JP5894608B2 - マウスリンス組成物 - Google Patents

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Description

(発明の分野)
本発明は、食物酸または胃液などの内因性の酸によりもたらされる酸性媒体中での侵食性の歯牙の脱灰を処置または予防する際の、マウスリンスの使用に関する。
(発明の背景)
歯牙の脱灰を引き起こし得る酸には3つの主要な発生源がある。第1の発生源は、齲蝕原性の口腔細菌によって食物残渣から産生される酸である。これらの酸は、口腔細菌によって代謝される食物残渣の炭水化物から生じるカルボン酸である。このような酸は比較的弱いが、歯に対して長期間作用する。第2の発生源は、食品自体、特に果物、果汁または人工の清涼飲料もしくはサラダドレッシングに存在する外因性の食物酸である。第3の発生源は内因性の酸、特に塩酸を含む胃酸であり、この内因性の酸は、例えば過食症患者または逆流疾病患者での嘔吐の際に歯と接触し得る。後者の2つのタイプの酸は比較的強いが、歯に対しては短期間のみ作用する。後者の2つのタイプの酸が原因の歯牙の脱灰は「侵食性の歯牙の脱灰」と称され、齲蝕原性の口腔細菌とは関係しない。これまでに酸を含有する清涼飲料は消費者の間で人気が高くなったため、食物酸による侵食性の歯牙の脱灰の問題はより深刻なものとなり、今日では全人口のかなりの割合の人々がこの問題に悩んでいる。同様に、過食症になる患者(主に女性)の数が増加している。侵食性の歯牙の脱灰は、罹患した対象者にかなり長期間気づかれないため、したがって、病的状態はかなり遅い段階で診断されることが非常に多い。侵食性の歯牙の脱灰は、(齲蝕原性の細菌が原因の歯牙の脱灰とは対照的に)不可逆的であると考えられているため、第一はそれが生じることを予防することが最も重要であり、あるいは、それが既に生じている場合には、さらに進行することを妨げるか又はその進行を遅らせることが最も重要である。
フッ化物が、オーラルケア用品、例えば練歯磨剤、歯科用ジェルまたはマウスリンスで習慣的に用いられている。フッ化物イオンは、場合により第一スズイオンとの組合せで、例えばフッ化第一スズ(stannous fluoride)の形態で、侵食性の歯牙の脱灰を予防するのに有益であると長い間知られている。
キトサンは、オーラルケアで時々用いられ、または研究されている。GB2132889Aは、キチン誘導体、例えばキトサンを含有するオーラルケア製品を記載し、キチンまたはキトサンが、齲食、歯周組織崩壊症および口臭には治療または予防的に作用し得ること、ならびに、歯磨剤ではキトサン塩はシリカ研磨剤の味覚をマスクできると開示する。WO02/17868Aは、とりわけフッ化第一スズであってよい活性試薬と共に充填されたキトサンマイクロカプセルを含有する口腔および歯科衛生試薬を記載する。その組成物は、齲食、歯周症およびプラークに対して予防効果を有し、そして、抗炎症効果を有するとされる。WO03/042251Aは、ナノサイズの繊維の形態のキトサンを含むオーラルケア組成物などの組成物であって、フッ化発生源を含んでいてもよい組成物を開示する。これらの組成物は、一般的な歯肉および歯牙の健康を増進し、口臭および歯肉炎の処置に適切であり、歯牙の着色を低減し、抗齲食、抗プラークおよび抗歯石の利益を提供し、齲蝕原性の細菌を阻害し、そして、唾液微生物(salivary microorganisms)により産生される硫化水素および揮発性の臭気のある有機スルフィド化合物を妨げるとされる。キトサン自体に関し、キトサンはフィルム形成性およびpH緩衝作用能力を有するとされる。JP2006/241122Aは、オーラルケア組成物であってよく、グルコサミンおよび/またはキトサンオリゴ糖およびフッ化イオン発生源を含有する再石灰化促進成分を含む、組成物を開示する。「再石灰化」は、齲食病変の場合、連鎖球菌ムタンによってもたらされる。WO2008/121518Aは、好ましくはキトサンマイクロカプセルであってよく、そして、フッ化物発生源を含んでもよい歯磨剤に用いられ得る、ポリマーマイクロカプセルを開示する。そのカプセル剤は、第4級アンモニウム塩も含む。該組成物は、抗菌性であるとされる。最近、「Chitodent」と称される練歯磨剤が、ドイツ市場に登場した。その広告によれば、その練歯磨剤はキチン、キトサンおよび銀イオンを含むが、フッ化物を欠いている。Stamford Arnaud TM et al. J Dent 38(2010)848-852は、齲食関連の脱灰モデルであるpH4.0および4.8の酢酸バッファーにより脱灰されたヒトの歯試料におけるキトサンの再石灰化作用を研究した。Ganss C, Schluter S. Quintessenz 61(2010)1203-1210は、侵食性の歯牙の脱灰の指標に関する潜在的な新しい試薬を記述し、キトサンに言及するが「これまでのところ活性の証明は利用できない」と述べる。European Organization for Caries Research (ORCA, Montpellier, France, July 2010)の第57回会議で発表されたNeutard et al.によるポスターで、侵食性の歯牙の脱灰の予防における、フッ化物を含有する練歯磨剤の幾つか及び「特別なフッ化物なしのフッ化物・フリー練歯磨剤」(そのなかで、上記のChitodentがあった)の幾つかの活性が測定された。その著者は、「フッ化物を含まない調製物は有意な効果を示さなかった」および「特別な製剤は、通常の製品と比較して優れていないか、又は効果が低くさえあった」と結論した。
GB2132889A WO02/17868A WO03/042251A JP2006/241122A WO2008/121518A
Stamford Arnaud TM et al. J Dent 38(2010)848-852 Ganss C, Schluter S. Quintessenz 61(2010)1203-1210
本出願は、強力な食物酸または胃酸などの強力な内因性の酸が原因で生じる侵食性の歯牙の脱灰に対する新たな予防方法を提供することを目的とする。
(発明の概要)
設定される課題は、溶解キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩、および溶解フッ化物イオンを含み、さらに溶解スズを含む、侵食性の歯牙の脱灰に対して使用するためのマウスリンスにより解決される。
本発明のさらなる目的は以下のとおりである:
a)溶解キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩、および溶解フッ化物イオンを含有し、さらに溶解スズを含有するマウスリンス;および
b1)前記マウスリンスを含み、前記マウスリンスは侵食性の歯牙の脱灰に対して使用するためのものであることを開示するヒトが解読可能な指示書を保持する、容器;または
b2)容器を含むパッケージであって、前記容器は前記マウスリンスを含み、そして前記パッケージが前記マウスリンスは侵食性の歯牙の脱灰に対して使用するためのものであることを開示するヒトが解読可能な指示書を保持する、パッケージ、または
b3)容器およびリーフレットを含むパッケージであって、前記容器は前記マウスリンスを含み、そして前記リーフレットが前記マウスリンスは侵食性の歯牙の脱灰に対して使用するためのものであることを開示するヒトが解読可能な指示書を保持する、パッケージ、を含むキット。
侵食性の歯牙の脱灰の予防または侵食性の歯牙の脱灰に冒された歯牙の処置の必要のある対象における、侵食性の歯牙の脱灰の予防方法または侵食性の歯牙の脱灰に冒された歯牙の処置方法であって、前記対象の歯牙を、溶解キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩、および溶解フッ化物イオンを含有し、さらに溶解スズを含有するマウスリンスと接触させることを含む、方法。
侵食性の歯牙の脱灰の予防または処置における同時、個別および連続投与のための組合せとして、侵食性の歯牙の脱灰に対する試薬としてのフッ化物イオンおよびキトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩を含有し、さらに溶解スズを含有するオーラルケア商品であって、ただし、前記オーラルケア商品はマウスリンスを含み、そして前記フッ化物イオンまたは前記キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩が前記マウスリンスに溶解している、オーラルケア商品。
200〜2000ppm、好ましくは250〜1000ppmの溶解フッ化物イオン、0.05〜5%の溶解キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩、150〜1000ppmの溶解スズ、5〜20%のグリセロール、および0.3%〜5%のグルコナート(すべてマウスリンス基準である)を含有する、マウスリンス。
これら全ての目的の好ましい実施形態は、各従属形式の請求項にあり、以下に概略する。
本発明の適用可能な更なる領域は、以下に提供する詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すものであるが、例示のみを目的とすることを意図し、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
(詳細な説明)
以下の好ましい実施形態の記載は、事実上、単なる例示であり、本発明およびその適用もしくは用途を限定することを決して意図するものではない。
本発明は、第一の必須成分として、キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩を要する。キトサンは、例えば海生甲殻動物(例えばカニ、エビ、テナガエビ、オキアミ、ロブスター、ザリガニ、フジツボ、カイアシ)の殻、昆虫または真菌から得られるキチンから誘導されてもよい。キトサンは、好ましくは50%〜99%、さらに好ましくは70%〜95%、さらにより好ましくは75%〜90%の脱アセチル化(DDA)の程度を有してよい。キトサン試料のDDA(パーセント)は、実施例9で記載するように、滴定によって得ることができる。キトサンは、好ましくは、該キトサンの医薬上許容される酸付加塩を形成するために、その脱アセチル化されたアミノ基が医薬上許容される酸でプロトン化された形態であってよい。プロトン化の程度、すなわちプロトン化された脱アセチル化アミノ基のモル比率は、好ましくは、80モル%〜99モル%の範囲、さらに好ましくは90モル%〜95モル%の範囲である。医薬上許容される酸付加塩を形成するために用いることができる医薬上許容される酸は、ミネラル・ハロゲン化水素酸、例えば塩酸もしくはフッ化水素酸;ミネラル・オキソ酸、例えば硫酸もしくは硝酸;または有機カルボン酸を挙げることができる。キトサンまたはその医薬上許容される酸性付加塩は、好ましくは5000〜1000000ダルトンの範囲、より好ましくは5000〜500000ダルトンの範囲、特に好ましくは100000〜400000ダルトンの範囲の平均分子量を有する。この平均分子量および分子量分布は、例えばN−アセチル−D−グルコサミンオリゴマーおよびプルラン持続時間基準を用いるゲル浸透クロマトグラフィによる公知の方法で、または多角度光散乱(MALLS)検出器を用いることによって、測定することができる。
好ましくは、キトサンは、さらなる官能基、例えば親水性側鎖基もしくは荷電側鎖基、N−カルボキシメチル、N,N−ジカルボキシメチル、N−メチレンホスホン酸、Nメチル、N−モノカルボキシブチル、N,N−ジカルボキシブチル、5−メチルピロリジノンおよびN−トリメチルによってさらに化学的に修飾されていない。これは、非修飾キトサンと称される。
本発明は、第二の必須成分として、フッ化物イオンを要する。フッ化物イオンは、オーラルケア組成物に慣用されるいずれかフッ化物イオン発生源の形、例えばフッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化アミン(amine fluoride)またはフッ化水素酸で用いられ得る。
キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩およびフッ化物イオンは、「固定された」組合せとしてそれらを含有する単一のマウスリンスに溶解されていてよい。一方、それらは、別々のオーラルケア製剤に含められてよく、ここで、一方の製剤がキトサンおよび/またはその医薬上許容される塩を含み、他方のオーラルケア製剤がフッ化物を含み、但し、2つの薬剤のうち少なくとも1つの薬剤がマウスリンスに含められている。そのようなオーラルケア製剤キットを、以下では「オーラルケア商品」または省略して「商品」とも称し、同時投与、すなわち同一の対象が2つの製剤を同時に用いること、又は、個別投与、すなわち同一の対象が2つの製剤を、特定の用量レジメンに従うということではなく、独立に用いること、あるいは、連続投与、すなわち同一の対象が2つの製剤を1つの製剤の後に他方の製剤を用いること、特に、特定の用量レジメンに従って、特に1つの製剤の直後に他方の製剤を用いることを意図するものであってよい。
そのような商品の例示としては、液体、特に液体相を含有し、溶解キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩を含むマウスリンスを、第一のオーラルケア製剤として含み、そして、液体、好ましくは液体相に溶解されたフッ化物イオンを含有する練歯磨剤を第二の製剤として含む、キットがある。この例示のキットにおいて、該液体相に溶解することによって、マウスリンスにフッ化物を含め、キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩を練歯磨剤に含めることも可能であろう。これらの2つの形態のいずれか一方で、場合により及び好ましくは前述の溶解スズが存在してもよく、該スズはまた、好ましくはマウスリンスまたは練歯磨剤の液体相に溶解されている。これらのマウスリンス/練歯磨剤キットにおいて、練歯磨剤製剤は、好ましくは、1以上の研磨剤を含み得る。これらの研磨剤は、無機研磨剤、例えば沈降シリカ、アルミナ、不溶性の炭酸塩(例えば、カルボン酸カルシウム、リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム)、ゼオライトまたはピロリン酸第一スズ;または有機研磨剤、例えばポリエチレン、塩化ポリビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、(メタ)アクリルレートと他のオレフィン・モノマー由来のコポリマー、ポリアミド、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、加工処理された粉末エポキシ樹脂またはポリエステル類である。これらの研磨剤の混合物が用いられてもよい。当業者は、研磨剤(複数種の研磨剤)の種類および量を選択する方法に精通している。本発明に使用するのに好ましい練歯磨剤は、本質的に、練歯磨き剤形に対して濃化効果(thickening effect)のみを有する非研磨シリカ(non-abrasive silica)を含んでいてもよい。
前記商品は、好ましくは、従来のそのような練歯磨剤/マウスリンス商品に類似した用量レジメンに従って、2つの製剤を別個に又は連続使用することが意図される。
マウスリンス中の溶解キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩の含有量(「固定された」組合せとして両活性剤を含有するマウスリンスの場合)またはキトサンまたはその塩を含有するオーラルケア製剤(2以上のオーラルケア製剤を有する商品の場合)中の当該含有量は、第一に、少なくとも十分に高い含有量、例えば、フッ化物イオンとの組合せにおいて、フッ化物イオン単独を用いる以外同一の実験条件で観察される活性よりも、統計学的に有意に高い活性が観察される含有量が選択される。「統計学的に有意」は、両側スチューデントT検定で、5%の信頼限界でもって、フッ化物イオンに加えてキトサンまたはその塩の組合せと、フッ化物イオン単独との間で活性に有意な差が検出される場合と理解される。そのような統計学的に有意な差は、フッ化物イオンとキトサンまたはその塩との間の相乗作用の指標である。溶解キトサンおよび/またはその医薬上許容される酸付加塩の含有量は、第二には、マウスリンスに最大1000mPa・sの動的粘度を与えないような含有量が選択される。キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩が、練歯磨剤などの他のオーラルケア製剤(2以上のオーラルケア製剤を有する商品の場合)の液体相に含められる場合、この場合、その量は、好ましくは、練歯磨剤全体に最大1500Pa・sの動的粘度を与えるような含有量とすべきであろう。当業者は、マウスリンスまたは練歯磨剤の所望の動的粘度を達成するために、マウスリンスまたは練歯磨剤のpH、イオン強度および粘度に影響を及ぼす他のいずれかの因子に応じて、キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩の適切な量、分子量およびDDAを選択する方法に精通している。典型的に、キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩の量は、問題のマウスリンスあたり又は製剤あたり、好ましくは0.01〜5%、より好ましくは0.05〜1%、さらにより好ましくは0.1〜0.7%である。
マウスリンス(「固定された」組合せとして両方の活性試薬を含有するマウスリンスの場合)またはフッ化物を含有するオーラルケア製剤(2以上のオーラルケア製剤を有する商品の場合)のフッ化物イオン含有量は、問題のマウスリンスあたり又は製剤あたり、好ましくは200〜2000ppmである。マウスリンス/練歯磨剤キットにおいて、フッ化物イオンは練歯磨剤に含まれ、そして、該練歯磨剤のフッ化物イオン濃度は、前記練歯磨剤あたり、より好ましくは1000〜1600ppmである。フッ化物イオン含有量は、フッ化物選択的電極(fluoride-selective electrode)を用いて、電位差測定的に測定することができる(実施例5を参照のこと)。
フッ化物イオンおよびキトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩は、液体相を含むマウスリンス中に溶解される。該マウスリンスは、「固定された」組合せとして両方の活性試薬を含有するか、またはオーラルケア商品を形成し、かつ該2つの活性試薬の一方のみを有するかのいずれかであり、該マウスリンスは、液体相だけから成り、かくして、本質的に透明な液体であり、好ましくは懸濁もしくは沈降固形物をまったく含まない、あるいは濁りがない。マウスリンス以外で、オーラルケア商品内に収納されるいずれかのオーラルケア製剤、例えば練歯磨剤は、好ましくは液体相を含む。該液体相は、好ましくは、少なくとも部分的に水性である。従って、液体相は、好ましくは、液体相あたり約10%〜約90%、より好ましくは約25%〜約75%の水を含んでいてよい。マウスリンスは、生理学上許容され、かつ、好ましくは全体量のキトサンを完全に溶解することを与えるpHを有し得る。マウスリンスの液体相に可能な共溶媒はエタノールであり、典型的には該マウスリンスあたり5%〜15%の量のエタノールである。そのようなpHは、典型的には、約3.0〜約6.0、好ましくは約4.0〜約5.0、より好ましくは約4.3〜約4.6の範囲にある。必要であれば、マウスリンスのpHは、酸(例えば塩酸)または塩基(例えば水酸化ナトリム)を加えることによって、所望の値に調整し得る。
マウスリンスおよび商品内の他のオーラルケア製剤は、好ましくは銀を含まない、これは、それらが、組成物あたり、好ましくは0.05%未満、より好ましくは0.001%未満の銀を含むことを意味する。
液体相からなるマウスリンス、または液体相を有し且つ本発明の商品の一部をなすいずれかの製剤は、さらに好ましくは、該液体相に溶解されたスズも含む。本明細書で用いる用語「溶解スズ」は、形式的酸化状態(formal oxidation state)が+II価および/または+IV価であり、かつ液体相中に溶解している、イオン性もしくは非イオン性のすべてのスズ種を包含することを意図する。このような溶解スズ種の例としては、水和した第一スズイオン、水酸化第一スズ、配位子を有する第一スズおよび/または第二スズイオンの可溶性のイオン性錯体もしくは非イオン性錯体、例えば配位子として場合により存在してもよい溶解したC(3−6)糖アルコールおよび/または場合により存在してもよい溶解した有機酸のアニオン性共役塩基を有する前記錯体、ならびに第一スズおよび/または第二スズイオンのイオン性ヒドロキソ錯体がある。好ましくは60モル%以上、より好ましくは75モル%以上の溶解スズの含有量[Sn]が、形式的酸化状態+IIのスズである。マウスリンス(「固体された」組合せとして両方の活性試薬を含有するマウスリンスである場合)の溶解スズの含有量[Sn]またはフッ化物イオンまたはキトサンもしくはその医薬上許容される酸付加塩を含有するオーラルケア製剤(2以上のオーラルケア製剤を有する商品の場合)の溶解スズ含有量[Sn]は、好ましくは150〜1000ppmの範囲、より好ましくは500〜900ppmの範囲である。商品に含まれる練歯磨剤に関して、それは、好ましくは3000〜4000ppmである。溶解スズの全含有量は、蛍光X線を用いて測定することができる(実施例3を参照のこと)。形式的酸化状態+IIの溶解スズの含有量は、電位差測定的に測定できる(実施例4を参照のこと)。溶解スズは、好ましくは、医薬上許容される第一スズイオン塩から得ることができる。例としては、塩化第一スズ、フッ化第一スズ、水酸化第一スズ、硫酸第一スズがあり、塩化第一スズが好ましい。
本発明の使用および方法のためのマウスリンスおよび商品において、フッ化イオンは、オーラルケア分野で慣用的に用いられるいずれかのフッ化物塩、例えばフッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびフッ化アミンとして用いることができる。好ましくは、フッ化物は、フッ化ナトリウムおよび/またはフッ化アミンとして用いられ、より好ましくはフッ化物ナトリウム由来のフッ化物イオンとフッ化アミン由来のフッ化物イオンの量比が0.7:1〜1.4:1の範囲、より好ましくは0.9:1〜1.1:1の範囲となるようなフッ化ナトリウムとフッ化アミンの混合物として用いられる。
フッ化アミンが用いられる全ての実施形態において、フッ化アミンは、好ましくは、式:R−NH−[(CH−NH−R[式中、Rは、10〜20個の炭素原子の飽和もしくは不飽和直鎖炭化水素残基であり、vは0〜1の整数であり、uは2〜3の整数であり、そして、R、RおよびRは独立して水素および−CHCHOHから選択される]のアンモニウムカチオンを含む。残基Rは、偶数もしくは奇数の鎖長を有してよく、偶数の鎖長を有する残基Rは生理学的許容の観点から好ましい。残基は、好ましくは、単不飽和であり得る。偶数の鎖長を有する飽和炭化水素残基の例としては、デシル、ドデシル基(ラウリル)、テトラデシル(ミリスチル)、ヘキサデシル(セチル、パルミチル)、オクタデシル(ステアリル)およびエイコサニルがある。偶数の鎖長を有する不飽和残基の例としては、9−シス−オクタデセン−1−イル(オレイル)、9−トランス−オクタデセン−1−イル(エライジル(elaidyl))、シス,シス−9,12−オクタデカジエン−1−イル(リノレイル)、シス,シス,シス−9,12,15−オクタデカトリエン−1−イル(リノレニル)または9−シス−エイコサン−1−イル(ガドルイル(gadolyl))がある。より好ましくは、C18アルキルまたはC18アルケニルであり、特定に9−シス−オクタデセン−1−イル(オレイル)である。本発明のすべての実施形態において最も好ましいカチオンは、R=オレイル、R=R=R=−CHCHOH、v=1およびu=3であるフッ化アミン、すなわち、ここで該フッ化アミンは、オラフルル(N−(9−シス−オクタデセン−1−イル)−N,N’N’−トリス(ヒドロキシエチル)−1,3−ジアミノプロパンジヒドロフルオリド)である。アンモニウムカチオンの量は、実施例6または7に従って決定することができる。
本発明のマウスリンスおよび商品は、1以上のC(3−6)糖アルコールをさらに含んでいてもよい。用語「C(3−6)糖アルコール」は、全炭素原子の数(n)が3〜6個で、分子式C(2n+2)を有する全ての多価アルコールを包含することを意図する。好ましくは、これらの糖アルコールは非環式かつ非分岐鎖である。C(3−5)糖アルコールの例は、グリセロール、エリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、ソルビトールおよびマンニトールである。より好ましいものは、組成物がマウスリンスの場合、マウスリンスあたり、典型的には5〜20%の量、好ましくは5〜15%の量のグリセロールである。1つ以上のC(3−6)糖アルコールは、マウスリンスに溶解されているか、好ましくは、商品の1つの製剤の液体相に溶解されている。
マウスリンスまたは商品内に含まれるいずれかの他のオーラルケア製剤は、上記の生理学上許容されるpHの液体相を達成することを意図する緩衝系の一部として、または存在する場合には溶解スズ種に対する錯化剤として、有機酸および/またはその塩をさらに含んでもよい。有機酸は、存在する場合、好ましくはカルボン酸である。有機酸は、マウスリンスに溶解されるか、または他のオーラルケア製剤の液体相に好ましくは溶解されている。用語「溶解(される)」は、本明細書中では、酸が遊離酸として、またはその医薬上許容される塩の陰イオン共役塩基(いずれの酸もそのようになり得る)として、液体相に溶解されていることを意味する。有機酸の好ましい部分群は、カルボン酸塩炭素原子(carboxylate carbon atom)を含む4〜6個の炭素原子を有する食用のジ−もしくはトリ−カルボン酸、例えばコハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸およびアジピン酸;あるいは食用のα−ヒドロキシC(2−6)カルボン酸、例えばグリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸またはグルコン酸である。有機酸が医薬上許容される塩の形で溶解される場合、この場合、その対カチオンは金属カチオンであってよく、例えばアルカリ金属(例えばナトリウムまたはカリウム)の金属カチオン、アルカリ土類金属(例えばマグネシウムまたはカルシウム)の金属カチオン、または亜鉛の金属カチオンであってよい。有機酸が存在するとき、この場合、その含有量は好ましくはマウスリンスまたは商品内の問題の製剤あたり0.01〜10%の範囲、好ましくは0.05〜5%の範囲であり、その上限は、生理学上許容されるpHの液体相中でのその共役塩基塩の溶解度によってもたらされ得る。有機酸の全量は、オーラルケア組成物の既知アリコートを約pH0に酸性化し、エーテルなどの有機溶媒でその遊離有機酸を抽出し、そして、該抽出物をその酸のシリルエステル誘導体を用いた校正GCにより分析することで、測定できる。より好ましくは、マウスリンスまたは商品内の製剤は0.3〜1.0%のグルコン酸またはその塩(すなわちグルコン酸塩)を含む。
本発明のマウスリンスまたは商品は、好ましくは塩化物イオンも含み、好ましくは組成物または商品に含まれる1つの製剤の液体相中の溶解イオンとして含んでいてよい。塩化物含有量[Cl](ppm)の好ましい範囲は、組成物あたり、0.7[Sn][Cl0.5[Sn]の範囲である。塩化物含有量は、電位差滴定によって測定できる(実施例8を参照のこと)。塩化物は、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウムまたは塩化第一スズとして添加することができ、後者が好ましい。
マウスリンスまたは商品内の製剤のさらなる任意の成分は、例えば以下のものであってよい:
− 香味剤および清涼剤、例えば、クマリン、バニリン、エーテル油(例えば、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、メントール、アネトールもしくは柑橘油)または他のエキス(例えば、リンゴエキス、ユーカリエキスもしくはスペアミントエキス)。これらの香味剤は、マウスリンスまたは商品内の他の製剤あたり0%〜0.5%、好ましくは0.03%〜0.3%の量で存在し得る。
− 甘味料、特に、人工甘味料、例えばサッカリン、アセスルフェーム、ネオテーム(neotam)、チクロもしくはスクラロース;天然の高甘味度甘味料、例えばタウマチン、ステビオシドもしくはグリチルリジン;または、C(3〜5)糖アルコール以外の糖アルコール、例えばソルビトール、キシリトール、マルチトールもしくはマンニトール。これらは、マウスリンスまたは商品内の他の製剤あたり0%〜0.2%、好ましくは0.005重量%〜0.1重量%の量で存在し得る。
− 抗菌剤および/または保存剤、例えばクロルヘキシジン、トリクロサン、第四級アンモニウム化合物(例えば塩化ベンザルコニウム)またはパラベン(例えばメチルパラベンまたはプロピルパラベン)。抗菌剤の量は、通常、マウスリンスまたは商品内の他の製剤あたり0%〜約0.5%、好ましくは0.05%〜0.1%である。
− 水性媒体中でしばしば低溶解性である上記香味剤および/または抗菌剤に主として関連する、乳化剤または溶解剤。このような乳化剤の例は、中性界面活性剤(例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油または糖の脂肪酸)、アニオン性界面活性剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、カチオン性界面活性剤(例えば式(I)のアンモニウムカチオン)または両イオン性界面活性剤である。これらの界面活性剤または溶解剤は、通常、マウスリンスまたは商品内の他の製剤あたり0%〜2%、好ましくは0.2%〜1.5%の量で存在し得る。
− マウスリンスまたは商品内の他の製剤にチキソトロピー性を付与するのに有効な量のチキソトロープ剤、例えば、溶解性等級のヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースまたはムチン。
− 安定剤、例えば、ポリビニルピロリドン。
マウスリンスまたは商品は、侵食性の歯牙の脱灰に対する使用が意図される。この目的に関して、それらは、組成物および該組成物が侵食性の歯牙の脱灰に対して使用するための又はそれに対して有効なものであることを開示するヒトが解読可能な指示書を含むキットとして好ましくは提供される。これら指示書は、組成物を含む容器(例えば、練歯磨剤のチューブまたはマウスリンスボトル)に直接印刷されていてもよいし、またはそれらは該容器に巻きつけられたラベルもしくは付着されたラベル上に印刷されていてもよい。これら指示書は、該容器を包含するボール箱などのパッケージに印刷されていてもよい。最後に、これら指示書は、キットに含められるリーフレット(添付文書)に印刷されていてもよい。
本発明のマウスリンス、商品またはキットは、食物酸(即ち、食物由来の酸)または胃液(塩酸)などの内因性の酸が原因の侵食性の歯牙の脱灰に対して使用するものであり、また、前記侵食性の歯牙の脱灰の処置または予防、特に予防に有効である。「食物酸」は、本出願の文脈において、5.0以下のpKa値(すなわち、多価の塩基性(multibasic)である場合、最初のpKa値)を有する酸のようなものと考えられる。従って、例示的な酸は、クエン酸(例えば果物由来)、酒石酸(例えばワイン由来)、シュウ酸(例えばダイオウ由来)、リン酸(例えば清涼飲料由来)、二酸化硫黄水和物(例えばワイン由来)およびアミノ酸である。
本発明のマウスリンス、商品またはキットは、そのような予防または処置を必要とする対象での侵食性の歯牙の脱灰を予防または処置するのに用いられ得る。本明細書中「処置」は、好ましくは、いわゆる「二次予防」として理解されるものであり、それは、脱灰のさらなる進行を減速させるために、侵食性の歯牙の脱灰の初期段階または中間の段階を呈する対象に対して行う処置である。
予防を必要とする患者は、以下の習慣または状態1)−5)のうちの少なくとも1つを有する対象である:
1) 対象は、酸性食品、特に清涼飲料のような酸性飲料を定期的に消費する;
2) 対象は、逆流疾病または過食症を患っている、
3) 対象は、歯牙表面上の唾液の薄膜を本質的に全て除去する程に歯を洗浄する;
4) 対象は、唾液の化学的性質に異常を有する、具体的には、カルシウムおよび/またはリン酸塩の標準以下のレベル、あるいは標準以下の緩衝能を有する;
5) 対象は、不十分な唾液産生を示す(口腔乾燥患者)。
特に、予防を必要とする患者は、1)を3)〜5)のいずれかと組合せて有する対象、または2)を3)〜5)のいずれかと組合せて有する対象と理解される。処置を必要とする患者、特に上記の二次予防を必要とする患者は、上記1)〜5)の少なくとも1つを有するか、または1)を3)〜5)のいずれかと組合せて有するか、または2)を3)〜5)のいずれかと組合せて有し、さらに、侵食性の歯牙の脱灰の初期段階もしくは中間の段階の徴候を示す、対象である。
本明細書全体で用いられる範囲は、その境界線値を含む範囲内にある各値およびすべての値を表す省略表現として用いる。範囲内のいずれの値も、範囲の境界値として選び出すことができる。加えて、本明細書中で引用する文献はすべて、完全に引用により本明細書の一部とされる。本開示の定義と引用文献の定義とに齟齬がある場合、本開示により調整される。
特に明記しない限り、本願および本明細書中のいずれかで表現されるパーセンテージおよび量は、重量パーセントを意味するものと理解すべきである。記載する量は、物質の有効な重量(active weight)を基準とする。
本発明は、これから以下の非限定的な実施例によりさらに説明される。実施例における「AmF」または「AmF 297」は、アミンフッ化水素酸塩 オラフルル(OLAFLUR)を意味する。
実施例1: 本発明の使用および方法に適したマウスリンス
マウスリンスは、エントリー番号に対して、以下の表1で示すものである。本発明の組合せを含有するマウスリンスは太文字で示す。他のものは、比較例のマウスリンスである。
Figure 0005894608
Figure 0005894608
実施例2: 本発明の組合せ含有するマウスリンスを用いたインビトロ脱灰試験
試験したオーラルケア組成物は全て実施例1の表1で示したものであった。すなわち、本発明に係る組合せを含有する2つのマウスリンス、5つの比較例のマウスリンス、ならびに1つの陰性対照および1つの陽性対照マウスリンス、かくして、9つの異なる試験組成物であった。
試験は、抜歯した第三大臼歯からの108個の縦長の(longitudinal)エナメル質試料に対してインビトロで実施した。これらの試料は9つの群に分け、上記9個の試験組成物に合わせた。かくして、各試験組成物について、12個の試料が利用可能であった。エナメル質試料は以下のように調製した:歯牙から、幾分か残留する軟組織および歯根を取り除いた。各々の残留する歯冠表面から、縦方向に約1mm厚のサンプルを4個(正確なカットシステム“Exact Apparatebau”、Norderstedt, Germanyを用いて)削り出し、少なくとも3×3mmの平坦な試験表面を作り出した。この試験表面を、最初に、名目サイズ12μmの砥粒のグリット・ペーパー(Leco, St. Joseph, USA)を用いて研磨し、次いで、名目サイズ5μmの砥粒のグリット・ペーパー(Leco, St. Joseph, USA)を用いて研磨した。すべての切断および研磨操作は、十分な水冷下で行った。合計108個のエナメル質試料をこのように調製し、光硬化接着剤(Technovit 7230 VLC, Kulzer-Exact, Wehrheim, Germany)を用いた顕微鏡スライド上に接着した。各試験表面の半分を、光効果接着剤でコーティングし、試験領域のうちコーティングしていない残りの部分を、接着剤の混入について慎重に調べた。このように調製した試料を、さらに使用するまで、100%相対湿度の湿度チャンバー(humid chamber)中で保管した。
9個の試料群を、10日間(2×5作業日数)、0.05Mのクエン酸を用いた脱灰処置、および9個の試験組成物のうちの1つを用いた処理に毎日連続かけた。これのために、エナメル質試料を載せる顕微鏡スライドを、該エナメル試料を載せた顕微鏡スライドの処置液および脱灰液への容易な浸漬を可能とする支持体(カラーリングラック、Schott, Mainz, Germany)に挿入した。日々の順序は、5分の最初の侵食性の脱灰処置、次いで、問題の試験組成物を用いた2分間の処置1回、次いで、最初の脱灰処置と同じ条件下での更なる脱灰処理5回、最後に、問題の試験組成物を用いた最初の処置と同じ条件下での問題の試験組成物を用いた最後の処置を含む。各処置(侵食または試験溶液を用いる)後に、試料を水で1分間すすいだ。侵食液または問題の試験組成物を用いた処置を行わない場合、その試料を、前記支持体に挿入して、溶液1リッターあたり0.4gのHPO、1.5gのKCl、1gのNaHCOおよび0.2gのCaClを含有する再石灰化水溶液中に保管した。
10日間の試験期間後に、保護コーティングを保護した半分の試験領域から取り除き、保護していない半分の試験領域のエナメル質ミネラルの結果的な損失をプロフィロメトリーにより測定した。脱灰の程度のプロフィロメトリック測定は、試料表面の参照部分と試験部分との間の高さの違いを測定値とし、プローブの垂直および水平移動に対する高さのプロファイル(D−プロファイル)を測定した。測定する長は0.75mmであった。エナメル質試料の高さのプロフィールは、光学プローブ(Rodenstock, Munich, Germany)を備えたPerthometer S8P (Perthen Mahr, Goettingen, Germany)を用いて計測した。スライドに接着されたエナメル質試料を有する対象スライドを、成形用固定化マス(mouldable fixing mass)を備えたプロフィロメターのxyテーブル上に固定した。各試料について、プロフィロメトリック・トレースを3回行った。プロフィロメトリック・トレースは、特別なソフトフェア(Perthometer Concept 4.0, Perthen Mahr, Goettingen, Germany)を用いて評価した。このソフトウェアを用いて、2つの高さのラインを線形回帰により決定した。第一のものは、試料の参照領域で見出される高さのプロファイルからのものであり、これは、x−y座標軸系での該プロファイルのアライメントを可能にした。第二の線形回帰高さは、試料の試験領域の高さプロファイルからのものであった。両方の線形回帰決定のために、参照(または試験)領域の境界線からの距離が少なくとも0.2mmの切片は無視した。2つの線形回帰線の中心点の間の高さの差(マイクロメーター)を、各試料あたり3回の試行を平均し、その試料の脱灰の程度とみなした。
得られたデータを、十分な正規分布(コルモゴロフ−スミルノフ検定)について確認した。試験した各溶液についての全プロバンド(proband)の結果は、Tukeyに従った事後検定(posthoc test)を用いた単純な差異分析(ANOVA)により比較した。得られた結果(各試験組成物につき12個の試料からの平均および標準偏差SD)は以下の表2のとおりであった。
Figure 0005894608
表2から、マウスリンスにフッ化物とキトサン/キトサン塩の組合せを加えることによって(エントリー7)、陰性対照(エントリー9)よりもより活性のあるマウスリンスを与えること、すなわち、より小さいエナメル質損失を有することが理解できる。これは、キトサンを単独で使用した場合に何ら効果が無かったという先行技術(発明の背景の欄を参照のこと)と対照的である。さらなる溶解スズ、例えばフッ化第一スズおよび/または塩化第一スズの形態での溶解スズを加えた場合(エントリー5)、次いで、当該マウスリンスの効果は、他の比較マウスリンスよりも統計学的に有意に良好であった。エントリー7で見られた非常に小さい分散から導かれ得るように、キトサンおよびフッ化物を組合せて用いることで、より再現性の高いマウスリンス効果が与え得るようである;この再現性は、3成分の組み合わせ、キトサンまたはその医薬上許容される塩+フッ化物+溶解スズを有するマウスリンス(エントリー5)の場合でもほぼ維持されている。表2は、また、すでにフッ化物イオンおよび溶解スズの組合せを含有するマウスリンスにキトサンを添加することで、当該改変マウスリンスの効果が高まることを示しており(エントリー3対エントリー5)、これは再び、キトサン単独について観られた先行技術の知見に反するものである。表2は、所定量の溶解スズにおいて、幾らかのキトサンまたはその医薬上許容される塩を添加することは、溶解スズの量をさらに増量するよりも、より顕著な効果の増大を与えることをさらに示す(エントリー1、6、2および4対エントリー5)。表2は、既知の被膜形成剤PVP(キトサンに換えて)を、第一スズイオンおよびフッ化物の組合せを含有するマウスリンスに加えることは、効果の増大をもたらさないことも示す(エントリー1対エントリー6)。これは、キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩の作用機序が、歯牙表面上のフィルム形成によるものではないこと、またはそれのみではないことを示すものである。
実施例3:X線蛍光によるオーラルケア組成物中の溶解スズ総含有量[Sn]の測定
蛍光X線分光計として、Thermo Noran QuanXを用いる。2種類の溶液を測定する:
溶液1: 5gのオーラルケア組成物をXRFカップに直接充填する。次いで、該XRFカップを、適切な閉じリング(closing ring)を用いてポリエチレンホイルにより閉じ、その後、前記機器のオートサンプラーに入れる。
溶液2は、溶液1と同様であるが、さらに添加した既知量の第一スズ塩[ΔSn]を試料溶液の[Sn]の予想されるppm値の80%〜120%の範囲で含有する。
溶液1および溶液2をそれぞれ、銅フィルター、25.193keVのKα線を用いて、50kV励起のX線により600秒間照射する。溶液1の積分した蛍光強度ピーク下の面積をAとし、溶液2の積分した蛍光強度ピーク下の面積をAとする。
組成物あたりの溶解スズ含有量[Sn](ppm)は以下のように得る:
Figure 0005894608
実施例4:オーラルケア組成物における形式的酸化状態+IIの溶解スズの計測
Metrohm(スイス)の複合白金電極タイプ6.1204.310およびMetrohm(スイス)の電位差計Titrando 809を用いる。電極の較正を説明書に従って行う。
10.0000gのオーラルケア組成物を、100mlの容器において正確に計量して(±0.1mg)、40mlの水、5mlの32%HClおよび既知の一定分量v(ml)の0.05MのKI標準溶液を添加し、ヨウ素が、試料中に含有される形式的酸化状態+II価のスズよりも過剰に添加されるようにする(vの典型量は5mlである)。
電極を試料溶液中に浸漬し、形式的酸化状態+II価のスズによりIにまだ還元されていない残留ヨウ素を0.1MのNa標準溶液を用いて滴定の終点まで逆滴定する。Na溶液の使用量(ml)をvとする。
オーラルケア組成物あたりの該試料中に含有される形式的酸化状態+IIのスズ[Sn+II](ppm)は以下のように得る:
Figure 0005894608
実施例5:オーラルケア組成物における電位差測定フッ化物の測定
Metrohm(スイス)のフッ化物選択性電極タイプ6.0502.150、Metrohm(スイス)のpH/イオンメーター692、およびMetrohm(スイス)のAg/AgCl参照電極タイプ6.0750.100を用いる。
全イオン強度調整性緩衝液(TISAB:total ionic strength adjusted buffer)が必要であり、以下のように作製する:
2リットルの水中の160mgのNaOH溶液を調製する(溶液1);25gの1,2−ジアミノ−シクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸、290gのNaClおよび285mlの氷酢酸を2リットルの水中に溶解する(溶液2);次いで、溶液1および溶液2を混合し、水で5リットルまで増量する。
フッ化物選択性電極の較正をpH/イオンメーターの説明書に従って行う。
1.0000g±0.1mgのオーラルケア組成物を50mlのプラスチック容器において正確に計量し、水を用いて20.0000g±0.1mgの重量に増量し、そして、20mlの上記TISAB緩衝液を添加する。pH/イオンメーターの説明書に従って、該フッ化物選択性電極および参照電極を試料中に浸漬し、5分後に電位差を読み取る。フッ化物濃度(ppm)は、計測した反応値に40(オーラルケア組成物から計測した試料への総希釈係数)を乗じ、オーラルケア組成物試料の重量(g)で割ることで算出する。
実施例6:オーラルケア組成物における、式:R−NH −[(CH −NH −R [R 、R =水素およびv=0、またはR 、R =水素およびv=1]のアンモニウムカチオンの測定
この測定は、ニンヒドリンによる染色後の逆相HPTLCプレート上での濃度測定の定量を用いて行う。
手順:
ニンヒドリン溶液: 2gの純粋なニンヒドリンを1000mlのエタノール(p.a.)に溶解する。この溶液はガラス瓶中、4℃で保存しなければならない(最大保存期間:1カ月)。
測定されるアンモニウムカチオンの参照溶液を、正確な既知量の対応する純粋なフッ化水素アミンをメタノール(p.a.)に溶解することによって調製し、該溶液あたり、約3000ppmの範囲で正確な既知含有量のフッ化アミンを含む溶液を作製する。参照溶液は以下ではRと表す。
試料溶液: 25mlの計量フラスコ内で、約1gのオーラルケア組成物の量Mを正確に計量し(0.1mgの範囲で)、メタノール(p.a.)で容量を増やす。超音波照射に約20分間曝す。この溶液をSと表す。
HPTLCプレートは、蛍光指示薬を含まないSilicagel 60、10×20cm(Merck no.5626)である。
参照溶液および試料溶液を、以下のトラックスキームに従って、アプリケーターLinomat IV(Camag、スイス)を用いたHPTLCプレートにかける。
Figure 0005894608
各トラックはプレート上4mmの初期幅を有し、2つのトラック間の初期距離は5mmであり、最も外側のトラックからプレートの近接端までの初期距離は11mmである。
プレートを、溶出液としての9:1(v/v)のエタノール:25%アンモニア水を用いて、約6cmの移動距離まで展開する(これらの条件下で、例えば、R、R=水素およびR=9−オクタデセン−1−イルである式(I)のアンモニウムカチオンは、約0.6のR値まで移動する)。次いで、このプレートをニンヒドリン溶液中に10分間浸漬し、100℃で10分間乾燥させる。
計算:
展開したスポットの全面積を、TLCスキャナー3(CAMAG、スイス)を用いて波長480nmの光で濃度測定的に評価する。
トラック1、3、5、7および9から得られた面積を用いて、面積に対するフッ化アミンの量(μg)の、放物線に近似した第1の較正曲線を得る。そのような第2の較正曲線をトラック11、13、15、17および19から得る。
試料トラック2、6、10、14および18からの平均面積を、第1の較正曲線を用いてフッ化アミンの量[am1](μg)に変換する。試料トラック4、8、12、16および20からの平均面積を、同様にして、第2の較正曲線を用いてフッ化アミンの量[am2](μg)に変換する。
次いで、オーラルケア組成物あたりの式(I)のアンモニウムカチオン含有量[AM](ppm)を以下のように得る:
Figure 0005894608
[式中、M、[am1]および[am2]は上記で定義したとおりであり、MWは溶液Rを調製するために用いた純粋なフッ化アミンの分子量であり、そして、vは式(I)に定義したとおりである]。
実施例7:オーラルケア組成物中のフッ化アミンから得られる式:R−NH −[(CH −NH −R のアンモニウムカチオンの測定
この実施例の手順は、実施例6の見出しに示した定義にあてはまらない他のすべての式(I)のアンモニウムカチオンに適用できる。この測定は、ベルリンブルーによる染色後、逆相HPTLCプレート上で行う。
ベルリンブルー溶液: 4gのヘキサシアノ鉄酸(III)カリウム(p.a.)を150mlの蒸留水に溶解し、350mlのアセトン(p.a.)を添加する。別に、7.5gの塩化鉄(III)六水和物(p.a.)を500mlのエタノール(p.a.)に溶解する。この2つの溶液各40mlと80mlのエタノール(p.a.)を使用直前に混合する。
測定されるアンモニウムカチオンの参照溶液は、正確な既知量の対応する純粋なフッ化水素アミンをメタノール(p.a.)に溶解することで調製し、溶液あたり約500ppmの範囲で正確な既知含有量のフッ化アミンを含む溶液を作製する。この参照溶液をRと表す。
試料溶液: 100mlの計量フラスコ内で、約1gのオーラルケア組成物の量Mを正確に計量し(0.1mgの範囲で)、メタノール(p.a.)で容量を増やす。超音波照射に約15分間曝す。この溶液をSと表す。
HPTLCプレートは、蛍光指示薬を含まないSilicagel 60、10×20cm(Merck no.5626)である。
参照溶液および試料溶液を、以下のトラックスキームに従って、アプリケーターLinomat IV(Camag、スイス)を用いたHPTLCプレートにかける。
Figure 0005894608
各トラックはプレート上4mmの初期幅を有し、2つのトラック間の初期距離は5mmであり、最も外側のトラックからプレートの近接端までの初期距離は11mmである。
プレートを、溶出液としての3:3:3:1(v/v/v/v)のn−ペンタノール:エタノール:ジエチルエーテル:25%アンモニア水を用いて、約6cmの移動距離まで展開する(これらの条件下で、例えば、R、R、R=2−ヒドロキシエチル、R=9−オクタデセン−1−イル、v=1およびu=3である式(I)のアンモニウムカチオンは、約0.8のR値まで移動する)。次いで、このプレートをベルリンブルー溶液中に10分間浸漬し、100℃で10分間乾燥させる。
計算:
展開したスポットの全面積を、TLCスキャナー3(CAMAG、スイス)を用いて波長592nmの光で濃度測定的に評価する。
トラック1、3、5、7および9から得られた面積を用いて、面積に対するフッ化アミンの量(μg)の、放物線に近似した第1の較正曲線を得る。そのような第2の較正曲線をトラック11、13、15、17および19から得る。
試料トラック2、6、10、14および18からの平均面積を、第1の較正曲線を用いてフッ化アミンの量[am1](μg)に変換する。試料トラック4、8、12、16および20からの平均面積を、同様にして、第2の較正曲線を用いてフッ化アミンの量[am2](μg)に変換する。
次いで、オーラルケア組成物あたりの式(I)のアンモニウムカチオン含有量[AM](ppm)を以下のように得る:
Figure 0005894608
[式中、M、[am1]および[am2]は上記で定義したとおりであり、MWは溶液Rを調製するために用いた純粋なフッ化アミンの分子量であり、そして、vは式(I)に定義したとおりである]。
実施例8:オーラルケア組成物における電位差測定フッ化物の測定
Metrohm(スイス)の銀/塩化銀複合電極タイプ6.0350.100およびMetrohm(スイス)の電位差計Titrando 809を用いる。電極の較正は説明書に従って行う。
1000±0.1mgのオーラルケア組成物を、100mlのプラスチック容器において正確に計量し、50mlの水および2mlの65%硝酸を加える。
電極を試料中に浸漬し、試料を0.01Mの硝酸銀標準溶液を用いて滴定の終点まで滴定する。硝酸銀溶液の使用量(ml)をvとする。
組成物あたりの試料中に含有される塩化物イオン[Cl](ppm)を以下のように得る:
Figure 0005894608
実施例9: キトサン試料の脱アセチル(DDA)の程度の測定
DDAは、滴定液としてNaOHを用いた直接の滴定によって完全にプロトン化したキトサン試料について測定する。pH3.75から8.00の範囲で用いられたNaOH量が、該キトサン試料中での脱アセチル化程度を算出する方法である。キトサンは多くが20メッシュ粒度の粉末形で用いられ、必要に応じて、キトサンは前記粒度を得るために事前に粉に挽く。乾燥物含量に関して補正して100.0mgの該キトサン粉末を正確に計量し、25mlの0.06M HClに溶解して、完全に溶解するまで室温で1時間攪拌した。次いで、溶液を、25mlの脱イオン水で50mlまで希釈する。溶液のpHはこの時、約1.9である。この溶液がpH3.75になるまで、該溶液を目盛り付ガラスpH電極を用いて攪拌しながら0.1000N NaOH標準溶液を用いてビュレットで滴定する。ビュレット容量をこの時点で読み取り(mlで)、Vとする。攪拌しながらの1000N NaOH標準溶液を用いた滴定を、この溶液がpH 8.00を10秒間安定に維持するまで継続する。ビュレット容量をこの時点で読み取り(mlで)、Vとする。次いで、DDAを以下の式により算出する:
Figure 0005894608
[式中、ここでは、VはpH=3.75で読み取るビュレット容積であり、Vは10秒間安定なpH=8.00で読み取るビュレット容積であり、NはNaOH濃度(モル/リットル)、すなわち0.1000モル/リットルであり、およびWは水分補正したキトサン重量(ミリグラム)、すなわち100.0mgである。]。

Claims (10)

  1. 0.05〜5%の溶解キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩および200〜2000ppmの溶解フッ化物イオンを含む、侵食性の歯牙の脱灰に対して使用するためのマウスリンスであって、さらに150〜1000ppmの溶解スズを含マウスリンスであって、
    ここで、該溶解キトサンが非修飾キトサンまたは化学的に修飾されたキトサンであり、ただし、前記化学的に修飾されたキトサンは硫酸化キトサンではなおよび、%はすべてマウスリンス基準である、マウスリンス
  2. 前記使用が、侵食性の歯牙の脱灰の予防、または侵食性の歯牙の脱灰に冒された歯牙の処置である、請求項1に記載のマウスリンス。
  3. 非修飾キトサンを含む、請求項1または2に記載のマウスリンス。
  4. 200〜2000ppmの溶解フッ化物イオン、0.05〜5%の溶解キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩、150〜1000ppmの溶解スズ、5〜20%のグリセロール、および0.3%〜5%のグルコナート(%はすべてマウスリンス基準である)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマウスリンス。
  5. 溶解フッ化物イオンが250〜1000ppmである、請求項4に記載のマウスリンス。
  6. a)0.05〜5%の溶解キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩、および200〜2000ppmの溶解フッ化物イオンを含有し、さらに150〜1000ppmの溶解スズを含有するマウスリンスであって、ここで、該溶解キトサンは非修飾キトサンまたは化学的に修飾されたキトサンであり、ただし、該化学的に修飾されたキトサンは硫酸化キトサンではなく、および、%はすべてマウスリンス基準である、マウスリンス;および
    b1)前記マウスリンスを含み、及び前記マウスリンスは侵食性の歯牙の脱灰に対して使用するためのものであることを開示するヒトが解読可能な指示書を保持する、容器;または
    b2)容器を含むパッケージであって、前記容器は前記マウスリンスを含み、及び前記パッケージが前記マウスリンスは侵食性の歯牙の脱灰に対して使用するためのものであることを開示するヒトが解読可能な指示書を保持する、パッケージ、または
    b3)容器およびリーフレットを含むパッケージであって、前記容器は前記マウスリンスを含み、及び前記リーフレットが前記マウスリンスは侵食性の歯牙の脱灰に対して使用するためのものであることを開示するヒトが解読可能な指示書を保持する、パッケージ、を含むキット。
  7. 前記指示書が、前記マウスリンスが侵食性の歯牙の脱灰の予防用であること、または侵食性の歯牙の脱灰に冒された歯牙の処置用であることを開示する、請求項6に記載のキット。
  8. 侵食性の歯牙の脱灰の予防または処置における同時、個別および連続投与のための組合せとして、侵食性の歯牙の脱灰に対する試薬としての200〜2000ppmの溶解フッ化物イオンおよび0.05〜5%の溶解キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩を含有し、さらに150〜1000ppmの溶解スズを含有するオーラルケア商品であって、ただし、該オーラルケア商品はマウスリンスを含み、及び前記溶解フッ化物イオンまたは前記溶解キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩もしくは前記溶解フッ化物イオンが前記マウスリンスに溶解しており、ここで、該溶解キトサンは非修飾キトサンまたは化学的に修飾されたキトサンであり、ただし、該化学的に修飾されたキトサンは硫酸化キトサンではなおよび、%はすべてマウスリンス基準である、オーラルケア商品。
  9. 前記フッ化物イオンがマウスリンスに溶解している、請求項8に記載のオーラルケア商品。
  10. 前記キトサンまたはその医薬上許容される酸付加塩が前記マウスリンスに溶解している、請求項8または9に記載のオーラルケア商品。
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