JP5895539B2 - 蒸着マスク - Google Patents

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Description

本発明は、蒸着マスクに関する。
従来、有機EL素子の製造において、有機EL素子の有機層或いはカソード電極の形成には、例えば、蒸着すべき領域に多数の微細なスリットを微小間隔で平行に配列してなる金属マスク(蒸着マスク)が使用されていた。この金属マスクを用いる場合、蒸着すべき基板表面に単に金属マスクを載置し、裏面から磁石を用いて保持させているが、スリットの剛性は極めて小さいことから、金属マスクを基板表面に保持する際にスリットにゆがみが生じやすく、高精細化或いはスリット長さが大となる製品の大型化の障害となっていた。
スリットのゆがみを防止するための蒸着マスクについては、種々の検討がなされており、例えば、特許文献1には、複数の開口部を備えた第一金属マスクを兼ねるベースプレートと、前記開口部を覆う領域に多数の微細なスリットを備えた第二金属マスクと、第二金属マスクをスリットの長手方向に引っ張った状態でベースプレート上に位置させるマスク引張保持手段を備えた蒸着マスクが提案されている。この蒸着マスクによれば、スリットにゆがみを生じさせることなくスリット精度を確保できるとされている。
ところで近時、有機EL素子を用いた製品の大型化或いは基板サイズの大型化にともない、蒸着マスクに対しても大型化の要請が高まりつつある。しかしながら、現在の金属加工技術では、大型の金属板に微細パターンを精度よく形成することは困難であり、たとえ上記特許文献1に提案されている方法などによってスリット部のゆがみを防止できたとしても、高精細化への対応はできない。また、開口パターンを備える金属マスクを単独で、或いは開口パターンを備える金属マスクとスリットを備える金属マスクを組み合わせた蒸着マスクとした場合には、大型化に伴いその質量も増大し、フレームを含めた総質量も増大することから取り扱いに支障をきたすこととなる。
またさらに、通常蒸着マスクはフレームに固定された状態で使用されるところ、蒸着マスクを大型化していった場合には、フレームと蒸着マスクの位置合わせを精度よく行うことができないといった問題も生じうる。
特開2003−332057号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができる蒸着マスクを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、蒸着マスクであって、前記蒸着マスクは、スリットが設けられた金属マスクと、粘着剤層と、蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数列配置された樹脂マスクとが、この順で積層された構成をとり、前記蒸着マスクは、フレーム上に固定して用いられるものであり、1つの前記スリットは、複数の前記開口部と重なっており、前記粘着剤層が、前記金属マスク又は前記樹脂マスクから剥離可能な粘着剤層であることを特徴とする。
また、一実施形態の蒸着マスクは、スリットが設けられた金属マスクと、粘着剤層と、蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数列配置された樹脂マスクとが、この順で積層された構成をとり、前記粘着剤層が、前記金属マスク又は前記樹脂マスクから剥離可能な粘着剤層であることを特徴とする。
また、前記粘着剤層と前記樹脂マスクとの粘着性が、前記粘着剤層と前記金属マスクとの粘着性よりも高くてもよい。
また、前記金属マスクが、磁性体であってもよい。また、前記開口部の断面形状が、蒸着源方向に向かって広がりをもっていてもよい。また、前記樹脂マスクの前記開口部を形成する端面にバリア層が設けられていてもよい。また、前記樹脂マスクの厚みが5μm〜25μmであってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、フレーム上に蒸着マスクが固定されてなる蒸着マスク装置であって、前記蒸着マスクが、スリットが設けられた金属マスクと、粘着剤層と、蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数列配置された樹脂マスクとが、この順で積層された構成をとり、1つの前記スリットは、複数の前記開口部と重なっており、前記粘着剤層が、前記金属マスク又は前記樹脂マスクから剥離可能な粘着剤層であることを特徴とする。
本発明の蒸着マスクによれば、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができる。さらに本発明の蒸着マスクによれば、樹脂マスクから金属マスクを剥離することで金属マスクを再使用することができる。
本発明の一例を示す蒸着マスクの金属マスクと樹脂マスクを分解して示す概略斜視図であり、(a)は金属マスクの概略斜視図であり、(b)は樹脂マスクの概略斜視図である。 (a)は本発明の一例を示す蒸着マスクの金属マスク側から見た正面図であり、(b)は本発明の一例を示す蒸着マスクを示す概略断面図である。 本発明の蒸着マスク100の拡大断面図である。 (a)は樹脂マスクの別の態様の斜視図であり、(b)はその断面図である。 本発明の蒸着マスク100の別の態様を示す正面図である。
以下に、本発明の蒸着マスク100について図面を用いて具体的に説明する。
図1(a)は、本発明の一例を示す蒸着マスクを構成する金属マスクの概略斜視図であり、図1(b)は、本発明の一例を示す蒸着マスクを構成する樹脂マスクの概略斜視図である。図2(a)は、本発明の一例を示す蒸着マスクの金属マスク側から見た正面図であり、図2(b)本発明の一例を示す蒸着マスクを示す概略断面図である。図3は、本発明の蒸着マスク100の拡大断面図である。なお、図1〜3ともに、金属マスクの設けられたスリットおよび蒸着マスクに設けられた開口部を強調するため、全体に対する比率を大きく記載してある。
図1、2に示すように、本発明の蒸着マスク100は、スリット15が設けられた金属マスク10と、粘着剤層30と、蒸着作製するパターンに対応した開口部25が縦横に複数列配置された樹脂マスク20が積層された構成をとる。以下、それぞれについて具体的に説明する。
(樹脂マスク)
樹脂マスク20は、樹脂から構成され、図1、2に示すように、蒸着作製するパターンに対応した開口部25が縦横に複数列配置されている。なお、本願明細書において蒸着作製するパターンとは、当該蒸着マスクを用いて作製しようとするパターンを意味し、例えば、当該蒸着マスクを有機EL素子の有機層の形成に用いる場合には、当該有機層の形状である。
樹脂マスク20は、従来公知の樹脂材料を適宜選択して用いることができ、その材料について特に限定されないが、レーザー加工等によって高精細な開口部25の形成が可能であり、熱や経時での寸法変化率や吸湿率が小さく、軽量な材料を用いることが好ましい。このような材料としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セロファン、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。上記に例示した材料の中でも、その熱膨張係数が16ppm/℃以下である樹脂材料が好ましく、吸湿率が1.0%以下である樹脂材料が好ましく、この双方の条件を備える樹脂材料が特に好ましい。
樹脂マスク20の厚みについても特に限定はないが、本発明の蒸着マスク100を用いて蒸着を行ったときに、蒸着作成するパターンに不充分な蒸着部分、つまり目的とする蒸着膜厚よりも薄い膜厚となる蒸着部分、所謂シャドウが生じることを防止するためには、樹脂マスク20は可能な限り薄いことが好ましい。しかしながら、樹脂マスク20の厚みが5μm未満である場合には、ピンホール等の欠陥が生じやすく、また変形等のリスクが高まる。一方で、25μmを超えるとシャドウの発生が生じ得る。この点を考慮すると樹脂マスク20の厚みは5μm以上25μm以下であることが好ましい。樹脂マスク20の厚みをこの範囲内とすることで、ピンホール等の欠陥や変形等のリスクを低減でき、かつシャドウの発生を効果的に防止することができる。
開口部25の形状、大きさについて特に限定はなく、蒸着作製するパターンに対応する形状、大きさであればよい。また、図2(a)に示すように、隣接する開口部25の横方向のピッチP1や、縦方向のピッチP2についても蒸着作製するパターンに応じて適宜設定することができる。
開口部25の断面形状についても特に限定はなく、開口部25を形成する樹脂マスクの向かいあう端面同士が略平行であってもよいが、図2(b)や図3に示すように、開口部25はその断面形状が、蒸着源に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。換言すれば、金属マスク10側に向かって広がりをもつテーパー面を有していることが好ましい。開口部25の断面形状を当該構成とすることにより、本発明の蒸着マスクを用いて蒸着を行ったときに、蒸着作成するパターンにシャドウが生じることを防止することができる。テーパー角θについては、樹脂マスク20の厚み等を考慮して適宜設定することができるが、樹脂マスクの開口部における下底先端と、同じく樹脂マスクの開口部における上底先端を結んだ角度(θ)が25°〜65°の範囲内であることが好ましい。特には、この範囲内の中でも、使用する蒸着機の蒸着角度よりも小さい角度であることが好ましい。さらに、図2(b)や図3にあっては、開口部25を形成する端面25aは直線形状を呈しているが、これに限定されることはなく、外に凸の湾曲形状となっている、つまり開口部25の全体の形状がお椀形状となっていてもよい。
樹脂マスク20は、樹脂材料が用いられることから、従来の金属加工に用いられる加工法、例えば、エッチングや切削等の加工方法によらず、開口部25の形成が可能である。つまり、開口部25の形成方法について特に限定されることなく、各種の加工方法、例えば、高精細な開口部25の形成が可能なレーザー加工法や、精密プレス加工、フォトリソ加工等を用いて開口部25を形成することができる。
また、本発明では、蒸着マスク100の構成として樹脂マスク20が用いられることから、この蒸着マスク100を用いて蒸着を行ったときに、樹脂マスク20の開口部25には非常に高い熱が加わり、樹脂マスク20の開口部25を形成する端面25a(図3参照)から、ガスが発生し、蒸着装置内の真空度を低下させる等のおそれが生じ得る。したがって、この点を考慮すると、図3に示すように、樹脂マスク20の開口部25を形成する端面25aには、バリア層26が設けられていることが好ましい。バリア層26を形成することで、樹脂マスク20の開口部25を形成する端面25aからガスが発生することを防止できる。
バリア層26は、無機酸化物や無機窒化物、金属の薄膜層または蒸着層を用いることができる。無機酸化物としては、アルミニウムやケイ素、インジウム、スズ、マグネシウムの酸化物を用いることができ、金属としてはアルミニウム等を用いることができる。バリア層26の厚みは、0.05μm〜1μm程度であることが好ましい。
さらに、バリア層は、樹脂マスク20の蒸着源側表面を覆っていることが好ましい。樹脂マスク20の蒸着源側表面をバリア層26で覆うことによりバリア性が更に向上する。バリア層は、無機酸化物、および無機窒化物の場合は各種PVD法、CVD法によって形成することが好ましい。金属の場合は、真空蒸着法によって形成することが好ましい。なお、ここでいうところの樹脂マスク20の蒸着源側表面とは、樹脂マスク20の蒸着源側の表面の全体であってもよく、樹脂マスク20の蒸着源側の表面において金属マスクから露出している部分のみであってもよい。
図4(a)は樹脂マスクの別の態様の斜視図であり、(b)はその断面図である。
図4に示すように、樹脂マスク20上には、樹脂マスク20の縦方向、或いは横方向(図4の場合は縦方向)にのびる溝28が形成されていることが好ましい。蒸着時に熱が加わった場合、樹脂マスク20が熱膨張し、これにより開口部25の寸法や位置に変化が生じる可能性があるが、当該溝28を形成することで樹脂マスクの膨張を吸収することができ、樹脂マスクの各所で生じる熱膨張が累積することにより樹脂マスク20が全体として所定の方向に膨張して開口部25の寸法や位置が変化することを防止することができる。
なお、図4では、開口部25の間に縦方向に延びる溝28が形成されているが、これに限定されることはなく、開口部25の間に横方向に延びる溝を形成してもよい。さらには、開口部25の間に限定されることはなく、開口部25と重なる位置に溝を形成してもよい。さらには、これらを組み合わせた態様で溝を形成することも可能である。
溝28の深さやその幅については特に限定はないが、溝28の深さが深すぎる場合や、幅が広すぎる場合には、樹脂マスク20の剛性が低下する傾向にあることから、この点を考慮して設定することが必要である。また、溝の断面形状についても特に限定されることはなくU字形状やV字形状など、加工方法などを考慮して任意に選択すればよい。また溝28は、貫通を選択してもよい。
(粘着剤層)
本発明の蒸着マスク100は、金属マスク10と樹脂マスク20とを組み合わせて用いられるが、金属マスク10と比較して樹脂マスク20はその寿命が短い。換言すれば劣化の速度が速い。このとき、樹脂マスク20から金属マスク10を剥離できない場合には、樹脂マスク20とともに金属マスク10も併せて交換する必要がある。
この点を考慮した本発明の蒸着マスク100は、図1(b)、図2(b)に示すように、金属マスク10と樹脂マスク20との間には、金属マスク10又は樹脂マスク20から剥離可能な粘着剤層30(図1(b)の場合は斜線部)が設けられている。このような粘着剤層30を介して、金属マスク10と樹脂マスク20とを粘着、換言すれば密着させることによって、樹脂マスク20が劣化等により使用できなくなった場合であっても、金属マスク10を樹脂マスク20から剥離させ、金属マスク10のみを再利用することができる。
なお、本願明細書中において、金属マスク10又は樹脂マスク20から剥離可能な粘着剤層30とは、所定の条件によって粘着剤層30と金属マスク10、又は粘着剤層30と樹脂マスク20との粘着力を弱めた後に、手作業で剥離できる粘着剤層30を意味する。
粘着剤層30は、金属マスク10と樹脂マスク20とを粘着させる機能を有するとともに、所定の条件によって粘着剤層30と金属マスク10、又は粘着剤層30と樹脂マスク20との粘着力が弱まり、樹脂マスク20から金属マスク10を剥離できる機能を有するものであればよく、この条件を具備するものであれば粘着剤層30はいかなるものであってもよい。
粘着剤層30の材料としては、紫外線を照射することで粘着力が弱まる材料、所定以上の温度負荷によって粘着力が弱まる材料、所定の温度以下まで冷却することで粘着力が弱まる材料、特定の溶剤に浸漬させることにより粘着力が弱まる材料等を使用することができる。紫外線を照射することで粘着力が弱まる材料としては、例えば、UV剥離シート等を挙げることができる。また、所定以上の温度負荷によって粘着力が弱まる材料としては、例えば、ワックス、感温性粘着シート等を挙げることができる。なお、粘着剤層30の材料としていずれの材料を用いるにせよ、その材料は、蒸着時の温度で粘着力が変化しない、或いは殆ど変化しないものを使用する必要がある。特に、所定以上の温度負荷によって粘着力が弱まる材料を用いる場合には、蒸着時の温度で粘着力が弱まらないものを使用する必要がある。例えば、ワックスを用いる場合には、該ワックスは蒸着時の温度以上の融点を有していることが必要である。
また、これ以外にも、天然ゴム系の粘着剤等も使用可能である。これらの天然ゴム系の粘着剤は、加圧処理を行うことで粘着性を発現させることができ、粘着後には粘着部分を手で剥離することができる。
樹脂マスク20から金属マスク10を剥離するときに、粘着剤層30は、樹脂マスク20側、金属マスク10側のどちらに移行してもよいが、粘着剤層30は樹脂マスク20側に移行することが好ましい。この点を考慮すると、粘着剤層30と樹脂マスク20との粘着力は、粘着剤層30と金属マスク10との粘着力よりも高いことが好ましい。換言すれば、樹脂マスク20から金属マスク10を剥離するときに、粘着剤層30は樹脂マスク20側に移行することが好ましい。粘着力をこの関係となるように調整することで、樹脂マスク20から剥離後の金属マスク10に粘着剤層30が付着することを防止でき、粘着剤30を除去する工程を経ることなく、金属マスクを再利用することができる。粘着力の調整は、選択される粘着剤層の材料に対する、金属マスクの材料、及び樹脂マスクの材料によって決定され、上記の関係となるように金属マスクの材料、及び樹脂マスクの材料を選定することでたりる。
粘着剤層30の形成方法としては、上記の機能を有する材料を適当な溶媒に分散或いは溶解した塗工液を調製し、これを金属マスク10或いは樹脂マスク20上に塗工することで形成することができる。
また、シート状の粘着剤を用いて粘着剤層30を形成することもできる。この場合には、樹脂板にシート状の粘着剤を貼りあわせた後に、スリット15が設けられた金属マスク10と重ね合わせ、樹脂板と金属マスク10とを粘着させた後に、金属マスク10側からスリット15を通してレーザー等を照射し、樹脂板とともにシート状の粘着剤に、樹脂板に蒸着作製するパターンに対応した開口部25を縦横に複数列形成することで粘着剤層30を形成することができる。
粘着剤層30の形成位置について特に限定はなく、金属マスク10のスリット15が設けられていない領域、或いは樹脂マスク20の開口部25が設けられていない領域の一部に設けられていてもよく、全部に設けられていてもよい。例えば、金属マスク10と樹脂マスク20の外周部に粘着剤層30が設けられていてもよく、図1(b)に示すように、樹脂マスク20の開口部25を除く全領域に粘着剤層30が設けられていてもよい。また、金属マスク10の樹脂マスク20と対向する面のうち、スリット15を除く全領域に粘着剤層30が設けられていてもよい。
粘着剤層30の厚みについて特に限定はないが、粘着剤層30の厚みが20μmよりも厚い場合には、金属マスク10や樹脂マスク20の厚みによっては、シャドウの発生が生じ得るため好ましくない。したがって、この点を考慮すると、粘着剤層30の厚みは20μm以下であることが好ましい。粘着剤層30の厚みの下限値については、所望の密着性を得ることができる厚みであればよい。
(金属マスク)
金属マスク10は、金属から構成され、該金属マスク10の正面からみたときに、樹脂マスク20に配置された全ての開口部25がみえる位置に、縦方向或いは横方向に延びるスリット15が複数列配置されている。なお、図1、2では、金属マスク10の縦方向に延びるスリット15が横方向に連続して配置されている。
スリット15の幅Wについて特に限定はないが、少なくとも隣接する開口部25間のピッチよりも短くなるように設計することが好ましい。具体的には、図2(a)に示すように、スリット15が縦方向に延びる場合には、スリット15の横方向の幅Wは、横方向に隣接する開口部25のピッチP1よりも短くすることが好ましい。同様に、図示はしないが、スリット15が横方向に伸びている場合には、スリット15の縦方向の幅は、縦方向に隣接する開口部25のピッチP2よりも短くすることが好ましい。一方で、スリット15が縦方向に延びる場合の縦方向の長さLについては、特に限定されることはなく、金属マスク10の縦の長さおよび樹脂マスク20に設けられている開口部25の位置に応じて適宜設計すればよい。
金属マスク10に形成されるスリット15の断面形状についても特に限定されることはないが、上記樹脂マスク20における開口部25と同様、図3に示すように、蒸着源に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。
金属マスク10の材料について特に限定はなく、蒸着マスクの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができ、例えば、ステンレス鋼、鉄ニッケル合金、アルミニウム合金などの金属材料を挙げることができる。中でも、鉄ニッケル合金であるインバー材は熱による変形が少ないので好適に用いることができる。
また、本発明の蒸着マスク100を用いて、基板上へ蒸着を行うにあたり、基板後方に磁石等を配置して基板前方の蒸着マスク100を磁力によって引きつけることが必要な場合には、金属マスク10を磁性体で形成することが好ましい。磁性体の金属マスク10としては、純鉄、炭素鋼、W鋼、Cr鋼、Co鋼、KS鋼、MK鋼、NKS鋼、Cunico鋼、Al−Fe合金等を挙げることができる。また、金属マスク10を形成する材料そのものが磁性体でない場合には、当該材料に上記磁性体の粉末を分散させることにより金属マスク10に磁性を付与してもよい。
金属マスク10の厚みについても特に限定はないが、5μm〜100μm程度であることが好ましい。蒸着時におけるシャドウの防止を考慮した場合、金属マスク10の厚さは薄い方が好ましいが、5μmより薄くした場合、破断や変形のリスクが高まるとともにハンドリングが困難となる可能性がある。ただし、本発明では、金属マスク10は樹脂マスク20と一体化されていることから、金属マスク10の厚さが5μmと非常に薄い場合であっても、破断や変形のリスクを低減させることができ、5μm以上であれば使用可能である。なお、100μmより厚くした場合には、シャドウの発生が生じ得るため好ましくない。
図5は、本発明の蒸着マスク100の別の態様を示す正面図である。
図5に示すように、蒸着マスク100の金属マスク10側から見た正面図において、金属マスクのスリット15から見える樹脂マスク20に形成された開口部25を横方向に互い違いに配置してもよい。つまり、横方向に隣り合う開口部25を縦方向にずらして配置してもよい。このように配置することにより、樹脂マスク20が熱膨張した場合にあっても、各所において生じる膨張を開口部25によって吸収することができ、膨張が累積して大きな変形が生じることを防止することができる。
また、図5に示すように、樹脂マスク20に形成する開口部25は、1画素に対応させる必要はなく、例えば2画素〜10画素をまとめて一つの開口部25としてもよい。
金属マスク10の形成方法としては、例えば、上記金属マスク10で例示した材料を含む金属板を用意し、その両面にレジスト材を塗工する。用いるレジスト材としては処理性が良く、所望の解像性があるものを用いる。その後、スリットパターンが形成されたマスクでレジスト材をマスキングし、密着露光により露光し、現像して、金属板の両面にレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンを耐エッチングマスクとして用いて2段エッチング法によりエッチング加工する。なお、2段エッチング法とは、金属板の両面にレジストパターンを形成し、片面側からのエッチングを行った後、形成された貫通していない凹部に耐エッチング性の樹脂、いわゆるバッキング材を充填し、その後に他面側からエッチングを行うことで貫通孔を形成する加工方法である。本方法においては、当該2段エッチング法ではなく、両面から同時にエッチングを行う方法を採用しても良いが、加工精度の観点からは2段エッチング法を用いることが好ましい。エッチングが終了したら、レジストパターンを洗浄除去する。これにより、金属板に所望のスリットが形成された金属マスク10を得ることができる。
(蒸着マスクの形成方法)
次に、本発明の蒸着マスク100の形成方法の一例について説明する。なお、本発明の蒸着マスクはこの例に何ら限定されるものではない。
まず、樹脂板上に、粘着剤層の材料を適当な溶媒に分散或いは溶解した塗工液を調製し、これを従来公知の塗工方法を用いて塗工する。或いは、樹脂板上に、シート状の粘着剤を貼り合わせる。なお、粘着剤の材料及びシート状の粘着剤は、上記で説明した、金属マスク10と樹脂マスク20とを粘着させる機能を有するとともに、所定の条件によって粘着剤層と金属マスク10、又は粘着剤層30と樹脂マスク20との粘着力が弱まる機能を有するものである。
次いで、塗工液が塗工された樹脂板、或いはシート状の粘着剤が貼り合わされた樹脂板上に、スリット15が設けられた金属マスク10を貼り合わせる。スリット15が設けられた金属マスク10は、上記で説明したものをそのまま使用することができ、ここでの説明は省略する。
次いで、金属マスク10側からスリット15を通してレーザーを照射し、樹脂板に蒸着作製するパターンに対応した開口部25を縦横に複数列形成し、樹脂マスク20とする。ここで用いるレーザー装置については特に限定されることはなく、従来公知のレーザー装置を用いればよい。これにより、金属マスク10と樹脂マスク20が、粘着剤層30を介して積層された蒸着マスク100が形成される。
(蒸着マスク装置の製造方法)
次に、本発明の蒸着マスク100が、フレームに固定されてなる蒸着マスク装置の製造方法について説明する。
第1の方法としては、金属を含むフレーム上に、上記粘着剤の塗工液が塗工され、或いはシート状の粘着剤が設けられた樹脂板が張り合わされた金属マスクを固定した後に、金属マスク10側からスリット15を通してレーザーを照射し、樹脂板に蒸着作製するパターンに対応した開口部25を縦横に複数列形成する方法を挙げることができる。固定方法としては、例えばスポット溶接など従来公知の工程方法を適宜採用すればよい。
第2の方法としては、金属を含むフレーム上に、スリット15が設けられた金属マスク10を固定し、フレーム上に固定された金属マスク10と、上記粘着剤が塗工され、或いはシート状の粘着剤が設けられた樹脂板とを貼りあわせた後に、金属マスク10側からスリット15を通してレーザーを照射し、樹脂板に蒸着作製するパターンに対応した開口部25を縦横に複数列形成する方法を挙げることができる。
いずれの方法も、蒸着マスク100を形成した後にフレームに固定するのではなく、フレームに固定された状態の樹脂板に対し、後から開口部25を設けて、フレームと蒸着マスクを一体形成しているので、フレームと蒸着マスクとの位置精度を格段に向上せしめることができる。
100…蒸着マスク
10…金属マスク
15…スリット
20…樹脂マスク
25…開口部
30…粘着剤層

Claims (7)

  1. 蒸着マスクであって、
    前記蒸着マスクは、スリットが設けられた金属マスクと、粘着剤層と、蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数列配置された樹脂マスクとが、この順で積層された構成をとり、
    前記蒸着マスクは、フレーム上に固定して用いられるものであり、
    1つの前記スリットは、複数の前記開口部と重なっており、
    前記粘着剤層が、前記金属マスク又は前記樹脂マスクから剥離可能な粘着剤層であることを特徴とする蒸着マスク。
  2. 前記粘着剤層と前記樹脂マスクとの粘着性が、前記粘着剤層と前記金属マスクとの粘着性よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の蒸着マスク。
  3. 前記金属マスクが、磁性体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸着マスク。
  4. 前記開口部の断面形状が、蒸着源方向に向かって広がりをもつことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の蒸着マスク。
  5. 前記樹脂マスクの前記開口部を形成する端面にバリア層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の蒸着マスク。
  6. 前記樹脂マスクの厚みが5μm〜25μmであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の蒸着マスク。
  7. フレーム上に蒸着マスクが固定されてなる蒸着マスク装置であって、
    前記蒸着マスクが、
    スリットが設けられた金属マスクと、粘着剤層と、蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数列配置された樹脂マスクとが、この順で積層された構成をとり、
    1つの前記スリットは、複数の前記開口部と重なっており、
    前記粘着剤層が、前記金属マスク又は前記樹脂マスクから剥離可能な粘着剤層であることを特徴とする蒸着マスク装置。
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