JP5832921B2 - ポリビニルアルコールフィルム - Google Patents
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Description
[1]ポリビニルアルコールフィルムの幅方向の任意の1直線上において一方の端をX、他方の端をYおよび幅方向中央部をZとし、XからYに向かって幅に対する長さが10%になるまでの範囲Aにおけるポリビニルアルコールフィルムの膨潤度を膨潤度A(%)とし、YからXに向かって幅に対する長さが10%になるまでの範囲Bにおけるポリビニルアルコールフィルムの膨潤度を膨潤度B(%)とし、ZからXに向かって幅に対する長さが30%になるまでの範囲Cにおけるポリビニルアルコールフィルムの膨潤度を膨潤度C(%)とし、ZからYに向かって幅に対する長さが30%になるまでの範囲Dにおけるポリビニルアルコールフィルムの膨潤度を膨潤度D(%)とした際に、下記式(1)〜(3)を満たす、ポリビニルアルコールフィルム、
1.10≦膨潤度A/膨潤度C≦1.25 (1)
1.10≦膨潤度B/膨潤度D≦1.25 (2)
|膨潤度A−膨潤度B|≦5 (3)
[2]膨潤度Aが220〜250(%)である、上記[1]のポリビニルアルコールフィルム、
[3]上記[1]または[2]のポリビニルアルコールフィルムを用いて製造した偏光フィルム、
[4]ポリビニルアルコールフィルムに熱処理を施す工程を含む、熱処理されたポリビニルアルコールフィルムの製造方法であって、熱処理に供されるポリビニルアルコールフィルムの幅方向の任意の1直線上において一方の端をx、他方の端をyおよび幅方向中央部をzとし、xからyに向かって幅に対する長さが10%になるまでの範囲aにおける熱処理時の平均熱処理温度を温度a(℃)とし、yからxに向かって幅に対する長さが10%になるまでの範囲bにおける熱処理時の平均熱処理温度を温度b(℃)とし、zからxに向かって幅に対する長さが30%になるまでの範囲cにおける熱処理時の平均熱処理温度を温度c(℃)とし、zからyに向かって幅に対する長さが30%になるまでの範囲dにおける熱処理時の平均熱処理温度を温度d(℃)とした際に、下記式(4)〜(6)を満たす、製造方法、
1.10≦温度c/温度a≦1.25 (4)
1.10≦温度d/温度b≦1.25 (5)
|温度a−温度b|≦2 (6)
[5]温度aが83〜96(℃)である、上記[4]の製造方法、
に関する。
本発明のポリビニルアルコールフィルムは、その幅方向の任意の1直線上において一方の端をX、他方の端をYおよび幅方向中央部をZとし、XからYに向かって幅に対する長さが10%になるまでの範囲Aにおけるポリビニルアルコールフィルムの膨潤度を膨潤度A(%)とし、YからXに向かって幅に対する長さが10%になるまでの範囲Bにおけるポリビニルアルコールフィルムの膨潤度を膨潤度B(%)とし、ZからXに向かって幅に対する長さが30%になるまでの範囲Cにおけるポリビニルアルコールフィルムの膨潤度を膨潤度C(%)とし、ZからYに向かって幅に対する長さが30%になるまでの範囲Dにおけるポリビニルアルコールフィルムの膨潤度を膨潤度D(%)とした際に、下記式(1)〜(3)を満たす。
1.10≦膨潤度A/膨潤度C≦1.25 (1)
1.10≦膨潤度B/膨潤度D≦1.25 (2)
|膨潤度A−膨潤度B|≦5 (3)
1.10≦膨潤度A/膨潤度E≦1.25 (7)
1.10≦膨潤度B/膨潤度F≦1.25 (8)
上記式(7)および(8)を満たすポリビニルアルコールフィルムを用いると、より幅広の偏光フィルムを製造することができる。得られる偏光フィルムの幅の観点から、膨潤度Aおよび膨潤度Eは、1.11≦膨潤度A/膨潤度E≦1.24の関係にあることがより好ましく、1.12≦膨潤度A/膨潤度E≦1.23の関係にあることがさらに好ましい。同様に、膨潤度Bおよび膨潤度Fは、1.11≦膨潤度B/膨潤度F≦1.24の関係にあることがより好ましく、1.12≦膨潤度B/膨潤度F≦1.23の関係にあることがさらに好ましい。
特に前記した他の単量体が、(メタ)アクリル酸、不飽和スルホン酸などのように、得られるポリビニルアルコールの水溶性を促進する可能性のある単量体である場合には、得られるポリビニルアルコールフィルムを偏光フィルム製造用の原反フィルムとして使用する際などにおいてポリビニルアルコールが溶解するのを防止するために、ポリビニルエステルにおけるこれらの単量体に由来する構造単位の割合は、ポリビニルエステルを構成する全構造単位のモル数に基づいて、5モル%以下であることが好ましく、3モル%以下であることがより好ましい。
1.10≦温度c/温度a≦1.25 (4)
1.10≦温度d/温度b≦1.25 (5)
|温度a−温度b|≦2 (6)
1.10≦温度e/温度a≦1.25 (9)
1.10≦温度f/温度b≦1.25 (10)
上記式(9)および(10)を満たすように熱処理をすると、膨潤度Aおよび膨潤度Eならびに膨潤度Bおよび膨潤度Fの好ましい関係を満たすポリビニルアルコールフィルムを容易に製造することができる。温度aおよび温度eは、1.11≦温度e/温度a≦1.24の関係にあることがより好ましく、1.12≦温度e/温度a≦1.23の関係にあることがさらに好ましい。同様に、温度bおよび温度fは、1.11≦温度f/温度b≦1.24の関係にあることがより好ましく、1.12≦温度f/温度b≦1.23の関係にあることがさらに好ましい。
一軸延伸における延伸温度は、30〜90℃の範囲内であることが好ましく、40〜80℃の範囲内であることがより好ましく、50〜70℃の範囲内であることが特に好ましい。
また、一軸延伸における延伸倍率は、得られる偏光フィルムの偏光性能の点から5倍以上であることが好ましく、5.5倍以上であることがより好ましく、6倍以上であることが特に好ましい。延伸倍率の上限は特に制限されないが、延伸倍率は8倍以下であることが好ましい。
膨潤度Aを測定するためのポリビニルアルコールフィルムのサンプリング位置について図3にその概略図を示すように、各範囲に対応する幅を有し、長さが各範囲を決める1直線を中心とし長さ方向に各10cm(長さ方向に合計20cm)採るようにサンプリングした矩形のポリビニルアルコールフィルムを用い、これを30℃の蒸留水中に30分間浸漬後に取り出し、ろ紙で表面の水を取り、質量「N」を求めた。続いてそのポリビニルアルコールフィルムを105℃の乾燥機で16時間乾燥した後、質量「M」を求めた。得られた質量「N」および「M」から、下記式(11)により各範囲におけるポリビニルアルコールフィルムの膨潤度を算出した。なお、サンプリングしたポリビニルアルコールフィルムの幅が20cm以上あった場合には、幅方向の一方から幅10cmずつカットしたポリビニルアルコールフィルムを測定に用いて(最後に余った幅10cm未満の部分は前のフィルムから切り離さずに用いた)、カットした全てのポリビニルアルコールフィルムを合わせた全体の質量「N」および「M」から膨潤度を算出した。また、浸漬に使用する蒸留水の量はポリビニルアルコールフィルム20cm×10cmあたり1000gとした。
膨潤度(%) = N/M×100 (11)
ポリビニルアルコールフィルムを観察し、皺が認められなかったものを「○」とし、皺が認められたものを「×」とした。
ロール状のポリビニルアルコールフィルムを巻き出し、順次30℃の純水に浸漬して膨潤させながら3.8倍まで一軸延伸し、続いて、ホウ酸を4質量%の割合で含有する55℃の水溶液中で総延伸倍率6.8倍に一軸延伸するという操作を10時間以上破断なく継続できた場合を「○」、破断が認められた場合を「×」とした。
(a)透過率Tsの測定
偏光フィルムの幅方向の中央部から、長さ方向に8cm×幅方向に4cmの矩形のサンプルを切り取り、これをさらに長さ方向の中央部で2つに切って、正方形(4cm×4cm)の偏光フィルムサンプル2枚を採取し、日立製作所製の分光光度計U−4100(積分球付属)を用いて、JIS Z 8722(物体色の測定方法)に準拠し、C光源、2°視野の可視光領域の視感度補正を行い、1枚の偏光フィルムサンプルについて、延伸軸方向に対して45°傾けた場合の光の透過率と−45°傾けた場合の光の透過率を測定して、それらの平均値Ts1(%)を求めた。もう1枚の偏光フィルムサンプルについても同様にして、45°傾けた場合の光の透過度と−45°傾けた場合の光の透過度を測定して、それらの平均値Ts2(%)を求めた。下記式(12)によりTs1とTs2を平均し、偏光フィルムの透過率Ts(%)とした。
Ts = (Ts1+Ts2)/2 (12)
上記透過率Tsの測定で採取した2枚の偏光フィルムを、その延伸方向が平行になるように重ねた場合の光の透過率Ts‖(%)、延伸方向が直交するように重ねた場合の光の透過率Ts⊥(%)を、上記(a)透過率Tsの測定の場合と同様にして測定し、下記式(13)により偏光度P(%)を求めた。
P = {(Ts‖−Ts⊥)/(Ts‖+Ts⊥)}1/2×100 (13)
下記の実施例および比較例に記載するように、各実施例および比較例において、2段目延伸時における30℃の水溶液中への浸漬時間を変更して製造した5枚の偏光フィルムのそれぞれについて上記した方法で透過率Tsおよび偏光度Pを求め、各実施例または比較例ごとに、透過率Tsを横軸、偏光度Pを縦軸として5つの点をグラフにプロットして近似曲線を求め、当該近似曲線から、透過率Tsが44%であるときの偏光度P(P44)の値を求めた。
得られたP44から、下記式(14)により透過率44%時の二色性比を求めて、偏光性能の指標とした。
透過率44%時の二色性比 = log(44/100−44/100×P44/100)/log(44/100+44/100×P44/100) (14)
(1)ポリビニルアルコールフィルムの製造
ポリビニルアルコール(重合度2400、けん化度99.95モル%)100質量部、可塑剤としてグリセリン10質量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム0.1質量部および水からなる揮発分率66質量%の製膜原液をTダイから金属ロールに溶融押出し、幅3m、長さ5000m、厚さ60μmの長尺のポリビニルアルコールフィルムを製膜した。
次いで、得られたポリビニルアルコールフィルムの幅の長さ(3m)を100%としたとき、幅方向の両端から中央方向にそれぞれ長さ10%(それぞれ幅方向30cm)の範囲全体を90℃で、幅方向の中央から両端方向にそれぞれ長さ40%(全体として幅方向240cm)の範囲全体を105℃で、それぞれ熱処理を行った。なお熱処理時間は20秒とした。熱処理されたポリビニルアルコールフィルムはロール状に巻き取った。
熱処理されたポリビニルアルコールフィルムは、幅方向の任意の1直線上において、膨潤度A=235%、膨潤度B=234%、膨潤度C=201%、膨潤度D=200%、膨潤度E=201%および膨潤度F=200%であった。また当該ポリビニルアルコールフィルムに皺は認められなかった。さらに当該ポリビニルアルコールフィルムを用いて延伸安定性試験を実施したところ、破断は認められなかった。
(i) (1)で得られた熱処理されたポリビニルアルコールフィルムに対して、膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥処理を施して偏光フィルムを作製した。すなわち、(1)で得られた熱処理されたポリビニルアルコールフィルムを30℃の純水に浸漬して膨潤させながら2.0倍に一軸延伸し(1段目延伸)、次いで、ヨウ素を0.05質量%、ヨウ化カリウムを2.5質量%およびホウ酸を1質量%の割合で含有する30℃の水溶液中で染色しながら1.4倍(ここまでの総延伸倍率2.8倍)に一軸延伸した(2段目延伸)。なお、2段目延伸時における30℃の水溶液中への浸漬時間は60秒とした。続いて、ホウ酸を4質量%およびヨウ化カリウムを5質量%の割合で含有する55℃の水溶液中で総延伸倍率6.5倍に一軸延伸し(3段目延伸)、ホウ酸を4質量%およびヨウ化カリウムを5質量%の割合で含有する30℃の水溶液中に浸漬して固定処理を行った。その後、60℃で乾燥して偏光フィルムを得た。得られた偏光フィルムの幅は1.2mであった。
これにより得られた偏光フィルムの透過率Tsおよび偏光度Pを上記した方法で求め、横軸を透過率Tsおよび縦軸を偏光度Pとするグラフにその点をプロットした。
(ii) 上記(i)で、2段目延伸時における30℃の水溶液中への浸漬時間を60秒から、70秒、80秒、90秒または100秒に変更したこと以外は、上記(i)と同様にして偏光フィルムを製造した。
これにより得られた各偏光フィルムの透過率Tsおよび偏光度Pを上記した方法でそれぞれ求め、横軸を透過率Tsおよび縦軸を偏光度Pとするグラフに各点をプロットした。
(iii) 上記(i)および(ii)でグラフにプロットした5つの点の近似曲線をグラフ上にひいて、当該近似曲線から、透過率Tsが44%であるときの偏光度P(P44)の値を求め、上記式(14)により透過率44%時の二色性比を求めたところ54.6であり、高い偏光性能を有していた。
実施例1の(1)において、幅方向の両端から中央方向にそれぞれ長さ10%(それぞれ幅方向30cm)の範囲全体における熱処理温度を86℃に変更したこと以外は実施例1の(1)と同様にして、熱処理されたポリビニルアルコールフィルム(ロール状に巻き取ったもの)を得た。
当該熱処理されたポリビニルアルコールフィルムは、幅方向の任意の1直線上において、膨潤度A=247%、膨潤度B=244%、膨潤度C=201%、膨潤度D=200%、膨潤度E=201%および膨潤度F=200%であった。また当該ポリビニルアルコールフィルムに皺は認められなかった。さらに当該ポリビニルアルコールフィルムを用いて延伸安定性試験を実施したところ、破断は認められなかった。
また、上記熱処理されたポリビニルアルコールフィルムを用いて、実施例1の(2)(i)と同様にして偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの幅は1.1mであった。さらに、実施例1の(2)と同様にして透過率44%時の二色性比を求めたところ60.2であり、高い偏光性能を有していた。
実施例1の(1)において、幅方向の両端から中央方向にそれぞれ長さ10%(それぞれ幅方向30cm)の範囲全体における熱処理温度を93℃に変更したこと以外は実施例1の(1)と同様にして、熱処理されたポリビニルアルコールフィルム(ロール状に巻き取ったもの)を得た。
当該熱処理されたポリビニルアルコールフィルムは、幅方向の任意の1直線上において、膨潤度A=225%、膨潤度B=224%、膨潤度C=200%、膨潤度D=201%、膨潤度E=200%および膨潤度F=201%であった。また当該ポリビニルアルコールフィルムに皺は認められなかった。さらに当該ポリビニルアルコールフィルムを用いて延伸安定性試験を実施したところ、破断は認められなかった。
また、上記熱処理されたポリビニルアルコールフィルムを用いて、実施例1の(2)(i)と同様にして偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの幅は1.3mであった。さらに、実施例1の(2)と同様にして透過率44%時の二色性比を求めたところ51.3であり、高い偏光性能を有していた。
実施例1の(1)において、幅方向の両端から中央方向にそれぞれ長さ20%(それぞれ幅方向60cm)の範囲全体を90℃で、幅方向の中央から両端方向にそれぞれ長さ30%(全体として幅方向180cm)の範囲全体を105℃で、それぞれ変更して熱処理を行ったこと以外は実施例1の(1)と同様にして、熱処理されたポリビニルアルコールフィルム(ロール状に巻き取ったもの)を得た。
当該熱処理されたポリビニルアルコールフィルムは、幅方向の任意の1直線上において、膨潤度A=235%、膨潤度B=235%、膨潤度C=199%、膨潤度D=201%、膨潤度E=235%および膨潤度F=235%であった。また当該ポリビニルアルコールフィルムに皺は認められなかった。さらに当該ポリビニルアルコールフィルムを用いて延伸安定性試験を実施したところ、破断は認められなかった。
また、上記熱処理されたポリビニルアルコールフィルムを用いて、実施例1の(2)(i)と同様にして偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの幅は1.1mであった。さらに、実施例1の(2)と同様にして透過率44%時の二色性比を求めたところ54.6であり、高い偏光性能を有していた。
実施例1の(1)において、幅方向の両端から中央方向にそれぞれ長さ10%(それぞれ幅方向30cm)の範囲全体における熱処理温度を82℃に変更したこと以外は実施例1の(1)と同様にして、熱処理されたポリビニルアルコールフィルム(ロール状に巻き取ったもの)を得た。
当該熱処理されたポリビニルアルコールフィルムは、幅方向の任意の1直線上において、膨潤度A=256%、膨潤度B=255%、膨潤度C=200%、膨潤度D=199%、膨潤度E=200%および膨潤度F=199%であった。また当該ポリビニルアルコールフィルムには大きな皺が認められ、偏光フィルム製造用の原反フィルムとしては不適であった。
実施例1の(1)において、幅方向の両端から中央方向にそれぞれ長さ10%(それぞれ幅方向30cm)の範囲全体における熱処理温度を99℃に変更したこと以外は実施例1の(1)と同様にして、熱処理されたポリビニルアルコールフィルム(ロール状に巻き取ったもの)を得た。
当該熱処理されたポリビニルアルコールフィルムは、膨潤度A=212%、膨潤度B=211%、膨潤度C=201%、膨潤度D=201%、膨潤度E=201%および膨潤度F=201%であった。また当該ポリビニルアルコールフィルムに皺は認められなかった。さらに当該ポリビニルアルコールフィルムを用いて延伸安定性試験を実施したところ、破断が認められた。
また、上記熱処理されたポリビニルアルコールフィルムを用いて、実施例1の(2)(i)と同様にして偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの幅は1.45mであった。さらに、実施例1の(2)と同様にして透過率44%時の二色性比を求めたところ42.8であり、偏光性能に劣っていた。
実施例1の(1)において、ポリビニルアルコールフィルム全体を105℃で熱処理したこと以外は実施例1の(1)と同様にして、熱処理されたポリビニルアルコールフィルム(ロール状に巻き取ったもの)を得た。
当該熱処理されたポリビニルアルコールフィルムは、幅方向の任意の1直線上において、膨潤度A=200%、膨潤度B=199%、膨潤度C=199%、膨潤度D=199%、膨潤度E=200%および膨潤度F=199%であった。また当該ポリビニルアルコールフィルムに皺は認められなかった。さらに当該ポリビニルアルコールフィルムを用いて延伸安定性試験を実施したところ、破断が認められた。
また、上記熱処理されたポリビニルアルコールフィルムを用いて、実施例1の(2)(i)と同様にして偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの幅は1.5mであった。さらに、実施例1の(2)と同様にして透過率44%時の二色性比を求めたところ44.0であり、偏光性能に劣っていた。
実施例1の(1)において、幅方向の一方の端から中央方向に長さ10%(幅方向30cm)の範囲全体における熱処理温度を93℃に変更(幅方向の他方の端から中央方向に長さ10%(幅方向30cm)の範囲全体における熱処理温度は90℃のまま)したこと以外は実施例1の(1)と同様にして、熱処理されたポリビニルアルコールフィルム(ロール状に巻き取ったもの)を得た。
当該熱処理されたポリビニルアルコールフィルムは、幅方向の任意の1直線上において、膨潤度A=234%、膨潤度B=227%、膨潤度C=200%、膨潤度D=200%、膨潤度E=200%および膨潤度F=200%であった。また当該ポリビニルアルコールフィルムに皺は認められなかった。さらに当該ポリビニルアルコールフィルムを用いて延伸安定性試験を実施したところ、破断が認められた。
また、上記熱処理されたポリビニルアルコールフィルムを用いて、実施例1の(2)(i)と同様にして偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの幅は1.4mであった。さらに、実施例1の(2)と同様にして透過率44%時の二色性比を求めたところ46.9であり、偏光性能に劣っていた。
特許文献1の実施例1に記載されたポリビニルアルコールフィルムと同様の膨潤度の分布を有するポリビニルアルコールフィルム(幅3m、長さ5000m、厚さ60μm、膨潤度A=180%、膨潤度B=180%、膨潤度C=167%、膨潤度D=167%、膨潤度E=176%および膨潤度F=176%、皺が認められないもの)を作製してロール状に巻き取った。これを用いて延伸安定性試験を実施したところ、破断が認められた。
また、このポリビニルアルコールフィルムを用いて、実施例1の(2)(i)と同様にして偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの幅は1.5mであった。さらに、実施例1の(2)と同様にして透過率44%時の二色性比を求めたところ41.8であり、偏光性能に劣っていた。
特許文献1の実施例2に記載されたポリビニルアルコールフィルムと同様の膨潤度の分布を有するポリビニルアルコールフィルム(幅3m、長さ5000m、厚さ60μm、膨潤度A=196%、膨潤度B=196%、膨潤度C=181%、膨潤度D=181%、膨潤度E=190%および膨潤度F=190%、皺が認められないもの)を作製してロール状に巻き取った。これを用いて延伸安定性試験を実施したところ、破断が認められた。
また、このポリビニルアルコールフィルムを用いて、実施例1の(2)(i)と同様にして偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの幅は1.45mであった。さらに、実施例1の(2)と同様にして透過率44%時の二色性比を求めたところ44.0であり、偏光性能に劣っていた。
Claims (2)
- ポリビニルアルコールフィルムに熱処理を施す工程を含む、熱処理されたポリビニルアルコールフィルムの製造方法であって、熱処理に供されるポリビニルアルコールフィルムの幅方向の任意の1直線上において一方の端をx、他方の端をyおよび幅方向中央部をzとし、xからyに向かって幅に対する長さが10%になるまでの範囲aにおける熱処理時の平均熱処理温度を温度a(℃)とし、yからxに向かって幅に対する長さが10%になるまでの範囲bにおける熱処理時の平均熱処理温度を温度b(℃)とし、zからxに向かって幅に対する長さが30%になるまでの範囲cにおける熱処理時の平均熱処理温度を温度c(℃)とし、zからyに向かって幅に対する長さが30%になるまでの範囲dにおける熱処理時の平均熱処理温度を温度d(℃)とした際に、下記式(1)〜(3)を満たす、製造方法。
1.10≦温度c/温度a≦1.25 (1)
1.10≦温度d/温度b≦1.25 (2)
|温度a−温度b|≦2 (3) - 温度aが83〜96(℃)である、請求項1に記載の製造方法。
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