JP2016203593A - タイヤ加硫金型用のシール部材及びタイヤ加硫金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤ加硫金型の分割面の間の隙間において、ゴムの流入を簡単に抑制して、タイヤからはみ出すゴムを確実に低減する。
【解決手段】Oリング50は、タイヤ加硫金型1の対向する分割面30、31の内の一方の分割面30の環状溝40に装着され、未加硫タイヤから分割面30、31の間の隙間32に流入するゴムをせき止める。Oリング50の外周側部52は、分割面30、31の間の隙間32を塞いで、隙間32に流入するゴムをせき止める。Oリング50の内周側部54は、外周側部52よりも厚みが薄く、外周側部52により、隙間32に流入するゴムから遮蔽される。
【選択図】 図3
【解決手段】Oリング50は、タイヤ加硫金型1の対向する分割面30、31の内の一方の分割面30の環状溝40に装着され、未加硫タイヤから分割面30、31の間の隙間32に流入するゴムをせき止める。Oリング50の外周側部52は、分割面30、31の間の隙間32を塞いで、隙間32に流入するゴムをせき止める。Oリング50の内周側部54は、外周側部52よりも厚みが薄く、外周側部52により、隙間32に流入するゴムから遮蔽される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、タイヤ加硫金型の分割面に装着されるタイヤ加硫金型用のシール部材、及び、シール部材を備えたタイヤ加硫金型に関する。
タイヤ加硫金型は、一般に、複数のモールドに分割されており、複数のモールド内の空間にタイヤを収納する。タイヤ加硫金型内で、未加硫のタイヤ(生タイヤ)は、所定の内圧を加えられた状態で加硫される。その際、タイヤから各モールドに加えられる力により、タイヤ加硫金型の対向する分割面の間に隙間が生じて、タイヤのゴムが隙間に流入することがある。ゴムの流入に伴い、ゴムがタイヤから隙間にはみ出して、タイヤにバリが発生する。
これに対し、従来、分割面の凹所から突出するプレート部材により隙間を塞いで、ゴムのはみ出しを抑制するタイヤ加硫用金型が知られている(特許文献1参照)。
ところが、特許文献1に記載されたタイヤ加硫用金型では、プレート部材と凹所の間にゴムが詰まり、プレート部材の突出が妨げられる虞がある。この場合には、タイヤ加硫用金型を分解して、プレート部材と凹所のゴムを取り除く必要がある。
ところが、特許文献1に記載されたタイヤ加硫用金型では、プレート部材と凹所の間にゴムが詰まり、プレート部材の突出が妨げられる虞がある。この場合には、タイヤ加硫用金型を分解して、プレート部材と凹所のゴムを取り除く必要がある。
また、従来、一方の分割端面の凹部と他方の分割端面の凸部とを嵌合させて、はみ出しゴムを低減するタイヤ加硫用金型が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2に記載されたタイヤ加硫用金型では、凹部と凸部の寸法の差が小さくなるほど、凸部を凹部に入れ難くなる。そのため、タイヤ加硫用金型を閉じるときに、凹部の位置と凸部の位置を正確に合わせる必要があり、手間がかかる。
しかしながら、特許文献2に記載されたタイヤ加硫用金型では、凹部と凸部の寸法の差が小さくなるほど、凸部を凹部に入れ難くなる。そのため、タイヤ加硫用金型を閉じるときに、凹部の位置と凸部の位置を正確に合わせる必要があり、手間がかかる。
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、タイヤ加硫金型の分割面の間の隙間において、ゴムの流入を簡単に抑制して、タイヤからはみ出すゴムを確実に低減することである。
本発明は、タイヤ加硫金型の対向する分割面の内の一方の分割面の環状溝に装着され、未加硫タイヤから分割面の間の隙間に流入するゴムをせき止めるタイヤ加硫金型用のシール部材である。シール部材は、分割面の間の隙間を塞いで、隙間に流入するゴムをせき止める外周側部と、外周側部により隙間に流入するゴムから遮蔽される、外周側部よりも厚みが薄い内周側部と、を有する。
また、本発明は、対向する分割面の内の一方の分割面に形成された環状溝と、環状溝に装着される本発明のタイヤ加硫金型用のシール部材を備えたタイヤ加硫金型である。
また、本発明は、対向する分割面の内の一方の分割面に形成された環状溝と、環状溝に装着される本発明のタイヤ加硫金型用のシール部材を備えたタイヤ加硫金型である。
本発明によれば、タイヤ加硫金型の分割面の間の隙間において、ゴムの流入を簡単に抑制して、タイヤからはみ出すゴムを確実に低減することができる。
本発明のタイヤ加硫金型用のシール部材及びタイヤ加硫金型の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のシール部材は、タイヤ加硫金型用のOリング(以下、単に、Oリングという)である。Oリングは、弾性変形可能な環状の部材(例えば、ゴム製の部材)であり、タイヤ加硫機のタイヤ加硫金型に用いられる。タイヤ加硫金型は、タイヤの加硫に用いられる加硫用金型であり、複数のモールドに分割されている。
本実施形態のシール部材は、タイヤ加硫金型用のOリング(以下、単に、Oリングという)である。Oリングは、弾性変形可能な環状の部材(例えば、ゴム製の部材)であり、タイヤ加硫機のタイヤ加硫金型に用いられる。タイヤ加硫金型は、タイヤの加硫に用いられる加硫用金型であり、複数のモールドに分割されている。
図1は、本実施形態のタイヤ加硫金型1を示す断面図であり、タイヤ2の幅方向(図1では上下方向)に切断したタイヤ加硫金型1及びタイヤ2を示している。また、図1Aは、開いた状態のタイヤ加硫金型1を示し、図1Bは、閉じた状態のタイヤ加硫金型1を示している。
図示のように、タイヤ加硫金型1は、一対の環状のサイドモールド10、11と、複数のトレッドモールド20と、円筒状のアウターリング3を備えている。一対のサイドモールド10、11は、移動機構により接近及び離間する。複数のトレッドモールド20は、周方向に分割された複数のセクターモールドであり、環状に組み合わされる。アウターリング3は、複数のトレッドモールド20の背面に連結され、複数のトレッドモールド20は、上下方向に移動するアウターリング3により、半径方向に移動する。
図示のように、タイヤ加硫金型1は、一対の環状のサイドモールド10、11と、複数のトレッドモールド20と、円筒状のアウターリング3を備えている。一対のサイドモールド10、11は、移動機構により接近及び離間する。複数のトレッドモールド20は、周方向に分割された複数のセクターモールドであり、環状に組み合わされる。アウターリング3は、複数のトレッドモールド20の背面に連結され、複数のトレッドモールド20は、上下方向に移動するアウターリング3により、半径方向に移動する。
タイヤ2の加硫時には、複数のモールド10、11、20を互いに離して(図1A参照)、タイヤ加硫金型1を開き、未加硫のタイヤ2(生タイヤ)を下側のサイドモールド11の上に配置する。続いて、複数のモールド10、11、20を組み合わせて(図1B参照)、タイヤ加硫金型1を閉じ、タイヤ2をタイヤ加硫金型1の内部空間4内に収納する。その状態で、一対のサイドモールド10、11は、タイヤ2のサイド部2Aに接触する。複数のトレッドモールド20は、一対のサイドモールド10、11に連結して、タイヤ2のトレッド部2Bに接触する。
次に、タイヤ2に所定の内圧を加えつつ、タイヤ2を加熱する。これにより、タイヤ2を加硫及び成形する。タイヤ2のサイド部2Aは、サイドモールド10、11のサイド成形面12、13により成形され、タイヤ2のトレッド部2Bは、トレッドモールド20のトレッド成形面21により成形される。同時に、タイヤ加硫金型1は、溝形成用の突起部5により、タイヤ2のサイド部2Aとトレッド部2Bに溝を形成する。
ここでは、突起部5は、タイヤ2の幅方向に延びるラグ溝形成用の突起部であり、タイヤ加硫金型1の内側に向かって突出する。また、突起部5は、トレッドモールド20からサイドモールド10、11まで形成され、トレッドモールド20とサイドモールド10、11の分割位置で分割されている。複数の突起部5により、複数のラグ溝がタイヤ2に形成される。ラグ溝は、加硫後のタイヤ2の幅方向に延び、タイヤ2のトレッド部2Bからサイド部2Aまで形成される。
タイヤ加硫金型1は、それぞれ分割位置で分割された複数のモールド10、11、20と、モールド10、11、20の分割位置で対向する分割面30、31を有する。分割面30、31は、モールド10、11、20の分割位置において隣接するモールド10、11、20の対向面である。タイヤ加硫金型1を閉じたときに、隣接するモールド10、11、20が組み合わされて、対向する分割面30、31が接触する。その状態では、対向する分割面30、31が密着して、タイヤ2のゴムは分割面30、31の間の部分に流入しない。これに対し、タイヤ2の加硫時には、タイヤ2からモールド10、11、20に加えられる力により、対向する分割面30、31の間に隙間が生じることがある。
図2は、タイヤ加硫金型1の対向する分割面30、31を示す図である。また、図2Aは、上側のサイドモールド10とトレッドモールド20の分割位置を示す断面図であり、図2Bは、図2AのX方向からみたタイヤ加硫金型1を示す斜視図である。
図示のように、タイヤ加硫金型1は、対向する分割面30、31の内の一方の分割面30に形成された環状溝40と、分割面30の環状溝40に装着される環状のOリング50を備えている。環状溝40は、Oリング50を収容する収容溝であり、分割面30に環状に形成される。Oリング50は、環状溝40に配置されて、環状溝40内に収容される。
図示のように、タイヤ加硫金型1は、対向する分割面30、31の内の一方の分割面30に形成された環状溝40と、分割面30の環状溝40に装着される環状のOリング50を備えている。環状溝40は、Oリング50を収容する収容溝であり、分割面30に環状に形成される。Oリング50は、環状溝40に配置されて、環状溝40内に収容される。
環状溝40は、分割面30の縁部に沿って形成され、Oリング50は、分割面30の縁部に沿って配置される。対向する分割面30、31(モールド10、20)の間に隙間が生じたときに、タイヤ加硫金型1内の未加硫のタイヤ2から分割面30、31の間の隙間にゴムが流入する。Oリング50は、分割面30、31の間の隙間を塞いで、隙間に流入するゴムをせき止め、隙間へのゴムの流入を停止する。ここでは、分割面30、31は、分割された突起部5の対向する端面であり、環状溝40は、突起部5の一方の分割面30に形成される。突起部5の対向する分割面30、31の間の隙間内で、Oリング50は、タイヤ2のゴムをせき止めて、隙間へのゴムのはみ出しを抑制する。これにより、タイヤ2の溝内へのゴムのはみ出しが抑制される。
図3は、本実施形態の環状溝40とOリング50を拡大して示す断面図であり、図2BのY−Y線で切断した環状溝40、分割面30、及び、Oリング50を示している。また、図3は、Oリング50に接触する他方の分割面31とサイドモールド10を示すとともに、分割面31により潰されていないOリング50を示している。即ち、図3に示すOリング50は、分割面31から受ける力により変形しておらず、環状溝40に単に装着されている。その状態で、Oリング50の一部は、環状溝40の外部に位置する。
以下、図3に示す断面形状に基づき、Oリング50と環状溝40について具体的に説明する。なお、Oリング50に関して、断面形状とは、Oリング50の延在方向に直交する断面の形状であり、厚みとは、環状のOリング50の延在方向の全体を含む面(図3に点線で示す仮想面(延在面M))に直交する方向(厚み方向T)における寸法である。ここでは、Oリング50の延在面Mは、Oリング50の延在方向に沿う平面であり、Oリング50が環状溝40に装着された状態で、平面状の分割面30、31に沿って配置される。また、Oリング50の厚み方向Tは、対向する分割面30、31に直交する方向であり、環状溝40の深さ方向に対応する。従って、以下の説明において、Oリング50の厚み、及び、Oリング50の各部の厚みは、分割面30、31に直交する厚み方向Tの厚みである。Oリング50と同様に、環状溝40に関して、断面形状とは、環状溝40の延在方向に直交する断面の形状である。Oリング50の断面形状は、Oリング50の厚み方向Tの断面形状でもあり、環状溝40の断面形状は、環状溝40の深さ方向の断面形状でもある。
環状溝40は、台形状の断面形状に形成されたアリ溝であり、Oリング50の全体を収容可能な大きさに形成されている。また、環状溝40は、底面41と、分割面30に開口する開口部42と、外周側(図3では右側)の壁面(外壁面)43と、内周側(図3では左側)の壁面(内壁面)44を有する。環状溝40の断面形状において、底面41は、開口部42よりも広く、環状溝40は、開口部42から底面41に向かって次第に広くなる。外壁面43と底面41との角度は、内壁面44と底面41との角度よりも大きく、これら両角度は、いずれも90°以下の角度である。ここでは、外壁面43は、底面41に直交する方向に形成され、内壁面44と底面41との角度は、鋭角になっている。
Oリング50は、Oリング50の外周51側に形成された外周側部52と、Oリング50の内周53側に形成された内周側部54を有する。Oリング50が環状溝40に装着されて、かつ、分割面30、31の間で潰されていない状態で、外周側部52と内周側部54は、互いに異なる断面形状に形成されている。従って、Oリング50の断面形状は、外周51側と内周53側で厚みが異なる非対称形状に形成されている。
ここでは、外周側部52は、矩形状の断面形状に形成され、内周側部54は、台形状の断面形状に形成されている。外周側部52と内周側部54により、Oリング50は、六角形状の断面形状に形成される。また、上記したOリング50の厚み方向Tにおける厚みをみたときに、内周側部54は、外周側部52よりも厚みが薄く、Oリング50は、外周51側の厚みが内周53側の厚みよりも厚い断面形状に形成されている。Oリング50の断面形状において、Oリング50の外周51は、Oリング50の内周53よりも広く、かつ、環状溝40の外壁面43よりも広くなっている。タイヤ加硫金型1の対向する分割面30、31が離間した状態で、外周51は、環状溝40内で外壁面43に接触するとともに、分割面30、31の間の隙間32にも配置される。これに対し、内周53は、環状溝40内のみに配置されて、環状溝40の内壁面44に接触する。
タイヤ加硫金型1の対向する分割面30、31が離間した状態(分割面30、31の間に隙間32が生じた状態)で、Oリング50の外周側部52は、環状溝40の底面41と外壁面43に接触して、底面41と外壁面43をシールする。また、分割面30、31の間の隙間32に対応して、外周側部52は、環状溝40から隙間32に突出し、他方の分割面31に接触する。外周側部52の環状溝40からの突出寸法(突出高さ)は、タイヤ2の加硫時における隙間32の寸法に対応して設定され、タイヤ2の加硫時における隙間32の最大寸法よりも大きい。そのため、タイヤ2の加硫時に、隙間32の寸法が変化しても、外周側部52は、他方の分割面31に接触する状態に維持され、他方の分割面31をシールする。
隙間32内で、外周側部52はタイヤ2側に配置され、内周側部54はタイヤ2の反対側に配置される。分割面30、31の間に隙間32が生じたときに、Oリング50の外周側部52は、隙間32を塞いで、隙間32に流入するゴムをせき止める。外周側部52からゴムが受ける反力により、隙間32へのゴムの流入が停止する。外周側部52により、Oリング50は、外周側部52の外側から外周側部52に向かって流れるゴムをせき止めて、隙間32へのゴムのはみ出しを抑制する。図3の矢印Fは、ゴムの流入方向であり、外周側部52により、タイヤ2から隙間32へのゴムのはみ出しが抑制される。
Oリング50の内周側部54は、テーパー状の断面形状に形成されており、内周側部54の厚みは、外周側部52からOリング50の内周53に向かって次第に薄くなる。また、内周側部54は、環状溝40の内壁面44に接触する支持部55を有する。支持部55は、内周側部54の先端に形成されて、環状溝40内に保持される。外周側部52によりゴムをせき止めるときには、外周側部52がゴムにより押されて、Oリング50に力が加えられる。その際、支持部55は、Oリング50を支持しつつ、Oリング50の変形を抑制する。これにより、Oリング50の変位が抑制されるとともに、外周側部52と環状溝40の外壁面43との間に隙間が生じるのが防止される。
分割面30、31の間に隙間32が生じたときに、Oリング50の内周側部54は、他方の分割面31に接触せず、分割面31との間に隙間を形成する。その状態で、内周側部54は、外周側部52により、隙間32に流入するゴムから遮蔽される。また、内周側部54は、環状溝40の底面41に接触せず、環状溝40内に空間45を形成する。空間45は、底面41、内壁面44、及び、内周側部54に囲まれた環状溝40内の空間である。
タイヤ加硫金型1を閉じるときには、分割面30、31の接近に伴い、隙間32が狭くなり、Oリング50が弾性変形により潰れる。同時に、Oリング50が変形して環状溝40内に押し込まれる。その際、Oリング50は、環状溝40内の空間45を埋めるように次第に変形する。外周側部52の湾曲した角部56により、外周側部52が環状溝40の外側に向かって倒れるのが防止され、外周側部52が環状溝40の内側に向かって変形する。続いて、分割面30、31が接触したときに、Oリング50が環状溝40の形状に合わせて変形して、Oリング50の全体が環状溝40内に収容される。環状溝40内の空間45は、変形したOリング50により埋められる。
分割面30、31の間に隙間32が生じたときには、Oリング50の復元により、外周側部52が、元の形状に向かって変形して、隙間32に突出する。タイヤ加硫金型1を開いたときに、Oリング50は、環状溝40の外壁面43と内壁面44に接触して、環状溝40に引っ掛かる。そのため、Oリング50が環状溝40から外れるのが防止されて、Oリング50が環状溝40に保持される。
次に、本実施形態のOリング50の効果について、一般的なOリングと比較しつつ説明する。
図4は、比較例のOリング80と環状溝90を示す断面図である。図4Aは、図3と同様に、サイドモールド10の分割面31により潰れていないOリング80を示し、図4Bは、タイヤ2の加硫時のOリング80を示している。
図示のように、比較例のOリング80は、円形状の断面形状に形成され、環状溝90に装着される。分割面30、31の間に隙間32が生じたときに、ゴムは、Oリング80の位置まで流入する。
図4は、比較例のOリング80と環状溝90を示す断面図である。図4Aは、図3と同様に、サイドモールド10の分割面31により潰れていないOリング80を示し、図4Bは、タイヤ2の加硫時のOリング80を示している。
図示のように、比較例のOリング80は、円形状の断面形状に形成され、環状溝90に装着される。分割面30、31の間に隙間32が生じたときに、ゴムは、Oリング80の位置まで流入する。
比較例のOリング80では(図4A参照)、ゴムをせき止めた際に、Oリング80の外面に沿ってバリGが発生する。また、ゴムから受ける力に対処するためOリング80の直径を大きくすると、Oリング80の直径に対応して、バリGも大きくなる。ゴムからOリング80に加えられる力によっては、Oリング80がゴムの力により変形する虞もある(図4B参照)。この場合には、Oリング80と環状溝90の外壁面91との間に隙間92が生じて、環状溝90内にゴムが流入することがある。
これに対し、本実施形態のOリング50では、タイヤ加硫金型1の分割面30、31の間の隙間32において、ゴムの流入を簡単に抑制して、タイヤ2からはみ出すゴムを確実に低減することができる。従って、タイヤ2の加硫時に、はみ出しゴムを確実に抑制して、タイヤ2に発生するバリを低減することができる。
Oリング50の外周側部52を矩形状の断面形状に形成することで、外周側部52により、ゴムを効果的にせき止めることができる。また、Oリング50の内周側部54の厚みを次第に薄くなるように形成することで、外周側部52によりゴムのはみ出しを抑制しつつ、隙間32の変化に対応して、Oリング50を容易に変形させることができる。また、Oリング50を環状溝40の形状に対応して変形させて、環状溝40内にOリング50を容易に収容することができる。
なお、環状溝40をトレッドモールド20同士の対向する分割面に形成して、Oリング50を一方の分割面の環状溝40に装着するようにしてもよい。また、Oリング50と環状溝40は、対向する分割面を有する様々なタイヤ加硫金型に適用することができる。Oリング50と環状溝40は、タイヤ加硫金型1と分割面の形状に対応して、様々な環状形状(例えば、円形状、楕円形状、三角形状、矩形状、多角形状、屈曲形状、湾曲形状)に形成される。
1・・・タイヤ加硫金型、2・・・タイヤ、3・・・アウターリング、4・・・内部空間、5・・・突起部、10・・・サイドモールド、11・・・サイドモールド、12・・・サイド成形面、13・・・サイド成形面、20・・・トレッドモールド、21・・・トレッド成形面、30・・・分割面、31・・・分割面、32・・・隙間、40・・・環状溝、41・・・底面、42・・・開口部、43・・・外壁面、44・・・内壁面、45・・・空間、50・・・Oリング、51・・・外周、52・・・外周側部、53・・・内周、54・・・内周側部、55・・支持部、56・・・角部、M・・・延在面、T・・・厚み方向。
Claims (5)
- タイヤ加硫金型の対向する分割面の内の一方の分割面の環状溝に装着され、未加硫タイヤから分割面の間の隙間に流入するゴムをせき止めるタイヤ加硫金型用のシール部材であって、
分割面の間の隙間を塞いで、隙間に流入するゴムをせき止める外周側部と、
外周側部により隙間に流入するゴムから遮蔽される、外周側部よりも厚みが薄い内周側部と、
を有するタイヤ加硫金型用のシール部材。 - 請求項1に記載されたタイヤ加硫金型用のシール部材において、
外周側部は、矩形状の断面形状に形成され、
内周側部の厚みは、外周側部からシール部材の内周に向かって次第に薄くなるタイヤ加硫金型用のシール部材。 - 請求項1又は2に記載されたタイヤ加硫金型用のシール部材において、
内周側部は、環状溝の内周側の壁面に接触してシール部材を支持する支持部を有するタイヤ加硫金型用のシール部材。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載されたタイヤ加硫金型用のシール部材において、
外周側部は、タイヤ加硫金型の対向する分割面が離間した状態で、環状溝の底面と外周側の壁面に接触するとともに、環状溝から分割面の間の隙間に突出するタイヤ加硫金型用のシール部材。 - 対向する分割面の内の一方の分割面に形成された環状溝と、
環状溝に装着される請求項1ないし4のいずれかに記載されたタイヤ加硫金型用のシール部材を備えたタイヤ加硫金型。
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