JP5892664B2 - 定着用金属複層部材 - Google Patents

定着用金属複層部材 Download PDF

Info

Publication number
JP5892664B2
JP5892664B2 JP2013537520A JP2013537520A JP5892664B2 JP 5892664 B2 JP5892664 B2 JP 5892664B2 JP 2013537520 A JP2013537520 A JP 2013537520A JP 2013537520 A JP2013537520 A JP 2013537520A JP 5892664 B2 JP5892664 B2 JP 5892664B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
nickel
fixing
metal
belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013537520A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2013051582A1 (ja
Inventor
新五 杉山
新五 杉山
西田 晃
晃 西田
武田 実
実 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Synztec Co Ltd
Original Assignee
Nok Corp
Synztec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp, Synztec Co Ltd filed Critical Nok Corp
Priority to JP2013537520A priority Critical patent/JP5892664B2/ja
Publication of JPWO2013051582A1 publication Critical patent/JPWO2013051582A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5892664B2 publication Critical patent/JP5892664B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B15/00Layered products comprising a layer of metal
    • B32B15/04Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B15/043Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of metal
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2053Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating
    • G03G15/2057Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating relating to the chemical composition of the heat element and layers thereof
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/206Structural details or chemical composition of the pressure elements and layers thereof
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/12All metal or with adjacent metals
    • Y10T428/12493Composite; i.e., plural, adjacent, spatially distinct metal components [e.g., layers, joint, etc.]
    • Y10T428/12535Composite; i.e., plural, adjacent, spatially distinct metal components [e.g., layers, joint, etc.] with additional, spatially distinct nonmetal component
    • Y10T428/12542More than one such component
    • Y10T428/12549Adjacent to each other

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、定着ベルトや加圧ベルトに用いられる金属複層部材に関し、特に複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンター等の画像形成装置の定着部の定着ベルトや加圧ベルトに用いて好適なものである。
画像形成装置においては、画像形成装置の小型化、省エネルギー化、印字・複写の高速化等の要求に応えるために、ゴムロールを用いた定着ロールの代わりに無端状の定着ベルト(エンドレスベルトまたはエンドレスフィルム)を使用した定着方式が採用されている。
このようなベルトを利用した定着装置においても、熱伝導性が優れ、かつ寸法精度が高い定着ベルトを用いることが必要である。かかる定着ベルトとして、耐熱性高分子材料であるポリイミド樹脂などで形成したものを用いると、熱伝導性が充分でないために定着速度を高めることが困難であるほか、起動時に定常温度となるのに時間がかかるという不都合があり、一方ニッケルなどの金属で形成した定着ベルトは熱伝導性や寸法精度において優れているものの、表面に離型層を設ける際の加熱処理によって強度が低下するため、寿命が短くて実用的でないという問題があった。
そこで、離型層を設ける際の加熱処理に対する耐久性があり、離型層との密着性に優れた、ニッケル−炭素合金を電鋳することによって得られる基材が提案されている(特許文献1参照)。
一方、近年の画像の高精度化に伴い、トナーの定着性の向上のため、離型層の薄膜化が求められている。特に、定着ベルトを加圧ロールに対向配置し、定着ベルトの内側に、定着ベルトを加圧ロールに向かって押圧する押圧部材を配置した定着装置においては、離型層の薄膜化及び離型層の密着性の向上が求められる。
このような離型層の薄膜化の技術としては、PFAチューブの接着にPFA粒子を含有する接着剤を用いてPFA粒子を溶融接着させる技術が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、PFA粒子を溶融するために300℃前後の高温処理が必要となるが、ニッケル電鋳で形成した基材は、加熱処理により脆化し、使用時の曲げ応力により破壊が生じ易いという問題があった。
特開2004−004660号公報 国際公開第2008/126915号パンフレット
本発明は、このような事情に鑑み、ニッケル電鋳を用いた基材を用い、離型層を高温処理で設けても高耐久性が維持でき、耐久性が向上した定着用金属複層部材を提供することを課題とする。
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、ニッケル又はニッケル合金からなるシームレス電鋳ベルトからなる第1層と、この第1層よりヤング率が2/3以下の金属のシームレス電鋳ベルトからなる第2層と、この第2層上に当該第2層より耐食性の高い金属からなる第3層とを有する金属基体と、前記金属基体の前記第2層側に接着層を介して設けられたフッ素樹脂層とを具備し、前記金属基体の総厚に対する前記第2層の厚さの比が、0.25〜0.65であり、前記フッ素樹脂層を接着する接着層が、PFA粒子を含有する接着剤の塗布層の加熱溶融物からなるものであることを特徴とする定着用金属複層部材にある。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の定着用金属複層部材において、前記第2層が、銅又は銅合金のメッキ層からなことを特徴とする定着用金属複層部材にある。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の定着用金属複層部材において、前記第3層は、ニッケル又はニッケル合金のメッキ層からなることを特徴とする定着用金属複層部材にある。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか1つの態様に記載の定着用金属複層部材において、前記金属基体と前記フッ素樹脂層との間に弾性層を具備することを特徴とする定着用金属複層部材にある。
本発明の定着用金属複層部材は、高精度で高耐久性に製造できるニッケル又はニッケル合金からなるシームレス電鋳ベルトからなる第1層と、第1層よりヤング率が小さい金属のシームレス電鋳ベルトからなる第2層とを具備するので、フッ素樹脂層を接着する際に高熱で加熱されても、耐久性が良好なものとなり、定着部材として使用されて曲げ状態が繰り返し付与されても、第1層よりヤング率が小さい第2層を具備することにより、曲げ応力が小さくなり、耐久性が向上するという効果を奏する。すなわち、使用時の曲げ応力による破壊が抑制され、耐久性が向上したものとなるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る定着用金属複層部材の断面図及び拡大図である。 本発明の一実施形態に係る定着用金属複層部材を用いた定着部の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る定着用金属複層部材を用いた定着部の他の例を示す図である。 試験例を説明する説明図である。 試験例の結果を示す図である。
本発明の定着用金属複層部材は、ニッケル又はニッケル合金からなるシームレス電鋳ベルトからなる無端ベルト状の第1層と、この第1層よりヤング率が小さい金属のシームレス電鋳ベルトからなる第2層とを有する金属基体と、前記金属基体の前記第2層側に第一接着層を介して設けられた弾性層と、弾性層上に設けられた第二接着層を介して設けられたフッ素樹脂層とを具備するものである。
かかる本発明の定着用金属複層部材は、高精度で高耐久性に製造できるニッケル又はニッケル合金からなるシームレス電鋳ベルトからなる第1層と、第1層よりヤング率が小さい金属のシームレス電鋳ベルトからなる第2層とを具備するので、フッ素樹脂層を接着する際に高熱で加熱されても、耐久性が良好なものとなる。すなわち、定着部材として使用されて曲げ状態が繰り返し付与されても、第1層よりヤング率が小さい第2層を具備することにより、曲げ応力が小さくなり、耐久性が向上するものと推定される。
ここで、第1層は、ニッケル電鋳からなるものであり、ニッケル電鋳は、ニッケル単体からなるニッケル電鋳だけではなく、リン(P)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)の1種または複数種の元素を含むニッケル合金電鋳を含むものである。
第2層の金属は、第1層を構成するニッケル又はニッケル合金よりヤング率の小さな金属であるが、ニッケル又はニッケル合金のヤング率の80%以下、好ましくは、2/3以下のヤング率の金属である。ニッケルのヤング率が155GPa程度であることから、124GPa以下、好ましくは103GPa以下の金属であり、具体的には、銅、銀、金、亜鉛などを挙げることができるが、第2層の製造面及びコストを考えると銅又は銅合金のシームレス電鋳ベルトとするのが好ましい。
但し、銅又は銅合金の場合には、表面に酸化被膜が形成され易いので、銅又は銅合金のシームレス電鋳ベルトからなる第2層上に当該第2層より耐食性の高い金属からなる第3層をさらに設けるのが好ましい。
第3層は、耐食性を付与できる程度の厚さの薄膜でよいので、必ずしも電鋳で形成する必要はなく、めっきで形成してもよい。なお、第3層を構成する金属として、金、銀、ニッケル、ニッケル合金等が挙げられ、ニッケルやニッケル合金が特に好ましい。
本発明の定着用金属複層部材は、二層、三層又はそれ以上の多層構造の無端ベルト状の金属基体を具備するが、金属基体の総厚に対する第2層の厚さの比(以下、第2層膜厚比ともいう)が、0.05〜0.80、好ましくは、0.25〜0.65である。
第2層の厚さの比が上述した範囲より小さいと、耐久性向上の効果が顕著ではなく、また、第2層の厚さの比が上述した範囲より大きいと、耐久性向上の効果が低下して、共に好ましくない。
ここで、金属基体の総厚は、20〜100μm、好適には25〜60μmの範囲にあるのが好ましい。これ以上薄いと、全体として強度が確保できず、また、これより厚いと、曲げ応力が大きくなり、耐久性が低下する傾向となる。
本発明の金属基体は、ニッケルシームレス電鋳ベルトを基体本体としているので、寸法精度が良好で、表面性が良好なものである。
そして、本発明の定着用金属複層部材は、金属基体の第2層側、すなわち、二層構造の場合には第2層上に、三層構造の場合には第3層上に、第一接着層を介して設けられた弾性層と、この弾性層上に第二接着層を介して設けられたフッ素樹脂層を具備するものである。
ここで、弾性層は、耐熱性に優れた材料からなるのが好ましく、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられ、特にシリコーンゴムが好ましい。弾性層の厚さは、例えば、20〜1000μmであり、好ましくは50〜500μmである。これは、トナー定着性を向上させ、画像の高画質化を図るためである。なお、仕様によっては弾性層はなくてもよい。
フッ素樹脂層は、具体的には、PFAチューブ、好適には熱収縮性のチューブが好ましい。また、接着層は、フッ素樹脂層を強固に接着するために、300℃以上での加熱処理により接着層を形成するものであり、好適には、PFA粒子を含有する接着剤の塗布層をPFAを溶融させる温度で加熱処理することにより形成されたものである。
接着工程において、300℃以上の加熱処理を施すと、ニッケル又はニッケル合金のシームレス電鋳ベルトは、結晶中に含有されている硫化ニッケルが結晶粒界に集まって脆化することがわかっているが、本発明では、第1層上にニッケルよりヤング率が小さな金属のシームレス電鋳ベルトからなる第2層を具備するので、例えば、320〜350℃で加熱処理しても、金属基体全体として発生する曲げ応力が単層の場合と比較して小さくなり、耐久性が向上する。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。図1には、本発明の定着用金属複層部材の一例、すなわち、三層構造の金属基体を有する定着用金属複層部材の概略図を示す。
定着用金属複層部材10は、ニッケルシームレス電鋳ベルトからなる無端ベルト状の第1層11と、銅又は銅合金からなる第2層12と、耐食性膜としての第3層13とからなる金属基体を具備し、第3層13上に、第一接着層14を介して設けられた弾性層15と、この弾性層15上に第二接着層16を介してフッ素樹脂層17を設けたものである。
第1層11は、ニッケル又はニッケル合金のシームレス電鋳ベルト(以下、ニッケルシームレス電鋳ベルトともいう)からなる無端ベルト状のものである。ニッケル合金としては、P、Fe、Co、Mnの1種または複数種の元素を含むニッケル合金を挙げることができる。ニッケルシームレス電鋳ベルトからなる第1層11は、Ni−P合金電鋳であるのが好ましく、リンを0.05質量%以上1質量%以下の含有率で含有するものであるのがさらに好ましい。なお、ニッケルシームレス電鋳ベルトからなる第1層11中のリン含有率が0.05質量%未満であると、第1層11の耐熱疲労特性が十分に向上しなくなる虞があり、リンの含有率が1質量%を超えると、第1層11の柔軟性が悪くなる虞がある。
ニッケルシームレス電鋳ベルトからなる第1層11は、一般に、硫酸ニッケルや塩化ニッケルを主成分とするワット浴やスルファミン酸ニッケルを主成分とするスルファミン酸浴等のニッケル電鋳浴を用いて、電鋳法により形成することができる。電鋳法は、母型の表面に厚メッキを行ない、これを母型から剥離して製品を得る方法である。
ニッケルシームレス電鋳ベルトからなる第1層11を得るには、ステンレス、黄銅、アルミニウム等からなる円筒を母型とし、その表面にニッケル電鋳浴を用いてニッケルメッキ膜を形成することができる。母型がシリコーン樹脂や石膏などの不導体である場合には、黒鉛、銅粉、銀鏡、スパッタリングなどにより、導電性処理を行う。金属母型への電鋳では、ニッケルメッキ膜の剥離を容易にするために、母型の表面に酸化膜、化合物膜、黒鉛粉塗布膜などの剥離膜を形成するなどの剥離処理を行うことが好ましい。
ニッケル電鋳浴は、ニッケルイオン源、アノード溶解剤、pH緩衝剤、その他の添加剤を含む。ニッケルイオン源としては、スルファミン酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケルを例示することができる。アノード溶解剤としては、ワット浴の場合、塩化ニッケルがこの役割を果たしており、他のニッケル浴では、塩化アンモニウム、臭化ニッケルなどが用いられている。ニッケルメッキは、一般に、pH3.0〜6.2の範囲で行なわれるが、この間の望ましい範囲に調整するために、ホウ酸、ギ酸、酢酸ニッケルなどのpH緩衝剤が用いられる。その他の添加剤としては、平滑化、ピット防止、結晶微細化、残留応力の低減などを目的として、例えば、光沢剤、ピット防止剤、内部応力減少剤などが用いられる。
ニッケル電鋳浴としては、スルファミン酸浴が好ましい。スルファミン酸浴の組成としては、スルファミン酸ニッケル四水塩300〜600g/L、塩化ニッケル0〜30g/L、ホウ酸20〜40g/L、適量の界面活性剤、適量の光沢剤などを含有するものを挙げることができる。pHは2.5〜5.0、好ましくは3.5〜4.7である。浴温は20〜65℃、好ましくは40〜60℃である。なお、ニッケル合金電鋳からなる第1層11を得る場合は、亜リン酸ナトリウムのような水溶性リン含有酸の塩、スルファミン酸第1鉄、スルファミン酸コバルト、スルファミン酸マンガン等のスルファミン酸金属塩、フッ化チタンカリウムなどを適宜添加したニッケル金属電鋳浴を用いればよい。
上記ニッケル電鋳浴、特にスルファミン酸ニッケル浴にリンを添加して上記条件で電鋳を行うことにより得られる、Ni−P合金電鋳からなる第1層11は、耐熱疲労特性が改善される。
第2層12は、ニッケルシームレス電鋳ベルトよりヤング率が小さな金属からなり、第1層11との接着性、シームレス電鋳ベルトの製造上の点から、銅又は銅合金からなるのが好ましい。
第2層12は、電解メッキにより得るのが好ましい。例えば、第1層11の表面にメッキ浴を用いてメッキ膜を形成し、第2層12とすればよい。第2層12をメッキにより得ることにより、第1層11との密着性に優れたものとなる。例えば、第2層12が銅からなる場合は、銅メッキ浴を用いて銅メッキ膜を形成する。銅メッキ浴としては、硫酸銅メッキ浴、ピロリン酸銅メッキ浴、シアン化銅メッキ浴、無電解銅メッキ浴等が挙げられ、硫酸銅メッキ浴を用いるのが好ましく、硫酸銅150〜250g/L、硫酸30〜150g/L、塩酸0.125〜0.25ml/L、適量の光沢剤を含有するものを挙げることができる。なお、第2層12は、無電解メッキ法、物理蒸着法、化学蒸着法等により形成してもよい。
第2層12が、銅又は銅合金のメッキ層の場合には、耐食性を付与するための第3層13を設ける。第3層13は、電解メッキにより形成するのが好ましい。例えば、第2層12の表面にメッキ浴を用いてメッキ膜を形成し、第3層13とすればよい。このとき、第2層12の表面が空気にほとんど接触することのないように形成するのが好ましい。これにより、第2層12の腐食をより効果的に防止することができる。第3層13を電解メッキにより形成することにより、第2層12との密着性に優れたものとなり、また、厚さ3μm以下の第3層13を高精度で形成することができる。なお、第3層13がニッケル又はニッケル合金からなる場合は、第1層11と同様の方法により得ることができる。また、Ni−P合金、Ni−Fe合金、Ni−Co合金、Ni−Co−P合金、Ni−Mn合金等のニッケル合金からなる第3層13は、第1層11と同様の方法で電極等を適宜変更することにより得ることができる。なお、第3層13は、無電解メッキ法、物理蒸着法、化学蒸着法等により形成してもよい。
第3層13の厚さは、0.5μm〜2μm、好ましくは、1μm前後である。なお、厚さが0.5μm未満となると第2層12の酸化防止の十分な効果が得られなくなる虞がある。
第一接着層14は、シリコーン系接着剤を用いるのが好ましく、厚さは1〜15μmが好ましい。弾性層15は、本実施形態では、シリコーンゴムからなる。
第二接着層16は、PFA粒子を含有する接着剤を用い、PFAを溶融して形成されたものである。第二接着層16の厚さは、接着性を確保できる範囲でできるだけ薄い方が好ましく、例えば、1μm〜20μm、好ましくは、1μm〜10μmである。
また、フッ素樹脂層17は、高離型のPFAからなるものが挙げられる。フッ素樹脂層17の厚さは、例えば、1〜150μmであり、好ましくは5〜30μmである。
第二接着層16の厚さを1μm〜20μmとし、フッ素樹脂層17の厚さを1〜150μmとすることにより、トナー定着性を向上させ、画像の高画質化を図ることができる。
ここで、第一接着層14は、接着剤をPFAの融点以上、例えば、320〜350℃、好ましくは、320〜330℃で加熱して形成されたものである。
このような定着用金属複層部材10は、例えば、図2(a)に示すように使用される。定着用金属複層部材10は、内部にヒータを内蔵する押圧部材20を具備し、押圧部材20で加圧ロール30に押圧された状態で使用される。
よって、押圧部材20で押圧される際の押圧部材20の隅部で大きな屈曲となり、定着用金属複層部材10には、曲げ応力が発生するが、第1層11の外側にヤング率が小さな金属からなる第2層12を所定の厚みで設けたので、曲げ応力が低減され、耐久性が著しく向上する。
図2(b)は、押圧部材21とは別にヒータ22を内蔵するものである。
このように、本発明の定着用金属複層部材10は、押圧部材20,21を介して加圧ロールに押圧されて大きなピッチで加圧ロールと接触させるような定着ベルトに適用してより効果的である。
しかしながら、他の構成の定着ベルトとして用いても耐久性が向上し、また、励磁コイル(熱源)が定着用金属複層部材10の内側又は外側に配置される電磁誘導発熱形式のベルトとしても使用できることはいうまでもない。
図3には、このような他の使用形態の例を示す。図3(a)は、押圧部材20、21ではなく、定着用金属複層部材10の内側に、ヒータを内蔵する定着ロール23を配置し、定着ロール23で定着用金属複層部材10を加圧ロール30に押圧するものである。定着用金属複層部材10を加熱する加熱手段は定着ロール23に内蔵しても良いし、定着用金属複層部材10の外側に配置しても良い。図3(b)は、定着用金属複層部材10の内側に加圧ロール30と定着用金属複層部材10を介して対向するインナーロール24とヒータを内蔵する加熱ロール25とを配置し、両者で定着用金属複層部材10を回転駆動するものである。なお、この場合も、加熱ロール25のヒータ22を定着用金属複層部材10の外側に配置しても良い。
このように、定着ベルトの使用態様は特に限定されるものではない。
また、本発明の定着用金属複層部材は、上述したような定着ベルトに好適に用いられるものであるが、転写直後に定着を行なう転写・定着ベルト等にも用いることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明を限定するものではない。
(サンプル1〜10)
スルファミン酸ニッケルを500g/L、亜リン酸ナトリウムを150mg/L、硼酸を30g/L、一次光沢剤としてナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウムを1.0g/L、二次光沢剤として2−ブチン−1,4−ジオールを20mg/L添加して、所望のスルファミン酸リン電鋳浴を調製した。
この電鋳浴を60℃、pHを4.5として、外径30mmのステンレス鋼製の円筒状母型を陰極とし、デポラライズドニッケルを陽極として、16A/dmの電流密度下で電鋳を行ない、母型の外周面に電析体を下記表1の厚さに形成した。この電析体を有する母型から電析体を引き抜き、内径30mm、下記表1の厚さのニッケルリン合金電鋳からなる第1層を得た。第1層は、リンの含有率が0.5質量%である。
この第1層上に、以下の電解浴からなる第2層を形成した。具体的には、まず、硫酸銅を180g/L、硫酸を60g/L、チオ尿素を0.04g/L、糖蜜を0.8g/L添加して、所望の硫酸銅電解浴を調整した。次に、この電解浴の浴温を45℃とし、上記電析体を陰極、含リン銅を陽極として、5A/dmの電流密度下でめっきを行い、第1層上に下記表1の厚さの銅からなる第2層を形成した。第2層は、固有抵抗値が1.7×10−8Ω・mで且つ比透磁率が1.6であった。
この第2層上に、上記と同様の方法によりニッケルリン合金からなる厚さ1μmの第3層を形成し、これを電解浴から取り出し、電析体の両端部のバリを切り剥がして、3層構造の金属基体を得た。
この金属基体を350℃で30分加熱処理して、サンプル1〜10とした。
(比較サンプル)
サンプル1〜10の第1層と同様に厚さ30μmの金属基体を得、比較サンプルとした。
(試験例1)熱処理後の耐折性試験
JIS 8115の耐折性試験(MIT)に準拠した、耐折性試験機を用い、図4に示すような試験を行った。
試験片51は、サンプル1〜10及び比較サンプルから切り出した15mm幅のものであり、上方から1kgFの加重で引張った状態で保持され、下端部を、先端がR=2mmのクランプ52で試験片51を挟持し、クランプ52を、左右90°ずつ、合計180°の範囲で170回/分の速度で揺動し、試験片が破断するまでの回数を計測した。この結果は、表1及び図5に示す。
Figure 0005892664

(結果のまとめ)
破断回数を比較すると、第2層の総厚に対する比が0.05であるサンプル1では、比較サンプルに対して10%程度の耐久性の向上であったが、比が0.18のサンプル2では破断回数が200回を越え、比較サンプルに対して48%と、50%近い耐久性の向上を示し、比が0.20のサンプル3、0.25のサンプル4、0.35のサンプル5、0.50のサンプル6、0.65のサンプル7、0.68のサンプル8では、100%以上の改善を示した。ここで、耐久性のピークは第2層の比が0.35〜0.50の範囲にあることが推測でき、その後、比が大きくなると耐久性が低下する傾向にあることがわかった。結果として、比が0.18〜0.80の範囲で破断回数が200回以上となり、比較サンプルに対して50%近い改善ができ、効果が顕著に見られる範囲であり、特に比が0.20〜0.68の範囲では100%以上と、さらに大きな耐久性の改善が見られることがわかった。
10 定着用金属複層部材
11 第1層
12 第2層
13 第3層
14 第一接着層
15 弾性層
16 第二接着層
17 フッ素樹脂層

Claims (4)

  1. ニッケル又はニッケル合金からなるシームレス電鋳ベルトからなる第1層と、この第1層よりヤング率が2/3以下の金属のシームレス電鋳ベルトからなる第2層と、この第2層上に当該第2層より耐食性の高い金属からなる第3層とを有する金属基体と、前記金属基体の前記第2層側に接着層を介して設けられたフッ素樹脂層とを具備し、前記金属基体の総厚に対する前記第2層の厚さの比が、0.25〜0.65であり、前記フッ素樹脂層を接着する接着層が、PFA粒子を含有する接着剤の塗布層の加熱溶融物からなるものであることを特徴とする定着用金属複層部材。
  2. 請求項1に記載の定着用金属複層部材において、前記第2層が、銅又は銅合金のメッキ層からなることを特徴とする定着用金属複層部材。
  3. 請求項2に記載の定着用金属複層部材において、前記第3層は、ニッケル又はニッケル合金のメッキ層からなることを特徴とする定着用金属複層部材。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の定着用金属複層部材において、前記金属基体と前記フッ素樹脂層との間に弾性層を具備することを特徴とする定着用金属複層部材。
JP2013537520A 2011-10-07 2012-10-02 定着用金属複層部材 Active JP5892664B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013537520A JP5892664B2 (ja) 2011-10-07 2012-10-02 定着用金属複層部材

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011223400 2011-10-07
JP2011223400 2011-10-07
JP2013537520A JP5892664B2 (ja) 2011-10-07 2012-10-02 定着用金属複層部材
PCT/JP2012/075561 WO2013051582A1 (ja) 2011-10-07 2012-10-02 定着用金属複層部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2013051582A1 JPWO2013051582A1 (ja) 2015-03-30
JP5892664B2 true JP5892664B2 (ja) 2016-03-23

Family

ID=48043738

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013537520A Active JP5892664B2 (ja) 2011-10-07 2012-10-02 定着用金属複層部材

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20140242412A1 (ja)
EP (1) EP2765461A4 (ja)
JP (1) JP5892664B2 (ja)
CN (1) CN103842913A (ja)
WO (1) WO2013051582A1 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3869113A (en) * 1973-07-16 1975-03-04 Gen Tire & Rubber Co High load bushing
US6321712B1 (en) * 2000-04-07 2001-11-27 Dana Corporation Racing engine having trimetal bearings with a thick overlay for high speed and/or high load applications
JP2004004660A (ja) 2002-04-02 2004-01-08 Nitto Kogyo Co Ltd 定着ベルト及びこの定着ベルトを備えた定着装置
DE102005023541A1 (de) * 2005-05-21 2006-11-23 Federal-Mogul Wiesbaden Gmbh & Co. Kg Gleitlagerverbundwerkstoff, Verwendung des Gleitlagerverbundwerkstoffes und Verfahren zur Herstellung des Gleitlagerverbundwerkstoffes
CN101652724A (zh) 2007-04-11 2010-02-17 住友电工超效能高分子股份有限公司 定影辊/定影带及其制造方法
JP4998497B2 (ja) * 2009-03-19 2012-08-15 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 定着装置および画像形成装置
CN102474915A (zh) * 2009-07-31 2012-05-23 新智德株式会社 电磁感应发热体及固定带
JP5380718B2 (ja) * 2009-08-11 2014-01-08 アキレス株式会社 金属ベルトおよびこれを用いた定着ベルト
JP5365478B2 (ja) * 2009-11-13 2013-12-11 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2013051582A1 (ja) 2013-04-11
EP2765461A4 (en) 2015-07-08
EP2765461A1 (en) 2014-08-13
JPWO2013051582A1 (ja) 2015-03-30
CN103842913A (zh) 2014-06-04
US20140242412A1 (en) 2014-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5761518B2 (ja) 電磁誘導発熱体及び定着ベルト
JP5930175B2 (ja) 定着用金属複層部材
JP2014211630A (ja) 定着用金属複層部材
JP2005121825A (ja) 定着ベルト
JP5892664B2 (ja) 定着用金属複層部材
JP4444648B2 (ja) 定着ベルト
JP2014010246A (ja) 定着用金属複層部材
JP4815126B2 (ja) 定着ベルト
JP4344158B2 (ja) 定着ベルトおよび像加熱定着装置
WO2020079904A1 (ja) 導電性材料、成型品及び電子部品
JP5880197B2 (ja) 定着ベルト、定着装置および画像形成装置
JP4414839B2 (ja) トナー定着ベルト
JP2004309513A (ja) 定着ベルト
JP6805217B2 (ja) 導電性材料、成型品及び電子部品
JP6103200B2 (ja) 電鋳ベルトの製造方法
JP2014130284A (ja) 積層電鋳スリーブ及び定着ベルト
JP2005031485A (ja) 定着ベルト
JP2006106350A (ja) 定着ベルト
JP2004294634A (ja) 定着ベルト
JP2007047817A (ja) 定着ベルト
JP2006194988A (ja) 定着ベルトおよび画像形成装置
JP2005241955A (ja) 定着ベルト部材

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150129

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150715

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5892664

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250