JP5364810B2 - 有機性廃棄物の処理装置、有機性廃棄物の処理方法、および制御装置 - Google Patents

有機性廃棄物の処理装置、有機性廃棄物の処理方法、および制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、下水汚泥などの有機性廃棄物を焼却する有機性廃棄物の処理装置有機性廃棄物の処理方法、および制御装置に関する。
従来、下水汚泥などの有機性廃棄物の焼却にガス化燃焼システムが採用されている。このガス化燃焼システムといった有機性廃棄物の処理装置は、乾燥機、ガス化炉、および後燃焼炉(熱回収炉)を備える。そして、このガス化燃焼システムにおいては、ガス化炉が有機性廃棄物をガス化残渣と熱分解ガスとに分解した後、後燃焼炉が熱分解ガスを燃焼させる。
また、ガス化燃焼システムに対しては、環境保護の観点から、二酸化炭素(CO2)や、CO2の310倍程度の温室効果がある亜酸化窒素(N2O)に代表される温室効果ガスや、窒素酸化物(NOx)の削減が要請されている。
特許文献1には、有機性廃棄物をガス化炉で熱分解してガス化した熱分解ガスを燃焼し、空気を吹き込む3段の送風口を備えた後燃焼炉の燃焼制御装置が記載されている。この特許文献1に記載された燃焼制御装置においては、温度計が3段の送風口付近でそれぞれ炉内温度を計測し、各段の炉内温度から導いた炉内温度分布形状に基づいて、各段の送風口から送風する空気量を制御している。
特開2010−065932号公報
しかしながら、特許文献1に記載の制御方法においては、二次燃焼炉内の温度分布を求める必要があるとともに、温度分布に基づいて3段の送風口において空気量の制御が必要になる。そのため、二次燃焼炉(後燃焼炉)内の温度を安定化させるためには、その処理が非常に複雑になってしまう問題があった。
また、本発明者の知見によれば、下水汚泥などの有機性廃棄物を焼却するガス化燃焼システムにおいては、後燃焼炉内が950℃以上になると、有機性廃棄物に含まれる窒素(N)由来のNOxの生成が顕著になる。さらに、後燃焼炉内の温度が1000℃以上になると、有機性廃棄物中の灰の成分が軟化して後燃焼炉の壁面に付着するクリンカが生じ、後燃焼炉の連続運転において不具合が発生する場合があった。そのため、NOxの生成およびクリンカの発生を抑制するには、後燃焼炉内の内部を比較的低温にすることが望ましい。
一方、有機性廃棄物を燃焼させているときに後燃焼炉内の温度が低くなると、有機性廃棄物に含まれる窒素に由来したN2Oが生成されてしまう。そのため、N2Oの生成を抑制するためには、後燃焼炉の内部を可能な限り高温にすることが望ましい。
このような互いに相反する要請から、NOxの生成およびクリンカの発生を抑制しつつN2Oの生成を抑制するために、後燃焼炉の内部を920〜950℃の温度範囲に制御する必要がある。そこで、従来のガス化燃焼システムにおいては、後燃焼炉内を加熱するための補助燃料の使用量、燃焼空気量、および冷却水量を制御することによって、後燃焼炉の内部の温度が920〜950℃の範囲に収まるように制御しようとしていた。
しかしながら、本発明者の知見によれば、後燃焼炉において、後燃焼炉に供給される処理対象の有機性廃棄物の性状が不安定であることに起因して温度変動が生じやすい。そのため、後燃焼炉の内部において温度の安定化を確保することが困難になり、ガス化燃焼システムの運転に支障をきたしていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、有機性廃棄物の処理装置に備えられる後燃焼手段の内部の温度変動を安定化させて、窒素酸化物(NOx)の生成およびクリンカの発生を抑制しつつ亜酸化窒素(N2O)の生成を抑制することができる有機性廃棄物の処理装置有機性廃棄物の処理方法、および制御装置を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係る有機性廃棄物の処理装置は、有機性廃棄物に対して脱水処理を行う脱水処理手段と、脱水された有機性廃棄物を搬送する搬送手段と、搬送手段から搬送された有機性廃棄物に対して熱分解処理を行って熱分解ガスと固形分とに分離するガス化手段と、ガス化手段から供給される熱分解ガスを燃焼させて燃焼ガスを排出する後燃焼手段と、後燃焼手段の内部における高さ方向に沿った中央より下部の温度を計測する下部温度計測手段と、後燃焼手段の内部における下部温度計測手段より高い位置の上部の温度を計測する上部温度計測手段と、下部温度計測手段により計測された下部温度と上部温度計測手段により計測された上部温度とを入力可能に構成され下部温度の、予め設定された目標温度に対する温度偏差を算出し、算出した温度偏差に基づいて、搬送手段のガス化手段への有機性廃棄物の供給速度を制御するとともに、上部温度下部温度に対する温度差を算出して、温度差が所定温度差範囲に収まるように、後燃焼手段に供給する冷却水および空気の少なくとも一方の供給流量を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る有機性廃棄物の処理装置は、上記の発明において、制御手段は、温度偏差が所定温度偏差範囲外である場合に、搬送手段におけるガス化手段への供給速度を、温度偏差が所定温度偏差範囲内に収まるように制御直前の供給速度に対して変更する制御を行うとともに、温度偏差が所定温度偏差範囲内である場合に、搬送手段におけるガス化手段への供給速度を維持する制御を行うように構成されていることを特徴とする。
本発明に係る有機性廃棄物の処理装置は、上記の発明において、制御手段は、温度偏差が所定温度偏差範囲外である場合に、搬送手段におけるガス化手段への供給速度を、制御直前の供給速度に対して、温度偏差に対して線形関係を有する変化量だけ変更する制御を行うように構成されていることを特徴とする。
本発明に係る有機性廃棄物の処理装置は、上記の発明において、制御手段は、温度偏差が所定温度偏差範囲外である場合に、搬送手段におけるガス化手段への有機性廃棄物の供給速度を、温度偏差が正の場合には減少させるように制御し、温度偏差が負の場合には増加させるように制御することを特徴とする。
本発明に係る有機性廃棄物の処理方法は、有機性廃棄物に対して脱水処理を行う脱水ステップと、脱水された有機性廃棄物を、熱分解処理を行う後段に供給する搬送ステップと、搬送された有機性廃棄物に対して熱分解処理を行って熱分解ガスと固形分とに分離するガス化ステップと、ガス化ステップで分離された熱分解ガスを燃焼させて燃焼ガスを排出する後燃焼ステップと、後燃焼ステップを行う後燃焼手段の内部における高さ方向に沿った中央より下部の温度を計測する下部温度計測ステップと、下部温度計測ステップにおける下部の温度の計測位置より高い位置である上部の温度を計測する上部温度計測ステップと、下部温度計測ステップにおいて計測した燃焼時の下部温度に対して、予め設定した燃焼時の目標温度に対する温度偏差を算出して、温度偏差に基づいて、搬送ステップにおける有機性廃棄物の後段への搬送時の供給速度を制御するとともに、上部温度計測ステップにおいて計測した上部温度の、下部温度計測ステップにおいて計測した下部温度に対する温度差を算出して、温度差が所定温度差範囲内に収まるように、後燃焼手段に供給する冷却水および空気の少なくとも一方の供給流量を制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る有機性廃棄物の処理方法は、上記の発明において、制御ステップが、温度偏差が所定温度偏差範囲外である場合に、供給速度を、温度偏差が所定温度偏差範囲内に収まるように変更する制御を行うとともに、温度偏差が所定温度偏差範囲内である場合に、供給速度を維持する制御を行うことを特徴とする。
本発明に係る有機性廃棄物の処理方法は、上記の発明において、制御ステップが、温度偏差が所定温度偏差範囲外である場合に、供給速度を、温度偏差に対して線形関係を有する変化量だけ、制御直前の供給速度に対して変更させる制御を行うことを特徴とする。
本発明に係る有機性廃棄物の処理方法は、上記の発明において、制御ステップが、温度偏差が所定温度偏差範囲外である場合に、供給速度を、温度偏差が正の場合には減少させるように変更し、温度偏差が負の場合には増加させるように変更することを特徴とする。
本発明に係る制御装置は、有機性廃棄物に対して脱水処理を行う脱水処理手段と、脱水された有機性廃棄物を搬送する搬送手段と、搬送手段から搬送された有機性廃棄物に対して熱分解処理を行って熱分解ガスと固形分とに分離するガス化手段と、ガス化手段から供給される熱分解ガスを燃焼させて燃焼ガスを排出する後燃焼手段と、後燃焼手段の内部における高さ方向に沿った中央より下部の温度を計測する下部温度計測手段と、後燃焼手段の内部における温度計測手段より高い位置の上部の温度を計測する上部温度計測手段と、を備えた有機性廃棄物の処理装置を制御する制御装置であって、下部温度計測手段により計測された下部温度と上部温度計測手段により計測された上部温度とを入力可能に構成され下部温度の、予め設定された目標温度に対する温度偏差を算出し、算出した温度偏差に基づいて、搬送手段のガス化手段への有機性廃棄物の供給速度を制御するとともに、上部温度下部温度に対する温度差を算出して、温度差が所定温度差範囲に収まるように、後燃焼手段に供給する冷却水および空気の少なくとも一方の供給流量を制御することを特徴とする。
本発明に係る有機性廃棄物の処理装置有機性廃棄物の処理方法、および制御装置によれば、有機性廃棄物の処理装置に備えられる後燃焼手段の内部の温度変動を安定化させることができ、窒素酸化物の生成およびクリンカの発生を抑制しつつ亜酸化窒素の生成を抑制することが可能になる。
図1は、本発明の第1の実施形態による有機性廃棄物の処理装置を示す構成図である。 図2は、本発明の第1の実施形態による後燃焼炉の制御を含む有機性廃棄物の処理方法を説明するためのフローチャートである。 図3は、本発明の第1の実施形態による後燃焼炉内の温度偏差による乾燥ケーキフィーダの回転数の制御の一例を示すグラフである。 図4は、本発明の第2の実施形態による有機性廃棄物の処理装置を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態による有機性廃棄物の処理装置について説明する。図1は、この第1の実施形態による有機性廃棄物の処理装置としてのガス化燃焼設備を示す。
(ガス化燃焼設備)
図1に示すように、ガス化燃焼設備1は、乾燥機11、搬送コンベヤ12、乾燥ケーキフィーダ13、ガス化炉14、サイクロン15、後燃焼炉16、流動空気予熱器17、乾燥ガス予熱器18、燃焼ガス処理部19、および排気筒20を備えるとともに、これらを制御するための制御手段としての制御部30を備える。さらに、ガス化燃焼設備1には、ガス化炉14および後燃焼炉16に冷却用液体としての冷却水を供給するための冷却用液体供給手段を構成する冷却水タンク21が設けられている。
乾燥機11は、下水汚泥などの有機性廃棄物3が投入されると、乾燥ガス予熱器18から供給される例えば600〜650℃程度の乾燥ガスを用いて有機性廃棄物3を乾燥可能に構成された脱水処理手段である。乾燥機11は、乾燥された有機性廃棄物3を搬送コンベヤ12に供給可能に構成されている。また、乾燥機11は、乾燥時に生じた乾燥ガスを、乾燥ガス予熱器18に、乾燥ガス予熱器18への供給ラインに設けられたファン42bによって供給可能に構成されている。さらに、乾燥機11は、乾燥時に生じた乾燥ガスを、後燃焼炉16に、後燃焼炉16への供給ラインに設けられたファン42cによって供給可能に構成されている。
搬送コンベヤ12は、乾燥機11において乾燥された有機性廃棄物3を乾燥ケーキフィーダ13に供給可能に構成されている。
搬送コンベヤ12の後段に設けられた乾燥ケーキフィーダ13は、乾燥された有機性廃棄物3を回転フィーダ(図示せず)によって切り出して後段の装置に搬送する、有機性廃棄物3の搬送手段を構成している。また、乾燥ケーキフィーダ13は、内部に設けられた回転フィーダ(図示せず)を回転駆動させる駆動手段としてのモータ13aとインバータ13bとを備える。モータ13aの回転数は、後述する後燃焼炉16の内部の温度に基づいて、制御部30によりインバータ13bを介して制御される。これにより、乾燥ケーキフィーダ13は、制御部30によって、後段の装置であるガス化炉14に供給する有機性廃棄物3の供給速度が制御される。なお、このモータ13aの回転数制御の詳細については後述する。乾燥ケーキフィーダ13は、乾燥された有機性廃棄物3を、その供給量が制御部30によって制御されつつガス化炉14に供給する。
ガス化炉14は、例えば循環流動床炉や気泡流動床炉などの流動床炉から構成されるガス化手段である。このガス化炉14は、乾燥ケーキフィーダ13から供給される有機性廃棄物3を、流動空気予熱器17から供給される高温の空気を用いて、酸素比1以下の還元雰囲気で熱分解可能に構成されている。これによって、ガス化炉14においては、有機性廃棄物3から、少なくとも、未燃焼炭素を含む熱分解残渣である炭化物と熱分解ガスとが生成する。また、ガス化炉14を流動床炉から構成していることにより、その内部の温度を、例えば450〜850℃、好適には600〜800℃の範囲という比較的広範囲に変化させることができる。また、このガス化炉14は、例えば複数の熱電対からなる温度センサ14aを備える。この温度センサ14aはガス化炉14内の温度を計測して制御部30に供給する。
さらに、ガス化炉14には、冷却水タンク21から冷却水が供給される。冷却水タンク21からガス化炉14への供給ラインには、流量計43bおよびバルブ44bが設けられる。流量計43bは、冷却水の流量値を出力して制御部30に供給する。バルブ44bは、制御部30によって、その開度が制御される。制御部30は、流量計43bから供給される流量値に基づいてバルブ44bの開度を制御することによって、ガス化炉14への冷却水の供給流量を制御する。
また、ガス化炉14には、ファン42aによって酸素(O2)を含む気体である空気が供給される。ファン42aから流動空気予熱器17を通じたガス化炉14への供給ラインには、流量計43dおよびバルブ44dが設けられる。流量計43dは、供給ラインを流れる空気の流量を計測して制御部30に供給する。バルブ44dは、その開度が制御部30により制御される。制御部30は、流量計43dから供給される流量値に基づいてバルブ44dの開度を制御することによって、ガス化炉14への空気の供給流量を制御する。
このように制御部30は、ガス化炉14に供給する冷却水および空気の供給流量を制御することによって、ガス化炉14内の温度を制御可能に構成されている。また、ガス化炉14は、補助燃料を用いた加熱手段であるバーナ(図示せず)を備える。このバーナは制御部30により制御される。制御部30は、バーナを制御することによってガス化炉14内を加熱してガス化温度を上昇させる。
ガス化炉14の後段に設けられたサイクロン15は、例えば外筒および内筒から構成される。このサイクロン15は、ガス化炉14から供給される炭化物および熱分解ガスのうちの炭化物4を分離回収する、分離回収手段である。回収された炭化物4は、例えばドラム缶などに収納される。この炭化物4は、例えば、ガス化燃焼設備1に併設される焼却炉(図示せず)などにおける補助燃料や、化石燃料の代替として火力発電などにおける補助燃料として用いることができる。
サイクロン15の後段には、後燃焼手段としての熱回収炉である後燃焼炉16が設けられている。後燃焼炉16は、サイクロン15から供給される熱分解ガスを上部側から流入して燃焼した後、例えば900℃程度の燃焼ガスを下部側から排出するように構成されている。この後燃焼炉16内には、温度計測手段または第1の温度計測手段としての例えば複数の熱電対からなる温度センサ16aが設けられている。温度センサ16aは、後燃焼炉16内の燃焼温度を計測して、計測値を制御部30に供給する。
また、後燃焼炉16は、冷却水タンク21から供給される冷却水が、上部側から流入するように構成されている。冷却水タンク21から後燃焼炉16への供給ラインには、流量計43aおよびバルブ44aが設けられている。流量計43aは、供給ラインを流れる冷却水の流量値を出力して制御部30に供給する。バルブ44aは、その開度が制御部30により制御される。制御部30は、流量計43aから供給される流量値に基づいてバルブ44aの開度を制御することによって、後燃焼炉16への冷却水の供給流量を制御する。
さらに、後燃焼炉16は、気体供給手段としてのファン42dによって例えば20℃程度の温度の空気が供給されるように構成されている。ファン42dから後燃焼炉16への供給ラインには、流量計43cおよびバルブ44cが設けられている。流量計43cは供給ラインを流れる空気の流量値を出力して制御部30に供給する。バルブ44cは、その開度が制御部30により制御される。制御部30は、流量計43cから供給される流量値に基づいてバルブ44cの開度を制御することによって、後燃焼炉16への空気の供給流量を制御する。また、後燃焼炉16は、乾燥機11から温度が例えば200℃程度の乾燥ガスが供給されるように構成されている。
そして、制御部30は、温度センサ16aから供給される後燃焼炉16内の温度に基づいて、例えばPID制御などにより後燃焼炉16に供給する冷却水および空気の供給流量を制御することによって、後燃焼炉16内の温度を調整する。また、後燃焼炉16には例えば補助燃料などを用いた加熱手段であるバーナ(図示せず)が備えられ、制御部30がバーナを制御することにより、後燃焼炉16内を加熱して温度を上昇可能に構成されている。
後燃焼炉16の後段に設けられた流動空気予熱器17は、後燃焼炉16から排出された燃焼ガスを通過させて後段の乾燥ガス予熱器18に供給するとともに、燃焼ガスの熱を、ファン42aから供給される空気に移動させるように構成されている。流動空気予熱器17は、熱が移動することで加熱された空気を流動空気としてガス化炉14に供給する。
流動空気予熱器17の後段に直列に連結された乾燥ガス予熱器18は、流動空気予熱器17から供給される燃焼ガスを通過させて後段の燃焼ガス処理部19に供給するとともに、燃焼ガスの熱を乾燥機11から供給される乾燥ガスに移動させるように構成されている。乾燥ガス予熱器18は、熱を移動させた乾燥ガスを乾燥機11に供給する。これにより、後燃焼炉16において生成した熱を、乾燥機11における有機性廃棄物3の乾燥に循環させて利用することができる。
乾燥ガス予熱器18の後段に設けられた燃焼ガス処理部19は、例えば燃焼ガス冷却搭、燃焼ガス集塵機、および燃焼ガススクラバを有する。燃焼ガス処理部19は、燃焼ガス冷却搭によって空気を用いて燃焼ガスの温度を低下させた後、燃焼ガス集塵機によって逆洗空気を用いて燃焼ガスから燃焼灰を除去し、燃焼ガススクラバによって燃焼ガスから有害ガスや微小粒子を除去する。また、燃焼ガス処理部19は、温度が低下した燃焼ガスをファン42fによって排気筒20に供給可能に構成されている。排気筒20は燃焼ガスを排気する排気手段である。
以上のようにして、この第1の実施形態によるガス化燃焼設備1が構成されている。次に、以上のように構成された、この第1の実施形態によるガス化燃焼設備1での有機性廃棄物の処理における後燃焼炉の制御に関して、上述した従来技術が有する課題を解決するために本発明者が鋭意検討を行った。以下に、その概要を説明する。
まず、従来技術においては、上述した第1の実施形態による後燃焼炉16において温度センサ16aが計測した後燃焼炉16内の温度に基づいて、制御部30がバルブ44aの開度を制御して、後燃焼炉16内に供給する冷却水や空気を調整していた。これによって、制御部30は、後燃焼炉16内の温度を所定温度範囲、具体的には例えば920〜950℃程度になるように例えばPID制御を行っていた。
ところで、本発明者は、後燃焼炉16内において燃焼温度が変動してしまう問題について検討を行い、その原因の一つとして、有機性廃棄物3における含水率などの性状が変化する点に着目した。すなわち、本発明者は、後燃焼炉16内における温度変動は、サイクロン15から供給される熱分解ガスの可燃分が変化することが原因の一つであると考えた。
そこで、本発明者は、後燃焼炉16内での温度変動の問題を解決すべく鋭意検討を行い、後燃焼炉16に供給される熱分解ガスの可燃分、すなわち脱水汚泥などの有機性廃棄物の性状に応じた投入熱負荷を一定にできれば、後燃焼炉16内における温度変動を安定化させることができることを想起するに至った。
そして、この投入熱負荷を一定にするために、本発明者がさらに種々実験および鋭意検討を行った結果、熱分解ガスを生成するガス化炉14の前段における乾燥ケーキフィーダ13を制御することによって、投入熱負荷を一定にすることを見出した。さらに、本発明者は、乾燥させた有機性廃棄物3を乾燥ケーキフィーダ13によってガス化炉14に供給する際に、乾燥ケーキフィーダ13の駆動を後燃焼炉16内の温度変動と関連させることが好ましいことを想起した。
また本発明者は、乾燥ケーキフィーダ13の駆動を後燃焼炉16内の温度変動に関連づけるために、種々実験および検討を行い、制御部30によって設定される後燃焼炉16内の目標温度に対する計測温度との温度偏差ΔT(計測温度−目標温度)に応じて、乾燥ケーキフィーダ13の駆動を相関させつつ制御するのが望ましく、この相関としては線形関係がより望ましいことを見出した。さらに、本発明者は、乾燥ケーキフィーダ13の駆動制御において、温度偏差ΔTが所定の範囲内である場合には、駆動状態を変更させない方が望ましいことも見出した。本発明は、以上の実験および鋭意検討に基づいて案出されたものである。
(有機性廃棄物の処理方法)
次に、以上の検討に基づいた、この第1の実施形態による有機性廃棄物の処理方法、およびこれに伴う乾燥ケーキフィーダの制御方法について説明する。図2は、この第1の実施形態による有機性廃棄物の処理方法を示すフローチャートである。
図2に示すように、この第1の実施形態による有機性廃棄物の処理方法においては、まず、ステップST1において、外部から例えば下水汚泥などの有機性廃棄物3を、乾燥機11に投入して例えば600℃以上の雰囲気によって乾燥させる。その後、乾燥された有機性廃棄物3は、搬送コンベヤ12を通じて搬送手段としての乾燥ケーキフィーダ13に供給される。その後、ステップST2に移行する。
ステップST2においては、乾燥ケーキフィーダ13が、供給された有機性廃棄物3を、駆動手段としてのモータ13aの回転によって例えば回転フィーダ(図1中図示せず)を回転させることにより所定量ずつ切り出して、ガス化炉14に搬送する。なお、乾燥ケーキフィーダ13のモータ13aの回転数に応じて有機性廃棄物3の搬送速度も変化し、供給流量も変化する。その後ステップST3に移行する。
ステップST3においては、ガス化炉14が乾燥ケーキフィーダ13から供給された有機性廃棄物3の熱分解を行う。これにより、有機性廃棄物3は、熱分解ガスとガス化残渣である炭化物4とに熱分解する。これらの熱分解ガスおよび炭化物4は、サイクロン15に供給される。その後、ステップST4に移行する。
ステップST4においては、サイクロン15が、炭化物4を分離して回収した後、分離された例えば700℃程度の熱分解ガスを後燃焼炉16に供給する。その後、ステップST5に移行する。
ステップST5においては、後燃焼炉16に供給された熱分解ガスを、ファン42cによって乾燥機11から供給される乾燥ガスと混合させつつ燃焼させる。このとき、後燃焼炉16に供給される熱分解ガスの可燃分が変化すると、この可燃分の変化に応じて後燃焼炉16内の温度も変動するが、この第1の実施形態においては、後述するように乾燥ケーキフィーダ13によって熱分解ガスの可燃分が可能な限り所定範囲内に収まるように搬送される。その後、ステップST6に移行する。
ステップST6においては、制御部30の制御によって、温度センサ16aが後燃焼炉16内の温度を計測して、その計測値を制御部30に供給する。このようにして、制御部30は後燃焼炉16の炉内温度を常時モニタリングする。その後、ステップST7に移行する。
ステップST7においては、制御部30が、後燃焼炉16内の計測温度に基づいて、予め設定した目標温度との温度偏差ΔT(ΔT=計測温度−目標温度)を算出する。また、制御部30は、温度偏差ΔTが所定温度偏差ΔT0の範囲内であるか否かを判断する。具体的には、制御部30は、後燃焼炉16内での温度偏差ΔTが、例えばΔT0が10℃の場合、−10℃以上10℃以下の範囲内であり、目標温度を例えば915℃としたときの計測温度が905℃以上925℃以下であるか否かを判断する。より好ましくは、制御部30は、後燃焼炉16内での温度偏差ΔTが、例えばΔT0が5℃の場合、−5℃以上5℃以下の範囲内であり、目標温度を例えば925℃としたときの計測温度が920℃以上930℃以下であるか否かを判断する。
後燃焼炉16内の予め設定された目標温度に対する計測温度の温度偏差ΔTが所定温度偏差ΔT0の範囲内、すなわち次の(1)式を満たす場合(ステップST7:Yes)、
−ΔT0≦ΔT≦ΔT0 ……(1)
ステップST1に復帰して、ステップST1〜ST7による有機性廃棄物の処理を繰り返し継続して行う。なお、ステップST1〜ST7は、このガス化燃焼設備1において並行して実行されている。
一方、後燃焼炉16内での温度偏差ΔTが所定温度偏差ΔT0の範囲外、すなわち次の(2)式または(3)式を満たす場合(ステップST7:No)には、ステップST8に移行する。
ΔT0<ΔT ……(2)
ΔT<−ΔT0 ……(3)
ステップST8においては、制御部30が、後燃焼炉16内の目標温度に対する計測温度の温度偏差ΔTに基づいて、インバータ13bを介してモータ13aの回転数を直前の回転数に対して変更する制御を行う。これにより、制御部30によって乾燥ケーキフィーダ13の回転カッタの回転数が制御直前の回転数に対して所定回転数だけ変更される。これに伴い、乾燥ケーキフィーダ13から後段のガス化炉14に供給される有機性廃棄物3の搬送速度も制御直前の搬送速度に対して変更され、その流量も制御直前の流量に対して変更される。
図3は、この乾燥ケーキフィーダ13のモータ13aの回転数制御の具体的な一例を示すグラフである。図3に示すように、制御部30は、後燃焼炉16内における計測温度が目標温度に対して所定温度偏差ΔT0より高い温度であり、上述した(2)式を満たす場合、乾燥ケーキフィーダ13のモータ13aの回転数fを温度偏差ΔTに対応する回転数Δf分だけ減少させる。なお、温度偏差ΔTが所定温度偏差ΔT0より大きくなった段階で、モータ13aの回転数fを、回転数初期変化量−Δf0を起点として線形に減少させる。これにより、ガス化炉14に供給する有機性廃棄物3の搬送速度および流量をそれぞれ、制御直前の搬送速度および流量に対して減少させ、ガス化炉14および後燃焼炉16への可燃分の供給量を減少させる。
反対に、後燃焼炉16内における計測温度が目標温度に対して所定温度偏差ΔT0より低い温度であり、上述した(3)式を満たす場合、乾燥ケーキフィーダ13のモータ13aの回転数を温度差ΔTに対して回転数Δf分だけ増加させる。なお、温度差ΔTが所定温度差−ΔT0より小さくなった段階で、モータ13aの回転数fを、回転数初期変化量Δf0を起点として線形に増加させる。これにより、ガス化炉14に供給する有機性廃棄物3の搬送速度および流量をそれぞれ、制御直前の搬送速度および流量に対して増加させ、ガス化炉14および後燃焼炉16への可燃分の供給量を増加させる。
制御部30は、ステップST8において、乾燥ケーキフィーダ13のモータ13aの回転数を増加または減少する制御を行った後、乾燥ケーキフィーダ13のモータ13aを制御後の回転数で回転させた状態で、ステップST1に復帰する。
そして、制御部30は、ステップST7において後燃焼炉16内における計測温度の目標温度との温度偏差ΔTが、上述した(1)式を満たすまで、ステップST1〜ST8を順次繰り返し行う。
以上のようにして、ガス化燃焼設備1において、後燃焼炉16内における目標温度に対する計測温度の温度偏差ΔTに応じて、乾燥ケーキフィーダ13のモータ13aの回転数を制御しつつ、有機性廃棄物3の処理を継続して行う。そして、本発明者が、この第1の実施形態によるガス化燃焼設備1において、後燃焼炉16内の温度が安定するか否かを計測したところ、後燃焼炉16内の全域において所望とする温度範囲内、例えば920〜950℃の温度範囲内で安定して運転できることが確認された。また、後燃焼炉16の後段において、N2OおよびNOxを測定したところ、それらの濃度がいずれも低いことが確認され、温室効果ガスの放出を抑制できることも確認された。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、後燃焼炉16内の温度を計測し、目標温度との温度偏差を算出して、温度偏差ΔTに応じて、乾燥ケーキフィーダ13のモータ13aの回転数を増減させて、有機性廃棄物3の搬送速度や流量を変更していることにより、有機性廃棄物3の性状が変化した場合においても、その性状の変化に応じて乾燥ケーキフィーダ13からガス化炉14に供給される有機性廃棄物3の量を調整して、後燃焼炉16に供給される可燃分を調整することができるので、ガス化炉14および後燃焼炉16への投入熱負荷を調整して、投入熱負荷を所定範囲内、好適には、ほぼ一定にすることができる。これによって、後燃焼炉16内の燃焼温度を所望とする温度範囲内で安定させることができ、後燃焼炉16を安定して運転させることが可能となる。また、乾燥ケーキフィーダ13のモータ13aの回転数を変更する制御を行う場合に、制御直前の回転数から温度偏差ΔTに応じた回転数だけ増減させていることにより、乾燥ケーキフィーダ13からガス化炉14に供給する有機性廃棄物3の搬送速度や流量を、有機性廃棄物3の性状に応じて細かく調整することが可能になる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態による有機性廃棄物の処理装置について説明する。図4は、この第2の実施形態によるガス化燃焼設備2を示す。
(ガス化燃焼設備)
図4に示すように、この第2の実施形態によるガス化燃焼設備2においては、後燃焼炉16の内部において、温度センサ16aの上方に、第2の温度計測手段としての例えば複数の熱電対からなる温度センサ16bが設けられている。そして、温度センサ16aが,後燃焼炉16内の高さ方向に沿った中央より下部に設けられている一方、温度センサ16bが、温度センサ16bの上方で熱分解ガスの供給側に近い側に設けられている。
そして、温度センサ16aが後燃焼炉16の下部の燃焼温度(下部温度)を計測するとともに、温度センサ16bが後燃焼炉16内の上部の燃焼温度(上部温度)を計測する。制御部30には、温度センサ16aから下部温度の計測値が供給されるとともに、温度センサ16bから上部温度の計測値が供給される。そして、制御部30は、供給された下部温度と上部温度との差に基づいて、後燃焼炉16に供給する空気および冷却水の少なくとも一方の流量を制御可能に構成されている。
また、温度センサ16aと温度センサ16bとの間隔は、後燃焼炉16の内部の高さなどの寸法に応じて適宜決定される。すなわち、上部の温度センサ16bは、乾燥機11から供給される乾燥ガスを含む燃焼空気の供給部の近くに設けることが望ましい。また、下部の温度センサ16aは、燃焼空気を全て投入し終わる部分である、燃焼空気の供給部のうちの最も下の供給部の位置より低い位置に設けることが望ましい。これは、燃焼空気の投入量と熱分解ガスが保有する熱量とによって、後燃焼炉16内で領域ごとの温度が変化するためである。その他の構成については、第1の実施形態におけると同様であるので、その説明を省略する。
(有機性汚泥の処理方法)
次に、この第2の実施形態における有機性汚泥の処理方法について説明する。すなわち、制御部30は、温度センサ16aから供給される下部温度と、温度センサ16bから供給される上部温度との温度差Δθ(=上部温度−下部温度)に基づいて、その温度差Δθが所定の温度範囲内、具体的には、例えば10〜30℃の温度範囲内、好適には、例えば10〜30℃の温度範囲内の例えば10℃などの所定温度差になるように、後燃焼炉16内の上部温度を制御する。後燃焼炉16内の上部温度の制御は、冷却水タンク21から後燃焼炉16への供給ラインのバルブ44aの開度を制御したり、ファン42dから後燃焼炉16への供給ラインのバルブ44cの開度を制御したりすることにより行う。
具体的には、制御部30は、まず下部温度を所定温度範囲内に収まるように、例えばPID制御などの制御を行うとともに、上部温度が下部温度より温度差Δθ以上高温である場合には、冷却水の流量を増加させたり空気の流量を減少させたりすることによって、上部温度を下降させる。反対に,制御部30は、下部温度を所定温度範囲内に収まるように制御するとともに、上部温度が下部温度より温度差Δθ以上低温である場合には、冷却水の流量を減少させたり空気の流量を増加させたりすることによって、上部温度を上昇させる。これにより、制御部30は、後燃焼炉16に供給される熱量を制御して、後燃焼炉16内の温度を850℃以上所定温度以下、具体的には例えば920℃以上950℃以下になるように制御する。その他の有機性汚泥の処理方法については、第1の実施形態におけると同様であるので、その説明を省略する。
この第2の実施形態によるガス化燃焼設備2によれば、後燃焼炉16内での上部と下部との温度差Δθを算出して、下部温度の範囲を所定温度範囲内に制御するとともに、温度差Δθが所定温度差範囲内、好適には所定温度差になるように、後燃焼炉16に供給する冷却水の流量および空気の流量の少なくとも一方を制御していることにより、後燃焼炉16の内部の全域において、局所的高温領域の発生を抑制することができ、後燃焼炉16をより一層安定して運転することができる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の第1の実施形態においては、ガス化炉14を流動床炉から構成しているが、比較的広範囲の温度変化が可能な炉であれば、必ずしも流動床炉に限定されるものではなく、例えばロータリーキルンなどの炉を採用することも可能である。
上述の第1の実施形態においては、分離回収手段としてサイクロンを採用しているが、セラミックフィルタなどの、炭化物を分離回収可能な他の分離回収装置を採用することも可能である。
また、上述の第1の実施形態においては、温度偏差ΔTの所定温度偏差範囲を、−ΔT0(K)以上ΔT0(K)以下とし、所定温度偏差範囲の下限と上限との絶対値を同一にしているが、必ずしも同一に限定されるものではなく、所定温度偏差範囲の下限の絶対値と上限の絶対値とを異なる数値にすることも可能である。
また、上述の第1の実施形態においては、さらに、後燃焼炉16内の温度が所定温度範囲に収まるように、バルブ44cの開度を制御して後燃焼炉16に供給する空気の流量を制御したり、バルブ44aの開度を制御して後燃焼炉16に供給する冷却水の流量を制御したり、バーナ(図示せず)によって加熱したりすることも可能である。
また、上述の第1の実施形態においては、乾燥ケーキフィーダ13のモータ13aの回転数fを、温度偏差ΔTが所定温度偏差ΔT0の範囲外の場合に、温度偏差ΔTに対して線形に回転数差Δf分だけ変更するようにしているが、必ずしも線形関係に限定されるものではなく、後燃焼炉16の構造や乾燥ケーキフィーダ13の種類などに基づいて、種々の関係で回転数を増減させることが可能である。例えば図3に示すグラフにおいて、線形関係の部分を階段状に増減させても良い。この場合において、温度偏差ΔTが正数で増加するに従って回転数の減少分Δfの絶対値は一定または増加し、温度偏差ΔTが負数で絶対値が増加するように減少するに従って、回転数の増加分Δfの絶対値は一定または増加する。
また、上述の第2の実施形態においては、制御部30が、後燃焼炉16内の下部温度を例えばPID制御などの制御によって調整するとともに、上部温度を下部温度との差が所定温度差範囲内に収まるように調整しているが、必ずしもこの方法に限定されるものではない。例えば、制御部30が、後燃焼炉16内の上部温度を例えばPID制御などの制御によって調整しつつ、下部温度を上部温度との温度差Δθが所定温度差範囲内に収まるように調整することも可能である。
また、上述の第2の実施形態においては、後燃焼炉16内の上部と下部との温度差Δθが正数の場合を例としたが、Δθが負数の場合、すなわち下部温度より上部温度が低い場合も同様の制御を行うことが可能である。
また、上述の実施形態においては、本発明をガス化燃焼設備に適用しているが、必ずしもガス化燃焼設備に限定されるものではなく、炭化システムに適用することも可能である。また、後燃焼手段としては、後燃焼炉に限定されるものではなく、燃焼ボイラを採用することも可能である。
1,2 ガス化燃焼設備
3 有機性廃棄物
4 炭化物
11 乾燥機
12 搬送コンベヤ
13 乾燥ケーキフィーダ
13a モータ
13b インバータ
14 ガス化炉
14a,16a,16b 温度センサ
15 サイクロン
16 後燃焼炉
17 流動空気予熱器
18 乾燥ガス予熱器
19 燃焼ガス処理部
20 排気筒
21 冷却水タンク
30 制御部
42a,42b,42c,42d,42f ファン
43a,43b,43c,43d 流量計
44a,44b,44c,44d バルブ

Claims (9)

  1. 有機性廃棄物に対して脱水処理を行う脱水処理手段と、
    脱水された有機性廃棄物を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段から搬送された前記有機性廃棄物に対して熱分解処理を行って熱分解ガスと固形分とに分離するガス化手段と、
    前記ガス化手段から供給される前記熱分解ガスを燃焼させて燃焼ガスを排出する後燃焼手段と、
    前記後燃焼手段の内部における高さ方向に沿った中央より下部の温度を計測する下部温度計測手段と、
    前記後燃焼手段の内部における前記下部温度計測手段より高い位置の上部の温度を計測する上部温度計測手段と、
    前記下部温度計測手段により計測された下部温度と前記上部温度計測手段により計測された上部温度とを入力可能に構成され前記下部温度の、予め設定された目標温度に対する温度偏差を算出し、前記算出した温度偏差に基づいて、前記搬送手段の前記ガス化手段への有機性廃棄物の供給速度を制御するとともに、前上部温度前記下部温度に対する温度差を算出して、前記温度差が所定温度差範囲に収まるように、前記後燃焼手段に供給する冷却水および空気の少なくとも一方の供給流量を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
  2. 前記制御手段は、前記温度偏差が所定温度偏差範囲外である場合に、前記搬送手段における前記ガス化手段への供給速度を、前記温度偏差が前記所定温度偏差範囲内に収まるように制御直前の供給速度に対して変更する制御を行うとともに、前記温度偏差が前記所定温度偏差範囲内である場合に、前記搬送手段における前記ガス化手段への供給速度を維持する制御を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物の処理装置。
  3. 前記制御手段は、前記温度偏差が所定温度偏差範囲外である場合に、前記搬送手段における前記ガス化手段への供給速度を、制御直前の供給速度に対して、前記温度偏差に対して線形関係を有する変化量だけ変更する制御を行うように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の有機性廃棄物の処理装置。
  4. 前記制御手段は、前記温度偏差が所定温度偏差範囲外である場合に、前記搬送手段における前記ガス化手段への前記有機性廃棄物の供給速度を、前記温度偏差が正の場合には減少させるように制御し、前記温度偏差が負の場合には増加させるように制御することを特徴とする請求項2または3に記載の有機性廃棄物の処理装置。
  5. 有機性廃棄物に対して脱水処理を行う脱水ステップと、
    前記脱水された有機性廃棄物を、熱分解処理を行う後段に供給する搬送ステップと、
    前記搬送された有機性廃棄物に対して熱分解処理を行って熱分解ガスと固形分とに分離するガス化ステップと、
    前記ガス化ステップで分離された前記熱分解ガスを燃焼させて燃焼ガスを排出する後燃焼ステップと、
    前記後燃焼ステップを行う後燃焼手段の内部における高さ方向に沿った中央より下部の温度を計測する下部温度計測ステップと、
    前記下部温度計測ステップにおける前記下部の温度の計測位置より高い位置である上部の温度を計測する上部温度計測ステップと、
    前記下部温度計測ステップにおいて計測した燃焼時の下部温度に対して、予め設定した燃焼時の目標温度に対する温度偏差を算出して、前記温度偏差に基づいて、前記搬送ステップにおける有機性廃棄物の前記後段への搬送時の供給速度を制御するとともに、前記上部温度計測ステップにおいて計測した上部温度の、前記下部温度計測ステップにおいて計測した下部温度に対する温度差を算出して、前記温度差が所定温度差範囲内に収まるように、前記後燃焼手段に供給する冷却水および空気の少なくとも一方の供給流量を制御する制御ステップと、
    を含むことを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
  6. 前記制御ステップにおいて、前記温度偏差が所定温度偏差範囲外である場合に、前記供給速度を、前記温度偏差が前記所定温度偏差範囲内に収まるように変更する制御を行うとともに、前記温度偏差が前記所定温度偏差範囲内である場合に、前記供給速度を維持する制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の有機性廃棄物の処理方法。
  7. 前記制御ステップにおいて、前記温度偏差が前記所定温度偏差範囲外である場合に、前記供給速度を、前記温度偏差に対して線形関係を有する変化量だけ、制御直前の供給速度に対して変更させる制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の有機性廃棄物の処理方法。
  8. 前記制御ステップにおいて、前記温度偏差が前記所定温度偏差範囲外である場合に、前記供給速度を、前記温度偏差が正の場合には減少させるように変更し、前記温度偏差が負の場合には増加させるように変更することを特徴とする請求項6または7に記載の有機性廃棄物の処理方法。
  9. 有機性廃棄物に対して脱水処理を行う脱水処理手段と、脱水された有機性廃棄物を搬送する搬送手段と、前記搬送手段から搬送された前記有機性廃棄物に対して熱分解処理を行って熱分解ガスと固形分とに分離するガス化手段と、前記ガス化手段から供給される前記熱分解ガスを燃焼させて燃焼ガスを排出する後燃焼手段と、前記後燃焼手段の内部における高さ方向に沿った中央より下部の温度を計測する下部温度計測手段と、前記後燃焼手段の内部における前記温度計測手段より高い位置の上部の温度を計測する上部温度計測手段と、を備えた有機性廃棄物の処理装置を制御する制御装置であって、
    前記下部温度計測手段により計測された下部温度と前記上部温度計測手段により計測された上部温度とを入力可能に構成され前記下部温度の、予め設定された目標温度に対する温度偏差を算出し、前記算出した温度偏差に基づいて、前記搬送手段の前記ガス化手段への有機性廃棄物の供給速度を制御するとともに、前上部温度前記下部温度に対する温度差を算出して、前記温度差が所定温度差範囲に収まるように、前記後燃焼手段に供給する冷却水および空気の少なくとも一方の供給流量を制御する
    ことを特徴とする制御装置。
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