JP5898482B2 - カウンターウエイト着脱装置 - Google Patents
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そして、カウンターウエイトをウエイト取付枠に取り付ける場合には、まず、移動式クレーンのフレームに取り付けられた旋回台を回転させ、旋回台のウエイト取付枠をフレーム上に載置されたカウンターウエイトの上方に位置決めし、係合片が異形穴と干渉しないように係合片の回転位相を異形穴に合わせた状態でカウンターウエイト昇降用シリンダを伸長させて係合片を異形穴に侵入させた後、カウンターウエイト昇降用シリンダのピストンロッドを回転させることによって其の下端部の係合片の回転位相をずらし、係合片を異形穴に係合させてシリンダ側連結部とウエイト側連結部とを連結し、更に、カウンターウエイト昇降用シリンダを縮小させてカウンターウエイトを引き上げることによってウエイト取付枠にカウンターウエイトを取り付けるようにしている。
また、カウンターウエイトの脱落を防止する必要上、最終的に、カウンターウエイトの引き上げが終ってカウンターウエイトの取り付けが完了した時点で、係合片を下端部に備えたピストンロッドとウエイト取付枠とをロックピンで固定し、カウンターウエイト昇降用シリンダのピストンロッドの下降や落下、つまり、カウンターウエイトの脱落を防止するようにしている。
しかし、このような構成を適用したカウンターウエイト着脱装置にあっては、係合片を下端部に備えたピストンロッドを回転させるための機構(捻転駆動装置)の設置が必須となるため装置の構成が複雑化する不都合がある。
また、特許文献1には具体的な記載はないが、係合片が異形穴と干渉しないように係合片の回転位相を異形穴に合わせたり、また、係合片が異形穴との係合が外れないように異形穴に対する係合片の回転位相を的確にずらしたりするためには、ピストンロッドの回転位置の厳格な制御が必要であり、各種のストッパやカムあるいは電気的なセンサが必要となるため、これらのものも装置構成の複雑化の要因となってしまう。
更に、ピストンロッドの回転位置の制御に異常が生じた場合にあっては、ピストンロッドを伸長させた際に係合片の外形部が異形穴周辺のカウンターウエイト部分と強く衝合することになり、カウンターウエイト昇降用シリンダや係合片およびカウンターウエイトの損傷や変形が問題となるし、また、その結果として係合片が異形穴と適切に係合しなくなって、カウンターウエイトが脱落するといった恐れもある。
このような構成を適用したカウンターウエイト着脱装置を使用してカウンターウエイトをウエイト取付枠に取り付ける場合にあっては、まず、カウンターウエイト昇降用シリンダを伸長させてピストンロッドの下端部の拡径部の高さを蟻溝状の係合部の高さに合わせ、移動式クレーンのフレームに取り付けられた旋回台を回転させてピストンロッドの下端部の拡径部を円弧軌跡(旋回軌跡)に添って移動させて蟻溝状の係合部の側方から蟻溝の内側部分に拡径部を侵入させることで、シリンダ側連結部とウエイト側連結部とを連結する。そして、その後でカウンターウエイト昇降用シリンダを縮小させてカウンターウエイトを引き上げることにより、ウエイト取付枠にカウンターウエイトを取り付けることになる。
特許文献2に開示されるものにあっては、カウンターウエイトの脱落を防止する必要上、最終的に、カウンターウエイトの引き上げが終ってカウンターウエイトの取り付けが完了した時点で、油圧シリンダで駆動される揺動アームを作動させ、揺動アームの下端部に固設されたロックピンをカウンターウエイト側に設けられた固定用舌片に形成されたU字型の切欠部分に側方から侵入させることで、カウンターウエイトの脱落を防止するようにしている。
このような構成を適用したカウンターウエイト着脱装置には、ピストンロッドを回転させるための機構(捻転駆動装置)の設置が不要となり装置の構成が簡略化されるメリットがある。
しかし、ピストンロッドの下端部の拡径部の高さを蟻溝状の係合部に嵌合させる必要上、カウンターウエイトの取り付け作業開始の時点で予めカウンターウエイト昇降用シリンダを伸長させてピストンロッドの下端部の拡径部を下降させておかなければならず、伸長状態にあるピストンロッドが、シリンダ側連結部とウエイト側連結部とを連結する際に必要とされる旋回台の回転に伴って旋回台の周辺の構造物(主にフレーム上の構造物)と干渉する恐れが生じる。
また、別送されたカウンターウエイトあるいはフレーム上の中央部に置かれていたカウンターウエイトをフレーム上に載置する段取作業の段階でカウンターウエイトの配置に位置ずれが生じてしまった場合には、蟻溝状の係合部の周辺にピストンロッドの下端部が衝合し、ピストンロッドやカウンターウエイト昇降用シリンダのシール部分に損傷が生じる恐れがある。特に、油圧シリンダは軸方向に作用する荷重を念頭に設計製作されるものであるから、曲げ方向に作用する外力の悪影響は大きいと考えられる。
前記シリンダ側連結部が、カウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に水平に取り付けられて軸方向の移動のみを許容された連結ピンと、この連結ピンを軸方向に駆動する連結ピン駆動用シリンダと、前記左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部の回転を防止するように前記左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に掛け渡して設けられたロッド状の回り止め連結部材とを備える一方、
前記ウエイト側連結部が、前記連結ピンの侵退(侵入と退避)を許容する連結ピン嵌合孔を形成した連結用舌片を備えたことを特徴とする構成を有する。
次いで、旋回台を回転させ、旋回台の後部に固設されたウエイト取付枠を、フレーム上の後方に載置されたカウンターウエイトの上方に位置決めする。旋回台の回転位置を最適化してカウンターウエイトの上方にウエイト取付枠を正確に位置決めするためのロックピン等の構成については特許文献2の段落0042の記載から既に公知である。
そして、伸縮方向を鉛直軸に合わせてウエイト取付枠の左右両側に固設されたカウンターウエイト昇降用シリンダを限界まで伸長させることにより、カウンターウエイト昇降用シリンダの下端部(シリンダ外筒をウエイト取付枠に固着した場合にあってはピストンロッドの先端/ピストンロッドをウエイト取付枠に固着した場合にあってはシリンダ外筒のボトム部分)に設けられたシリンダ側連結部を下降させて、シリンダ側連結部が水平方向に備える連結ピンの高さを、カウンターウエイトの上面の左右両側に位置するように設けられたウエイト側連結部が備える連結用舌片に形成された連結ピン嵌合孔の高さに合わせる。
次いで、シリンダ側連結部が備える連結ピン駆動用シリンダを作動させて連結ピンを軸方向に駆動し、左右の連結ピンの各々を左右の連結用舌片の連結ピン嵌合孔に侵入させることでシリンダ側連結部とウエイト側連結部とを連結する。ロッド状の回り止め連結部材が左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に掛け渡して設けられているので、カウンターウエイト昇降用シリンダの伸縮動作に際して左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部の不用意な回転が防止され、連結用舌片の連結ピン嵌合孔に対する連結ピンの方向性を常に一定に保つことが可能となるため、軸方向の移動のみを許容された連結ピンを連結ピン嵌合孔に的確に侵入させることができる。また、連結ピンと連結用舌片との衝合や干渉が未然に防止される結果として連結ピンや連結用舌片の変形や干渉もなくなり、これらの部品の変形に起因した連結不良に伴うカウンターウエイトの脱落も未然に防止される。
そして、連結ピン嵌合孔に連結ピンを嵌合させたままの状態でカウンターウエイト昇降用シリンダを縮小させてカウンターウエイトを引き上げることにより、ウエイト取付枠にカウンターウエイトを取り付ける。
前記中央部材が、前記左端部材と右端部材に対して鉛直面内での揺動動作のみを許容されるようにして其の両端部を前記左端部材と右端部材に枢着され、
前記左端部材,右端部材,中央部材のうち少なくとも1つの部材が軸方向の伸縮機能を備えた構成を採用してもよい。
このような状況が生じた場合、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に掛け渡して設けられたロッド状の回り止め連結部材が一本の剛体によって構成されていると、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に上下方向の位置ずれが生じ、この位置ずれが左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部間の離間距離を増大させようとするにも関わらず、この離間距離の増大をロッド状の回り止め連結部材が抑え込むことになるので、結果的に、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部を相互に引き寄せる方向の力が働いてカウンターウエイト昇降用シリンダに曲げ方向の外力が作用し、ピストンロッドとシリンダヘッドとの摺接部やピストンとシリンダ外筒内周面との摺接部にカジリに似た現象が生じる可能性がある。
しかし、左端部材と右端部材と中央部材とによってロッド状の回り止め連結部材を構成して中央部材の左右の端部に鉛直面内での揺動動作のみを許容するようにして左端部材と右端部材を枢着し、更に、左端部材,右端部材,中央部材のうち少なくとも1つの部材に軸方向の伸縮機能を与えた構成にあっては、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に生じる上下方向の位置ずれが鉛直面内における中央部材の姿勢変化によって許容され、同時に、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部間の離間距離の増大が軸方向の伸縮機能を与えられた左端部材または右端部材もしくは中央部材部材の伸長によって許容されることになるので、上下方向の位置ずれが生じている左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部の間に過剰な外力が作用することはなくなり、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダに曲げ方向の外力が作用するといった問題が解消される。従って、ピストンロッドとシリンダヘッドとの摺接部やピストンとシリンダ外筒内周面との摺接部にカジリ等の不都合が生じたり、摺接部に磨耗による片減りが生じたり、カウンターウエイト昇降用シリンダのスムーズな伸縮動作が妨げられるといった不都合を未然に防止することができる。
左右のシリンダ側連結部の連結ピンを同時に駆動する1つの連結ピン駆動用シリンダが左右のシリンダ側連結部の連結ピンの間に配置され、
前記1つの連結ピン駆動用シリンダが、左のシリンダ側連結部の連結ピンと右のシリンダ側連結部の連結ピンに対して鉛直面内での揺動動作のみを許容されるようにして其の両端部を前記左右のシリンダ側連結部の連結ピンに枢着され、
前記1つの連結ピン駆動用シリンダと左右のシリンダ側連結部の連結ピンと前記ガイドスリーブとによって前記ロッド状の回り止め連結部材が構成されるようにしてもよい。
また、何れか一方のカウンターウエイト昇降用シリンダの伸長や縮小が他方のカウンターウエイト昇降用シリンダに対して先行して行われた場合にあっては、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に生じる上下方向の位置ずれが鉛直面内における連結ピン駆動用シリンダの姿勢変化によって許容され、同時に、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部間の離間距離の増大が、カウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に固設されたガイドスリーブによってガイドされた左右の連結ピンの軸方向移動によって許容されることになる。よって、1つの連結ピン駆動用シリンダの両端部に左右の連結ピンを枢着して連結ピン駆動用シリンダの伸縮動作によって左右のシリンダ側連結部の連結ピンを同時に駆動する構成でありながらも、上下方向の位置ずれが生じている左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部の間に過剰な外力が作用することがない。このため、前記と同様、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダに曲げ方向の外力が作用するといった問題が解消され、ピストンロッドとシリンダヘッドとの摺接部やピストンとシリンダ外筒内周面との摺接部にカジリ等の不都合が生じたり、摺接部に磨耗による片減りが生じたり、カウンターウエイト昇降用シリンダのスムーズな伸縮動作が妨げられるといった不都合を未然に防止することができる。
しかも、連結ピン駆動用シリンダは左のシリンダ側連結部の連結ピンと右のシリンダ側連結部の連結ピンに対して鉛直面内での揺動動作のみを許容され、かつ、左右の連結ピンは左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に固設されたガイドスリーブにより回転不能とされているから、連結ピン駆動用シリンダと左右の連結ピンと左右のガイドスリーブとによって構成されるロッド状の回り止め連結部材は、左右のガイドスリーブや左右の連結ピンの高さの相違や連結ピン駆動用シリンダの傾きに関わりなく、左右のガイドスリーブおよび左右の連結ピンの水平状態を維持したまま、その鉛直上方から見て常に一直線上に並ぶように姿勢を変化させることになる。つまり、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に固設された左右のガイドスリーブは、鉛直軸に沿って単純に上下移動するのみであって水平面に沿った方向で姿勢を変化させることが全くないから、カウンターウエイト昇降用シリンダの伸縮動作に際して左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部が不用意に回転する問題は生じない。従って、連結用舌片の連結ピン嵌合孔に対する連結ピンの方向性を常に一定に保つことが可能となり、軸方向の移動のみを許容された連結ピンを連結ピン嵌合孔に的確に侵入させることができる。このため、前記と同様、連結ピンと連結用舌片との衝合や干渉で生じる連結用舌片の変形に起因した連結不良に伴って生じるカウンターウエイトの脱落を未然に防止することができる。
また、シリンダ側連結部が備える連結ピンとウエイト側連結部が備える連結用舌片の連結ピン嵌合孔との係脱に際して旋回台を回転させる必要がないことから、カウンターウエイト昇降用シリンダと周辺の構造物との不用意な干渉を未然に防止することができ、特に、カウンターウエイト昇降用シリンダを伸長させたままの旋回台の回転によってカウンターウエイト昇降用シリンダがカウンターウエイトやウエイト側連結部と衝合することがなく、カウンターウエイト昇降用シリンダに曲げ方向の力が過剰に作用することがなくなるため、カウンターウエイト昇降用シリンダのシール部分やピストンロッドの損傷を効果的に防止することができる。
しかも、ロッド状の回り止め連結部材が左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に掛け渡して設けられているので、カウンターウエイト昇降用シリンダの伸縮動作に際して左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部が不用意に回転することがなく、連結用舌片の連結ピン嵌合孔に対する連結ピンの方向性を常に一定に保つことが可能となるため、軸方向の移動のみを許容された連結ピンを連結ピン嵌合孔に的確に侵入させることができ、連結ピンと連結用舌片との衝合や干渉で生じる損傷や連結用舌片の変形に起因した連結不良に伴うカウンターウエイトの脱落を未然に防止することができる。
また、何れか一方のカウンターウエイト昇降用シリンダの伸長や縮小が他方のカウンターウエイト昇降用シリンダに対して先行して行われた場合にあっては、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に生じる上下方向の位置ずれが鉛直面内における連結ピン駆動用シリンダの姿勢変化によって許容され、同時に、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部間の離間距離の増大が、カウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に固設されたガイドスリーブによってガイドされた左右の連結ピンの軸方向移動によって許容されることになるので、1つの連結ピン駆動用シリンダの両端部に左右の連結ピンを枢着して連結ピン駆動用シリンダの伸縮動作により左右のシリンダ側連結部の連結ピンを同時に駆動する構成でありながらも、上下方向の位置ずれが生じている左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部の間に過剰な外力が作用することを防止できる。従って、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダに曲げ方向の外力が作用するといった問題が解消され、ピストンロッドとシリンダヘッドとの摺接部やピストンとシリンダ外筒内周面との摺接部にカジリ等の不都合が生じたり、摺接部に磨耗による片減りが生じたり、カウンターウエイト昇降用シリンダのスムーズな伸縮動作が妨げられるといった不都合を未然に防止することができる。
しかも、連結ピン駆動用シリンダは左のシリンダ側連結部の連結ピンと右のシリンダ側連結部の連結ピンに対して鉛直面内での揺動動作のみを許容され、かつ、左右の連結ピンは左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に固設されたガイドスリーブにより回転不能とされているから、連結ピン駆動用シリンダと左右の連結ピンと左右のガイドスリーブとによって構成されるロッド状の回り止め連結部材は、左右のガイドスリーブや左右の連結ピンの高さの相違や連結ピン駆動用シリンダの傾きに関わりなく、左右のガイドスリーブおよび左右の連結ピンの水平状態を維持したまま、その鉛直上方から見て常に一直線上に並ぶように姿勢を変化させる。つまり、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に固設された左右のガイドスリーブは鉛直軸に沿って単純に上下移動するのみであって水平面に沿った方向で姿勢を変化させることが全くないから、カウンターウエイト昇降用シリンダの伸縮動作に際して左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部が不用意に回転する問題は生じない。従って、連結用舌片の連結ピン嵌合孔に対する連結ピンの方向性を常に一定に保つことが可能となり、軸方向の移動のみを許容された連結ピンを連結ピン嵌合孔に的確に侵入させることができる。このため、連結ピンと連結用舌片との衝合や干渉で生じる連結用舌片の変形に起因した連結不良に伴って生じるカウンターウエイトの脱落を未然に防止することができる。
複数のカウンターウエイト3を上下方向に重合してウエイトキャリア9に取り付けたときの状態は、例えば図1(b)に示す通りであり、ステー13の先端部に設けられたウエイト側連結部11の部分が最上位のカウンターウエイト3から僅かに上方に突出してカウンターウエイト3の上面の左右両側に位置する。
また、カウンターウエイト3が一体構造の場合にあってはカウンターウエイト3の上面に直にウエイト側連結部11を設けても構わない。
このような構成を適用した場合のロッド状の回り止め連結部材は、左のカウンターウエイト昇降用シリンダ8の下端部に接続する左端部材(左側のスリーブおよび左側の入れ子)と、右のカウンターウエイト昇降用シリンダ8の下端部に接続する右端部材(右側のスリーブおよび右側の入れ子)と、左端部材(の入れ子)と右端部材(の入れ子)とを連絡する中央部材とによって構成されると共に、中央部材が、左端部材(左側のスリーブおよび左側の入れ子)と右端部材(右側のスリーブおよび右側の入れ子)に対して鉛直面内での揺動動作のみを許容されるようにして其の両端部を左端部材(の入れ子)と右端部材(の入れ子)に枢着され、左端部材(左側のスリーブおよび左側の入れ子)と右端部材(右側のスリーブおよび右側の入れ子)の各々が軸方向の伸縮機能を備えたロッド状の回り止め連結部材であると定義される。
この場合は、中央部材のみが軸方向の伸縮機能を備えたロッド状の回り止め連結部材ということになる。
例えば、左右のシリンダ側連結部10,10からガイドスリーブ16,16を取り除き、二股状クレビス15,15における一方の側板15a,15aの各々に連結ピン駆動用シリンダのシリンダヘッドを固着して取り付けた場合にあっては、左右の連結ピン駆動用シリンダのピストンロッドそれ自体が左右の連結ピン17,17として機能することになる。この場合、連結ピン17,17として機能する左右の連結ピン駆動用シリンダのピストンロッドの向きは、単に、ウエイト側連結部11に設けられる連結用舌片に穿設された連結ピン嵌合孔の向きに対応していればよく、連結ピン17,17として機能する左右の連結ピン駆動用シリンダのピストンロッドの向き其れ自体には格別な相互関係は要求されない。
また、図6(b)に示す通り、左右のウエイト側連結部11の連結用舌片22には、その連結ピン嵌合穴23から上方に向けて連結ピン嵌合穴23の縦方向長さを冗長するようにして連結ピン嵌合穴23と一体に形成され、連結ピン17の小径部17bに外接する曲率を備えた延長孔部23aが設けられている。
また、送り用スリーブ32の回転方向を反転させれば、左右のロックピン26,26が図5(a)に示されるようにして左右の支持板29,29および左右のロックピンスリーブ28,28から内側に退避し、固定用舌片24,24の貫通孔25,25とロックピン26,26との嵌合が解除される。
カウンターウエイト3を取り付けたウエイトキャリア9をフレーム4上の後方位置に適切に載置するための位置決めピンの構成に関しては例えば特許文献2等において既に公知であるから、ここでは特に説明しない。
旋回台5の回転位置を最適化してウエイトキャリア9の上方にウエイト取付枠6を正確に位置決めするためのロックピン等の構成については例えば特許文献2等において既に公知であるから、ここでは特に説明しない。
よって、1つの連結ピン駆動用シリンダ18の両端部に左右の連結ピン17,17を枢着して連結ピン駆動用シリンダ18の伸縮動作によって左右のシリンダ側連結部10,10の連結ピン17,17を同時に駆動する構成でありながらも、上下方向の位置ずれが生じている左右のカウンターウエイト昇降用シリンダ8,8の下端部の間に過剰な外力が作用することがない。このため、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダ8,8に曲げ方向の外力が作用するといった問題が解消され、ピストンロッド14とシリンダヘッドとの摺接部やピストンとシリンダ外筒内周面との摺接部にカジリ等の不都合が生じたり、摺接部に磨耗による片減りが生じたり、カウンターウエイト昇降用シリンダ8,8のスムーズな伸縮動作が妨げられるといった不都合を未然に防止することができる。
但し、カウンターウエイト昇降用シリンダ8,8のピストンロッド14,14に対して厳密な同期制御を行うことを前提とした構成にあっては、そもそも、何れか一方のピストンロッド14の伸長が他方のピストンロッド14に対して先行するといった状況は生じないので、連結ピン駆動用シリンダ18の姿勢変化を許容するといった構成は必要ない。
更に、カウンターウエイト昇降用シリンダ8,8のピストンロッド14,14に対して厳密な同期制御を行うことを前提とし、かつ、シリンダ側連結部10,10の各々に独立した連結ピン駆動用シリンダを配置した場合にあっては、左右の二股状クレビス15,15を単純に接続するロッド材によってロッド状の回り止め連結部材を構成することが可能である。
つまり、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダ8,8の下端部に固設された左右のガイドスリーブ16,16は鉛直軸に沿って単純に上下移動するのみであって、水平面に沿った方向で姿勢を変化させることは全くないから、カウンターウエイト昇降用シリンダ8,8の伸縮動作に際して左右のカウンターウエイト昇降用シリンダ8,8の二股状クレビス15,15やピストンロッド14,14が不用意に回転する問題は生じない。
従って、連結ピン駆動用シリンダ18と左右の連結ピン17,17およびガイドスリーブ16,16によって構成されるロッド状の回り止め連結部材21によって連結ピン17,17の方向性を常に一定に保つことが可能となり、軸方向の移動のみを許容された連結ピン17,17を連結ピン嵌合孔23に常に的確に侵入させることができる。このため、連結ピン17,17と連結用舌片22,22との衝合や干渉で生じる連結用舌片22,22の変形に起因した連結不良や連結不良に伴って生じるウエイトキャリア9(カウンターウエイト3)の脱落を未然に防止することができる。
また、この状態で、図4(c)に示されるように、ウエイトキャリア9における左右のステー13の先端部内側に設けられた固定用舌片24,24に穿設された貫通孔25,25の位置と、ウエイト取付枠6の下面に支持板29,29およびロックピンスリーブ28,28を介して取り付けられたロックピン26,26の位置とが一致する。
この結果、ウエイト取付枠6側の左右のロックピン26,26が図7に示されるようにして左右のロックピンスリーブ28,28および左右の支持板29,29から外側に突出し、ウエイトキャリア9側の固定用舌片24,24の貫通孔25,25に侵入して、左右の支持板29,29とロックピン26,26および固定用舌片24,24を介してウエイトキャリア9がウエイト取付枠6に完全に固定される。
このため、左右のシリンダ側連結部10,10に個別の連結ピン駆動用シリンダを設ける必要がなく、カウンターウエイト着脱装置1の構成が更に簡便化され得る。
従って、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダ8,8に曲げ方向の外力が作用するといった問題が解消され、ピストンロッド14とシリンダヘッドとの摺接部やピストンとシリンダ外筒内周面との摺接部にカジリ等の不都合が生じたり、摺接部に磨耗による片減りが生じたり、カウンターウエイト昇降用シリンダ8,8のスムーズな伸縮動作が妨げられるといった不都合を未然に防止することができる。
つまり、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダ8,8の下端部に固設された左右のガイドスリーブ16,16は鉛直軸に沿って単純に上下移動するのみであって、水平面に沿った方向で姿勢を変化させることは全くないから、カウンターウエイト昇降用シリンダ8,8の伸縮動作に際して左右のカウンターウエイト昇降用シリンダ8,8の下端部、より具体的には、連結ピン17,17が不用意に姿勢を変化させるといった問題が解消される。
従って、連結用舌片22の連結ピン嵌合孔23に対する連結ピン17の方向性を常に一定に保つことが可能となり、軸方向の移動のみを許容された連結ピン17を連結ピン嵌合孔23に的確に侵入させることができる。
このため、連結ピン17と連結用舌片22との衝合や干渉で生じる連結用舌片22の変形に起因したシリンダ側連結部10とウエイト側連結部11の連結不良に伴って生じるカウンターウエイト3の脱落を未然に防止することができる。
つまり、連結ピン17の大径部17a,17aが連結ピン嵌合穴23に対する連結ピン17の抜け止め手段として機能することになるので、仮にカウンターウエイト3の引き上げ中に連結ピン駆動用シリンダ18に誤動作が生じたような場合であっても、連結ピン17が連結用舌片22の連結ピン嵌合穴23から離脱するような不都合、更には、連結ピン17の離脱によってカウンターウエイト3が脱落するといった事故を未然に防止することができる。
移動式クレーン2のフレーム4に取り付けられた旋回台5を回転させて旋回台5の後部に固設されたウエイト取付枠6をフレーム4上の後方に載置されたカウンターウエイト3の上方に位置決めし、伸縮方向を鉛直軸に合わせてウエイト取付枠6の左右両側に固設されたカウンターウエイト昇降用シリンダ8を伸長させてカウンターウエイト昇降用シリンダ8の下端部に設けられたシリンダ側連結部10とカウンターウエイト3の上面の左右両側に位置するようにカウンターウエイト3に設けられたウエイト側連結部11とを連結し、カウンターウエイト昇降用シリンダ8を縮小させることによってウエイト取付枠6にカウンターウエイト3を取り付けるようにしたカウンターウエイト着脱装置1において、
シリンダ側連結部10が、カウンターウエイト昇降用シリンダ8の下端部に水平に取り付けられて軸方向の移動のみを許容された連結ピン17と、この連結ピン17を軸方向に駆動する連結ピン駆動用シリンダ18と、左右のカウンターウエイト昇降用シリンダ8の下端部に掛け渡して設けられたロッド状の回り止め連結部材21とを備える一方、
ウエイト側連結部11が、連結ピン17の侵退(侵入と退避)を許容する連結ピン嵌合孔23を形成した連結用舌片22を備えたことを特徴とするカウンターウエイト着脱装置1。
前記ロッド状の回り止め連結部材21が、左のカウンターウエイト昇降用シリンダ8の下端部に接続する左端部材(ガイドスリーブ16,連結ピン17)と、右のカウンターウエイト昇降用シリンダ8の下端部に接続する右端部材(ガイドスリーブ16,連結ピン17)と、前記左端部材(連結ピン17)と右端部材(連結ピン17)とを連絡する中央部材(連結ピン駆動用シリンダ18)とによって構成されると共に、
前記中央部材(連結ピン駆動用シリンダ18)が、前記左端部材(ガイドスリーブ16,連結ピン17)と右端部材(ガイドスリーブ16,連結ピン17)に対して鉛直面内での揺動動作のみを許容されるようにして其の両端部を前記左端部材(連結ピン17)と右端部材(連結ピン17)に枢着され、
前記左端部材(ガイドスリーブ16,連結ピン17),右端部材(ガイドスリーブ16,連結ピン17),中央部材(連結ピン駆動用シリンダ18)のうち少なくとも1つの部材が軸方向の伸縮機能を備えていることを特徴とした付記1記載のカウンターウエイト着脱装置1。
左右のシリンダ側連結部10,10の連結ピン17,17がカウンターウエイト昇降用シリンダ8,8の下端部に固設されたガイドスリーブ16,16により回転不能かつ軸方向移動可能にガイドされて一直線上に配置されると共に、
左右のシリンダ側連結部10,10の連結ピン17,17を同時に駆動する1つの連結ピン駆動用シリンダ18が左右のシリンダ側連結部10,10の連結ピン17,17の間に配置され、
前記1つの連結ピン駆動用シリンダ18が、左のシリンダ側連結部10の連結ピン17と右のシリンダ側連結部10の連結ピン17に対して鉛直面内での揺動動作のみを許容されるようにして其の両端部を左右のシリンダ側連結部10,10の連結ピン17,17に枢着され、
前記1つの連結ピン駆動用シリンダ18と左右のシリンダ側連結部10,10の連結ピン17,17とガイドスリーブ16,16とによってロッド状の回り止め連結部材21が構成されていることを特徴とした付記1記載のカウンターウエイト着脱装置1。
左右のシリンダ側連結部10の連結ピン17には連結用舌片22の連結ピン嵌合穴23に侵入可能な直径を有する大径部17a,17aと此の大径部17a,17aによって両端を挟まれる小径部17bとが形成される一方、
連結用舌片22には、その連結ピン嵌合穴23から上方に向けて連結ピン嵌合穴23の縦方向長さを冗長するように連結ピン嵌合穴23と一体に形成されて連結ピン17の小径部17bに外接する曲率を備えた延長孔部23aが設けられていることを特徴とした付記1,付記2または付記3のうち何れか一項に記載のカウンターウエイト着脱装置1。
カウンターウエイト3の左右両側には、ウエイト取付枠6に取り付けられたカウンターウエイト3をウエイト取付枠6に固定するための固定用舌片24が設けられ、
ウエイト取付枠6には、カウンターウエイト3の左右両側に設けられた固定用舌片24に穿設された貫通孔25に侵入してカウンターウエイト3をウエイト取付枠6に固定するロックピン26と、このロックピン26を軸方向に駆動するロックピン駆動用アクチュエータ27とが設けられていることを特徴とした付記1,付記2,付記3または付記4のうち何れか一項に記載のカウンターウエイト着脱装置1。
2 移動式クレーン
3 カウンターウエイト
4 フレーム
5 旋回台
6 ウエイト取付枠
7 ブーム
8 カウンターウエイト昇降用シリンダ
9 ウエイトキャリア
10 シリンダ側連結部
11 ウエイト側連結部
12 テーブル
13 ステー
14 ピストンロッド
15 二股状クレビス
15a 二股状クレビスの一方の側板
16 ガイドスリーブ
16a ガイドスリーブの長穴
17 連結ピン
17a 大径部
17b 小径部
18 連結ピン駆動用シリンダ
19 枢着ピン
20 ストップピン
21 ロッド状の回り止め連結部材
22 連結用舌片
23 連結ピン嵌合孔
23a 延長孔部
24 固定用舌片
25 貫通孔
26 ロックピン
27 ロックピン駆動用アクチュエータ
28 ロックピンスリーブ
29 支持板
30 アウトリガー
31 送りネジ
32 送り用スリーブ
33 ホイール
34 ウォーム
Claims (3)
- 移動式クレーンのフレームに取り付けられた旋回台を回転させて旋回台の後部に固設されたウエイト取付枠をフレーム上に載置されたカウンターウエイトの上方に位置決めし、伸縮方向を鉛直軸に合わせてウエイト取付枠の左右両側に固設されたカウンターウエイト昇降用シリンダを伸長させてカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に設けられたシリンダ側連結部とカウンターウエイトの上面の左右両側に位置するようにカウンターウエイトに設けられたウエイト側連結部とを連結し、カウンターウエイト昇降用シリンダを縮小させることによってウエイト取付枠にカウンターウエイトを取り付けるようにしたカウンターウエイト着脱装置において、
前記シリンダ側連結部が、カウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に水平に取り付けられて軸方向の移動のみを許容された連結ピンと、この連結ピンを軸方向に駆動する連結ピン駆動用シリンダと、前記左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部の回転を防止するように前記左右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に掛け渡して設けられたロッド状の回り止め連結部材とを備える一方、
前記ウエイト側連結部が、前記連結ピンの侵退(侵入と退避)を許容する連結ピン嵌合孔を形成した連結用舌片を備えたことを特徴とするカウンターウエイト着脱装置。 - 前記ロッド状の回り止め連結部材が、左のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に接続する左端部材と、右のカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に接続する右端部材と、前記左端部材と右端部材とを連絡する中央部材とによって構成されると共に、
前記中央部材が、前記左端部材と右端部材に対して鉛直面内での揺動動作のみを許容されるようにして其の両端部を前記左端部材と右端部材に枢着され、
前記左端部材,右端部材,中央部材のうち少なくとも1つの部材が軸方向の伸縮機能を備えていることを特徴とした請求項1記載のカウンターウエイト着脱装置。 - 左右のシリンダ側連結部の連結ピンがカウンターウエイト昇降用シリンダの下端部に固設されたガイドスリーブにより回転不能かつ軸方向移動可能にガイドされて一直線上に配置されると共に、
左右のシリンダ側連結部の連結ピンを同時に駆動する1つの連結ピン駆動用シリンダが左右のシリンダ側連結部の連結ピンの間に配置され、
前記1つの連結ピン駆動用シリンダが、左のシリンダ側連結部の連結ピンと右のシリンダ側連結部の連結ピンに対して鉛直面内での揺動動作のみを許容されるようにして其の両端部を前記左右のシリンダ側連結部の連結ピンに枢着され、
前記1つの連結ピン駆動用シリンダと前記左右のシリンダ側連結部の連結ピンと前記ガイドスリーブとによって前記ロッド状の回り止め連結部材が構成されていることを特徴とした請求項1記載のカウンターウエイト着脱装置。
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