JP5892832B2 - 有機性廃棄物の処理装置および有機性廃棄物の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、下水汚泥などの有機性廃棄物を処理する際に炭化物を分離する分離手段を有する有機性廃棄物の処理装置および有機性廃棄物の処理方法に関する。
従来、二酸化炭素(CO2)や亜酸化窒素(N2O)に代表される温室効果ガスの削減の要請から、有機性廃棄物に対して単に焼却処理や溶融処理を行うだけではなく、ガス化や炭化という処理方式によって、廃棄物のエネルギーを有効に利用することのできるシステムが提案されている。
特許文献1には、有機性廃棄物を流動床式のガス化炉に投入して、空気比が0.3〜0.7の低酸素雰囲気中で熱分解させ、熱分解ガス中の熱分解残渣である炭化物をサイクロンによって回収する方法が記載されている。この方法では、熱分解ガスをサイクロンに導いて熱分解ガス中の熱分解残渣である粒状の炭化物を回収している。回収された炭化物は種々の産業で利用される化石燃料の代替燃料としての補助燃料などに用いられる。
このような有機性廃棄物のガス化燃焼設備といった処理装置は、乾燥機、ガス化炉、サイクロン、および後燃焼炉を備える。この処理装置においては、ガス化炉や後燃焼炉を所定の温度に制御する必要がある。有機性廃棄物としての下水汚泥は、その水分や発熱量が変動するため、上記の制御は、高水分で低発熱量時には都市ガスなどの補助燃料を投入したり、低水分で高発熱量時には空気や水によって冷却したりすることによって行う。
特開2004−010673号公報
しかしながら、有機性廃棄物の処理装置において、都市ガスなどの補助燃料を投入してガス化炉や後燃焼炉を加熱する場合においては、比較的高コストである補助燃料を燃焼させてガス化炉や後燃焼炉に熱量を供給することによって、低廉な炭化物を回収することになる。そのため、有機性廃棄物の処理において、コストを低減しつつエネルギー効率を向上させる技術の開発が求められていた。
また、低含水率で高発熱量の有機性廃棄物を処理する場合、処理装置に供給した熱量が余剰になり、ガス化炉や後燃焼炉を所定の温度範囲に制御するために空気や水によって冷却することになるため、この余剰熱量を有効に回収できないことになるので、やはり、余剰熱量を低減したり有効利用したりする技術の開発が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、高コストの補助燃料の使用を大幅に低減することができるとともに、低廉な補助燃料として使用可能な炭化物などの固形分を回収することができる有機性廃棄物の処理装置および有機性廃棄物の処理方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係る有機性廃棄物の処理装置は、有機性廃棄物に対して熱分解処理を行うことにより少なくとも熱分解ガスと固形分とに分離するガス化手段と、固形分を分離回収する分離回収手段と、熱分解ガスを燃焼させる後燃焼手段と、後燃焼手段における燃焼温度が800℃以上890℃未満であって亜酸化窒素燃焼を実現する下限温度より高い場合に、ガス化手段における熱分解温度を540℃より高く850℃以下の範囲内で低下させ、燃焼温度が下限温度より低い場合に、熱分解温度を540℃より高く850℃以下の範囲内で上昇させる制御を行う制御手段と、を備え、制御手段が、ガス化手段に供給する冷却用液体の流量を調整することにより、熱分解温度を制御するものであることを特徴とする。
本発明に係る有機性廃棄物の処理方法は、有機性廃棄物に対して熱分解処理を行うことにより熱分解ガスと固形分とに分離するガス化ステップと、固形分を分離回収する分離回収ステップと、熱分解ガスを燃焼させる後燃焼ステップと、後燃焼ステップにおける燃焼温度が800℃以上890℃未満であって亜酸化窒素燃焼を実現する下限温度より高い場合に、ガス化ステップにおける熱分解処理時における熱分解温度を540℃より高く850℃以下の範囲内で低下させ、燃焼温度が下限温度より低い場合に、熱分解温度を540℃より高く850℃以下の範囲内で上昇させる制御を行う制御ステップとを含み、制御ステップが、ガス化ステップにおいて用いる冷却用液体の流量を調整することにより、熱分解温度を制御するものであることを特徴とする。
本発明に係る有機性廃棄物の処理装置および有機性廃棄物の処理方法によれば、後燃焼手段において熱量が不足した場合でも、高コストの補助燃料を使用しなかったり、その使用を大幅に低減したりしつつ、低コストの補助燃料として使用可能な炭化物を回収することができるとともに、余剰熱が多い場合には、無駄に排出される熱を低減させて、より多くの炭化物を回収することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態による有機性廃棄物の処理装置を示す構成図である。 図2は、本発明の一実施形態による有機性廃棄物の処理装置において、ガス化炉の温度に応じた炭化物の分析結果を示す表である。 図3は、本発明の一実施形態による有機性廃棄物の処理方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
(ガス化燃焼設備の構成)
まず、本発明の一実施形態による有機性廃棄物の処理装置について説明する。図1は、この一実施形態による有機性廃棄物の処理装置としてのガス化燃焼設備を示す。
図1に示すように、ガス化燃焼設備1は、乾燥機11、搬送コンベヤ12、乾燥ケーキフィーダ13、ガス化炉14、サイクロン15、後燃焼炉16、流動空気予熱器17、乾燥ガス予熱器18、燃焼ガス処理部19、および排気筒20を備えるとともに、これらを制御するための制御手段としての制御部30を備える。さらに、ガス化燃焼設備1には、ガス化炉14に冷却用液体としての冷却水を供給する冷却用液体供給手段としての冷却水タンク21が設けられている。
乾燥機11は、下水汚泥などの有機性廃棄物3が投入されると、乾燥ガス予熱器18から供給される例えば600〜650℃程度の乾燥ガスを用いて有機性廃棄物3を乾燥可能に構成されている。乾燥機11は、乾燥された有機性廃棄物3を搬送コンベヤ12に供給可能に構成されている。また、乾燥機11は、乾燥時に生じた乾燥ガスを、乾燥ガス予熱器18に、乾燥ガス予熱器18への供給ラインに設けられたファン42bによって供給可能に構成されている。さらに、乾燥機11は、乾燥時に生じた乾燥ガスを、後燃焼炉16に、後燃焼炉16への供給ラインに設けられたファン42cによって供給可能に構成されている。
搬送コンベヤ12は、乾燥機11において乾燥された有機性廃棄物3を乾燥ケーキフィーダ13に供給可能に構成されている。
搬送コンベヤ12の後段に設けられた乾燥ケーキフィーダ13は、乾燥された有機性廃棄物3を内部に設けられた回転フィーダ(図示せず)によって切り出して後段の装置に搬送する、有機性廃棄物の搬送手段を構成している。また、乾燥ケーキフィーダ13は、この回転フィーダを回転駆動させる駆動手段としてのモータ13aとインバータ13bとを備える。モータ13aおよびインバータ13bは制御部30により制御される。この乾燥ケーキフィーダ13は、乾燥された有機性廃棄物3を、その供給量を制御しつつガス化炉14に供給可能に構成されている。
ガス化炉14は、例えば循環流動床炉や気泡流動床炉などの流動床炉から構成される。このガス化炉14は、乾燥ケーキフィーダ13から供給される有機性廃棄物3を、流動空気予熱器17から供給される高温の空気を用いて、酸素比1以下の還元雰囲気で熱分解可能に構成されたガス化手段である。これによって、ガス化炉14においては、有機性廃棄物3から、少なくとも、未燃焼炭素を含む熱分解残渣である炭化物と熱分解ガスとが生成する。また、ガス化炉14を流動床炉から構成していることにより、熱分解温度であるガス化炉14内の温度を、例えば400〜850℃、好適には500〜800℃の範囲という比較的広範囲に変化させることができる。
また、ガス化炉14は、例えば複数の熱電対からなる温度センサ14aを備える。この温度センサ14aはガス化炉14内の温度を計測して制御部30に供給する。
さらに、ガス化炉14には、冷却水タンク21から冷却水が供給される。冷却水タンク21からガス化炉14への供給ラインには、流量計43bおよびバルブ44bが設けられる。流量計43bは、冷却水の流量値を出力して制御部30に供給する。バルブ44bは、制御部30によって、その開度が制御される。制御部30は、流量計43bから供給される流量値に基づいてバルブ44bの開度を制御することによって、ガス化炉14への冷却水の供給流量を制御する。
また、ガス化炉14には、ファン42aによって酸素(O2)を含む気体である空気が供給される。ファン42aから流動空気予熱器17を通じたガス化炉14への供給ラインには、流量計43dおよびバルブ44dが設けられる。流量計43dは、計測した空気の流量を出力して制御部30に供給する。バルブ44dは、制御部30によって、その開度が制御される。制御部30は、流量計43dから供給される流量値に基づいてバルブ44dの開度を制御することによって、ガス化炉14への空気の供給流量を制御する。
このように制御部30は、ガス化炉14に供給する冷却水の流量および空気の流量の少なくとも一方を制御することによって、ガス化炉14内の温度を制御可能に構成されている。また、ガス化炉14は、補助燃料を用いた加熱手段であるバーナ(図示せず)を備える。このバーナは制御部30により制御され、制御部30は、バーナを制御することにより、ガス化炉14内を加熱してガス化温度を上昇させる。
ガス化炉14の後段に設けられたサイクロン15は、例えば外筒および内筒から構成される。このサイクロン15は、ガス化炉14から供給される炭化物および熱分解ガスのうちの炭化物4を分離回収する、分離回収手段である。回収された炭化物4は、例えばドラム缶などに収納される。この炭化物4は、例えば、ガス化燃焼設備1に併設される焼却炉(図示せず)などにおける補助燃料や、化石燃料の代替として火力発電などの補助燃料として用いることができる。
サイクロン15の後段には、後燃焼手段としての熱回収炉である後燃焼炉16が設けられている。後燃焼炉16は、サイクロン15から配管を通じて供給される熱分解ガスを上部から流入させて燃焼させた後、例えば900℃程度の燃焼ガスを下部側から排出するように構成されている。この後燃焼炉16は、例えば複数の熱電対からなる温度センサ16aを備える。温度センサ16aは、後燃焼炉16内の温度を計測して計測値を制御部30に供給する。また、後燃焼炉16には、乾燥機11から例えば200℃程度の温度の乾燥ガスが供給される。
そして、制御部30は、温度センサ16aから供給される後燃焼炉16内の温度に基づいて、ファン42aから流動空気予熱器17を通じてガス化炉14への供給ラインにおけるバルブ44dを制御することによって、ガス化炉14の温度を制御する。これにより、制御部30は、ガス化炉14からサイクロン15を介して後燃焼炉16に供給される熱量を制御して、後燃焼炉16の温度を800℃以上所定温度以下、具体的には例えば900℃以下に収まるように制御可能に構成されている。なお、この制御の詳細については後述する。
後燃焼炉16の後段に設けられた流動空気予熱器17は、後燃焼炉16から排出された燃焼ガスを通過させて後段の乾燥ガス予熱器18に供給するとともに、燃焼ガスの熱をファン42aから供給される空気に移動可能に構成されている。流動空気予熱器17は、熱が移動して加熱された空気を流動空気としてガス化炉14に供給する。
流動空気予熱器17の後段に直列に連結された乾燥ガス予熱器18は、流動空気予熱器17から供給される燃焼ガスを通過させて後段の燃焼ガス処理部19に供給するとともに、燃焼ガスの熱を乾燥機11から供給される乾燥ガスに移動させるように構成されている。乾燥ガス予熱器18は、熱を移動させた乾燥ガスを乾燥機11に循環させるように供給する。これにより、後燃焼炉16において生成した熱を、乾燥機11における有機性廃棄物3の乾燥に循環させて利用することができる。
乾燥ガス予熱器18の後段に設けられた燃焼ガス処理部19は、例えば燃焼ガス冷却搭、燃焼ガス集塵機、および燃焼ガススクラバを有して構成されている。燃焼ガス処理部19においては、燃焼ガス冷却搭によって空気を用いて燃焼ガスの温度を下げた後、燃焼ガス集塵機によって逆洗空気を用いて燃焼ガスから燃焼灰を除去し、燃焼ガススクラバによって燃焼ガスから有害ガスや微小粒子を除去する。また、燃焼ガス処理部19は、有害ガスや微小粒子が除去されて温度が低下した燃焼ガスを、ファン42fによって排気筒20に供給可能に構成されている。排気筒20は燃焼ガスを排気する排気手段である。
以上のようにして、この一実施形態によるガス化燃焼設備1が構成されている。次に、以上のように構成された、この一実施形態によるガス化燃焼設備1での有機性廃棄物の処理方法について説明する。まず、上述した従来技術が有する課題を解決するために本発明者が鋭意検討を行った。以下に、その概要を説明する。
すなわち、本発明者は、従来技術において、後燃焼炉16で熱が余ってしまう傾向にあり、この余剰熱が燃焼ガス処理部19で放出される点に着目した。そこで、本発明者は、この余剰熱を低減するための制御について検討を行った。
すなわち、本発明者の知見によれば、従来技術においては、有機性廃棄物における含水率や発熱量などの性状に応じて、後燃焼炉において補助燃料を使用する必要があったり熱量が余剰になったりする。
そこで、本発明者は、ガス化燃焼設備1において利用できずに排熱されてしまうエネルギーを最小限にする方法、および補助燃料の使用を最小化する方法について検討を行った。まず、本発明者は、後燃焼炉16における温度の大幅な上昇を抑制して、後燃焼炉16の温度を所定温度に維持するためには、後燃焼炉16に供給される熱分解ガスの可燃分を抑制する必要があることを想起した。そこで、本発明者が、熱分解ガスの可燃分を抑制する方法を検討した結果、サイクロン15において分離回収させる炭化物に可燃分を移動させることができれば、後燃焼炉16に移動する熱分解ガスの可燃分を抑制したり増加したりすることができることを想起するに至った。
ここで、本発明者は種々実験を行いつつ鋭意検討を行い、ガス化炉14の温度を低下させるに従って、サイクロン15によって分離回収される炭化物の可燃分が増加する傾向にあることを見出すに至った。図2は、この実験結果を示す表である。なお、図2において、可燃分残存率は、以下の(1)式で定義される率である。
Figure 0005892832
図2から、ガス化炉14内の温度を780℃とした場合には、炭化物に含まれる可燃分が23.8%、高位発熱量が7340kJ/kgであることがわかる。これに対し、ガス化炉14内の温度を700℃に低下させた場合には、可燃分が32.6%、高位発熱量が9550kJ/kgであり、温度が780℃の場合に比して数値が増加していることが分かる。さらに、ガス化炉14内部の温度をさらに600℃にまで低下させた場合には、可燃分が44.6%、高位発熱量が13500kJ/kgであり、温度が700℃の場合に比しても増加していることが分かる。
また、乾燥させた有機性廃棄物3である乾燥汚泥においては、可燃分が88.4%含まれていることから、本発明者の検討によれば、温度が450℃程度においては、可燃分が60%程度であり高位発熱量が15000kJ/kg程度になると算出される。
以上の結果から、本発明者は、有機性廃棄物3がどのような性状の場合であったとしても、ガス化炉14の温度の低下に従って、サイクロン15によって分離回収される炭化物4に含まれる可燃分が増加する傾向にあることを知見するに至った。これにより、本発明者は、ガス化炉14の温度を変化させることによって、炭化物4に含まれる、ガス化して揮発する可燃分の量を変化させることを想起した。
そして、本発明者は、熱が余剰の場合には、ガス化炉14内の温度を低下させることによって、後燃焼炉16を例えば900℃程度の所定温度に維持するのに必要な可燃分を後燃焼炉16に供給しつつ、可燃分の残部は炭化物(ガス化残渣)として分離回収するのが望ましいことを想起するに至った。これに基づくと、適正な可燃分が後燃焼炉16に供給されることになる上に、補助燃料として有用な可燃分の多い炭化物を回収できる。逆に、熱が不足する場合には、ガス化炉14内の温度を上昇させることによって、適正な可燃分を後燃焼炉16に供給することができるので、都市ガスなどの補助燃料を使用することなく処理できることになる。
そこで、本発明者が有機性廃棄物3における熱量に関して確認を行ったところ、ガス化炉14の温度を変化させた場合でも、投入された有機性廃棄物3が有する保有エネルギーのうちの熱分解ガスのエネルギーと炭化物のエネルギーとの合計値はほぼ一定であることが確認された。すなわち、本発明者は、ガス化炉14内の温度が低くなるのに従って、熱分解ガスに含まれる燃焼のエネルギー(熱量)が可燃分として炭化物に移行していることを確認した。
本発明者は、以上の検討および確認に基づいて、さらに検討を進め、後燃焼炉16内の温度が所定の温度範囲に収まるように、後燃焼炉16内の温度に基づいてガス化炉14の温度を制御する制御方法を案出した。これにより、後燃焼炉16の内部を加熱するための加熱手段であるバーナに用いる補助燃料が不要になるとともに、特に有機性廃棄物3の可燃分が、乾燥処理前の状態において4000kJ/kg以上である場合には、ガス化炉14を加熱するための補助燃料を使用する必要がなくなり、後燃焼炉16の温度を所定温度範囲に制御することが可能になることを確認した。本発明は、以上の実験および検討に基づいて案出されたものである。
(有機性廃棄物の処理方法)
次に、以上の検討に基づいた、この一実施形態による有機性廃棄物の処理方法について説明する。図3は、この一実施形態による有機性廃棄物の処理方法を示すフローチャートである。
図3に示すように、この一実施形態による有機性廃棄物の処理方法においては、まず、ステップST1において、外部から例えば下水汚泥などの有機性廃棄物3を、乾燥機11に投入して例えば600℃以上の雰囲気によって乾燥させた後、乾燥ケーキフィーダ13を介してガス化炉14に搬送して、有機性廃棄物3の熱分解を行う。これにより、有機性廃棄物3は、熱分解ガスと、ガス化残渣である炭化物とに分解する。これらの熱分解ガスおよび炭化物は、サイクロン15に供給される。その後、ステップST2に移行する。
ステップST2においては、サイクロン15において炭化物を分離して回収した後、サイクロン15は、分離された例えば700℃程度の熱分解ガスを後燃焼炉16に供給する。その後、ステップST3に移行する。
ステップST3においては、後燃焼炉16において、サイクロン15から供給された熱分解ガスを、ファン42cによって乾燥機11から供給される乾燥ガスと混合させつつ燃焼させる。このとき、後燃焼炉16に供給される熱分解ガスに含まれる可燃分(熱量)に応じて、後燃焼炉16内の温度が変動する場合もある。この状態でステップST4に移行する。
ステップST4においては、制御部30の制御によって、温度センサ14aがガス化炉14の温度を計測して、その計測値を制御部30に供給する。同様に、制御部30の制御によって、温度センサ16aが後燃焼炉16の温度を計測して、その計測値を制御部30に供給する。このようにして、制御部30は、ガス化炉14および後燃焼炉16の炉内温度を常時モニタリングする。その後、ステップST5に移行する。
ステップST5においては、制御部30が、後燃焼炉16内の温度が所定温度範囲内であるか否かを判断する。そして、制御部30が、後燃焼炉16内の温度が例えば800℃以上900℃以下の所定範囲内であると判断した場合(ステップST5:Yes)、ステップST1に復帰してステップST1〜ST5の有機性廃棄物に対する処理を継続して行う。なお、以上のステップST1〜ST5は、ガス化燃焼設備1においてそれぞれ並行しつつ継続して実行される。
一方、ステップST5において、制御部30が、後燃焼炉16内の温度が900℃を超え、所定範囲外になったと判断する(ステップST5:No)と、ステップST6に移行する。ステップST6においては、制御部30は、流量計43dからの流量値に基づいてバルブ44dの開度を制御して、ガス化炉14に供給する空気の流量を低下させる制御を行う。これによって、ガス化炉14の内部の温度を、例えば400〜850℃の所定範囲内で低下させる。なお、必要がある場合に、流量計43bからの流量値に基づいてバルブ44bの開度を制御して、ガス化炉14に供給する冷却水の流量を増加させる制御を行う。
このようにガス化炉14内の温度を低下させると、サイクロン15によって分離回収される炭化物4に含まれる可燃分の割合が増加する。そのため、後燃焼炉16に供給される可燃分が減少するので、後燃焼炉16内においては、燃焼が抑制されて温度が低下する。この場合、後燃焼炉16内の温度を低下させるために、ガス化炉14内の温度を低下させているため、後燃焼炉16の内部の温度制御を、ファン42eによって供給される冷却用の空気や、冷却水を用いることなく行うことができる。
他方、ステップST5において、制御部30が、後燃焼炉16内の温度が800℃未満になって所定範囲外になったと判断した(ステップST5:No)場合もステップST6に移行する。この場合、ステップST6において、制御部30は、バルブ44bやバルブ44dの開度を制御して、ガス化炉14に供給する空気の流量を増加させる制御を行う。なお、必要がある場合に、冷却水の流量を減少させる制御を行う。これによって、ガス化炉14の内部の温度を、例えば400〜850℃の所定範囲内で上昇させる。
このようにガス化炉14内の温度を上昇させると、サイクロン15によって分離回収される炭化物4に含まれる可燃分の割合が減少するため、後燃焼炉16に供給される可燃分が増加して、後燃焼炉16内において燃焼が促進されて温度が上昇する。この場合においても、後燃焼炉16内の温度を上昇させるために、ガス化炉14内に供給する空気の流量を増加させる制御を行う。なお、必要がある場合に、冷却水の流量を減少させる制御を行う。これにより、補助燃料を用いることなく後燃焼炉16の内部の温度制御を行うことができる。
そして、制御部30は、ガス化炉14に供給する空気の流量や冷却水の流量を制御してガス化炉14内の温度を制御することによって、後燃焼炉16内の温度が所定範囲内に収まる(ステップST5:Yes)まで、ステップST5,ST6を繰り返し行う。
なお、以上の有機性廃棄物3の処理方法において、投入される有機性廃棄物3の含水率が例えば90%以上と極めて高く、ガス化炉14に供給される有機性廃棄物3の熱量が極めて小さい場合には、後燃焼炉16の温度も大幅に低くなることがある。このような場合、やむを得ず都市ガスなどの補助燃料を用いてガス化炉14内を加熱することがある。しかしながら、サイクロン15において分離回収される炭化物4の量も極めて少なくなるため、高コストの補助燃料を用いて低廉な炭化物の燃料を生成するようなエネルギーの無駄な消費という問題は生じない。
さらに、このガス化燃焼設備1において、本発明者が、燃焼ガス処理部19の後段における亜酸化窒素(N2O)を測定したところ、その濃度はガス化炉14の温度を変化させても低いままであることが確認され、温室効果ガスの放出も抑制できることが確認された。また、ガス化残渣である炭化物4の量は、炭化物4中の可燃分の量の増加に比例して増加することも確認された。
以上説明した本発明の一実施形態によれば、高コストな都市ガスなどの補助燃料をほとんど用いることなく、ガス化炉14内の温度制御によって後燃焼炉16の温度制御を行うことができ、都市ガスなどの高コストな補助燃料を用いて炭化物4からなる低廉な燃料を生成するようなエネルギーの無駄な消費を大幅に抑制して、従来余剰なエネルギーとして燃焼によって消費されていた可燃分を、ガス化燃焼設備1における炭化物4の可燃分として回収することが可能となる。また、ガス化炉14を焼却炉(図示せず)などと併設した場合には、回収した炭化物4を、高コストな補助燃料の代わりに焼却炉の補助燃料として用いることができるので、この焼却炉に用いる都市ガスなどの高コストな補助燃料の使用量を削減することができる。
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の一実施形態においては、ガス化炉14を流動床炉から構成しているが、比較的広範囲の温度変化が可能な炉であれば、必ずしも流動床炉に限定されるものではなく、例えばロータリーキルンなどの炉を採用することも可能である。
上述の一実施形態においては、分離回収手段としてサイクロンを採用しているが、セラミックフィルタなどの、炭化物を分離回収可能な他の分離回収装置を採用することも可能である。
また、上述の一実施形態においては、炭化物を補助燃料として用いる例を挙げているが、補助燃料に限定されるものではなく、電気炉における溶湯表面の保温材などに用いることも可能であり、炭化物の性状に応じて、土壌改良剤などに用いることも可能である。
1 ガス化燃焼設備
3 有機性廃棄物
4 炭化物
11 乾燥機
12 搬送コンベヤ
13 乾燥ケーキフィーダ
13a モータ
13b インバータ
14 ガス化炉
14a,16a 温度センサ
15 サイクロン
16 後燃焼炉
17 流動空気予熱器
18 乾燥ガス予熱器
19 燃焼ガス処理部
20 排気筒
21 冷却水タンク
30 制御部
42,42a,42b,42c,42e,42f ファン
43b,43d 流量計
44b,44d バルブ

Claims (2)

  1. 有機性廃棄物に対して熱分解処理を行うことにより少なくとも熱分解ガスと固形分とに分離するガス化手段と、
    前記固形分を分離回収する分離回収手段と、
    前記熱分解ガスを燃焼させる後燃焼手段と、
    前記後燃焼手段における燃焼温度が800℃以上890℃未満であって亜酸化窒素燃焼を実現する下限温度より高い場合に、前記ガス化手段における熱分解温度を540℃より高く850℃以下の範囲内で低下させ、前記燃焼温度が前記下限温度より低い場合に、前記熱分解温度を540℃より高く850℃以下の範囲内で上昇させる制御を行う制御手段と、を備え、
    前記制御手段が、前記ガス化手段に供給する冷却用液体の流量を調整することにより、前記熱分解温度を制御するものである
    ことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
  2. 有機性廃棄物に対して熱分解処理を行うことにより熱分解ガスと固形分とに分離するガス化ステップと、
    前記固形分を分離回収する分離回収ステップと、
    前記熱分解ガスを燃焼させる後燃焼ステップと、
    前記後燃焼ステップにおける燃焼温度が800℃以上890℃未満であって亜酸化窒素燃焼を実現する下限温度より高い場合に、前記ガス化ステップにおける熱分解処理時における熱分解温度を540℃より高く850℃以下の範囲内で低下させ、前記燃焼温度が前記下限温度より低い場合に、前記熱分解温度を540℃より高く850℃以下の範囲内で上昇させる制御を行う制御ステップとを含み、
    前記制御ステップが、前記ガス化ステップにおいて用いる冷却用液体の流量を調整することにより、前記熱分解温度を制御するものである
    ことを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
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