JP5897981B2 - 樹脂組成物の製造方法、樹脂組成物、及び成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物の製造方法、樹脂組成物、及び成形品に関する。
ポリフェニレンエーテル(以下、「PPE」という。)は、優れた難燃性、耐熱性、寸法安定性、非吸湿性及び電気特性などを有するエンジニアリングプラスチックとして知られているが、溶融流動性が悪く成形加工が困難であり、かつ耐溶剤性、耐衝撃性が劣るという欠点がある。
一方、ポリプロピレンは、成形加工性、耐溶剤性、機械的強度、ガスバリア性に優れ、低比重で安価なプラスチックとして、自動車部品や電気・電子機器部品、家電製品等の分野で幅広く使用されている。
そこで、この両樹脂を混ぜ合わせ、互いの短所を相補い、長所を引き出せば、成形性、機械的強度、耐熱性及びコスト的に優れた樹脂が得られ、利用分野の広い優れた樹脂材料の提供が可能となり、その工業的意味は非常に大きい。
しかしながらPPEとポリプロピレンのブレンド組成物には、PPEが本来持っている優れた難燃性が失われているという問題がある。
易燃性樹脂の難燃化として、従来から一般にハロゲン系化合物及び/又は三酸化アンチモンとを添加する等の難燃化手法が用いられてきたが、環境衛生の上では好ましくない。よって、難燃化手法の改善が求められており、これらを含まない難燃剤を用いた難燃手法が検討されている。
また、PPEとポリプロピレンのブレンド組成物を難燃化するには多量の難燃剤が必要であるが、得られる難燃性は必ずしも満足なものではなく、多量の難燃剤を配合するため、他の物性を著しく損なうという欠点がある。
特許文献1には、金属酸化物と五価のリン化合物とを含む樹脂組成物の記載があり、ハロゲンを含まずに難燃性に優れる熱可塑性樹脂を提供するとして提案されている。
特開2006−16587号公報
しかしながら、特許文献1に記載のPPEとポリプロピレンのブレンド組成物に関しては難燃性が不十分である場合もあり、金属酸化物による熱エージング性の悪化も見られる。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、難燃性、熱エージング性に優れる樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を行った。即ち、本発明では、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、混和剤、リン酸エステル系難燃剤、金属酸化物を組み合わせた原料を用いる場合に、特定の製法を採用することで難燃性、熱エージング性に優れる樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
添加量の50質量%未満の量の(a)ポリプロピレン樹脂、添加量の全量の、(b)ポリフェニレンエーテル樹脂、(c)混和剤、及び(e)酸化鉄である金属酸化物を溶融混練する工程1と、
前記工程1で得られた溶融混練物に対して、前記添加量の残量の(a)成分を添加し、溶融混練する工程2と、を含み、
前記工程1、前記工程2、又は前記工程2の後において、さらに(d)リン酸エステル系難燃剤を添加する、
樹脂組成物の製造方法。
〔2〕
前記添加量が、
(a)ポリプロピレン樹脂40〜20質量部、
(b)ポリフェニレンエーテル樹脂60〜80質量部であって、
前記(a)成分と前記(b)成分合計量100質量部に対して、
(c)混和剤1〜20質量部、
(d)リン酸エステル系難燃剤1〜45質量部、及び
(e)酸化鉄0.5〜10質量部である、〔1〕に記載の樹脂組成物の製造方法。
〔3〕
前記(c)成分が、ビニル芳香族化合物単位を主体とする重合体ブロックAと、1,2−ビニル結合量及び3,4−ビニル結合量の合計量が30〜90%であり、かつ共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBと、を含むブロック共重合体の少なくとも一部が水素添加された水素添加ブロック共重合体である、〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂組成物の製造方法。
〔4〕
前記共役ジエン化合物の1,2−ビニル結合量及び3,4−ビニル結合量の合計量が65〜90%である、〔3〕に記載の樹脂組成物の製造方法。
〔5〕
前記(d)成分が縮合リン酸エステル系難燃剤である、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
〔6〕
さらに(f)ホスフィン酸塩を添加する、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
〔7〕
前記(f)成分の添加量が、前記(a)成分と前記(b)成分の合計量100質量部に対して、1〜15部である、〔6〕に記載の樹脂組成物の製造方法。
本発明によれば、難燃性、熱エージング性に優れる樹脂組成物の製造方法が提供される。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
なお、以下において、重合体を構成する構成単位のことを「〜単位」と記載し、重合前のモノマー成分のことを化合物名で記載する。
〔樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態に係る樹脂組成物の製造方法は、添加量の50質量%未満の量の(a)ポリプロピレン樹脂、添加量の全量の、(b)ポリフェニレンエーテル樹脂、(c)混和剤、及び(e)金属酸化物を溶融混練する工程1と、
前記工程1で得られた溶融混練物に対して、前記添加量の残量の(a)成分を添加し、溶融混練する工程2と、を含み、
前記工程1、前記工程2、又は前記工程2の後において、さらに(d)リン酸エステル系難燃剤を添加する。
〔工程1〕
本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、工程1は、添加量の50質量%未満の量の(a)ポリプロピレン樹脂、添加量の全量の(b)ポリフェニレンエーテル樹脂、添加量の全量の(c)混和剤、及び添加量の全量の(e)金属酸化物を溶融混練する工程である。
工程1で添加される(a)ポリプロピレン樹脂は、添加量の50質量%未満であり、40質量%未満であることが好ましく、35質量%未満であることがより好ましい。ここで、用語「添加量」とは、本実施形態に係る樹脂組成物に添加される各成分の量をいう。
〔工程2〕
本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、工程2は、工程1で得られた溶融混練物に対して、添加量の残量の(a)成分を添加し、溶融混練する工程である。
〔(d)リン酸エステル系難燃剤の添加〕
本実施形態の樹脂組成物の製造方法においては、前記工程1、前記工程2、又は前記工程2の後において、さらに(d)リン酸エステル系難燃剤を添加する。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、上記のような工程を含むことで、優れた難燃性、熱エージング性、及び諸特性に優れる樹脂組成物を得ることができる。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、溶融混練に用いる二軸押出機としては、特に限定されないが、具体的には、コペリオン社製のZSKシリーズ、東芝機械(株)製のTEMシリーズ、日本製鋼所(株)製のTEXシリーズなどが挙げられる。
工程1及び工程2の溶融混練における、溶融混練温度、スクリュー回転数は特に限定されるものではないが、通常、溶融混練温度200〜370℃、スクリュー回転数100〜1200rpmの中から適宜に選ぶことができる。
この二軸押出機に原料を供給するための原料供給装置は、特に限定はされないが、単独スクリューフィーダー、二軸スクリューフィーダー、テーブルフィーダー、ロータリーフィーダーなどが使用できる。中でもロスインウエイトフィーダーが、原料供給の変動誤差が少なく好ましい。
また、液状原料を供給する際は、押出機シリンダー部分に、液添ポンプ等を用いて、直接液状の原料をシリンダー系中に送り込むことで混練りすることができる。この際、液状原料を送り込む方法としては、液添ポンプを用いる方法が好ましい。液添ポンプの中でも、ギアポンプやフランジ式ポンプ等があり、ギアポンプが好ましい。さらに、液状原料を送り込むのに、液添ポンプに使用する液状原料を貯めておくタンク、そのタンクとポンプ間の配管、ポンプと押出機シリンダー間の配管等液状原料の流路となる部分をヒーター等で加温、加熱し液状原料の粘度を少し小さくしてから使用すると、液添ポンプにかかる負荷が小さくなり、操作性などの面において好ましい。
<(a)成分>
(a)ポリプロピレン樹脂について詳細に説明する。
本実施形態で用いられる(a)ポリプロピレン樹脂(以下、「(a)成分」又は「PP」とも略す。)は、特に限定されないが、具体的には、結晶性プロピレンホモポリマー又は結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体であることが好ましい。ここで、結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体とは、重合の第一工程で得られる結晶性プロピレンホモポリマー部分と、重合の第二工程以降でプロピレン、エチレン、及び/又は少なくとも1つの他のα−オレフィン(例えば、ブテン−1、ヘキセン−1等)を共重合して得られるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分とを有する共重合体をいう。さらに(a)ポリプロピレン樹脂は、これら結晶性プロピレンホモポリマーと結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体との混合物であってもかまわない。
(a)ポリプロピレン樹脂の製造方法は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、三塩化チタン触媒又は塩化マグネシウムなどの担体に担持したハロゲン化チタン触媒等とアルキルアルミニウム化合物との存在下に、重合温度0〜100℃の範囲で、重合圧力3〜100気圧の範囲で重合する方法が挙げられる。この際、重合体の分子量を調整するために水素等の連鎖移動剤を添加することも可能である。また重合方式としては、特に限定されないが、具体的には、バッチ式、連続式いずれの方式でも可能である。重合方法としては、特に限定されないが、具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の溶媒下での溶液重合、スラリー重合等の方法も選択でき、さらには無溶媒下モノマー中での塊状重合、ガス状モノマー中での気相重合方法などが適用できる。
また、上記した重合触媒の他に、得られるポリプロピレンのアイソタクティシティ及び重合活性を高めるため、第三成分として電子供与性化合物を内部ドナー成分又は外部ドナー成分として用いることができる。これらの電子供与性化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ε−カプロラクトン、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、トルイル酸メチルなどのエステル化合物;亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリブチルなどの亜リン酸エステル;ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどのリン酸誘導体;アルコキシエステル化合物;芳香族モノカルボン酸エステル;芳香族アルキルアルコキシシラン、脂肪族炭化水素アルコキシシランなどのアルコキシシラン化合物;各種エーテル化合物;各種アルコール類;及び/又は各種フェノール類などが挙げられる。
なお、本実施形態で用いる(a)ポリプロピレン樹脂は、上記したポリプロピレン樹脂を、α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(酸無水物やエステルも含む)で、グラフト化及び/又は付加した、変性ポリプロピレン樹脂であってもよい。このような変性ポリプロピレン樹脂は、特に限定されないが、具体的には、ラジカル発生剤の存在下、非存在下、溶融状態、溶液状態、スラリー状態で30〜350℃の温度下で、上記したポリプロピレン樹脂とα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体とを反応させることによって得られる。さらに、本実施形態で用いる(a)ポリプロピレン樹脂は、上記したポリプロピレン樹脂と該変性ポリプロピレン樹脂との任意の割合の混合物であってもかまわない。なお、変性ポリプロピレン樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体が0.01〜10質量%グラフト化又は付加したものであることが好ましい。
本実施形態における(a)ポリプロピレン樹脂は、上記の方法等によって得ることができる。また、いかなる結晶性や融点を有するポリプロピレン樹脂でも用いることが可能である。さらに、(a)ポリプロピレン樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本実施形態において、難燃性、耐熱性、耐溶剤性、及びガスバリア性の観点から(a)ポリプロピレン樹脂の配合量は、(a)ポリプロピレン樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル樹脂の合計100質量部中、40〜20質量部であることが好ましく、35〜25質量部であることがより好ましく、35〜30質量部であることがさらに好ましい。
<(b)成分>
(b)ポリフェニレンエーテル樹脂について詳細に説明する。
本実施形態で用いられる(b)ポリフェニレンエーテル樹脂(以下、「(b)成分」又は「PPE」とも略す。)は、特に限定されないが、具体的には、下記式(1)で表わされる繰り返し単位構造からなるホモ重合体及び/又はこれを含む共重合体であることが好ましい。(b)成分の還元粘度(0.5g/dLのクロロホルム溶液,30℃測定)は、特に限定されないが、好ましくは0.15〜0.7の範囲であり、より好ましくは0.2〜0.6の範囲であり、さらに好ましくは0.25〜0.55の範囲である。なお、還元粘度は、ウベローデ粘度管により測定することができる。
式(1)中、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜7の第1級又は第2級のアルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、及び少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択されるものである。
本実施形態で用いられる(b)ポリフェニレンエーテル樹脂は、特に限定されないが、具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等の重合体;2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)等とのポリフェニレンエーテル共重合体を挙げることができる。これらの中でも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、より好ましくはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)である。
(b)ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、米国特許第3306874号明細書に記載の第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例えば2,6−キシレノールを酸化重合することにより容易に製造できる。あるいは、米国特許第3306875号明細書、米国特許第3257357号明細書、米国特許第3257358号明細書、特公昭52−17880号公報、特開昭50−51197号公報、特開昭63−152628号公報等に記載された方法等によって製造できる。
さらに、(b)ポリフェニレンエーテル樹脂としては、上記のポリフェニレンエーテル樹脂を、スチレン系モノマー及び/又はその誘導体でグラフト化及び/又は付加した、変性ポリフェニレンエーテル樹脂であってもよい。このような変性ポリフェニレンエーテル樹脂は、特に限定されないが、具体的には、ラジカル発生剤の存在下又は非存在下に、溶融状態、溶液状態又はスラリー状態で、80〜350℃で、上記のポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン系モノマー及び/又はその誘導体とを反応させることによって得ることができる。
かかる変性ポリフェニレンエーテル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、スチレン系モノマー及び/又はその誘導体が0.01〜10質量%グラフト化及び/又は付加したポリフェニレンエーテル樹脂が挙げられる。
また、上記のポリフェニレンエーテル樹脂と変性ポリフェニレンエーテル樹脂を併用することもでき、併用する場合には、その混合割合は制限されず、任意の割合で混合できる。
また、(b)ポリフェニレンエーテル樹脂は、上記したポリフェニレンエーテル樹脂に、さらにポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン又はハイインパクトポリスチレンを混合したものも好適に用いることができる。より好適には、上記したポリフェニレンエーテル樹脂100質量部に対して、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン又はハイインパクトポリスチレンを400質量部を超えない範囲で混合したものである。
本実施形態において、難燃性、耐熱性、耐溶剤性、及びガスバリア性の観点から(b)ポリフェニレンエーテル樹脂の配合量は、(a)ポリプロピレン樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル樹脂の合計100質量部中、60〜80質量部であることが好ましく、65〜75質量部であることがより好ましく、65〜70質量部であることがさらに好ましい。
<(c)成分>
本実施形態の樹脂組成物の製造方法では、(a)ポリプロピレン樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル樹脂との両者の相溶性改善のために、(c)混和剤(以下「(c)成分」とも記す。)を添加する。
(c)混和剤としては、特に限定されないが、具体的には、(b)ポリフェニレンエーテル樹脂と相溶性の高いセグメント鎖と、(a)ポリプロピレン樹脂(PP)と相溶性の高いセグメント鎖と、を有する共重合体を使用することが好ましい。
このような相溶性を有する共重合体としては、例えば、水素添加ブロック共重合体、ポリスチレン鎖−ポリオレフィン鎖を有する共重合体、ポリフェニレンエーテル鎖−ポリオレフィン鎖を有する共重合体が挙げられる。前記水素添加ブロック共重合体としては、ビニル芳香族化合物単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる水素添加ブロック共重合体が挙げられる。これらの中でも熱安定性の観点から、水素添加ブロック共重合体が好ましい。これらは一種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態で(c)成分として用いることができる水素添加ブロック共重合体としては、ビニル芳香族化合物単位を主体とする重合体ブロックAと、1,2−ビニル結合量及び3,4−ビニル結合量の合計量が30〜90%であり、かつ共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBと、を含むブロック共重合体の少なくとも一部が水素添加された水素添加ブロック共重合体であることが好ましい。重合体ブロックBにおける共役ジエン化合物単位の1,2−ビニル結合量及び3,4−ビニル結合量の合計量は、PPとの相溶性の観点から30〜90%であることが好ましい。
(重合体ブロックA)
ビニル芳香族化合物単位を主体とする重合体ブロックAは、ビニル芳香族化合物のホモ重合体ブロック、又はビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックであることが好ましい。
重合体ブロックAにおいて「ビニル芳香族化合物単位を主体とする」とは、重合体ブロックA中にビニル芳香族化合物単位を50質量%を超えて含有することをいう。そして、重合体ブロックA中にビニル芳香族化合物単位を60質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましい。これにより、より優れた流動性、耐衝撃性、ウェルド、外観を得ることができる。
重合体ブロックAを構成するビニル芳香族化合物としては、特に限定されないが、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ジフェニルエチレン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。これらの中ではスチレンが好ましい。また、上記ビニル芳香族化合物と共重合可能な共役ジエン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、後述する重合体ブロックBで用いるものを用いることができる。
重合体ブロックAの数平均分子量は、特に限定されないが、15,000以上が好ましい。これにより、本実施形態の樹脂組成物の耐熱クリープ性をより優れたものとできる。重合体ブロックAの数平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、移動層:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレン)によって行うことができる。
(重合体ブロックB)
共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBは、共役ジエン化合物のホモ重合体ブロック、又は共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体ブロックであることが好ましい。
重合体ブロックBにおいて「共役ジエン化合物単位を主体とする」とは、重合体ブロックB中に共役ジエン化合物単位を50質量%を超えて含有することをいう。そして、より優れた流動性、耐衝撃性、ウェルド、外観を得る観点から、重合体ブロックB中に共役ジエン化合物単位を60質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましい。
重合体ブロックBを構成する共役ジエン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。これらの中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。また、上記共役ジエン化合物と共重合可能なビニル芳香族化合物としては、特に限定されないが、具体的には、前述した重合体ブロックAで用いるものを用いることができる。
そして、重合体ブロックBのミクロ構造(共役ジエン化合物の結合形態)については、1,2−ビニル結合量及び3,4−ビニル結合量の合計量(以下、「全ビニル結合量」という)が30〜90%であり、好ましくは45〜90%、より好ましくは65〜90%、である。ここで、用語「1,2−ビニル結合量及び3,4−ビニル結合量の合計量」とは、重合体ブロックB中の1,2−付加、3,4−付加、及び1,4−付加をしている共役ジエン化合物単位のうち1,2−付加、3,4−付加している共役ジエン化合物単位の個数%をいう。重合体ブロックBにおける共役ジエン化合物の全ビニル結合量を前記範囲とすることで、流動性、耐衝撃性、ウェルド、外観に優れる。
特に、重合体ブロックBがブタジエン単位を主体とする重合体である場合には、流動性、耐衝撃性、ウェルド、外観の観点から、重合体ブロックBにおけるブタジエン単位の全ビニル結合量が65〜90%であることが好ましい。
本実施形態において、全ビニル結合量は、赤外分光光度計によって測定することができる。なお、算出方法はAnalytical Chemistry,Volume21,No.8,August 1949に記載の方法に準じて行うことができる。
(c)成分は、少なくとも重合体ブロックAと、少なくとも重合体ブロックBとを含むブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体であることが好ましい。ブロック重合体Aを「A」とし、ブロック重合体Bを「B」とすると、(c)成分としては、例えば、A−B、A−B−A、B−A−B−A、(A−B−)4Si、A−B−A−B−A等の構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。(A−B−)4Siは、四塩化ケイ素、四塩化スズ等といった多官能カップリング剤の反応残基、又は多官能性有機リチウム化合物等の開始剤の残基等である。
ブロック重合体Aとブロック重合体Bとを含むブロック共重合体の分子構造は、特に制限されず、例えば、直鎖状、分岐状、放射状又はこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。
重合体ブロックA及び重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中のビニル芳香族化合物又は共役ジエン化合物の分布は、ランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の組み合わせで成っていてもよい。
そして、重合体ブロックA又は重合体ブロックBのいずれかがブロック共重合体中に2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれ同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
この(c)成分の水素添加ブロック共重合体において、水素添加前のブロック共重合体が結合したビニル芳香族化合物単位の含有量は、流動性、耐衝撃性、ウェルド、外観の観点から、好ましくは20〜95質量%、より好ましくは30〜80質量%である。本実施形態において、ビニル芳香族化合物単位の含有量の測定は、紫外線分光光度計によって行うことができる。
また、水素添加前のブロック共重合体の数平均分子量は、特に限定されないが、具体的には、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜800,000、さらに好ましくは30,000〜500,000である。数平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶媒:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレン)によって行うことができる。
水素添加前のブロック共重合体の分子量分布は、特に限定されないが、具体的には、10以下が好ましい。分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶媒:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレン)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)によって算出できる。
また、(c)成分中の共役ジエン化合物単位に対する水素添加率は限定されないが、耐熱性の観点から、好ましくは共役ジエン化合物単位に由来する二重結合の50%以上であり、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。本実施形態において、水素添加率はNMRによって測定できる。
(c)成分の水素添加ブロック共重合体の製造方法は特に限定されず、例えば、公知の製造方法で得ることができる。このようなものとして、例えば、特開昭47−11486号公報、特開昭49−66743号公報、特開昭50−75651号公報、特開昭54−126255号公報、特開昭56−10542号公報、特開昭56−62847号公報、特開昭56−100840号公報、特開平2−300218号公報、英国特許第1130770号明細書、米国特許第3281383号明細書、米国特許第3639517号明細書、英国特許第1020720号明細書、米国特許第3333024号明細書及び米国特許第4501857号明細書に記載の方法を用いることができる。
また、(c)成分の水素添加ブロック共重合体は、上記した水素添加ブロック共重合体を、α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(エステル化合物や酸無水物化合物)でグラフト化及び/又は付加した、変性水素添加ブロック共重合体であってもよい。このような変性水素添加ブロック共重合体は、特に限定されないが、具体的には、ラジカル発生剤の存在下又は非存在下に、溶融状態、溶液状態又はスラリー状態で、80〜350℃で、上記した水素添加ブロック共重合体とα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体とを反応させることによって得ることができる。さらに、(c)成分は、上記の水素添加ブロック共重合体と該変性水素添加ブロック共重合体との任意の割合の混合物であってもよい。
本実施形態において、(c)混和剤の配合量は、前記(a)成分と前記(b)成分合計量100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましく、3〜18質量部であることがより好ましく、5〜15質量部であることがさらに好ましい。(c)成分の配合量が前記範囲内であると、得られる樹脂組成物は、耐衝撃性、曲げ弾性率等に優れる。
<(d)成分>
本実施形態で用いられる(d)リン酸エステル系難燃剤は、難燃性向上に有効なリン酸エステル化合物全般を指す。このような(d)成分としては、例えば特に限定されないが、具体的には、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジブチルホスフェート、エチルジプロピルホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル;これらを各種置換基で変性した化合物;各種の縮合タイプの縮合リン酸エステル系難燃剤が挙げられる。
これらの中で、下記式(2)及び下記式(3)で示される縮合リン酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とするものがより好ましい。ここで「主成分」とは、当該成分が(d)成分中90質量%以上含まれることをいう。
式中、Q1、Q2、Q3、及びQ4は、各々置換基であって各々独立に炭素数1から6のアルキル基を表し、R5、R6は各々置換基であってメチル基を表し、R7、R8は各々独立に水素原子またはメチル基を表す。nは0以上の整数を示し、n1、n2は各々独立に0から2の整数を示し、m1、m2、m3、m4は各々独立に0から3の整数を示す。なお、上記式(2)及び(3)で示される縮合リン酸エステルは複数の分子鎖よりなり、それぞれの分子の各々については、nは0以上の整数、好ましくは1〜3の整数であり、全体としてnは1以上の平均値を有することが好ましい。
この中で、式(2)におけるm1、m2、m3、m4、n1、及びn2が0であって、R7及びR8がメチル基である縮合リン酸エステル;式(2)におけるQ1、Q2、Q3、Q4、R7、及びR8がメチル基であり、n1及びn2が0であり、m1、m2、m3、及びm4が1〜3の整数である、縮合リン酸エステルであって、nの範囲は1〜3の整数、特にnが1であるリン酸エステルを50質量%以上含むものが好ましい。上記縮合リン酸エステルは、成形加工時の低揮発性であるため好ましい。
本実施形態において、(d)リン酸エステル系難燃剤の配合量は、難燃性、熱エージング性、耐熱性の観点から、前記(a)成分と前記(b)成分合計量100質量部に対して、1〜45質量部であることが好ましく、10〜45質量部であることがより好ましく、15〜40質量部であることがさらに好ましい。
<(e)成分>
本実施形態で用いることができる(e)金属酸化物としては、特に限定されないが、具体的には、酸化亜鉛、酸化鉄(好ましくはFe23)、酸化スズ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化チタン等が挙げられる。この中でも難燃性の観点から酸化鉄が好ましい。
本実施形態で使用される(e)金属酸化物の粒径は、特に限定されず、従来公知のものを好適に用いることができる。その中でも、耐衝撃性、外観の観点から、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下がよりさらに好ましく、1μm以下であることがさらにより好ましい。各金属酸化物は単独で用いてもよいし、二種以上の混合物として用いてもよい。また、これらの金属酸化物は、任意の無機物及び/又は有機物で被覆して用いてもよい。
本実施形態において、(e)金属酸化物の配合量は、難燃性の観点から、前記(a)成分と前記(b)成分合計量100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜8質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。(e)成分の配合量が前記範囲内であると、得られる樹脂組成物は、より優れた難燃性を示す。
<(f)成分>
本実施形態の樹脂組成物の製造方法では、さらに(f)ホスフィン酸塩を添加することができる。(f)成分の添加は、特に限定されず、工程1、工程2、又は工程1及び工程2の両方で行なっても、工程2の後に行なってもよい。(f)ホスフィン酸塩は、特に限定されないが、具体的には、下記式(4)及び/又は(5)で表されるホスフィン酸塩及び/又はこれらのポリマーから選ばれる少なくとも一種である。
(式中、Q1、Q2、Q3、Q4は、水素原子、炭素数が1〜12のアルキル基、炭素数が1〜12のアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基を表し、Q5は炭素数が1〜18のアルキレン、アリールアルキレン、アリーレン、アルキルアリーレン、ジアリーレンから選ばれる基を表す。式中n、mはそれぞれ1〜3の整数であり、xは1又は2である。また、Mは、周期表第四周期以降の金属原子、アミド、アンモニウム基及びメラミン誘導体から選ばれる基を表し、xが2の場合は同じ基であっても異なる基であってもよい。)
上記ホスフィン酸塩の中には、ホスフィン酸と、金属炭酸塩、金属水酸化物、又は金属酸化物と、を用いて水溶液中で製造されるホスフィン酸金属塩が含まれる。これらは本質的にモノマー性化合物であるが、反応条件に依存して、環境によっては縮合度が1〜3のポリマー性ホスフィン酸塩も含まれる。
ホスフィン酸としては、特に限定されないが、具体的には、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル−n−プロピルホスフィン酸、メタンジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)、メチルフェニルホスフィン酸及びジフェニルホスフィン酸等が挙げられる。また金属成分としては、周期表第四周期以降の金属原子であれば特に制限されないが、好ましくは、カリウム、セシウム等のアルカリ金属を除く周期表第四周期以降の金属元素であり、より好ましくは、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、錫、ゲルマニウム、チタン、鉄、ジルコニウム、亜鉛、ビスマス、ストロンチウム、若しくはマンガンを含む、金属炭酸塩、金属水酸化物、又は金属酸化物が挙げられる。この中でも、特に好ましくは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、若しくは亜鉛を含む、金属炭酸塩、金属水酸化物、又は金属酸化物が挙げられる。このようなホスフィン酸塩としては、特に限定されないが、具体的には、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸マグネシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸マグネシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウムが挙げられる。
また、ホスフィン酸塩としては、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸チタン、メチル−n−プロピルホスフィン酸カルシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸マグネシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸アルミニウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸亜鉛、メチル−n−プロピルホスフィン酸チタン、メタンジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)アルミニウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)亜鉛、メタンジ(メチルホスフィン酸)チタン、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)カルシウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)マグネシウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)アルミニウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)亜鉛、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)チタンが挙げられる。
また、ホスフィン酸塩としては、メチルフェニルホスフィン酸カルシウム、メチルフェニルホスフィン酸マグネシウム、メチルフェニルホスフィン酸アルミニウム、メチルフェニルホスフィン酸亜鉛、メチルフェニルホスフィン酸チタン、ジフェニルホスフィン酸カルシウム、ジフェニルホスフィン酸マグネシウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸亜鉛、ジフェニルホスフィン酸チタン等が挙げられる。特に難燃性の観点からジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛が好ましい。
本実施形態において、(f)ホスフィン酸塩の配合量は、前記(a)成分と前記(b)成分の合計量100質量部に対して、1〜15質量部であることが好ましく、難燃性、流動性の観点から2〜10質量部であることがより好ましい。
<添加剤>
本実施形態の樹脂組成物の製造方法では、必要に応じて、従来公知のノンハロゲン、ノンアンチモンの難燃剤を併用することができる。このような難燃剤としては、特に限定されないが、具体的には、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスフィン、ビス(ジアリールホスフィノ)ベンゼン、トリス(ジアリールホスフィノ)ベンゼン等の三級ホスフィン類;上記化合物の酸化物や硫化物;ホスフィン酸やホスホン酸等の金属塩;アミド、アンモニウム塩、メラミンとの誘導体;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、アルミン酸カルシウム等の金属水酸化物;メラミン、メラム、メレム、メロン、メチレンジメラミン、エチレンジメラミン、デカメチレンジメラミン、1,3−シクロヘキシルジメラミン、4,4’−ジエチレンジメラミン、ジエチレントリメラミン、ベンゾグアナミン、ジベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、メチルグアナミン、アセトグアナミン、メラミン樹脂;上記化合物のシアヌル酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硼酸塩;2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジン、2−N−フェニルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジン、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート等のトリアジン系化合物;硼酸、硼酸亜鉛化合物等の硼素含有化合物;ポリオルガノシロキサン、シルセスキオキサン、シリコン樹脂等の珪素含有化合物;シリカ、カオリンクレー、タルク、ウォラストナイト等の無機珪素化合物などが挙げられる。このような難燃剤を添加して更なる難燃性の向上も可能である。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法では、機械物性を向上させる目的で、従来公知の充填材を配合することができる。このような充填材としては、特に限定されないが、具体的には、シリカ、カオリンクレー、タルク、ウォラストナイト、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス繊維、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム、硼酸アルミニウム、硼酸マグネシウム;ケナフ繊維、炭素繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、石英繊維等の繊維状補強剤;非繊維状補強剤が挙げられる。これらは、有機物や無機物等で被覆されていてもよい。
また、剛性や寸法安定性等の他の特性を付与するため、必要に応じて他の添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの安定剤、硬化剤、硬化促進剤、帯電防止剤、導電性付与剤、応力緩和剤、離型剤、結晶化促進剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、衝撃付与剤、摺動性改良剤、相溶化剤、核剤、強化剤、補強剤、流動調整剤、染料、増感材、着色用顔料、ゴム質重合体、導電性高分子等を添加することができる。
〔樹脂組成物〕
本実施形態の樹脂組成物は、上述の製造方法により得られる、樹脂組成物である。上述の製造方法により得られる樹脂組成物は、難燃性、熱エージング性に優れる。
〔成形品〕
本実施形態の成形品は、上述の樹脂組成物を含む。具体的には、上述の樹脂組成物を成形することにより得ることができる。上述の樹脂組成物を成形して得られる成形品は、種々の成形品として用いることができ、特に、OA機器、電池電装用、電子機器等に好適に使用できる。成形方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、射出成形、中空成形、押出成形、シート成形、フィルム成形等、公知の成形方法が使用できる。
以下、実施例によって、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、使用した原料は下記の通りである。
(a)ポリプロピレン樹脂
MA4AHB(日本ポリプロ製)
メルトフローレート(ISO 1133に準拠、230℃、荷重2.16kg)=5.9g/10min
(b)ポリフェニレンエーテル樹脂
2,6−キシレノールを酸化重合して得た、還元粘度(0.5g/dLのクロロホルム溶液,30℃測定)=0.3のポリフェニレンエーテル。
還元粘度は、上記と同様に測定した。
(c)混和剤
(c−1)ポリスチレン(重合体ブロックA)−水素添加されたポリブタジエン(重合体ブロックB)−ポリスチレン(重合体ブロックA)の構造を持ち、結合スチレン量が43質量%、ポリブタジエン部分(重合体ブロックB)の1,2−ビニル結合量及び3,4−ビニル結合量の合計量が75%であり、ポリスチレン鎖の数平均分子量が20,000、ポリブタジエン部の水素添加率が99.9%の水素添加ブロック共重合体。
(ビニル結合量の測定方法)
(c−1)におけるポリブタジエン部分のビニル結合量は、赤外分光光度計によって測定し、算出方法はAnalytical Chemistry,Volume21,No.8,August 1949に記載の方法に準じて行った。
(結合スチレン量の測定方法)
また、結合スチレン量の測定は、紫外線分光光度計によって行った。
(数平均分子量の測定方法)
さらに、ポリスチレン鎖の数平均分子量の測定は、GPC(移動層:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレン)によって行った。
(水素添加率の測定方法)
またさらに、ポリブタジエン部の水素添加率はNMRによって測定した。
(c−2)Kraton G1701M Polymer(ポリスチレン鎖−ポリオレフィン鎖を有する共重合体、Kraton社製)
ベースコポリマー:スチレン、エチレン/プロピレン(ポリプロピレン量37%)、メルトフローレート(ISO 1133に準拠、230℃、荷重5kg)=1gms/10min
(d)リン酸エステル系難燃剤
(d−1)縮合リン酸エステル:E890(大八化学工業製)
(d−2)リン酸エステル:TPP(大八化学工業製)
(e)金属酸化物
(e−1)酸化鉄:三酸化鉄(Fe23:和光純薬製)
(e−2)酸化亜鉛:酸化亜鉛(ZnO:和光純薬製)
(f)ホスフィン酸塩
Exolit OP1230(クラリアント社製)
<実施例1>
樹脂組成物の製造装置として、二軸押出機ZSK−25(コペリオン社製)を用いた。該二軸押出機において、原料の流れ方向に対し上流側に第1原料供給口、これより下流に第2原料供給口、さらに下流に液添ポンプを設け、第1原料供給口と第2原料供給口の間と液添ポンプの下流に真空ベントを設けた。また、第2供給口への原料供給方法は、押出機サイド開放口から強制サイドフィーダーを用いて供給する方法とした。
上記のように設定した二軸押出機に、(a)〜(e)成分を表1に示した組成で供給し、押出温度270〜320℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量15kg/時間の条件にて溶融混練し、樹脂組成物のペレットを得た。
<実施例2〜6>
二軸押出機に、(a)〜(f)成分を表1に示した組成で供給した点以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。
<比較例1〜6>
二軸押出機に、(a)〜(f)成分を表1に示した組成で供給した点以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。
実施例及び比較例で得た樹脂組成物のペレットの特性等を以下のとおり評価した。結果を表1に示す。
<難燃性>
UL−94垂直燃焼試験に基づき、1.6mm厚みの射出成形試験片を用いて難燃性を評価した。
<熱エージング性>
実施例及び比較例で得た樹脂組成物のペレットを、240〜220℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度60℃の条件で射出成形し、引張強度測定用テストピースを得た。該引張強度測定用テストピースについて、ギアーオーブンを用い80℃の環境下に24時間静置し熱履歴処理を行った。
熱履歴処理後の引張強度測定用テストピースについて、ギアーオーブンを用い120℃の環境下で500時間のエージングを行った。
熱エージング性測定として、熱履歴処理後及びエージング後の引張強度測定用テストピースについて、引張試験(ISO527)を実施した。樹脂組成物の熱エージング性は、以下の式で求めた引張強度保持率により評価した。
[数1]
引張強度保持率[%]=(エージング後の引張強度)/(熱履歴処理後の引張強度)×100
表1の結果より、本発明に係る樹脂組成物の製造方法によれば、難燃性と熱エージング性に優れた樹脂組成物を製造できることが示された。また、製造方法が本実施形態の範囲外であった場合、難燃性、熱エージング性が劣っていたことも示された。
本発明に係る樹脂組成物の製造方法によれば、難燃性と熱エージング性に優れた樹脂組成物が得られ、これらの特性が要求される種々の用途に好適に用いることができ、例えば、OA機器、電子機器、電池電装用材料等に最適に使用される。

Claims (7)

  1. 添加量の50質量%未満の量の(a)ポリプロピレン樹脂、添加量の全量の、(b)ポリフェニレンエーテル樹脂、(c)混和剤、及び(e)酸化鉄である金属酸化物を溶融混練する工程1と、
    前記工程1で得られた溶融混練物に対して、前記添加量の残量の(a)成分を添加し、溶融混練する工程2と、を含み、
    前記工程1、前記工程2、又は前記工程2の後において、さらに(d)リン酸エステル系難燃剤を添加する、
    樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記添加量が、
    (a)ポリプロピレン樹脂40〜20質量部、
    (b)ポリフェニレンエーテル樹脂60〜80質量部であって、
    前記(a)成分と前記(b)成分合計量100質量部に対して、
    (c)混和剤1〜20質量部、
    (d)リン酸エステル系難燃剤1〜45質量部、及び
    (e)酸化鉄0.5〜10質量部である、請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記(c)成分が、ビニル芳香族化合物単位を主体とする重合体ブロックAと、1,2−ビニル結合量及び3,4−ビニル結合量の合計量が30〜90%であり、かつ共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBと、を含むブロック共重合体の少なくとも一部が水素添加された水素添加ブロック共重合体である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記共役ジエン化合物の1,2−ビニル結合量及び3,4−ビニル結合量の合計量が65〜90%である、請求項3に記載の樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記(d)成分が縮合リン酸エステル系難燃剤である、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  6. さらに(f)ホスフィン酸塩を添加する、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記(f)成分の添加量が、前記(a)成分と前記(b)成分の合計量100質量部に対して、1〜15部である、請求項に記載の樹脂組成物の製造方法。
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