JP5895775B2 - コイル装置 - Google Patents
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従来このモールドコイルの一例として、下記特許文献1に示すように、浮き成形によってコイル(ボビン)の回りの全面を外装体が継ぎ目無く覆った構造のものが知られており、シール性に優れるとして実績がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、シール性を確保した上で小型化を実現したコイル装置を提供するところにある。
すなわち、シール性を確保した上でモールドコイルの小型化が実現でき、ヨークを含めたコイル装置全体が小型化できて、搭載スペースの縮小や、重量減等を図ることができる。
(1)前記外装体の前記外周部と前記ヨークの前記外周壁におけるそれぞれの対向周面が、軸線方向に間隔を開けて対向する段差面をそれぞれ設けた段差状に形成され、前記外シールリングが前記両段差面の間に構成される装着空間に装着されている。
外シールリングは、両段差面の間の装着空間に装着された形態で、外装体の外周部とヨークの外周壁の対向周面間で弾縮されてシールされる。
本発明の一実施形態を図1ないし図8に基づいて説明する。
この実施形態のコイル装置は、図1に示すように、モールドコイル10とヨーク40(固定鉄心)とから構成されている。それに加え、外シールリング30、内シールリング32、及び止め具であるCリング34が備えられている。
なお、外装体20の側面部23の外周の一部からは、巻き線13に接続された一対の接続端子15を並べて埋設した接続部26が突設されている。
一方、外装体20の側面部23の内周縁24は、ボビン12の内周面よりも所定寸法外側に控えた位置に来るように形成されている。この側面部23の内周縁24が控えた寸法は、外シールリング30の断面の直径よりも所定寸法小さく設定されている。
後記するように、モールドコイル10がヨーク40の嵌合溝41の奥まで正規に嵌合された場合に、ヨーク40の段差面43と外装体20の段差面22とが所定の間隔を開けて軸方向に対向し、外シールリング30の装着空間45が形成されるようになっている。この装着空間45の軸方向の対向間隔は、両段差面22,43の間で外シールリング30を弾縮可能な間隔である。
モールド成形により形成したモールドコイル10に対し、図1に示すように、外装体20の外周部21の外面に外シールリング30を嵌装して段差面22に当てる。このように外シールリング30が装着されたモールドコイル10が、同図の矢線に示すように、ヨーク40の嵌合溝41内に嵌合され、奥まで嵌合されたところで、図8に詳細に示すように、外シールリング30が、外装体20の外周部21の外面と、ヨーク40の外周壁42の溝面42Aとの間で径方向に弾縮され、併せて両段差面22,43の間で軸線方向に弾縮される。
すなわち、シール性を確保した上でモールドコイル10の小型化が実現でき、ヨーク40を含めたコイル装置全体が小型化できて、搭載スペースの縮小を図ることができ、また、モールド成形時の樹脂量が削減できで、重量減と材料費の削減を図ることができる。
内シールリング32を抜け止めするCリング34が、モールドコイル10をヨーク40に対して抜け止めする機能を併せて果たすようになっているから、モールドコイル10の抜け止め手段を別途設ける場合と比較して、全体構造が簡略にできる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、内シールリングを抜け止めする止め具としてCリングを例示したが、これに限らず、バヨネット形式で装着される止め輪等の他の止め具を用いてもよい。
(2)内シールリングの止め具の形態等に応じて、モールドコイルをヨークから抜け止めする手段を別途備えるようにしてもよい。
(4)シールリングの装着構造としては、上記実施形態に例示した構造に限らず、例えば外シールリングについては、外装体の外周部の外面に凹溝を全周に亘って形成したり、また内シールリングについては、外装体の側面部を肉厚として、その内周面に凹溝を全周に亘って形成するようにしてもよい。
(5)さらにシールリングを装着する凹溝を、ヨークの周壁の溝面側に形成するようにしてもよい。
11…コイル
12…ボビン
13…巻き線
20…外装体
21…外周部
22…段差面
23…側面部
24…(側面部23の)内周縁
30…外シールリング
32…内シールリング
34…Cリング(止め具)
40…ヨーク
41…嵌合溝
42…外周壁
42A…溝面(対向周面)
43…段差面
45…装着空間
46…内周壁
46A…溝面(対向周面)
47…装着位置
48…取付溝
Claims (4)
- ボビンに巻き線を巻装してなるコイルに対して合成樹脂製の外装体が形成されたモールドコイルと、このモールドコイルが一側面側から嵌装される環形溝状をなすヨークとが具備されたコイル装置であって、
前記外装体は、前記コイルの外周面を覆う外周部と、前記コイルにおける嵌装方向後方の側面を覆う側面部のみを備え、
前記外装体の前記外周部と前記ヨークの外周壁との間には外シールリングが、前記外装体の前記側面部の内周縁と前記ヨークの内周壁との間には内シールリングがそれぞれ介設されており、
前記ヨークの前記内周壁における前記内シールリングの装着位置の前記嵌装方向の後方位置には、同内シールリングを抜け止めする止め具が取り付けられていることを特徴とするコイル装置。 - 前記外装体の前記外周部と前記ヨークの前記外周壁におけるそれぞれの対向周面が、軸線方向に間隔を開けて対向する段差面をそれぞれ設けた段差状に形成され、前記外シールリングが前記両段差面の間に構成される装着空間に装着されていることを特徴とする請求項1記載のコイル装置。
- 前記外シールリングが前記両段差面の間で弾縮されているとともに、前記内シールリングが前記止め具と前記ボビンとの間で弾縮されていることを特徴とする請求項2記載のコイル装置。
- 前記内シールリングの止め具が、前記モールドコイルを前記ヨークに対して抜け止めする機能を併せて果たすようになっていることを特徴とする請求項2または請求項3記載のコイル装置。
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