JP2004342761A - コイル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケース内において電線を保護する。
【解決手段】ボビン11にコイル12を巻装したものに外装体13をモールド成形することでコイル本体10が形成される。ボビン11には、コイル12及び電線Wに接続した端子金具20が取り付けられ、この端子金具20は、外装体13によって覆われている。コイル本体10は、ケースC内に収容され、その一端から導出した電線WがケースCに設けられた開口部Hを通してケースC外へと引き出されている。電線Wと開口部Hとの間には、両者をシールするためのグロメット30が覆設されている。電線WのうちケースC内に配される部分には、保護部材40が覆設されている。
【選択図】 図2
【解決手段】ボビン11にコイル12を巻装したものに外装体13をモールド成形することでコイル本体10が形成される。ボビン11には、コイル12及び電線Wに接続した端子金具20が取り付けられ、この端子金具20は、外装体13によって覆われている。コイル本体10は、ケースC内に収容され、その一端から導出した電線WがケースCに設けられた開口部Hを通してケースC外へと引き出されている。電線Wと開口部Hとの間には、両者をシールするためのグロメット30が覆設されている。電線WのうちケースC内に配される部分には、保護部材40が覆設されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ケース内にコイル本体を配したものの一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。このものでは、コイル本体の一端からコイルに接続した給電用の電線が導出して設けられており、この電線は、ケースの開口部を通して外部へと引き出されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−181079公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した電線は、ケース内において剥き出しとなっていたため、例えばケース内の機器が干渉した場合には、損傷を受けるおそれがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ケース内において電線を保護することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、ケース内に収容されるコイル本体からは、給電用の電線が導出され、その電線がケースに設けられた開口部を通してケース外へと引き出されるものであって、前記電線のうち前記ケース内に配される部分には、保護部材が覆設されている構成としたところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記コイル本体は、コイルの周りに外装体をモールド成形することで形成されており、前記保護部材は、少なくとも一部が外装体内に埋設されているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記電線と前記開口部との間には、両者に密着可能なシール部材が介設されており、前記保護部材は、前記シール部材が当接されることで、シール部材を位置決め可能とされているところに特徴を有する。
【0007】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
電線のうちケース内に配される部分を保護部材により覆うようにしたから、ケース内の機器などが電線に対して直接に干渉するのを防ぐことができ、もって電線が損傷を受けるような事態を回避することができる。
【0008】
<請求項2の発明>
電線に保護部材を装着した後に外装体をモールド成形すると、保護部材の少なくとも一部が外装体内に埋設される。従って、外装体をモールド成形するための成形金型内にコイルや電線をセットするとき、電線を保護部材によって覆うことができるから、成形金型が電線に対して直接に干渉して電線が傷付けられるような事態を回避することができる。
<請求項3の発明>
電線に対するシール部材の装着位置を容易に設定することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1ないし図4によって説明する。この実施形態では、図1に示すように、自動車の駆動系に使用される金属製のケースC内に収容されるコイル本体10と、コイル本体10の一端から導出されるとともにケースCに設けられた開口部Hを通して外部へと引き出される給電用の電線Wと、電線Wと開口部Hとの間に介設されるグロメット30とを備えたコイル装置を示す。なお電線WのうちケースC外に引き出された側の端末は、図示しない給電回路に接続されることで、コイル12への電力供給が可能とされている。
【0010】
コイル本体10は、図2に示すように、大まかにはボビン11にコイル12を巻装したものの周りに外装体13をモールド成形した構成とされている。詳しくはボビン11は、合成樹脂製とされるとともに全体として略環状に形成されており、略円筒状をなす筒部14の両端部からフランジ状の壁部15,16を一対張り出して設けた構成とされる。この筒部14の周囲には、例えば銅線からなる巻線が多数回巻き付けられてコイル12が形成されている。図2の右側の壁部16における外端部の外側面には、一対の端子金具20を並んだ状態で取付可能な端子取付部17が同図右側へ突出して設けられている。また同図右側の壁部16の外側面には、コイル本体10を保持可能なヨークなどの保持部材(図示しない)に対して嵌合することで、保持部材に対してコイル本体10を位置決め可能な位置決め突部18及び位置決め凹部19がそれぞれ設けられている。
【0011】
端子金具20は、全体が側方視略L字型に形成されており、電線Wの端末に圧着接続される電線接続部21と、コイル12の端部にかしめ接続されるコイル接続部22とを屈曲部を介して繋げた構成とされている。電線接続部21には、電線Wのうち被覆と、被覆を皮剥きして露出させた芯線とにそれぞれ圧着されるかしめ片23が一対ずつ設けられている。コイル接続部22には、屈曲部寄りの位置にコイル12の端部にかしめ付けられるかしめ片24が設けられている。コイル接続部22の先端部は、端子取付部17に凹設された溝に対して圧入保持可能とされる。
【0012】
外装体13は、ボビン11及びコイル12の外周側部分を全周にわたって覆う略環状の本体部25と、端子取付部17及び端子金具20の周りを覆う電線導出部26とから構成されている。本体部25は、ボビン11の両壁部15,16の外端部間の開放部分を覆うように形成されることで、コイル12を脱落不能に保持している。電線導出部26は、端子金具20に沿って断面略L字型に形成されており、その外端面から電線Wが導出されている。この電線導出部26には、ヨークなどの保持部材、またはケースC内に配される機器(図示せず)に対してコイル本体10を固定するための固定部27が側方へ張り出して形成されており、この固定部27には固定用のボルト(図示せず)を挿通可能な円筒状のカラー28が埋設されている。
【0013】
グロメット30は、弾性変形可能なゴム材からなり、その外周面には、ケースCの開口部Hの内周面に密着可能なリップ31が2条並んで膨出形成されている。グロメット30には、電線Wを挿通可能な挿通孔(図示せず)が2つ貫通形成されており、その内周面には電線Wの外周面に対して密着可能なリップ(図示せず)が設けられている。このグロメット30が電線W及びケースCの開口部Hに密着することで、電線W及び開口部Hの周りが液密状に保たれるようになっている。
【0014】
さて、電線Wのうち端子金具20とグロメット30との間の部分、すなわちケースC内に配される部分には、保護部材40が覆設されることでその保護が図られている。保護部材40は、合成樹脂製とされ、電線Wの周りを取り囲む略円筒状に形成されている。保護部材40は、電線Wに対して図示下側端部(コイル本体10側端部)が端子金具20の上端部に近接または当接した位置に装着されており、その下側端部の周りには外装体13の電線導出部26が覆うようにして設けられている。つまり、この保護部材40は、外装体13をモールド成形する前の段階で電線Wに装着されている。この保護部材40における上側端部(開口部H側端部)には、グロメット30の下端部が当接可能とされており、これによりグロメット30のコイル本体10に対する位置決めが可能とされている。
【0015】
次にコイル装置の製造方法の一例を説明する。まず、図3及び図4に示すように、ボビン11の筒部14にコイル12を巻装するとともに、電線Wの端末に電線接続部21を圧着接続した両端子金具20を、端子取付部17の溝にそれぞれ圧入して装着する。コイル12の両端部を端子取付部17側に引き出し、それぞれコイル接続部22のかしめ片24によりかしめ付ける。その一方、両電線Wにそれぞれ保護部材40を装着し、その下側端部が端子金具20の上端部に当接する位置に配する。なお保護部材40は、電線Wを圧着する前の段階で装着しても構わない。またコイル12の端部をコイル接続部22にかしめ付けた後に、端子金具20を端子取付部17に装着しても構わない。
【0016】
上記のようにコイル12、ボビン11、端子金具20、電線W及び保護部材40を組み付けたものを、外装体13をモールド成形するための成形金型内にセットする。このとき、電線Wのうち成形金型内に収容される部分の周りには、保護部材40が装着されているので、成形金型のエッジ部分などが電線Wに対して直接に干渉することが防がれ、もって電線Wが傷付けられるような事態が回避されるようになっている。セット後、成形金型内に溶融状態の樹脂を充填し、樹脂が固化したら型開きを行う。すると、コイル12、ボビン11及び保護部材40の周りに外装体13が覆設されたコイル本体10が取り出される。その後、コイル本体10をヨークなどの保持部材に保持させるとともに、両電線Wにグロメット30を装着しておく。
【0017】
続いて、上記したようにして製造したコイル装置をケースCに取り付ける作業を行う。両電線WをケースCの開口部Hを通して外部に引き出しつつ、保持部材と共にコイル本体10をケースC内に収容するとともに、ケースC内の機器に固定することで、コイル本体10がケースC内において位置決め保持される。その一方、ケースCの外側から電線Wに通した状態のグロメット30を開口部H内に嵌入する。このとき、図1及び図2に示すように、グロメット30の下端部が保護部材40の上側端部に当接する深さまでグロメット30を押し込んだところで、その押し込みが規制されるので、グロメット30を簡単に正規位置に取り付けることができる。この状態では、グロメット30の外周側のリップ31が開口部Hの内周面に密着するとともに、挿通孔のリップが電線Wの外周面に密着することで、電線W及び開口部Hのシール性が確保される。なお、グロメット30をケースCの内側から開口部Hに嵌入するようにしても構わない。
【0018】
ところで、ケースC内には、様々な機器(図示せず)が収容されるため、その機器が電線Wに対して干渉することが懸念される。ところが、電線WのうちケースC内に収容される部分には保護部材40が装着されているので、電線Wに対して機器が直接に干渉することが防がれ、もって電線Wに傷が付くような事態を回避することができる。しかも、この保護部材40は、一部が外装体13内に埋設されており、すなわち外装体13をモールド成形する前の段階で電線Wに装着されているから、モールド成形のための成形金型が電線Wに対して直接に干渉して電線Wが傷付けられるような事態をも回避することができる。さらには、保護部材40は、グロメット30が当接されることでグロメット30を位置決め可能とされているから、グロメット30の装着位置を容易に設定することができ、作業性に優れる。
【0019】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)保護部材の形状や材質については任意に設定可能である。また保護部材のうち外装体によって覆われる範囲についても任意に設定可能である。
【0020】
(2)上記した実施形態では、ケースの開口部に電線を通したグロメットが取り付けられるものを示したが、例えば開口部にシールリングを装着した中継コネクタを取り付けるとともに、その中継コネクタに対してコイル本体から引き出した電線の端末に設けたコネクタを嵌合接続するようなものにも本発明は適用可能である。
(3)上記した実施形態では、外装体をモールド成形したものを示したが、コイルやボビンとは別途に外装体を成形しておき、その外装体をコイルやボビンに対して組み付けるようなものにも本発明は適用可能である。
(4)上記した実施形態では、コイルをボビンに巻装したものを示したが、ボビンを省略することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るコイル本体をケースに収容した状態を示す平面図
【図2】コイル本体をケースに収容した状態を示す断面図
【図3】電線に保護部材を装着し、その電線及びコイルに接続した端子金具をボビンに取り付けた状態を示す平面図
【図4】電線に保護部材を装着し、その電線及びコイルに接続した端子金具をボビンに取り付けた状態を示す断面図
【符号の説明】
10…コイル本体
12…コイル
13…外装体
30…グロメット(シール部材)
40…保護部材
C…ケース
H…開口部
W…電線
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ケース内にコイル本体を配したものの一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。このものでは、コイル本体の一端からコイルに接続した給電用の電線が導出して設けられており、この電線は、ケースの開口部を通して外部へと引き出されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−181079公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した電線は、ケース内において剥き出しとなっていたため、例えばケース内の機器が干渉した場合には、損傷を受けるおそれがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ケース内において電線を保護することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、ケース内に収容されるコイル本体からは、給電用の電線が導出され、その電線がケースに設けられた開口部を通してケース外へと引き出されるものであって、前記電線のうち前記ケース内に配される部分には、保護部材が覆設されている構成としたところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記コイル本体は、コイルの周りに外装体をモールド成形することで形成されており、前記保護部材は、少なくとも一部が外装体内に埋設されているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記電線と前記開口部との間には、両者に密着可能なシール部材が介設されており、前記保護部材は、前記シール部材が当接されることで、シール部材を位置決め可能とされているところに特徴を有する。
【0007】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
電線のうちケース内に配される部分を保護部材により覆うようにしたから、ケース内の機器などが電線に対して直接に干渉するのを防ぐことができ、もって電線が損傷を受けるような事態を回避することができる。
【0008】
<請求項2の発明>
電線に保護部材を装着した後に外装体をモールド成形すると、保護部材の少なくとも一部が外装体内に埋設される。従って、外装体をモールド成形するための成形金型内にコイルや電線をセットするとき、電線を保護部材によって覆うことができるから、成形金型が電線に対して直接に干渉して電線が傷付けられるような事態を回避することができる。
<請求項3の発明>
電線に対するシール部材の装着位置を容易に設定することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1ないし図4によって説明する。この実施形態では、図1に示すように、自動車の駆動系に使用される金属製のケースC内に収容されるコイル本体10と、コイル本体10の一端から導出されるとともにケースCに設けられた開口部Hを通して外部へと引き出される給電用の電線Wと、電線Wと開口部Hとの間に介設されるグロメット30とを備えたコイル装置を示す。なお電線WのうちケースC外に引き出された側の端末は、図示しない給電回路に接続されることで、コイル12への電力供給が可能とされている。
【0010】
コイル本体10は、図2に示すように、大まかにはボビン11にコイル12を巻装したものの周りに外装体13をモールド成形した構成とされている。詳しくはボビン11は、合成樹脂製とされるとともに全体として略環状に形成されており、略円筒状をなす筒部14の両端部からフランジ状の壁部15,16を一対張り出して設けた構成とされる。この筒部14の周囲には、例えば銅線からなる巻線が多数回巻き付けられてコイル12が形成されている。図2の右側の壁部16における外端部の外側面には、一対の端子金具20を並んだ状態で取付可能な端子取付部17が同図右側へ突出して設けられている。また同図右側の壁部16の外側面には、コイル本体10を保持可能なヨークなどの保持部材(図示しない)に対して嵌合することで、保持部材に対してコイル本体10を位置決め可能な位置決め突部18及び位置決め凹部19がそれぞれ設けられている。
【0011】
端子金具20は、全体が側方視略L字型に形成されており、電線Wの端末に圧着接続される電線接続部21と、コイル12の端部にかしめ接続されるコイル接続部22とを屈曲部を介して繋げた構成とされている。電線接続部21には、電線Wのうち被覆と、被覆を皮剥きして露出させた芯線とにそれぞれ圧着されるかしめ片23が一対ずつ設けられている。コイル接続部22には、屈曲部寄りの位置にコイル12の端部にかしめ付けられるかしめ片24が設けられている。コイル接続部22の先端部は、端子取付部17に凹設された溝に対して圧入保持可能とされる。
【0012】
外装体13は、ボビン11及びコイル12の外周側部分を全周にわたって覆う略環状の本体部25と、端子取付部17及び端子金具20の周りを覆う電線導出部26とから構成されている。本体部25は、ボビン11の両壁部15,16の外端部間の開放部分を覆うように形成されることで、コイル12を脱落不能に保持している。電線導出部26は、端子金具20に沿って断面略L字型に形成されており、その外端面から電線Wが導出されている。この電線導出部26には、ヨークなどの保持部材、またはケースC内に配される機器(図示せず)に対してコイル本体10を固定するための固定部27が側方へ張り出して形成されており、この固定部27には固定用のボルト(図示せず)を挿通可能な円筒状のカラー28が埋設されている。
【0013】
グロメット30は、弾性変形可能なゴム材からなり、その外周面には、ケースCの開口部Hの内周面に密着可能なリップ31が2条並んで膨出形成されている。グロメット30には、電線Wを挿通可能な挿通孔(図示せず)が2つ貫通形成されており、その内周面には電線Wの外周面に対して密着可能なリップ(図示せず)が設けられている。このグロメット30が電線W及びケースCの開口部Hに密着することで、電線W及び開口部Hの周りが液密状に保たれるようになっている。
【0014】
さて、電線Wのうち端子金具20とグロメット30との間の部分、すなわちケースC内に配される部分には、保護部材40が覆設されることでその保護が図られている。保護部材40は、合成樹脂製とされ、電線Wの周りを取り囲む略円筒状に形成されている。保護部材40は、電線Wに対して図示下側端部(コイル本体10側端部)が端子金具20の上端部に近接または当接した位置に装着されており、その下側端部の周りには外装体13の電線導出部26が覆うようにして設けられている。つまり、この保護部材40は、外装体13をモールド成形する前の段階で電線Wに装着されている。この保護部材40における上側端部(開口部H側端部)には、グロメット30の下端部が当接可能とされており、これによりグロメット30のコイル本体10に対する位置決めが可能とされている。
【0015】
次にコイル装置の製造方法の一例を説明する。まず、図3及び図4に示すように、ボビン11の筒部14にコイル12を巻装するとともに、電線Wの端末に電線接続部21を圧着接続した両端子金具20を、端子取付部17の溝にそれぞれ圧入して装着する。コイル12の両端部を端子取付部17側に引き出し、それぞれコイル接続部22のかしめ片24によりかしめ付ける。その一方、両電線Wにそれぞれ保護部材40を装着し、その下側端部が端子金具20の上端部に当接する位置に配する。なお保護部材40は、電線Wを圧着する前の段階で装着しても構わない。またコイル12の端部をコイル接続部22にかしめ付けた後に、端子金具20を端子取付部17に装着しても構わない。
【0016】
上記のようにコイル12、ボビン11、端子金具20、電線W及び保護部材40を組み付けたものを、外装体13をモールド成形するための成形金型内にセットする。このとき、電線Wのうち成形金型内に収容される部分の周りには、保護部材40が装着されているので、成形金型のエッジ部分などが電線Wに対して直接に干渉することが防がれ、もって電線Wが傷付けられるような事態が回避されるようになっている。セット後、成形金型内に溶融状態の樹脂を充填し、樹脂が固化したら型開きを行う。すると、コイル12、ボビン11及び保護部材40の周りに外装体13が覆設されたコイル本体10が取り出される。その後、コイル本体10をヨークなどの保持部材に保持させるとともに、両電線Wにグロメット30を装着しておく。
【0017】
続いて、上記したようにして製造したコイル装置をケースCに取り付ける作業を行う。両電線WをケースCの開口部Hを通して外部に引き出しつつ、保持部材と共にコイル本体10をケースC内に収容するとともに、ケースC内の機器に固定することで、コイル本体10がケースC内において位置決め保持される。その一方、ケースCの外側から電線Wに通した状態のグロメット30を開口部H内に嵌入する。このとき、図1及び図2に示すように、グロメット30の下端部が保護部材40の上側端部に当接する深さまでグロメット30を押し込んだところで、その押し込みが規制されるので、グロメット30を簡単に正規位置に取り付けることができる。この状態では、グロメット30の外周側のリップ31が開口部Hの内周面に密着するとともに、挿通孔のリップが電線Wの外周面に密着することで、電線W及び開口部Hのシール性が確保される。なお、グロメット30をケースCの内側から開口部Hに嵌入するようにしても構わない。
【0018】
ところで、ケースC内には、様々な機器(図示せず)が収容されるため、その機器が電線Wに対して干渉することが懸念される。ところが、電線WのうちケースC内に収容される部分には保護部材40が装着されているので、電線Wに対して機器が直接に干渉することが防がれ、もって電線Wに傷が付くような事態を回避することができる。しかも、この保護部材40は、一部が外装体13内に埋設されており、すなわち外装体13をモールド成形する前の段階で電線Wに装着されているから、モールド成形のための成形金型が電線Wに対して直接に干渉して電線Wが傷付けられるような事態をも回避することができる。さらには、保護部材40は、グロメット30が当接されることでグロメット30を位置決め可能とされているから、グロメット30の装着位置を容易に設定することができ、作業性に優れる。
【0019】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)保護部材の形状や材質については任意に設定可能である。また保護部材のうち外装体によって覆われる範囲についても任意に設定可能である。
【0020】
(2)上記した実施形態では、ケースの開口部に電線を通したグロメットが取り付けられるものを示したが、例えば開口部にシールリングを装着した中継コネクタを取り付けるとともに、その中継コネクタに対してコイル本体から引き出した電線の端末に設けたコネクタを嵌合接続するようなものにも本発明は適用可能である。
(3)上記した実施形態では、外装体をモールド成形したものを示したが、コイルやボビンとは別途に外装体を成形しておき、その外装体をコイルやボビンに対して組み付けるようなものにも本発明は適用可能である。
(4)上記した実施形態では、コイルをボビンに巻装したものを示したが、ボビンを省略することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るコイル本体をケースに収容した状態を示す平面図
【図2】コイル本体をケースに収容した状態を示す断面図
【図3】電線に保護部材を装着し、その電線及びコイルに接続した端子金具をボビンに取り付けた状態を示す平面図
【図4】電線に保護部材を装着し、その電線及びコイルに接続した端子金具をボビンに取り付けた状態を示す断面図
【符号の説明】
10…コイル本体
12…コイル
13…外装体
30…グロメット(シール部材)
40…保護部材
C…ケース
H…開口部
W…電線
Claims (3)
- ケース内に収容されるコイル本体からは、給電用の電線が導出され、その電線がケースに設けられた開口部を通してケース外へと引き出されるものであって、
前記電線のうち前記ケース内に配される部分には、保護部材が覆設されていることを特徴とするコイル装置。 - 前記コイル本体は、コイルの周りに外装体をモールド成形することで形成されており、前記保護部材は、少なくとも一部が外装体内に埋設されていることを特徴とする請求項1記載のコイル装置。
- 前記電線と前記開口部との間には、両者に密着可能なシール部材が介設されており、前記保護部材は、前記シール部材が当接されることで、シール部材を位置決め可能とされていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコイル装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012178420A (ja) * | 2011-02-25 | 2012-09-13 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | コイル装置 |
JP2014039031A (ja) * | 2012-08-10 | 2014-02-27 | Sts Spezialwagen-Trnaformatoren Stockach Gmbh & Co Kg | 中波変圧器 |
JP2014049708A (ja) * | 2012-09-04 | 2014-03-17 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | コイル装置 |
KR101696578B1 (ko) * | 2016-06-28 | 2017-01-13 | 송홍준 | 지중저압접속함의 뚜껑 조명장치 |
-
2003
- 2003-05-14 JP JP2003136201A patent/JP2004342761A/ja not_active Abandoned
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