JP5897073B2 - 永久磁石型回転電機及びそれを用いた電動パワーステアリング装置 - Google Patents

永久磁石型回転電機及びそれを用いた電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

この発明は、永久磁石を界磁に用いる永久磁石型回転電機及びそれを用いた電動パワーステアリング装置に関するものである。
近年、様々な用途に、例えば、産業用のサーボモータやエレベータ用巻き上げ機などで、コギングトルクの小さいモータが要求されている。車両用に着目すると、燃費向上、操舵性の向上のために、電動パワーステアリング装置が普及している。電動パワーステアリング装置に用いられるモータには、そのコギングトルクがギヤを介して運転者に伝わるので、滑らかな操舵感覚を得るためには、モータのコギングトルク低減に対する強い要求がある。これに対し、コギングトルクを低減する手法として、固定子の鉄心に補助溝を設ける手法がある。そのような手法は、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に開示されている。
特開2001−25182号公報 特開2006−230116号公報 国際公開第WO2009/084151号パンフレット
特許文献1の永久磁石型回転電機にあっては、補助溝がモータの軸方向全部に設けられているため、等価的なエアギャップ長が大きくなり、トルクが低下するという問題点があった。また、特許文献1、特許文献2及び特許文献3ともに極数とスロット数の最小公倍数の脈動数とその整数倍のコギングトルク低減には効果を奏するが、永久磁石の貼付位置誤差や形状誤差や磁気特性のばらつきといった回転子側のばらつきによって発生するコギングトルク成分(回転子1回転でスロット数に一致する回数脈動する成分)を十分抑制することはできないという課題があった。
この発明は、前記のような問題点を解決するためになされたものであり、コギングトルクを低減した永久磁石型回転電機及びそれを用いた電動パワーステアリング装置を得ることを目的としている。
この発明の永久磁石型回転電機は、永久磁石により構成された複数の磁極と回転子鉄心を有する回転子、電機子巻線と、前記電機子巻線を収めるスロットが設けられ、前記回転子と対向する複数のティースを有する固定子鉄心とを具備する固定子を備え、前記固定子鉄心の前記ティースの前記回転子に対向する部分に補助溝が設けられる永久磁石型回転電機において、前記回転子鉄心の回転軸方向の一部に、前記永久磁石を保持し磁性材で構成される突起部が設けられて、前記永久磁石と前記回転子鉄心を有する前記回転子の回転軸に垂直な断面における断面形状が回転軸方向で変化することによる、磁気回路設計が異なる領域が前記回転子の回転軸方向に2つ以上設けられ、前記補助溝は前記固定子鉄心の前記ティースの軸方向の一部の領域に設けられており、前記補助溝が設けられている領域は、前記突起部が設けられた領域と、前記突起部が設けられていない領域とに、対向する領域毎にそれぞれその一部の領域であり、かつ前記対向する領域毎にそれぞれその軸方向長さの半分の領域である。
また、この発明の永久磁石型回転電機は、永久磁石により構成された複数の磁極と回転子鉄心を有する回転子、電機子巻線と、前記電機子巻線を収めるスロットが設けられ、前記回転子と対向する複数のティースを有する固定子鉄心とを具備する固定子を備え、前記固定子鉄心の前記ティースの前記回転子に対向する部分に補助溝が設けられる永久磁石型回転電機において、前記回転子には、前記回転子鉄心に設けられた回転軸方向の複数の孔部に前記永久磁石を埋め込んで複数の磁極が構成され、前記回転子鉄心には、その表面部で隣合う前記磁極間に前記磁極に沿って、軸方向の一部に凹部溝が形成されて、前記永久磁石と前記回転子鉄心を有する前記回転子の回転軸に垂直な断面における断面形状が回転軸方向で変化することによる、磁気回路設計が異なる領域が前記回転子の回転軸方向に2つ以上設けられ、前記補助溝は前記固定子鉄心の前記ティースの軸方向の一部の領域に設けられており、前記補助溝が設けられている領域は、前記凹部溝が設けられた領域と、前記凹部溝が設けられていない領域とに、対向する領域毎にそれぞれその一部の領域である。
この発明に係る永久磁石型回転電機は、永久磁石の貼付位置誤差,形状誤差又は磁気特性のばらつきといった回転子側のばらつきによって発生するコギングトルク(回転子1回転あたりの脈動数がスロット数に一致する成分)を低減できる。
この発明の前記以外の目的、特徴、観点及び効果は、図面を参照する以下のこの発明の詳細な説明から、さらに明らかになるであろう。
この発明の実施の形態1における永久磁石型回転電機を模式的に示す断面図である。 図1のA1−A2断面図である。 図1のB1−B2断面図である。 図1のC1−C2断面図である。 図1のD1−D2断面図である。 実施の形態1における固定子鉄心を示す部分斜視図である。 実施の形態1における回転子を示す斜視図である。 実施の形態1における別の固定子鉄心を示す部分斜視図である。
実施の形態1における別の回転子を示す斜視図である。 図6の固定子鉄心、図7の回転子を具備する永久磁石型回転電機を模式的に示す部分断面図である。 固定子鉄心、図7の回転子を具備する永久磁石型回転電機を模式的に示す部分断面図である。 図8の固定子鉄心、図9の回転子を具備する永久磁石型回転電機を模式的に示す部分断面図である。 固定子鉄心、図9の回転子を具備する永久磁石型回転電機を模式的に示す部分断面図である。 永久磁石の貼付位置が理想的な等間隔の位置からずれている場合の回転子を示す断面図である。 回転角度30度(機械角)分のコギングトルクの波形を示す説明図である。 回転角度30度(機械角)分のコギングトルクの波形を示す説明図である。
発明と従来例(補助溝なし)のコギングトルク波形を比較する説明図である。 図17のコギングトルク波形の周波数分析結果の説明図である。 従来例のコギングトルクのヒストグラムを示す説明図である。 発明のコギングトルクのヒストグラムを示す説明図である。 補助溝とスロット開口部の寸法を示す説明図である。 補助溝の幅とコギングトルクの関係を示す説明図である。 実施の形態2における永久磁石型回転電機を示す断面図である。 実施の形態2における永久磁石型回転電機の他の例を示す断面図である。
実施の形態2における永久磁石型回転電機のさらに他の例を示す断面図である。 実施の形態3における回転子を示す斜視図である。 実施の形態3における固定子鉄心を示す部分斜視図である。 実施の形態3における固定子鉄心の他の例を示す部分斜視図である。 実施の形態3における回転子を示す断面図である。 実施の形態4における回転子を示す斜視図である。 実施の形態4における固定子鉄心を示す部分斜視図である。 実施の形態4における回転子の別の例を示す斜視図である。 実施の形態5における電動パワーステアリング装置を示す斜視図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の永久磁石型回転電機について、回転軸に平行かつ回転軸を通る平面上の模式的な断面図を示す。回転子鉄心2の表面に永久磁石1が備え付けられている。永久磁石1の周方向端部付近に突起部8が設けられ、突起部8は永久磁石1を挟み込むような配置となっている。突起部8が隣合う永久磁石1の間に配置される場合、回転軸(シャフト)10に平行かつ回転軸10を通る平面上の断面図には、突起部8と永久磁石1が同時に描かれることはないが、図1は理解を助けるために同時に描いている。
回転子鉄心2に回転軸10が圧入されており、軸受11a,11bによって、回転子30が回転自在となる構成となっている。回転子30には回転角度を検出する回転角度センサ14が設けられている。回転角度センサ14は、例えば、レゾルバ、ホールセンサとマグネット又はエンコーダで構成される。固定子鉄心3は永久磁石1に対向するように設けられ、固定子鉄心3は、例えば電磁鋼板を積層して構成されたり、圧粉鉄心によって構成されていてもよい。固定子鉄心3には、電機子巻線4が巻き回されている。固定子40はフレーム13に圧入や焼きばめなどによって固定され、さらにフレーム13はハウジング12に固定されている。
固定子鉄心3の永久磁石1に対向する部分に補助溝5が設けられている。さらにこの補助溝5は回転軸方向の一部分に設けられている。図1の例では補助溝5は軸方向に3ヶ所に配置されている。詳細は後で説明するが、補助溝5が設けられている軸方向の位置関係は突起部8に応じて設定されている。
図1の回転軸10に垂直な平面における断面図を図2,3,4,5に示す。図2,3,4,5は、それぞれ図1のA1−A2,B1−B2,C1−C2,D1−D2断面である。これらの断面図において、永久磁石1は回転子鉄心2の表面に貼付られていて、この例では極数(磁極数)は10となっている。さらに、永久磁石1の断面形状はかまぼこ形となっており、磁束の高調波成分を低減し、誘起電圧を正弦波状にすることでトルク脈動を低減している。回転子鉄心2にはその回転鉄心2の一部によって同材質の突起部8が設けられていて、永久磁石1が周方向に滑らないように固定し、保持する役割を果たしている。
一方、固定子40の固定子鉄心3には電機子巻線4を巻き回すためのスロット6が設けられている。図2の例では電機子巻線4は固定子鉄心3の径方向に伸びたティース7に集中的に巻き回されていて、スロット数は12である。12個あるティース全てに電機子巻線が巻き回されている。さらに、永久磁石型回転電機の相数は3であり、それらをU相,V相,W相とすると、巻線の配置は図2に示すようにU1+,U1−,V1−,V1+,W1+,W1−,U2−,U2+,V2+,V2−,W2−,W2+のように配置されている。ここで+と−は巻き方向を示していて、+と−では巻き方向は互いに逆方向であることを示している。さらにU1+とU1−は直列接続され、U2−とU2+も直列接続されている。これらの2つの直列回路は並列接続されていてもよいし、直列接続されていてもよい。V相,W相も同様である。さらに、三相はY結線でもデルタ結線でもよい。
図2は図1のA1−A2断面であり、その断面において、固定子鉄心3に補助溝は設けれられておらず、回転子鉄心2には突起部8が設けられている。図3は図1のB1−B2断面であり、その断面において、固定子鉄心3に補助溝5が設けられており、回転子鉄心2には突起部8が設けられている。図4は図1のC1−C2断面であり、その断面において、固定子鉄心3に補助溝5が設けられておらず、回転子鉄心2には突起部8が設けられていない。図5は図1のD1−D2断面であり、その断面において、固定子鉄心3に補助溝5が設けられており、回転子鉄心2には突起部8が設けられていない。
図6は、図1の永久磁石型回転電機の固定子鉄心を示す部分斜視図である。図6はこの発明の理解を助けるために、12個あるうちの半分の6個のティースしか示していない。固定子鉄心3には径方向に延在し、永久磁石と対向するティース7があり、ティース7の先端の回転子に対向する面に補助溝5が設けられている。補助溝5は軸方向に3ヶ所に配置されていて、軸方向中央付近にある補助溝5は他の2つの補助溝5と比べて軸方向長さが長くなっている。
図7は、図1の永久磁石型回転電機の回転子を示す斜視図である。簡単のため回転軸10が回転子鉄心2の端面からはみ出している部分は省略している。また、永久磁石1の保護カバーは省略している。永久磁石1は回転子鉄心2の表面に設けられていて、隣合う永久磁石1の間に突起部8が設けられている。さらに突起部8は軸方向の両端部に設けられている。突起部8が磁性材で構成される場合には、回転軸10に垂直は平面の断面における磁気回路の構成が突起部8のある部分の断面と突起部8のない部分の断面で異なっていることになる。
突起部8があると、永久磁石1が周方向にずれることを防ぐ効果や、永久磁石1の位置決めがしやすいという効果があるが、軸方向で突起部8の有無が変化したり、突起部8の大きさが軸方向で変化する場合には、軸方向に磁気回路が均一でないことからコギングトルクが増加してしまうという課題がある。特に、永久磁石1の貼付位置,形状又は特性のばらつきに起因するコギングトルクが大きくなることがある。この発明では、このように少なくとも2種類の磁気回路の構成を有する回転子30を具備する永久磁石型回転電機において、コギングトルクを効果的に低減できる補助溝5の配置を提供することを目的としている。
以下に、コギングトルク低減を目的とした補助溝5の配置について詳しく述べる。図10は図1の永久磁石型回転電機、すなわち図6の固定子鉄心、図7の回転子を具備する永久磁石型回転電機の断面図であり、回転軸を通る平面での断面図を模式的に示す。図10においては、回転子30側の磁気回路の構成を区別するために記号A,Bを用いている。突起部8がある領域はA、突起部がない領域はBで表す。この例では、軸方向の両端部に突起部8が設けられているので、図10において、紙面に向って上から領域A,領域B,領域Aの順に並んでいる。さらに、それらの領域の軸方向の長さをLr1,Lr2,Lr3で図示している。一方、固定子40側は補助溝5のない領域をX、補助溝5のある領域をYで示している。図10では紙面に向って上からX,Y,X,Y,X,Y,Xの順に配置されている。さらに、それらの領域の軸方向の長さをLs1,Ls2,Ls3,Ls4,Ls5,Ls6,Ls7で図示している。
図10の破線は、軸に垂直な平面を示す線であり、図11、図12、図13について同じである。図10の破線により、突起部8の軸方向の端面と補助溝5の軸方向の端面の位置が同じあることを示している。例えば、紙面に向って上側の突起部8の下側の端面が、紙面に向って上側の補助溝5の下側の端面と一致していることを示している。なお、図10、図11、図12、図13について、破線の位置において、回転子側の軸方向位置に対応する固定子側の軸方向の同じ位置を示している。図10では、Lr1=Ls1+Ls2なる関係式が成り立つ。同様に、Lr2=Ls3+Ls4+Ls5とLr3=Ls6+Ls7なる関係式が成り立つ。
次に、補助溝5を図10のような配置にすると、コギングトルクが大幅に低減できるメカニズムについて説明する。図2〜5と図7の回転子における10個の永久磁石1は、その貼付位置は等間隔であり、断面形状も10個とも同一な例を示している。しかしながら、実際には製造ばらつきが発生する。例えば、精度よく貼り付けても永久磁石1の貼付位置は等間隔にならず、周方向に数μm〜100μm程度ずれることがある。一方、断面形状も理想的な左右対称な形状とならず、左右のいずれかの厚みが増し、もう一方の厚みが小さくなる場合が想定される。その一例を示したのが図14である。
図14においては、永久磁石の貼付位置が理想的な等間隔の位置から矢印で示す方向にずれていることを示している。さらに断面形状も左右対称とはならず矢印の方向にかまぼこ形の頂点の部分が移動して、左右対称とならないことを示している。このように、回転子にばらつきが発生するとコギングトルクが増大し、回転子1回転あたりスロット数と同じ回数だけ脈動する成分が現れる。実施の形態1の例ではスロット数が12であるので、回転子の1回転で12回すなわち機械角で360度/12=30度周期のコギングトルクが現れる。
図15,16は回転角度30度(機械角)分のコギングトルクの波形を示した図である。図15のA−Xで示した波形は、永久磁石型回転電機の固定子40と回転子30が一様に「突起部ありかつ 補助溝なし」の場合、永久磁石1のばらつきが図14の状態となったときのコギングトルク波形を示している。一方、A−Yで示した波形は固定子40と回転子30が一様に「突起部ありかつ 補助溝あり」の場合、永久磁石1のばらつきが図14の状態となったときのコギングトルク波形を示している。これらの波形は、機械角30度周期の成分が大きくみられ、コギングトルクが大きいことを示している。
さらに、図15の凡例「発明」で示した波形は「突起部あり かつ 補助溝なし」と「突起部あり かつ 補助溝あり」を同時に設けた場合に、永久磁石1のばらつきが図14の状態となったときのコギングトルクの波形であり、2つの波形の平均的な波形となっている。この波形は、機械角30度周期の成分が非常に小さくなっており、コギングトルクが大幅に低減できている。これは補助溝5を設けることによって、機械角30度周期の成分の位相を反転させて、補助溝5のない部分のコギングトルクと相殺することでコギングトルクを大幅に低減している。
図16は同様にB−Xで示した波形が「突起部なし かつ 補助溝なし」、B−Yで示した波形が「突起部なし かつ 補助溝あり」の場合、永久磁石1のばらつきが図14の状態となったときのコギングトルク波形を示している。一方、発明の波形が「突起部なしかつ 補助溝なし」と「突起部なしかつ 補助溝あり」を同時に設けた場合に、永久磁石1のばらつきが図14の状態となったときのコギングトルクの波形であり、2つの波形の平均的な波形となっている。この場合も機械角30度周期の成分が非常に小さくなっており、コギングトルクが大幅に低減できていることが分かる。
さらに、図15のA−Xの波形と図16のB−Xの波形は異なっていること、及び、図15のA−Yの波形と図16のB−Yの波形は異なっていることに注意する必要がある。これは、A−Xの波形とB−Yの波形ではコギングトルクを十分キャンセルできないこと、B−Xの波形とA−Yの波形でもコギングトルクを十分キャンセルできないことを示している。したがって、機械角30度周期の成分を十分低減するには、補助溝5の配置は突起部8の配置、すなわち回転子30側の磁気回路設計を考慮する必要がある。そこで、図10のような補助溝の配置にしておくと、軸方向長さLr1の領域とLr3の領域において、A−Xの波形とA−Yの波形が相殺でき、また軸方向長さLr2の領域ではB−Xの波形とB−Yの波形が相殺できるため、コギングトルクを大幅に低減することができる。補助溝5を設ける軸方向長さは固定子鉄心の軸方向長さの約1/2(例えば1/2±10%)に、さらに望ましくは1/2(例えば1/2±5%)にするのがよい。
さらには、図10において
Ls1=Ls2=Lr1/2
Ls4=Ls3+Ls5=Lr2/2
Ls6=Ls7=Lr3/2
とすれば、A−Xの領域とA−Yの領域の軸方向長さが等しくなり、さらにB−Xの領域とB−Yの領域の軸方向長さが等しくなるため、コギングトルク低減効果をより発揮できる構成となる。
図10の構成と、従来例として補助溝5を設けない場合のコギングトルク波形を比較して示したのが図17である。従来例のコギングトルクの最大値を100%として規格化している。破線が従来例のコギングトルク波形であり、回転子の1回転で12回脈動する成分が顕著に見られる。一方、実線の発明が図10の構成のコギングトルク波形であり、大幅に低減できていることが確認できる。図18は図17のコギングトルク波形の周波数分析結果である。発明では回転子30側のばらつきに起因するコギングトルク12次成分が従来例に比べて大幅に低減できている。
前記は、ばらつきのパターンが図14に示した場合であったが、発明の効果を実証するため10個の永久磁石にそれぞれランダムなばらつきが発生するとして、合計10000台の回転電機のコギングトルクの12次成分(脈動数がスロット数と一致する成分)についてヒストグラムを作成した。その結果が図19,図20である。図19には従来例のヒストグラム、図20には図10の構成(発明)のヒストグラムである。縦軸は度数、横軸はコギングトルクの大きさで、図17の縦軸と同じく%値で示す。回転子30側のばらつき条件は同じとして比較している。図19ではコギングトルクは広く分布しており、ばらつきのパターンによってはコギングトルクが大きくなってしまうという課題があった。
しかしながら、発明の構成になると、回転子30の永久磁石1のばらつきのパターンにかかわらずコギングトルクは小さいことがわかる。すなわち、回転子30側の製造ばらつきに対して、ロバスト(Robust)性の高い永久磁石型回転電機を得ることができたことになる。従来の補助溝の構成では回転子の1回転あたりの脈動数が極数とスロット数の最小公倍数に一致する成分について低減効果を狙ったものであり、回転子30側のばらつきによって発生する成分(脈動数がスロット数と一致する成分)に対しては低減効果を十分得ることはできない。
図11の構成でも図10と同様の効果が得られる。図11は回転子鉄心2の突起部8の配置は図10と同じであるが、固定子鉄心3の補助溝5の配置が異なった例である。図10のLs4の領域にあった補助溝5をLs3,Ls5の領域に設け、補助溝5を軸方向2箇所に配置した例となっている。このような補助溝5の配置でも図10の例で説明したメカニズムによりコギングトルク低減効果が得られる。また、図10と同様に補助溝5を設ける軸方向長さは、固定子鉄心の軸方向長さの約1/2(例えば1/2±10%)に、さらに望ましくは1/2(例えば1/2±5%)にするのがよい。
さらには、図11において
Ls1=Ls2=Lr1/2
Ls4=Ls3+Ls5=Lr2/2
Ls6=Ls7=Lr3/2
とすれば、A−Xの領域とA−Yの領域の軸方向長さが等しくなり、さらにB−Xの領域とB−Yの領域の軸方向長さが等しくなるため、コギングトルク低減効果をより発揮できる構成となることは言うまでもない。
図6,7,10,11では突起部8が軸方向の両端部に配置された例について述べたが、この発明の適用範囲はこの限りではない。図8,9に別の例を示す。図8は実施の形態1の永久磁石型回転電機の別の固定子鉄心を示す部分斜視図である。図8は理解を助けるために、12個あるうちの半分の6個のティースを示している。図9は、実施の形態1の永久磁石型回転電機の別の回転子を示す斜視図である。簡単のため回転軸10が回転子鉄心2の端面からはみ出している部分は省略している。また、永久磁石1の保護カバーは省略している。永久磁石1は回転子鉄心2の表面に設けられている。隣合う永久磁石1の間に回転子鉄心2の一部で同材質の突起部8が設けられて、永久磁石1を固定し保持している。さらに、突起部8は軸方向両端部から所定の距離だけ離れた位置に設けられている。
この例に対応する断面図が図12と図13である。図12と図13は回転子鉄心の突起部8が軸方向に2箇所設けられ、その軸方向の位置は端部から、Lr1,Lr5だけ離れている。このような回転子の構成に対して、固定子鉄心3の補助溝5を軸方向に3ヶ所配置した例が図12であり、2ヵ所に配置した例が図13である。図12のような補助溝5の配置にしておくと、軸方向長さLr2の領域とLr4の領域においてA−Xの波形とA−Yの波形が相殺でき、また軸方向長さLr1,Lr3,Lr5の領域ではB−Xの波形とB−Yの波形が相殺できるため、コギングトルクを大幅に低減することができる。補助溝5を設ける軸方向長さは固定子鉄心の軸方向長さの約1/2(例えば1/2±10%)に、さらに望ましくは1/2(例えば1/2±5%)にするのがよい。
さらには、図12において
Ls1=Ls2=Lr1/2
Ls3=Ls4=Lr2/2
Ls5+Ls7=Ls6=Lr3/2
Ls8=Ls9=Lr4/2
Ls10=Ls11=Lr5/2
とすれば、A−Xの領域とA−Yの領域の軸方向長さが等しくなり、さらにB−Xの領域とB−Yの領域の軸方向長さが等しくなるため、コギングトルク低減効果をより発揮できる構成となる。
一方、図13のような補助溝5の配置にしておくと、軸方向長さLr2の領域とLr4の領域において、A−Xの波形とA−Yの波形が相殺でき、また軸方向長さLr1,Lr3,Lr5の領域ではB−Xの波形とB−Yの波形が相殺できるため、コギングトルクを大幅に低減することができる。補助溝5を設ける軸方向長さは固定子鉄心の軸方向長さの約1/2(例えば1/2±10%)に、さらに望ましくは1/2(例えば1/2±5%)にするのがよい。
さらには、図13において
Ls1=Lr1
Ls2=Ls3=Lr2/2
Ls7=Ls8=Lr4/2
Ls4+Ls6=Ls1+Ls5+Ls9=(Lr1+Lr3+Lr5)/2
Ls9=Lr5
とすれば、A−Xの領域とA−Yの領域の軸方向長さが等しくなり、さらにB−Xの領域とB−Yの領域の軸方向長さが等しくなるため、コギングトルク低減効果をより発揮できる構成となる。
今回示した例では、回転子鉄心の突起部の有無が軸方向で変化する例であったが、この発明が適用できるのはこの限りではない。隣合う永久磁石間に突起部ではなく凹部がある場合や、永久磁石の断面形状が変化する場合等、回転子の磁気回路設計が異なる領域を軸方向に2種類以上有する場合には、同様の手法で補助溝を設けることにより、コギングトルクを大幅に低減できる。
以上より、回転子において、回転子鉄心の回転軸に垂直な断面における断面形状と永久磁石の回転軸に垂直な断面における断面形状のうち少なくとも一方が回転軸方向で変化することによって、磁気回路設計が異なる領域を軸方向に2つ以上有し、補助溝は固定子鉄心の軸方向の一部の領域に設けられており、さらに、補助溝が設けられている領域は、回転子の磁気回路設計が同じ領域に対向する領域毎にそれぞれその一部の領域であるように構成すれば、永久磁石の貼付位置誤差,形状誤差又は磁気特性のばらつきといった回転子側のばらつきによって発生するコギングトルク(回転子の1回転での脈動数がスロット数に一致する成分)を大幅に低減できる。なお、上述の、回転子の磁気回路設計が同じ領域に対向する領域とは、軸に垂直な平面で回転子側と固定子側とを区切ったときの回転子の磁気回路設計が同じ領域に対応する固定子側領域を表している。
さらに補助溝が設けられている領域は、回転子の磁気回路設計が同じ領域に対向する領域毎にそれぞれその軸方向長さの半分となるような構成にすれば、補助溝のある領域で発生するコギングトルクと補助溝の設けられていない領域で発生するコギングトルクが相殺される効果が十分発揮されるため、永久磁石の貼付位置誤差,形状誤差又は磁気特性のばらつきといった回転子側のばらつきによって発生するコギングトルク(回転子の1回転での脈動数がスロット数に一致する成分)をより効果的に低減できる。
回転子鉄心の軸方向の一部に突起部が設けられている領域がある構成にすると、突起部があることで、永久磁石の位置決めができるため、貼付位置の精度が向上するという効果がある。それと同時に、補助溝を設ける構成とすることで突起部に起因する磁気回路設計の違いによるコギングトルク増加を防ぎ、回転子側のばらつきによって発生するコギングトルク(回転子1回転での脈動数がスロット数に一致する成分)をより効果的に低減できる。また、図6,8のように、軸方向端部に補助溝が設けない構造とすることで、軸方向端部に補助溝が設けられている場合と比較して、軸方向端部において回転子とのギャップが大きい部分を減少させることになる。これにより固定子と回転子の間のギャップ部分への異物侵入を防止する効果が大きくなる。
次に、補助溝の形状について述べる。図21は補助溝の幅Wdと補助溝の深さHdとスロット開口幅Wsとティース先端部の厚みHsについて説明した図である。この発明の構造では、補助溝を設けた部分と補助溝を設けない部分で、コギングトルクの脈動数がスロット数と一致する成分の位相を反転させてキャンセル効果を得るものであるから、補助溝の形状の選定がその効果の大きさに影響を及ぼす。補助溝の幅Wdとスロット開口幅Wsの比を横軸に、回転子にばらつきが生じたときのコギングトルクのオーバオール(over all)値を縦軸にとったグラフが図22である。
Wd/Ws=0すなわち補助溝を設けない場合に対して、Wd/Ws≧1.0とすると、コギングトルクが補助溝を設けない場合の1/2以下となっている。さらにWd/Ws≧1.25とするとコギングトルクが0.001Nmと非常に小さい値となる。回転子のばらつきによるコギングトルクがこの程度まで抑制されていると、例えば後述する電動パワーステアリング装置に回転電機が組み込まれた場合に、運転者がコギングトルクを感じることがなく良好な操舵フィーリングを得ることができるという効果が得られる。
Wd/Ws≧1.0とすると、固定子鉄心のスロットによるパーミアンスの脈動成分を変化させコギングトルクの脈動数がスロット数と一致する成分の位相を反転させることができるため、補助溝のない部分でのコギングトルクと互いにキャンセルすることができる。補助溝を1つ設ける場合にはWd/Ws≧1.0とすればよく、2個以上設ける場合には該ティースに設けられた全ての補助溝の幅の合計をWdと定義してWd/Ws≧1.0となるようにすれば同様の効果が得られる。
さらに、補助溝の深さHdはティース先端部の厚みHsよりも大きいことが望ましい。これも固定子鉄心のスロットによるパーミアンスの脈動成分を変化させ、脈動数がスロット数と一致するコギングトルクの成分の位相を反転させることができる。上述した補助溝のない部分でのコギングトルクとのキャンセル効果を十分に発揮することができる。
特許文献1,特許文献2,特許文献3では補助溝は各ティースに周方向に2個又は2個以上設けた例が記載されているが、実施の形態1では補助溝は各ティースの周方向中央部に1個としている。回転子側のばらつきによって発生するコギングトルクS次成分(Sはスロット数)は、固定子のスロットによるパーミアンスの脈動のS次成分が大きく関与しているが、補助溝を1個設けることでそのパーミアンスの脈動のS次成分の振幅や位相を変化させるのが容易であるという効果がある。補助溝は少ない方が、平均的なギャップ長が小さくなるため、補助溝を周方向中央部に1個とし、さらに軸方向の一部にしか設けないということで負荷時のトルクの低下を最小限度に抑えることができる。
実施の形態1では補助溝は鉄心を四角形状に切り抜いた形状としているが、これに限らない。例えば円弧状に鉄心を切り抜いた形状や、三角形に切り抜いた形状などでも同様の効果が得られることは言うまでもない。また、実施の形態1で示した10極12スロットの永久磁石型回転電機は、従来から広く用いられている極数:スロット数=2:3のものよりも基本波の巻線係数が大きいため、小型高出力の用途に適している。また、極数とスロット数の最小公倍数は同じスロット数のもので比べると、10極12スロットは60、8極12スロットは24となり、10極12スロットの方が最小公倍数の次数のコギングトルクが小さい。しかしながら、回転子側のばらつきに起因するコギングトルクが8極12スロットより大きく、製造ばらつきに対するロバスト性が低いという課題があった。しかしながら、実施の形態1によりその課題が解決できるので、小型高出力と製造ばらつきに起因するコギングトルク低減を両立した永久磁石型回転電機を得ることができる。
回転子鉄心に突起部を設けた例を示した。突起部があると永久磁石の位置決めや周方向にずれるのを防ぐ効果がある一方、磁気回路設計が異なることが原因でコギングトルクS次成分(Sはスロット数)が大きくなる課題があったが、実施の形態1によりこれを解決でき、永久磁石の位置決めや周方向にずれるのを防ぐ効果とコギングトルクS次成分の低減を両立できる。
実施の形態2.
実施の形態1では、極数(磁極数)10、スロット数12の例について述べたが、この発明はそれに限らない。永久磁石型回転電機の極数をP、スロット数をSとすると、
0.75<S/P<1.5
なる関係がある組み合わせの場合、特許文献1,特許文献2,特許文献3で述べられているS/P=0.75,S/P=1.5の場合に比べて、巻線係数が高く永久磁石の磁束を効率的に利用し小型で高トルクの永久磁石型回転電機が得られることが知られている。
さらに、極数とスロット数の最小公倍数が大きいため、回転子1回転で極数とスロット数の最小公倍数と一致する回数だけ脈動するコギングトルク成分が、S/P=0.75,S/P=1.5の場合に比べて小さいことも知られている。一方で、永久磁石の貼付位置誤差,形状誤差又は磁気特性のばらつきといった回転子側のばらつきによって発生するコギングトルクS次成分(回転子1回転でS回脈動する成分)が大きく、回転子側のばらつきに対してロバスト性が低いことが課題である。したがって、電動パワーステアリング装置に搭載される場合のように大量生産される永久磁石型回転電機においては、この課題を解決する必要があった。
そこでこの発明を
0.75<S/P<1.5
なる関係がある組み合わせの永久磁石型回転電機に適用すると、回転子側のばらつきに対してロバスト性が高く、コギングトルクS次成分を小さくすることができる。
0.75<S/P<1.5
を満たす永久磁石型回転電機のうち、図23にはP=14,S=12の例、図24にはP=8,S=9の例、図25にはP=10,S=9を示した。
それぞれ各ティースに補助溝5を1個設けてある。図23,24,25は断面図であるが、補助溝5の設けた部分の断面図であり、実施の形態1と同様に軸方向の位置によっては補助溝5の設けていない部分があるが、その図は省略している。このような構成にすると、巻線係数が高いので、小型で高トルクとなる効果と回転子側のばらつきに対して、ロバスト性の高くなる効果の両立が実現できる。
また、これらの極数とスロット数の整数倍の組み合わせでも同じ効果が得られるので、極数P=10,スロット数S=12も含めて一般化すると、
nを自然数とし、
極数P=12n±2n,スロット数S=12n
極数P=9n±n,スロット数S=9n
であれば同じ効果が得られる。
実施の形態3.
これまでの実施の形態では永久磁石が回転子鉄心の表面に設けられた表面磁石型の例であったが、この発明はこれに限らず適用できる。図26には永久磁石1が回転子鉄心2内部に設けられた回転軸方向の複数の孔部9(図29)に埋め込まれた磁石埋め込み型構造である。回転子鉄心2に回転軸10が挿入されている。回転子鉄心2には平板状の永久磁石1が埋め込まれ複数の磁極が構成となっている。さらに回転子鉄心2には表面部で隣合う磁極間に磁極に沿って、軸方向の一部に凹部溝2aが設けられている。凹部溝2aがある部分の断面図を図29に示す。回転子鉄心2の孔部9に永久磁石1が埋め込まれ、永久磁石1の左右には非磁性の空隙部9aが設けられている。さらに、隣合う永久磁石1間に設けられた回転子鉄心2の磁路部分には磁極間の鉄心部2bが設けられている。
回転子鉄心2の回転軸10に垂直な断面での断面形状は、図26から分かるように軸方向で変化している。Aで示した領域では凹部溝2aが設けられており、Bで示した領域では凹部溝がない形状となっている。軸方向にABABの順に断面形状が変化しており、磁気回路設計の異なる領域が並べられている。さらに、それら領域の軸方向長さはLr1,Lr2,Lr3,Lr4となっている。このように軸方向で磁気回路設計の異なる構造とすることにより、キャンセル効果を利用して電気角6次のトルクリップルや極数とスロット数の最小公倍数に一致する次数のコギングトルクを低減することができる。図26では領域Aでのコギングトルクやトルクリップルと領域Bでのコギングトルクやトルクリップルをキャンセルさせることができる。
しかしながら、永久磁石の位置誤差,形状誤差又は磁気特性のばらつきといった回転子側のばらつきに起因するコギングトルクは逆に大きくなってしまう場合がある。しかし、以下に述べる固定子鉄心構造とすることにより、この課題が解決できる。
図27,図28は理解を助けるため固定子鉄心の1ティース分だけ示した部分斜視図である。実施の形態1では図10〜14のように断面図で説明したが、ここでは、斜視図を用いて説明する。実施の形態3の永久磁石型回転電機は、図26の回転子の外側に取り囲むように、図27の固定子鉄心3が12個周方向に並んで配置されている10極12スロットの構成例である。また、回転子30と固定子鉄心3の位置関係は軸方向端部が互いにほぼ一致あるいは一致している位置関係となっている。
図27の固定子鉄心3では、回転子鉄心2の凹部溝2aの設けられている領域Aに対向する領域においては、固定子鉄心3は補助溝5のない領域Xと補助溝5のある領域Yの2種類の領域から構成されている。凹部溝2aのない領域Bに対向する領域にも補助溝5のない領域Xと補助溝5のある領域Yの2種類の領域から構成されている。このような構成であれば実施の形態1で説明したように、相殺する効果を利用してコギングトルクを大幅に低減することが可能となる。補助溝5を設ける軸方向長さは固定子鉄心の軸方向長さの約1/2(例えば、1/2±10%)に、さらに望ましくは1/2(例えば、1/2±5%)にするのがよい。
さらには、図26,27において、
Ls1=Ls2=Lr1/2
Ls3=Ls4=Lr2/2
Ls5=Ls6=Ls3/2
Ls7=Ls8=Lr4/2
とすれば、実施の形態1で述べたようにA−Xの領域とA−Yの領域の軸方向長さが等しくなり、さらにB−Xの領域とB−Yの領域の軸方向長さが等しくなるため、コギングトルク低減効果をより発揮できる構成となる。
図28の固定子鉄心3でも、凹部溝2aの設けられている領域Aに対向する領域においては、固定子鉄心3は補助溝5のない領域Xと補助溝5のある領域Yの2種類の領域から構成され、凹部溝2aのない領域Bに対向する領域も補助溝5のない領域Xと補助溝5のある領域Yの2種類の領域から構成されている。補助溝5を設ける軸方向長さは固定子鉄心3の軸方向長さの約1/2(例えば、1/2±10%)に、さらに望ましくは1/2(例えば、1/2±5%)にするのがよい。
さらに、図26,28において、
Ls1=Ls2/2=Lr1/2
Ls2/2=Ls3/2=Lr2/2
Ls3/2=Ls4/2=Lr3/2
Ls4/2=Ls5=Lr4/2
とすればA−Xの領域とA−Yの領域の軸方向長さが等しくなり、さらにB−Xの領域とB−Yの領域の軸方向長さが等しくなるため、コギングトルク低減効果をより発揮できる構成となる。
このような構成にすると回転子鉄心に設けられた孔部において、永久磁石の位置がずれたり、特性がばらついてもコギングトルクが大幅に増加しない。すなわち、回転子側のばらつきに対して、ロバスト性が高く、コギングトルクS次成分を小さくすることができる(Sは固定子鉄心のスロット数)。さらに、回転子鉄心の孔部9の形状が、永久磁石の左右方向に大きく設計されていて、永久磁石を挿入したときに永久磁石の左右に空隙部9aができる場合には、隣合う永久磁石間に設けられた回転子鉄心の磁路部分すなわち磁極間の鉄心部2bを細くできるため、漏れ磁束が小さくでき、小型高トルクの回転電機を得ることができる。
しかしながら、永久磁石の左右に空隙部あるために永久磁石の位置ずれが生じ、コギングトルクのS次成分が増大するという課題があった。しかしながら、この発明の固定子鉄心を設けた構成にすれば、回転子側のばらつきに対してロバスト性が高く、コギングトルクS次成分を小さくすることができるという効果を奏する。さらには、軸方向で磁気回路設計の異なる構造とすることによって、電気角6次のトルクリップルや極数とスロット数の最小公倍数に一致する次数のコギングトルクを低減できる。
実施の形態4.
実施の形態1〜3では、回転子鉄心の回転軸に垂直な断面における断面形状と永久磁石の回転軸に垂直な断面における断面形状のうち少なくとも一方が回転軸方向で変化することによって、磁気回路設計が異なる領域を回転軸方向に2つ以上有する構成の永久磁石型回転電機について述べたが、ここでは別の構成例を述べる。図30は、回転子鉄心2の表面部に永久磁石1を設け、極数が10の回転子の斜視図である。永久磁石1は軸方向に2つ並べられ、さらに階段状のスキューを設けている。
このように、永久磁石1が軸方向に2つ以上並べられて構成される回転子30においては、図14で示した永久磁石の形状のばらつきや、貼付位置等が軸方向に並べた2つ以上の永久磁石1の間で大きく変化する場合がある。 この場合、固定子鉄心の補助溝を適切に設けないと相殺する効果が得られず、コギングトルクが増大してしまうという課題がある。そこでこの発明では、以下の構成によりその課題を解決した。
図30に示すように、回転軸方向の領域を回転軸方向に2つ並べられた永久磁石1と対応させて、M1,M2としている。さらにそれら領域の軸方向長さをLr1,Lr2とした。一方、図31は固定子鉄心の12個あるうちの、1ティース分のみ示した部分斜視図である。補助溝5を設けていない領域をX、補助溝5を設けた領域をYとし、XYXYの順に配置した。それぞれの軸方向の長さはLs1,Ls2,Ls3,Ls4となっている。
永久磁石の形状のばらつきや、貼付位置等のばらつきの状態がM1とM2で異なっているとコギングトルクが増大してしまうので、領域M1,M2のそれぞれにおいて、補助溝5の有無の両方を設ける構造とした。このような構造とするとM1−XとM1−Yでのキャンセル効果、M2−XとM2−Yでのキャンセル効果が十分に発揮され、回転軸方向に並べた永久磁石の間で、永久磁石の形状のばらつき,貼付位置の誤差又は磁気特性のばらつき等が軸方向に並べた2つ以上の永久磁石の間で大きく変化する場合でもコギングトルクS次成分を小さくすることができる(Sは固定子鉄心のスロット数)。補助溝を設ける軸方向長さは固定子鉄心の軸方向長さの約1/2(例えば1/2±10%)に、さらに望ましくは1/2(例えば1/2±5%)にするのがよい。
さらに、図30,31において、
Ls1=Ls2=Lr1/2
Ls3=Ls4=Lr2/2
とすればM1−Xの領域とM1−Yの領域の軸方向長さが等しくなり、さらにM2−Xの領域とM2−Yの領域の軸方向長さが等しくなるため、コギングトルク低減効果をより発揮できる構成となる。
図30では永久磁石1がセグメント磁石の例であったが、この発明が適用できるのはこれに限らない。図32はリング形状の磁石を軸方向に2個並べた例である。リング形状の永久磁石には、ラジアル異方性,極異方性,異方性のないもの等があるが、配向のばらつきや着磁のばらつきによってコギングトルクのS次成分(Sは固定子鉄心のスロット数)が発生することがある。図30の例と同じように、ばらつきの状態が軸方向に並べた永久磁石間で異なっている場合は、固定子鉄心の補助溝を適切に設けないと相殺する効果が得られず、コギングトルクが増大してしまうという課題がある。そこで、図31の固定子鉄心のように補助溝を配置すればコギングトルク低減効果をより発揮できる構成となる。実施の形態4では、軸方向に2個並べた例を示したが、3個以上の場合でも同様の効果を奏することは言うまでもない。さらに、図31の構成以外でも例えば、補助溝を設けていない領域をX、補助溝を設けた領域をYとし、XYYXの順に配置した構造でも同様の効果が得られる。
図30,図31では、極数(磁極数)10、スロット数12の例について述べたが、実施の形態4では、それに限らない。永久磁石型回転電機の極数をP、スロット数をSとすると、
0.75<S/P<1.5
なる関係がある組み合わせの場合、特許文献1,特許文献2,特許文献3で述べられているS/P=0.75,S/P=1.5の場合に比べて、巻線係数が高く、永久磁石の磁束を効率的に利用し、小型で高トルクの永久磁石型回転電機が得られることが知られている。
さらに、極数とスロット数の最小公倍数が大きいため、回転子1回転で極数とスロット数の最小公倍数と一致する回数だけ脈動するコギングトルク成分が、S/P=0.75,S/P=1.5の場合に比べて小さいことも知られている。一方で、永久磁石の貼付位置誤差,形状誤差又は磁気特性のばらつきといった回転子側のばらつきによって発生するコギングトルクS次成分(回転子1回転でS回脈動する成分)が大きく、回転子側のばらつきに対してロバスト性が低いことが課題である。したがって、電動パワーステアリング装置に搭載される場合のように、大量生産される永久磁石型回転電機においては、この課題を解決する必要があった。そこで、実施の形態4を
0.75<S/P<1.5
なる関係がある組み合わせの永久磁石型回転電機に適用すると、回転子側のばらつきに対してロバスト性が高く、コギングトルクS次成分を小さくすることができる。
また,図31では補助溝が固定子鉄心のティースの周方向中央部に1箇所設けられているので,従来例よりトルクの低下が少ないという効果が得られる。したがって、小型で高トルクの実現とロバスト性を高くすることの両立が可能となり、実施の形態4の構成により,特許文献1,特許文献2,特許文献3では得られない格別の効果を得ることができる。
実施の形態5.
図33は、実施の形態1〜4の永久磁石型回転電機を用いた車両用の電動パワーステアリング装置を示す概念図である。図33において、電動パワーステアリング装置には、ステアリングホイール22から操舵力を伝えるためのコラムシャフト23が設けられている。コラムシャフト23にはウォームギヤ24(図では詳細は省略し、ギヤボックスのみ示している)が接続されている。ウォームギヤ24はコントローラ21によって制御される駆動モータ20の出力(トルク、回転数)を、回転方向を直角に変えながら伝達し、同時に減速し、アシストトルクを増加させる。25はハンドルジョイントであり、操舵力を伝えると共に、回転方向も変える。26はステアリングギヤ(図では詳細は省略し、ギヤボックスのみ示している)であり、コラムシャフト23の回転を減速し、同時にラック27の直線運動に変換し、所要の変位を得る。このラック27の直線運動により車輪を動かし、車両の方向転換等を可能とする。
このような電動パワーステアリング装置では、その駆動モータ20にて発生するトルクの脈動がウォームギヤ24とコラムシャフト23を介して、ステアリングホイール22に伝達される。したがって、駆動モータ20が大きなトルク脈動を発生する場合、滑らかな操舵感覚を得ることができない。しかしながら、実施の形態1〜4の永久磁石型回転電機を実施の形態5の電動パワーステアリング装置の駆動モータ20として組み込むことによって、トルク脈動が低減できる。このため、電動パワーステアリング装置における操舵感覚を向上できる。
また、電動パワーステアリング装置用の駆動モータは大量生産されるため、製造ばらつきに対するコギングトルクのロバスト性を向上しなければならないという課題がある。これに対して実施の形態1〜4で記載した永久磁石型回転電機を搭載することで、回転子のばらつきに起因するコギングトルク成分を大幅に低減できるため、ロバスト性が向上するという効果を奏する。
この発明の各種の変形または変更は、関連する熟練技術者が、この発明の範囲と精神を逸脱しない中で実現可能であり、この明細書に記載された各実施の形態には制限されないことと理解されるべきである。

Claims (10)

  1. 永久磁石により構成された複数の磁極と回転子鉄心を有する回転子、
    電機子巻線と、前記電機子巻線を収めるスロットが設けられ、前記回転子と対向する複数のティースを有する固定子鉄心とを具備する固定子を備え、
    前記固定子鉄心の前記ティースの前記回転子に対向する部分に補助溝が設けられる永久磁石型回転電機において、
    前記回転子鉄心の回転軸方向の一部に、前記永久磁石を保持し磁性材で構成される突起部が設けられて、
    前記永久磁石と前記回転子鉄心を有する前記回転子の回転軸に垂直な断面における断面形状が回転軸方向で変化することによる、磁気回路設計が異なる領域が前記回転子の回転軸方向に2つ以上設けられ、前記補助溝は前記固定子鉄心の前記ティースの軸方向の一部の領域に設けられており、
    前記補助溝が設けられている領域は、前記突起部が設けられた領域と、前記突起部が設けられていない領域とに、対向する領域毎にそれぞれその一部の領域であり、かつ前記対向する領域毎にそれぞれその軸方向長さの半分の領域であることを特徴とする永久磁石型回転電機。
  2. 前記補助溝の幅Wdは、前記スロットの開口幅Wsよりも大きいことを特徴とする請求項1記載の永久磁石型回転電機。
  3. 前記補助溝の深さHdが前記ティースの先端部の厚みHsよりも大きいことを特徴とする請求項1記載の永久磁石型回転電機。
  4. 前記回転子の前記磁極の極数をP、前記固定子の前記スロットの数をSとしたとき、0.75<S/P<1.5なる関係が成り立つようにした請求項1記載の永久磁石型回転電機。
  5. nを自然数とし、前記回転子の前記磁極の極数Pが12n±2n、前記固定子の前記スロットの数Sが12nであることを特徴とする請求項1記載の永久磁石型回転電機。
  6. nを自然数とし、前記回転子の前記磁極の極数Pが9n±n、前記固定子のスロット数Sが9nであることを特徴とする請求項1記載の永久磁石型回転電機。
  7. 永久磁石により構成された複数の磁極と回転子鉄心を有する回転子、
    電機子巻線と、前記電機子巻線を収めるスロットが設けられ、前記回転子と対向する複数のティースを有する固定子鉄心とを具備する固定子を備え、
    前記固定子鉄心の前記ティースの前記回転子に対向する部分に補助溝が設けられる永久磁石型回転電機において、
    前記回転子には、前記回転子鉄心に設けられた回転軸方向の複数の孔部に前記永久磁石を埋め込んで複数の磁極が構成され、
    前記回転子鉄心には、その表面部で隣合う前記磁極間に前記磁極に沿って、軸方向の一部に凹部溝が形成されて、
    前記永久磁石と前記回転子鉄心を有する前記回転子の回転軸に垂直な断面における断面形状が回転軸方向で変化することによる、磁気回路設計が異なる領域が前記回転子の回転軸方向に2つ以上設けられ、
    前記補助溝は前記固定子鉄心の前記ティースの軸方向の一部の領域に設けられており、前記補助溝が設けられている領域は、前記凹部溝が設けられた領域と、前記凹部溝が設けられていない領域とに、対向する領域毎にそれぞれその一部の領域であることを特徴とする永久磁石型回転電機。
  8. 前記補助溝が設けられている領域は、前記凹部溝が設けられた領域と、前記凹部溝が設けられていない領域とに、対向する領域毎にそれぞれその軸方向長さの半分の領域であることを特徴とする請求項7記載の永久磁石型回転電機。
  9. 前記回転子の磁気回路設計が異なる領域間の回転軸に垂直な端面には、前記補助溝の軸方向端面が位置することを特徴とする請求項1,請求項7及び請求項8のいずれか1項に記載の永久磁石型回転電機。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の永久磁石型回転電機を駆動モータとして使用することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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