JP5900241B2 - 使用済み穿孔圧延用工具の再生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、継目無鋼管の製造に係り、とくに、穿孔圧延に1回以上使用された、プラグ等の穿孔圧延用工具を再生し、穿孔圧延用工具の寿命延長を可能とする使用済み穿孔圧延用工具の再生方法に関する。
従来から、継目無鋼管の製造方法として、マンネスマン式製管法が広く知られている。この方法は、まず、所定の温度に加熱された圧延素材(丸鋼材)を穿孔圧延機による穿孔圧延工程を経て中空素材としたのち、エロンゲータ、プラグミル、またはマンドレルミル等の延伸圧延機により肉厚を減少し、さらに、必要に応じて再加熱したのち、絞り圧延機あるいはその他の成形機により、主として外径を減じ所定の寸法の継目無鋼管を得る方法である。
穿孔圧延機としては、2本の傾斜ロールと穿孔用プラグおよび2個のガイドシューを組合せた、いわゆるマンネスマンピアサ、3本の傾斜ロールと穿孔用プラグとを組み合わせた、いわゆる3ロールピアサ、或いは2本の孔型ロールと穿孔用プラグを組み合わせた、いわゆるプレスロールピアサが知られている。このような穿孔圧延機による穿孔圧延工程で使用される穿孔圧延用工具(プラグ)は、高温、高負荷の環境下に長時間晒され、摩耗、溶損等を生じやすい。このため、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5に示されるように、従来から、高温でのスケール処理を施して、工具表面に数十〜数百μm厚の酸化スケールを形成して、穿孔圧延用工具(プラグ)の損耗を防止していた。
しかし、最近では、熱間変形抵抗が高く、しかも表面に酸化スケールが形成されにくい、13Cr鋼、ステンレス鋼等の高合金鋼製継目無鋼管の需要が増加している。特許文献1〜5に記載された各技術によっても、このような高合金鋼を穿孔圧延すると、早期に工具が損耗するという問題があった。
このような問題に対し、本発明者らは、特許文献6に、耐久性に優れた穿孔圧延用工具について提案した。特許文献6に記載された技術では、質量%で、C:0.05〜0.5%、Si:0.1〜1.5%、Mn:0.1〜0.5%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.5〜3.0%、W:0.5〜3.0%、Nb:0.1〜1.5%を含み、さらにCo:0.1〜3.0%、Ni:0.5〜2.5%を、(Ni+Co)が4%未満1%超となる条件で含有する組成で、表層にスケール層を有し、該スケール層のうち基材側に地鉄と複雑に絡み合ったネット状スケール層を有し、さらにスケール層の界面から基材側に面積率で50%以上のフェライト相を含む組織を形成した穿孔圧延用工具としている。これにより、工具の寿命を長寿命化させることができ、高合金鋼製継目無鋼管の穿孔圧延の生産性が向上するとしている。
特開昭59−9154号公報 特開昭63−69948号公報 特開平08−193241号公報 特開平10−5821号公報 特開平11−179407号公報 特開2003−129184号公報
最近では、継目無鋼管の使用環境はますます苛酷なものとなっており、そのような苛酷化する使用環境に耐えるために、使用される継目無鋼管も高品質化が要求され、高合金化する傾向となっている。そのため、圧延用素材の熱間変形抵抗が高くなり、穿孔圧延用工具(プラグ)への圧延負荷はますます増大する傾向となっている。また、一方では、製造コスト削減の要求が強く、穿孔圧延用工具(プラグ)の更なる寿命延長が要望されている。そのため、特許文献6に記載された技術によっても、最近の穿孔圧延用工具(プラグ)への要求を充分に満足することができないという問題があり、穿孔圧延用工具に対する更なる長寿命化の要望が高くなっている。
とくに、穿孔圧延用工具(プラグ)の長寿命化と称して、過剰なスケール付けを施す場合が多く、逆に、スケールの部分的剥離や、脱落等が頻繁に発生し、プラグ表面の肌荒れ、工具径の減少を誘起し、管内面の欠陥発生、管寸法精度の低下等を招き、結果として工具寿命が低下するなどの問題があり、スケール付けの適正化や、工具寿命の更なる延長等の強い要望があった。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、少なくとも1回穿孔圧延に供され、寿命であると判定される前で、スケールが薄くなった穿孔圧延用工具(以下、使用済み穿孔圧延用工具ともいう)を再生し、更なる寿命延長が可能な、使用済み穿孔圧延用工具の再生方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するため、工具寿命に対する各種要因の影響について鋭意検討した。その結果、まれに、工具寿命が著しく長くなる穿孔圧延用工具(プラグ)が存在することを見出した。そのような長寿命となった工具のミクロ組織を詳細に調査すると、基材の表面層に、地鉄とスケールが複雑に絡み合ったネット状スケール層が形成され、さらにスケール層と基材(地鉄)との界面の直下の基材(地鉄)側組織が、微細なフェライト粒を多数含むフェライト相からなる組織となっていることを知見した。
そして、このようなミクロ組織を有する穿孔圧延用工具では、ネット状スケールが微細化しており、このネット状スケールの微細化がスケール層の耐剥離性を向上させて、工具の顕著な寿命延長をもたらしたものと考えた。またさらに、スケール層と地鉄との界面直下の基材(地鉄)側組織を微細なフェライト粒を多数含むフェライト相からなる組織となるように熱処理を施すと、合金元素のミクロ偏析(合金元素の不均一性)が生じ、その後、さらにスケールが生成する温度に加熱しゆっくり冷却する処理を施すと、その合金元素のミクロ偏析領域が選択酸化されて、ネット状スケール層が生成するものと考え、そして、これにより工具の寿命延長が可能であることを知見した。
そして、本発明者らの更なる研究により、上記したようなミクロ組織を有する穿孔圧延用工具は、少なくとも1回穿孔圧延に供し寿命であると判定される前の状態では、穿孔圧延時に900〜1200℃に加熱されたにもかかわらず、表層のスケール層が摩滅し薄くなっているかあるいは消失しているだけであり、上記した基材側の合金元素の不均一性(ミクロ偏析)は消失することなく維持されており、1回の更なる適正な熱処理を施すだけで、選択酸化に起因する寿命延長に有効な、地鉄とスケールが複雑に絡み合ったネット状スケール層を再生することが可能で、プラグ母材の損耗を最小限に抑え、プラグ寿命をさらに延長できることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は、つぎのとおりである。
〔1〕少なくとも1回穿孔圧延に供され、耐久性が低下した使用済み穿孔圧延用工具を、寿命であると判定される前に、スケール再生熱処理を施して再生する使用済み穿孔圧延用工具の再生方法であって、前記使用済み穿孔圧延用工具が、質量%で、C:0.05〜0.5%、Si:0.1〜1.5%、Mn:0.1〜1.5%、Cr:0.1〜1.5%、Mo:0.6〜3.5%、W:0.5〜3.5%、Nb:0.1〜1.0%を含み、さらにCo:0.5〜3.5%、Ni:0.5〜4.0%を次(1)式
1.0≦Ni+Co≦4.0 ‥‥(1)
(ここで、Ni、Co:各元素の含有量(質量%))
を満足するように含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する基材からなり、前記使用済み穿孔圧延用工具に、前記スケール再生熱処理として、850〜1000℃の範囲の加熱温度に加熱・保持したのち、一旦、600〜700℃の範囲の温度まで30℃/h以上の冷却速度で冷却し、しかる後に750℃以上800℃以下の温度まで復熱させ、さらに3〜20℃/hの範囲の冷却速度で700℃以下の温度まで冷却する処理を施すことを特徴とする使用済み穿孔圧延用工具の再生方法。
〔2〕〔1〕において、前記スケール再生熱処理に代えて、スケール再生熱処理を、850〜1000℃の範囲の温度に加熱・保持したのち、20〜200℃/hの冷却速度で850〜800℃の温度域まで冷却する前段冷却と、該前段冷却後、前記前段冷却の冷却速度との差が10℃/h以上となるように3〜20℃/hの範囲の冷却速度で700℃以下まで冷却する後段冷却とからなる冷却を施す処理とすることを特徴とする使用済み穿孔圧延用工具の再生方法。
〔3〕〔1〕または〔2〕において、前記組成に加えてさらに、Al:0.05%以下含有することを特徴とする使用済み穿孔圧延用工具の再生方法。
本発明によれば、1段の再生熱処理を、繰返し施すだけで穿孔圧延用工具の著しい長寿命化が達成でき、さらに、過剰なスケール付けに伴うスケールロスによる工具径の減少や工具コストを低減でき、高合金鋼製継目無鋼管製造の生産性を向上できるとともに、高合金鋼製継目無鋼管の製造コストを低減でき、産業上格段の効果を奏する。
本発明で使用済み穿孔圧延用工具に適用する熱処理パターンを模式的に示す説明図である。 未使用状態の穿孔圧延用工具におけるスケール層と地鉄との界面近傍の断面組織を模式的に示す説明図である。 未使用状態の穿孔圧延用工具に適用する熱処理パターンを模式的に示す説明図である。 実施例で使用した、未使用状態の穿孔圧延用工具に適用する熱処理パターンを模式的に示す説明図である。 実施例で、スケール再生熱処理として使用した熱処理パターンを模式的に示す説明図である。
本発明では、未使用状態から、少なくとも1回穿孔圧延に供され、耐久性が低下した状態の使用済み穿孔圧延用工具を出発素材とする。
ここでいう「未使用状態」の穿孔圧延用工具は、特定組成を有する基材の表面層に、例えば図2に示すように、スケール層を有する。そして、このスケール層のうち基材側に形成されるスケール層を、好ましくは深さ方向に10〜200μmの厚さを有する地鉄と複雑に絡み合ったネット状スケール層とすることが好ましい。さらに、このネット状スケール層と基材との界面から、好ましくは深さ方向で少なくとも300μmの範囲の基材側組織を、面積率で50%以上のフェライト相を含み、かつこのフェライト相が最大長さ:1〜60μmのフェライト粒を400個/mm以上含む、フェライト相を主体とする組織とすることが好ましい。ここで、フェライト粒の「最大長さ」とは、ネット状スケール層の平均界面に垂直な断面で観察し、各フェライト粒の長さを測定し、そのうちの最大をその粒の最大長さというものとする。
「未使用状態」の穿孔圧延用工具の好ましい製造方法は、つぎのとおりである。
特定組成の溶鋼を、電気炉、高周波炉等の通常の方法で溶製し、減圧鋳造法、生型鋳造法、シェルモールド法など、通常、公知の方法で鋳造し鋳片としたのち、切削加工等で所定形状の基材(工具)とすることが好ましい。なお、鋼片から切削加工等で所定形状の基材(工具)としてもよい。
得られた基材(工具)は、ついで熱処理(スケール付け熱処理)を施されて、基材表面層にスケール層を形成される。熱処理は、通常の、ガス燃焼炉、電気炉等を用いて行えばよく、また熱処理の雰囲気は大気雰囲気でよく、とくに雰囲気調整を行う必要はない。熱処理としては、とくに限定する必要はないが、第一段と第二段の2段階の熱処理を適用することが好ましい。
第一段の熱処理は、合金元素のミクロ偏析(合金元素の不均一性)が発生する条件であれば、その条件をとくに限定する必要はないが、例えば図3(a)に模式的に示すように、900〜1000℃の範囲の温度に加熱・保持したのち、少なくとも850〜650℃の温度領域を平均で30℃/h以下で冷却(徐冷)する処理とすることが好ましい。これにより、表層にスケール層が形成され、基材(地鉄)組織がフェライトが析出した組織となるとともに、さらに基地中に固溶されたMo、W等の合金元素が温度と冷却速度に応じて拡散し、炭化物として析出したり、結晶粒界近傍に濃縮したりして、基地中に合金元素のミクロ偏析(合金元素の不均一性)が発生する。このミクロ偏析の存在により、その後の熱処理(第二段の熱処理)で、Fe、Mo等の不均一酸化(選択酸化)が生じ、地鉄と複雑に絡み合った界面を有するネット状スケール層が発達する。
第二段の熱処理は、ネット状スケールが発達する条件であれば、その条件をとくに限定する必要はないが、例えば、図3(b)に模式的に示すように、900〜1000℃の範囲の加熱温度に加熱・保持したのち、一旦、600〜700℃の範囲の温度まで30℃/h以上の平均冷却速度(以下、冷却速度、図においてCRとする)で冷却し、しかる後に750℃以上850℃以下の温度まで復熱させ、さらに3〜20℃/hの範囲の冷却速度で700℃以下の温度まで冷却し、その後放冷する熱処理とすることが好ましい。第二段の熱処理としては例えば図3(c)に模式的に示す熱処理としてもよい。これにより、ネット状スケールが発達するとともに、ネット状スケール層直下の基材側組織をフェライト相を主体とする組織で、しかも微細なフェライト相を析出した組織とすることができる。
未使用状態で上記したような組織を有する穿孔圧延用工具、あるいは少なくとも例えば900〜1000℃程度の高温に加熱・保持されたのち、例えば850〜650℃の温度領域を平均で30℃/h以下で徐冷する処理を施された穿孔圧延用工具は、少なくとも1回穿孔圧延に供され、寿命であると判定される前の時点では、基材表面に形成されたスケール層が摩滅し、表層のスケール層が摩滅し薄くなっているかあるいは消失して、耐久性が低下した状態となっている。しかし、スケール層と地鉄との界面から基材側の合金元素の不均一性(ミクロ偏析)は残存している状態となっている。そこで、本発明では、使用済み穿孔圧延用工具に、スケール再生熱処理を施し、ネット状スケールを発達させて再生し、耐久性を向上させ、工具寿命の延長を図る。
本発明で使用するスケール再生熱処理は、図1(a)に模式的に示すように、850〜1000℃の範囲の加熱温度に加熱・保持したのち、一旦、600〜700℃の範囲の温度まで30℃/h以上の冷却速度で冷却し、しかる後に750℃以上800℃以下の温度まで復熱させ、さらに3〜20℃/h の範囲の冷却速度で700℃以下の温度まで冷却する処理とする。これにより、合金元素のミクロ偏析領域の選択酸化が生じ、ネット状スケール層の形成が促進される。また、ネット状スケール層直下の基材側組織をフェライト相を主体とする組織で、しかも微細なフェライト相を析出した組織とすることができ、複雑なネット状スケール層を形成することができる。
加熱温度が、850℃未満では、所望のスケール層厚さが不足し、工具寿命の延長が期待できなくなる。一方、1000℃を超える加熱では、外層のスケール層が過剰に形成され、工具表面の凹凸が大きくなり、工具母材が酸化され工具径が小さくなる。なお、加熱温度での保持は、1〜8hとすることが好ましい。保持時間が、1h未満では、スケールの成長が不十分となる。一方、8hを超えて長時間となると、生産性が低下するとともに、形成されるスケール層が厚くなりすぎて、プラグ寸法精度が低下する。
また、上記した加熱温度で加熱保持した後、600〜700℃の範囲の温度までの冷却速度が、30℃/h未満では、フェライトの生成・成長が促進されフェライトが粗大化し、さらにネット状スケールも粗くなり、工具寿命が低下する。
上記した冷却を600〜700℃の範囲の温度で停止して、750℃以上800℃以下の温度域まで復熱させる。冷却停止温度が600℃未満、あるいは700℃を超える高温では、その後の冷却で、ネット状スケール層直下の基材側組織をフェライト相を主体とする組織で、しかも微細なフェライト相を析出した組織とすることができなくなる。また、復熱後の冷却速度(平均)が3℃/h未満であるか、あるいは20℃/h を超えると、ネット状スケール層が粗くなるとともに、ネット状スケール層直下の基材側組織をフェライト相を主体とする組織で、しかも微細なフェライト相を析出した組織とすることができなくなり、工具寿命が低下する。
なお、上記した3〜20℃/hの範囲の冷却速度で700℃以下の冷却停止温度まで冷却した後の冷却は特に限定する必要はないが、製品サイズ、製造工程など製造プロセスに応じ、空冷、放冷等から適宜選択してすることが好ましい。
また、スケール再生熱処理は、図1(a)に示すパターンに代えて、図1(b)に示すパターンの熱処理としてもよい。
図1(b)に示すパターンの熱処理は、850〜1000℃の範囲の温度に加熱・保持したのち、30〜200℃/hの冷却速度で850〜800℃の温度域まで冷却する前段冷却と、該前段冷却後、前記前段冷却の冷却速度との差が10℃/h以上となるように3〜20℃/hの範囲の冷却速度で700℃以下の温度まで冷却する後段冷却とからなる処理である。
この熱処理は、急冷の前段冷却と、徐冷の後段冷却とを組み合わせた熱処理とすることに特徴がある。高温領域での冷却(前段冷却)を30℃/h未満の徐冷とすると、基材側ではフェライトの成長が顕著となり、冷却中に成長して粗大粒となるため、所望の基材側組織を確保できなくなる。高温領域での冷却(前段冷却)を急冷とし、さらに低温領域の冷却(後段冷却)を20℃/h以下の徐冷とすることによってはじめて、良好なネット状スケール層が生成されるとともにフェライト粒が微細に析出し、所望の基材側組織を確保できるようになる。なお、前段冷却と、後段冷却とは、10℃/h以上の冷却速度差を持たせた冷却とすることが、ネット状スケール層を微細なフェライト粒を多数析出した、複雑なネット状スケール層とするために、有利となる。
なお、上記した後段冷却後の700℃以下の冷却停止温度からの冷却は、特に限定する必要はないが、製品サイズ、製造工程など製造プロセスに応じて、適宜選択することが好ましく、放冷あるいは生産性の観点から100℃/h以上の冷却速度で600℃以下まで冷却することが好ましい。
このようなスケール再生熱処理を施された使用済み穿孔圧延用工具は、その後、複数回の穿孔圧延に供することができる。複数回の穿孔圧延に供された再生済み穿孔圧延用工具は、表面に形成されたスケール層が摩滅するだけで、溶損や焼付き、えぐれなどの発生がなく、寿命であると判断される前であれば、さらに、上記したスケール再生熱処理を繰返し施すことにより、さらに再使用することができ、穿孔圧延用工具の寿命延長に有利に寄与する。
なお、本発明のスケール再生熱処理では、スケール生成速度が速い850℃以上における保持を1回のみとしており、スケール層の過剰生成に伴う工具母材の寸法減少を抑制でき、しかも工具寿命の向上効果を有する。
なお、本発明で使用する使用済み穿孔圧延用工具(プラグ)は特定組成の基材からなる。基材の組成限定理由について説明する。以下、とくに断わらない限り、質量%は単に%で記す。
C:0.05〜0.5%
Cは、固溶して基材の強度を増加させ、さらには炭化物を形成して基材の高温強度の低下を抑制する元素である。このような効果を得るためには、0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.5%を超える含有は、基材組織をフェライト相が析出した組織とすることが困難となり、さらに融点が低下し高温強度が低下して、プラグ寿命が低下する。このため、Cは0.05〜0.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.1〜0.4%である。
Si:0.1〜1.5%
Siは、固溶強化により基材の強度を増加させるとともに、基材の炭素活量を増加させて、脱炭層を形成しやすくし、基材組織をフェライト相が析出した組織を形成しやすくする作用を有する。このような効果を得るためには、0.1%以上の含有を必要とする。一方、1.5%を超える含有は、緻密な酸化物を基材表面に形成し、ネット状スケール層の形成を阻害する。このため、Siは0.1〜1.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.2〜1.0%である。
Mn:0.1〜1.5%
Mnは、固溶して基材の強度を増加させるとともに、不純物として混入し材質に悪影響を及ぼすSと結合しMnSを形成し、Sの悪影響を抑制する。このような効果を得るためには、0.1%以上の含有を必要とする。一方、1.5%を超える含有は、ネット状スケールの成長を阻害する。このようなことから、Mnは0.1〜1.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.2〜1.0%である。
Cr:0.1〜1.5%
Crは、固溶して基材の強度を増加させ、また炭化物を形成し高温強度を増加させ、プラグの耐熱性を高める作用を有する。また、CrはFeより酸化しやすい元素であり、選択酸化を助長する。このような効果を得るためには、0.1%以上の含有を必要とする。一方、1.5%を超える含有は、緻密なCr酸化物を形成し、ネット状スケール層の成長を阻害するとともに、基材の炭素活量を低下させて、脱炭層の成長を阻害し、フェライト相が析出した基地組織の形成を抑制する。このため、Crは0.1〜1.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.2〜1.0%である。
Mo:0.6〜3.5%
Moは、フェライト相中にミクロ偏析し、選択酸化を誘起しネット状スケール層の形成を促進させる重要な元素である。また、Mo系酸化物は、650℃以上の温度で昇華を開始し、酸化反応に係るH、HO、CO、COの経路を形成し、選択酸化および脱炭層の形成を促進する。このような効果は、0.6%以上の含有で認められる。一方、3.5%を超える含有は、ミクロ偏析が抑制され、ネット状スケール層の成長が抑制され、スケール層の密着性が低下するとともに、融点が低下しプラグの溶損を助長し、耐熱性が低下する。このため、Moは0.6〜3.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.8〜2.0%である。
W:0.5〜3.5%
Wは、Moと同様に、フェライト相中にミクロ偏析し、選択酸化を助長するとともに、Ni、Coの負偏析部を形成しやすくして、ネット状スケール層の成長を助長する。また、Wは固溶強化により、基材の強度を増加し、炭化物を形成しプラグの高温強度を増加する。このような効果は、0.5%以上の含有で認められるが、3.5%を超える含有は、ミクロ偏析が抑制され、ネット状スケール層の成長を阻害するとともに、スケール融点が低下しプラグの溶損を助長する。このため、Wは0.5〜3.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.0〜3.0%である。
Nb:0.1〜1.0%
Nbは、炭化物形成元素であり、Cと結合して炭化物を形成し、基材中の遊離Cを減少して、フェライト相の生成を助長し、フェライト相を主体とする基地組織の形成に寄与する。また、Nb炭化物は結晶粒界に生成しやすく、また同時に非常に酸化しやすいため、酸素の侵入経路となって、スケール層の成長を助長する作用を有する。また、NbはMoとの親和力が大きいため、Moのミクロ偏析を促進するという効果もある。このような効果を得るためには、Nbは0.1%以上含有する必要がある。一方、1.0%を超える含有は、炭化物が粗大化し、プラグを割損させやすくする。このため、Nbは0.1〜1.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.1〜0.8%である。
Co:0.5〜3.5%
Coは、固溶して基材の高温強度を高めるとともに、FeやMoより酸化し難いため、Fe、Moの選択酸化を促進しネット状スケールの形成を助長する。そして、Coは、ネット状スケールの成長過程で選択酸化部近傍の地鉄中に濃縮される。Coが濃縮された地鉄領域はまた酸化が抑制されるため、地鉄とスケールが複雑に絡み合った形態を形成しやすくする。また、Coが濃縮された地鉄領域は展延性に富むため、地鉄とネット状スケールとのなじみが向上し、スケールの剥離を防止できる。このような効果を得るためには、Coを0.5%以上含有する必要がある。一方、3.5%を超えて含有すると、Coが基材とスケール層との界面に線状に濃縮するため、Mo、Feの選択酸化を抑制し、ネット状スケール層の成長が困難となる。このため、Coは0.5〜3.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.5〜3.0%である。
Ni:0.5〜4.0%
Niは、固溶して基材の強度、靭性を向上させるとともに、FeやMoより酸化し難いため、Fe、Moの選択酸化を促進しネット状スケールの形成を助長する。そして、Niは、ネット状スケールの成長過程で選択酸化部近傍の地鉄中に濃縮される。Niが濃縮された地鉄領域はまた酸化が抑制されるため、地鉄とスケールが複雑に絡み合った形態を形成しやすくする。また、Niが濃縮された地鉄領域は展延性に富むため、地鉄とネット状スケールとのなじみが向上し、スケールの剥離を防止できる。このような効果を得るためには、0.5%以上の含有を必要とする。一方、4.0%を超えて含有すると、Niが基材とスケール層との界面に線状に濃縮するため、Mo、Feの選択酸化を抑制し、ネット状スケール層の成長が困難となる。このため、Niは0.5〜4.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.0〜3.0%である。
なお、Ni、Coは、上記した含有範囲内で、かつ次(1)式
1.0≦Ni+Co≦4.0 ‥‥(1)
(ここで、Ni、Co:各元素の含有量(質量%))
を満足するように調整する。NiとCoの含有量の合計である(Ni+Co)が1.0未満では、ネット状スケール層の形成が不十分であり、一方、4.0超えでは、Ni、Coが基材とスケール層の界面に過剰に濃縮し、Fe、Moの選択酸化を抑制し、ネット状スケール層の生成を困難とする。このようなことから、(Ni+Co)を1.0以上4.0以下に限定した。
上記した成分が基本の成分であるが、基本の組成に加えてさらに、選択元素としてAl:0.05%以下を必要に応じて含有できる。
Al:0.05%以下
Alは、脱酸剤であり、必要に応じて含有できる。このような効果は0.005%以上の含有で顕著となる。一方、0.05%を超える含有は、鋳造性が低下し、ピンホール、引け巣等の欠陥が発生しやすくなる。一方、0.05%を超えて過剰に含有すると、熱処理時に表面に緻密なAlO膜が形成され、ネット状スケール層の形成を阻害する。このため、Alは、含有する場合には、0.05%以下に限定することが好ましい。
なお、脱酸剤として、Alに代えて、REM:0.05%以下、Ca:0.01%以下を含有してもよい。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。不可避的不純物としては、P:0.05%以下、S:0.03%以下、さらにN:0.06%以下、Ti:0.001%以下、Zr:0.01%以下、V:0.6%以下、Pb:0.05%以下、Sn:0.01%以下、Zn:0.01%以下、Cu:0.2%以下が許容できる。
以下、実施例に基づいて、さらに本発明について説明する。
表1に示す組成の溶鋼を、大気雰囲気の高周波炉で溶製し、減圧鋳造法(Vプロセス)で鋳造し、最大外径:174mmφのピアサプラグ(穿孔圧延用工具)とした。得られたピアサプラグ(穿孔圧延用工具)を基材とし、該基材に、図4(a)又は(b)に示すスケール付け熱処理を施し、ネット状スケール層を生成した新品(未使用状態)の穿孔圧延用工具(プラグ)とした。
ついで、これら新品(未使用状態)の穿孔圧延用工具を出発素材として、13Cr鋼の穿孔圧延に供した。穿孔圧延は4本とし、穿孔圧延終了後に、工具表面を観察し、溶損や焼付き、えぐれの発生の有無を検査し、寿命に到達しているかどうかを判定した。溶損や焼付き、えぐれの発生がなく、寿命に到達していない場合には、図5(a)、(b)、(c)、(d)に示す熱処理を、第1回スケール再生熱処理として施した。
ついで、第1回スケール再生熱処理を施し再生された穿孔圧延用工具を穿孔圧延に供した。穿孔圧延は同様に4本とした。穿孔圧延終了後、同様に、工具表面を観察し、寿命に到達しているかどうかを判定した。このような工程を、寿命に到達するまで繰返し実施し、寿命に到達するまでの合計の穿孔圧延回数をその工具寿命とした。
なお、新品(未使用状態)の穿孔圧延用工具を、途中で、スケール再生熱処理を施さずに、穿孔圧延に供した場合を従来例とした。
得られた結果を表2に示す。
Figure 0005900241
Figure 0005900241
本発明例は、いずれも、従来例に比較して工具寿命が長寿命側となっている。一方、本発明の範囲を外れた比較例は、短い工具寿命となっている。

Claims (3)

  1. 少なくとも1回穿孔圧延に供され、耐久性が低下した使用済み穿孔圧延用工具を、寿命であると判定される前に、スケール再生熱処理を施して再生する使用済み穿孔圧延用工具の再生方法であって、
    前記使用済み穿孔圧延用工具が、質量%で、
    C:0.05〜0.5%、 Si:0.1〜1.5%、
    Mn:0.1〜1.5%、 Cr:0.1〜1.5%、
    Mo:0.6〜3.5%、 W:0.5〜3.5%、
    Nb:0.1〜1.0%
    を含み、さらにCo:0.5〜3.5%、Ni:0.5〜4.0%を下記(1)式を満足するように含み、
    残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する基材からなり、
    前記使用済み穿孔圧延用工具に、前記スケール再生熱処理として、
    850〜1000℃の範囲の加熱温度に加熱・保持したのち、一旦、600〜700℃の範囲の温度まで30℃/h以上の冷却速度で冷却し、しかる後に750℃以上800℃以下の温度まで復熱させ、さらに3〜20℃/h の範囲の冷却速度で700℃以下の温度まで冷却する処理を施すことを特徴とする使用済み穿孔圧延用工具の再生方法。

    1.0≦Ni+Co≦4.0 ‥‥(1)
    ここで、Ni、Co:各元素の含有量(質量%)
  2. 前記スケール再生熱処理に代えて、スケール再生熱処理を、
    850〜1000℃の範囲の温度に加熱・保持したのち、20〜200℃/hの冷却速度で850〜800℃の温度域まで冷却する前段冷却と、該前段冷却後、前記前段冷却の冷却速度との差が10℃/h以上となるように3〜20℃/hの範囲の冷却速度で700℃以下まで冷却する後段冷却とからなる冷却を施す処理とすることを特徴とする請求項1に記載の使用済み穿孔圧延用工具の再生方法。
  3. 前記組成に加えてさらに、Al:0.05%以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載の使用済み穿孔圧延用工具の再生方法。
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