JP2013200152A - 体温計 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型軽量で、熱流式深部体温計自身が深部体温の測定に適した温度になっているかどうか操作者に知らしめ、容易に、しかも特別な装置を借りずとも、確認しながら適温まで温めることができ、測定誤差の少ない深部体温計を提供する。
【解決手段】体温計は、熱抵抗体113と、その熱抵抗体における体表面に接する側、並びに、体表面に接触する側の面と対向する側に設けられた一組の温度センサ111、112で構成される第1の構造体及び熱抵抗体123と、その熱抵抗体における体表面に接する側、並びに、体表面に接触する側の面と対向する側に設けられた一組の温度センサ121、122で構成される第2の構造体を有する。また、体温計は温度を均一化する機能と保温機能を有する保温均一化部材130、更に温度が深部体温に適した温度範囲にあるか否かを報知するため、深部体温に適した温度範囲内にあるか否かを表示する感温部材140を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、体温計に関するものである。
被検体の体表面に貼り付け、被検体の深部の体温を測定する体温計として、従来より、非加熱型の体温計が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
一般に、非加熱型の体温計は、2組の熱流検出構造体を有する。各熱流検出構造体それぞれは、所定の熱抵抗体と、その熱抵抗体を挟む第1の温度センサと第2の温度センサで構成される。第1の温度センサは、被検者の体表(皮膚)に当接する側の温度を測定するためのものであり、もう一方の第2の温度センサは熱抵抗体を伝播してきた熱を検出するためのものである。2組の熱流検出構造体の違いは、それぞの熱抵抗体の熱抵抗値であり、同じ材質とする場合にはその厚みを異なせることで、異なる熱抵抗を持つようにしている。上記構造にて、第1、第2の温度センサで検出された温度の差(温度差)を、それぞれの熱流検出構造体で検出することにより、被検者の深部からの熱流量を求め、深部の体温を算出することとしている(このような測定方式から、以下、本明細書では、かかる体温計を「熱流式深部体温計」と称することとする)。
このような熱流式深部体温計においては、通常、温度センサとして、サーミスタや熱電対等が用いられる。一方で、熱流式深部体温計の場合、被検体の体表面に貼り付けて用いることを前提としているため、ワイヤレスであること、小型かつ軽量であることが、患者負担の軽減するうえで重要事項である。しかしながら、サーミスタや熱電対等の温度センサの場合、センサ自身が無線通信機能を有しているわけではないため、これらの温度センサを熱流式深部体温計に適用するにあたっては、別途、無線通信機能を付加する必要があり、また、これらの機能を動かす電源が必要となり、重く大型となる。従って、熱流式深部体温計においては、外部からの電波エネルギーにより直接駆動可能な温度センサが用いられることが好ましい。この要求に対して、温度センサと温度検出部、デジタル変換部等信号処理部、通信部と受信コイルを設けて外部から電磁波を受けて電源にに用いる無給電方式の温度計があるが、温度検出部、信号処理部、通信部が必要となり、結果、まだ、満足できる大きさ、軽さの実現には到っていない。
このような機能を有する温度計として、例えば、表面弾性波(SAW)を用いた温度センサが挙げられる。表面弾性波とは、物質の表面を伝播する音響弾性波であり、表面弾性波を用いた温度計とは、温度変化と伝播速度の変化の関係が該知である圧電結晶基板上に配置した2つの櫛形電極(IDT)の一方を高周波の信号で励振し、表面弾性波を励起し、他方の櫛形電極で受波し励起された高周波にしアンテナより電磁波を放射することで、櫛型電極を励振してから放射された電磁波を受信するまでの遅れ時間を計測し、圧電結晶基板は温度変化に伴い弾性係数が変化し、これを伝播する表面弾性波の伝播速度の変化として現れるので、該遅れ時間を検出し温度に換算して温度を測定するするものである。
このような加温型のSAW温度センサを適用すれば、温度センサ以外の温度測定部、信号処理部、送信部、電源部が必要なくなり、小型化、軽量化が行え、腋下にも適用でき、体表に貼り付けた場合、患者負担の小さい、体温計が実現可能となる。
特開2007−212407号公報 特開2009−222543号公報
先に説明したように、熱流式体温計の場合、第1の温度センサ側から第2の温度センサへの熱抵抗体を介して熱流が安定的に伝播することが望まれる。係る点を、図3(a),(b)を参照して、より詳しく説明する。
図3(a)は直径r0を持つ1つの熱流検出構造体の模式図を示している。図示の符号300が熱抵抗体を示している。熱抵抗体300の底面301が被検体の体表に接する側であり、この底面301には不図示の第1の温度センサが設けられることになる。熱抵抗体の反対側の上面302の符号303は、第2の温度センサ(不図示)の温度測定領域を示している。深部体温測定中は、図示の矢印310に示すように、熱抵抗体300の軸方向に沿った底面301から上面302に向かって熱が伝播していく。しかし、その一方で、熱抵抗体300の軸方向に対して直交する方向311にも、熱が逃げていく。従って、図示の断面312上の、その断面の中心点を通る軸上の温度分布は、同図下に示す曲線320に示すようになり、熱抵抗体300の中心軸での温度は、その縁に引きずられるようになって、正しい温度(熱流式温度計測の原理に適合した測定温度)より低く測定される傾向がある。また、方向311への熱流は301と302間の温度差が大きいほど(外気温が低いほど)大きくなる傾向にある
かかる点は、第2の温度センサの温度検出領域303についても言える。図示の符号322が、第2の温度センサの温度検出領域303に対応するものであり、上記の理由で、厳密な意味では、範囲322における中心位置の温度は、範囲の322の縁の温度よりも高く、上下以外の熱流が発生していることとなり、正しい温度よりも低い温度を図る。しかし、熱流式体温計自体が、被検者に装着した当初の状態、もしくは早い段階において、体温に近い温度になっていれば、範囲322における温度分布は体温測定に支障はない程度に十分にフラットとなり、熱流はほぼ上下方向のみとなり、正しい温度が測定可能となる。
ここで、温度センサが正しい温度を計測するには、検出領域303内で熱抵抗300の上下方向のみの熱流が発生するように温度分布の均一性を維持する必要がある。このための単純な策は、熱抵抗体300の直径r0を大きくすることである。図3(b)は、同図(a)よりも十分に大きい直径r1を持つ熱流検出構造体350の模式図を示している。径が十分に大きい(50mm以上)と、図示下に示すように温度分布351のようになり、熱抵抗体350における中心付近での熱流はほぼ上下方向のみとなり、温度分布はフラットなものとなりやすい。しかし、熱抵抗体の径を大きくすることは、熱流式体温計のサイズを大きくすることにつながり、特に、棒状体温計にて腋下検温が難しい小児、または、硬直または痩せて腋下に棒状体温計を挟むことができない高齢者の腋下に貼り付けての検温が難しくなる。また、測定可能な定常状態になるのに時間を要する。
一方で、熱抵抗体300の直径が小さくても、熱流式体温計自体が、被検者に装着した当初の状態、もしくは早い段階において、熱抵抗体300の303の温度が体温より低くて、しかも、体温に近い温度(302と301との温度差が小さい)になっていれば、302、301の範囲322における温度分布は体温測定に支障はない程度に十分にフラットとなり、熱流はほぼ上下方向のみとなり、正しい温度が測定可能となる。
上記の通りであるので、本願発明者は、熱抵抗体300の直径を小さくして、小型、軽量な構造にすれば腋下にも装着可能にしたいと考えた。また、熱流式体温計自身が深部体温の測定に適した温度になっているかどうか操作者に知らしめ、且つ、適温に満たない場合であっても、容易に、しかも特別な装置を借りずとも、確認しながら適温まで温めることができ、短時間に、測定誤差の少ない深部体温の測定を可能したいと考えた。本発明は係る課題を実現するものである。
上記の目的を達成するために、本発明に係る体温計は以下のような構成を備える。即ち、
被検体の体表面に接触させることで、深部体温を測定する体温計であって、
所定の熱抵抗値を持つ第1の熱抵抗体と、一方が前記第1の熱抵抗体の前記体表面に接する側、もう一方が前記体表面に接触する側の面と対向する側に設けられた一組の温度センサで構成される第1の構造体と、
前記第1の熱抵抗体とは異なる熱抵抗を有する第2の熱抵抗体と、一方が前記第2の熱抵抗体の前記体表面に接する側、もう一方が前記体表面に接触する側の面と対向する側に設けられた一組の温度センサで構成される第2の構造体と、
前記第1,第2の構造体における、前記体表面に接触する側の面と対向する側を覆い、保温および温度を均一化するための保温均一化部材と、
前記保温均一化部材の少なくとも一部を覆い、当該保温均一化部材上の温度に感応し、深部体温に適した温度範囲にある場合と、範囲外にある場合とで表示形態が変化する可逆な感温部材と、を有する。
本発明によれば、単純な構造で、熱流式体温計自身が深部体温の測定に適した温度(30〜35℃)になっているかどうか操作者に知らしめ、且つ、適温に満たない場合であっても、容易に、しかも特別な装置を借りずとも、確認しながら適温まで温めることができ、測定誤差の少ない深部体温の測定が可能になる。
熱流式体温計の測定原理を説明するために、熱流式体温計における熱流を電気回路相似法を用いて電気回路として表現した図である。 測定誤差のシミュレーション結果を示す図である。 熱の伝播と熱分布による測定の影響を説明するための図である。 実施形態における熱流式体温計の断面構造を示す図である。 実施形態における熱流式体温計の分解斜視図である。 熱流式体温計と、該熱流式体温計と通信可能な体温表示装置とを備える体温測定システムの外観構成を示す図である。 熱流式体温計における回路構成を示す図である。 体温表示装置の機能構成を示す図である。
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
1.熱流式体温計による深部体温の測定原理
はじめに、熱流式体温計(被検体の体表面に貼り付け、被検体の深部の体温を測定する体温計であって、加熱機能を有していないタイプの体温計)における、深部体温の測定原理について簡単に説明する。
図1は、熱流式体温計の測定原理を説明するために、熱流式体温計における熱流を電気回路相似法を用いて電気回路として表現した図である。
図1に示すように、熱流を電流I、温度を電圧T、熱抵抗を電気抵抗Rとすることで、熱流式体温計における熱流は、等価回路100により表現することができる。
図1において、Tbは深部体温を、Rtは被検体の皮下組織の熱抵抗を示している。Tt1は、一方の熱流検出構造体における第1の温度センサ111において検出された温度を、Ta1は第2の温度センサ112において検出された温度を、Ra1は熱抵抗体113の熱抵抗値をそれぞれ示している。また、Tt2は、もう一方の熱流検出構造体における第1の温度センサ121において検出された温度を、Ta2は第2の温度センサ122において検出された温度を、Ra2は熱抵抗体123の熱抵抗値をそれぞれ示している。更に、Tcは外部温度を、Rcは、外気側の測定温度を均一化させるための均一化部材130と外界との間の熱抵抗値をそれぞれ示している。
等価回路100では、電圧(Tb−Tc)が印加されているものと置き換えることができることから、等価回路100内にはその電圧に応じて電流Iが流れると仮定することができる。
このうち、第1の熱流検出構造体の一部を成す熱抵抗体113における熱流を電流I1、第2の熱流検出構造体の一部を成す熱抵抗体123における熱流を電流I2とすると、電流I1及び電流I2は下式(1)、(2)のように表すことができる。
Figure 2013200152
そして、それぞれの式を変形すると、下式(3)、(4)のようになる。
Figure 2013200152
ここで、皮下組織の熱抵抗Rtは、個人ごと及び部位ごとに異なり、一定ではない。そこで、上式(3)、(4)からRtを削除すべく、Rtについて求めると、下式(5)のようになる。
Figure 2013200152
そして、上式(5)を上式(4)に代入することで、下式(6)が求められる。
Figure 2013200152
ここで、Ra1及びRa2は既知であるため、4つの温度(Tt1、Tt2、Ta1、Ta2)が検出されれば、一義的に深部体温Tbを求めることができる。
2.体温計における測定誤差についてのシミュレーション
次に、上述した測定原理により深部体温を測定する熱流式体温計における測定誤差のシミュレーションについて説明する。上記熱流式体温計における測定誤差を検討するにあたり、本願出願人は、体温計の形状(直径及び厚み)に着目し、体温計の形状(直径及び厚み)を様々に変化させた場合の測定誤差についてシミュレーションを行った。
図2は、熱抵抗体113、123の材質として、共に熱伝導率0.25[W/m・K]のポリアセタール(POM)を使用し、外気側の測定温度を均一化させるための均一化部材130として、熱伝導率236[W/m・K]のアルミニウムを使用した場合の、各熱抵抗体113、123の形状(直径及び厚み)の違いによる測定誤差のシミュレーション結果を示したものである。
図2において、201は熱抵抗体113の厚みを10mm、熱抵抗体123の厚みを20mmとした場合において、各熱抵抗体113、123の直径を10mm〜30mmの間で変化させた場合の、測定値の変化を示したグラフである。
また、202は熱抵抗体113の厚みを5mm、熱抵抗体123の厚みを10mmとした場合において、各熱抵抗体113、123の直径を10mm〜30mmの間で変化させた場合の、測定値の変化を示したグラフである。
同様に、203は熱抵抗体113の厚みを2.5mm、熱抵抗体123の厚みを5mmとした場合において、また、204は熱抵抗体113の厚みを1mm、熱抵抗体123の厚みを2mmとした場合において、更に、205は熱抵抗体113の厚みを0.5mm、熱抵抗体123の厚みを1mmとした場合において、それぞれ各熱抵抗体113、123の直径を10mm〜30mmの間で変化させた場合の、測定値の変化を示したグラフである。
図2によれば、熱抵抗体113、123の直径が大きくなるほど(紙面右側にいくほど)、測定値が設定温度に近づく(つまり、測定誤差が小さくなる)ことがわかる。また、熱抵抗体113、123の厚みが薄くなるほど(紙面上側にいくほど)、測定値が設定温度に近づく(つまり、測定誤差が小さくなる)ことがわかる。
したがって、熱流式体温計では、熱抵抗体の厚みを薄くし直径を大きくするほど、測定誤差が小さくなるものと推測される。
3.適温状態の判定のための構成
以上、熱流式体温計の基本構成とその測定原理を説明した。以上を踏まえ、本実施形態における熱流式体温計の構造とその機能について更に詳しく説明する。
上記からもわかるように、熱抵抗体の直径は大きいほど良いのであるが、小児および高齢者の腋下に違和感無く装着するためには被検者に違和感無く装着するためには、上記で示したように、せいせい18mm程度であり、おのずと限界がある。一方で、先に説明したように、図3(a)の矢印311に沿って逃げていく熱(放熱)が大きく、温度センサの温度検出領域303内での温度分布は無視できない程度に低いものとなり(測定される新保温度は直径30mmに対して直径18mmや各3.5℃低くなる)、高い精度の測定は期待できない。
そこで、本実施形態では、第1に、熱流式体温計自体が、30から35℃になっているか否かを容易に確認でき、第2には、仮に30℃を下回っている場合には、例えば掌等を熱流式体温計の表面に直接触れて、確認しながら30から35℃にまで容易に温めることができる構造を有する構造とした。
図5は実施形態における熱流体温計500の分解斜視図、図4は図5におけるA−A面での断面図を示している。本実施形態における熱流体温計500が、図1と異なる点は、熱抵抗113、123の厚みを同じくするために、それぞれが異なる熱低効率を有する点と、均一化部材130の上面に、温度に依存して表示形態が変化する感温部材140を設けた点である。温度依存で表示形態が代わる感温部材140として、実施形態ではテープ状のコレステリック液晶を用いた。そして、コレステリック液晶により、熱流式体温計(特に熱抵抗体)が30℃乃至35℃になっている場合に測定に適した温度であることを報知するため、例えば「OK」または「適温」の文字がその表面に現れるようにした。
係る構成によると、被検者に熱流式体温計を装着する際に、その表面温度から適温かどうかを確認できる。しかも、適温に適さないほど冷めている場合であっても、容易に掌で温め、且つ、適温状態になったか否かを視覚的に判断できるので、実際の測定に支障を来すこともない。
実施形態における熱抵抗体113、123は熱低効率が異なる部材を熱抵抗体として利用して、2つの熱抵抗体の厚みを同じにしている。この構造にすると、同じ部材を用い厚みで熱抵抗を変える方法に対して感温部材層140が2つの熱流検出構造体間で段差が発生せず、面一にすることができ、掌で素早く全体を適温まで温めることができるという作用効果も奏する。なお、実施形態における熱流式体温計の更なる構造の詳細については後述する。
4.熱流式体温計を備える体温測定システムの説明
図6は、熱流式体温計500と、該熱流式体温計500と通信可能な体温表示装置550とを備える体温測定システムの外観構成を示す図である。
熱流式体温計500は、その底面に、熱流式体温計500を被検者の皮膚に固定させるための固定テープ501を有する。本実施形態に係る体温表示装置550は、熱流式体温計500に向けて電磁波を発生する。体温表示装置550は、熱流式体温計500が有するアンテナに向けて電磁波を放出することにより、熱流式体温計500が有する第1乃至第4の温度センサ111〜122の圧電結晶基板(601〜631)にある櫛形電極(603〜633)を励振させ、表面弾性波を発生させる。そして、熱流式体温計500は該圧電結晶基板上にある櫛形電極(603〜633)から個々の温度センサが弁別可能な規定寸法離れている櫛形電極(604〜634)に予めわかっている温度に対する表面弾性波伝播速度の変化分遅れて圧電結晶基板を伝播してきた表面弾性波を受け、高周波に変換しアンテナ400より電磁波を放出する。
体温表示装置550はこの戻ってきた電磁波を検出し、電磁波を放出してから戻ってくる電磁波を検出するまでの遅れ時間を計測し、また、4つの温度センサの弁別を遅れ時間によりおこない、かつ、それぞれの温度センサの遅れ時間より温度を計算する。また、計算した各温度センサの温度を深部温度計算式に代入し深部温度を演算し、それを体温表示部713に出力する。すなわち、体温表示装置550は、励起してから放出された電磁波を受信するまでの時間の、温度による変化を測定し、その変化から各温度センサの温度を算出する。そして、体温表示装置550は、算出した各4点の温度より先に説明した原理に基いて、深部温度を算出し表示する。
5.熱流式体温計の断面構成
次に、熱流式体温計500の構造について、図4、図5を用いて更に詳しく説明する。
実施形態における熱流式体温計500は、互いに対向する位置から中心に向かう2つの延設部902、903を有する第1の円形枠901と、同様の2つの延設部905、906を有する第2の円形枠904と、これら第1,第2の円形枠901、904それぞれの成す面を並行状態に維持するための支持部907、908とで構成される、熱抵抗体(113、123)とほぼ同じか大きい熱抵抗の樹脂にてなる剛性のあるリジッドな基板(以下、単にリジッド基板という)を有する。ここで、第2の円形枠904側が体表面に接する面になる。
そして、リジッド基板の延設部903、906との間には略半円の形状を成し、被検体の体表面からの熱流を通過させる熱抵抗体113が位置する。また、延設部902、905の間にも略半円の形状を成し、被検体の体表面からの熱流を通過させる熱抵抗体123が位置する。そして、熱抵抗体113及び熱抵抗体123は、0.5から1mm程度の間隔をもって配置されており、熱抵抗体113を通過する熱流と熱抵抗体123を通過する熱流とが混ざり合うことがないよう構成されている。また、熱抵抗体113及び熱抵抗体123は、互いに、熱伝導率が異なる(例えば、0.10W/mKと0.40W/mK)、材料により構成されているものとする。また、熱抵抗体113、123は、共に厚さ1mmで直径がほぼ18mmの円板を2等分した半円平板形状を有しているものとする。
また、延設部906の熱抵抗体113に面する側には、その熱抵抗体113と当接するように第1の温度センサ111が固定され、延設部903の熱抵抗体113に面する側にもその熱抵抗体113と当接するように第2の温度センサ112が固定されている。そして、第1の温度センサ111と第2の温度センサ112は、半円形の熱抵抗体113のほぼ中心位置に位置し、熱抵抗体113を挟んで、図示における垂直方向に並ぶように配置されている。
同様に、延設部905の熱抵抗体123に面する側には、その熱抵抗体123と当接するように第3の温度センサ121が固定され、延設部902の熱抵抗体123に面する側にもその熱抵抗体123と当接するように第4の温度センサ122が固定されている。そして、第3の温度センサ121と第4の温度センサ122は、半円形の抵抗体123のほぼ中心位置に位置し、熱抵抗体123を挟んで、図示における垂直方向に並ぶように配置されている。
これまでの説明からわかるように、熱抵抗体113、123の熱抵抗値は既知(固定)であることが要求される。しかし、物理的外圧により、熱抵抗体113、123の厚みが変わる等、対向する2つの温度センサ間の距離が変わるような形状変化が発生すると、熱抵抗値が変化してしまい、正しい深部体温を測定することの妨げになる。特に、腋下に装着する場合、挟み込む圧力が加えられる可能性が高いので、この問題は大きい。係る点、上記実施形態の熱流式体温計500は、リジッド基板が熱抵抗体113、123を囲む構造となっている。従って、外圧がかかったとしても、熱抵抗体113、123が変形することを阻止でき、精度の高い深部体温測定を維持できる。
第1の温度センサ111、及び、第3の温度センサ121は体表面からの熱流の入り口として機能する。第1の温度センサ111及び第3の温度センサ121の温度を検出する領域は点ではなく、或る程度の面積を持つ領域であるので、その領域内での温度は均一になっていることが望まれる。それ故、図示の如く、熱伝導率の高いアルミ片950、951が第1の温度センサ111、第3の温度センサ121を覆うように配置する。また、アルミ片950、951を含む面が、体表に張りついた状態を維持するため、図4に示すように、粘着剤150が底面全体を御追うように配置され、それを覆うように剥離紙151が配置されている。被検者に実施形態における熱流式体温計を装着する際には、この剥離紙151を取り除くことになる。
更に、リジット基板を構成する第1の円形枠901の上面には、体温表示装置550の放出した電磁波をキャッチし高周波電流に変換し圧電結晶基板の櫛形電極を励振し、かつ、温度センサの櫛形電極にて励起された高周波電流により電磁波を放出するアンテナ400を、その円周に沿って無電解メッキにより形成されている。また、第1乃至第4の温度センサ111、112、121、122が取り付けられ、電気的に接続されるランド、および、該ランドとアンテナ400と電気的に接続するために、それぞれの延設部902、903、905、906上にも無電界メッキにより導線が形成されている。
更に、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の上面には、Feに代表される比熱の大きい材料からなる保温機能を有し、略円形の均一化部材130が配されており、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の上面の一部を覆っている。これにより、熱抵抗体113の上面及び熱抵抗体123の上面(つまり、熱流が放散される外気側)の温度は均一化されるとともに、熱抵抗体113及び熱抵抗体123の側面からの熱流の放散を間接的に抑えることができる。なお、第1の円形枠901の上面に設けられたアンテナ400と体温表示装置550のアンテナとの電磁カップリングを良好にするため、尚且つ、可能な限り熱抵抗体113及び熱抵抗体123全体を覆うため、均一化部材130は、第1の円形枠901の内径R0と同じサイズとし、アンテナ400が露出するようにしている。
更に実施形態の熱流式体温計は、先に説明したように、均一化部材130の上面に、温度に依存して表示形態が変化するテープ状のコレステリック液晶を接着した。このコレステリック液晶は、熱流式体温計(特に熱抵抗体)が30℃乃至35℃になっている場合に、測定に適した温度であることを報知するため、例えば図示の如く「OK」の文字が現れるようになっている。なお、適温を知らせることができれば良いので文字「OK」に限らず、「適温」の文字でも構わない。
6.各温度センサの詳細構成
次に、実施形態における熱流式体温計500を電気回路構成を説明する。図7は、第1乃至第4の温度センサ(111、112、121、122)とアンテナ400とを含む電気回路を示している。
アンテナ400は、第1の温度センサ111の整合回路602と接続されている。これにより、体温表示装置550より放出された電磁波をアンテナ400が受信することにより発生した高周波(25MHzから1GHz)は、整合回路602により、櫛形電極603に供給される。
供給された高周波により、櫛形電極603が励振されることで表面弾性波が発生し、圧電結晶基板601の表面を伝播する。伝播した表面弾性波は、櫛形電極603から距離Lだけ離れた位置に配置された櫛形電極604にて受波され、高周波を励起して、整合回路602を介して、アンテナ401より電磁波を体温表示装置550に対して放出する。
ここで、櫛形電極603にて発生した表面弾性波が櫛形電極604にて受波されるまでの時間(遅延時間)は、温度が一定の場合、圧電結晶基板601の材質と櫛形電極(603〜633)と櫛形電極(604〜634)までの距離Lとによって決まってくる。換言すると、圧電結晶基板601の材質及び距離Lが固定(既知)であった場合、表面弾性波の遅延時間は、圧電結晶基板601の温度変化に依存して変化する。
つまり、圧電結晶基板601の材質及び距離Lを固定し、既知の温度での当該遅延時間を通信装置550側にて予め保持しておくことで、体温表示装置550では、測定された遅延時間に基づいて、第1の温度センサ111における温度を算出することができる。
なお、第2の温度センサ112、第3の温度センサ121、第4の温度センサ122については、4つの温度センサが弁別できるように櫛形電極間距離Lを大きく変えた構成とすることで、各温度センサにおける温度を算出することができる。
7.体温表示装置の構成
次に、体温表示装置550の機能構成について説明する。図8は、体温表示装置550の機能構成を示す図である。体温表示装置550は、電池、充電池等で構成される電源部、電源ON/OFFスイッチを含む操作スイッチを備えているが、ここでは省略している。
図8において、700はリーダであり、アンテナ701と、電磁波放出兼検出部702と、信号処理部704とを備える。
アンテナ701は、所定の周波数、例えば1GHzの周波数の電磁波を発生させて、熱流式体温計200の各温度センサに接続されたアンテナとの間で磁気結合することで、各温度センサの櫛型電極を励起したり、各温度センサより放出された電磁波を受信する。
電磁波放出兼検出部702では、アンテナ701を介して熱流式体温計500の温度センサに電磁波を供給するために、アンテナ701に印加する高周波電圧を制御したり、アンテナ701を介して熱流式体温計500の各温度センサよ放出された電磁波を受信し、バンドパスフィルタを介してノイズを除去した後、増幅したうえで、信号処理部704に送信したりする。
信号処理部704では、電磁波放出兼検出部702より送られた信号をデジタルデータに変換し、高速のデジタルバンドパスフィルタにてノイズを除去した後、各信号の受信タイミングを測定すべく、各信号が規定の閾値以上となったタイミングを測定する。
コントロール部711は、電磁波放出兼検出部702、信号処理部704の動作を制御する。そして、コントロール部711は、各温度センサ内の櫛形電極(603、613、623、633)に励起させる電磁波を発生してから、各温度センサ内の櫛形電極(604、614、624、634)で受けた表面弾性波から生じる電磁波を検出するまでの遅れ時間と、記憶部712に予め記憶された第1乃至第4の温度センサそれぞれについて予め設定距離Lを変えて設定された遅れ時間とを対比し、それぞれ、どの温度センサからの信号であるのかを識別する。そして、コントロール部711は、記憶部712に記憶されている、第1乃至第4の温度センサそれぞれの温度と遅れ時間との関係関数を参照し、各温度センサの温度を計算する。更に、各それら4つの温度に従い、被検体の深部体温を算出し、記憶部712に格納したり、表示部713に表示したりする。更に、記憶部712に格納された深部体温データを、有線通信部714を介して、他の情報処理装置(有線通信部714を介して有線接続された他の情報処理装置)に送信したりする。
なお、コントロール部711は、マイクロコンピュータなどのCPUと、該CPUにより実行される通信装置550全体の制御プログラムや各種データを記憶するROMと、ワークエリアとして測定データや各種データを一時的に記憶するRAMとを備えており、通信装置550全体の動作及び判断を司っている。
以上、本実施形態にかかる熱流式体温計を説明した。本実施形態における熱流式体温計によれば、腋下に貼り付けられる小型の構造にでき、且つ、熱流式体温計自身が深部体温の測定に適した温度になっているかどうか操作者に知らしめ、更には、適温に満たない場合であっても、容易に、しかも特別な装置を借りずとも、確認しながら適温まで加温することが可能であり、測定誤差の少ない深部体温の測定が可能になる。
なお、実施形態では、測定のための適温として30℃乃至35℃とする例を説明したが、この値は、保温均一化部材の保温能力、また、熱流式体温計を構成する熱抵抗体の材質(比熱)や寸法(熱容量)に依存した値にすることが望まれる。従って、上記実施形態で示した寸法、材質に係る数値は一例であることに留意願いたい。
また、実施形態では体温計の構成として、図6を用いて説明したが、電磁波の送受信に係る回路を除外し、外部と各温度センサの端子を接続するためのコネクタを有する構造でも構わない。
100・・・等価回路、111・・・第1の温度センサ、112・・・第2の温度センサ、113・・・熱抵抗体、121・・・第1の温度センサ、122・・・第2の温度センサ、123・・・熱抵抗体、130・・・均一化部材、140・・・感温部材、500・・・熱流式体温計、501・・・固定テープ、502・・・ハウジング、550・・・体温表示装置

Claims (5)

  1. 被検体の体表面に接触させることで、深部体温を測定する体温計であって、
    所定の熱抵抗値を持つ第1の熱抵抗体と、一方が前記第1の熱抵抗体の前記体表面に接する側、もう一方が前記体表面に接触する側の面と対向する側に設けられた一組の温度センサで構成される第1の構造体と、
    前記第1の熱抵抗体とは異なる熱抵抗を有する第2の熱抵抗体と、一方が前記第2の熱抵抗体の前記体表面に接する側、もう一方が前記体表面に接触する側の面と対向する側に設けられた一組の温度センサで構成される第2の構造体と、
    前記第1,第2の構造体における、前記体表面に接触する側の面と対向する側を覆い、保温および温度を均一化するための保温均一化部材と、
    前記保温均一化部材の少なくとも一部を覆い、当該保温均一化部材上の温度に感応し、深部体温に適した温度範囲にある場合と、範囲外にある場合とで表示形態が変化する可逆な感温部材と、
    を有することを特徴とする体温計。
  2. 前記深部体温に適した温度範囲は、30℃乃至35℃とすることを特徴とする請求項1に記載の体温計。
  3. 更に、前記第1,第2の構造体それぞれの温度センサによる検出した温度を示す情報を、外部に送信する回路を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の体温計。
  4. 前記保温均一化部材は、前記第1,第2の構造体における熱抵抗体よりも、比熱が高い材質により形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の体温計。
  5. 前記感温部材は、前記深部体温に適した温度範囲にある場合に測定に適したことを示すメッセージを表示するコレステリック液晶であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の体温計。
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