JP5900213B2 - 電気めっき鋼板の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自溶性電極および不溶性電極を用いて、自溶性電極を消費しつつ電気めっきを行う電気めっき鋼板の製造装置に関する。
従来、錫めっき等の電気めっき鋼板の製造は、鋼板と電極に電気をかけることによって行われている。電気めっき鋼板としては、錫めっき、亜鉛めっきなどが挙げられるが、例えば、錫めっきでは、錫を電気めっきする電気錫めっきライン(ETL:Electrolytic Tinning Line)で行われている(特許文献1参照)。
このような電気錫めっきライン、即ち、錫めっき鋼板の製造ラインにおいて、不溶性電極を用いる場合には、錫イオンは薬剤によって供給される。一方、可溶性又は自溶性錫電極を陽極として使用している場合には、錫電極自身が溶融されることによって、錫イオンを供給している。そのため、時間の経過と共に錫電極自身が消費されていく。したがって、連続的にめっき処理を行うラインにおいて自溶性錫電極を用いる場合には、所定量消費される毎に電極を交換したり、補充することが行われている。
このように自溶性錫電極を使用して電気めっきを行う場合には、錫電極自身が溶融されつつ、錫イオンを供給することにより、鋼板のめっき処理が行われるが、電流効率は100%ではないこと等の原因により、稼働時間が増加するにつれてめっき液中の錫濃度が増加するので、めっき液の濃度調整を行う必要がある。
しかしながら、めっき液の濃度調整を行うと、錫以外の他の薬液の濃度調整も必要になるため、コストがかかっていた。
そのため、自溶性錫電極の一部を不溶性電極に変えてめっき処理を行うことにより、めっき液中の錫濃度の増加を防止することが行われていた。
ところで、前述のとおり、自溶性錫電極を用いる錫めっき鋼板の製造ラインにおいては、時間の経過とともに自溶性錫電極が消費されるので、自溶性錫電極の交換や補充を行う必要がある。
自溶性錫電極の交換や補充のために鋼板の走行を停止すると生産性が低下してしまうので、自溶性錫電極に鉤状の係合部を設けて、水平に設置された棒状(管状)の係止部材に係合させて着脱容易に支持し(垂下し)、鋼板の走行を停止せずに交換や補充をすることが行われている。
そのため、前述のように自溶性錫電極に代えて不溶性電極を配置して、めっき液中の錫濃度の増加を防止する場合にも、不溶性電極に係合部を設けて、不溶性電極を係止部材に係合させて支持している。
特開2006−348354号公報
前述のように、自溶性錫電極および不溶性電極に係合部を設けて、棒状の係止部材に係合させて電極を支持する場合には、自溶性錫電極および不溶性電極と係止部材とを電気的に接続し、係止部材を介して自溶性錫電極および不溶性電極に電力を供給する必要がある。
不溶性電極は、使用時間が増加するにつれて、係止部材との接触部が徐々に摩耗してしまうため、係止部材との接触部が摩耗した状態で電力を供給すると、不溶性電極と係止部材との間で放電が発生してしまう。そのため、不溶性電極の交換や補修が必要となるが、不溶性電極は素材として、白金等を用いるため非常に高価であり、補修費用が高くなってしまうという問題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消することにあり、自溶性電極を用いる電気めっき鋼板の製造装置において、めっき液中のイオン濃度を調整するために不溶性電極を配置してめっき処理を行う場合に、摩耗した不溶性電極の補修を容易にすると共に、摩耗した部分のみを補修できるようにして、補修費用を低減することができる電気めっき鋼板の製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、パスラインに沿って配置されめっき液が満たされた複数のめっきセル内を連続的に走行する鋼板に電気めっきを行う電気めっき鋼板の製造装置において、少なくとも一部が前記めっきセル内のめっき液に浸漬され、鋼板に対面して配置されて、鋼板との間に通電して溶融されながら、走行する鋼板に連続的に電気めっきを行う少なくとも1つの自溶性電極と、少なくとも一部がめっきセル内のめっき液に浸漬され、鋼板に対面して配置されて、鋼板との間に通電して、走行する鋼板に連続的に電気めっきを行う少なくとも1つの不溶性電極と、自溶性電極および不溶性電極をそれぞれ垂下し、自溶性電極及び不溶性電極と電気的に接続される複数の係止部材とを備え、不溶性電極は、最大面が鋼板に対面する本体部と、係止部材に係止されると共に、電気的に接続される接触部とを有し、本体部と接触部とが、着脱可能に形成されることを特徴とする電気めっき鋼板の製造装置を提供する。
ここで、自溶性電極は、鋼板の搬送方向と直交する幅方向に複数配置されることが好ましい。
また、不溶性電極は、鋼板の搬送方向と直交する幅方向に複数配置され、複数の不溶性電極の本体部の鋼板に対面する面は、鋼板に平行な同一面上に形成されることが好ましい。
また、係止部材は、鋼板の搬送方向と直交する幅方向に延在する棒状の部材であり、鋼板の表面に対して傾斜して配置されることが好ましい。
また、不溶性電極は、少なくとも表面が白金からなることが好ましい。
また、不溶性電極は、本体部と接触部とを固定する固定部材を有し、固定部材の少なくとも表面は、本体部の表面と同じ材質からなることが好ましい。
また、不溶性電極は、前記自溶性電極が配置されないめっきセルに配置されることが好ましい。
また、複数のめっきセル内のめっき液を循環させる循環手段を有することが好ましい。
本発明によれば、不溶性電極が、係止部材との接触部を着脱可能に形成されることにより、係止部材との接触部が摩耗した場合でも、摩耗した部分のみを交換することで補修することができるので、容易に補修できると共に、白金等の高価な材料が用いられている不溶性電極の補修費用を低減することができる。
本発明に係る電気めっき鋼板の製造装置の一例を概念的に示す図である。 図1に示す電気めっき鋼板の製造装置の自溶性電極と鋼板とのめっきパスを示す概略断面図である。 図1に示す電気めっき鋼板の製造装置の不溶性電極と鋼板とのめっきパスを示す概略断面図である。 図3に示すめっきパスの側面図である。 (A)は、図4に示す不溶性電極をa方向から見た部分拡大図であり、(B)は、(A)のB−B線断面図である。
以下に、本発明に係る電気めっき鋼板の製造装置を、添付の図面に示す好適実施形態を参照して詳細に説明する。
図1に、本発明の電気めっき鋼板の製造装置の一例を概念的に示す。
図1に示す電気めっき鋼板の製造装置は、電気錫めっきライン又はETL(Electrolytic Tinning Line)と呼ばれる電気錫めっき鋼板の製造ラインとしても用いられるもので、図示しない駆動源によって駆動される搬送ロール等(図示せず)によって搬送されて、走行する鋼板11に連続的に電気錫めっき等の電気めっきをするためのもので、電気めっきラインを構成するように連続的に配設された複数のめっきセルを有する。
以下の説明では、電気錫めっきの場合を具体的な代表例として説明するが、本発明はこれに限定されず、自溶性電極および不溶性電極を用いる電気めっきであれば、どのようなものにも適用可能である。例えば、錫めっきの他、亜鉛めっき、ニッケルめっき等を挙げることができる。
また、本発明が適用される電気めっき鋼板の製造装置10は、電気めっき工程を実施するめっきセクションであるが、そのライン速度や、めっき鋼板の板厚や板幅、陽極30に印加される電流等は、特に限定されるものではない。
また、各めっきセル12においては、陽極30を引き上げることにより、めっきパス34の形成自体を無くすこともできるが、鋼板11に対向して配置される陽極30への通電を選択的に停止することにより、めっきパス34の機能を選択的に無くし、鋼板11表面へのめっきを選択的に停止することができるように構成されている。
電気めっき鋼板の製造装置10は、鋼板の搬送方向の最上流側のめっきセル12bと、めっきセル12bの下流側の複数のめっきセル12aと、めっきセル12(12a、12b)内のめっき液22を循環させるための循環タンク14と、めっき液22を循環タンク14からめっきセル12(12a、12b)に送液するためのポンプ16とを有する。
各めっきセル12aは、内部にめっき液22が満たされためっきタンク20と、めっき液22に浸漬され、鋼板11を搬送する浸漬ロール24と、めっきタンク20の側壁部20aの上部に各々配設され、鋼板11を搬送する搬送ロール26と、鋼板11に電気的に接触して通電する通電ロール28と、下部がめっき液22内に浸漬され、鋼板11に対面して配置される陽極(アノード)30と、各めっきセル12a内の各陽極30と各通電ロール28との間に電力を供給する直流電源(図示せず)と、を有する。
めっきタンク20は、内部に錫めっき液等のめっき液22を貯留するものであり、めっき液22が満たされた内部には、浸漬ロール24と、複数の自溶性電極40からなる陽極(アノード)30とが配置される。
浸漬ロール24は、めっきタンク20内のめっき液22に浸漬され、鉛直上方からめっき液22内に侵入し下方に走行する鋼板11を巻き掛けて鉛直上方に搬送する搬送ロールである。
搬送ロール26は、隣接する2つのめっきタンク20の側壁部20aの上部に各々配設され、鋼板11を巻き掛けて、上流側のめっきタンク20内の浸漬ロール24から下流側のめっきタンク20内の浸漬ロール24に搬送する搬送ロールである。
通電ロール28は、各搬送ロール26に巻き掛けられて搬送される鋼板11に電気的に接触して通電し、鋼板11を陰極として機能させるためのロールである。
陽極30は、めっきタンク20内のめっき液22に浸漬され、上流側の搬送ロール26と浸漬ロール24とで搬送されている鋼板11、および、浸漬ロール24と下流側の搬送ロール26とで搬送されている鋼板11の各表裏面にそれぞれ対向して所定間隔離間して配置され、陰極となる鋼板11との間で通電して、めっきパス34を形成するものである。
ここで、図示例の各めっきセル12aにおいては、めっきタンク20内のめっき液22中を搬送される鋼板11の表裏面にそれぞれ対向して陽極30が配置されており、鋼板11の一方の面と陽極30によって錫めっき等の電気めっきのための1つのめっきパス34が形成される。即ち、図示例の各めっきセル12において形成されるめっきパス34は、上流側の搬送ロール26と浸漬ロール24とで搬送されている鋼板11の表裏面と各面に対向する陽極30によって形成される2つのダウンパスと、浸漬ロール24と下流側の搬送ロール26とで搬送されている鋼板11の表裏面と各面に対向する陽極30によって形成される2つのアップパスとで構成される。
図2に、めっきセル12a内の陽極30(アノード)と鋼板11とのめっきパス34を示す。
めっきパス34は、鋼板11と、鋼板11の両面に配置される陽極30からなり、図面での鋼板11の下面側に配置される陽極30aから形成されるめっきパス34aと、鋼板11の上面側に配置される陽極30bからなるめっきパス34bからなる。なお、めっきパス34aとめっきパス34bとは、同様の構成を有するものであるので、めっきパス34aを代表例として説明する。
図2に示すように、めっきパス34aの陽極30aは、鋼板11の下面側に配置され、それぞれ、鋼板11の、走行方向と直交する幅方向に配列された複数、例えば、図示例では6本の自溶性電極40(40a〜40f)と、自溶性電極40を係止する係止部材(フィーダーバー)38とを有する。
自溶性電極40は、錫等のめっき金属で形成される棒状の部材であり、上部にフック(鉤状部)を有し、係止部材38にフックを引っ掛けることにより、一部がめっき液22内に浸漬され垂下された状態で係止部材38に支持される。
また、自溶性電極40は、係止部材38と電気的に接続されて、係止部材38を介して直流電源(図示せず)から電力を供給される。これにより、めっき液22中を搬送される鋼板11に通電し、自身から錫等のめっき金属(錫イオン等のめっき金属イオン)を溶出させ、それをめっき液22に接触している鋼板11の表裏面に電析させて、めっき処理をおこなう。
係止部材38は、自溶性電極40を係止するための棒状の部材であり、めっきタンク20の上方に、鋼板11の幅方向を長手方向として、鋼板11の表面に対して所定の傾斜角度で傾斜して配置されている。また、係止部材38は、長手方向に垂直な断面が略矩形状であり、鉛直方向の上面は鋼板11から離間する方向において下方に傾斜している(図4参照)。
また、係止部材38には、直流電源(図示せず)が接続され直流電源から電力が供給される。
前述のとおり、自溶性電極40を用いて電気めっきを行う場合には、時間の経過とともに自溶性電極40が消費されるので、自溶性電極40の交換や補充を行う必要があるが、自溶性電極40の交換や補充のために鋼板11の走行を停止すると生産性が低下してしまう。
これに対して、自溶性電極40を幅方向で複数に分割して、各電極にフック(鉤状部)を形成し、棒状の係止部材38に係止させて自溶性電極40を支持する構成とすることで、鋼板11の走行中であっても自溶性電極40の両端部において、自溶性電極40の一部分の取り付け取り外しができるので、鋼板11の走行を停止せずに交換や補充をすることができる。
具体的に、自溶性電極40の交換、補充について、図2中の下側のめっきパス34aを用いて説明する。
めっきパス34aの陽極30aの自溶性電極40(40a〜40f)のうち、図中左端の自溶性電極40aが抜き取るべき予め設定された厚さとなると、左端の自溶性電極40aは抜き取られ、その右側にあった残りの自溶性電極40b〜40fがそれぞれ電極幅分だけ左側に移動される。右端の空いた領域には新しい自溶性電極40が取り付けられ、6つの自溶性電極40により、新たに陽極30aが形成される。
このように、陽極30aを複数の自溶性電極40で形成し、一方の端側から薄くなった自溶性電極40を抜き取り、残った自溶性電極40を順次移動させて、新しい自溶性電極40を他端側に取り付けて、自溶性電極40の交換、補充を行うので、鋼板11の走行を停止させる必要がなく、生産性が低下することを防止できる。
めっきセル12bは、複数のめっきセル12aの上流側に配置されている。
なお、めっきセル12bは、自溶性電極40に代えて不溶性電極42が配置される以外は、めっきセル12aと同じ構成を有するので、同じ部材には同じ符号を付し、以下の説明は異なる部分を主に行う。
めっきセル12bは、内部にめっき液22が満たされためっきタンク20と、めっき液22に浸漬され、鋼板11を搬送する浸漬ロール24と、めっきタンク20の側壁部20aの上部に各々配置され、鋼板11を搬送する搬送ロール26と、鋼板11に電気的に接触して通電する通電ロールと、下部がめっき液22に浸漬され、鋼板11に対面して配置される陽極(アノード)32と、めっきセル12b内の陽極32と通電ロール28との間に電力を供給する直流電源(図示せず)と、を有する。
陽極32は、めっきタンク20内のめっき液22に浸漬され、浸漬ロール24と下流側の搬送ロール26とで搬送される鋼板11の裏面に対面して所定間隔離間して配置され、陰極となる鋼板11との間で通電してめっきパス36を形成するものである。
図3に、めっきセル12b内の陽極32と鋼板11とのめっきパス36を示す。なお、図3においては、図中上側を鋼板11の裏面として図示している。
めっきパス36は、鋼板11と鋼板11の裏面に配置される陽極32とから形成される。
図3に示すように、めっきパス36の陽極32は、鋼板11の裏面側に配置され、鋼板11の幅方向に配列された複数の、図示例では6本の不溶性電極42(42a〜42f)と、不溶性電極42を係止する係止部材(フィーダーバー)38とを有する。
図4に、めっきパス36の側面図を示し、図5(A)に、図4の不溶性電極42をa方向から見た部分拡大図を示し、図5(B)に、(A)のB−B線断面図を示す。
不溶性電極42は、棒状の部材であり、鋼板11と対面する最大面を有する本体部44、係止部材38に係止する接触部46、ならびに、本体部44と接触部46とを固定する固定部材であるボルト48、ナット50およびワッシャ52を有する。
本体部44は、母材がチタンで表面が白金でめっきされた棒状の部材で、最大面を鋼板11の裏面に対面させて、長手方向を鉛直方向に一致させて配置される。
図5(A)および(B)に示すように、本体部44の鋼板11と対面する面の反対側の面には、接触部46が固定される。接触部46が固定される位置には、接触部46を固定するためのボルト48が貫通する貫通孔44aが形成されている。また、本体部44の長手方向上端部側には、不溶性電極42を係止部材38に係合させる際に不溶性電極42をハンドリングする治具と係合する貫通孔44bが形成されている。
また、図3に示すように、本体部44は、幅方向の配置位置に応じて、異なる厚さに形成されている。すなわち、図に示すように、係止部材38は、鋼板11に対して傾斜して設置されるので、不溶性電極42a〜42fの鋼板11と対面する面が、鋼板11に平行で、かつ、同一面上に配置されるように、鋼板11に近い位置に配置される不溶性電極42aの本体部44は、薄く形成され、鋼板11から遠い位置に配置される不溶性電極42fの本体部44は、厚く形成され、これらの間に配置される不溶性電極42b〜42eは、鋼板11から遠い位置に配置されるものほど、本体部44が厚く形成されている。
接触部46は、母材がチタンで表面が白金でめっきされた板状の部材で、本体部44の鋼板11と対面する面とは反対側の面に固定される。また、本体部44と接する面には、接触部46を本体部44に固定するためのボルト48が貫通する貫通孔46aが形成されている。
また、接触部46の鉛直方向下側の面は、鋼板11から離間する方向において下方に傾斜しており、本体部44と共に鉤状部(フック)を形成し、この鉤状部が係止部材38に係合されて、不溶性電極42が垂下され支持されると共に、係止部材38と電気的に接続される。
本体部44と接触部46とを固定する固定部材であるボルト48、ナット50およびワッシャ52は、チタンからなる母材に表面が白金でめっきされて形成されている。
このように、本体部44と接触部46とを固定する固定部材の表面を本体部44の表面の材質と同じにすることにより、不溶性電極42の電気的な特性を、本体部と接触部とが一体的に形成された不溶性電極と同等にすることができる。
係止部材38に係合された不溶性電極42は、係止部材38と電気的に接続されて、係止部材38を介して直流電源(図示せず)から電力を供給される。これにより、めっき液22中を搬送される鋼帯11に通電し、めっき液22中の錫イオンをめっき液22に接触している鋼板11の裏面に電析させてめっき処理を行う。
前述のとおり、自溶性電極40を用いるめっき鋼板の製造ラインにおいては、稼働時間が増加するにつれてめっき液22中の錫(めっき金属)濃度が増加するため、ライン中に不溶性電極42を設置して、不溶性電極42を陽極32としてめっき処理を行い、めっき液22中の錫イオンを消費することにより、めっき液22中の錫濃度の増加を防止する。
ここで、前述のとおり、不溶性電極に鉤状部を設けて棒状の係止部材38に係合させて、不溶性電極を支持する場合に、不溶性電極は、使用時間が増加するにつれて、係止部材38との接触部位、図示例においては、係止部材38の上面と接触する接触部の下面が徐々に摩耗してしまうため、係止部材38との接触部位が摩耗した状態で電力を供給すると、不溶性電極と係止部材38との間で放電が発生してしまう。そのため、不溶性電極の交換や補修が必要となるが、不溶性電極は素材として、白金等を用いるため非常に高価であり、不溶性電極の全体を交換すると、補修費用が高くなってしまうという問題があった。
これに対して、本発明は、不溶性電極42を、鋼板11に対面する本体部44と、係止部材38に係合され電気的に接続される接触部46とにより形成し、本体部44と接触部46とを着脱可能に固定することにより、係止部材38との接触部位が摩耗した場合にも、係止部材38と接触し摩耗した接触部46のみを交換することができるので、不溶性電極42を容易に補修できると共に、白金等の高価な材料が用いられている不溶性電極42の補修費用を低減することができる。
なお、不溶性電極42と係止部材38とを係止した際に、係止部材38の上面と接触する領域は、不溶性電極42の自重がかかり圧力が高くなるので、接触による摩耗が大きくなる。したがって、少なくとも係止部材38の上面と接触する領域は、接触部46とするのが好ましい。
ここで、図示例においては、不溶性電極42からなる陽極32は、最上流側のめっきセル12bに1つ配置したが、本発明はこれに限定はされず、2以上の陽極32を配置してもよい。
また、不溶性電極42からなる陽極32が配置されるめっきセル12bを1つ有する構成としたが、これに限定はされず、不溶性電極42からなる陽極32が配置されるめっきセル12bを2以上有してもよい。
また、めっきセル12bは、自溶性電極40からなる陽極30が配置される複数のめっきセル12aの上流側に配置したが、これに限定はされず、めっきセル12aの間に配置されてもよいし、めっきセル12aの下流側に配置されてもよい。
また、図示例においては、不溶性電極42からなる陽極32は、自溶性電極40からなる陽極30が配置されるめっきセル12aとは異なるめっきセル12bに配置する構成としたが、これに限定はされず、不溶性電極42からなる陽極32と、自溶性電極40からなる陽極30とを同じめっきセルに配置してもよい。
さらに、図示例においては、1つの陽極において、幅方向での電極は、すべて、不溶性電極42か自溶性電極40のどちらかとなっているが、1つの陽極に不溶性電極42と自溶性電極40が混在していてもよい。ただし、自溶性電極の交換のしやすさや、電析状態の差異などを考慮すると、別々の陽極とすることが好ましい。
また、不溶性電極42を配置する数の設定は、自溶性電極からのめっき成分の溶解量と電析量とのバランス等を考慮して適宜決定すればよい。
また、図示例においては、不溶性電極42からなる陽極32は、鋼板11の裏面側のアップパスに配置したが、これに限定はされず、鋼板11の表面側に配置してもよく、また、ダウンパスに配置してもよい。
また、図3において、不溶性電極42として、幅方向に分割され、幅方向の配値位置に応じて異なる厚さの複数の電極(42a〜42f)からなる例を示したが、これは、不溶性電極42の設置位置を流動的に選択可能とし、自溶性電極40の取り付け治具(係止部材38)をそのまま転用するために好ましい形態である。ただし、不溶性電極42の位置を固定とする場合には、自溶性電極40の取り付け治具を転用する必要はなく、不溶性電極42用の取り付け治具(係止部材)を設置すればよいので、幅方向の配値位置に応じて厚さを変える必要はなく、不溶性電極42の鋼板11と対面する面が、鋼板11に平行で、かつ、同一面上に配置されるようになっていればよい。また、図3では、幅方向で6分割としているが、分割数は特に限定はされず、また、分割しなくてもよい。
また、本実施例においては、不溶性電極42の本体部44および接触部46は、チタンを母材として、表面に白金をめっきして形成されたが、これに限定はされず、全体を白金としてもよい。
また、表面の材質を白金としたが、これに限定はされず、不溶性電極として用いられる各種の金属が適用可能であり、例えば、イリジウム等の金属を用いてもよい。また、母材の材質をチタンとしたが、これに限定はされず、例えば、ステンレス鋼(SUS)等の金属を用いてもよい。
循環タンク14は、全てのめっきセル12(12a、12b)に接続され、図1中に矢印で示すように、各めっきセル12からめっき液22が流入すると共に、ポンプ16を介して各めっきセル12にめっき液22を供給し、各セルの上部よりオーバーフローしためっき液を循環タンク14に戻す(図示せず)ことにより、めっき液22を循環させる。
また、循環タンク14内では、各めっきセル12から流入しためっき液22は撹拌されてもよい。また、めっき液22内の薬液の濃度調整を行ってもよい。
めっきセル12のめっき液22を循環させることにより、不溶性電極42を有するめっきセル12bによって、めっき液22内の錫イオン(めっき金属イオン)が消費されるので、自溶性電極40を有するめっきセル12a内のめっき液22内の錫イオンの濃度が増加するのを防止することができる。
なお、循環タンク14と各めっきセル12との間のめっき液22の流量は特に限定はなく、各めっきセル12内のめっき液22の錫濃度や薬剤の濃度が所定の範囲に維持されればよい。
また、上記実施例においては、循環タンク14およびポンプ16により、全てのめっきセル12(12a、12b)のめっき液22を循環させる構成としたが、本発明はこれに限定はされず、1つのめっきセルに自溶性電極40からなる陽極30と不溶性電極42からなる陽極32とを配置して、1つのめっきセル内において、めっき液22内のめっき金属イオンの濃度が増加することを防止する構成としてもよい。
以上、本発明に係る電気めっき鋼板の製造装置について具体的に錫めっきでの実施形態及び実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は以上の実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
10 電気めっき鋼板の製造装置
11 鋼板
12a、12b めっきセル
14 循環タンク
16 ポンプ
20 めっきタンク
22 めっき液
24 浸漬ロール
26 搬送ロール
28 通電ロール
30a、30b、32 陽極(アノード)
34a、34b、36 めっきパス
38 係止部材(フィーダーバー)
40、40a、40b、40c、40d、40e、40f 自溶性電極
42、42a、42b、42c、42d、42e、42f 不溶性電極
44 本体部
44a、44b、46a 貫通孔
46 接触部
48 ボルト
50 ナット
52 ワッシャ

Claims (8)

  1. パスラインに沿って配置され、めっき液が満たされた複数のめっきセル内を連続的に走行する鋼板に電気めっきを行う電気めっき鋼板の製造装置において、
    少なくとも一部が前記めっきセル内のめっき液に浸漬され、前記鋼板に対面して配置されて、前記鋼板との間に通電して溶融されながら、走行する前記鋼板に連続的に電気めっきを行う少なくとも1つの自溶性電極と、
    少なくとも一部が前記めっきセル内のめっき液に浸漬され、前記鋼板に対面して配置されて、前記鋼板との間に通電して、走行する前記鋼板に連続的に電気めっきを行う少なくとも1つの不溶性電極と、
    前記自溶性電極および前記不溶性電極をそれぞれ垂下し、前記自溶性電極および前記不溶性電極と電気的に接続される複数の係止部材とを備え、
    前記不溶性電極は、最大面が前記鋼板に対面する本体部と、前記係止部材に係止されると共に、電気的に接続される接触部とを有し、前記本体部と前記接触部とが、着脱可能に形成され
    前記本体部の表面の形成材料と前記接触部の表面の形成材料とが同じであることを特徴とする電気めっき鋼板の製造装置。
  2. 前記自溶性電極は、前記鋼板の搬送方向と直交する幅方向に複数配置される請求項1に記載の電気めっき鋼板の製造装置。
  3. 前記不溶性電極は、前記鋼板の搬送方向と直交する幅方向に複数配置され、複数の前記不溶性電極の前記本体部の前記鋼板に対面する面は、前記鋼板に平行な同一面上に形成される請求項1または2に記載の電気めっき鋼板の製造装置。
  4. 前記係止部材は、前記鋼板の搬送方向と直交する幅方向に延在する棒状の部材であり、前記鋼板の表面に対して傾斜して配置される請求項1〜3のいずれかに記載の電気めっき鋼板の製造装置。
  5. 前記不溶性電極は、少なくとも表面が白金からなる請求項1〜4のいずれかに記載の電気めっき鋼板の製造装置。
  6. 前記不溶性電極は、前記本体部と前記接触部とを固定する固定部材を有し、前記固定部材の少なくとも表面は、前記本体部の表面と同じ材質からなる請求項1〜5のいずれかに記載の電気めっき鋼板の製造装置。
  7. 前記不溶性電極は、前記自溶性電極が配置されないめっきセルに配置される請求項1〜6のいずれかに記載の電気めっき鋼板の製造装置。
  8. 複数の前記めっきセル内のめっき液を循環させる循環手段を有する請求項1〜7のいずれかに記載の電気めっき鋼板の製造装置。
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