JP5897478B2 - 電子機器筺体 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、電子機器筺体に関する。
例えばVME等の規格ボードなどの複数枚の電子回路モジュールのボードを並設状態で収納するボード収容室を有する箱状のシャーシを備えた電子機器筐体では、ボード収容室の一面にボードの出し入れ用の開口部が設けられている。通常、ボードの出し入れ用の開口部が形成されている側面と反対側の側面にマザーボードが配置されている。
また、航空機搭載や車載など環境条件の悪い場所で使用される場合には、ボード収容室内に収納されているボードに直接外気が当たらないように間接的な空冷方式を採用している場合が多い。この間接空冷方式の電子機器筐体では、ボード収容室の周囲に放熱用の通風ダクト構造となっている筐体壁を設けている。
このような間接空冷方式ではボード収容室内のボードで発生した熱を伝導でボード端部まで移動させ、ボード端部でカードホルダを介して筐体側壁に熱伝導で移動させている。そして、冷却フィンを内蔵し、通風ダクト構造となっている筐体側壁から通風空気に熱を逃がしている。
特開平7−221479号公報
CPUボードなどの計算処理ボードの1枚あたりの処理能力は年々増加し、これに伴い発熱量も増加の一途をたどっている。さらに機器として求められる処理能力も統合処理化に伴って高い処理能力が求められている。このような状況では従来の電子機器筐体の放熱経路だけでは冷却能力が不足してきている。
通常、電子機器筐体内のボード収容室へのボードの挿抜を考慮するとボードの出し入れ用の開口部として使用している面は冷却面として使用していない。さらに、電子機器筐体における一側面にはマザーボードが配置されている。このマザーボードが配置されている側面も冷却面として使用していない。そのため、電子機器筐体のボード収容室の周囲の冷却面はボード両端の2面に限定され、放熱面積の拡張が困難である。また、冷却能力向上のためにフィンの密度を上げたり、形状を複雑にすると圧力損失が増加する。また、表面積拡大のためフィンを大型化すると筐体全体も大型化してしまう。
また、冷却空気を電子機器筐体の外部から外部ダクトなどを介して供給してもらう場合は電子機器筐体に設けられている冷却インタフェースは通常1箇所のため、ボード収容室の周囲の冷却面に冷却空気を導く空気の流し方も限定される。流し方を工夫すると筐体が大型化したり、構造が複雑になる。
実施の形態は上記事情に着目してなされたもので、小型で冷却性能と圧力性能の優れた電子機器筺体を提供することにある。
実施形態によれば、複数枚の電子回路モジュールのボードを並設状態で出し入れ可能に収納するボード収容室を有する箱状のシャーシの一面にマザーボードが配設されている。前記シャーシの前記マザーボードの配設面と対向する面に前記ボードの収容室内への前記ボードの出し入れ用の開口部を開閉するカバー部材が配設される電子機器筐体である。前記ボード収容室の周囲を囲む前記マザーボードの配設面以外の周壁面に前記ボードの出し入れ方向と直交する方向に冷却空気を通風して前記ボードを冷却する放熱用の通風ダクト構造となっている筐体壁を設けている。前記ボード収容室の一方の端面には前記通風ダクト構造の筐体壁の通風ダクトに連通する第1の開口部、前記ボード収容室の他方の端面及び/または前記端面周縁の前記筐体壁外面には前記通風ダクト構造の筐体壁の通風ダクトに連通する第2の開口部がそれぞれ配設されている。前記第1の開口部と前記通風ダクト構造の筐体壁との間のチャンバは、前記ボードの収容室内から伝熱される熱を放熱する棒状のフィンが配設されている。

第1の実施の形態の電子機器筐体全体の外観を示すもので、(A)は電子機器筐体全体の斜視図、(B)は電子機器筐体の正面図、(C)は電子機器筐体の背面図、(D)は電子機器筐体の側面図。 (A)は図1(D)のIIA−IIA線断面図、(B)は図1(D)のIIB−IIB線断面図、(C)は図1(D)のIIC−IIC線断面図。 図1(B)のIII−III線断面図。 図1(D)のIV−IV線断面図。 第1の実施の形態の電子機器筐体における冷却空気の導入部のエアチャンバ構造の一例を示す分解斜視図。 第2の実施の形態の電子機器筐体を示す分解斜視図。 第2の実施の形態の電子機器筐体内の電子回路モジュールのボードからの伝熱状態を模式的に示す概略構成図。 第2の実施の形態の電子機器筐体の変形例の構造例を示す概略構成図。 第3の実施の形態の電子機器筐体の側面カバーの取り外し状態を示す斜視図。 第3の実施の形態の電子機器筐体の側面カバーの構造例を示す分解斜視図。 図9のXI−XI線断面図。
[第1の実施の形態]
(構成)
図1乃至図5は、第1の実施の形態を示す。図1は、本実施の形態の間接空冷方式の電子機器筐体1の全体の外観を示すもので、(A)は電子機器筐体1全体の斜視図、(B)は電子機器筐体1の正面図、(C)は電子機器筐体1の背面図、(D)は電子機器筐体1の側面図である。
本実施の形態の電子機器筐体1は、図3および図4に示すように例えばVME等の規格ボードなどの複数枚の電子回路モジュールのボード2を並設状態で収納するボード収容室3を有する箱型のシャーシ4を備えている。電子機器筐体1の本体1aは、シャーシ4の両端に配置された2つの端板6,7と、シャーシ4の下面に配置された底板8と、シャーシ4の上面に配置された上板9と、シャーシ4の両側面に配置された2つの側面板(左側面板10と右側面板11)とから構成されている。筐体本体1aの内部には、前記ボード収容室3と、例えば電源などの電気機器12を収納する機器収納部13とが設けられている。
また、本実施の形態ではボード収容室3の一側面(図1(C)、図2(A)、(B)中で左側の左側面板10側には、マザーボード5が左側面板10および右側面板11と平行に縦置き状態で配設されている。このマザーボード5が配置されている左側面板10とは反対側(図1(C)、図2(A)、(B)中で右側面側)には、ボード収容室3内に電子回路モジュールのボード2を出し入れするボード出し入れ用の開口部3aが形成されている。ボード出し入れ用の開口部3aは、シャーシ4の右側面板11を形成する側面カバー(カバー部材)14によって開閉可能に閉塞されている。側面カバー14は、シャーシ4に対し、周辺部でねじ15等により固定されている。
各電子回路モジュールのボード2はそれぞれ図3中で2つの端板6,7と平行に縦置き状態で配置され、横並び状態で並設されている。マザーボード5には各電子回路モジュールのボード2と着脱可能に接続される接続部が設けられている。
本実施の形態の筐体本体1aの内部には、ボード収容室3の周囲を囲む両端板6,7間の4面(上面、底面、左側面および右側面)のうち、マザーボード5の配設面である左側面板10以外の3面、本実施の形態では上板9と、底板8と、右側面板11の側面カバー14とに通風ダクト構造の筐体壁16a,16b,16cが配設されている(図2(A)〜(C)参照)。これらの筐体壁16a,16b,16cは、矩形断面形状の箱型の通風ダクト17によって形成されている。この箱型の通風ダクト17は両端部が開口されている。そして、一端側の開口部によって吸い込み口となる第1の開口部17a、他端側の開口部によって排出口となる第2の開口部17bがそれぞれ形成されている。
そして、本実施の形態の電子機器筐体1のボード収容室3内に収納された各電子回路モジュールのボード2はそれぞれこれら3面の筐体壁16a,16b,16cに接触された状態で保持されている。本実施の形態の電子機器筐体1の駆動時には各ボード2上の電子部品などの発熱体からの熱は各ボード2の板面に沿って両側に熱伝達された後、マザーボード5の配設面である左側面板10以外の3面の通風ダクト構造の筐体壁16a,16b,16cとの接触部に熱伝導されるようなっている。これにより、ボード収容室3の内部に収納されたボード2が直接、またはボード接続部経由で、3面の筐体壁16a,16b,16cに接触し、外部への熱伝導経路が確保されている。
通風ダクト17には、多数の板状のストレートフィン18を内蔵させたヒートシンク19が設けられている。各ストレートフィン18は、それぞれ通風ダクト17内の冷却空気の流れの方向(ボード2の挿入方向と直交する方向)に沿って平行に配置されている。これにより、通風ダクト17内には図3および図4中に矢印で示すように通風ダクト17の吸い込み口となる第1の開口部17a側から供給される冷却空気が各ストレートフィン18間の隙間を通り、排出口となる第2の開口部17b側に向けて流れる通風路が形成されている。
また、通風ダクト17内のストレートフィン18は、ボード2の配置部分(例えば、ボードは約20mm/枚、ボード枚数6〜8枚程度)だけが緻密(例えばピッチ0.5〜1.5mm、フィン厚0.05〜0.2mm、フィン高さ20mm以下)な緻密構造部18aになっている。ここで、通風ダクト17内のストレートフィン18は、緻密構造部18a以外の部分、例えば機器収納部13と対応する部分では通常構造の通常構造部18bになっている。通常構造部18bでは、既設の電子機器筐体の放熱用の通風ダクト構造で一般的に使用されているヒートシンクのフィン構造に設定されている。通常構造部18bでは、例えば、フィンピッチが2.1mm、フィン厚が0.3〜0.4mm、フィン高さが4.6〜12.7mm程度である。
また、シャーシ4の一方(図3および図4中で右側)の端板6には冷却風流入用の開口部20、他方(図3および図4中で左側)の端板7には冷却風流出用の開口部21がそれぞれ形成されている。端板6の冷却風流入用の開口部20には、電子機器筐体1の外部の図示しない外部ダクトが連結され、この外部ダクトから冷却風が供給されるようになっている。なお、外部ダクトから冷却風が吸引される構成にしてもよい。
さらに、端板6と3面(上板9と、底板8と、側面カバー14)の各通風ダクト17の吸い込み口となる第1の開口部17aとの間のチャンバ22には図5に示すように傾斜板形状の整流板23が配設されている。これにより、図3〜5中に矢印で示すように端板6の冷却風流入用の開口部20からチャンバ22内に流入された冷却風を上記3面の通風ダクト17にほぼ等分に分配して導くようになっている。
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の電子機器筐体1の使用時には、シャーシ4の一端側の端板6の冷却風流入用開口部20に外部の図示しない送風ダクトが連結される。そして、この送風ダクトから冷却風流入用開口部20に外部から冷却用の外部空気が供給される。冷却風流入用開口部20に供給された冷却用の外部空気は、チャンバ22内の整流板23によって3面(上板9と、底板8と、側面カバー14)の各通風ダクト17の吸い込み口17aにほぼ等分に分配して導かれる。3つの通風ダクト17に流入した冷却用の外部空気は、続いて、各ストレートフィン18間の隙間を通り、排出口17b側に向けて流れ、通風ダクト17の排出口17bを経てシャーシ4の端板7の冷却風流出用の開口部21から外部に排出される。このとき、3つの通風ダクト17内を流れる冷却用の外部空気は、多数の板状のストレートフィン18間の隙間を通して流れるので、外部の図示しない送風ダクトから供給される外部空気は、ボード収容室3の内部には直接は流入せず、ボード収容室3の内部の電子回路モジュールのボード2には外気が当たらないようになっている。
また、電子機器筐体1内の電子回路モジュールのボード2上の電子機器から発生する熱は、ボード2の基板自体を介してマザーボード5の配設面である左側面板10以外の3面、本実施の形態では上板9と、底板8と、側面カバー14の通風ダクト構造の筐体壁16a,16b,16cとの接触部に熱伝導された後、ボード収容室3の3面の通風ダクト構造の筐体壁16a,16b,16cに熱伝導される。このとき、ボード収容室3の周囲の3面の通風ダクト17を流れる冷却空気との熱交換によって放熱される。
(効果)
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の電子機器筐体1では、筐体本体1aの内部でボード収容室3の周囲を囲む両端板6,7間の4面(上面、底面、左側面および右側面)のうち、マザーボード5の配設面である左側面板10以外の3面、本実施の形態では上板9と、底板8と、右側面板11の側面カバー14とに通風ダクト構造の筐体壁16a,16b,16cを配設している。そして、電子機器筐体1のボード収容室3内に収納された各電子回路モジュールのボード2はそれぞれこれら3面の筐体壁16a,16b,16cに接触された状態で保持されている。そのため、電子機器筐体のボード収容室の周囲の冷却面がボード両端の2面に限定されている場合に比べて通風ダクト構造に利用できる筐体壁を多くすることができるので、ボード収容室3内のボード2の放熱面が増加し、冷却能力が向上する。
さらに、本実施の形態では通風ダクト17に多数の板状のストレートフィン18を内蔵させたヒートシンク19を設け、通風ダクト17内のストレートフィン18は、ボード2の配置部分だけを緻密構造部18aにして必要最小限のボード配置部分だけで放熱させている。これによりボード収容室3内のボード2の熱をその場で効率の良いフィンを用いて放熱させることができるので、ボード収容室3内のボード2の熱を周囲に安易に拡散させることがない。そのため、小型で冷却性能と圧力性能の優れた電子機器筺体を提供できる。
[第2の実施の形態]
(構成)
図6および図7は、第2の実施の形態を示す。本実施の形態の電子機器筐体31Aは、複数枚の電子回路モジュールのボード32を並設状態で収納するボード収容室33を有する箱型のシャーシ34を備えている。電子機器筐体31Aの本体31aは、シャーシ34の両端に配置された2つの端板36,37と、シャーシ34の下面に配置された底板38と、シャーシ34の上面に配置された上板39と、シャーシ34の両側面に配置された2つの側面板(左側面板40と右側面板41)とから構成されている。
また、本実施の形態ではボード収容室33の底板38側には、マザーボード(図示せず)が底板38と平行に横置き状態で配設されている。このマザーボードが配置されている底板38とは反対側のシャーシ34の上面には、ボード収容室33内に電子回路モジュールのボード32を出し入れするボード出し入れ用の開口部33aが形成されている。ボード出し入れ用の開口部33aは、シャーシ34の上板39を形成する上面カバー(カバー部材)42によって開閉可能に閉塞されている。上面カバー42は、シャーシ34に対し、周辺部でねじ43等により固定されている。
各電子回路モジュールのボード32はそれぞれ図6中で左側面板40および右側面板41と平行に縦置き状態で配置され、横並び状態で並設されている。マザーボードには各電子回路モジュールのボード32と着脱可能に接続される接続部が設けられている。ここで、ボード収容室33の両端部には各電子回路モジュールのボード32の移動をガイドするガイド溝を有するボード保持部材32aが設けられている。
本実施の形態の筐体本体31aの内部には、ボード収容室33の周囲を囲む両端板36,37間の4面(上面、底面、左側面および右側面)のうち、底面(マザーボードの配設面である底板38側の面)以外の3面、本実施の形態では左側面側の面である左側面板40と、右側面側の面である右側面板41と、上面側の面である上面カバー42とに通風ダクト構造の筐体壁46a,46b,46cが配設されている。左側面板40と筐体壁46aとの間、右側面板41と筐体壁46bとの間、および上面カバー42と筐体壁46cとの間には、それぞれ矩形断面形状の箱型の通風ダクトが形成されている。この箱型の通風ダクトは両端部が開口されている。そして、一端側の第1の開口部によって吸い込み口、他端側の第2の開口部によって排出口がそれぞれ形成されている。筐体壁46a,46b,46cには、ヒートシンク47がそれぞれ設けられている。また、上面カバー42の筐体壁46cとボード収容室33の内部のボード32との間には放熱シート48が介挿されている。そして、本実施の形態の電子機器筐体31Aの駆動時に各ボード32の発熱体からの熱は図7中に実線矢印で示すように各ボード32の板面に沿って両側に熱伝達された後、ボード保持部材32aを経由してボード保持部材32aの両側部の筐体壁46a,46b側に熱伝導するようなっている。さらに、各ボード32の発熱体からの熱は同時に放熱シート48を介して上面カバー42の筐体壁46cに熱伝導するようなっている。これにより、ボード収容室33の内部に収納されたボード32が直接、またはボード保持部材32a経由で、3面の筐体壁46a,46b,46cに接触し、外部への熱伝導経路が確保されている。
また、本実施の形態ではシャーシ34の一方の端板36に冷却空気の吹出し用の開口部50が形成されている。この開口部50には、ファン51と、ファンカバー52とからなる送風機(ブロワ)53が装着されている。さらに、左側面板40と筐体壁46aとの間、右側面板41と筐体壁46bとの間、および上面カバー42と筐体壁46cとの間の通風ダクトと、端板36の開口部50との間のチャンバ54には多数の棒状フィン55が配設されている。
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の電子機器筐体31Aの駆動時には送風機53が駆動され、図7中に白抜き矢印に示すように冷却空気が流れる。すなわち、送風機53の駆動により、チャンバ54内の空気が開口部50から電子機器筐体31Aの外部に排出される。このとき、チャンバ54内が負圧になるので、上記3面の各通風ダクト構造の筐体壁46a,46b,46c内にはヒートシンク47に沿って図7中で左から右側に向けて流れる冷却空気の流れが生じる。このとき、3つのヒートシンク47内を流れる冷却用の外部空気は、ボード収容室33の内部には直接は流入せず、ボード収容室33の内部の電子回路モジュールのボード32には外気が当たらないようになっている。
また、本実施の形態の電子機器筐体31Aの駆動時に各ボード32の発熱体である電子機器からの熱は図7中に実線矢印で示すように各ボード32の基板自体を介して両側に熱伝達された後、ボード保持部材32aを経由してボード保持部材32aの両側部の筐体壁46a,46b側に熱伝導される。さらに、各ボード32の発熱体からの熱は同時に放熱シート48を介して上面カバー42の筐体壁46cに熱伝導される。このとき、ボード収容室33の周囲の3面の通風ダクト構造の筐体壁46a,46b,46cを流れる冷却空気との熱交換によって放熱される。また、ボード収容室33の内部に収納されたボード32からの熱は、端板36側のボード保持部材32aから多数の棒状フィン55を経てチャンバ54内にも放熱される。
(効果)
そこで、本実施の形態ではマザーボードの配設面である底板38以外の3面、本実施の形態では左側面側の面である左側面板40と、右側面側の面である右側面板41と、上面側の面である上面カバー42とに通風ダクト構造の筐体壁46a,46b,46cが配設されている。そして、電子機器筐体31Aのボード収容室33内に収納された各電子回路モジュールのボード32はそれぞれこれら3面の筐体壁46a,46b,46cに接触された状態で保持されている。そのため、電子機器筐体31Aのボード収容室33の周囲の冷却面がボード両端の2面に限定されている場合に比べて通風ダクト構造に利用できる筐体壁を多くすることができるので、第1の実施の形態と同様にボード収容室33内のボード32の放熱面が増加し、冷却能力が向上する。
さらに、本実施の形態ではシャーシ34の一方の端板36に送風機53が装着されているので、ファン51の回転方向を逆回転させることにより、通風ダクト構造の筐体壁46a,46b,46cの各ヒートシンク47内を流れる冷却空気の流れ方向を逆転させることができる。
[第2の実施の形態の変形例]
(構成)
図8は、第2の実施の形態の変形例を示す。本変形例の電子機器筐体31Bでは、ボード収容室33内のボード32の収納状態を変更したものである。すなわち、本変形例では
各電子回路モジュールのボード32はそれぞれ図8中で左側面板40および右側面板41と直行する方向に縦置き状態で配置され、横並び状態で並設されている。さらに、左側面板40側の筐体壁46aと、右側面板41側の筐体壁46bとにはそれぞれ各電子回路モジュールのボード32の移動をガイドするガイド溝を有するボード保持部材32aが設けられている。そして、本変形例の電子機器筐体31Bの駆動時に各ボード32の発熱体からの熱は図8中に実線矢印で示すように各ボード32の板面に沿って両側に熱伝達された後、ボード保持部材を経由して筐体壁46a,46b側に熱伝導するようなっている。さらに、各ボード32の発熱体からの熱は同時に放熱シート48を介して上面カバー42の筐体壁46cに熱伝導するようなっている。これにより、ボード収容室33の内部に収納されたボード32が直接、またはボード保持部材経由で、3面の筐体壁46a,46b,46cに接触し、外部への熱伝導経路が確保されている。これ以外の部分は第2の実施の形態と同様である。
(作用・効果)
本変形例の電子機器筐体31Bでも第2の実施の形態と同様にマザーボードの配設面である底板38以外の3面、本変形例では左側面板40と、右側面板41と、上面カバー42とに通風ダクト構造の筐体壁46a,46b,46cが配設されている。そして、電子機器筐体31Bのボード収容室33内に収納された各電子回路モジュールのボード32はそれぞれこれら3面の筐体壁46a,46b,46cに接触された状態で保持されている。そのため、電子機器筐体31Aのボード収容室33の周囲の冷却面がボード両端の2面に限定されている場合に比べて通風ダクト構造に利用できる筐体壁を多くすることができるので、第2の実施の形態と同様にボード収容室33内のボード32の放熱面が増加し、冷却能力が向上する。
[第3の実施の形態]
(構成)
図9乃至図11は、第3の実施の形態を示す。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図5参照)の電子機器筐体1の側面カバー14の取り付け部分の構成を次の通り変更した変形例である。図9は、本実施の形態の電子機器筐体1の側面カバー14の取り外し状態を示す斜視図、図10は側面カバー14の構造例を示す分解斜視図である。なお、図9乃至図11中で、図1乃至図5と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態の側面カバー14は、図10に示すように平板状のベース部材61と、ヒートシンク62と、ダクトカバー63とを有する。ダクトカバー63の上下の両端部にはほぼL字状に屈曲された取り付け部64が形成されている。取り付け部64およびベース部材61には対応する位置にねじ挿通用の穴65がそれぞれ形成されている。
そして、ベース部材61とダクトカバー63との間に形成される通風ダクト66内にヒートシンク62が挟まれる状態に組み付けられ、例えばロー付け等の手段で一体化されている。また、ベース部材61の一端部には端板6側のチャンバ22に連通する連通穴67が形成されている。
筐体本体1aには、ボード出し入れ用の開口部3aの周囲に側面カバー14の取付け用のねじ穴68が形成されている。さらに、側面カバー14のベース部材61の連通穴67と対応する部分には連通穴67とほぼ同じ大きさの連通穴69が形成されている。この連通穴69の周縁部には図11に示すように例えばOリングなどのシール部材70を取り付ける取り付け溝71が形成されている。そして、側面カバー14を筐体本体1aに取り付ける場合には固定ねじ72が側面カバー14のねじ挿通用の穴65を通して筐体本体1aのねじ穴68に螺着される。このとき、側面カバー14のベース部材61の連通穴67と、筐体本体1aの連通穴69との間が連通されるとともに、筐体本体1aの連通穴69の周縁では筐体本体1aと側面カバー14との間でシール部材70が圧接される。これにより、筐体本体1aの連通穴69の周囲がシール部材70によってシールされ、連通穴69の周囲からの冷却空気の漏れが防止されている。
(作用・効果)
本実施の形態の電子機器筐体1でも第1の実施の形態と同様の作用・効果が得られる。
これらの実施形態によれば、小型で冷却性能と圧力性能の優れた電子機器筺体を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
2、32…電子回路モジュールのボード、3、33…ボード収容室、4、34…シャーシ、5…マザーボード、3a…開口部、14…側面カバー(カバー部材)、16a,16b,16c、46a,46b,46c…筐体壁、17…通風ダクト、20…冷却風流入用開口部、21…冷却風流出用開口部。

Claims (5)

  1. 複数枚の電子回路モジュールのボードを並設状態で出し入れ可能に収納するボード収容室を有する箱状のシャーシの一面にマザーボードが配設され、
    前記シャーシの前記マザーボードの配設面と対向する面に前記ボードの収容室内への前記ボードの出し入れ用の開口部を開閉するカバー部材が配設される電子機器筐体であって、
    前記ボード収容室の周囲を囲む前記マザーボードの配設面以外の周壁面に前記ボードの出し入れ方向と直交する方向に冷却空気を通風して前記ボードを冷却する放熱用の通風ダクト構造となっている筐体壁を設け、
    前記ボード収容室の一方の端面に前記通風ダクト構造の筐体壁の通風ダクトに連通する第1の開口部、前記ボード収容室の他方の端面及び/または前記端面周縁の前記筐体壁外面に前記通風ダクト構造の筐体壁の通風ダクトに連通する第2の開口部がそれぞれ配設され
    前記第1の開口部と前記通風ダクト構造の筐体壁との間のチャンバは、前記ボードの収容室内から伝熱される熱を放熱する棒状のフィンが配設されていることを特徴とする電子機器筐体。
  2. 前記通風ダクト構造となっている筐体壁のうちの1面は、前記カバー部材によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器筐体。
  3. 前記通風ダクト構造は、冷却空気の流れ方向に沿って延設されたストレートフィンを内蔵していることを特徴とする請求項1に記載の電子機器筐体。
  4. 前記通風ダクトに流れる冷却空気は送風機によって供給されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器筐体。
  5. 前記通風ダクトに流れる冷却空気の流れは外部ダクトから供給されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器筐体。
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