JP5893640B2 - Oprf/i試薬と入院および他の患者におけるその利用 - Google Patents

Oprf/i試薬と入院および他の患者におけるその利用 Download PDF

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Description

本発明は、そのアミノ末端で、緑膿菌(Pseudomonas aeruinosas)外膜タンパク質F(本明細書でまた「OprF」または「OMPF」と呼ぶ)のカルボキシ末端部分のカルボキシ末端に融合する、緑膿菌外膜タンパク質I(本明細書でまた「OprI」または「OMPI」と呼ぶ)を含む融合タンパク質を含むワクチンの新規利用、ならびに概融合タンパク質に対するモノクローナルまたはポリクローナル抗体、またはその薬理学的組成物の新規利用に関する。
院内感染は、病院またはヘルスケアサービスユニットにおける処置の結果である感染である。感染は、入院後48時間またはそれ以上で、または退院後30日以内にはじめて発生する場合に院内感染であると考慮される。この型の感染はまた、院内感染(Hospital−acquired)(または一般用語として、ヘルスケア関連感染)としてもよく公知である。米国において、米疾患管理センターは、細菌、混合を含む全ての型の微生物からの、およそ1.7百万の病院関連感染が、毎年99,000の死亡を引き起こすか、寄与していると見積もっている。病院調査が実施された欧州において、グラム陰性感染のカテゴリーが、毎年、25,000の死亡の3分の2に及ぶと見積もられている。院内感染は、重度の肺炎と、尿路、血流および他の体の部分の感染を引き起こしうる。多くの型が、抗生物質でたたくことが難しく、抗生物質耐性が、病院の外にいる人々に感染しうる、グラム陰性細菌に広がっている。
グラム陰性細菌において、リポポリサッカライド(LPS)と外膜タンパク質が、細菌エンベロープの主要な抗原性部分である。LPSに基づくワクチンが、1970年代に広く研究された(Priebe G,Pier G.Vaccines for Pseudomonas aeruginosa 2003.New Bacterial vaccines,Ellis RW,Brodeur B.による編集、260−82)。Parke Davisは、7つの異なる血清群のLPSよりワクチンPseudogenを産出した。非無作為試験において、がんおよびやけど患者にてPseudogenで、いくつかの活性が観察されたが、嚢胞性線維症患者(CF)および白血病患者においては観察されなかった。LPSに基づくPseudogenは非常に毒性であるので、したがって登録されていない(Priebe、上記)。Opr’s FおよびIの2つの異なる組換え体融合タンパク質のバージョンを使用して、von Spechtとその共同研究者らは、双方とも、LD50の1000倍高いチャレンジ用量に対して、能動免疫化が好中球減少マウスを保護可能であり、受動免疫化が、SCIDマウスを保護可能であることを示した(von Specht BU, Knapp B, Muth G et al. Protection of immunocompromised mice against lethal Infection with Pseudomonas aeruginosa by active or passive immunization with recombinant Pseudomonas aeruginosa outer membrane protein F and Outer membrane protein I fusion proteins. Infect Immun 1995; 63(5):1855−1862; Knapp B, Hundt E, Lenz U et al. A recombinant fusion outer membrane protein for vaccination against Pseudomonas aeruginosa. Vaccine 1999; 17(13−14):1663−1666)。前記融合タンパク質はついで、高レベルの特定の血清抗体に達している健常人にて、安全性と免疫原性に関して試験された。嚢胞性線維症患者における粘膜免疫原性増強を達成するために、前記融合タンパク質のエマルゲル処方が開発され、健常人および肺障害患者にて安全性および免疫原性に関して試験された。しかしながら、血清抗体応答は、相対的に低かった。全身i.m.ブースターが、単なる粘膜ワクチン摂取スケジュールと比較して、血清抗体応答を増強させた。
10〜100kDaの分子量範囲を有する、緑膿菌の4つの異なる株からなる外膜タンパク質調製物が、韓国においてワクチンとして開発された。このワクチンは最小量のポリサッカライドを含み、やけど患者での二重盲検、プラセボ対照試験にて試験された(Jang II, Kim IS, Park WJ, et al. Human immune response to a Pseudomonas aeruginosa outer membrane protein vaccine. Vaccine 1999; 17(2): 158−68)。ワクチン抗原に対する抗体レベルが、プラセボ群(19患者)にて2.3倍まで、ワクチン群(76患者)にて4.9倍まで上昇した((Kim DK, Kim JJ, Kim JH et al. Comparison of two immunization schedules for a Pseudomonas aeruginosa outer membrane proteins vaccine in burn patients. Vaccine 2001; 19(9−10):1274−83)。PriebeとPierは、本試験での患者のフォローアップが不完全であり、解析が包括解析によってではなく、臨床転帰に関するデータがないことから、本研究を批評した(9)。同様のOprワクチンが、ロシアにて10年早く試験された(Stanislavsky ES, Balayan SS, Sergienko AI, et al. Clinico−immunological trials of Pseudomonas aeruginosa vaccine. Vaccine 1991;9(7):491−4)。主に細胞壁タンパク質保護抗原を含む緑膿菌ワクチン(PV)が、119人のボランティアの免疫化によって、安全性および免疫原性に関して試験された。PVワクチンはよく認容性であった。高レベルの特異的抗体が、5ヶ月の観察期間中持続した。抗体タイターは、94〜97%のボランティアにて増加し、さらには45.6%にて、抗体タイター(ELISAユニット数)は、2.5〜3倍およびそれ以上増加した。抗緑膿菌血漿が、緑膿菌感染の重症形態である46人の患者(40人の成人および6人の2歳までの胎児)の処置のために使用され、87%の患者が回復した。1991年以後、PVワクチンでのフォローアップ試験は存在しない。
院内感染は、世界中で、死亡および重度な疾患の主な原因の1つであり、先進国において、200億USDより大きな年間費用負担を引き起こす。米国および欧州において、約600百人の患者が毎年感染し、140,000死/年となる。院内感染の発生率は、医療介入と抗生物質耐性の増加のために、安定して増加している。したがって、例えば、やけど患者および繊維症患者、ICU患者および人工呼吸器をつけたICU患者のワクチン化によって、院内感染を通した死亡のリスクを最小化することが、前記患者における主要なアンメットメディカルニーズとなることが期待される。
本発明にしたがって、そのアミノ末端にて、緑膿菌外膜タンパク質F(OprFまたはOMPF)のカルボキシ末端部分のカルボキシ末端に融合する、緑膿菌外膜タンパク質I(OprIまたはOMPI)またはその断片を含む融合タンパク質を含むワクチン、とりわけSEQ ID NO:1の融合タンパク質を含む非アジュバントワクチンが、プラセボ対照としてのミョウバンに対して有意に、機械的人工呼吸器をつけた集中治療患者における死亡率を減少させることがここで驚くべきことに発見された。
機械的人工呼吸器をつけた集中治療患者は、Ventilator−Associated Pneumonia(VAP)、敗血症または軟組織感染のような、緑膿菌または他の感染の、重度な、そしてしばしば生命を脅かす形態を獲得する特定のリスクを持つ。そのような感染はまた、やけど、重度なやけど、免疫抑制されるがんおよび移植患者、および嚢胞性線維症患者、集中治療ユニット(ICU)患者または一般にすべての入院患者に影響を与えうる。
驚くべきことに、OprIが、そのN−末端にて、OprFのC末端(例えば以下で定義するように)に連結する融合タンパク質(本明細書でまた、「OprF/I試薬」または「OprF/I融合タンパク質」と呼ばれる)を含む非アジュバントワクチンが、機械的人工呼吸器をつけた集中治療患者にて、プラセボ対照としてのミョウバンに対して、有意に死亡数を減少させることが、本発明者らによって発見された。さらに、上記融合タンパク質を含むミョウバンアジュバントワクチンがまた、プラセボに比べて死亡率の減少を示した。
したがって、本発明の特定の発見にしたがって、以下が提供される。
1.1 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、機械的に人工呼吸器をつけた集中治療ユニット患者のような人工呼吸器をつけた集中治療ユニット患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.2 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、嚢胞性線維症患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.3 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、第一、第二または第三程度のやけど、好ましくは第三程度のやけどのようなやけど患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.4 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、免疫抑制されるがんまたは移植患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.5 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、集中治療ユニット患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.6 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、入院患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.7 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、48時間以上機械的人工呼吸とりつけを必要とする集中治療ユニットに収容された患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.8 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、手術される、または手術が予定されているヒトまたは非ヒト動物に、好ましくは少なくとも予定されている手術の2週間前に投与することを含む、前記ヒトまたは非ヒト動物における死亡率を減少させる方法、
1.9 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、(ベースジャンプ、バンジージャンプ、滑空、ハンググライダー、ハイワイヤ、スキージャンプ、スカイダイビング、スカイサーフィン、スカイフライング、インドアクライミング、アドベンチャーレース、過激なインラインスケーティング、BMX、カービング、過激なモトクロス、過激なスキー、フリースタイルスキー、ランドおよびアイスヨット、マウンテンバイク、マウンテンボーディング、アウトドアクライミング、サンドボード、スケートボード、スノーボード、スノーモービル、スピードバイク、スピードスキー、スクーテリング、裸足のウォタースキー、クリフダイビング、フリーダイビング、ジェットスキー、オープンウォータースイミング、パワーボードレース、世界一周ヨットレース、スキューバダイビング、スノーケリング、スピードセーリング、サーフィン、ウェイクボード、急流カヤック、ウインドサーフィンのような)危険をはらんだスポーツを行っているヒトのような、集中治療ユニットに収納されるリスクのあるヒトに、好ましくは予定された危険をはらんだスポーツイベントの少なくとも2週間前に、投与することを含む、前記ヒトにおける死亡率を減少させる方法、
1.10 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、ヒト、とりわけ任意の年齢、例えば2歳またはそれ以上の歳のヒトに投与することを含む、前記ヒトにおける死亡率を減少させる方法、
1.11 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、任意の種類の感染を有するヒトに投与することを含む、前記ヒトにおける死亡率を減少させる方法であって、好ましくはさらに、習慣的なブースターワクチン摂取が含まれる方法、
1.12 OprF/I試薬が、i)SEQ ID NO:2、3、7〜10およびii)SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:11〜13からなるポリペプチド、および前記ポリペプチドまたはSEQ ID NO:1に対して指向する抗体またはその断片からなる群より選択される、以上で定義された方法、
1.13 薬理学的組成物がワクチンである、以上で定義された方法、
1.14 薬理学的組成物が、非アジュバントであるワクチンである、以上で定義された方法、
1.15 第一薬物基質と第二薬物基質を共投与することであって、前記第一薬物基質が、(薬理学的に効果的な量のような)効果的な量の、OprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1を含むワクチンであり、前記第二薬物基質が、(薬理学的に効果的な量のような)効果的な量の、とりわけ死亡のリスクを減少させることに関して、患者、ヒトまたは非ヒト動物の状態を改善している、静脈内抗生物質のような抗生物質および他の薬物基質からなる群より選択される、以上で定義された方法、
1.16 死亡率が、100より少ない、以上で定義された方法、
1.17 例えばICU患者、好ましくは、人工呼吸器をつけたICU患者における死亡率が、95、好ましくは90、より好ましくは85、より好ましくは80、より好ましくは75、より好ましくは70、より好ましくは65より少ない、さらにより好ましくは60より少ない、最も好ましくは55より少ない、以上で定義された方法、
1.18 OprF/I試薬が、SEQ ID NO:1を有する3つのOprF/I試薬、またはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列と、少なくとも85%、好ましくは90%、とりわけ95%の同一性を持つその免疫原性バリアントを含む(または少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%からなる)タンパク質複合体である、以上で定義された方法、
1.19 OprF/I試薬が、
(a)Cys18−Cys27−結合(SEQ ID NO:11)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、
(b)Cys18−Cys27−結合とCys33−Cys47−結合(SEQ ID NO:12)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、および
(c)Cys18−Cys47−結合とCys27−Cys33−結合(SEQ ID NO:13)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、
またはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列と少なくとも85%、好ましくは90%、とりわけ95%同一性を持ち、(a)、(b)または(c)にて特定されたのと同一のジスルフィド結合パターンを有する、その免疫原性バリアントからなる群より選択され、
好ましくは、OprF/I試薬が、SEQ ID NO:1を有する3つのOprF/I試薬、またはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列と、少なくとも85%、好ましくは90%、とりわけ95%の同一性を持つその免疫原性バリアントを含むタンパク質複合体であり、a)Cys18−Cys27−結合(SEQ ID NO:11)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、b)Cys18−Cys27−結合とCys33−Cys47−結合(SEQ ID NO:12)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、およびc)Cys18−Cys47−結合とCys27−Cys33−結合(SEQ ID NO:13)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質の合計が、75%と等しいか大きい、以上で定義された方法。
好適な第二薬物基質には、例えば、i)抗細菌化合物、例えばペニシリン類、セファロスポリン類、ポリミキシン類、キノロン類、スルホンアミド類、アミノグリコシド類、マクロライド類、テトラサイクリン類、ダプトマイシン類、チゲシクリン類、リンゾリド類、ii)抗真菌化合物、例えばポリエン抗真菌剤、ナタマイシン、リモシジン、フィリピン、ナイアスタチン、アムホテリシンB、カンジシン、ハミシンのような抗生物質が含まれてよい。
本明細書で使用するところの語句「共投与」または「混合投与」などは、単一の患者への、選択された治療的、または予防的薬剤の投与を包含する意味があり、薬剤が同一の投与経路によって、または同時に必ずしも投与されない処置または予防的レジメを含む意図がある。
免疫原性メット上の主要評価項目−研究結果の免疫原性のまとめ(GMT:Geometric Mean Titers) 全てのワクチン群における対プラセボの死亡率の減少。100mcg w/oミョウバンにてワクチン摂取した群に対する死亡率の統計学的に有意な減少(28日目にp=0.0196)。 生存におけるOprF/Iタイターの有意な予測値。抗−OprF/I(SEQ ID NO:1)IgG TITERSを14日目に測定した。Cox回帰解析が、生存におけるOprF/I IgGタイターの有意な予測値を示した(p=0.0336)。 感染した患者における、対プラセボの生存率の減少。サブグループC(破線):治験責任医師が感染を総合的に確認した患者。サブグループD(非破線):治験責任医師が感染を総合的に確認していない患者。 本発明にしたがった、還元と、制御された再酸化工程を略図的に描写している。 発現後のOprF/I融合タンパク質のRP−HPLCプロファイルの重ね合わせと、還元後、および再酸化/精製後、IMAC上でのキャプチャリングを示している。 発現後のOprF/I融合タンパク質のSECプロファイルの重ね合わせと、還元後、および再酸化/精製後、IMAC上でのキャプチャリングを示している。 再酸化IMAC/G50プールのRP−HPLC解析を示している。試料を、300分後および21時間後に解析した。 pH8.0およびpH2での、OprF/I融合タンパク質試料のSEC解析の間の保持時間における変化を示している。 OprF/I融合タンパク質の例示的産出および精製工程のフロースキームを示している。 選出されたQSHP画分の分離および解析RP−HPLC溶出プロファイルを示している。 OprF/I融合タンパク質のピークP1、P2およびP3のジスルフィド結合パターンを示している。
定義:
他に定義しない限り、本明細書で使用するすべての技術的および科学的語句は、本発明が属する技術分野の当業者によって共通して理解されるのと同一の意味をもつ。
本発明の使用するところの語句「抗体」は、全抗体およびその任意の抗原結合断片(すなわち「抗原結合部分」)または一本鎖を含む。天然に存在する「抗体」は、ジスルフィド結合によって内部連結した少なくとも2つの重(H)鎖と2つの軽(L)鎖を含む糖タンパク質である。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書にてVHと略す)と重鎖定常領域からなる。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書にてVLと略す)および軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLからなる。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存される領域によって散在される、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる、超可変性の領域内にさらに分割可能である。各VHおよびVLは、アミノ末端からカルボキシ末端へ、以下の順番、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配列される、3つのCDRsと4つのFRsからなる。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫システムの種々の細胞(例えばエフェクター細胞)および古典的補体システムの第一構成要素(Clq)を含む、免疫グロブリンの宿主組織または因子への結合を仲介してよい。
本明細書で使用するところの、語句、抗体の「抗原結合部位」は、当該抗原に特異的に結合する能力を維持する無傷の抗体の1つまたはそれ以上の断片(例えばOprF/I試薬またはSEQ ID NO:1)を意味する。抗体の抗原結合機能は、無傷の抗体の断片によって発揮されうる。語句抗体の「抗原結合部位」に包含される結合している断片の例には、Fab断片、ラクダ化(camelized)VHまたはdAbドメインからなる一価断片、F(ab)断片、ヒンジ領域にてジスルフィド橋によって連結した2つのFab断片を含む二価断片、VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、VHドメインまたはVLドメインからなる単一ドメイン抗体(dAb)断片(Ward et al.,1989 Nature 341:544−546)、単離相補性決定領域(CDR)が含まれる。
さらに、Fv断片の2つのドメイン、VLおよびVHは別の遺伝子によってコードされるけれども、これらは、VLとVH領域を、一価分子を形成するために対になる一本鎖タンパク質鎖として作り上げることを可能にする人工ペプチドリンカーによって、組換え法を用いて結合可能である(一本鎖Fv(ScFv)として知られる、例えばBird et al.,1988 Science 242:423−426;およびHuston et al.,1988 Proc.Natl.Acad.Sci.65:5879−5883を参照のこと)。そのような一本鎖抗体には、1つまたはそれ以上の抗体の「抗原結合部位」が含まれる。これらの抗体断片は、当業者に公知の従来の技術を用いて得られ、断片が、無傷の抗体と同一の様式にて有用性に関してスクリーンされる。抗原結合部位はまた、単一ドメイン抗体、マキシ体、ミニボディ、インターボディ、ディアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v−NARおよびbis−scFv内に組み込むことが可能である(例えば、Hollinger and Hudson.2005.Nature Biotechnology,23,9,1126−1136を参照のこと)。抗体の抗原結合部位は、III型Fibronectin(Fn3)のようなポリペプチドに基づいた足場内にグラフト可能である(フィブロネクチンポリペプチドモノボディを記述している米国特許第6,703,199号明細書を参照のこと)。抗原結合部位は、相補的軽鎖ポリペプチドとともに、一対の抗原結合領域を形成する、一対のタンデムFvセグメント(VH−CHI−VH−CMI)を含む一本鎖分子内に組み込むことが可能である(Zapata et al.,1995 Protein Eng.8(10):1057−1062、および米国特許第5,641,870号明細書)。
本明細書で使用するところの、語句「親和力」は、単一の抗原部位での抗体と抗原間の相互作用の強さを意味する。各抗原部位内で、抗体「アーム」の可変領域が、多数の部位にて抗原と、弱い非共有力をとおして相互作用し、相互作用が多ければ多いほど、親和力は強い。
本明細書で使用するところの、語句「親和性」は、抗体−抗原複合体の総合安定性または強度の情報程度を意味する。これは、3つの主要な要素、抗体エピトープ親和力、抗原と抗体両方の価数、および相互作用している部分の構造的アレンジメント、によって制御される。最終的に、これらの因子が、抗体の特異性を定義し、特定の抗体が、正確な抗原エピトープに結合している可能性である。
語句「アミノ酸」は、天然に存在する、および合成アミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能する、アミノ酸類似体およびアミノ酸ミメティックを意味する。天然に存在するアミン酸は、遺伝コードによってコードされるもの、ならびに後に改変されるアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、y−カルボキシグルタメート、およびO−ホスホセリンである。アミノ酸類似物は、天然に存在するアミノ酸と同一の基本的化学構造を有する化合物、すなわち水素に結合するアルファ炭素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基、例えばホモセリン、ノルロイシン、メチオニン、スルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを意味する。そのような類似体は、改変されたR基(例えばノルロイシン)または改変されたペプチド骨格を持つが、天然に存在するアミノ酸と同一の基本的化学構造を維持する。アミノ酸ミメティックは、アミノ酸の一般的な化学構造からは異なる構造を持つが、天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能する化学物質を意味する。
本明細書で使用するところの語句「結合特異性」は、個々の抗体結合部位の、ただ1つの抗原決定基と反応する能力を意味する。抗体の結合部位は、分子のFab部位中に存在し、重鎖および軽鎖の超可変領域から構築される。抗体の結合親和力は、抗体上の、単一の抗原決定基と単一の結合部位間の反応の強度である。これは、抗体の抗原決定基と結合部位間で働いている、誘引力および反発力の合計である。2つの物体間の特異的結合は、少なくとも1×10−1、108−1、10−1、1010−1、1011−1、1012−1、1013−1の平衡定数(KA)を持つ結合を意味する。用語抗体(例えばOprF/I試薬結合抗体)に「特異的に(または選択的に)結合する」は、例えば、異質のタンパク質または他の化合物の集団中、抗原(例えばOprF/I試薬)の存在の決定要因である結合反応を意味する。以上で言及した平衡定数(KA)に加えて、本発明のOprF/I試薬結合抗体は一般に、約1×10−2−1、1×10’3−1、1×10−1、1×10’4−1またはそれより低い解離定数(Kd)も持ち、非特異的抗原への結合に関するその親和力よりも、少なくとも10倍、好ましくは100倍、または1000倍まで、またはそれ以上である親和力でOprF/I試薬(類)に結合する。用語「抗原を認識している抗体」および「抗原に対して特異的な抗体」は、本明細書において、語句「抗原に対して特異的に結合する抗体」と相互互換的に使用される。
本明細書出使用するところの語句「対象」は、任意のヒトまたは非ヒト動物を含む。
語句「非ヒト動物」には、全ての非ヒト脊椎動物、例えば非ヒト霊長類、齧歯類、ウサギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、トリ、両生類、は虫類などのような哺乳動物および非哺乳動物が含まれる。
語句「キメラ抗体」は、(a)定常領域、またはその一部が、抗原結合部位(可変領域)が、異なるまたは変更されたクラス、エフェクター機能および/または種、またはキメラ抗体に対して新規の特性を与える全体が異なる分子、例えば酵素、毒素、ホルモン、成長因子、薬物などの定常領域と連結するように、変更、置換または交換される、または(b)可変領域またはその一部が、異なるかまたは変更された抗原特異性を有する可変領域で変更、置換または交換される、抗体分子である。例えば、マウス抗体を、その定常領域を、ヒト免疫グロブリンからの定常領域で置換することによって改変可能である。ヒト定常領域での置換によって、キメラ抗体は、抗原を認識することにおいて、その特異性を維持可能であるが、一方で、本来のマウス抗体と比較して、ヒトでの抗原性が減少する。
語句「保存的修飾バリアント」は、アミノ酸および核酸配列両方に適用される。特定の核酸配列に関して、保存的修飾バリアントは、同一の、または本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸、またはアミノ酸配列をコードしていない核酸の場合、本質的に同一の配列を意味する。遺伝コードの縮重のために、多数の機能的に同一の核酸が、任意の概タンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCGおよびGCUはすべてアミノ酸アラニンをコードしている。したがって、アラニンがコドンによって特定されるすべての位置において、コドンは、コードされたポリペプチドを変更することなしに、記述された相当するコドンの任意に変更可能である。そのような核酸バリアントは、「サイレントバリアント」と呼ばれ、保存的修飾バリエーションの一種である。ポリペプチドをコードしている本明細書のすべての核酸配列がまた、核酸のすべての可能性あるサイレントバリアントも記述している。当業者は、核酸中の各コドン(通常メチオニンに対する唯一のコドンであるAUG、通常トリプトファンに対する唯一のコドンであるTGGを除く)が、機能的に同一の分子を産出するために改変可能である。したがって、ポリペプチドをコードしている核酸の各サイレントバリエーションは、各記述された配列中潜在的である。
ポリペプチド配列に関して、「保存的修飾バリアント」には、結果として化学的に同様のアミノ酸でのアミノ酸の置換となる、ポリペプチド配列に対する個々の置換、欠損または添加が含まれる。機能的に同様のアミノ酸を提供する保存置換表が本技術分野でよく公知である。そのような保存的修飾バリアントは、多型バリアント、種間相同体および本発明の対立遺伝子に加わるものであり、除外されない。以下の8つの群が、他に対して保存置換であるアミノ酸を含む。1)アラニン(A)、グリシン(G)、2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、4)アルギニン(R)、リシン(K)、5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、7)セリン(S)、スレオニン(T)、および8)システイン(C)、メチオニン(M)(例えば、Creighton,Proteins(1984)を参照のこと)。いくつかの実施形態において、語句「保存配列修飾」は、アミノ酸配列を含む抗体の結合特性に有意に影響を与えないか、または変化させない、アミノ酸改変を意味するために使用される。
語句「交差ブロック」、「交差ブロックされた」および「交差ブロックしている」は、抗体または他の結合試薬の、標準の競合結合アッセイにおける、他の抗体または結合試薬の任意のOprF/I試薬への結合を干渉する能力を意味するために、本明細書にて相互互換的に使用される。
抗体または他の結合試薬が、他の抗体または結合分子のOprF/I試薬への結合を干渉することが可能である、したがって本発明にしたがって交差ブロックされたと言うことが可能かどうかの能力または程度は、標準の競合結合アッセイを用いて決定可能である。1つの好適なアッセイには、表面プラズモン共鳴技術を用いて相互作用の程度を測定可能なBiacore技術(例えば、BIAcore 3000装置(Biacore,Uppsala,Sweden)を用いることによって)の利用が含まれる。交差ブロックを測定するための他のアッセイは、ELISAに基づくアプローチを使用する。
語句「エピトープ」は、抗体に特異的に結合可能なタンパク質決定基を意味する。エピトープは通常、アミノ酸または糖側鎖のような分子の化学的に活性な表面基からなり、通常特異的な三次元構造特徴、ならびに特異的な荷電特徴を有する。立体配座および非立体配座エピトープは、還元溶媒の存在下で、前者への結合が失われる、また後者への結合は失われないことで区別される。
本明細書で使用するところの語句、IgG抗体またはその断片(例えばFab断片)に対する「高親和力」は、標的抗原に対して、10−8Mまたはそれ以下、10−9Mまたはそれ以下、または10−10Mまたは10−11Mまたはそれ以下、または10−12Mまたはそれ以下、または10−13Mまたはそれ以下のKDを持つ抗体を意味する。しかしながら、「高親和力」結合は、他の抗体のイソタイプによって様々である。例えば、IgMイソタイプに対する「高親和力」結合は、10−7Mまたはそれ以下、または10−8Mまたはそれ以下のKDを持つ抗体を意味する。1つの様態において、本明細書で記述した抗OprF/I抗体またはその抗原結合断片は、1nM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下、またより好ましくは10pM以下のKDを持つ。
本明細書で使用するところの語句「ヒト抗体」は、フレームワークおよびCDR領域両方が、ヒト由来の配列から誘導される、可変領域を有する抗体を含むことを意図する。さらに、抗体が定常領域を含む場合、定常領域はまた、そのようなヒト配列、例えばヒト生殖細胞配列、またはヒト生殖細胞配列の変異バージョンからも誘導される。本発明のヒト抗体には、ヒト配列によってコードされないアミノ酸残基が含まれてよい(例えば、in vitroでのランダムまたは部位特異的変異導入によって、またはin vivoでの体細胞変異によって導入された変異)。
語句「ヒトモノクローナル抗体」は、フレームワークとCDR領域両方がヒト配列から由来する可変領域を有する単一の結合特異性を示している抗体を意味する。1つの実施形態において、ヒトモノクローナル抗体は、トランスジェニック非ヒト動物、たとえばトランスジェニックマウスから得られるB細胞を含み、不死化細胞に融合したヒト重鎖トランスジーンと軽鎖トランスジーンを含むゲノムを有するハイブリドーマによって産出される。
「ヒト化」抗体は、非ヒト抗体の反応性を維持するが、ヒトにおいて免疫原性はほとんどない抗体である。これは、例えば、非ヒトCDR領域を維持すること、およびそれらのヒトカウンターパート(すなわち定常領域ならびに可変領域のフレームワーク部分)にて、抗体の残りの部分を置換することによって達成可能である。例えば、Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.81:6851−6855,1984;Morrison and Oi.Adv.Immunol.,44:65−92,1988;Verhoeyen et al.,Science,239:1534−1536.1988;Padlan,Molec.Immun.,28:489−498.1991;およびPadlan.Molec.Immun.,31:169−217,1994を参照のこと。ヒト工学技術の他の例には、米国特許第5,766,886号明細書にて開示されたXoma技術が含まれるが、これに限定はされない。
2つまたはそれ以上の核酸またはポリペプチド配列に関する、語句「同一」またはパーセント「同一性」は、同一である2つまたはそれ以上の配列またはサブ配列を意味する。比較ウインドウ、または以下の配列比較アルゴリズムの1つを用いて、またはマニュアル整列および目視検査によって測定したような計画的な領域にわたり最大応答に関して比較および整列した時に、2つの配列が特定の割合の同一であるアミノ酸残基またはヌクレオチド(すなわち、特定の領域にわたり、または特定しない場合、全配列にわたり、60%同一性、任意に65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%同一性)を持つ場合に、2つの配列が「本質的に同一」である。任意に、同一性は、長さにおいて少なくとも50ヌクレオチド(または10アミノ酸)である領域にわたり、より好ましくは、長さにおいて、100〜500または1000またはそれ以上のヌクレオチド(または20、50、200またはそれ以上のアミノ酸)である領域にわたり存在する。
配列比較のために、典型的には1つの配列が、参照配列として働き、それに対して試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを用いる時、試験および参照配列をコンピュータに入力し、必要ならばサブ配列座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。デフォルトプログラムパラメータを使用可能であり、または他のパラメータを指定可能である。配列比較アルゴリズムがついで、プログラムパラメータに基づいて、参照配列と比較して試験配列に対して、パーセント配列同一性を計算する。本明細書で使用するところの「比較ウインド」には、そこで2つの配列を任意に整列させた後に、配列を同数の連続する位置の参照配列と比較してよい、20〜600、通常約50〜約200、より通常約100〜約150からなる群より選択された連続位置の数の任意の1つのセグメントを参照する。比較のための配列の整列方法が本技術分野でよく公知である。比較のための配列の最適な整列は、例えば、Smith and Waterman (1970)Adv.Appl.Math.2:482cのローカル相同性アルゴリズムによって、Needleman and Wunsch.J.Mol.Biol.48:443,1970の相同配列アルゴリズムによって、Pearson and Lipman.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444,1988の同一性方法のための検索によって、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実施によって(GAP,BESTFIT FASTAおよびWisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Or.,Madison.WIにおけるTFASTA)、またはマニュアル整列および目視検査(例えばBrent et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.(Ringbou ed.,2003)を参照のこと)によって実施可能である。パーセント配列同一性と配列類似性を決定するために好適であるアルゴリズムの2つの例は、BLASTおよびBLAST2.0アルゴリズムであり、それぞれ、Altschul et al.,Nuc.Acids.Res.25:3389−3402,1977、およびAltshul et al.,J.Mol.Biol.215:403−410,1990に記述されている。BLAST解析を実施するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationをとして公的に入手可能である。本アルゴリズムには、クエリー配列中の長さWの短いワードを同定することによる、高スコアリング配列対(HSPs)をまず同定することが含まれ、データベース配列中の同一の長さのワードと整列した時に、正の値の閾値とマッチするかまたは満足させるかいずれかである。Tは、近隣ワードスコア閾値として引用される(Altshul et al.、上記)。これらの初期近隣ワードヒットは、これらを含むより長いHSPsを探すための探索を開始するためのシーズとして働く。ワードヒットは、累積アルゴリズムスコアが増加可能である限り、各配列にそって両方の方向で伸張する。累積スコアは、ヌクレオチド配列に関して、パラメータM(一対のマッチしている残基に対するリワードスコア、常に>0)およびN(ミスマッチ残基に対するペナルティースコア、常に<0)を用いて計算する。アミノ酸配列に関して、スコアリングマトリックスを使用して累積スコアを計算する。各方向でのワードヒットの伸張が、累積整列スコアが、その最大の達成値から、量Xまで減少する場合に停止し、累積スコアは、1つまたはそれ以上の負のスコアリング残基整列の累積のために、ゼロまたはそれ以下に行くか、いずれかの配列の末端が達せられる。BLASTアルゴリズムパラメータW、TおよびXは、整列の感度およびスピードを決定する。(ヌクレオチド配列に対して)BLASTNプログラムは、11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=−4および両鎖の比較をデフォルトとして使用する。アミノ酸配列に関して、BLASTPプログラムは、3のワード長、10の期待値(E)およびBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff and Henikoff,Proc.Natl.Acad Sci.USA 89:10915,1989を参照のこと)、50のアルゴリズム(B)、10の期待値(E)、M=5、N=4および両鎖の比較をデフォルトとして使用する。BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計学的解析を実施する(例えばKarlin and Altschul,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5787,1993を参照のこと)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの測定が、最小和確率(P(N))であり、それによって2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間のマッチが偶然発生する確率の指標が提供される。例えば、参照ヌクレオチドに対する試験核酸の比較における最小和確率が約0.2より小さい、より好ましくは約0.01より小さい、最も好ましくは約0.001より小さい場合に、参照配列と同様であると考慮される。2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性はまた、PAM120重量残基表、12のギャップ長ペナルティおよび4のギャップペナルティを用いて、ALIGNプログラム(バージョン2.0)内に組み込まれてきた、E.Meyers and W.Miller(Comput.Appl.Biosci.4:11−17,1988)のアルゴリズムを用いても決定可能である。加えて、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性を、Blosum62マトリックスまたはPAM250マトリックスいずれか、および16、14、12、10、8、6、または4のギャップ重量および1、2、3、4、5または6の長さ重量を用いて、GCGソフトウェアパッケージ(www.gcg.comにて利用可能)中、GAPプログラム内に組み込まれてきた、Needleman and Wunsch(J.Mol.Biol.48:444−453,1970)アルゴリズムを用いて決定可能である。以上で言及した配列同一性の割合以外、2つの核酸配列またはポリペプチドが本質的に同一であるという他の示唆は、第一核酸によってコードされたポリペプチドが、以下で記述したような、第二核酸によってコードされたポリペプチドに対して発生した抗体と免疫学的に交差反応することである。従って、ポリペプチドは典型的に、第二ポリペプチドに対して本質的に同一であり、例えば、そこで2つのペプチドは、保存置換によってのみ異なる。2つの核酸配列が、本質的に同一である他の示唆は、2つの分子またはそれらの相補体が、以下で記述するように、切迫条件下、互いにハイブリッド形成することである。2つの核酸配列が本質的に同一であるまた他の示唆は、同一のプライマーが、配列を増幅するために使用可能であることである。
語句「単離抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体から本質的に独立した抗体を意味する(例えば、OprF/I試薬に特異的に結合する単離抗体は、任意のOprF/I試薬以外の抗原に特異的に結合する抗体から本質的に独立している)。OprF/I試薬に特異的に結合する単離抗体はしかしながら、他の抗原への交差反応性を有する。さらに、単離抗体は、他の細胞性物質および/または化学物質から本質的に独立してよい。
語句「イソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によって提供される抗体クラス(例えばIgM、IgE、IgG1またはIgG4のようなIgG)を意味する。イソタイプにはまた、これらのクラスの1つの改変形態が含まれ、改変は、例えばエフェクター機能またはFc受容体への結合を増強する、または減少させるために、Fc機能を変更するように実施された。
本明細書で使用するところの語句「Kassoc」または「Ka」は、特定の抗体−抗原反応の結合速度を意味する意図があり、本明細書で使用するところの語句「Kdis」または「Kd」は、特定の抗体−抗原反応の解離速度を意味する意図がある。本明細書で使用するところの語句「K」は、結合定数を意味する意図が有り、KdのKaに対する比(すなわちKd/Ka)から得られ、モル濃度(M)として表される。抗体に対するK値は、本技術分野でよく確立された方法を用いて決定可能である。抗体のKを決定するための方法は、表面プラズモン共鳴を用いる、またはBiacore(登録商標)システムのようなバイオセンサーシステムを用いることによってである。
本明細書で使用するところの語句「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、単一分子組成物の抗体分子の調製物を意味する。モノクローナル抗体組成物は、特異的なエピトープに対して、単一の結合特異性と親和性を提示する。
語句「ポリヌクレオチド」と互換的に本明細書で使用するところの語句「核酸」は、一本鎖または二本鎖形態いずれかでの、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよびそれらのポリマーを意味する。本語句は、合成、天然に存在する、および天然に存在しない、参照核酸と同様の結合特性をもつ、そして参照ヌクレオチドと同様の様式で代謝される、公知のヌクレオチド類似体または改変骨格残基または結合を含む核酸を包含する。そのような類似体の例には、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、メチルホスホネートキラル−メチルホスホネート、2−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド−核酸(PNAs)が含まれるが、これらの限定はされない。他の示唆しない限り、特定の核酸配列は、その保存的修飾バリアント(例えば縮重コドン置換)および相補配列、ならびに暗に示唆された配列を暗に包含する。とりわけ、以下で詳述するように、縮重コドン置換は、1つまたはそれ以上の選択された(またはすべての)コドンの第三位置が、混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換される配列を産出することによって達成されうる(Batzer et al., Nucleic Acid Res. 19.5081. 1991; Ohtsuka et al., J. Biol. Chem 260:2605−2608, 1985; and Rossolini el. al., MoI. Cell. Probes 8:91−98, 1994)。
語句「動作可能に連結した」は、2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド(例えばNA)セグメント間の機能的な関係を意味する。典型的には、転写制御配列の、転写された配列に対する機能的関係を意味する。例えば、プロモーターまたはエンハンサー配列は、適切な宿主細胞または他の発現系におけるコード配列の転写を刺激する、または調節する場合に、コード配列に動作可能に連結する。一般に、転写された配列に動作可能に連結するプロモーター転写制御配列は、転写された配列に物理的に連続しており、すなわち、これらはcis動作している。しかしながら、エンハンサーのようないくつかの転写制御配列は、物理的に連続している必要はなく、またはその転写制御配列がその転写を増強するコード配列と近位に位置する必要はない。
本明細書で使用するところの語句「最適化された」は、産出細胞または有機体、一般には真核生物、例えばPichiaの細胞、チャイニーズハムスター卵母細胞(CHO)またはヒト細胞中で好ましいコドンを用いて、アミノ酸配列をコードするように変更されたヌクレオチド配列を意味する。最適化されたヌクレオチド配列は、完全に、または可能な限り、「親」配列としてまた公知である、開始ヌクレオチド配列によって本来コードされたアミノ酸配列を維持するように操作される。本明細書の最適化された配列は、哺乳動物中で好ましいコドンを持つように操作された。しかしながら、他の原核細胞または真核細胞中のこれらの配列の最適化された発現がまた本明細書で想定される。最適化されたヌクレオチド配列によってコードされたアミノ酸配列もまた最適化されていると言われる。
語句「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを意味するために本明細書で互換的に使用される。本語句は、1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が、相当する天然に存在するアミノ酸の人工キメラミメティックであるアミノ酸ポリマー、ならびに天然に存在するアミノ酸ポリマーおよび天然に存在しないアミノ酸ポリマーに適用される。他に指摘しない限り、特定のポリペプチド配列がまた、その保存修飾されたバリアントを暗に包含する。
本明細書で使用するところの語句「組換え体ヒト抗体」には、ヒト免疫グロブリン遺伝子に対してトランスジェニックまたはトランスクロソーム的である動物(例えばマウス)から単離された抗体、それらから調製されたハイブリドーマ、ヒト抗体を発現するために形質転換された宿主細胞、例えばトランスフェクトーマから単離された抗体、組換え、コンビナトリアルヒト抗体ライブラリから単離された抗体のような組換え方法によって調製、発現、作製または単離された全てのヒト抗体、およびヒト免疫グロブリン遺伝子、他のDNAに対する配列の全てまたは一部をスプライスすることを含む任意の他の方法によって調製、発現、作成または単離された抗体が含まれる。そのような組換え体ヒト抗体は、フレームワークおよびCDR領域が、ヒト生殖免疫グロブリン配列から由来する可変領域を有する。特定の実施形態においてしかしながら、そのような組換え体ヒト抗体を、in vitro変異導入(またはヒトIg配列に対するトランスジェニック動物を使用する場合、in vivo体細胞変異導入)にかけてよく、したがって組換え体抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖VHおよびVL配列から由来し、関連する一方で、in vivoにて、ヒト抗体生殖レパートリー内に天然には存在しなくてよい配列である。
語句「組換え体宿主細胞」(または単に「宿主細胞」)は、組換え体発現ベクターが導入された細胞を意味する。そのような語句は、特定の対象細胞のみを指すのではなく、そのような細胞の子孫も指す意図があることが理解されるべきである。特定の改変が、変異または環境の影響のいずれかによって、続く世代で発生しうるので、そのような子孫は実際、親細胞とは同一ではなくてよいが、本明細書で使用するところの語句「宿主」の範囲内に含まれる。
語句「対象」には、ヒトおよび非ヒト動物が含まれる。非ヒト動物には、全ての脊椎動物、例えば、霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生類およびは虫類のような、哺乳動物および非哺乳動物が含まれる。言及した場合を除き、語句「患者」または「対象」は相互互換的に使用される。
語句「処置すること」には、疾患(例えば嚢胞性線維症)または感染(例えばICU患者または入院患者または本明細書で他に記述されたような感染を予防または遅延させるような)感染の症状、合併症、または生化学的兆候の開始を予防するまたは遅延させるための、抗体を含むワクチンまたは組成物のような組成物の投与、症状を緩和すること、または疾患、状態または疾病のさらなる発展を停止させるまたは阻害させることが含まれる。疾患の発現後の症状の(疾患の開始を予防または遅延させるため、またはその臨床的またはサブ臨床的症状の発現を防止するための)予防的または治療的抑制または緩和であってよい。
語句「ベクター」は、それに連結したもう1つのポリヌクレオチドを輸送可能なポリヌクレオチド分子を意味する。ベクターの1つの型は「プラスミド」であり、これは、その中にさらなるDNAセグメントをライゲートしてよい環状二本鎖DNAループを意味する。他の型のベクターは、アデノウイルス関連ウイルスベクター(AAVまたはAAV2)のようなウイルスベクターであり、さらなるDNAセグメントがウイルスゲノム内にライゲートされてよい。特定のベクターが、導入された宿主細胞中自己複製可能である(例えば複製の細菌期限を有する細菌ベクターおよびエピソーマル哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば非エピソーマル哺乳動物ベクター)を、宿主細胞内への導入に際して、宿主細胞のゲノム内に統合可能であり、それによって宿主ゲノムにそって複製される。さらに、特定のベクターは、動作可能に連結する遺伝子の発現を指向可能である。そのようなベクターは、「組換え発現ベクター」(または単に、「発現ベクター」)として本明細書で引用される。一般に、組換えDNA技術における発現ベクターの利用は、しばしばプラスミドの形態で、である。本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は、プラスミドがもっとも一般的に利用される型のベクターであるので、相互互換的に使用されてよい。しかしながら、本発明は、等価の機能を提供する、ウイルスベクター(例えば複製欠損レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ関連ウイルス)のような、そのような他の形態の発現ベクターを含む意図がある。
語句「ワクチン」は、特定の人々の集団における特定の感染および/または疾患に対する免疫を改善する生物学的調製物を意味する。ワクチンは典型的に、疾患を引き起こす微生物と似ている試薬を含み、しばしば微生物またはその毒素の弱化または殺傷形態からつくられ、または種々のそのような成分の断片または融合である。試薬は、試薬を外来と認識し、破壊し、「覚える」ために体の免疫系を刺激し、免疫系が、後に遭遇するこれらの任意の微生物をより簡単に認識し、破壊可能である。ワクチンは、(例えば、任意の天然または「野生」病原体によるさらなる感染の効果を予防するか、または緩和するため)予防的、または治療的(例えば癌、嚢胞性線維症の人々、免疫抑制される移植の人々に対するワクチンが治療的に処置されてよい)である。
語句「薬理学的に効果的な量の」または「薬理学的に許容可能な量の」本発明のOprF/I試薬は、本明細書で記述したような患者における感染、疾患または状態を処置するまたは予防する、例えば本明細書で記述したような患者またはヒトにおける死亡率を減少させるのに必要であるか、または十分な量である。効果的な量は、対象のサイズおよび体重、病気の型、または本発明の特定のOprF/I試薬のような因子に依存して変化可能である。たとえば、本発明のOprF/I試薬の選択は、なにが「薬理学的に効果的な量」を構成するかに影響を与えうる。当業者は、本明細書に含まれる因子を研究し、不必要な実験無しに、本発明の化合物の効果的な量に関する決定を行うことが可能である。
語句「mcg」はマイクログラムと同義語である。
語句「死亡率」は、本発明の文脈中、ユニット時間あたり、いくつかの集団の大きさにスケールを合わせた、当該集団中の死亡数(一般に、または特定の原因による)の程度を意味する。本発明の実験パートは、例えば、ICUに到着して(0日0)からICUでの28日目までの期間中の、人工呼吸器をつけたICU患者の集団における、死亡率、すなわち死亡数を記述している(本明細書でまた、28日目死亡率と呼ぶ)。
語句「死亡リスク」または単に「死亡率」は、本発明の文脈中、異なる試験または患者群の死亡率の比較程度を達するために、程度を校正するための比計算を意味する。簡単に記すと、死亡リスクまたは死亡率は、薬物で処置した患者(例えばOprF/I処置患者群)における死亡率対プラセボ対照患者における死亡率の比×100であり、すなわち、死亡リスク(死亡率)=薬物処置群における死亡率/プラセボ群における死亡率(×100)である。死亡率が約100に等しければ、薬物処置およびプラセボ群間の差はなく、死亡率が100より大きければ死亡率が、プラセボ群よりも薬物処置群で高く、死亡率が100より小さい場合、死亡率は、プラセボ群とよりも薬物処置群で低い。
本発明のOprF/I試薬
本発明は、そのアミノ末端で、例えばSEQ ID NO:1のような、緑膿菌膜タンパク質F(全長外膜タンパク質F、またはOprF=SEQ ID NO:5と呼ばれる)のカルボキシ末端部分のカルボキシ末端に融合する、緑膿菌外膜タンパク質I(全長外膜タンパク質IまたはOprF=SEQ ID NO:6と呼ばれる)を含む融合タンパク質およびそのバリアントの本明細書でさらなる記述するような利用に関する(SEQ ID NO:1およびそのバリアントはまた、「OprF/I試薬」または「OprF/I試薬類」として本明細書でまた参照される)。
好ましい様態において、前記融合タンパク質は、天然のOprFタンパク質(SEQ ID NO:3)のアミノ酸190からアミノ酸342までの配列を持つ外膜タンパク質Fのカルボキシ末端部分、または天然のOprIタンパク質のアミノ酸21からアミノ酸83までの配列(SEQ ID NO:4)を持つ外膜タンパク質Iのアミノ末端に融合した、天然のOprFタンパク質のアミノ酸190からアミノ酸350までの配列(SEQ ID NO:2)を持つ外膜タンパク質Fのカルボキシ末端部分を含む。本発明のさらに好ましい様態において、前記融合タンパク質は、例えばSEQ ID NO:1のOprF/I試薬のような、Ala−(His)タグを含む。
さらなる様態において、OprF/I試薬は、SEQ ID NOs:1〜13、とりわけSEQ ID NO:1のような、本明細書で特定された任意の配列のバリアントからなるか、または含んでよい。1つの実施様態は、機能的に活性なバリアントであり、および/または以上で特定した配列に対して少なくとも50%配列同一性、とりわけ少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、またより好ましくは少なくとも90%、またより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは99%配列同一性を持つ。バリアントは、とりわけバリアントの活性が、配列変更なしに、配列の活性の少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、またより好ましくは少なくとも70%、またより好ましくは少なくとも80%、とりわけ少なくとも90%、とりわけ少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の量となる場合、そのバリアントが誘導された配列の生物活性を示す場合に、機能的に活性なバリアントとして見なされる。活性は、「実験パート」または相当する動物試験にて記述したように試験可能であった。
したがって、OprF/I試薬は、そのアミノ末端で、緑膿菌外膜タンパク質Fのカルボキシ末端部分のカルボキシ末端と融合した緑膿菌外膜タンパク質Iを含むか、からなる融合タンパク質として特徴付けてよく、とりわけ
(i)緑膿菌外膜タンパク質Iは全長外膜タンパク質I、とりわけSEQ ID NO:5である、
(ii)緑膿菌外膜タンパク質Fは全長外膜タンパク質F、とりわけSEQ ID NO:6である、
(iii)OprF/I試薬は、i)SEQ ID NO:2、3、7〜10、および/またはii)SEQ ID NO:4を含むか、またはからなる、
(iv)OprF/I試薬はSEQ ID NO:1からなるか、または含む、
(v)OprF/I試薬は、前記ポルペプチドまたSEQ ID NO:1に対して指向する抗体またはその断片からなるか、または含む、
(vi)OprF/I試薬は、機能的に活性なバリアントである、および/またはSEQ ID NO:1に対して少なくとも50%配列同一性、とりわけ少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、まだより好ましくは少なくとも90%、またより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは99%配列同一性を持つ、
(vii)OprF/I試薬は、天然のOprFタンパク質のアミノ酸190からアミノ酸342までの配列(SEQ ID NO:3)を持つ、外膜タンパク質Fのカルボキシ末端部分、または天然のOprFタンパク質のアミノ酸190からアミノ酸350までの配列(SEQ ID NO:2)を持つ外膜タンパク質Fのカルボキシ末端を含む、
(viii)OprF/I試薬は、天然のOprIタンパク質(SEQ ID NO:4)のアミノ酸21からアミノ酸83までの配列を持つ外膜タンパク質Iのアミノ末端を含む、
(ix)OprF/I試薬は、天然のOprFタンパク質のアミノ酸190からアミノ酸342までの配列(SEQ ID NO:3)を持つ外膜タンパク質Fのカルボキシ末端、または天然のOprIタンパク質のアミノ酸21からアミノ酸83までの配列(SEQ ID NO:4)を持つ外膜タンパク質Iのアミノ末端に融合した、天然のOprFタンパク質のアミノ酸190からアミノ酸350までの配列(SEQ ID NO:2)を持つ外膜タンパク質Fのカルボキシ末端部分を含むか、またはからなる、
(x)融合タンパク質が、例えばSEQ ID NO:1、11〜13のOprF/I試薬中のような、Ala−(His)タグを含む。
本発明はさらに、そのアミノ末端にて、緑膿菌外膜タンパク質OprFのカルボキシ末端部分のカルボキシ末端に融合する緑膿菌外膜タンパク質Iを含む融合タンパク質の、本明細書でさらに記述したような利用に関し、そこで、前記カルボキシ末端部分が、1つまたはそれ以上の表面曝露B−細胞エピトープSEE1、SEE2、SEE3およびSEE4を含む。これらのB−細胞エピトープは、OprFの以下のアミノ酸(aa)位置に配置される。SEE1=aa212〜240(SEQ ID NO:7)、SEE2=aa243〜256(SEQ ID NO:8)、SEE3=aa285〜298(SEQ ID NO:9)およびSEE4=aa332〜350(SEQ ID NO:10)(Hughes et al.(1992),Infect.Immun.60,pp.3497−3503を参照のこと)。
本発明の他の様態は、上述融合タンパク質の少なくとも1つを含む薬理学的組成物の、本明細書でさらに記述した利用である。
本発明の他の様態は、上述融合タンパク質の少なくとも1つを含むワクチンの、本発明書でさらに記述した利用である。
さらに、本発明は、1つまたはそれ以上の上記融合タンパク質に指向したモノクローナルまたはポリクローナル抗体の、本明細書でさらに記述したような利用に関する。これらの抗体はまた、例えば緑膿菌による対照への感染に対する、能動的保護を提供するために、薬理学的組成物中で使用してもよく、したがって、本明細書でさらに記述するような急性設定にての利用に関しても有用であり、示唆されうる。
前記OprF/I試薬およびそれを作製する方法が、例えば、抗原に関して、また欧州特許第717106号明細書、Von Specht et al.Infection and Immunity,May 1995,p.1855−1862)中、そして本明細書実験パート中記述される。要するに、前記OprF/I試薬は、真核または厳格細胞中、前記融合タンパク質に関してコードしている核酸の発現をもたらすことを含む工程にしたがって産出されてよい。例えばSEQ ID NO:1のようなOprF/I試薬が、例えば水酸化アルミニウム(400mcg)あり、またはなしで、生理食塩水溶液(0.81%重量/容量)中、100mcgの用量で、(筋肉内または静脈内、好ましくは筋肉内投与のためのような)注射可能であるように処方されてよい。一旦特異的抗原が公知であれば、抗体の作製は本技術分野でよく公知であり、例えば完全ヒト抗体の産出および作製の場合、国際特許第2008055795号パンフレットおよび第04102198号パンフレットのような方法に従って実施されてよい。
上記説明を考慮して、本発明の特に好ましい実施形態は、OprF/I融合タンパク質の混合物、とりわけ複合体であり、各OprF/I融合タンパク質は、そのカルボキシ末端にて、緑膿菌外膜タンパク質Iのアミノ末端の一部に融合する緑膿菌外膜タンパク質Fの一部を含み、緑膿菌外膜タンパク質Fの前記部分は、天然の緑膿菌外膜タンパク質Fのアミノ酸190〜342を含み、緑膿菌外膜タンパク質Iの前記部分は、天然の緑膿菌外膜タンパク質Iのアミノ酸21〜83を含み、各OprF/I融合タンパク質は、Ala−(His)−N−末端を含み、前記混合物が、
(a)Cys18−Cys27−結合のみを持つOprF/I融合タンパク質(SEQ ID NO:11)、
(b)Cys18−Cys27−結合とCys33−Cys47−結合を持つOprF/I融合タンパク質(SEQ ID NO:12)、および/または
(c)Cys18−Cys47−結合とCys27−Cys33−結合を持つOprF/I融合タンパク質(SEQ ID NO:13)
を、とりわけトリマーの形態で含む。
アミノ酸ナンバリングは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列に従う。前記混合物の純度は、RP−HPLCによって好ましく測定されたように、混合物の全タンパク質含量と比較して、少なくとも約75%、好ましくは少なくとも約80%〜約90%、とりわけ少なくとも約85%、例えば75%〜90%または85%〜90%である。
以上で説明したように、本発明の特定の利点は、OprF/I融合タンパク質が、望まない凝集、とりわけ高分子量凝集を形成しないが、好ましくはトリマーであることである。興味深いことに、OrpF/I融合タンパク質トリマーは球形状の代わりに細長い形状と、高い流体力学半径、とりわけ5.6nm計算ストークス半径を持つ。トリマーは、例えばpH約7および室温のような生理学的条件下、溶液中で安定であり、すなわち解離はモニタされなかった。
したがって、本発明の他の様態は、そのカルボキシまったんで、緑膿菌外膜タンパク質Iのアミノ末端の一部と融合する、緑膿菌外膜タンパク質Fの一部を含むトリマーOprF/I融合タンパク質、またはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、好ましくは90%、とりわけ95%同一性をもつその免疫原性バリアントであり、緑膿菌外膜タンパク質Fの前記部分が、天然の緑膿菌外膜タンパク質Fのアミノ酸190〜342を含み、緑膿菌外膜タンパク質Iの前記部分が、天然の緑膿菌外膜タンパク質Iのアミノ酸21〜83を含む。
好ましくはトリマーOprF/I融合タンパク質は、以上で説明したのと同一のジスルフィド結合を有する。さらに、トリマーOprF/I融合タンパク質(群)は、また以上で説明したように、混合物内に存在しうる。
本発明のOprF/I試薬に対する新規および独創的利用
本発明の特定の発見にしたがって、以下の新規および独創的方法および/または利用が提供される。
1.1 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、機械的に人工呼吸器をつけた集中治療ユニット患者のような人工呼吸器をつけた集中治療ユニット患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.2 効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、嚢胞性線維症患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.3 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、第一、第二または第三程度のやけど、好ましくは第三程度のやけどのようなやけど患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.4 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、免疫抑制されるがんまたは移植患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.5 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、集中治療ユニット患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.6 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、入院患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.7 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、48時間以上機械的人工呼吸とりつけを必要とする集中治療ユニットに収容された患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法、
1.8 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、手術される、または手術が予定されているヒトまたは非ヒト動物に、好ましくは少なくとも予定されている手術の2週間前に投与することを含む、前記ヒトまたは非ヒト動物における死亡率を減少させる方法、
1.9 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、(ベースジャンプ、バンジージャンプ、滑空、ハンググライダー、ハイワイヤ、スキージャンプ、スカイダイビング、スカイサーフィン、スカイフライング、インドアクライミング、アドベンチャーレース、過激なインラインスケーティング、BMX、カービング、過激なモトクロス、過激なスキー、フリースタイルスキー、ランドおよびアイスヨット、マウンテンバイク、マウンテンボーディング、アウトドアクライミング、サンドボード、スケートボード、スノーボード、スノーモービル、スピードバイク、スピードスキー、スクーテリング、裸足のウォタースキー、クリフダイビング、フリーダイビング、ジェットスキー、オープンウォータースイミング、パワーボードレース、世界一周ヨットレース、スキューバダイビング、スノーケリング、スピードセーリング、サーフィン、ウェイクボード、急流カヤック、ウインドサーフィンのような)危険をはらんだスポーツを行っているヒトのような、集中治療ユニットに収納されるリスクのあるヒトに、好ましくは予定された危険をはらんだスポーツイベントの少なくとも2週間前に、投与することを含む、前記ヒトにおける死亡率を減少させる方法、
1.10 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、ヒト、とりわけ任意の年齢、例えば2歳またはそれ以上の歳のヒトに投与することを含む、前記ヒトにおける死亡率を減少させる方法、
1.11 (薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1および任意の薬理学的に許容可能な賦形剤を含む薬理学的組成物を、任意の種類の感染を有するヒトに投与することを含む、前記ヒトにおける死亡率を減少させる方法であって、好ましくはさらに、習慣的なブースターワクチン摂取が含まれる方法、
1.12 OprF/I試薬が、i)SEQ ID NO:2、3、7〜10およびii)SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:11〜13からなるポリペプチド、および前記ポリペプチドまたはSEQ ID NO:1に対して指向する抗体またはその断片からなる群より選択される、以上で定義された方法、
1.13 薬理学的組成物がワクチンである、以上で定義された方法、
1.14 薬理学的組成物が、非アジュバントであるワクチンである、以上で定義された方法、
1.15 第一薬物基質と第二薬物基質を共投与することであって、前記第一薬物基質が、(薬理学的に効果的な量のような)効果的な量の、OprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1を含むワクチンであり、前記第二薬物基質が、(薬理学的に効果的な量のような)効果的な量の、とりわけ死亡のリスクを減少させることに関して、患者、ヒトまたは非ヒト動物の状態を改善している、静脈内抗生物質のような抗生物質および他の薬物基質からなる群より選択される、以上で定義された方法、
1.16 死亡率が、100より少ない、以上で定義された方法、
1.17 例えばICU患者、好ましくは、人工呼吸器をつけたICU患者における死亡率が、95、好ましくは90、より好ましくは85、より好ましくは80、より好ましくは75、より好ましくは70、より好ましくは65より少ない、さらにより好ましくは60より少ない、最も好ましくは55より少ない、以上で定義された方法、
1.18 OprF/I試薬が、SEQ ID NO:1を有する3つのOprF/I試薬、またはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列と、少なくとも85%、好ましくは90%、とりわけ95%の同一性を持つその免疫原性バリアントを含む(または少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%からなる)タンパク質複合体である、以上で定義された方法、
1.19 OprF/I試薬が、
(a)Cys18−Cys27−結合(SEQ ID NO:11)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、
(b)Cys18−Cys27−結合とCys33−Cys47−結合(SEQ ID NO:12)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、および
(c)Cys18−Cys47−結合とCys27−Cys33−結合(SEQ ID NO:13)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、
またはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列と少なくとも85%、好ましくは90%、とりわけ95%の同一性を持ち、(a)、(b)または(c)にて特定されたのと同一のジスルフィド結合パターンを有する、その免疫原性バリアントからなる群より選択され、
好ましくは、OprF/I試薬が、SEQ ID NO:1を有する3つのOprF/I試薬、またはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列と、少なくとも85%、好ましくは90%、とりわけ95%の同一性を持つその免疫原性バリアントを含むタンパク質複合体であり、a)Cys18−Cys27−結合(SEQ ID NO:11)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、b)Cys18−Cys27−結合とCys33−Cys47−結合(SEQ ID NO:12)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、およびc)Cys18−Cys27−結合とCys27−Cys33−結合(SEQ ID NO:13)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質の合計が、等しいか、75%より大きい、以上で定義された方法。
好適な第二薬物基質には、例えば、i)抗細菌化合物、例えばペニシリン類、セファロスポリン類、ポリミキシン類、キノロン類、スルホンアミド類、アミノグリコシド類、マクロライド類、テトラサイクリン類、ダプトマイシン類、チゲシクリン類、リンゾリド類、ii)抗真菌化合物、例えばポリエン抗心筋剤、ナタマイシン、リモシジン、フィリピン、ナイアスタチン、アムホテリシンB、カンジシン、ハミシン、iii)第一基質のOprF/I試薬が抗原である場合、本明細書で定義したようなOprF/Iに対して指向した抗体、が含まれてよい。
本明細書で使用するところの語句「共投与」または「混合投与」などは、単一の患者への、選択された治療的、または予防的薬剤の投与を包含する意味があり、薬剤が同一の投与経路によって、または同時に必ずしも投与されない処置または予防的レジメを含む意図がある。
以上にかわって、本発明はまた、以下を提供する。
2.上記1.1〜1.19下定義したような任意の方法での利用のための、OprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1、または
3.上記1.1〜1.19下定義したような任意の方法での利用のための、薬理学的組成物の調製における利用のためのOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1、または
4.1つまたはそれ以上の薬理学的に許容可能な希釈液または担体と一緒の、OprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1を含む、上記1.1〜1.19下定義したような任意の方法での利用のための、薬理学的組成物、
5.1 a)OprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1を含むワクチンである第一試薬で、前記ワクチンは任意に比アジュバントである、
b)例えば以上で開示したような、抗細菌または抗真菌化合物である共試薬
を含む、薬理学的組成物
5.2 a)OprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1に対して指向する抗体またはその断片である第一試薬、および
b)例えば以上で開示したような、抗細菌または抗真菌化合物である共試薬
を含む薬理学的組成物。
本明細書で使用するところの語句「薬理学的組み合わせ」は、1つ以上の活性成分の混合または組み合わせの結果である産物を意味し、活性成分の固定および非固定組み合わせ両方を含む。語句「固定組み合わせ」は、活性成分、例えばOprF/I試薬と共試薬両方を、単一エントリーまたは処方の形態で、同時に患者に投与することを意味する。語句「非固定組み合わせ」は、活性成分、例えばOprF/I試薬と共試薬両方を患者に、同時に、ともに、または連続していずれかで、特定の時間制限なしに別のエンティティとして投与することを意味し、そこでそのような投与により、患者の体の中で、2つの化合物の治療的に効果的なレベルが提供される。
入院患者、嚢胞性線維症患者、ICU患者、機械的人工呼吸器をつけたICU患者、重度なやけど患者のようなやけど患者、免疫抑制されているか、または免疫抑制されうるがんおよび/または移植患者、たとえば本明細書以上で特定するような手術をされるか、される予定のあるヒトまたは非ヒト動物のような好適な群における死亡率の減少における、OprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1の、単独での、または本明細書または他で記述されたような他の薬物基質との組み合わせでの利用が、例えば実験パートにて本明細書以下で記述する方法にしたがって、動物試験法ならびにさらなる臨床試験においてさらに示されてよい。
ワクチンを含む本発明の薬理学的組成物を、よく公知で、本技術分野で通常実施される方法にしたがって調製可能である(例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, Mack Publishing Co. 20th ed. 2000; and Ingredients of Vaccines - Fact Sheet from the Centers for Disease Control and Preventionを参照のこと。例えば、ワクチンがその働きを改善することを助けるための、ミョウバンのようなアジュバントおよびエンハンサー、ワクチンが変化しないままであることを助けるための保存剤および安定化剤(例えばアルブミン、フェノール、グリシン))。薬理学的組成物は好ましくはGMP条件下で製造される。典型的には、薬理学的に効果的な量のOprF/I試薬を、本発明の薬理学的組成物中で使用する。OprF/I試薬は、当業者に公知の従来の方法によって、薬理学的に許容可能な調剤形態内に処方される。調剤レジメは、最適な望む応答(例えば治療的または予防的応答)を提供するように調整される。例えば、2つのユニット調剤形態が、例えば(実験パートにおけるワクチン、すなわちSEQ ID NO:1を含むワクチンのような)ワクチンの場合投与されてよく、または(例えば抗体組成物の場合)種々の分割投与を、時間にわたり投与してよく、または用量を、治療状況の要求によって示唆されるように均等に減少または増加させてよい。投与の簡便さ、および調剤の均一性のために、調剤ユニット形態内で非経口組成物を処方することがとりわけ有益である。本明細書で使用するような調剤ユニット形態(例えば、SEQ ID NO:1の100mcgユニット形態)は、処置されるべき対象に対して単一調剤として適した物理的に分離したユニットを意味し、各ユニットは、要求された薬理学的担体または賦形剤と一緒に、望む薬理学的効果を産出するように計算された、先に決定された量の活性OprF/I試薬を含む。
本発明の薬理学的組成物中の活性成分の実際の調剤レベルは、患者に毒性ではなく、特定の患者、組成物、投与様式に対する望む薬理学的応答を達成するように効果的である活性成分の量を得るために、様々であってよい。選択された調剤レベルは、使用した本発明の特定の組成物の活性、投与経路、投与時間、使用している特定の化合物の排出速度、処置の期間、使用した特定の組成物との組み合わせで使用した他の薬物、化合物および/または物質、処置されている患者の年齢、性別、体重、状態、一般的健康、前投薬歴および同様の因子を含む種々の薬物動態的因子に依存する。
医師または獣医師は、望む治療効果を達成するために必要であるよりも低いレベルにて、薬理学的組成物中で使用された本発明のOprF/Iの用量を開始し、徐々に望む効果が達成されるまで調剤ユニットを増加可能である。一般に、本明細書で記述したような人々の集団の予防的および治療的処置のための、効果的な用量の本発明の組成物は、投与方法、標的部位、患者の生理学的状態、患者がヒトであるか、動物であるか、投与された他の医薬品、および処置が予防であるのか治療であるのか、を含む、多くの異なる因子に依存して変化する。処置調剤は、安全性および効果を最適化するために漸増する必要がある。本発明のワクチンまたは抗体のようなOrpF/I試薬での全身投与のために、調剤は、約0.01〜100mcg/宿主体重kg、より通常は1〜15mcg/宿主体重kgの範囲である。例示的処置レジメは、全身投与、例えばワクチンに関して2回または1回、または抗体処置に関して二週間に一回または一ヶ月に一回または3〜6ヶ月に一回を伴う。例示的処置レジメは、100mcg SEQ ID NO:1からなるワクチンに関して0日目および7日目に二回、およびNaCl水溶液容量あたり0.81%重量の全身投与を伴う。
本発明のさらなる様態において、本発明は以下の薬理学的組成物を提供する。
1.1 本明細書で記述したようなOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1と、任意に薬理学的に許容可能な賦形剤を含む、機械的人工呼吸器をつけた集中治療ユニット患者のような、人工呼吸器をつけた集中治療ユニット患者における死亡率を減少させることにおける利用のための薬理学的組成物。
1.2 本明細書で記述したようなOprF/I、例えばSEQ ID NO:1と、任意に薬理学的に許容可能な賦形剤を含む、嚢胞性線維症患者における死亡率を減少させることにおける利用のための薬理学的組成物。
1.3 本明細書で記述したようなOprF/I、例えばSEQ ID NO:1と、任意に薬理学的に許容可能な賦形剤を含む、第一、第二または第三程度のやけど、好ましくは第三程度のやけどのようなやけど患者における死亡率を減少させることにおける利用のための薬理学的組成物。
1.4 本明細書で記述したようなOprF/I、例えばSEQ ID NO:1と、任意に薬理学的に許容可能な賦形剤を含む、免疫抑制されるがんまたは移植患者における死亡率を減少させることにおける利用のための薬理学的組成物。
1.5 本明細書で記述したようなOprF/I、例えばSEQ ID NO:1と、任意に薬理学的に許容可能な賦形剤を含む、集中治療ユニット患者における死亡率を減少させることにおける利用のための薬理学的組成物。
1.6 本明細書で記述したようなOprF/I、例えばSEQ ID NO:1と、任意に薬理学的に許容可能な賦形剤を含む、入院患者における死亡率を減少させることにおける利用のための薬理学的組成物。
1.7 本明細書で記述したようなOprF/I、例えばSEQ ID NO:1と、任意に薬理学的に許容可能な賦形剤を含む、48時間以上の間機械的人工呼吸器が必要である集中治療ユニットに収容された患者における死亡率を減少させることにおける利用のための薬理学的組成物。
1.8 本明細書で記述したようなOprF/I、例えばSEQ ID NO:1と、任意に薬理学的に許容可能な賦形剤を含む、手術される、または手術が予定されているヒトまたは非ヒト動物における死亡率を減少させることにおける利用のための薬理学的組成物。
1.9 好ましくは予定された危険をはらんだスポーツイベントの少なくとも2週間前に、投与される、本明細書で記述したようなOprF/I、例えばSEQ ID NO:1と、任意に薬理学的に許容可能な賦形剤を含む、(ベースジャンプ、バンジージャンプ、滑空、ハンググライダー、ハイワイヤ、スキージャンプ、スカイダイビング、スカイサーフィン、スカイフライング、インドアクライミング、アドベンチャーレース、過激なインラインスケーティング、BMX、カービング、過激なモトクロス、過激なスキー、フリースタイルスキー、ランドおよびアイスヨット、マウンテンバイク、マウンテンボーディング、アウトドアクライミング、サンドボード、スケートボード、スノーボード、スノーモービル、スピードバイク、スピードスキー、スクーテリング、裸足のウォタースキー、クリフダイビング、フリーダイビング、ジェットスキー、オープンウォータースイミング、パワーボードレース、世界一周ヨットレース、スキューバダイビング、スノーケリング、スピードセーリング、サーフィン、ウェイクボード、急流カヤック、ウインドサーフィンのような)危険をはらんだスポーツを行っているヒトのような、集中治療ユニットに収納されるリスクのあるヒトにおける死亡率を減少させることにおける利用のための薬理学的組成物。
1.10 本明細書で記述したようなOprF/I、例えばSEQ ID NO:1と、任意に薬理学的に許容可能な賦形剤を含む、ヒト、とりわけ任意の年齢、例えば2歳またはそれ以上の歳のヒトにおける死亡率を減少させることにおける利用のための薬理学的組成物。
1.11 本明細書で記述したようなOprF/I、例えばSEQ ID NO:1と、任意に薬理学的に許容可能な賦形剤を含む、任意の種類の感染を有するヒトにおける死亡率を減少させることにおける利用のための薬理学的組成物。
1.12 OprF/I試薬が、i)SEQ ID NO:2、3、7〜10およびii)SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:11〜13からなるポリペプチド、および前記ポリペプチドまたはSEQ ID NO:1に対して指向する抗体またはその断片からなる群より選択される、以上で定義されたような利用のための薬理学的組成物。
1.13 薬理学的組成物がワクチンである、以上で定義されたような利用のための薬理学的組成物。
1.14 薬理学的組成物が、非アジュバントであるワクチンであるか、少なくともミョウバンによってアジュバントされない、以上で定義されたような利用のための薬理学的組成物。
1.15 第一薬物基質と第二薬物基質の共投与を含み、前記第一薬物基質が、(薬理学的に効果的な量のような)効果的な量のOprF/I試薬、例えばSEQ ID NO:1を含むワクチンであり、前記第二薬物基質が、(薬理学的に効果的な量のような)効果的な量の、とりわけ死亡のリスクを減少させることに関して、患者、ヒトまたは非ヒト動物の状態を改善している、静脈内抗生物質のような抗生物質および他の薬物基質からなる群より選択される薬剤である、以上で定義されたような利用のための薬理学的組成物。
1.16 死亡率が、100より少ない、以上で定義されたような利用のための薬理学的組成物。
1.17 例えばICU患者、好ましくは、人工呼吸器をつけたICU患者における死亡率が、95、好ましくは90、より好ましくは85、より好ましくは80、より好ましくは75、より好ましくは70、より好ましくは65より少ない、さらにより好ましくは60より少ない、最も好ましくは55より少ない、以上で定義されたような利用のための薬理学的組成物。
抗体組成物は通常、多重に投与される。単一調剤間の間隔は、毎週、毎月または毎年であってよい。間隔はまた、患者における抗体の血中濃度の測定によって示唆されるように不定期でもよい。全身投与のいくつかの方法において、調剤は、1〜1000μg/ml、いくつかの方法では25〜500μg/mlの血漿抗体濃度を達成するように調整される。あるいは、抗体を、徐放処方として投与可能であり、この場合、要求される投与の頻度は小さい。調剤および頻度は、患者における抗体の半減期に依存して変化する。一般に、ヒト化抗体は、キメラ抗体および非ヒト抗体のものよりも長い半減期を示す。調剤および投与頻度は、処置が予防的であるか、治療的であるかに依存して変化してよい。予防的適用において、比較的少ない調剤が、長時間にわたり、比較的低頻度間隔で投与される。何人かの患者は、その残りの寿命において、処置を与え続ける。治療的適用において、疾患の進行が減少または止められるまで、好ましくは、患者が疾患の症状の部分的または完全改善示すまで、比較的短い間隔で、比較的高い調剤が必要とされる。その後、患者には、予防的レジメを投与可能である。



本発明の実験パート
A.物質
一般物質
NaOH(Riedel−de Haen)、NaCl(Riedel−de Haen)、Tris(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Merck KGaA、Darmstadt)、L−Cystine(Aldrich)、DTT(Sigma)、HCl(Merck KGaA)、Q−Sepharose(登録商標) HP(GE Healthcare)、DEAE−Sepharose(登録商標) FF(GE Healthcare)。全ての他の物質は、他に言及しない場合、解析グレードであった。
処方緩衝液:ダルベッコ1×PBS pH7.4(H15−002)、1×濃度(g/L)
KCl 0.2 g/L
KHPO 0.2 g/L
NaCl 8.0 g/L
NaHPO 無水 1.15 g/L
薬物基質
臨床試験のために使用した薬物基質は、OprF/I試薬Ala−(His)6−OprF190−342−OprI21−83タンパク質(=SEQ ID NO:1)である。融合タンパク質構造は、N−末端His6タグを有する、2つの緑膿菌外膜タンパク質のエピトープ、OprFとOprIからなる:Met−Ala(His)6−OprF190−342−OprI21−83タンパク質。これは、224 AA融合タンパク質として、大腸菌(E.coli)内に発現した組換え体である。N−末端Metが発現後に開裂する。His6タグを含むN−末端OprF断片は、アミノ酸A−1(A)からアミノ酸160−Eまでの範囲であり、位置161〜223にてOprI断片が続く。開始物質の構造(すなわち関連DNA構造物)、Ala−(His)6−OprF190−342−OprI21−83タンパク質および3つのジスルフィドパターンバリアントを含むそのトリマー配座異性体の発現および精製をさらに以下で記述する。
一般方法
タンパク質試料の還元
OprF/I融合タンパク質試料を、他に言及しないならば、β−メルカプトエタノール(2.5% v/v最終容量、およそ360mM最終濃度)で還元した。試料をRTにて20〜30分間インキュベートして、ジスルフィド結合の完全還元を確かにした。
RP−HPLC
下流開発ワークのために、IMAC/G50中の特定のOprF/I含量の推定が、段階収率を計算するために必要であった。OprF/I含量をRP−HPLCによって決定した。HPLCシステムを、精製した、天然の(還元していない)OprF/Iワーキング標準で校正した。ワーキング標準のタンパク質含量を、ε0.1%=0.373の1mg/mL溶液に対して計算した論理的減衰係数に基づいて、UV280nm測定によって決定した。RP−HPLCによるIMAC/G50プールの解析の前に、一部をDTTまたはβ−メルカプトエタノール(100mM最終濃度)の添加によって還元して、種々の凝集した、および間違って折りたたまれた(もっとも可能性があるのは、ジスルフィド混乱した)OprF/Iバリアントを分断させた。試料を室温にて30分間インキュベートし、RP−HPLCによって解析した。還元後、単一ピークとして溶出したOprF/Iを、未処理IMAC/G50プールと比較した。IMAC/G50後の還元OprF/Iの含量を、ピークエリアの統合によって計算した。
すべての他の試料(例えば再酸化したOprF/I、QS−HPからの区画など)を、さらなる処理なしに直接注入し、OprF/I濃度を計算した。
再酸化した試料を、RP−HPLCによって即時に解析可能であり、またはジスルフィド結合の形成を、pH2〜3までの酸化(〜20μL 6%HCl/1ml再酸化溶液)によってクエンチし、続く解析のために2〜8℃にて保存可能である。
解析RP−HPLC
試料の解析RP−HPLC解析を、Dionex Ultimate 3000 HPLCシステムに連結したJupiter C4カラム(4.6mm×150mm、300A、5μm、Phenomenex)上で実施した。溶媒Aは、0.1% TFAを含む水であり、溶媒Bは0.1%TFAを含むアセトニトリルであった。ピークの分離を、1mL/分の流速にて13分間、27%Bから37%Bの直線勾配溶出によって実施した。カラム温度を40℃に決定した。ピーク検出を、214nmと280nmで実施した。
分離RP−HPLC
分離RP−HPLCを、解析RP−HPLCによって検出した個々のピークの単離のために使用した。精製を、Akta Purifierクロマトグラフィーシステムに連結したJupiter C4カラム(10mm×250mm、300A、5μm、Phenomenex)上で実施した。分離スケールでの定常相は、解析スケールで使用したものと同一であった。溶媒Aは0.1%TFAを含む水であり、溶媒Bは0.1%TFAを含む水中の80%アセトニトリルであった。試料容量は、2〜4mL(総タンパク質ロード<2mg)であった。ピークの分離を、2.5mL/分の流速にて、8カラム容量にわたり、35%Bから40%Bまでの直線勾配溶出によって実施した。カラム温度を40℃に設定した。ピーク検出を280および214nmにて実施した。0.8mLの画分を回収し、pHを0.25mL 0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0の添加によって、pH〜7に調整した。より多量(〜0.5〜2mg)のP1〜4を、種々の分離精製実行によって調製した。個々のピークを含む望む画分のプール後、試料を、5kDa超遠心装置(Millipore)を用いておよそ5回濃縮した。濃縮したプールを、PD10カラム(GE Healthcare)によって脱塩し、緩衝液を、最終薬物産物処方緩衝液(0.9%NaCl、pH〜7で希釈した1/10PBS)に対して交換した。単離したOprF/Iバリアントを含む最終試料を、RP−HPLCおよびSEC−HPLCによって、純度および含量に関して解析した。RP−HPLCによって決定した相対純度は、少なくとも90%であった。試料を、さらなる解析まで、−20℃にて保存した。
SDS−PAGE
SDS−PAGEを、MESランニング緩衝液を用いて、4〜12% NuPAGEゲル(Invitrogen)上で実施した。試料を、還元または非還元条件下、LDSサンプリング緩衝液と混合し、他に言及しない場合、70℃にて5分間インキュベートした。染色を、コロイドクーマシーまたは銀染色で実施した(Heukeshoven)。
ウエスタンブロット解析
ウエスタンブロッティングを、抗体抗OprF/I 944/5 D5エピトープ(1:20000希釈)および966/363 E3エピトープ(1:10000希釈)で実施した。
pHおよび伝導度測定
試料および緩衝液のpHおよび伝導度の測定のために、WTW 720システムを使用した。伝導度を、25℃にて、直線温度保証モデルを用いて測定した。
エンドトキシン測定
エンドトキシン測定を、発色LAL−アッセイ(Cambrex)で実施した。選択した試料をまた、従来のゲルクロットアッセイ(Limulus Amoebocyte Lysate試験)にて、外部の認定研究所でも測定した。
宿主細胞タンパク質測定(HCP)
HCPsの定量のために、ジェネリック大腸菌HCP ELISAキット(Cygnus Technologies,Inc.)を使用した。
ペプチド−質量フィンガープリントおよびジスルフィドマッピング
分離RPCから得た精製した画分を、LC−MS/MSによって解析した。試料を、還元なしで、または還元およびアルキル化の後、AspNまたはトリプシンで消化した。
MALDI−ToF質量分析
MALDI−ToF解析を、Voyager STR 4069システム(Applied Biosystems)上で実施した。0.1%TFA/30%AcN中に溶解したシナピン酸を試料マトリックスとして使用した。DS試料を、試料マトリックスで5倍希釈し、2μlを標的上に配置した。遅延抽出モードと陽性極性を使用した。システムを、BSA(質量校正キット、Applied Biosystems)で外部校正した。内部校正のために、ミオグロビン(Sigma M−0630、平均Mr 16951.5)をおよそ100μg/mLの濃度にて、DS試料内にスパイクした。内部校正のための質量精度を、外部校正±0.6%(例えば24100±145Da)に対して、およそ±0.3%(例えば24100±72Da)で推定可能である。
ネイティブPAGE
ネイティブPAGETM Novex(登録商標)Bis−Tris Gelシステムは、ネイティブ(非還元)電気泳動を実施するために、中性周辺pH、プレキャストポリアクリルアミドミニゲルシステムである。OprF/I融合タンパク質試料のネイティブPAGEを、製造業者の取り扱い説明書にしたがって、NativePAGE 4−16% Bis−Trisゲル(Invitrogen)上で実施した。試料緩衝液は、50mM BisTris、50mM NaCl、16mM HCl、10% w/vグリセロール、0.001%Ponceau S、pH7.2であった。ランニング緩衝液は、50mM BisTris、50mMトリシン、pH6.8であった。カソード緩衝液は、0.02%クーマシーG−250を含むランニング緩衝液であった。
N−末端シークエンシング
N−末端シークエンシングを、Applied Biosystems 494HT機器と、N−末端Edmanシークエンシングの方法を用いて実施し、そこでタンパク質のN−末端アミノ酸を、化学的に連続して取り除き、HPLCによって同定した。タンパク質をまず、PVDF膜上にブロッティングするか、またはバイオブレン処置ガラスファイバーフィルター上に吸収するかいずれかによって、シークエンシング装置内部に固定化した。続いて、結合したタンパク質が、高pHにて、Edman試薬(フェニルイソチオシアネート、PITC)と反応した。本反応後、得られた化合物を、無水酸を用いてタンパク質を切断された。カップリングおよび開裂工程を、必要なほど多くの回数繰り返した。通常15〜20AAが解析可能であった。開裂された産物を、無水酸でその安定なフェニルチオヒダントイン、PTHに変換し、ついで、オンボードHPLCを用いて解析した。アミノ酸の同定を、標準混合物と比較して、溶出時間を比較することによって達成した。HPLCからデータを、配列のビジュアルリーチングのためにコンピュータ上で回収した。
チオール基のアルキル化
タンパク質中の遊離チオール基を、システインの遊離チオール基と選択的に反応して、カルボキシアミドメチルシステインを産出する、ヨードアセトアミドを用いたアルキル化によって検出可能である。遊離チオール基が存在する場合、共有的にブロックされて、付着したヨードアセトアミド分子あたり57Daの質量増加となる。
47mgのヨードアセトアミドを、1mL 1M Tris−HCl、pH8.0中に溶解した(0.2Mヨードアセトアミド溶液)。それぞれ200μLの精製したピーク1、2および3(タンパク質濃度およそ200μg/mL)を、20μLのヨードアセトアミドストック溶液と混合した(最終ヨードアセトアミド濃度〜0.02M)。OprF/I融合タンパク質試料(タンパク質濃度およそ1mg/mL)を、およそ330μg/mLの最終濃度まで、PBSにて3倍希釈した。30μLのヨードアセトアミドストック溶液を、300μLの希釈したDSに加えた。他の実験において、試料を、希釈およびアルキル化の前に5mM DTT(20分)で還元した。すべての試料を、30分間、暗所中、室温にてインキュベートし、続いてLC−MS解析した。
静的光散乱解析
クロマトグラフシステムは、Ultimate3000ポンプおよびデガッサ、Ultimate3000オートサンプラーおよびUltimate3000カラムコンパートメントを含むDionexからのHPLCシステムからなる。カラムおよびクロマトグラフ条件は、SEC−HPLCに関して記述したものと同様であった。全ての溶媒を、0.1μm Supor Membraneフィルター(Pall VacuCap 60)を通して濾過した。100μLの注入容量を、他に言及しない場合にすべての試料で使用した。
クロマトグラフ検出器は、オンラインモードにて使用した、214nmおよび280nmに設定したDionex Ultimate3000フォトダイオードアレイ検出器、Shodex RI−101屈折指標検出器、およびDAWN TREOS MALS(多角光散乱)検出器(Wyatt Technology Corporation)を含んだ。クロマトグラフデータ回収および解析を、Chromeleonソフトウェアパッケージ(vers.6.80、Dionex)を用いて実施した。MALS−シグナルの実験的回収およびデータ解析を、ASTRAソフトウェアパッケージ(バージョン5.3.2.13、Wyatt Technology)で実施した。本ソフトウェアを用いて、UV−およびRI−シグナルにそって、光散乱シグナル(3MALS角度)を回収し、続いて解析可能であった。
解析超遠心(AUC)
すべての実験を、50.000rpmおよび25℃にて、BeckmanCoulter XL−I Analytical Ultracentrifugeで実施した。試料を、12mm光路長の、サファイアキャップ2セクターチタンセンターピース中に配置した。390μLの溶液および溶媒を、それぞれ試料および参照セクター中に配置した。沈降トレースを、屈折指標(干渉光学)における局所差違を記録することによって検出した。試料を、10倍希釈で、またはさらなる希釈無しで解析した。拡散補正Sedimentation Coefficient Distributions(SCD)をP.Schuck,NIH(Peter Schuck et al.,Biopolymers,Vol54,Issue5,ページ328−341、2000年10月)によって提案された有限エレメントアプローチを用いて計算した。摩擦比f/f0を、フィッティング変数として処理した。緩衝液(リン酸緩衝食塩水、PBS)の密度および粘度ならびにタンパク質の部分特異的容量(v)を、Sednterpでの組成から計算した。これらの値を、それぞれのSCDを計算するときに使用した。
RP−HPLCによる水酸化アルミニウムを含むOprF/I融合タンパク質試料の解析
処方されたOprF/I融合タンパク質の一部(0.25ml)を、20℃にて10分間、16000×gにて遠心し、上清から、水酸化アルミニウム沈殿を分離した。透明な上清を取り除き、RP−HPLCによって、未結合融合タンパク質の解析のために使用した。残ったペレットを、0.25mlの水中0.1% TFA(pH〜2)中で再懸濁させた。試料をRTにて2時間インキュベートし、つづいて10分間、室温にて16.000gでの遠心をして、アルミニウム粒子をスピンダウンした。透明な上清をRP−HPLCによる解析のために使用した(TFA脱着)。
特定の方法および結果
OprF/I融合タンパク質の発現と回収
OprF/Iは、緑膿菌外膜部分タンパク質OprFおよびOprIの融合タンパク質である。そのN−末端にてHis−タグを含む、224のaa融合タンパク質として発現する。N−末端Metが、大腸菌での発現の後に開裂する。(N−末端メチオニンを含む)発現したタンパク質の一次構造をSEQ ID NO:3で示している。
天然のタンパク質の分子量が、24118.2Da(完全還元タンパク質、N−末端メチオニン無し)と計算された。pIは5.3と計算された。
本実施例のタンパク質は、N−末端ヒスチジンタグ(Hisタグ)を含む、外膜タンパク質FおよびIの融合タンパク質である。本タンパク質は、大腸菌XL1−Blue/pTrc−Kan−OprF/I_His株中で発現させた。OprF/I−Hisタンパク質を30℃にて可溶性形態で細胞内に発現させた。
細胞溶解
OprF/Iは、とりわけ高濃度のNaClとイミダゾールなしでの溶解緩衝液を使用する時に、細菌プロテアーゼによって分解されうる。したがって、細胞を、0.1M Tris、pH7.4、0.5M NaCl、0.06Mイミダゾールからなる冷却溶解緩衝液(緩衝液中細胞ペーストの1:5希釈)中に再懸濁させた。0.5M NaClの添加がとりわけ、溶解物中の分子のタンパク質分解を阻害した。再懸濁と続く均質化(800barにて2サイクル)を、冷室温にて実施し、溶解物をすぐに氷上に置いた。より高い温度が、産物の分解またはより高いプロテアーゼ活性を導きうる。
IMAC−銅捕獲段階
(銅イオンでロードした)Chelating Sepharose FFを、His−タグ化OprF/Iを捕獲するために使用した。溶解物をロードした後、溶出を、異なる濃度のイミダゾール、0.07M、0.325Mおよび0.5Mイミダゾールで実施した。OprF/I含有画分が、2つの別のピークとして、0.325Mイミダゾールにて溶出する。解析データは、RP−HPLC溶出プロファイルが種々のピークを含むことを示した。同一の試料を、還元条件(DTTまたはβ−MEの添加)下で解析した場合、ただ1つのピークが観察された。未処理試料中の種々のピークが、ほぼ確実に天然の分子のジスルフィド混乱バリアントおよび凝集体であった。
例示的精製実行を、8.59Lの発酵ブロスと等価である、992g細胞ペーストで実施した。IMAC精製およびShephadex(登録商標)G50上での脱塩(以下を参照のこと)の後、OprF/Iの総量はおよそ1600mgであり、これは、186mg OprF/I/リットル発酵ブロスと等価である。
Sephadex G50上での脱塩
本段階は、低分子量不純物(たとえばイミダゾール、銅など)の含量を減少させ、緩衝液交換を実施した。ローディング容量は、カラム容量のおよそ20%であった。溶出緩衝液0.1M Tris−HCl、0.15M NaCl、pH8.0を使用した。これは、還元および再酸化のために使用した緩衝液と同一であった。あるいは、本段階をまた、100Kカットオフ膜でのUF/DFによって置換した。
還元
IMAC/G50段階の後、OprF/Iは、図5で略図的に描写したようなジスルフィドスクランブリングによって引き起こされた、誤ってたたまれた形態(高および低分子量凝集体)の不均一混合物として存在する。ジスルフィド結合の還元を、5mM DTTで実施し、すべての分子間および分子内ジスルフィド結合を切断した。完全に還元したタンパク質は、RP−HPLCデータにしたがって、単一ピークとして溶出する。DTTを、β−MEによって置換可能である。DTTは、水溶液中で長期間安定ではないので、新たに調製したDTT溶液(水中1M、1時間以内に使用)の一部を、穏やかに攪拌して、IMAC/G50プールに加える(1M DTTストック溶液の5mL/リットルIMAC/G50プール)。このプールを、攪拌せずに30分間、室温にてインキュベートする。試料を、RP−HPLCによって解析して、還元の進行をモニタ可能である。
再酸化
再酸化条件の最適化のために、異なる酸化還元システム(GSSG/GSH、シスタミン/システアミン、シスチン/システイン)を、ジスルフィド結合の正確なリシャッフリングを許容するために、低濃度のDTT(1mM)の存在下で試験した。再酸化の進行(ジスルフィド結合の形成)を、折りたたみバリアントは異なる保持時間を持つので、種々の時間間隔の後に、RP−HPLCによってモニタ可能である。種々の酸化還元システムの初期研究の後、シスチンを酸化試薬として使用することが決まった。シスタミン/システアミンでの再酸化は、試験した条件下では、成功しなかった。IMAC/G50プールの還元/再酸化前後の代表的なRP−HPLCおよびSEC溶出プロファイルを図6および図7で示している。0.5mMシスチンの存在下での再酸化の後、RP−HPLCおよびSECによって観察された溶出プロファイルは、「未処理」IMAC/G50プールと比較して、非常により均一であった。還元前にIMACプール中に存在する種々のピークが、還元条件下1つの主要なピークにシフトする。再酸化の後、1つの主要なピーク(図8にてピーク2と命名)が、還元されたタンパク質と比較して、異なる保持時間にて観察された。ピーク2は、正確に折りたたまれたOprF/Iを表すべきである。ピーク2は、折りたたみバリアントであるべきである、3つのより小さなピーク(図8中ピーク1、ピーク3およびピーク4)によって囲まれる。図8中ピーク5およびピーク6と命名した、およそ13.17および13.81分にて溶出されるピークは、他の折りたたみバリアント(MSデータにしたがって、ジスルフィド架橋凝集体)である。
LC−MSによるピーク1のさらなる特性化は、ピーク2と比較して、240Daの分子量での増加を示した。この質量シフトは、ほぼ確実に、2つの分子システインの共有結合によって引き起こされた。遊離システインが、DTTのシステインとの反応によって形成され、結果として2分子システインとなった。酸化剤(GSSGまたはシスチン)の濃度の増加にて、ピーク1が増加する一方で、ピーク2が、減少することがさらに発見された。
SECによる再酸化後の主要ピークの評価が、タンパク質がモノマーとして存在しないことを示している。SECカラムを、1.35〜670kDaの範囲の参照タンパク質(BioRadのサイズ排除標準)で校正した。主要ピークの保持時間(〜25分)は、球形状および、固定相との非特異的相互作用無しの想定下、〜180kDaの計算された理論質量に相当する。この定義された多重状態が、適用され、NaCl.の存在下、中性pHにて、水溶液中安定であると見られる処理および処方条件下、好ましく形成されたことが観察された。pH7〜8にて、OprF/I融合タンパク質が、180kDaに相当しているマルチマーとして溶出し、一方酸性試料(pH〜2)中、ピークは、およそ55kDaに相当しているより高い保持時間(〜28分)にシフトとする(図9を参照のこと)。保持時間のこの効果は、低pHにてマルチマーの解離によって引き起こされうる。
第一組の実験において、GSSGおよびGSHを、再酸化試薬として試験した。5mM DTT中の還元したIMAC/G50プールを、穏やかにかき混ぜながら、GSSG(0〜4mM)を含む、0.1M Tris−HCl、0.15M NaCl pH8.0中に5倍希釈した。DTTはGSSGと反応し、GSH、GSSGおよび還元/酸化DTTを形成する。試験した最終再酸化条件は、GSH、GSSGおよびDTTの広範囲の異なる比をカバーしている。試料の一部をまた、種々の時間間隔後、HClでクエンチし、RP−HPLCによって解析した。GSSG濃度の増加にて、ピーク1が増加し、ピーク2が減少する。ピーク1の形成は、再酸化工程にて非常に早く発生し、長時間一定に残る。ピーク1+2に対する総回収は、完全に還元したタンパク質(100%)から開始して、〜60%であることが推定され、すべての検出されたピークの回収は、開始物質と比較しておよそ90%であった。
第二組の実験において、シスチンとシステインを、再酸化試薬として試験した。還元されたIMAC/G50プール(5mM DTT)を、種々の濃度のシスチン(0〜3mM)およびシステイン(0〜3mM)を含む0.1M Tris−HCl、0.15M NaCl pH8.0中に5倍希釈した。最終DTT濃度は1mMであった。0.2Mのシスチンのストック溶液を、0.5M NaOH中で調製したことを注意のこと。試料を、室温にて300分後および一晩のインキュベーション後に解析した。2つの時間点間の、各個々の実験に対するRP−HPLCピークパターンでの差違は、1mM DTTを含み、シスチンを含まない試料を除いて、観察されなかった。タンパク質をまた、5時間後還元し、一晩インキュベーション後にピーク2が現れた。最終シスチンおよびシステイン濃度に依存して、異なる比のピーク1とピーク2が検出された。RP−HOLCプロファイルは、ピーク1濃度が、0.5mMシスチンの存在下でもっとも低かったことを示した。
DEAE Sepharose FFによる精製
再酸化後の陰イオン交換クロマトグラフィーによる処理ストリームを含むOprF/Iのさらなる精製を、残っているエンドトキシンとgDNAの含量を減少させるために試験した。これらの残っている不純物は、中性〜わずかに塩基性pHにて、より高い伝導度にてでさえも、陽イオン交換培地に結合し、一方産物は、フロースルー中残るはずである。DEAE Sepharoseを試験し、樹脂上へのOprF/Iの結合による任意の主要な産物の欠損なしに、エンドトキシンを除去するための良好な特性を持つことがわかった。
Q−Sepharose HP(QSHP)による精製
再酸化とDEAEフロースルークロマトグラフィーの後、タンパク質溶液をさらにQ−Sepharose HPによって精製した。QSHPによる精製が、主要プール中の〜2EU/mgのエンドトキシン濃度をもたらし、これは許容可能な低レベル内である。
超濾過/透析
最後に、QS−HPプールを、処方緩衝液(1×PBS緩衝液 pH7.4、ダルベッコ、Ca、Mgなし)に対して透析した。10kDaまたは30kDa再生セルロース膜(Amicon Ultra 15遠心フィルター装置、Millipore)を使用した。OprF/Iが、30kDa膜の浸透中検出された。したがって、10kDa膜を、処方緩衝液中の最終UF/DFに対して使用し、結果として>95%の段階収率となった。プールを、UV測定に基づいて、1mg/mlの最終タンパク質濃度に調整した。
全産出および精製工程の概説を図10で示す。約34%〜約40%の精製OprF/I融合タンパク質の総合収率が達成された。
精製OprF/I融合タンパク質の特性か
OprF/I融合タンパク質バリアントの予備単離
QSHPクロマトグラフィー段階からの選択された側画分を、予備単離のために使用した。典型的な予備溶出プロファイルと、検出されたピークのノミネーションを図11に示す。個々のピークを含むすべての画分を合わせて、還元および非還元条件下、SDS−PAGEおよびウエスタンブロットによって解析した。還元条件下、すべてのバンドが、OprF/I標準と比較して同様の移動特性をもった。非還元条件下、およそ60kDa(分子量マーカ−に対して校正した)にて検出された多量体OprF/Iバリアントの含量は、ピークC、D、5および6に対して増加した。すべてのバンドをまた、モノクローナル抗OprF/I抗体を用いてウエスタンブロット解析によって検出した。これらの結果は、RP−HPLCによって検出されたすべてのピークが、産物関連であることを示唆している。この発見はまた、個々の画分のペプチド質量フィンガープリント解析によって確認された。最終のDSにおいて、P1、2、3、4および5のみが、RPCによって検出可能である。他のピーク、A、B、C、Dおよび6は、主要画分からQ−Sepharose HP上での分離クロマトグラフィーによって分離可能であった。Q−Sepharose HPクロマトグラフィーの間、小さなピークが、主要ピーク前に溶出された。この画分は、解析RP−HPLCおよびMALDI−ToFによる検出では、より高い濃度のOprF/I分解産物(7kDaのピークとして示される)を含んだ。このピークはまた、15.5kDaおよび7.2kDa OprF/I断片からなる産物関連断片であることも示された。
OprF/I融合タンパク質バリアントの解析特性化
精製したOprF/I融合タンパク質は、RP−HPLCによって示されたような分子の異なる形態からなる(図8を参照のこと)。5つのピークが、RP−HPLCによって検出可能であった。ピーク2(P2)は、ピーク1(P1)、ピーク3(P3)およびピーク4(P4)によって囲まれた、50〜55%の相対含量でのもっとも顕著なピークであった。ピーク5(P5)は、わずかに高い保持時間にて溶出されている他のピークからよく分離された。相対ピーク含量を表2にて要約した。β−MEまたはDTTでの試料の還元の後、溶出プロファイルが変化する。1つの主要なピークが溶出し、個々のバリアントが、同一のクロマトグラフ保持時間を示す。これらの結果に基づき、P1〜P4が、ジスルフィド結合における差違によって引き起こされる折りたたまれたバリアントとして認識される。
MALDI−ToF解析
MALDI−ToF解析に関して、システムを、BSAに対して外部で校正した。内部校正のために、ミオグロビンを使用した。すべての4つの試料が、同様の質量スペクトルを示した。主要シグナルは、天然のOprF/Iモノマーからであり、続いて、OprF/Iダイマーおよびトリマーピークであった。表3は、内部校正後に得た分子量を要約している。予想された分子量からの偏差は、実験誤差(±0.3%)内であった。24kDa、48kDaおよび72kDaでの質量ピークが検出され、これは、単量体、二量体および三量体OprF/I融合タンパク質の存在を示している。
ネイティブPAGE
非還元および還元条件下、OprF/I融合タンパク質試料のネイティブPAGEを、以上で説明したように実施した。クーマシーブルー染色後のバンド強度を、濃度測定によって評価した。天然条件下、1つのOprF/I主要バンドが、およそ94〜97%の相対強度にて、およそ180kDaの範囲で検出された。還元条件下、明白な分子サイズは、206kDaと測定された。明確な分子量は、SEC−HPLCデータと良好な相関があるが、OprF/I質量が80kDa(トリマー)の範囲内であったSEC−MALSおよびAUC結果からは異なった。ネイティブPAGEの分離機構は、ネイティブSECと同様であり、分離特性は、ゲルを通過した時の、タンパク質複合体の形状に強く依存する。この結果は、OprF/Iが、高い流体力学半径を持つ、ある程度細長い形状を有することを裏付ける。
N−末端シークエンシング
2つの異なる試料の最初の13または15aaを解析した。理論および推定アミノ酸配列間に差は発見されなかった。シークエンシング結果により、N−末端Metが、発現の間完全に開裂したことが確認された。
チオール基のアルキル化
OprF/I融合タンパク質試料のチオール基のアルキル化の結果は、質量が、ヨードアセトアミドの4つの結合した分子に相当する、+226Daのアルキル化後に増加したことを示した(理論質量増加、+228Da;結合したヨードアセトアミド分子あたり、+57Daの質量増加)。還元タンパク質が、4つの遊離システイン残基を含むので、本結果は推測された。すべての他の試料は、質量の増加を示さなかった。これらの結果に基づいて、RP−HPLCのピークP1(図8)は、1つのさらなるジスルフィド結合を含む、二つ折りシステイン化バリアントとして考えられる。ピークP2およびP3は、2つのジスルフィド結合を含むバリアントとして考えられた。
静的光散乱(SEC/MALS)
屈折率でのSEC/280nmでのUV検出を、タンパク質の特性化と分子量検出のために、光散乱と組み合わせた。分子量は、23〜26分で溶出している主要ピークの切片にわたって一定であったので、定義された単分散分子種が溶出された。主要ピークに関しておよそ80〜86kDaの範囲の分子量が検出された。累積質量画分は、94〜98%の範囲内であった(種1)。
20〜22分の間に溶出している高分子量画分(種2)が、140〜190kDaの範囲内の分子量を示した。高分子量画分に対する、低いRayleighシグナル強度のために、検出された分子量が、より高い程度の変動を示した。種2の累積質量画分が、120〜200kDaの範囲にて、0.5〜1%の範囲内であった。
これらの結果は、OprF/Iが、トリマーとして存在すること(種1)、およびタンパク質の小さな部分のみが、より高い分子量の凝集体を形成すること(種2)を示している。
SEC−MALSによって得た結果はまた、AUC結果とよい相関である(以下を参照のこと)。SEC/UV検出およびネイティブPAGEによって得た結果は、180kDaの範囲にて、OprF/I融合タンパク質に対するより高い分子量を示唆した。SECおよびネイティブPAGEによって得た結果は、球状タンパク質形状の推定に基づき、一方タンパク質形状は、静的光散乱またはAUCデータに影響を与えない。適用した異なる方法からの結果に基づいて、OprF/Iトリマーは、球形状では存在しないが、大きな流体力学半径を示すと結論づけられた。
解析超遠心(AUC)
沈降速度プロファイルを記録し、SedFitソフトウェアにて解析して、試料コンポーネントの沈降係数値を産出した。個々の種1(OprF/I融合タンパク質主要ピーク)およびピーク2(凝集体)に対する得られた計算された沈降係数と分子量を測定した。ドミナントコンポーネント種1に対する沈降係数値は、研究したすべての試料に対してかなり良好に一致する。このことは、試験した異なる試料間で、有意な差が存在しないことを示唆する。主要コンポーネント種1のモル質量は、本パラメータに対して、実験的変動内で異なる。これは一般に、OprF/I融合タンパク質のトリマーを示唆する。配列から計算したように、モノマーおよびトリマーのモル質量は、それぞれ24.1kg/モルおよび72.3kg/モルである。
このトリマーの解離は、試験した濃度範囲にわたって発生しなかった。トリマーに対するストークス半径を5.6nmであると計算した。推定したトリマー質量の球形タンパク質のストークス−半径は2.8nmである。これは、非常に非対称および/または水和分子を示唆する。種2は、種々の沈降係数にて、異なるピークとして現れた。これは、種2が、非特異的凝集とは反対に、異なる化学量論(ヘキサマー、ナノマーなど)をもつコンポーネントに相当することを示唆する。これらのデータは、天然のOprF/I融合タンパク質がトリマーとして存在することを示しているSEC−MALS結果に非常によく相関するが、SECおよびネイティブPAGEによって得られた計算分子量からは有意に異なる(非球形状による質量の過大評価)。沈降速度実験からの第一およびもっとも信頼できるパラメータは、沈降係数それ自身である。SCDの計算のために、単一の摩擦係数が、計算したすべての沈降係数に対して適用するために推測された。フィッティング段階にて最適化された。摩擦係数は、SCDのモル質量分布(MMD)への変換のために必要である。本研究において、沈降係数<2Sに対するシグナルのみが、10倍希釈で見られた。可能性は、種1が変化しなかったので、本ピークが、OprF/Iの推定モノマーに相当すると規定されうる。結論として、OprF/Iは、三量体分子として溶液内に存在する。試験した濃度範囲にわたり解離は発生しなかった。
ジスルフィドマッピング
MALDI−MS/MS解析を用いるジスルフィド結合マッピング
試料ピーク1(P1)の潜在的システイン化が、トリプシン消化の直線モードスペクトル中で示されうる。システイン残基を含むペプチドが、システイン化効果を示している、約240Daの差を示した(2システイン)。
2100.0DaのMH+を示している参照試料のシステイン33およびシステイン47間の潜在的ジスルフィド架橋ペプチドが、MALDI−MS/MSによって断片化された。2つの標識されたシステインが、ジスルフィド橋によって架橋される。本ペプチドはまた、試料ピーク1(P1)およびピーク2(P2)で発見されたが、試料ピーク3(P3)では発見されなかった。
ナノ−MS/MS解析を用いるジスルフィド結合マッピング
本研究の目的は、ピーク1、2および3間のジスルフィド橋パターンにおける差を同定することである。ピークを単離し、濃縮した。第一配列は、位置18(C1)、27(C2)、33(C3)および47(C4)にて4つのシステイン残基を含む(SEQ ID NO:1を参照のこと)。オンラインLC/ES−MSによる無傷の分子量測定のデータから、ピーク1が1つのジスルフィド橋と2つのシステイン化を含み、ピーク2および3が2つのジスルフィド橋を持つことが結論づけられた。すべての3つのピークのトリプシン消化によって、ペプチド断片1〜55が産出され、これはタンパク質のすべての4つのシステインを含む。3つのピーク中の本断片に関して観察された質量により、アサイメントが、無傷のMW解析を形成することが確認された。すべての3つのピークからのペプチド断片1〜55を回収し、AspNにて補助消化し、LC−MSによって解析した。生データの解釈に基づいて、図12にしたがった構造が、3つの異なるピーク中のプレドミナントコンポーネントに対して導かれた。
これらの発見は、AspN補助消化からの選択されたシグナルの還元とMS/MS実験によって確認された。ジスルフィド橋パターンに加えて、脱アミド化が3つの異なるピークで観察された。トリプシンペプチド120〜132にて、Asn124がおそらく部分的に脱アミド化される。異なるペプチドにおいて、Asn45の脱アミド化が同様に観察された。
安定性における温度の影響
SDS−PAGEゲル(還元および非還元条件)を、10日にわたり、異なる温度にてインキュベートしたOprF/I融合タンパク質試料に関して走らせた。還元ゲル中のOprF/I融合タンパク質主要バンドの相対含量を、2〜8℃試料(参照)へのバンド強度の校正によって、ゲルの濃度評価によって計算した。10日の保存期間にわたり、−80℃、−20℃、2〜8℃およびRT(20℃)にて保存した試料に対して、分解およびバンドパターンにおける変化は観察されなかった。
安定性におけるpHの影響
OprF/I融合タンパク質試料を、pH1.98〜pH11.1にて異なるpH値でインキュベートし、RP−HPLCおよびSEC−HPLCによって解析した。非共有トリマーに相当するOprF/I融合タンパク質の主要ピークが、2〜8℃にて23日の保存期間にわたり、pH5.9〜11.1にて、およそ90%一定であった。トリマーは、低pH(pH2)にて可逆的に分離する。
添加物/アジュバントとしての水酸化アルミニウム
RP−HPLC結果は、OprF/I融合タンパク質がさらに、水酸化アルミニウム上への結合によって、pH4.88にて安定化可能であり、高回収で脱着可能であったことを示した。
異なるOprF/I融合タンパク質画分の免疫原性
5匹のBALB/cマウス/群に、1mlの異なるOprF/I融合タンパク質画分(RP−HPLC画分のピーク1、2および3)と、未画分化OprF/I融合タンパク質(DS)を、0日および14日にて、i.p.で与えた。21日目に、マウスの血液を、特定の抗体に関して試験し、値(GMT[μg/ml]+SD)を特定の用量(μgタンパク質)にて決定した。結果を表4にて要約する。
すべての画分ならびに未画分化OprF/I融合タンパク質が特定の抗体を誘導したと結論づけた。ピーク2画分に対するED50値がさらに、5.6μgとして測定された(未画分化OprF/I融合タンパク質:1.8μg)。
結論
1.OprF/I融合タンパク質ならびにその三量複合体は、IMAC−Cu捕獲段階にて開始して、40%までの総収率で、架橋されたジスルフィド凝集体なしに産出および精製可能である(すなわち、SECにしたがって、約90%以上のトリマー含量および1%より少ない凝集体含量トのリマーの形態でのSEQ ID NO:1)。
2.異なる産出ロット中で産出されたOprF/I融合タンパク質(SEQ ID NO:1)は、非常に一貫した。
3.OprF/I融合タンパク質(SEQ ID NO:1)は、およそ80kDaの平均分子量と、94〜98%の相対含量をもつ天然外膜タンパク質OprFとして、生理学的条件下、トリマーとして存在する。
4.本発明にしたがって産出されたOprF/I融合タンパク質(SEQ ID NO:1)は、RP−HPLCによって、種々のバリアントに分離可能である(図8および12を参照のこと)。ピーク1(P1)は、位置18(C1)と27(C2)間にジスルフィド結合を含む、位置33(C3)および47(C4)にて二つ折りシステイン化付加物である(またSEQ ID NO:11を参照のこと)。ピーク2(P2)は、位置18(C1)〜27(C2)および33(C3)〜47(C4)にて、2つのジスルフィド橋を含むバリアントである(またSEQ ID NO:12参照のこと)。ピーク3(P3)はさらに、位置18(C1)〜47(C4)および27(C2)〜33(C3)にて、2つのジスルフィド橋を含むバリアントである(またSEQ ID NO:13を参照のこと)。
5.OprF/I融合タンパク質(SEQ ID NO:1)は、10日の期間にわたり、−80℃〜+20℃、および2〜8℃にて23日間にわたりpH5.9〜11.1にて、安定である。pH4.88にて、OprF/I融合タンパク質をさらに、水酸化アルミニウム上に結合することによって、安定化可能である。
6.すべての3つのバリアント(ピーク1、2おひび3)ならびに未画分化OprF/I融合タンパク質が、BALB/cマウスのワクチン化の後に、特定の抗体を誘導した。
臨床試験で使用した薬物産物は、a)Ala−(His)6−OprF190−342−OprI21−83タンパク質(SEQ ID NO:1)、b)塩化ナトリウム、c)注射のための水およびd)水酸化アルミニウムあり/なしからなる筋肉内に注射すべき、緑膿菌ワクチン(また「OprF/Iワクチン」として本実験パートで呼ばれる)である(図5を参照のこと)。
薬物産物の産出:凍結した薬物基質(Ala−(His)6−OprF190−342−OprI21−83タンパク質(SEQ ID NO:1)−PBS緩衝液中タンパク質)を、2〜8℃にて一晩解凍し、0.9%塩化ナトリウム溶液で処方して、上記ナトリウム最終濃度に達する。最終処方を充填の直前に滅菌濾過する。ミョウバンアジュバント薬物産物無菌Al(OH)を滅菌濾過段階後に加える。1.2ml(抽出可能用量1ml)の1ml用量分液のを、無菌発熱物質フリーガラスバイアル内に吸引して充たす。
プラセボは、市販されており、登録されている生理学的NaCl製品(NaCl 0.9%、イソトン塩化ナトリウム 0.9%Braun、5mL Mini−Plasco(登録商標)コネクト)からなる。これは、5ml容器内で提供され、静脈内および皮下適用のために登録されている。室温にて保存する。ワクチンを完全に模倣するために、プラセボは、400mcg/ml Al(OH)を含む、0.9%生理食塩水によって10倍PBS希釈からなる。その名目用量は1mlであり、2mlガラスバイアル中に充填する。2〜8℃にて保存されるべきである。第2相臨床試験のためのプラセボは、同様の製造業者にて、水酸化アルミニウムを含む薬物産物として、類似工程を用いて、処方し、充填された。
B.臨床試験
無作為、プラセボ対象、部分的盲検第2相パイロット試験デザイン:
18〜80歳の48時間以上機械的人工呼吸器が必要な、ICUに収容された400人のオスまたはメス患者を、100または200mcgミョウバンアジュバントOprF/Iワクチン(SEQ ID NO:1)、100mcg非アジュバントOprF/Iワクチン(SEQ ID NO:1)またはプラセボ対象としてミョウバンを与えた、4処置群で、0日、7日にワクチン摂取した(試験した薬物産物のさらに詳細な記述に関しては、以上の物質セクションを参照のこと)。患者あたりの研究期間は、90日であると推定し、総研究期間は12〜18ヶ月であると推定した。
以下の評価項目を測定した。
主要:
・OprF/Iワクチン(SEQ ID NO:1)またはプラセボを受領している患者におけるELISAによって測定したOprF/I特異的IgG抗体タイタ−によって決定したような14日における免疫原性
副次:
・OprF/Iワクチンまたはプラセボを受領している患者におけるELISAによって測定したOprF/I特異的IgG抗体タイタ−によって決定したような、7日、14日後病院退院まで2週間間隔、ICU退院日および90日での免疫原性
・第一ワクチン接種後90日までのワクチン接種期間の、重度な副作用および副作用の率
・第一ワクチン接種後90日までの、安全性検査値(血液検査、血液生化学検査、尿検査)
・全身認容性(生命兆候:血圧、パルス、体温)
・局所認容性(局所注射部位反応)
・90日まで、OprF/Iワクチンまたはプラセボを受領している患者における、細菌(陽性血液培養として決定)または緑膿菌(NNIS VAP基準にしたがって決定)のような緑膿菌で侵襲的に感染した患者数
・OprF/Iワクチンまたはプラセボを受領している患者における、緑膿菌気管気管支炎、緑膿菌陽性傷、尿および気管分泌を持つ患者数
・OprF/Iワクチンまたはプラセボを受領している患者の全生存率
・ICUおよび病院滞在の長さ
・OprF/Iワクチンまたはプラセボを受領している患者におけるVAPの開始までの時間
・OprF/Iワクチンまたはプラセボを受領している患者における抗生物質なしの日数
・OprF/Iワクチンまたはプラセボを受領している患者における緑膿菌以外の病原菌による感染の予防
・器官機能(Sequential Organ Failure Assessment[SOFA]スコア)
・7、14、90およびICU退院日のOprF/Iワクチンまたはプラセボを受領している患者における抗ヒスタミン抗体の存在
・7、14日、病院退院までの2週間ごと、ICU退院日、90日におけるOPAによる機能的IgG抗体の測定
・7、14日、ICU退院日および90日での、OprF/I特異的IgG抗体の親和性の測定
試験結果
本試験の主要評価項目は、全ての群が、14日において、プラセボ群(OprF/Iワクチン(SEQ ID NO:1)群におけるGMTs:995〜2117 ELISAユニット/ml)と比較して、すべてのOprF/Iワクチン(SEQ ID NO:1)処置アームで有意に高かった、IgG抗体Geometric Mean Titers(GMTs)にて、良好なセロコンバージョン(すなわち、第一ワクチン接種後14日まで、OprF/I IgGにおいて、少なくとも4倍増加)(OprF/Iワクチン(SEQ ID NO:1)処置アームにて65〜81%)が示されたことに適合した(図1)。これは、0日〜14日のOprF/I IgG中およそ4倍増加である。本試験集団で査定可能である限り、処置アーム間で処置突発副作用において有意な差はなく、局所および全身認容性は良好であるように見えた。報告された薬物関連副作用の数および性質により、安全性の憂慮はみあたらず、中間データに基づいて、Data Safety Monitoring Board(DSMB)によって確認された。
副次免疫原性評価項目もまた本試験で満たされており、90日の期間にわたって7回査定したIgG応答、およびオスオノファゴサイトーシスアッセイによる機能的抗体活性の測定、および抗体親和性の測定が含まれた。第二ワクチン接種後、全般的な強い免疫原性がすべてのワクチン群で観察された。用量応答が観察され、一方で非ミョウバンアジュバントワクチンは、ミョウバンアジュバントワクチンと少なくとも免疫原性は一緒であった。抗体親和性は、すべてのワクチン群にて同様であった。機能的オプソニン化取込が示され、ワクチン誘導IgGタイタ−とよく相関した。集中治療患者における免疫応答は、健常人における先に実施された第I総試験からの結果と比較して弱いことが明らかになった。これは、登録された患者の一般健康状態がわるいことから、予期しないものではなかった。
本試験は、効果に関してパワーがあったわけではないが、Clinical Endpoint Committee(CEC)は、福次評価項目解析内で、感染率および死亡率が記録されたことを確認した。より低い死亡率が、対象群と比較して、すべてのワクチン群で観察された(図2)。死亡率の減少は、非アジュバントワクチンに対して統計学的に有意であった(p=0.0196)(プラセボ群にて40.0% 28日死亡率と比較して、非アジュバントOprF/Iワクチン群にて21.7% 28日死亡率)。試験終了まで生存した患者は、14日より前に死亡した患者と比較して、第一ワクチン接種後14日時点で、より高いOprF/I IgGタイタ−を持った(図3)。Cox回帰解析は、生存におけるOprF/I IgGタイタ−の有意な予後価値を示した(P=0.0336。
任意の群間での、緑膿菌感染率における有意な差は見られなかった。しかしながら、これは、現在の第II相試験の比較的小さなサンプルサイズと、信頼のおける緑膿菌診断の方法論的制限が寄与しうる。さらに、OprF/Iワクチン(SEQ ID NO:1)でのワクチン接種は、他の感染経路を含む、緑膿菌感染のクリアランスではなく、病原性に影響を与えうる。後者の推測は、試験の経過中、任意の種類の感染(病原体にかかわらず)を経験したOprF/Iワクチン(SEQ ID NO:1)ワクチン接種患者が、プラセボにてワクチン接種したが、任意の種類の感染(任意の病原体のため)をもつ患者と比較して、およそ15%低い死亡率を示したという発見によって支持される(図4)。
非ミョウバンアジュバントOprF/Iワクチン(SEQ ID NO:1)対ミョウバンアジュバントプラセボにて処置した、任意の感染をもつ患者における、観察されたおよそ15%の死亡率の減少に関して、潜在する機構について推測のみ可能である。ワクチンは、殺菌免疫を提供することよりも、緑膿菌の病原性を減少させうる。OprF(ワクチン抗原の部分)が、ヒトインターフェロン−ガンマに結合可能であり、それによって、緑膿菌の病原性因子の発現を変化させる(Wu L.et al.Recognition of host immune activation by Pseudomonas aeruginosa.Science,2005;309:774−7)。OprF/Iワクチンによって誘導されたOprFに対する抗体は、この相互作用を阻止する(Bin Ding et al.Vaccine 2010:28:4119−22)。
緑膿菌の病原性を減少させることは、他の病原体での続く感染の頻度を間接的に減少しうる。これに関して、緑膿菌の診断における悪名高い困難さを強調することが重要であり、これは、緑膿菌感染と死亡率間の原因となる関係を確立することを制限する。最後に、一般に免疫化は、感染の経路に正に影響を与えうる免疫調節効果を持つ。
より大きな、効果的にパワーをもつ臨床試験が、死亡率および感染率における任意のワクチンの効果を評価し、確証するために必要であろう。
他の鍵となる目的として、現在の第II相試験は、この異なる標的集団におけるピボタル効果試験を実施する実行可能性を評価した。最終データは、予想された緑膿菌感染数を確認した。6〜14%の観察されたアタック率は、10〜25%の推定された緑膿菌侵襲性感染率を持つ試験サイトのみが、本試験のために選択されたので、予想の範囲内である。
好ましい様態
1.薬理学的に効果的な量のOprF/I試薬を入院患者に投与することを含む、例えば前記患者のようなヒトにおける死亡率を減少させる方法。
2.薬理学的に効果的な量のOprF/I試薬をICU患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法。
3.薬理学的に効果的な量のOprF/I試薬を人工呼吸器をつけたICU患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法。
4.薬理学的に効果的な量のOprF/I試薬をやけど患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法。
5.薬理学的に効果的な量のOprF/I試薬を嚢胞性線維症患者に投与することを含む、前記患者における死亡率を減少させる方法。
6.治療的に効果的な量のOprF/I試薬および第二薬物基質を共投与することを含み、前記第二薬物基質が、抗細菌または抗真菌薬である、様態1〜5の任意の1つにしたがった方法。
7.治療的に効果的な量のOprF/I試薬の投与が、100mcgの量で2回与えられる、様態1〜5の任意の1つにしたがった方法。
8.治療的に効果的な量にOprF/I試薬が、ICUに収容される少なくとも2週間前に与えられる、様態2〜3の任意の1つにしたがった方法。
9.OprF/I試薬が、SEQ ID NOs:1〜13のポリペプチド、その三量体形態、および任意の前記ポリペプチド対する抗体からなる群より選択される化合物である、以上の様態の任意の1つにしたがった方法。
10.OprF/I試薬が、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12およびSEQ ID NO:13、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12およびSEQ ID NO:13の混合物との三量体形態を含むそれらの三量体形態、前記ポリペプチドまたは三量体形態の任意に対する抗体からなる群より選択される、以上の様態の任意の1つにしたがった方法。
11.以上の様態の任意の1つにしたがった任意の方法での利用のためのOprF/I試薬。
12.入院患者、ICU患者、嚢胞性線維症患者、人工呼吸器をつけたICU患者、またはやけど患者の死亡率の減少において使用するためのOprF/I試薬。
13.OprF/I試薬が、SEQ ID NO:1をもつポリペプチドである、様態12にしたがった死亡率の減少における利用のためのOprF/I試薬。
14.1つまたはそれ以上の薬理学的に許容可能な希釈液またはそのための担体と一緒にOprF/I試薬を含む、様態1〜10の任意の1つに従った任意の方法における利用のための薬理学的組成物。
15.a)OprF/I試薬である第一試薬
b)抗細菌または抗真菌薬である共試薬
を含む薬理学的混合物。
16.様態1〜10の任意の方法、様態11〜13の任意のOprF/I試薬、または様態14または15の薬理学的組成物で、前記OprF/I試薬が、そのアミノ末端で、緑膿菌外膜タンパク質Fのカルボキシ末端部分のカルボキシ末端に融合した、緑膿菌外膜タンパク質Iを含むか、からなる融合タンパク質であり、とりわけ、
(i)緑膿菌外膜タンパク質Iが、完全長外膜タンパク質Iである、
(ii)緑膿菌外膜タンパク質Fが、完全長外膜タンパク質Fである、
(iii)OprF/I融合タンパク質が、SEQ ID NO:1からなる、または含む、
(iv)OprF/I融合タンパク質が、前記ポリペプチドまたはSEQ ID NO:1に対する抗体またはその断片からなる、
(v)OprF/I融合タンパク質が、機能的に活性なバリアントであり、および/またはSEQ ID NO:1に対して少なくとも50%配列同一性、とりわけ少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、またより好ましくは少なくとも90%、またより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは99%配列同一性を持つ、
(vi)融合タンパク質が、SEQ ID NO:1を持つポリペプチド、またはSEQ ID NO:1に対して80%、85%、90%または95%同一性をもつその免疫原性バリアントを含む(または少なくとも80%、85%、90%、または95%からなる)、
(vii)融合タンパク質が、SEQ ID NO:1を持つポリペプチド、またはSEQ ID NO:1に対して80%、85%、90%または95%同一性をもつその免疫原性バリアントを含み(または少なくとも80%、85%、90%、または95%からなり)、前記ポリペプチドまたはそのバリアントが、a)Cys18−Cys27−結合(例えばDEQ ID NO:11を参照のこと)、b)Cys18−Cys27−結合とCys33−Cys47−結合(例えばSEQ ID NO:12を参照のこと)、またはc)Cys18−Cys47−結合およびCys27−Cys33−結合(例えばSEQ ID NO:13を参照のこと)のいずれかを持つ。
17.以上の任意の様態にしたがったOprF/I融合タンパク質を産出するための方法であって、
(a)前記OprF/I融合タンパク質を還元試薬で還元すること、および
(b)還元したOprF/I融合タンパク質を、還元試薬の存在下、酸化還元試薬で酸化すること
の段階を含む方法。
18.段階(a)にて、還元試薬の濃度が、約3mM〜約10mMであり、還元試薬が、ジチオスレイトール(DTT)、ジチオエリスリトール(DTE)またはβ−メルカプトエタノールである、様態17にしたがった方法。
19.段階(b)において、酸化還元試薬の濃度が、約0.2mM〜約4mMであり、酸化還元試薬が、グルタチオンジスルフィド/グルタチオン、または酸化還元試薬シスチン/システインであり、還元試薬の濃度が、約0.375mM〜約1.5mMであり、還元試薬がジチオスレイトール(DTT)、ジチオエリスリトール(DTE)またはβ−メルカプトエタノールである、様態17または18にしたがった方法。
20.反応温度が、約18℃〜約25℃である、様態17〜19の任意にしたがった方法。

Claims (13)

  1. SEQ ID NO:1のアミノ酸配列からなるOprF/I融合タンパク質、またはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を持つその免疫原性バリアントを含む、ICU患者の死亡率を減少させるための薬理学的組成物
  2. SEQ ID NO:1の3つのOprF/I融合タンパク質、またはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を持つその免疫原性バリアントを含有するタンパク質複合体を含む、ICU患者の死亡率を減少させるための薬理学的組成物。
  3. SEQ ID NO:1の3つのOprF/I融合タンパク質、またはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列と少なくとも90同一性を持つその免疫原性バリアントで少なくとも80%を構成されるタンパク質複合体を含む、ICU患者の死亡率を減少させるための薬理学的組成物
  4. 前記免疫原性バリアントが、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列の少なくとも95%同一性を持つ、請求項1から3のいずれか1項に記載の薬理学的組成物。
  5. 前記OprF/I融合タンパク質、又は免疫原性バリアントは
    (a)Cys18−Cys27−結合(SEQ ID NO:11)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、及びその免疫原性バリアント、(b)Cys18−Cys27−結合とCys33−Cys47−結合(SEQ ID NO:12)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、及びその免疫原性バリアント、並びに(c)Cys18−Cys47−結合とCys27−Cys33−結合(SEQ ID NO:13)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、及びその免疫原性バリアントからなる群から選択される請求項1から4の何れか1項に記載の薬理学的組成物。
  6. (a)Cys18−Cys27−結合(SEQ ID NO:11)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、及びその免疫原性バリアント、(b)Cys18−Cys27−結合とCys33−Cys47−結合(SEQ ID NO:12)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、及びその免疫原性バリアント、並びに(c)Cys18−Cys47−結合とCys27−Cys33−結合(SEQ ID NO:13)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、及びその免疫原性バリアントの合計が、全OprF/I融合タンパク質、及びその免疫原性バリアントの75%以上である、請求項5に記載の薬理学的組成物。
  7. 前記タンパク質複合体は、
    (a)Cys18−Cys27−結合(SEQ ID NO:11)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、又はその免疫原性バリアント、及び/又は
    (b)Cys18−Cys27−結合とCys33−Cys47−結合(SEQ ID NO:12)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、又はその免疫原性バリアント、及び/又は
    (c)Cys18−Cys47−結合とCys27−Cys33−結合(SEQ ID NO:13)を有するSEQ ID NO:1のOprF/I融合タンパク質、又はその免疫原性バリアントで構成される、請求項2から6の何れか1項に記載の薬理学的組成物。
  8. 前記組成物がワクチンである、請求項1から7の何れか1項に記載の薬理学的組成物。
  9. ヒトの28日死亡率が90%より低い、請求項1から8の何れか1項に記載の薬理学的組成物。
  10. ヒトの28日死亡率が85%より低い、請求項1から8の何れか1項に記載の薬理学的組成物。
  11. ヒトの28日死亡率が80%より低い、請求項1から8の何れか1項に記載の薬理学的組成物。
  12. ヒトの28日死亡率が75%より低い、請求項1から8の何れか1項に記載の薬理学的組成物。
  13. アジュバントを含まない、請求項1から12の何れか1項に記載の薬理学的組成物。
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