JP6793063B2 - 部分めっき装置、部分めっき方法、および部分めっき部材の製造方法 - Google Patents

部分めっき装置、部分めっき方法、および部分めっき部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、被めっき材の一部に帯状の部分めっきを施す部分めっき装置、部分めっき方法、および部分めっき部材の製造方法に関するものである。
金属材料にリールツーリール方式で電気めっきをする際、材料幅方向の必要部分のみに部分めっきをすることがある。従来、めっき不要部分のめっき付着を防止する或いはめっき膜厚をなるべく小さくする部分めっき方法として、めっき不要部分に予めマスキングテープを貼ったり、めっき不要部分に電場を遮蔽するための遮蔽板を取り付けたりする方法が実施されている。
例えば特許文献1に記載された部分めっき装置は、帯板状の条材の長手方向に延びる帯状のめっき領域に電気めっきを施すもので、帯板状の遮蔽板が、めっき槽内の帯状のめっき領域の長手方向に延びる周縁部に対向するように、条材の搬送路とアノードとの間に配置され、めっき液をめっき槽の下側から上方向に流して供給している。このような場合、遮蔽板に遮られてめっき液の供給や攪拌が滞り、めっき膜厚分布が悪くなる恐れがある。
また、例えば特許文献2、3には、被めっき材の進行方向前方からめっき液を噴射する方法が提案されている。また、特許文献4には、めっき液の流路幅に合わせてめっき液量や流速を調整して金属ストリップの振動を防止するめっき槽が開示されている。特許文献5には、めっき槽の下方からめっき液を流してめっき液を循環させるめっき装置が開示されている。
特開2016−65282号公報 特開平1−168890号公報 国際公開公報第2008/072403号 特開平9−296293号公報 特開平7−74300号公報
しかしながら、上述したように、めっき液をめっき槽の下側から上方向に流すと、遮蔽板に遮られてめっき液の供給や攪拌が滞り、めっき膜厚の均一性やめっきの電流効率が低下するという問題点がある。
また、めっき液を被めっき材の進行方向に沿って流す場合、めっきセル内で、被めっき材の進行方向後方側でめっき液の乱流が発生してめっき液の供給や攪拌が妨害される恐れがある。その場合の対策として、被めっき材の進行方向後方側においてポンプ等を用いてめっき液を抜くことがあるが、設備コストが増大する。
本発明の目的は、帯板状の被めっき材の長手方向に沿って延びるめっき領域に部分的に電気めっきを実施する場合において、めっき液の十分な攪拌、供給量を確保し、低コストで効率よく部分めっきを行える部分めっき方法および部分めっき装置を提供することにある。さらには、めっきが不要な領域へのめっきの付着を抑制する、めっき遮蔽板を備えた部分めっき装置、部分めっき方法、および部分めっき部材の製造方法を提供することである。
上記問題を解決するため、本発明は、めっき槽内に連続的に供給される帯板状の被めっき材に対し、前記被めっき材の少なくとも一方の面の長手方向に沿って延びる帯状のめっき領域に部分的に電気めっきを施す部分めっき装置であって、前記めっき槽内に供給される被めっき材の長手方向に沿って、前記被めっき材の非めっき領域に対向するように、前記被めっき材の搬送路とアノードとの間に、帯板状の遮蔽板が配置され、前記被めっき材の前記めっき領域の長手方向に沿ってめっき液を流すめっき液噴出部を備え、前記めっき液噴出部は、前記めっき槽において前記被めっき材の進行方向前方側に設けられ、前記被めっき材の進行方向後方に向けてめっき液を供給し、前記めっき槽において前記被めっき材の進行方向後方側には、前方から後方へ流れてきた前記めっき液の流れを前方へ誘導する後方ガイド部材が設けられていることを特徴とする、部分めっき装置を提供する。
前記めっき槽において前記被めっき材の進行方向前方側に、前記後方ガイド部材により前方へ誘導されためっき液の流れを、再び前記被めっき材に向けて誘導する前方ガイド部材が設けられていてもよい。また、前記めっき液噴出部は、めっき液噴出ノズルを備えてもよい。
前記遮蔽板の前記被めっき材側の表面と前記被めっき材との間の距離と、前記遮蔽板の前記アノード側の表面と前記アノードとの間の距離が、それぞれ前記被めっき材と前記アノードとの間の距離に対して20%以下であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記部分めっき装置を用いた部分めっき方法であって、帯板状の被めっき材をめっき槽内に連続的に供給し、前記めっき槽内の前記被めっき材とアノードとの間に電流を流し、前記被めっき材の長手方向に沿って延びる帯状のめっき領域に部分的に電気めっきを施す部分めっき方法が提供される。
また、本発明によれば、前記被めっき材の所定のめっき領域に、請求項7に記載の部分めっき方法によりめっきを施すことを特徴とする、部分めっき部材の製造方法が提供される。
本発明によれば、めっき液が遮蔽板やセル壁に妨害されることがなく流れ、効率的に、帯状の部分めっきを施すことができる。
本発明の実施形態にかかる部分めっき装置の上面図である。 図1のA−A線で切断して模式的に示す断面図である。 図1のB−B線で切断して模式的に示す断面図である。 被めっき材、遮蔽板、アノードの互いの間隔を説明する図である。 比較例(従来例)のめっき装置を模式的に示す断面図である。 本発明例による被めっき材の幅方向位置とAg膜厚との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1〜図3は、本発明の実施形態にかかる部分めっき装置の概略を示す。部分めっき装置1は、めっき処理を行うめっきセル2と、このめっきセル2を内部に収容してめっきセル2からオーバーフローしためっき液を貯留するオーバーフロー槽3とからなるめっき槽4を備えている。図1の点線の矢印は、めっき液の流れを示す。
めっきセル2の長手方向両端には、それぞれ、例えばステンレス、銅または銅合金などの導電性の金属からなる被めっき材9の導入口2aおよび導出口2bが、側壁を貫通して形成されている。また、オーバーフロー槽3の長手方向両端には、それぞれ被めっき材9の導入口3aおよび導出口3bが、それぞれめっきセル2の導入口2aおよび導出口2bに対向して、側壁を貫通して形成されている。これらの導入口2a、3aおよび導出口2b、3bは、帯板状の被めっき材9が幅方向を鉛直にして通過できるようにスリット状に形成されている。
めっきセル2の中には、めっきセル2内に供給された被めっき材9の両面にそれぞれ対向するように、一対のアノード11が配置されている。アノード11は、めっき槽4の外部に設けられた図示しない直流電源に接続され、被めっき材9とアノード11との間で電流を流すことができるようになっている。アノード11の形状は、代表的なものとして、板状(板材)、あるいは直方体の(アノード)ケースの中にアノードボールやアノード粒が配置されたものがある。
本実施形態では、めっきセル2内の、導入側と導出側および長手方向中央部に、被めっき材9の搬送路(において搬送される帯板状の被めっき材9)の両面に対向するように、めっきセル2の底面から鉛直方向上方に延びる支柱12が設けられている。この支柱12には、めっきセル2内の被めっき材9の長手方向の略全長にわたって、被めっき材9の帯状の非めっき領域9bの各々の長手方向に対向するように配置された遮蔽板13が支持ブロック28を介して固定されている(図2)。遮蔽板13は絶縁部材からなり、帯状の非めっき領域9bの数および位置に合わせて、例えば図示するように3つ配置される。これらの遮蔽板13により、被めっき材9の帯状の非めっき領域9b(めっき領域9a以外の部分)とアノード11との間の電流密度を低減させて、被めっき材9のめっき領域9a以外の部分にめっき皮膜が付着するのを抑制する。
本発明の部分めっき装置1において、遮蔽板13の被めっき材9側の表面とめっき槽4内に連続的に供給される帯板状の被めっき材9との間の距離d1と、遮蔽板13のアノード11側の表面とアノード11との間の距離d2が、それぞれ被めっき材9とアノード11との間の距離d3に対して20%以下、つまり
d1≦0.2×d3
且つ
d2≦0.2×d3
であることが好ましく、さらには15%以下(d1≦0.15×d3且つd2≦0.15×d3)であることがより好ましい(図4参照)。また、最も好ましくは10%以下(d1≦0.1×d3且つd2≦0.1×d3)である。
すなわち、被めっき材9の表面と遮蔽板13の被めっき材9側の表面との間の距離(間隔)d1は近接させることが好ましく、例えば5mm以下にすることが好ましい。また、アノード11の表面(アノード11が直方体のアノードケースである場合は遮蔽板13側の面)と遮蔽板13のアノード11側の表面との間の距離(間隔)d2を近接させることが好ましく、例えば5mm以下にすることが好ましい。また、被めっき材9の表面とアノード11の被めっき材9に対向する表面との間の距離d3は、例えば30〜200mm程度とすることが好ましい。
上述のように、遮蔽板13と被めっき材9との間の距離d1、遮蔽板13とアノード11との間の距離d2を小さくすることにより、遮蔽板13の被めっき材9側の表面と被めっき材9との間の距離d1と、遮蔽板13のアノード11側の表面とアノード11との間の距離d2を、それぞれ被めっき材9とアノード11との間の距離d3に対して20%以下とすることができる。
こうすることで、非めっき領域9bとアノード11との間の電流密度を十分に小さくすることができ、また非めっき領域9bに新鮮なめっき液が流れる(供給される)のを抑制できる。したがって、マスキングテープを非めっき領域9bに貼り付けなくても、非めっき領域9bへのめっきの付着を十分に抑制できる。
一方、遮蔽板13と被めっき材9とアノード11に囲まれた領域(めっき液の流路)にめっき液を集中的に流すことでめっき液の流速を上げることができ、被めっき材9へのめっき液の供給、撹拌に優れ、効率的にめっきを形成することができる。さらには、被めっき材9とアノード11の間の電気力線がまっすぐに伸びるため、膜厚ばらつきの小さいめっきを形成することが可能となる。
なお、図5に示すように被めっき材9の下方から上方向にめっき液を供給する従来のめっき装置の場合、被めっき材9と遮蔽板53との距離を近接(例えば5mm以下)させると、めっき液の撹拌が阻害されてめっき領域のめっきの「やけ」や析出異常が発生したり、めっきの電流効率が低下する(膜厚が薄くなる)などの不具合が発生する場合がある。
上述の被めっき材9と遮蔽板13との距離d1、アノード11と遮蔽板13との距離d2を達成し、上述の囲まれためっき液の流路を形成するために、(1枚のあるいは一体となった)遮蔽板13の厚さを適宜設定してこれらの距離を調整することができる。遮蔽板13の厚さは特に限定されないが、例えば3〜50mm、さらには15〜40mmとしてもよい。なお、遮蔽板13が例えば被めっき材9側に1枚、アノード11側に1枚と2枚(複数)あると、遮蔽板13同士の間にすきまができ、めっき液を流したときにその間にめっき液が入り込み、めっき液の流路に供給されるめっき液の流速、供給量が小さくなる恐れがあるので好ましくはない。よって、各々の遮蔽板13は厚めのブロック状のものを1枚(1個)、あるいは一体として成形されたもの1個からなるのが好ましい。
めっきセル2の、被めっき材9の進行方向前方となる先端部には、例えば銀めっき液等のめっき液貯留部21が設けられ、めっき液貯留部21には、被めっき材9の長手方向に沿ってめっき液を噴出するめっき液噴出部22が備えられている。このめっき液噴出部22からは、被めっき材9のめっき領域9aに向けて、且つ被めっき材9の長手方向に沿ってめっき液が噴出される。具体的には、例えば、めっき液噴出部22に、めっき液を噴出させるためのめっき液噴出ノズル(穴)23を備えたスペーサー24が配置されている(図2)。めっき液は、被めっき材9のめっき領域9aの長手方向に沿って、被めっき材9とアノード11と遮蔽板13の端面(側面)とに囲まれた領域(めっき液の流路)を、被めっき材9の進行方向後方に向けて流れる。めっき液噴出ノズル23の穴形状は、めっき液の流路の長手方向に垂直な断面形状(面積)と同等か小さいことが好ましく、これにより、めっき液をめっき液の流路に集中的に流しめっき液の流速を増加させることができる。すなわち、被めっき材9の非めっき領域9bに接触する新鮮なめっき液の量をできるだけ抑制し、めっき領域9aに選択的に新鮮なめっき液が供給されるようにする。これにより、めっき領域9aに効率的にめっきを形成することができるとともに、非めっき領域9bへのめっきの付着を抑制することができる。なお、本明細書において、被めっき材9の進行方向前方側、進行方向後方側を、単に前方、後方と記載することがある。
めっきセル2の、被めっき材9の進行方向後方側の端部には、前方から流れてきためっき液を前方へ戻すように流れの方向を誘導する後方ガイド部材25が設けられていることが好ましい。後方ガイド部材25は、図1に示すように曲面25aを有しており、めっきセル2の後方側の側壁が曲面状になるように後方ガイド部材25を配置することにより、前方から後方へ流れてきためっき液を、アノード11と後方ガイド部材25との間を通ってめっきセル2の中の前方へ流れるように誘導する。これにより、めっき液の流路へのめっき液の逆流を抑制し、供給されるめっき液の量の低下、めっき液の流速の低下を防ぐ。さらに、めっき液貯留部21の後方側の面、すなわちめっきセル2の前方側の側壁には、アノード11とめっきセル2の側壁との間を通って後方から戻ってきためっき液を、再び被めっき材9に向けて戻す曲面27aを有する前方ガイド部材27が設けられていることが好ましい。前方ガイド部材27を設けることにより、めっき液噴出部22から噴出されためっき液と合わせることで流速を上げることができる。
また、めっきセル2の幅方向両側の側壁には、めっき液の液面Sの高さを調整するための側壁板26を設けてもよい。側壁板26を上下させることにより、被めっき材9に応じてめっき液の液面Sの高さを調整することができ、めっきセル2内の所定量以上のめっき液をオーバーフローさせてオーバーフロー槽3内に貯留させる。
めっきセル2内のめっき液貯留部21や後方ガイド部材25等は、例えば3Dプリンターで作成することができる。
このような部分めっき装置1で部分めっきを行う際には、帯板状の被めっき材9の非めっき領域9bに応じてめっきセル2内に遮蔽板13を配置し、被めっき材9を導入口3a、2aから連続的に供給して、めっき液噴出部22から所定流量のめっき液を供給し、めっきセル2内のカソードとしての被めっき材9とアノード11との間に電流を流す。こうして、帯板状の被めっき材9に、帯状のめっき領域9aと非めっき領域9bとが幅方向に交互に配置されたストライプ状の部分めっきが施される。
以上のように、本実施形態によれば、部分めっきを行うめっき領域9aに集中的にめっき液噴出部22からめっき液を流すことにより、効率よく部分めっきを行うことができる。また、アノード11と遮蔽板13との間、遮蔽板13と被めっき材9との間の距離を5mm以下とすることにより、マスキングテープを用いなくても、高精度な部分めっきが行え、テープの貼り付けやテープを剥がす手間とコストを削減することができる。これらの距離は、1〜3mm程度がより好ましく、距離が狭いほど、めっき不要部分にめっきが付きにくい。なお、遮蔽板13と被めっき材9の非めっき領域9bとの間隔は、被めっき材9が搬送されるときの板のブレなどによる接触を避けるために、0.5mm以上離すことが好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、被めっき材9の両面のめっき領域9aが同じ位置の場合を図示したが、それぞれの面が異なる位置にめっき領域9aを有してもよい。あるいは、片面のみにめっき領域9aを有する場合でもよい。また、図1〜3に示すように、めっき槽4内に連続的に供給される帯板状の被めっき材9の少なくとも一方の面の長手方向に沿って延びるとともに幅方向に互いに離間して配置された複数の帯状のめっき領域9aに電気めっきを施すことが好ましい。
以下、部分めっきの実施例について説明する。
厚さ0.6mm、幅170mmのタフピッチ銅(C1100 1/2H)である被めっき材に対し、水洗、アルカリ脱脂液で脱脂、水洗、硫酸による酸洗の順で前処理を行った後、540g/Lのスルファミン酸ニッケル四水和物と25g/Lの塩化ニッケル、35g/Lのホウ酸を含む無光沢ニッケルめっき(水溶)液にて下地めっきを行い、厚さ1μmのニッケルめっきを行った。続いて、3g/Lのシアン化銀カリウムと90g/Lのシアン化カリウムを含む銀ストライクめっき(水溶)液にてストライクめっきを行った。その後、図1〜図3に示すように、被めっき材9の進行方向前方からめっき液を噴射するめっき液噴出ノズル23を設け、液流をガイドする後方ガイド部材25、前方ガイド部材27を設けた本発明の実施形態にかかる部分めっき装置1を用いて、部分めっきを行った。めっきセル2内の被めっき材9の搬送路のうち、非めっき領域9bとアノード11の間の位置に、厚さ30mmの遮蔽板13を設置し、175g/Lのシアン化銀カリウムと95g/Lのシアン化カリウムと50mg/Lのセレンを含む銀めっき(水溶)液にて厚さ5μmとなるように部分銀めっきを行った。
そして、チオール系化合物を含むチオール系銀硫化防止液に浸漬した後、水洗および乾燥を行い、本発明例の部分めっき製品を作成した。遮蔽板13のサイズは、上部が、縦:60mm、横:700mm、中央部が、縦:70mm、横:700mm、下部が、縦:40mm、横:700mmであり、材質は塩ビとした。遮蔽板13同士の上下方向の間隔は、上部と中央部との間隔が15mm、中央部と下部との間隔が15mmとした。遮蔽板13と被めっき材9との距離は2.7mm、遮蔽板13とアノード11との距離は2mmとした。
すなわち、遮蔽板13の被めっき材9側の表面と被めっき材との間の距離d1は2.7mmであり、遮蔽板13のアノード11側の表面とアノード11との間の距離d2は2mmであり、被めっき材9とアノード11との間の距離d3は34.7mmである。よって、本実施例では、d1がd3に対して7.8%、d2がd3に対して5.8%である。
本実施例の部分銀めっきにおいて、電流密度:5A/dm、インバーター周波数:50Hz、めっき液の流量:97L/minとした。
以上のように部分めっきした銅合金について、被めっき材9の幅方向における銀めっきの膜厚分布を、蛍光X線膜厚計により幅方向に0.5mm間隔で340カ所測定した。その結果、めっき領域(遮蔽板で覆っていない領域)の銀めっきの平均膜厚は4.95μm(幅方向上部めっき領域で平均4.84μm、下部めっき領域で平均5.06μm)であった。
非めっき領域(めっき不要部分、遮蔽板で覆われている領域)の銀めっきの平均膜厚は0.43μm(幅方向上部めっき領域で平均0.38μm、中央部めっき領域で平均0.49μm、下部めっき領域で平均0.43μm)であった。また、非めっき領域の銀めっきの最小膜厚は0.03μmであった。本実施例による被めっき材の幅方向位置(ワーク上端からの距離)とAg膜厚との関係を図6に示す。
本発明は、被めっき材の長手方向に平行な帯状のめっき領域に部分的に電気めっきを施す部分めっきに適用でき、殊にマスキングを行わない部分めっきに適用できる。また、本発明の部分めっき装置をリールツーリール方式のめっきラインに組み込んで、部分めっきを行うことが好ましい。
このようにしてストライプ状のめっきを施した帯板状の被めっき材(条材)にプレス加工や曲げ加工等を施して、コネクタやスイッチ等の接点や端子部品などの電子部品を製造することができる。
1 部分めっき装置
2 めっきセル
3 オーバーフロー槽
4 めっき槽
9 被めっき材
9a めっき領域
9b 非めっき領域
11 アノード
13 遮蔽板
21 めっき液貯留部
22 めっき液噴出部
25 後方ガイド部材
27 前方ガイド部材

Claims (6)

  1. めっき槽内に連続的に供給される帯板状の被めっき材に対し、前記被めっき材の少なくとも一方の面の長手方向に沿って延びる帯状のめっき領域に部分的に電気めっきを施す部分めっき装置であって、
    前記めっき槽内に供給される被めっき材の長手方向に沿って、前記被めっき材の非めっき領域に対向するように、前記被めっき材の搬送路とアノードとの間に、帯板状の遮蔽板が配置され、
    前記被めっき材の前記めっき領域の長手方向に沿ってめっき液を流すめっき液噴出部を備え
    前記めっき液噴出部は、前記めっき槽において前記被めっき材の進行方向前方側に設けられ、前記被めっき材の進行方向後方に向けてめっき液を供給し、
    前記めっき槽において前記被めっき材の進行方向後方側には、前方から後方へ流れてきた前記めっき液の流れを前方へ誘導する後方ガイド部材が設けられていることを特徴とする、部分めっき装置。
  2. 前記めっき槽において前記被めっき材の進行方向前方側に、前記後方ガイド部材により前方へ誘導されためっき液の流れを、再び前記被めっき材に向けて誘導する前方ガイド部材が設けられていることを特徴とする、請求項に記載の部分めっき装置。
  3. 前記めっき液噴出部は、めっき液噴出ノズルを備えていることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項に記載の部分めっき装置。
  4. 前記遮蔽板の前記被めっき材側の表面と前記被めっき材との間の距離と、前記遮蔽板の前記アノード側の表面と前記アノードとの間の距離が、それぞれ前記被めっき材と前記アノードとの間の距離に対して20%以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の部分めっき装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の部分めっき装置を用いた部分めっき方法であって、
    帯板状の被めっき材をめっき槽内に連続的に供給し、前記めっき槽内の前記被めっき材とアノードとの間に電流を流し、前記被めっき材の長手方向に沿って延びる帯状のめっき領域に部分的に電気めっきを施す、部分めっき方法。
  6. 前記被めっき材の所定のめっき領域に、請求項に記載の部分めっき方法によりめっきを施すことを特徴とする、部分めっき部材の製造方法。
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