JP6252668B2 - 蒸着マスクの製造方法 - Google Patents

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本発明は、蒸着マスクの製造方法に関する。
従来、有機EL素子の製造において、有機EL素子の有機層或いはカソード電極の形成には、例えば、蒸着すべき領域に多数の微細なスリットを微小間隔で平行に配列してなる金属マスク(蒸着マスク)が使用されていた。この金属マスクを用いる場合、蒸着すべき基板表面に単に金属マスクを載置し、裏面から磁石を用いて保持させているが、スリットの剛性は極めて小さいことから、金属マスクを基板表面に保持する際にスリットにゆがみが生じやすく、高精細化或いはスリット長さが大となる製品の大型化の障害となっていた。
スリットのゆがみを防止するための蒸着マスクについては、種々の検討がなされており、例えば、特許文献1には、複数の開口部を備えた第一金属マスクを兼ねるベースプレートと、前記開口部を覆う領域に多数の微細なスリットを備えた第二金属マスクと、第二金属マスクをスリットの長手方向に引っ張った状態でベースプレート上に位置させるマスク引張保持手段を備えた蒸着マスクが提案されている。この蒸着マスクによれば、スリットにゆがみを生じさせることなくスリット精度を確保できるとされている。
ところで近時、有機EL素子を用いた製品の大型化或いは基板サイズの大型化にともない、蒸着マスクに対しても大型化の要請が高まりつつある。しかしながら、現在の金属加工技術では、大型の金属板に微細パターンを精度よく形成することは困難であり、たとえ上記特許文献1に提案されている方法などによってスリット部のゆがみを防止できたとしても、高精細化への対応はできない。また、開口パターンを備える金属マスクを単独で、或いは開口パターンを備える金属マスクとスリットを備える金属マスクを組み合わせた蒸着マスクとした場合には、大型化に伴いその質量も増大し、フレームを含めた総質量も増大することから取り扱いに支障をきたすこととなる。
またさらに、通常蒸着マスクはフレームに固定された状態で使用されるところ、蒸着マスクを大型化していった場合には、フレームと蒸着マスクの位置合わせを精度よく行うことができないといった問題も生じうる。
特開2003−332057号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができ、さらにフレームに精度よく位置合わせすることができる蒸着マスクを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、フレームに取り付けられて用いられる蒸着マスクの製造方法であって、金属板の一方の面に樹脂板が設けられている樹脂板付き金属板を準備する工程と、前記樹脂板付き金属板における樹脂板が設けられていない面にレジスト材を塗工し、スリットパターンが形成されたマスクを用いて当該レジスト材をマスキングし
、露光、現像することで、金属板の表面にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンを第1の樹脂マスクとする工程と、当該第1の樹脂マスクを耐エッチングマスクとして用いて金属板のみをエッチング加工することで金属マスクを形成する工程と、前記第1
の樹脂マスクおよび前記金属マスクに形成されたスリットを通してレーザーを照射して、前記樹脂板に蒸着作製するパターンに応じた開口部を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、フレームに取り付けられて用いられる蒸着マスクの製造方法であって、金属板の一方の面に樹脂板が設けられている樹脂板付き金属板を準備する工程と、前記樹脂板付き金属板における樹脂板が設けられていない面にレジスト材を塗工し、スリットパターンが形成されたマスクを用いて当該レジスト材をマスキングし、露光、現像することで、金属板の表面にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンを耐エッチングマスクとして用いて金属板のみをエッチング加工することで金属マスクを形成する工程と、前記レジストパターンを洗浄除去し、当該レジストパターンが形成されていた側の金属マスクの表面に樹脂層を設ける工程と、前記樹脂層側からレーザーを照射して、前記樹脂層および前記樹脂板に蒸着作製するパターンに応じた開口部を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
また、一実施形態にかかる蒸着マスクは、フレームに取り付けられて用いられる蒸着マスクであって、所定の開口部が設けられた第1の樹脂マスクと、スリットが設けられた金属マスクと、蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数配置された第2の樹脂マスクと、がこの順で積層されてなり、前記金属マスクにおける一のスリットは、前記第2の樹脂マスクにおける複数の開口部と重なっていることを特徴とする。
また、前記の蒸着マスクにあっては、前記第1の樹脂マスクに設けられた開口部の形状が、前記金属マスクに設けられたスリットと同じ形状であってもよい。
また、前記金属マスクが、磁性体であってもよい。また、前記開口部の断面形状が、蒸着源方向に向かって広がりをもっていてもよい。また、前記樹脂マスクの前記開口部を形成する端面にバリア層が設けられていてもよい。また、前記樹脂マスクの厚みが5μm〜25μmであってもよい。
また、一実施形態にかかるフレーム付き蒸着マスクは、フレームに蒸着マスクが取り付けられたフレーム付き蒸着マスクであって、前記蒸着マスクが、所定の開口部が設けられた第1の樹脂マスクと、スリットが設けられた金属マスクと、蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数配置された第2の樹脂マスクと、がこの順で積層されてなり、前記金属マスクにおける一のスリットは、前記第2の樹脂マスクにおける複数の開口部と重なっていることを特徴とする。
本発明の蒸着マスクによれば、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができるとともに、フレームに対して精度よく位置合わせすることができる。
本発明の一例である蒸着マスクを構成する第1の樹脂マスク、金属マスク、および第2の樹脂マスクを分解して示す概略斜視図であり、(a)は第1の樹脂マスク、(b)は金属マスク、(c)は第2の樹脂マスクである。 (a)は、図1に示す本発明の蒸着マスクの金属マスク側から見た正面図であり、(b)図1に示す蒸着マスクの概略断面図である。 図1に示す蒸着マスクの拡大断面図である。 本発明の一例である蒸着マスクを構成する第1の樹脂マスク、金属マスク、および第2の樹脂マスクを分解して示す概略斜視図であり、(a)は第1の樹脂マスク、(b)は金属マスク、(c)は第2の樹脂マスクである。 本発明の蒸着マスクの第1の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の蒸着マスクの第2の製造方法を説明するための工程図である。
以下に、本発明の蒸着マスク100について図面を用いて具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一例である蒸着マスクを構成する第1の樹脂マスク、金属マスク、および第2の樹脂マスクを分解して示す概略斜視図であり、(a)は第1の樹脂マスク、(b)は金属マスク、(c)は第2の樹脂マスクである。図2(a)は、図1に示す本発明の蒸着マスクの金属マスク側から見た正面図であり、図2(b)図1に示す蒸着マスクの概略断面図である。図3は、図1に示す蒸着マスクの拡大断面図である。なお、図1〜3ともに、金属マスクの設けられたスリットおよび蒸着マスクに設けられた開口部を強調するため、全体に対する比率を大きく記載してある。
図1、2に示すように、本発明の蒸着マスク100は、所定の開口部としてのスリット35が設けられた第1の樹脂マスク30と、スリット15が設けられた金属マスク10と、蒸着作製するパターンに対応した開口部25が縦横に複数列配置された第2の樹脂マスク20と、がこの順で積層された構成をとる。以下、それぞれについて具体的に説明する。
(第2の樹脂マスク)
第2の樹脂マスク20は、樹脂から構成され、図1、2に示すように、蒸着作製するパターンに対応した開口部25が縦横に複数列配置されている。なお、本願明細書において蒸着作製するパターンとは、当該蒸着マスクを用いて作製しようとするパターンを意味し、例えば、当該蒸着マスクを有機EL素子の有機層の形成に用いる場合には、当該有機層の形状である。
第2の樹脂マスク20は、従来公知の樹脂材料を適宜選択して用いることができ、その材料について特に限定されないが、レーザー加工等によって高精細な開口部25の形成が可能であり、熱や経時での寸法変化率や吸湿率が小さく、軽量な材料を用いることが好ましい。このような材料としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セロファン、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。上記に例示した材料の中でも、その熱膨張係数が16ppm/℃以下である樹脂材料が好ましく、吸湿率が1.0%以下である樹脂材料が好ましく、この双方の条件を備える樹脂材料が特に好ましい。
第2の樹脂マスク20の厚みについても特に限定はないが、本発明の蒸着マスク100を用いて蒸着を行ったときに、蒸着作成するパターンに不充分な蒸着部分、つまり目的とする蒸着膜厚よりも薄い膜厚となる蒸着部分、所謂シャドウが生じることを防止するためには、第2の樹脂マスク20は可能な限り薄いことが好ましい。しかしながら、第2の樹脂マスク20の厚みが5μm未満である場合には、ピンホール等の欠陥が生じやすく、また変形等のリスクが高まる。一方で、25μmを超えるとシャドウの発生が生じ得る。この点を考慮すると第2の樹脂マスク20の厚みは5μm以上25μm以下であることが好
ましい。第2の樹脂マスク20の厚みをこの範囲内とすることで、ピンホール等の欠陥や変形等のリスクを低減でき、かつシャドウの発生を効果的に防止することができる。なお、本発明の蒸着マスクにおいて、金属マスク10と第2の樹脂マスク20とは、直接的に接合されていてもよく、粘着剤層を介して接合されていてもよいが、粘着剤層を介して金属マスク10と第2の樹脂マスク20とが接合される場合には、上記シャドウの点を考慮して、第2の樹脂マスク20と粘着剤層との合計の厚みが5μm〜25μmの範囲内となるように設定することが好ましい。
開口部25の形状、大きさについて特に限定はなく、蒸着作製するパターンに対応する形状、大きさであればよい。また、図2(a)に示すように、隣接する開口部25の横方向のピッチP1や、縦方向のピッチP2についても蒸着作製するパターンに応じて適宜設定することができる。
開口部25の断面形状についても特に限定はなく、開口部25を形成する樹脂マスクの向かいあう端面同士が略平行であってもよいが、図2(b)や図3に示すように、開口部25はその断面形状が、蒸着源に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。換言すれば、金属マスク10側に向かって広がりをもつテーパー面を有していることが好ましい。開口部25の断面形状を当該構成とすることにより、本発明の蒸着マスクを用いて蒸着を行ったときに、蒸着作成するパターンにシャドウが生じることを防止することができる。テーパー角θについては、第2の樹脂マスク20の厚み等を考慮して適宜設定することができるが、樹脂マスクの開口部における下底先端と、同じく樹脂マスクの開口部における上底先端を結んだ角度(θ)が25°〜65°の範囲内であることが好ましい。特には、この範囲内の中でも、使用する蒸着機の蒸着角度よりも小さい角度であることが好ましい。さらに、図3にあっては、開口部25を形成する端面25aは直線形状を呈しているが、これに限定されることはなく、外に凸の湾曲形状となっている、つまり開口部25の全体の形状がお椀形状となっていてもよい。
第2の樹脂マスク20は、樹脂材料が用いられることから、従来の金属加工に用いられる加工法、例えば、エッチングや切削等の加工方法によらず、開口部25の形成が可能である。つまり、開口部25の形成方法について特に限定されることなく、各種の加工方法、例えば、高精細な開口部25の形成が可能なレーザー加工法や、精密プレス加工、フォトリソ加工等を用いて開口部25を形成することができる。レーザー加工法によって開口部25を形成する方法については後述する。
また、本発明では、蒸着マスク100の構成として第2の樹脂マスク20が用いられることから、この蒸着マスク100を用いて蒸着を行ったときに、第2の樹脂マスク20の開口部25には非常に高い熱が加わり、第2の樹脂マスク20の開口部25を形成する端面25a(図3参照)から、ガスが発生し、蒸着装置内の真空度を低下させる等のおそれが生じ得る。したがって、この点を考慮すると、図3に示すように、第2の樹脂マスク20の開口部25を形成する端面25aには、バリア層26が設けられていることが好ましい。バリア層26を形成することで、第2の樹脂マスク20の開口部25を形成する端面25aからガスが発生することを防止できる。
バリア層26は、無機酸化物や無機窒化物、金属の薄膜層または蒸着層を用いることができる。無機酸化物としては、アルミニウムやケイ素、インジウム、スズ、マグネシウムの酸化物を用いることができ、金属としてはアルミニウム等を用いることができる。バリア層26の厚みは、0.05μm〜1μm程度であることが好ましい。
さらに、バリア層は、第2の樹脂マスク20の蒸着源側表面を覆っていることが好ましい。第2の樹脂マスク20の蒸着源側表面をバリア層26で覆うことによりバリア性が更
に向上する。バリア層は、無機酸化物、および無機窒化物の場合は各種PVD法、CVD法によって形成することが好ましい。金属の場合は、真空蒸着法によって形成することが好ましい。なお、ここでいうところの第2の樹脂マスク20の蒸着源側表面とは、第2の樹脂マスク20の蒸着源側の表面の全体であってもよく、第2の樹脂マスク20の蒸着源側の表面において金属マスクから露出している部分のみであってもよい。
(金属マスク)
金属マスク10は、金属から構成され、該金属マスク10の正面からみたときに、第2の樹脂マスク20に配置された全ての開口部25がみえる位置に、縦方向或いは横方向に延びるスリット15が複数列配置されている。なお、図1〜3では、金属マスク10の縦方向に延びるスリット15が横方向に連続して配置されている。
スリット15の幅Wについて特に限定はないが、少なくとも隣接する開口部25間のピッチよりも短くなるように設計することが好ましい。具体的には、図2(a)に示すように、スリット15が縦方向に延びる場合には、スリット15の横方向の幅Wは、横方向に隣接する開口部25のピッチP1よりも短くすることが好ましい。同様に、図示はしないが、スリット15が横方向に伸びている場合には、スリット15の縦方向の幅は、縦方向に隣接する開口部25のピッチP2よりも短くすることが好ましい。一方で、スリット15が縦方向に延びる場合の縦方向の長さLについては、特に限定されることはなく、金属マスク10の縦の長さおよび第2の樹脂マスク20に設けられている開口部25の位置に応じて適宜設計すればよい。
金属マスク10に形成されるスリット15の断面形状についても特に限定されることはないが、上記第2の樹脂マスク20における開口部25と同様、図3に示すように、蒸着源に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。
金属マスク10の材料について特に限定はなく、蒸着マスクの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができ、例えば、ステンレス鋼、鉄ニッケル合金、アルミニウム合金などの金属材料を挙げることができる。中でも、鉄ニッケル合金であるインバー材は熱による変形が少ないので好適に用いることができる。
また、本発明の蒸着マスク100を用いて、基板上へ蒸着を行うにあたり、基板後方に磁石等を配置して基板前方の蒸着マスク100を磁力によって引きつけることが必要な場合には、金属マスク10を磁性体で形成することが好ましい。磁性体の金属マスク10としては、純鉄、炭素鋼、W鋼、Cr鋼、Co鋼、KS鋼、MK鋼、NKS鋼、Cunico鋼、Al−Fe合金等を挙げることができる。また、金属マスク10を形成する材料そのものが磁性体でない場合には、当該材料に上記磁性体の粉末を分散させることにより金属マスク10に磁性を付与してもよい。
金属マスク10の厚みについても特に限定はないが、5μm〜100μm程度であることが好ましい。蒸着時におけるシャドウの防止を考慮した場合、金属マスク10の厚さは薄い方が好ましいが、5μmより薄くした場合、破断や変形のリスクが高まるとともにハンドリングが困難となる可能性がある。ただし、本発明では、金属マスク10は第2の樹脂マスク20と一体化されていることから、金属マスク10の厚さが5μmと非常に薄い場合であっても、破断や変形のリスクを低減させることができ、5μm以上であれば使用可能である。なお、100μmより厚くした場合には、シャドウの発生が生じ得るため好ましくない。
(第1の樹脂マスク)
第1の樹脂マスク30は、樹脂から構成されており、図1〜3に示すように、所定の開
口部として、前述した金属マスク10に設けられたスリット25と同様のスリット35が形成されている。
ここで、前記第2の樹脂マスクと金属マスクのみから蒸着マスクを形成した場合、外部環境によっては第2の樹脂マスクに膨張などの変形が生じ、蒸着マスク全体が反り返ってしまう虞があるところ、本願の蒸着マスクによれば、金属マスク10の、前記第2の樹脂マスク10が形成される面とは反対側に第1の樹脂マスク30が形成されているので、前記のような蒸着マスクの反り返りを防止することができる。したがって、フレームへの取り付けに際しても位置精度を格段に向上せしめることができる。
このような観点から、第1の樹脂マスクに設けられる所定の開口部35は、蒸着作製するパターン形状を律するためのものではなく、したがって当該開口部35は、前記第2の樹脂マスクに設けられた開口部25を塞がないように設けられていればよく、その形状は図1〜3に示すようなスリットに限定はされない。
また、第1の樹脂マスクを構成する樹脂にあっては、本発明は特に限定することはないが、上記の観点から前記第2の樹脂マスクを構成する樹脂と熱膨張係数が近似する樹脂を用いることが好ましい。第1の樹脂マスクの厚さについても本発明は特に限定することはないが、上記の観点から、第2の樹脂マスクの厚さと同程度とすることが好ましい。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の一例である蒸着マスクを構成する第1の樹脂マスク、金属マスク、および第2の樹脂マスクを分解して示す概略斜視図であり、(a)は第1の樹脂マスク、(b)は金属マスク、(c)は第2の樹脂マスクである。
図4に示すように、第2の実施形態にかかる蒸着マスク100における第1の樹脂マスク30には、所定の開口部として、第2の樹脂マスク20に設けられた開口部25と同様の開口部35が設けられている。前述したように第1の樹脂マスク30に設けられる開口部は、第2の樹脂マスク20に設けられた開口部25を塞がないような開口部であればよく、従って、図4に示すような形態とすることもできる。
(製造方法)
本発明においては、上記で説明した構成の蒸着マスクを製造することができる従来公知のいかなる製造方法も採用可能であるが、例えば以下の第1の製造方法や第2の製造方法により製造することが好ましい。
(第1の製造方法)
図5は、本発明の蒸着マスクの第1の製造方法を説明するための工程図である。なお(a)〜(e)はすべて断面図である。この方法によれば、前記第1の実施形態にかかる蒸着マスクを製造することができる。
図5(a)に示すように、金属板61の一方の面に樹脂板67が設けられている樹脂板付き金属板60を準備する。ここで、樹脂板付き金属板60の準備方法については特に限定することはなく、市販の樹脂板付き金属板60を購入してもよいし、金属板の表面に樹脂層を設けることで樹脂板付き金属板60としてもよい。なお、樹脂は成形の後ある程度の期間は経時変化を起こすため、形状が落ち着くまでの間、いわゆるエイジング期間を設ける必要があることが知られている。市販の樹脂板付き金属板60は、いわゆるエイジング期間が経過していると考えられるため、歩留まりの観点からは市販の樹脂板付き金属板を用いるのが好ましい。
次いで、前記樹脂板付き金属板60における金属板61に対し、当該金属板のみを貫通するスリットを形成することにより金属マスクを形成する。本方法におけるこの工程は特に限定されることはなく、所望のスリットを金属マスクのみに形成することができればいかなる工程であってもよい。なお、この樹脂板67が最終的には第2の樹脂マスクとなる。
図5(b)〜(d)は、第1の樹脂マスクおよび金属マスクを形成する工程の一例を示している。図5(b)に示すように、前記樹脂板付き金属板60の樹脂板67が設けられていない面にレジスト材62を塗工し、スリットパターンが形成されたマスク63を用いて当該レジスト材をマスキングし、露光、現像する。これにより、図5(c)に示すように、金属板67の表面にレジストパターン64を形成する。そして、当該レジストパターン64を耐エッチングマスクとして用いて、金属板60のみをエッチング加工する。これにより図5(d)に示すように、レジストパターン64がそのまま第1の樹脂マスク64となるとともに金属板67が金属マスク66となる。なお、レジスト材としては処理性が良く、所望の解像性があるものを用いることが好ましい。また、エッチング加工の際に用いるエッチング材については、特に限定されることはなく、公知のエッチング材を適宜選択すればよい。
次いで、金属マスク66側からスリット65を通してレーザーを照射し、前記樹脂板67に蒸着作製するパターンに対応した開口部69を縦横に複数列形成し、樹脂マスク70とする。ここで用いるレーザー装置については特に限定されることはなく、従来公知のレーザー装置を用いればよい。これにより、図5(e)に示すような、蒸着マスク80を得る。
(第2の製造方法)
図6は、本発明の蒸着マスクの第2の製造方法を説明するための工程図である。なお(a)〜(e)はすべて断面図である。この方法によれば、前記第2の実施形態にかかる蒸着マスクを製造することができる。
図6(a)に示すように、金属板61の一方の面に樹脂板67が設けられている樹脂板付き金属板60を準備する。これについては、第1の製造方法と同じなのでここでの説明を省略する。
次いで、前記樹脂板付き金属板60における金属板61に対し、当該金属板のみを貫通するスリットを形成することにより金属マスクを形成する。具体的には、図6(b)に示すように、前記樹脂板付き金属板60の樹脂板67が設けられていない面にレジスト材62を塗工し、スリットパターンが形成されたマスク63を用いて当該レジスト材をマスキングし、露光、現像する。これにより、図6(c)に示すように、金属板67の表面にレジストパターン64を形成する。そして、当該レジストパターン64を耐エッチングマスクとして用いて、金属板60のみをエッチング加工し、エッチング終了後に前記レジストパターンを洗浄除去する。これにより、図6(d)に示すように、金属板67のみにスリット65が形成された金属マスク66を得ることができる。
次いで、図6(e)に示すように、金属マスク66の表面、つまり図6(e)では上面側に、第1の樹脂マスクとなる樹脂層50を設ける。樹脂層50は、各種塗工法によって設けてもよく、また樹脂板を貼付などしてもよい。
次いで、前記樹脂層50側からスリット65を通してレーザーを照射し、前記樹脂層50および前記樹脂板67に蒸着作製するパターンに対応した開口部51および69を縦横に複数列形成し、樹脂マスク70とする。ここで用いるレーザー装置については特に限定
されることはなく、従来公知のレーザー装置を用いればよい。これにより、図5(e)に示すような、蒸着マスク80を得る。
100…蒸着マスク
10、66…金属マスク
15…スリット
20、70…第2の樹脂マスク
30…第1の樹脂マスク
25…開口部
61…金属板
62…レジスト材
64…レジストパターン
67…樹脂板
80…蒸着マスク

Claims (2)

  1. フレームに取り付けられて用いられる蒸着マスクの製造方法であって、
    金属板の一方の面に樹脂板が設けられている樹脂板付き金属板を準備する工程と、
    前記樹脂板付き金属板における樹脂板が設けられていない面に、スリットが設けられた 第1の樹脂マスクを形成する工程と、
    前記金属板にスリットを形成することで金属マスクを形成する工程と、
    前記樹脂板に蒸着作製するパターンに応じた開口部を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする蒸着マスクの製造方法。
  2. フレームに取り付けられて用いられる蒸着マスクの製造方法であって、
    金属板の一方の面に樹脂板が設けられている樹脂板付き金属板を準備する工程と、
    前記金属板にスリットを形成することで金属マスクを形成する工程と、
    前記金属マスクの前記樹脂板が形成されていない側の表面に樹脂層を設ける工程と、
    前記樹脂層および前記樹脂板に蒸着作製するパターンに応じた開口部を形成する工程と
    を含むことを特徴とする蒸着マスクの製造方法。

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