JP5900432B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
ステッピングモーターの駆動方式には、定電圧制御方式と定電流制御方式とがある。これら駆動方式のうち、定電圧制御方式は、特にステッピングモーターの回転速度が低い場合には、励磁コイルに大電流が流れ、過熱や破損が発生する。一方、定電流制御方式によれば、通電量が一定量に制御されるので、大電流が流れる恐れが無い。このためので、低速度域においては、定電流制御方式が採用される(特許文献1を参照)。
このようにすれば、ステッピングモーターの相間でコイル性能にバラつきがあっても、中域共振現象が発生する速度域でステッピングモーターを動作させないので、ステッピングモーターの脱調や停止による画像形成装置の動作不良を防止することができる。
一方、上記従来技術によると共振現象が発生する中速度域が壁となって、中高速度域においてはステッピングモーターを使用することができない。このため、上記従来技術による中域共振現象対策には高速度化やワイドレンジ化には限界がある。
[1]画像形成装置の構成
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1に示されるように、画像形成装置1は、いわゆるモノクロプリンター装置であって、感光体ドラム100の外周に沿って、帯電装置101、露光装置102、現像装置103、転写ローラー104、剥離爪105、クリーニング装置106及び除電ランプ107を配設した構成となっており、これらは制御部110の制御の下、トナー像を形成する。
制御部110は、操作パネル115を制御して、画像形成装置1のユーザーに対する情報提示を行ったり、ユーザーからの指示入力を受け付けたりする。また、制御部110は、LAN(Local Area Network)など不図示のネットワークを経由してPC(Personal Computer)等の外部装置からプリントジョブを受け付け、当該プリント指示に従って画像形成装置1の動作を制御する。
次に、制御部110の構成について説明する。
図2は、制御部110の主要な構成を示すブロック図である。図2に示されるように、制御部110は、CPU(Central Processing Unit)210を備えており、電源を投入されると、CPU210はROM(Read Only Memory)211から制御プログラムを読み出して起動し、RAM(Random Access Memory)212を作業用記憶領域として動作する。
CPU210からPS(Power Save)端子への入力信号が、Hである場合にはドライバーIC200はアクティブ状態となって動作し、Lである場合にはドライバーICはスタンバイ状態となって動作を停止する。また、ドライバーIC200は、CLK(Clock)端子にてCPU210からのクロック信号の入力を受け、当該クロック信号に同期してスイッチ部305A、305Bを制御する。
[3]制御部110の動作
上のような構成を備えた制御部110の動作、特にドライバーIC200の動作について説明する。
図4は、ドライバーIC200のステッピング動作を示すタイミングチャートである。図4に示されるように、ドライバーIC200は、まず、PS端子の入力信号がHになると、ドライバーIC200はスタンバイ状態からアクティブ状態に遷移する。
アクティブ状態に遷移すると、ドライバーIC200はCPU210が入力するクロック信号に同期して、OUT1A−OUT1B端子間(A相)及びOUT2A−OUT2B端子間(B相)の通電方向を4つのステップを順に繰り返すように制御する。すなわち、第1ステップにおいては、OUT1A端子からOUT1B端子へ向かって通電するようにスイッチ部304Aが制御され(A相)、OUT2A端子からOUT2B端子へ向かって通電するようにスイッチ部304Bが制御される(B相)。
ステッピングモーターMのA、B各相の励磁コイル201A、201Bへの通電を制御する方式には定電圧制御方式と定電流制御方式とがある。定電圧制御方式は各励磁コイルにほぼ一定の電圧を印加する方式であり、定電流制御方式は各励磁コイルにほぼ一定量の電流を通電する方式である。
(3−3)定電流制御方式
定電流制御方式においては、コントローラー部300は、例えば、A相については、比較器304Aの出力信号から励磁コイル201Aへの通電量が閾値通電量(本実施の形態においては1.0[A])以上であると判定された場合には、励磁コイル201Aへの通電を停止する。逆に、通電量が閾値通電量未満であると判定された場合には励磁コイル201Aへの通電を再開する。B相についても同様である。このような通電制御をチョッピング制御という。
図6は、スイッチ部305Aの構成を示す図である。スイッチ部305Bもまた同様の構成を備えているので、以下の説明を以てスイッチ305Bの説明に代える。図6に示されるように、スイッチ部305Aは、3つのスイッチ600〜602を備えている。
スイッチ600はチョッピング制御に用いられる。すなわち、励磁コイル201Aの通電量が閾値通電量に達した場合には、コントローラー部300によってスイッチ600が切断され励磁コイル201Aへの通電が停止される。この停止によって通電量が減少し始めてから所定時間(なお、当該所定時間の逆数を「チョッピング周波数」という。)が経過すると、コントローラー部300によってスイッチ600が接続され、励磁コイル201Aへの通電が再開される。
(3−4)コントローラー部300の制御動作
次に、中域共振現象を解消するためにコントローラー部300が実行する制御動作について説明する。
図8は、コントローラー部300の制御動作を示すフローチャートである。図8に示されるように、コントローラー部300は、ステッピングモーターMが停止している状態から、定電流制御方式で加速する(S801)。定電流制御方式で加速している間、上述のようにA相、B相のそれぞれについてチョッピング回数を繰り返し計数する。
(3−5)本実施の形態の効果
次に、本実施の形態の効果について説明する。
一方、本実施の形態においては、チョッピング回数がある程度少なくなった段階でドライバーIC200によるチョッピング制御を禁止して、定電圧制御に移行する。このため、図10(b)に示されるように、相間でのチョッピング回数のバラつきを解消されるので、トルクのバラつきが抑制され、中域共振現象が解消される。従って、本実施の形態によれば、ステッピングモーターMを広い速度レンジ幅で動作させることができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態においては、VCC1、VCC2端子に常に24[V]の固定電圧が印加されている場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに加えて次のようにしても良い。
このようにすれば、中域共振現象が発生する速度域を高速度域側へシフトさせることができるので、より広い速度域において定電流制御方式を実行することができる。定電流制御方式は、定電圧制御方式と比較して、電源電圧の変動の影響を受け難いので、本実施の形態によれば、ステッピングモーターMをより広い速度域において安定動作させることができる。
図13は、本変形例に係るコントローラー部300の制御動作を示すフローチャートである。図13に示されるように、ステッピングモーターMの減速を開始したら(S1301:YES)、定電流制御方式に切り替えて(S1302)、各相のチョッピング回数を監視する。そして、A相、B相、何れかのチョッピング回数が上限回数Nu回に達したら(S1303:YES)、定電圧制御方式に切り替える(S1304)。
その後、基準クロック周波数まで減速したら(S1305:YES)、定電流制御方式に切り替える(S1306)。このようにすれば、過電流による過熱を防止することができる。そして、ステッピングモーターMが停止したら(S1307:YES)、処理を終了する。
図14は、本変形例に係るドライバーIC200を含む主要な回路構成を示す図である。図14に示されるように、本変形例に係るドライバーIC200は更にVCCSW端子を備えている。また、VCC1、VCC2端子には可変電圧源1401が接続されており、これら端子への供給電圧はドライバーIC200のVCCSW端子の出力信号によって制御される。
このようにしても、A相、B相の相間においてチョッピング回数に不均衡が生じるのを励磁コイル201A、201Bへの通電量を低下させることによって防止するので、中期共振現象の発生を防止することができる。また、定電圧制御方式に切り替えないので、通電量が過大になるのも防止することができる。
一方、変動幅が大きい場合には(S1703:YES)、VCCSW端子から制御信号を出力して可変電圧源1401の供給電圧を低下させる(S1707)。このようにすれば、相毎のチョッピング回数が増加し、中域共振現象の発生が防止される。その後、相毎のチョッピング回数を監視して、何れの相もチョッピング回数が閾値回数N回以下になったら(S1708:YES)、可変電圧源1401の供給電圧を更に低下させる(S1707)。
(4)上記実施の形態においては、定電流制御方式から定電圧制御方式へ切り替えるための判断基準である所定回数がN回に固定されている場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。
(5)上記実施の形態においては、2相励磁方式のステッピングモーターMを用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなくこれに代えて3相以上の励磁方式のステッピングモーターを用いても良い。3相以上である場合も上記実施の形態と同様にすれば、本発明の効果を得ることができる。
1…………………画像形成装置
100……………感光体ドラム
200……………ドライバーIC
201……………励磁コイル
210……………CPU
300……………コントローラー部
301……………メモリー部
302、306…定電圧源
303……………電流検出抵抗
304……………比較器
305……………スイッチ部
600〜602…スイッチ
1101…………電源切替えスイッチ
1102…………直流電源
1401…………可変電圧源
Claims (3)
- 多相励磁方式のステッピングモーターによって、静電潜像を形成される感光体ドラム又は記録シートを搬送する搬送ローラーを回転駆動する画像形成装置であって、
相毎に一定電圧を印加することによって、前記ステッピングモーターを駆動制御する定電圧制御手段と、
前記相毎の通電量をチョッピング制御により規制して、前記ステッピングモーターを駆動制御する定電流制御手段と、
前記相毎にステップ毎のチョッピング回数を計数する計数手段と、
相毎のチョッピング回数が何れの相も所定回数以下であるか否かを判定するチョッピング回数判定手段と、
前記チョッピング回数判定手段の判定結果が、肯定的である場合には前記定電圧制御手段に、否定的である場合には前記定電流制御手段に、前記ステッピングモーターを駆動制御させる、制御切替え手段と、
前記ステッピングモーターの加速時において、前記制御切替え手段が、前記定電圧制御手段に切り替えたときの前記ステッピングモーターの駆動周波数を記憶する周波数記憶手段と、
前記ステッピングモーターの減速時において、駆動周波数が前記記憶した駆動周波数まで低下したら、前記ステッピングモーターの制御手段を定電圧制御手段から定電流制御手段に切替える減速時切替え手段と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 多相励磁方式のステッピングモーターによって、静電潜像を形成される感光体ドラム又は記録シートを搬送する搬送ローラーを回転駆動する画像形成装置であって、
相毎に一定電圧を印加することによって、前記ステッピングモーターを駆動制御する定電圧制御手段と、
前記相毎の通電量をチョッピング制御により規制して、前記ステッピングモーターを駆動制御する定電流制御手段と、
前記相毎にステップ毎のチョッピング回数を計数する計数手段と、
相毎のチョッピング回数が何れの相も所定回数以下であるか否かを判定するチョッピング回数判定手段と、
前記チョッピング回数判定手段の判定結果が、肯定的である場合には前記定電圧制御手段に、否定的である場合には前記定電流制御手段に、前記ステッピングモーターを駆動制御させる、制御切替え手段と、
前記相毎の励磁コイルに通電するための直流電圧源と、
前記直流電圧源の供給電圧の変動幅を検出する変動幅検出手段と、
検出された前記変動幅が所定の閾値変動幅以上である場合には、
前記制御切替え手段が前記定電圧制御手段に前記ステッピングモーターを駆動制御させるのを禁止して、
前記直流電圧源の供給電圧を低下させる電圧低下手段と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 多相励磁方式のステッピングモーターによって、静電潜像を形成される感光体ドラム又は記録シートを搬送する搬送ローラーを回転駆動する画像形成装置であって、
相毎に一定電圧を印加することによって、前記ステッピングモーターを駆動制御する定電圧制御手段と、
前記相毎の通電量をチョッピング制御により規制して、前記ステッピングモーターを駆動制御する定電流制御手段と、
前記相毎にステップ毎のチョッピング回数を計数する計数手段と、
相毎のチョッピング回数が何れの相も所定回数以下であるか否かを判定するチョッピング回数判定手段と、
前記チョッピング回数判定手段の判定結果が、肯定的である場合には前記定電圧制御手段に、否定的である場合には前記定電流制御手段に、前記ステッピングモーターを駆動制御させる、制御切替え手段と、
通電量が設定電流値を超過すると所定のチョッピング周波数で前記チョッピング制御が実行される場合に、当該設定電流値と当該チョッピング周波数との少なくとも一方を用いて、前記チョッピング回数判定手段が判定基準とする前記所定回数を決定する所定回数決定手段と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
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