JP5898204B2 - 体温計 - Google Patents

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Description

本発明は、体温計に関するものである。
被検体の体表面に貼り付け、被検体の深部の体温を測定する体温計として、従来より、非加熱型の体温計が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
一般に、非加熱型の体温計には、被検体の体表面に貼り付けた際に体表面に接触する第1の温度センサと、該第1の温度センサに対して断熱材を介して対向した位置に配される第2の温度センサと、から構成される温度センサのペアが少なくとも2組備えられている。そして、各温度センサのペアが配されたそれぞれの断熱材の厚さが互いに異なるように構成し、各温度センサのペアにおける第1の温度センサと第2の温度センサとの温度差をそれぞれ検出することにより、深部からの熱流量を求め、深部の体温を算出することとしている(このような測定方式から、以下、本明細書では、かかる体温計を「熱流式体温計」と称することとする)。
特開2007−212407号公報 特開2009−222543号公報
しかしながら、熱流式体温計は測定誤差が大きく、深部の体温を高精度に測定することは困難である。このため、実用化にあたっては測定精度に影響を及ぼす要因(外乱も含む)を個別に調べ、それらの要因を排除する対策を講じていくことが不可欠である。加えて、熱流式体温計の場合、体表面に貼り付ける部分のサイズが大きいうえに、ある程度の厚さも有しており柔軟性に欠けることから、実用化においては装着性を改善することも不可欠である。更に、被検体の体表面に貼り付けられるため、衛生上の観点から、使い回しができないことから、コストがかかるという問題もあった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、被検体の体表面に貼り付け、被検体の深部の体温を測定する熱流式体温計において、測定精度の向上と装着性の改善を図るとともに、コストを削減することを目的とする。
本発明の第1の側面は、被検体の体表面に接触させることで、深部体温を測定する体温計であって、第1のユニットおよび第2のユニットを備え、前記第1のユニットが、前記体表面に接触する側に第1の温度センサが配され、前記体表面に接触する側の面とは反対側に第2の温度センサがそれぞれ配された、第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体と、前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体の、前記体表面に接触する側の面とは反対側の面を覆うように構成される均一化部材と、前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体の側面を取り囲むように配され、該第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体と、前記均一化部材とを一体的に保持する保持部材と、を備え、前記第2のユニットが、前記第1のユニットが装着された状態で、前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体の側面を取り囲むように配された断熱部材と、前記第1のユニットを着脱可能に固定する固定部材とを備える。
本発明の第2の側面は、被検体の体表面に接触させることで、深部体温を測定する体温計であって、第1のユニットおよび第2のユニットを備え、前記第1のユニットが、前記体表面に接触する側に第1の温度センサが配され、前記体表面に接触する側の面とは反対側に第2の温度センサがそれぞれ配された、第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体と、前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体の、前記体表面に接触する側の面とは反対側の面を覆うように構成される均一化部材と、前記均一化部材に対して所定の空間をもって配され、前記第1の温度センサ及び第2の温度センサの出力を処理する回路基板と、前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体の側面を取り囲むように配され、該第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体と、前記均一化部材と、前記回路基板とを一体的に保持する保持部材と、を備え、前記第2のユニットが、前記第1のユニットが装着された状態で、前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体の側面を取り囲むように配された断熱部材と、前記第1のユニットを着脱可能に固定する固定部材と、前記第1のユニットが装着された状態で、前記回路基板と電気的に接続されるアンテナ部とを備える。
本発明によれば、被検体の体表面に貼り付け、被検体の深部の体温を測定する熱流式体温計において、測定精度を向上させることが可能となる。また、必ずしも平らでない体表面に対し、断熱部材を含む使い捨て部を密着するように貼り付けることが可能となり、装着性が向上する。更に、被検体の体表面に貼り付けられる使い捨て部と、体温を測定する再利用部とを分離し、被検体の体表面に貼り付けられる使い捨て部に対して、体温を測定する再利用部を着脱可能に構成したことにより、再利用部の使い回しが可能となり、コストを削減することが可能となった。
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
図1は、熱流式体温計の測定原理を説明するために、熱流式体温計における熱流を電気回路相似法を用いて電気回路として表現した図である。 図2は、測定誤差のシミュレーション結果を示す図である。 図3は、測定誤差の要因を示す概念図である。 図4は、均一化部材に対する外乱の影響を説明するための図である。 図5Aは、熱流式体温計の断面構成を示す図である。 図5Bは、熱流式体温計の断面構成を示す図である。 図5Cは、熱流式体温計の再利用部を使い捨て部に装着する手順を説明するための図である。 図6Aは、熱流式体温計の平面構成を示す図である。 図6Bは、熱流式体温計の平面構成を示す図である。 図7は、熱流式体温計と、該熱流式体温計と通信可能な体温表示装置とを備える体温測定システムの外観構成を示す図である。 図8は、回路基板に搭載された処理部を備える熱流式体温計の機能構成を示す図である。 図9は、体温表示装置の機能構成を示す図である。 図10Aは、熱流式体温計の断面構成を示す図である。 図10Bは、熱流式体温計の断面構成を示す図である。 図10Cは、熱流式体温計の再利用部を使い捨て部に装着する手順を説明するための図である。 図11Aは、熱流式体温計の平面構成を示す図である。 図11Bは、熱流式体温計の平面構成を示す図である。 図12は、熱流式体温計の機能構成を示す図である。 図13は、熱流式体温計の平面構成を示す図である。 図14Aは、熱流式体温計の断面構成を示す図である。 図14Bは、熱流式体温計の断面構成を示す図である。
以下、必要に応じて添付図面を参照しながら本発明の各実施形態の詳細を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能であるものとする。
[第1の実施形態]
<1.熱流式体温計による深部体温の測定原理>
はじめに、熱流式体温計(被検体の体表面に貼り付け、被検体の深部の体温を測定する体温計であって、加熱機能を有していないタイプの体温計)における、深部体温の測定原理について簡単に説明する。
図1は、熱流式体温計の測定原理を説明するために、熱流式体温計における熱流を電気回路相似法を用いて電気回路として表現した図である。
図1に示すように、熱流を電流I、温度を電圧T、熱抵抗を電気抵抗Rとすることで、熱流式体温計における熱流は、等価回路100により表現することができる。
図1において、Tbは深部体温を、Rtは被検体の皮下組織の熱抵抗を、Tt1は第1の温度センサ111において検出された温度を、Ta1は第2の温度センサ112において検出された温度を、Ra1は熱抵抗体113の熱抵抗値をそれぞれ示している。また、Tt2は第1の温度センサ121において検出された温度を、Ta2は第2の温度センサ122において検出された温度を、Ra2は熱抵抗体123の熱抵抗値をそれぞれ示している。更に、Tcは外部温度を、Rcは、外気側の測定温度を均一化させるための均一化部材130と外界との間の熱抵抗値をそれぞれ示している。
等価回路100では、電圧(Tb−Tc)が印加されているものと置き換えることができることから、等価回路100内にはその電圧に応じて電流Iが流れると仮定することができる。
このうち、熱抵抗体113における熱流を電流I1、熱抵抗体123における熱流を電流I2とすると、電流I1及び電流I2は下式(1)、(2)のように表すことができる。
Figure 0005898204
そして、それぞれの式を変形すると、下式(3)、(4)のようになる。
Figure 0005898204
ここで、皮下組織の熱抵抗Rtは、個人ごと及び部位ごとに異なり、一定ではない。そこで、上式(3)、(4)からRtを削除すべく、Rtについて求めると、下式(5)のようになる。
Figure 0005898204
そして、上式(5)を上式(4)に代入することで、下式(6)が求められる。
Figure 0005898204
ここで、Ra1及びRa2は既知であるため、4つの温度(Tt1、Tt2、Ta1、Ta2)が検出されれば、一義的に深部体温Tbを求めることができる。
<2.体温計における測定誤差についてのシミュレーション>
次に、上述した測定原理により深部体温を測定する熱流式体温計における測定誤差のシミュレーションについて説明する。上記熱流式体温計における測定誤差を検討するにあたり、本願出願人は、体温計の形状(直径及び厚み)に着目し、体温計の形状(直径及び厚み)を様々に変化させた場合の測定誤差についてシミュレーションを行った。
図2は、熱抵抗体113、123の材質として、熱伝導率0.25[W/m・K]のポリアセタール(POM)を使用し、外気側の測定温度を均一化させるための均一化部材130として、熱伝導率236[W/m・K]のアルミニウムを使用した場合の、各熱抵抗体113、123の形状(直径及び厚み)の違いによる測定誤差のシミュレーション結果を示したものである。
図2において、201は熱抵抗体113の厚みを10mm、熱抵抗体123の厚みを20mmとした場合において、各熱抵抗体113、123の直径を10mm〜30mmの間で変化させた場合の、測定値の変化を示したグラフである。
また、202は熱抵抗体113の厚みを5mm、熱抵抗体123の厚みを10mmとした場合において、各熱抵抗体113、123の直径を10mm〜30mmの間で変化させた場合の、測定値の変化を示したグラフである。
同様に、203は熱抵抗体113の厚みを2.5mm、熱抵抗体123の厚みを5mmとした場合において、また、204は熱抵抗体113の厚みを1mm、熱抵抗体123の厚みを2mmとした場合において、更に、205は熱抵抗体113の厚みを0.5mm、熱抵抗体123の厚みを1mmとした場合において、それぞれ各熱抵抗体113、123の直径を10mm〜30mmの間で変化させた場合の、測定値の変化を示したグラフである。
図2によれば、熱抵抗体113、123の直径が大きくなるほど(紙面右側にいくほど)、測定値が設定温度に近づく(つまり、測定誤差が小さくなる)ことがわかる。また、熱抵抗体113、123の厚みが薄くなるほど(紙面上側にいくほど)、測定値が設定温度に近づく(つまり、測定誤差が小さくなる)ことがわかる。
したがって、熱流式体温計では、熱抵抗体の厚みを薄くし直径を大きくするほど、測定誤差が小さくなるものと推測される。
<3.シミュレーション結果の検討>
上記シミュレーション結果について検討する。図3は、上記シミュレーション結果に基づいて検討した、測定誤差の要因を示す概念図である。図3において、301は被検体の深部体温を示している。
上述した深部体温の測定原理を考慮すると、深部体温301からの熱流は、そのすべてが熱抵抗体113及び熱抵抗体123を通過して(つまり、第1の温度センサ111、121及び第2の温度センサ121、122のいずれかを通過して)、均一化部材130より外部に放散されることが望ましい。しかしながら、実際には、深部体温301からの熱流は、被検体の皮下組織を通過する間に拡散し、その一部は、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の周囲の体表面から(つまり、熱抵抗体113、123を通過せずに)、直接外部に放散される(矢印311、321参照)。
また、熱抵抗体113及び熱抵抗体123に入射した熱流のうち、その一部は、熱抵抗体113及び熱抵抗体123を通過せず(つまり、第1の温度センサ111は通過しても第2の温度センサ112を通過せず、あるいは、第1の温度センサ121は通過しても第2の温度センサ122を通過せず)、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の側面から外部に放散される(矢印312、322参照)。
ここで、熱流312、322については、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の側面の面積を小さくすることで(つまり、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の厚さを薄くすることで)、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の側面からの放散を直接的に抑えることができる(このことは、図2において、熱抵抗体113、123の厚みが薄くなるほど(図2の紙面上側にいくほど)、測定値が設定温度に近づくことから導くことができる)。
また、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の直径を大きくすることで、熱流312、322の、第1の温度センサ111、121及び第2の温度センサ121、122への影響を、間接的に抑えることが可能であると考えられる(このことは、図2において、熱抵抗体113、123の直径が大きくなるほど(図2の紙面右側にいくほど)、測定値が設定温度に近づくことから導くことができる)。
なお、このような熱抵抗体113及び熱抵抗体123の直径を大きくすることに伴う効果は、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の周囲の体表面に断熱部材を配することにより置き換えることも可能である。断熱部材を配することにより、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の直径を小さくしたとしても、断熱部材によって直接的に熱流311、321による放散を抑えることができるからである。
なお、熱抵抗体が直径10mmで、厚さがそれぞれ1mm及び2mmの2つの熱抵抗体の組み合わせからなる体温計を試作し、生体の代わりに約37℃に加温した恒温水槽内のお湯の上に皮膚及び皮下組織に見立てたプラスチック製の板を載せることで疑似生体を生成し、当該疑似生体を用いて実験したところ、周囲に断熱部材を配さない場合には、水温に対して前記式(6)を用いて計算した深部温度とは、約1.1℃の差が生じたが、熱抵抗体の周囲に断熱部材を配すると、誤差は約0.1℃となり、図2で示された熱抵抗体の直径が30mmの場合の計算結果とほぼ一致する結果を得ることができた。
更に、熱流311、321については、熱抵抗体113及び123の周囲の体表面に断熱部材を配することで、直接的に、放散を抑えることができる。
更に、熱抵抗体113、123よりも、熱伝導率の高い均一化部材130により、熱抵抗体113、123の上面全体を覆うことで、熱抵抗体113、123を通過する熱流は、熱伝導率の高い均一化部材130側から(つまり、熱抵抗体113、123の上面側から)、より放散されることとなる(なお、この場合、均一化部材130の熱抵抗体113、123を覆う側と反対側(背面側)の面は露出していることが前提である。ただし、ここでいう露出とは、背面側の面が外気に直接接触する場合のみならず、背面側の面に施されたコーティング剤やその他の材質を介して外気に接触する場合も含まれるものとする)。つまり、熱抵抗体113、123を通過する熱流の方向を、体表面に対して略垂直方向に向けることにより、熱抵抗体113、123の側面からの放散を、間接的に抑えることができると考えられる。
以上のことから、熱流式体温計においては、
・熱抵抗体113及び123の厚みを薄くする、
・熱抵抗体113及び123の側面に断熱部材を配置する、
・熱抵抗体113及び123よりも熱伝導率の高い均一化部材130により熱抵抗体113及び123の上面全体を覆う、
・均一化部材130の背面は露出させる、
ことで、測定誤差を小さくさせることが可能であると考えられる。
<4.体温計における外乱の原因とその影響についての説明>
次に、上述した測定原理により深部体温を測定する熱流式体温計において、外部(体表面に接触する側と反対側)の急激な温度変化(外乱)の原因とその影響について検討する。なお、熱流式体温計が受ける外乱の影響には、様々なものが考えられるが、本願では、特に、均一化部材130が受ける外乱の影響に着目して検討する。
一般に、熱流式体温計は、被検者の体表面に、長時間にわたって直接貼り付けられることを前提としている。このため、例えば、貼り付け位置が衣服の内側であった場合には、外乱の原因として、当該衣服の一部が均一化部材130と接触することが考えられ、それによって接触面の温度が急激に変化し、測定結果に影響を及ぼすことが考えられる。
一方、貼り付け位置が、衣服等に覆われておらず、外気に露出した位置であった場合には、外乱の原因として被検者自身の指等の人体の一部が、均一化部材130に直接接触することが考えられ、それによって接触面の温度が急激に変化し、測定結果に影響を及ぼすことが考えられる。更に、他の外乱の原因として風等が直接あたることが考えられ、それによって均一化部材全体の温度が急激に変化し、測定結果に影響を及ぼすことが考えられる。
そこで、本願出願人は、上述のような、実際の貼り付け位置を想定した場合に列挙されうる様々な外乱の原因について、それぞれの影響の度合いを実験した。
図4は、熱流式体温計において、均一化部材に対して、1)(衣服の代わりに)紙を接触させた場合、2)指を接触させた場合、3)風をあてた場合、の3通りについて、それぞれの影響の度合いを示した図である。
図4において、横軸は経過時間であり、401、402はそれぞれ紙を接触させたタイミングを、403、404はそれぞれ指を接触させたタイミングを、405、406はそれぞれ風をあてたタイミングを示している。また、縦軸は測定温度であり、400は測定結果を、410は測定対象の温度をそれぞれ示している。
図4に示すように、1)〜3)のいずれについても、測定結果に影響を及ぼすことが分かった(測定対象の温度410の変化と無関係に、1)〜3)のタイミングで測定結果が変化している)。
<5.均一化部材が受ける外乱の影響を除去するための要件>
上記「4.」で説明した実験結果を踏まえ、均一化部材130が受ける外乱の影響を除去するための要件について検討する。図4に示したように、実際の貼り付け位置を想定した場合に考えられるいずれの外乱に対しても、熱流式体温計は影響を受ける。このため、熱流式体温計では、これらの外乱の影響を除去するために、以下のような構成を備えることが不可欠である。
(1)衣服や指等が均一化部材に直接接触することを回避できる構成。
(2)均一化部材にあたる風を遮断できるか、少なくとも、その量、速度を低減できる構成。
一方で、熱流式体温計の場合、上記「1.」において説明したとおり、熱抵抗体113及び熱抵抗体123における熱流を4つの温度センサ(第1の温度センサ111、121、第2の温度センサ112、122)により検出することにより、深部体温Tbを算出する構成となっている。このため、測定精度を維持するためには、熱抵抗体113及び熱抵抗体123における熱流を妨げないように構成することが重要である。
つまり、熱流式体温計において均一化部材130が受ける外乱の影響を除去するための要件は、内部から外部への熱流を妨げず、かつ外部から均一化部材への外乱を遮断する構成であるということができる。
<6.測定誤差の低減対策及び外乱除去対策を施した熱流式体温計の断面構成>
上記「2.」〜「5.」で説明した検討結果を踏まえ、測定誤差の低減対策及び外乱除去対策を施すとともに、使い回しができるようにするために使い捨て部と再利用部とに分離可能に構成した、本実施形態の熱流式体温計について説明する。図5Aは、本実施形態に係る熱流式体温計500の断面構成を示す図である。
図5Aに示すように、本実施形態に係る熱流式体温計500は、再利用部(第1のユニット)500Aと、使い捨て部(第2のユニット)500Bとに分離可能に構成されている。再利用部500Aは、ハウジング(再利用部500Aに含まれる各構成を一体的に保持するための保持部材)512により一体的に構成されており、使い捨て部500Bの中央部分の凹部に嵌合することで、使い捨て部500Bに着脱可能に装着される。なお、使い捨て部500Bには固定部材513が設けられており、再利用部500Aが嵌合した際に、再利用部500Aのハウジング512を支持するよう構成されている。
次に、再利用部500Aが使い捨て部500Bに装着された状態を示す図5Bを用いて、熱流式体温計500の各部について説明する。
図5Bにおいて、111、121は、被検体の体表面に貼り付けた際に、体表面に接触する側に位置する第1の温度センサであり、112、122は第1の温度センサ111及び121に対向する側に配された第2の温度センサである。なお、第1及び第2の温度センサ(111、121、112、122)は、例えば、熱電対により構成されているものとする。
113は第1の温度センサ111と第2の温度センサ112との間に配され、被検体の体表面からの熱流を通過させる熱抵抗体である。同様に、123は第1の温度センサ121と第2の温度センサ122との間に配され、被検体の体表面からの熱流を通過させる熱抵抗体である。
なお、熱抵抗体113及び熱抵抗体123は、それぞれ、熱伝導率が0.25[W/m・K]のポリアセタールにより構成されているものとする。また、熱抵抗体113は、厚さ1mmで直径が10mmの平板形状を有しており、熱抵抗体123は、厚さ2mmで直径が10mmの平板形状を有しているものとする。そして、第1の温度センサ111、121及び第2の温度センサ112、122はそれぞれ、熱抵抗体113及び熱抵抗体123内の中央位置に配置されているものとする。
このような形状・配置を有することにより、本実施形態に係る熱流式体温計500では、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の側面からの熱流の放散自体を抑えることが可能となる。また、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の周囲の体表面から熱流が放散したことによる、第1の温度センサ111、112及び第2の温度センサ121、122への影響を極力抑えることが可能となる。
また、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の側面には、熱抵抗体113及び熱抵抗体123よりも熱伝導率が低いかまたは同程度で、断熱部材514(例えば、発泡ゴムやポリウレタン等)または空間514が配されており、更に、その周囲はハウジング512で囲まれている。
このような形状・配置を有することにより、本実施形態に係る熱流式体温計500では、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の側面からの熱流の放散も抑えることが可能となる。
また、ハウジング512の外側には使い捨て部(第2のユニット)500Bがあり、熱抵抗体113、123よりも厚みがある断熱部材501により囲まれることとなる。
これにより、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の周囲の体表面からの熱流の放散を直接的に抑えることができる。なお、使い捨て部(第2のユニット)500Bの当該断熱部材501は体表面の形状に沿って変形させることができるため、熱流式体温計を体表面に密着して貼り付けるのに適している。
なお、断熱部材501の上面はプラスチックフィルム502により覆われており、プラスチックフィルム502の上面には、更に、固定テープ511が剥離可能に取り付けられている(固定テープ511は、使い捨て部500Bに装着された再利用部500Aを固定するために用いられる)。
一方、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の上面には、熱伝導率236[W/m・K]のアルミニウムからなる均一化部材130が配されており、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の上面全体を覆っている。これにより、熱抵抗体113の上面及び熱抵抗体123の上面(つまり、熱流が放散される外気側)の温度は均一化されるとともに、(熱抵抗体113、123を通過する熱流の方向を、体表面に対して略垂直方向に向けることにより、)熱抵抗体113及び熱抵抗体123の側面からの熱流の放散を間接的に抑えることができる。
なお、図5Bに示すように、熱抵抗体113及び熱抵抗体123とは、1〜10mm程度(好ましくは2〜6mm)の間隔をもって断熱部材514を介して並置されており、熱抵抗体113を通過する熱流と熱抵抗体123を通過する熱流とが混ざり合うことがないように構成されているものとする。
更に、均一化部材130の上方には、深部体温を算出するための電子回路が実装された回路基板510が取り付けられている。回路基板510は、ハウジング512内に固定されており、ハウジング512の中央部分が均一化部材130に対して所定量の空間をもって配されている。回路基板510には、各温度センサで検出した温度から、深部温度を算出可能であり、かつ、電磁誘導により起動可能な処理部(RF−IDタグを含む)が搭載されている。なお、処理部の詳細は後述する。回路基板510の材質は、例えば、プラスチック等の可塑性の材質であってもよい。また、回路基板510及び該回路基板510を取り囲むハウジング512は、均質に形成されていてもよいし、所定の大きさの通気孔(衣服や指等が均一化部材130に直接接触することがない程度の径からなる通気孔)が複数設けられていてもよい。
いずれにしても、均一化部材130が直接露出しない構成とすることで、衣類や指等が直接均一化部材130に接触することを回避させることが可能となる。また、均一化部材に対して外側からあたる風を遮断する(または風量、風速を低減させる)ことが可能となる。
なお、回路基板510を取り囲むハウジング512と均一化部材130との間には、空間(空気層)が設けられているため、均一化部材130から放散される熱流が回路基板510を取り囲むハウジング512によって妨げられることもない。
つまり、回路基板510及び該回路基板510を取り囲むハウジング512は、熱流式体温計500において均一化部材130が受ける外乱の影響を除去するための要件である、内部から外部への熱流を妨げず、かつ外部から均一化部材への外乱を遮断する構成を具備しているということができる。また、仮に、回路基板510及び該回路基板510を取り囲むハウジング512を断熱部材501上に配する構成とすると、断熱部材501の柔軟性が損なわれることとなり、装着性が低下してしまうのに対して、上述のように均一化部材130の上方に取り付ける構成とすることで、断熱部材501の装着性の低下を回避させることが可能となる。
なお、図5Bの体表面に接触する側の面において、熱抵抗体113及び熱抵抗体123及び断熱部材501はそれぞれの底面が同一平面を形成するように配置され固定されている。この結果、被検体の体表面に貼り付けた際に、熱抵抗体113の底面及び熱抵抗体123の底面及び断熱部材501はそれぞれ、被検体の体表面に対して隙間なく貼り付けられることとなる。
また、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の底面は、それぞれ、アルミテープ等の熱伝導性のよい熱伝導部材503、504により覆われており、更に、熱流式体温計500の体表面側全体は、貼り付けテープ(粘着層)505及び貼り付けテープ(剥離紙)506により覆われている。これにより、熱流式体温計500を被検体の体表面に容易に装着させることができる。
<7.再利用部500Aを使い捨て部500Bに装着する手順>
次に、熱流式体温計500の再利用部500Aを使い捨て部500Bに装着する際の、装着手順について説明する。図5Cは、再利用部500Aを使い捨て部500Bに装着するための装着手順を説明するための図である。上述したように、再利用部500Aと使い捨て部500Bとは分離可能に構成されており、被検体の体温測定に用いられた熱流式体温計500は、被検体から取り外された後、再利用部500Aは使い捨て部500Bから取り外され、当該取り外された再利用部500Aは、新たな使い捨て部500Bに装着されることで、再利用される。
図5Cにおいて、5aは新たな使い捨て部500Bに、再利用部500Aがまだ装着されていない様子を示している。この状態で、使い捨て部500Bの固定テープ511を剥がし、再利用部500Aを嵌合する凹部を露出させる(5b参照)。
使い捨て部500Bの凹部が露出した状態で、再利用部500Aを矢印530方向に移動させることで、再利用部500Aを使い捨て部500Bの凹部に嵌合させる。5dは、再利用部500Aを使い捨て部500Bに嵌合させた様子を示している。
この後、一旦剥がした固定テープ511を、もとの位置に戻すことで、再利用部500Aが使い捨て部500Bに固定されることとなる。
<8.測定誤差の低減対策及び外乱除去対策を施した熱流式体温計の平面構成>
次に、熱流式体温計500の平面構成について説明する。図6A、図6Bは、本実施形態に係る熱流式体温計500の種々の平面構成を示した図であり、それぞれ、被検体の体表面に貼り付けられた際に、体表面に接触する側の面と対向する側(つまり、背面側)から見た場合の平面図と、体表面に接触する側からみた場合の平面図と、その中間位置(2箇所)で切断した場合の平面図とを示している。
このうち、図6Aの例は、断熱部材501の外周が、熱抵抗体113と熱抵抗体123とが並置された方向に沿った2つの直線部を2つの円弧部でつないだ形状を有し、かつ、その中央位置に、熱抵抗体113と熱抵抗体123とが配された場合を示している。なお、熱抵抗体113及び熱抵抗体123は、平面形状が円形であっても(6a−1)、その他の形状、例えば矩形であってもよい(6b−1)。
図6Bの例は、断熱部材501の外周が、4つの直線部をつないだ形状を有し、その中央位置に、熱抵抗体113と熱抵抗体123とが配された場合を示している。なお、この場合も、図6Aと同様に、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の平面形状は、円形であっても(6a−2)、その他の形状、例えば矩形であってもよい(6b−2)。
<9.熱流式体温計を備える体温測定システムの外観構成>
次に図5Bに示す熱流式体温計500を備える体温測定システムについて説明する。図7は、熱流式体温計500と、該熱流式体温計500と通信可能な体温表示装置700とを備える体温測定システムの外観構成を示す図である。
熱流式体温計500は、不図示の処理部(通信を行うためのアンテナを備え、検出された各温度センサの温度値を処理するRF−IDタグ)を備えている。処理部は、体温表示装置700から、アンテナを介して電力供給(例えば13.56MHzの周波数の電磁誘導による電力供給)を受け、内部に含まれる電源回路(不図示)に電力が供給されることで、処理部全体が起動し、取得された深部体温データを、各種情報とともに体温表示装置700に送信する。
体温表示装置700は、RF−IDリーダ/ライタを備えており、処理部に近づけた際に、処理部との間で磁気結合し、処理部に含まれる電源回路への電力供給と、処理部からの深部体温データ及び各種情報の受信とを行う。
このように、図7に示す体温測定システムは、熱流式体温計500が、処理部を備え、体温表示装置700が有するRF−IDリーダ/ライタより電力供給を受けて作動する構成となっているため、内部に電源を搭載しておく必要がなく、小型・軽量化を実現することができる。この結果、被検体の測定部位に長時間装着しておくことが容易となる。
また、測定結果は、所定の周波数、例えば13.56MHzの電磁誘導を起こすRF−IDリーダ/ライタを備える体温表示装置700を、熱流式体温計500が貼り付けられた測定部位の5〜30mm程度の位置に近づけるだけで読み取ることができるため、測定者による測定結果の確認・記録作業の負荷を大幅に軽減させることが可能となる。
<10.体温計及び体温表示装置の機能構成>
次に、熱流式体温計500の機能構成について説明する。図8は、処理部800が搭載された回路基板510とセンサ部820とを備える熱流式体温計500の機能構成を示す図である。
図8において、812は無線通信部であり、整流回路や昇圧回路等を備える。無線通信部812では、アンテナ810において生じた交流電圧を、所定の直流電圧に変換し、記憶部813及びコントロール部814に供給する。また、コントロール部814において取得された深部体温データを所定形式でアンテナ810を介して体温表示装置700に送信する。
813は記憶部であり、処理部固有の識別情報等を記憶する。814はコントロール部であり、無線通信部812及び記憶部813の動作を制御する。また、センサ部820(第1、第2の温度センサ111、112、121、122)からの出力を処理(デジタル変換、プログラム化された計算式による演算等)し、深部体温データとして無線通信部812に送信する。
820はセンサ部であり、第1及び第2の温度センサ(111、112、121、122)を備える。
<11.体温表示装置の機能構成>
次に、体温表示装置700の機能構成について説明する。図9は、体温表示装置700の機能構成を示す図である。体温表示装置700は、電池、充電池等で構成される電源部、電源ON/OFFスイッチを含む操作スイッチを備えているが、ここでは省略している。
図9において、900はRF−IDリーダ/ライタであり、アンテナ901と、無線通信部902と、信号処理部904とを備える。
アンテナ901は、所定の周波数、例えば13.56MHzの周波数の電磁誘導により、熱流式体温計500の処理部800のアンテナ810を介して、処理部800に電源を供給したり、処理部800よりデータを受信したりする。
無線通信部902では、アンテナ901を介して熱流式体温計500の処理部800に電源を供給するために、アンテナ901に印加する電圧を制御したり、アンテナ901を介して熱流式体温計500の処理部800より受信したデータを信号処理部904に送信する。
信号処理部904では、受信したデータを処理し深部体温データとしてコントロール部911に送信する。
コントロール部911では、無線通信部902、信号処理部904の動作を制御する。また、信号処理部904から送信された深部体温データを識別情報とともに記憶部912に格納したり、表示部913に表示したりする。更に、記憶部912に格納された深部体温データを、識別情報とともに有線通信部914を介して、他の情報処理装置(有線通信部914を介して有線接続された他の情報処理装置)に送信したりする。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る熱流式体温計では、熱抵抗体の周囲の体表面からの熱流の放散を抑えるとともに、熱抵抗体の周囲の体表面からの熱流の放散に伴う温度センサへの影響を抑え、かつ、熱抵抗体の側面からの熱流の放散を抑える構成とした。更に、均一化部材が受ける外乱の影響を除去する構成とした。この結果、熱流式体温計の深部体温の測定精度を向上させることが可能となった。また、必ずしも平らでない体表面に対し、断熱部材を含む使い捨て部を密着するように貼り付けることができるようになり、装着性を向上させることが可能となった。更に、被検体の体表面に貼り付けられる使い捨て部と、体温を測定する再利用部とを分離し、被検体の体表面に貼り付けられる使い捨て部に対して、体温を測定する再利用部を着脱可能に構成したことにより、再利用部の使い回しが可能となり、コストを削減することが可能となった。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、回路基板510内にアンテナ810を配する構成とした。しかしながら、体温表示装置700による安定した読み取りを実現するためには、アンテナサイズを大きくすることが望ましい。そこで、本実施形態では、アンテナ部を使い捨て部側に配する構成とした。以下、本実施形態の詳細を説明する。
<1.測定誤差の低減対策及び外乱除去対策を施した熱流式体温計の断面構成>
上記第1の実施形態の「2.」〜「5.」で説明した検討結果を踏まえ、測定誤差の低減対策及び外乱除去対策を施すとともに、使い回しができるようにするために使い捨て部と再利用部とに分離可能に構成した、本実施形態の熱流式体温計について説明する。図10Aは、本実施形態に係る熱流式体温計1000の断面構成を示す図である。
図10Aに示すように、本実施形態に係る熱流式体温計1000は、再利用部(第1のユニット)1000Aと、使い捨て部(第2のユニット)1000Bとに分離可能に構成されている。再利用部1000Aは、ハウジング(再利用部1000Aに含まれる各構成を一体的に保持するための保持部材)1012により一体的に構成されており、使い捨て部1000Bの中央部分の凹部に嵌合することで、使い捨て部1000Bに着脱可能に装着される。
使い捨て部1000Bには固定部材1013が設けられており、再利用部1000Aが嵌合した際に、再利用部1000Aのハウジング1012を支持するよう構成されている。更に、再利用部1000Aのハウジング1012に設けられ、回路基板1010から延設された電極1014は、再利用部1000Aが嵌合した際に、固定部材1013に設けられ、アンテナ1016から延設された電極1015と接続するように構成されている。したがって、再利用部1000Aが使い捨て部1000Bに装着された状態では、回路基板1010に搭載された処理部と、使い捨て部1000Bの断熱部材1001上に外周に沿って配されたアンテナ1016とが、電気的に接続されることとなる。
次に、再利用部1000Aが使い捨て部1000Bに装着された状態を示す図10Bを用いて、熱流式体温計1000の各部について説明する。
図10Bにおいて、111、121は、被検体の体表面に貼り付けた際に、体表面に接触する側に位置する第1の温度センサであり、112、122は第1の温度センサ111及び121に対向する側に配された第2の温度センサである。なお、第1及び第2の温度センサ(111、121、112、122)は、例えば、熱電対により構成されているものとする。
113は第1の温度センサ111と第2の温度センサ112との間に配され、被検体の体表面からの熱流を通過させる熱抵抗体である。同様に、123は第1の温度センサ121と第2の温度センサ122との間に配され、被検体の体表面からの熱流を通過させる熱抵抗体である。
なお、熱抵抗体113及び熱抵抗体123は、それぞれ、熱伝導率が0.25W/mKのポリアセタールにより構成されているものとする。また、熱抵抗体113は、厚さ1mmで直径が10mmの平板形状を有しており、熱抵抗体123は、厚さ2mmで直径が10mmの平板形状を有しているものとする。そして、第1の温度センサ111、121及び第2の温度センサ112、122はそれぞれ、熱抵抗体113及び熱抵抗体123内の中央位置に配置されているものとする。
また、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の側面には、熱抵抗体113及び熱抵抗体123よりも熱伝導率が低いかまたは同程度で、断熱部材1017(例えば、発泡ゴムやポリウレタン等)または空間1017が配されており、更に、その周囲はハウジング1012で囲まれている。
このような形状・配置を有することにより、本実施形態に係る熱流式体温計1000では、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の側面からの熱流の放散も抑えることが可能となる。また、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の周囲の体表面から熱流が放散したことによる、第1の温度センサ111、112及び第2の温度センサ121、122への影響を極力抑えることが可能となる。
また、ハウジング1012の外側には使い捨て部(第2のユニット)1000Bがあり、熱抵抗体113、123よりも厚みがある断熱部材1001により囲まれることとなる。
これにより、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の周囲の体表面からの熱流の放散を直接的に抑えることができる。なお、使い捨て部(第2のユニット)1000Bの当該断熱部材1001は体表面の形状に沿って変形させることができるため、熱流式体温計を体表面に密着して貼り付けるのに適している。
なお、断熱部材1001の上面はプラスチックフィルム1002により覆われており、プラスチックフィルム1002の上面には、更に、固定テープ1011が剥離可能に取り付けられている(固定テープ1011は、使い捨て部1000Bに装着された再利用部1000Aを固定するために用いられる)。
一方、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の上面には、熱伝導率236W/mKのアルミニウムからなる均一化部材130が配されており、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の上面全体を覆っている。これにより、熱抵抗体113の上面及び熱抵抗体123の上面(つまり、熱流が放散される外気側)の温度は均一化されるとともに、(熱抵抗体113、123を通過する熱流の方向を、体表面に対して略垂直方向に向けることにより、)熱抵抗体113及び熱抵抗体123の側面からの熱流の放散を間接的に抑えることができる。
なお、図10Bに示すように、熱抵抗体113及び熱抵抗体123とは、1〜10mm程度(好ましくは2〜6mm)の間隔をもって断熱部材1017を介して並置されており、熱抵抗体113を通過する熱流と熱抵抗体123を通過する熱流とが混ざり合うことがないように構成されているものとする。
更に、均一化部材130の上方には、回路基板1010が取り付けられている。回路基板1010は、その周縁部分がハウジング1012に固定されており、中央部分が均一化部材130に対して所定量の空間をもって配されている。回路基板1010には、電磁誘導により起動可能な処理部(RF−IDタグ)が搭載されている。なお、処理部の詳細は後述する。回路基板1010の材質は、例えば、プラスチック等の可塑性の材質であってもよい。また、回路基板1010は、均質に形成されていてもよいし、所定の大きさの通気孔(衣服や指等が均一化部材130に直接接触することがない程度の径からなる通気孔)が複数設けられていてもよい。
いずれにしても、均一化部材130が直接露出しない構成とすることで、衣類や指等が直接均一化部材130に接触することを回避させることが可能となる。また、均一化部材に対して外側からあたる風を遮断する(または風量、風速を低減させる)ことが可能となる。
なお、回路基板1010と均一化部材130との間には、空間(空気層)が設けられているため、均一化部材130から放散される熱流が回路基板1010によって妨げられることもない。
つまり、回路基板1010は、熱流式体温計1000において均一化部材130が受ける外乱の影響を除去するための要件である、内部から外部への熱流を妨げず、かつ外部から均一化部材への外乱を遮断する構成を具備しているということができる。また、仮に、回路基板1010を断熱部材1001上に配する構成とすると、断熱部材1001の柔軟性が損なわれることとなり、装着性が低下してしまうのに対して、上述のように均一化部材130の上方に取り付ける構成とすることで、断熱部材1001の装着性の低下を回避させることが可能となる。
なお、図10Bの体表面に接触する側の面において、熱抵抗体113及び熱抵抗体123及び断熱部材1001はそれぞれの底面が同一平面を形成するように配置され固定されている。この結果、被検体の体表面に貼り付けた際に、熱抵抗体113の底面及び熱抵抗体123の底面及び断熱部材1001はそれぞれ、被検体の体表面に対して隙間なく貼り付けられることとなる。
また、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の底面は、それぞれ、アルミテープ等の熱伝導性のよい熱伝導部材1003、1004により覆われており、更に、熱流式体温計1000の体表面側全体は、貼り付けテープ(粘着層)1005及び貼り付けテープ(剥離紙)1006により覆われている。これにより、熱流式体温計1000を被検体の体表面に容易に装着させることができる。
<2.再利用部1000Aを使い捨て部1000Bに装着する手順>
次に、熱流式体温計1000の再利用部1000Aを使い捨て部1000Bに装着する際の、装着手順について説明する。図10Cは、再利用部1000Aを使い捨て部1000Bに装着するための装着手順を説明するための図である。上述したように、再利用部1000Aと使い捨て部1000Bとは分離可能に構成されており、被検体の体温測定に用いられた熱流式体温計1000は、被検体から取り外された後、再利用部1000Aは使い捨て部1000Bから取り外され、当該取り外された再利用部1000Aは、新たな使い捨て部1000Bに装着されることで、再利用される。
図10Cにおいて、10aは新たな使い捨て部1000Bに、再利用部1000Aがまだ装着されていない様子を示している。この状態で、使い捨て部1000Bの固定テープ1011を剥がし、再利用部1000Aを嵌合する凹部を露出させる(10b参照)。
使い捨て部1000Bの凹部が露出した状態で、再利用部1000Aを10cのように矢印1030方向に移動させることで、再利用部1000Aを使い捨て部1000Bの凹部に嵌合させる。10dは、再利用部1000Aを使い捨て部1000Bに嵌合させた様子を示している。この状態で、再利用部1000Aの電極1014と、使い捨て部1000Bの電極1015とが接続することとなる。この結果、回路基板1010に搭載された処理部と、使い捨て部1000Bに配されたアンテナ1016とが電気的に接続されることとなる。
この後、一旦剥がした固定テープ1011を、10eのようにもとの位置に戻すことで、再利用部1000Aが使い捨て部1000Bに固定されることとなる。
<3.測定誤差の低減対策及び外乱除去対策を施した熱流式体温計の平面構成>
次に、熱流式体温計1000の平面構成について説明する。図11A、図11Bは、本実施形態に係る熱流式体温計1000の種々の平面構成を示した図であり、それぞれ、被検体の体表面に貼り付けられた際に、体表面に接触する側の面と対向する側(つまり、背面側)から見た場合の平面図と、体表面に接触する側からみた場合の平面図と、その中間位置(2箇所)で切断した場合の平面図とを示している。
このうち、図11Aの例は、断熱部材1001の外周が、熱抵抗体113と熱抵抗体123とが並置された方向に沿った2つの直線部を2つの円弧部でつないだ形状を有し、かつ、その中央位置に、熱抵抗体113と熱抵抗体123とが配された場合を示している。なお、熱抵抗体113及び熱抵抗体123は、平面形状が円形であっても(11a−1)、その他の形状、例えば矩形であってもよい(11b−1)。
図11Bの例は、断熱部材1001の外周が、4つの直線部をつないだ形状を有し、その中央位置に、熱抵抗体113と熱抵抗体123とが配された場合を示している。なお、この場合も、図11Aと同様に、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の平面形状は、円形であっても(11a−2)、その他の形状、例えば矩形であってもよい(11b−2)。
なお、図11Aの11a−1、11b−1、図11Bの11a−2、11b−2のいずれの形状の場合も、アンテナ1016は、断熱部材1001の外周に沿って配されている。このため、回路基板1010上にアンテナを搭載した場合と比較して、アンテナサイズを大きくすることが可能となる。つまり、処理部において処理されたデータの外部からの読み出しを、回路基板1010上にアンテナを搭載した場合と比較して、安定して行うことができるようになる。
<4.体温計及び体温表示装置の機能構成>
次に、熱流式体温計1000の機能構成について説明する。図12は、再利用部1000Aと使い捨て部1000Bとにより構成される熱流式体温計1000の機能構成を示す図である。
図12に示すように、使い捨て部1000Bにはアンテナ1016が配され、再利用部1000Aには、回路基板1010とセンサ部1220とが配され、アンテナ1016と回路基板1010に搭載された処理部1200とは、電極1014、1015を介して電気的に接続される。そして、アンテナ1016を介して供給される電力が、処理部1200を駆動する電力となる。
1212は無線通信部であり、コントロール部1214において取得された深部体温データを所定形式でアンテナ1016を介して体温表示装置700に送信する。
1213は記憶部であり、処理部固有の識別情報等を記憶する。1214はコントロール部であり、無線通信部1212及び記憶部1213の動作を制御する。また、センサ部1220(第1、第の温度センサ111、112、121、122)からの出力を処理し、深部体温データとして無線通信部1212に送信する。
1220はセンサ部であり、第1及び第2の温度センサ(111、112、121、122)を備える。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る熱流式体温計では、熱抵抗体の周囲の体表面からの熱流の放散を抑えるとともに、熱抵抗体の周囲の体表面からの熱流の放散に伴う温度センサへの影響を抑え、かつ、熱抵抗体の側面からの熱流の放散を抑える構成とした。更に、均一化部材が受ける外乱の影響を除去する構成とした。この結果、熱流式体温計の深部体温の測定精度を向上させることが可能となった。また、必ずしも平らでない体表面に対し、断熱部材を含む使い捨て部を密着するように貼り付けることが可能となり、装着性を向上させることが可能となった。更に、被検体の体表面に貼り付けられる使い捨て部と、体温を測定する再利用部とを分離し、被検体の体表面に貼り付けられる使い捨て部に対して、体温を測定する再利用部を着脱可能に構成したことにより、再利用部の使い回しが可能となり、コストを削減することが可能となった。更に、アンテナを使い捨て部側に配する構成とすることにより、アンテナサイズを大きくすることが可能となり、測定したデータを、外部から安定して読み出すことが可能となった(つまり、体温計に対して、読み取り装置が離れた位置からでも測定したデータを読み取ることが可能となり、利便性が向上する)。
[第3の実施形態]
上記第1及び第2の実施形態では、温度センサ(111、121、112、122)として、例えば、熱電対により構成されているとしたが、サーミスタなど他の温度センサであってもよい。
また、上記第1の実施形態では、熱抵抗体113及び123の形状(厚さ及び直径)として、それぞれ、厚さ1mm、直径10mm、厚さ2mm、直径10mmとしたが、本発明はこれに限定されない。
熱抵抗体113の厚みは、0.5〜10mmの範囲、直径は、5〜20mmの範囲内であればよい。また、熱抵抗体123の厚みは、1mm〜20mmの範囲、直径は、5〜20mmの範囲内であればよい。ただし、熱抵抗体113と熱抵抗体123の厚みの比は、予め決められた値であればどのような比であってもよいが、深部温度算出精度や製造の容易さを考慮すると、1:2程度であることが望ましい。また、熱抵抗体113と熱抵抗体123に対しては、それぞれ異なる熱伝導率を有する部材を用いるようにしてもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態では、熱抵抗体113及び123の材質として、ポリアセタールを用いることとしたが、本発明はこれに限定されず、熱伝導率が同程度またはそれ以下の材質であれば、他の材質を用いてもよい。また、上記第1及び第2の実施形態では、均一化部材130の材質として、アルミニウムを用いることとしたが、本発明はこれに限定されず、熱伝導率が熱抵抗体113、123よりも大きい材質であれば、他の材質を用いてもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態では、断熱部材501(または1001)の材質として、発泡ゴムやポリウレタン等を用いることとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等の樹脂の発泡体であってもよく、熱抵抗体113及び熱抵抗体123よりも熱伝導率が低いかまたは同程度であればよく、柔軟性の高い他の材質を用いるようにしてもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態では、熱抵抗体113及び123のそれぞれに、被検体の体表面に貼り付けた際に体表面に接触する第1の温度センサと、該第1の温度センサに対して熱抵抗体を介して対向した位置に配される第2の温度センサとから構成される温度センサのペアを必要としたが、均一化部材の効果で、熱抵抗体113及び123のそれぞれに配されている第2の温度センサを、共有する構成としてもよい。すなわち、熱抵抗体113には、第2の温度センサ122で検出された温度を用いるか、または、熱抵抗体123には、第2の温度センサ122を配置せず、深部体温を算出する際、熱抵抗体113の第2の温度センサ112で検出された温度を用いてもよい。また、均一化部材の体表面側の面のいずれかの位置に配置されていればよく、必ずしも第1の温度センサと対向した位置に配置していなくてもよい。
[第4の実施形態]
上記第1乃至第3の実施形態では、熱抵抗体113と熱抵抗体123とを、1〜10mm程度(好ましくは2〜6mm)の間隔をもって断熱部材514(または1017)を介して並置させる構成としたが本発明はこれに限定されない。例えば、熱抵抗体113と熱抵抗体123とを、同心円状に配置させる構成としてもよい(図13参照)。
この場合、第1の温度センサ111及び第2の温度センサ112は、第1の温度センサ121及び第2の温度センサ122に対して、対称となる位置に配置させることが望ましい。つまり、第1の温度センサ111を2つと、第2の温度センサ112を2つ配置する構成とすることが望ましい。
あるいは、上記の場合、温度センサが合計6個必要となるが、均一化部材の効果から、第1の温度センサ111のみを2つ配置し、第2の温度センサ112は、第2の温度センサ122の検出結果により代替させるように構成してもよい。
[第5の実施形態]
上記第1乃至第4の実施形態では、熱流式体温計500(または1000)が、処理部を備え、体温表示装置700が有するRF−IDリーダ/ライタより電力供給を受けて作動する構成となっているため、内部に電源を搭載しておく必要がなく、小型・軽量化を実現することができるとしたが、本発明はこれに限定されない。
例えば、熱流式体温計500(または1000)に小型の電池からなる電源を搭載することで、体温表示装置700からの電力供給を受けることなく、単独で動作が可能なため、連続的に深部体温を測定可能なモニタとなるよう構成してもよい。
その際、図8(または図12)に記載された記憶部813(または1213)は、処理部固有の識別情報等を記憶するだけでなく、コントロール部814(または1214)において、センサ部820または1220(第1、第2の温度センサ111、112、121、122)からの出力を処理(デジタル変換、プログラム化された計算式による演算等)し、算出された深部体温データを、時系列的に記録、保存する機能も有している。
このような構成にすることで、図7に示す体温測定システムは、操作者が必要なときに、体温表示装置700を、熱流式体温計500(または1000)が貼り付けられた測定部位の5〜30mm程度の位置に近づけるだけで、深部体温変動のトレンドを読み取ることができるため、長時間の体温変動管理に有用なシステムとなる。
また、ここでは、体温表示装置700と、熱流式体温計500(または1000)との通信手段として、RF−IDリーダ/ライタとRF−IDタグとによる通信方式を用いる例について記載したが、本発明は当該通信手段に限定されず、他の無線通信方式を用いてもよいし、あるいは、有線での通信方式と組み合わせた構成としてもよい。
[第6の実施形態]
上記第1乃至第5の実施形態では、使い捨て部500B(または1000B)の固定部材513(または1013)と再利用部500A(1000A)のハウジング512(または1012)との間の摩擦力、及び、使い捨て部500B(または1000B)の固定テープ511(または1011)の粘着力により、再利用部500A(または1000A)を使い捨て部500B(または1000B)に固定させる構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ハウジング512(または1012)を機械的に固定するためのロック機構を固定部材513(または1013)に設け、機械的に固定するように構成してもよい。
また、上記第1の実施形態では、固定テープ511(または1011)は、予め使い捨て部500B(または1000B)に配されており、使用時に、使い捨て部500B(または1000B)から一旦剥がし、再利用部500A(または1000A)を嵌合させた後に、再び使い捨て部500B(または1000B)に貼り付ける構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、固定テープ511(または1011)は、予め使い捨て部500B(または1000B)に配されている必要はなく、再利用部500A(または1000A)が嵌合された後に、別途、再利用部500A(または1000A)を覆うように使い捨て部500B(または1000B)に貼り付けられるように構成してもよい。
[第7の実施形態]
上記第2の実施形態では、電極1014、1015の構造について特に言及しなかったが、再利用部1000Aが使い捨て部1000Bに装着された状態で、被検体が動いた場合であっても電極1014と電極1015との間が非接続状態となることがないよう、電極1014と電極1015とは機械的に固定される構成であってもよい。
また、電極1014と電極1015との間が非接続状態となった場合に、これを検知し、被検体に通知するように構成してもよい。
また、上記第2の実施形態では、電極1014、1015の配置について特に言及しなかったが、例えば、再利用部1000Aが使い捨て部1000Bに装着された場合に、常に電極1014と電極1015とが接続するように構成してもよい。具体的には、再利用部1000Aのハウジング1012の外周形状及び使い捨て部1000Bの凹部の内壁形状を、再利用部1000Aが所定の方向に位置合わせされた場合のみ、使い捨て部1000Bに嵌合されるように形成してもよい。
あるいは、再利用部1000Aが任意の方向で使い捨て部1000Bに嵌合した場合であっても、常に、電極1014と電極1015が接続するよう、一方の電極を環状に構成してもよい。
[第8の実施形態]
上記第1乃至第6の実施形態では、図1を用いて説明した測定原理に従って熱流式体温計を構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、被検体の皮下組織の熱抵抗Rtを固定または可変のパラメータとして設定可能とすることで、1組の温度センサ(第1の温度センサと第2の温度センサ)のみを用いて熱流式体温計を構成することができる。
図14A、図14Bは、1組の温度センサのみを用いて構成した熱流式体温計の断面構成を示す図である。このうち、図14Aは、第1の実施形態において説明した熱流式体温計500を1組の温度センサのみを用いて構成した場合を示しており、図14Bは、第2の実施形態において説明した熱流式体温計1000を1組の温度センサのみを用いて構成した場合を示している。このように、1組の温度センサのみを用いて構成することにより、熱流式体温計を、より簡素化することができる。なお、図14A及び図14Bの例では、再利用部と使い捨て部とを備える構成としたが、再利用部と使い捨て部とにわけず一体化した構成とすることで、熱流式体温計の構成を更に簡素化することもできる。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
本願は、2011年8月18日提出の日本国特許出願特願2011−179204及び2011年8月18日提出の日本国特許出願特願2011−179205を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。

Claims (12)

  1. 被検体の体表面に接触させることで、深部体温を測定する体温計であって、第1のユニットおよび第2のユニットを備え、
    前記第1のユニットが、
    前記体表面に接触する側に第1の温度センサが配され、前記体表面に接触する側の面とは反対側に第2の温度センサがそれぞれ配された、第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体と、
    前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体の、前記体表面に接触する側の面とは反対側の面を覆うように構成される均一化部材と、
    前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体の側面を取り囲むように配され、該第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体と、前記均一化部材とを一体的に保持する保持部材と、を備え、
    前記第2のユニットが、
    前記第1のユニットが装着された状態で、前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体の側面を取り囲むように配された断熱部材と、
    前記第1のユニットを着脱可能に固定する固定部材と
    を備えることを特徴とする体温計。
  2. 被検体の体表面に接触させることで、深部体温を測定する体温計であって、第1のユニットおよび第2のユニットを備え、
    前記第1のユニットが、
    前記体表面に接触する側に第1の温度センサが配され、前記体表面に接触する側の面とは反対側に第2の温度センサがそれぞれ配された、第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体と、
    前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体の、前記体表面に接触する側の面とは反対側の面を覆うように構成される均一化部材と、
    前記均一化部材に対して所定の空間をもって配され、前記第1の温度センサ及び第2の温度センサの出力を処理する回路基板と、
    前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体の側面を取り囲むように配され、該第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体と、前記均一化部材と、前記回路基板とを一体的に保持する保持部材と、を備え、
    前記第2のユニットが、
    前記第1のユニットが装着された状態で、前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体の側面を取り囲むように配された断熱部材と、
    前記第1のユニットを着脱可能に固定する固定部材と、
    前記第1のユニットが装着された状態で、前記回路基板と電気的に接続されるアンテナ部と
    を備えることを特徴とする体温計。
  3. 前記均一化部材は、前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体よりも、熱伝導率が高い材質により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の体温計。
  4. 前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体は、熱伝導率が0.5[W/m・K]以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の体温計。
  5. 前記第1の熱抵抗体の前記体表面に接触する側の面と、前記第2の熱抵抗体の前記体表面に接触する側の面とが、同一平面を形成するように、前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の体温計。
  6. 前記第1の熱抵抗体の側面と前記第2の熱抵抗体の側面との間に隙間が生じるように、前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の体温計。
  7. 前記第1の熱抵抗体及び前記第2の熱抵抗体の側面と、前記保持部材との間に隙間が生じるように、前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の体温計。
  8. 前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体は、同心円状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の体温計。
  9. 前記体表面に接触する側の面とは反対側に配置された前記第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体の第2の温度センサとして、前記均一化部材の熱抵抗体の側に配置された1つの温度センサを共有したことを特徴とする請求項1または2に記載の体温計。
  10. 前記第2のユニットは、更に、前記第1のユニットが装着された状態で、該第1のユニットを固定するための固定テープが、前記断熱部材の、前記体表面に接触する側の面とは反対側の面に、剥離可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の体温計。
  11. 前記アンテナ部は、前記断熱部材の外周に沿って配されていることを特徴とする請求項2に記載の体温計。
  12. 前記回路基板より延設された、前記第1のユニットに配された電極と、前記アンテナ部より延設された、前記第2のユニットに配された電極とが、前記第1のユニットが前記第2のユニットに装着された状態で接触することにより、前記回路基板と前記アンテナ部とが電気的に接続されることを特徴とする請求項2に記載の体温計。
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