアルコール系フィルムの製造方法 | |
JP5496731B2 (ja) | 位相差フィルム | |
JP5832921B2 (ja) | ポリビニルアルコールフィルム | |
JP7335698B2 (ja) | ポリビニルアルコール系フィルム、偏光膜および偏光板、ならびにポリビニルアルコール系フィルムの製造方法 | |
TW202233385A (zh) | 聚乙烯醇薄膜及使用其之偏光薄膜以及偏光板 | |
JP7413116B2 (ja) | 偏光フィルムの製造方法 | |
JP2014006538A (ja) | 位相差フィルム | |
WO2023182267A1 (ja) | ポリビニルアルコールフィルム及びその製造方法 | |
KR20230112129A (ko) | 폴리비닐알코올 필름 및 그것을 사용한 편광 필름 그리고 편광판 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140214 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150707 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150907 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160301 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160308 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5901193 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |