JP6288185B2 - 密封装置 - Google Patents
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Description
相対的に往復移動自在に構成された2部材のうちの一方の部材に設けられた環状の装着溝に装着されて、これら2部材間の環状隙間を封止するゴム状弾性体製の密封装置において、
外周側には、環状の外周凸部と、該外周凸部の両側に備えられる円筒面部とが設けられ、
内周側には、環状の内周凸部と、該内周凸部の両側に備えられる円筒面部とが設けられていると共に、
前記外周凸部と内周凸部の断面の形状寸法は同一となるように設計されており、前記外周凸部の突出高さ、及び前記内周凸部の突出高さは0.2mm以上0.4mm以下の範囲で設定されることを特徴とする。
の相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1〜図10を参照して、本発明の実施例1に係る密封装置及びその製造方法について説明する。なお、本実施例に係る密封装置は、自動車におけるATやCVTなどのミッション系の往復動用の油圧シールとして好適に用いることができる。また、その他、建機や農機など、一般産業機械における往復動用のシールとしても用いることができる。
図1〜図3を参照して、本発明の実施例1に係る密封装置について説明する。図1は本発明の実施例1に係る密封装置の側面図であり、図2は本発明の実施例1に係る密封装置の平面図であり、図3は本発明の実施例1に係る密封装置の断面図(図2中のAA断面図)である。
特に、図4及び図5を参照して、本実施例に係る密封装置100を用いた密封構造、及び密封装置100の挙動について説明する。
ように、密封装置100が装着溝210に装着された状態において、溝底面から円筒面部111,112までの距離aが、装着溝210の深さbよりも長くなるように設定している。また、円筒面部111,112を装着溝210よりも飛び出すように設定したことに伴い、円筒面部111,112の端部のエッジ部分が、装着溝210の外側における軸200とハウジング300との間の微小な環状隙間Sに噛み込まれてしまうことを抑制するために、装着溝210の側面と軸200表面との間には、比較的大きな面取り211を形成している。
本実施例に係る密封装置100によれば、外周側にも内周側にも環状の凸部(外周凸部110と内周凸部120)が設けられている。従って、外周側で摺動する用途、及び内周側で摺動する用途のいずれにも適用可能である。つまり、上記のように、軸200の装着溝210に装着させて、ハウジング300の軸孔の内周面に対して外周凸部110を摺動させる用途に用いることができるだけでなく、ハウジングの軸孔の内周に設けられた環状の装着溝に装着させて、軸の外周面に内周凸部120を摺動させる用途にも用いることができる。
図7〜図10を参照して、本実施例に係る密封装置100の製造方法について説明する。本実施例に係る製造方法においては、一つ一つの密封装置を個別に成形するのではなく、成形体を成形した後に、この成形体に対して突切りを行うことで、一つの成形体から複数の密封装置が得られるようにしている。以下、成形工程と突切り工程について説明する。
図7〜図9を参照して、成形工程について説明する。図7は本発明の実施例1に係る密封装置の成形工程説明図であり、図8は本発明の実施例1に係る成形工程に用いる金型の模式的断面図である。なお、図7においては、成形装置全体を断面的(縦に切断した断面)にて示しており、図8においては金型の横断面を示している。また、図9は本発明の実施例1に係る成形工程によって得られる成形体の一部破断断面図である。
図10を参照して、突切り工程について説明する。図10は本発明の実施例1に係る突切り工程説明図である。
本実施例に係る密封装置100の製造方法によれば、筒状の成形体100aに対して突切りを行うことにより、一つの成形体100aから複数の密封装置100を得ることができる。従って、一つ一つの密封装置を個別に成形する場合に比べて、生産効率を高めることができる。また、突切りの際には、成形体100aにおける外周側の各円筒面部130における軸線方向の中心位置に沿ってそれぞれ突切りを行えば良いので、位置決めが容易であり、突切りを行う位置の精度を高くできる。従って、内周側に環状の内周凸部120が必要な密封装置100の場合であっても、内周凸部120の位置を確認する必要がないため、突切りを行う位置の精度を高くできる。なお、本実施例においては、外周凸部110の両側に備えられる円筒面部111,112の軸線方向の長さ、及び内周凸部120の両側に備えられる円筒面部121,122の軸線方向の長さを同一寸法に設定している。そのため、円筒面部130における軸線方向の中心位置に沿ってそれぞれ突切りを行う場合を示したが、同一寸法に設定しない場合には、中心位置からずれた位置に突切りを行うことは言うまでもない。
図11には、本発明の実施例2が示されている。上記実施例1においては、密封装置における外周凸部と内周凸部の突出高さを等しくしていたのに対し、本実施例においては、密封装置の外周凸部の突出高さの方が内周凸部の突出高さよりも高く設定した場合の構成を示す。
同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。また、密封装置の製造方法についても、上記実施例1の場合と同一であるので、その説明は省略する。
図12には、本発明の参考例1が示されている。上記実施例1においては、密封装置における外周凸部と内周凸部の突出高さを等しくしていたのに対し、本参考例においては、密封装置の内周凸部の突出高さの方が外周凸部の突出高さよりも高く設定した場合の構成を示す。
ある。本参考例に係る密封装置100においては、内周凸部120Xaの突出高さを高めに設定し、外周凸部110Xaの突出高さを低めに設定している。より具体的には、内周凸部120Xaの突出高さ(円筒面部121,122からの突出高さ)は0.4mm以上0.8mm以下、外周凸部110Xaの突出高さ(円筒面部111,112からの突出高さ)は0.1mm以上0.3mm以下の範囲で設定される。
図13には、本発明の実施例3が示されている。上記実施例1においては、密封装置における外周凸部と内周凸部の突出高さを等しくしていたのに対し、本実施例においては、密封装置の外周凸部の突出高さの方が内周凸部の突出高さよりも高く設定し、かつ内周凸部の先端を円筒面とした場合の構成を示す。
図14には、本発明の参考例2が示されている。上記実施例1においては、密封装置における外周凸部と内周凸部の突出高さを等しくしていたのに対し、本実施例においては、密封装置の内周凸部の突出高さの方が外周凸部の突出高さよりも高く設定し、かつ外周凸部の先端を円筒面とした場合の構成を示す。
上記成形工程においては、射出成形を行う場合を示したが、成形体100aは他の成形方法を用いて成形してもよい。例えば、圧縮成形によって、成形体100aを成形することもできる。なお、圧縮成形は、開いている金型内のキャビティに成形材料を入れて型を閉じ、一定時間、高圧のもとに加熱して、型内の材料を硬化させた後に、型を開いて成形品を取り出す成形方法である。また、各実施例における密封装置100自体の効果は、一つ一つの密封装置100を個別に成形した場合でも得ることができる。
100a 成形体
110,110X,110Xa,110Y,110Ya 外周凸部
111,112 円筒面部
120,120X,120Xa,120Y,120Ya 内周凸部
121,122 円筒面部
130 円筒面部
140 円筒面部
150 生地
200 軸
210 装着溝
300 ハウジング
310 軸孔
500 スクリュー式射出成形機
510 射出機構
520 金型機構
521 中型
522 外型
523 下型
610 回転機構
620 突切りバイト
C キャビティ
S 環状隙間
Claims (1)
- 相対的に往復移動自在に構成された2部材のうちの一方の部材に設けられた環状の装着溝に装着されて、これら2部材間の環状隙間を封止するゴム状弾性体製の密封装置において、
外周側には、環状の外周凸部と、該外周凸部の両側に備えられる円筒面部とが設けられ、
内周側には、環状の内周凸部と、該内周凸部の両側に備えられる円筒面部とが設けられていると共に、
前記外周凸部と内周凸部の断面の形状寸法は同一となるように設計されており、前記外周凸部の突出高さ、及び前記内周凸部の突出高さは0.2mm以上0.4mm以下の範囲で設定されることを特徴とする密封装置。
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