JP5892539B2 - 圧入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧入装置に関する。
水などの液体が内部を通過する部材に対して、液温センサなどの部材を装着する場合には、装着した液温センサの周囲からの液漏れを防止するために、シール部材であるOリングを介して液温センサを圧入することが行われることがある。また、その際には、圧入した部材が抜け落ちないように、金属棒を折り曲げて形成したクリップなどの抜け止め部材を組み付けている。
被圧入部材への圧入部材の圧入は、手作業によって行うと非常に手間がかかるため、手動によって操作する圧入装置によって行われる。図7に示す圧入装置100は、被圧入部材を支持する支持部200と、圧入部材を保持する保持部300と、上下方向に移動可能で保持部300が取り付けられる移動部材400と、移動部材400と連結されて作業者が掴んで上下方向に移動させる把手500とを有している。
このような圧入装置100においては、支持部200に被圧入部材をセットし、保持部300に圧入部材としてOリングを装着した液温センサをセットして、把手500を作業者が押し下げることによって圧入を行う。それにより、図7に一点鎖線で示すように、移動部材400に取り付けられた保持部300が下降して、液温センサが被圧入部材に圧入される。
しかしながら、圧入装置100においては、Oリングの装着が正しくされていない場合であっても、作業者が把手500を無理に押し下げて必要以上の荷重を与えることにより、圧入を行うことができる。その場合には、Oリングが切断されたり、液温センサが破損したりする場合がある。Oリングが切断されても外観からはわからない場合があり、その場合には、液温センサの周囲から液漏れが発生する可能性のある不完全な製品を製造してしまう。そのため、Oリングの圧入にあたり、圧入不良を検知する方法が特開平11−326128号公報で提案されている(特許文献1)。
特開平11−326128号公報
特許文献1に記載のOリングの圧入不良検知方法は、Oリングを装着する部材の圧入および引き抜く際にかかる荷重の値を、所定値と比較することにより、圧入不良を検知するものである。しかしながら、圧入する際の荷重を測定するためには、荷重検知手段および所定値との比較手段が必要であり、装置のコストアップや制御の複雑化につながる。また、圧入作業の度に荷重を検知して、所定値との比較結果を確認する必要があるため、作業が煩雑となるという問題がある。さらに、圧入時の荷重を検知するだけでは、Oリングが適正に装着されていない場合には、圧入動作によってOリングや圧入する部材に必要以上の荷重がかかってしまうおそれがある。
そこで、本発明においては、上記の問題に鑑みて、Oリングを装着した圧入部材の圧入が正しく行われたことが、荷重検知手段などの測定手段を用いることなく容易に検知でき、また、圧入時に、Oリングや圧入部材に必要以上の荷重がかかることを防止する圧入装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の圧入装置は、被圧入部材に、Oリングを介して圧入部材を圧入する圧入装置であって、被圧入部材を支持する支持部材と、上下方向に移動可能であって圧入部材を保持する保持部材と、支持部材と保持部材との一方を弾性的に支持して、圧入部材の圧入にかかる荷重を受けるものであって、弾性力の最大値が、圧入部材の圧入にかかる荷重よりも大きく、かつOリングを切断する力よりも小さい弾性部材と、保持部材を一定位置まで下降可能に構成した移動機構とを有することを特徴とする。
上記の圧入装置においては、被圧入部材を支持する支持部材または圧入部材を保持する保持部材の一方が、弾性部材により弾性的に支持される。支持部材の側に弾性部材を設けた場合を例にとって説明すると、圧入部材にOリングが適正に装着されている場合、移動機構により保持部材を下降させることで、保持部材に保持された圧入部材が共に下降し、被圧入部材に当接する。そして、圧入が開始される荷重(反力)となるまで弾性部が圧縮され、圧入可能な荷重に反力(弾性力)が達した時点で、圧入が開始される。このようにして、一定位置まで保持部材を下降させることで、圧入動作は完了し、被圧入部材を支持する支持部材も対応する位置まで下降する。
しかしながら、圧入部材にOリングが適正に装着されていない場合、圧入開始に要する荷重(弾性力)が、Oリングの適正装着時に比べて大きくなるので、その分、弾性部材の圧縮量も多くなる。そのため、常に一定の位置まで保持部材を下降させて圧入を図ったとしても、最終的な支持部材の位置は、適正位置に比べて低く(下方に)なる。
このように、支持部材を弾性支持して、保持部材を一定の位置まで下降可能に構成することで、圧入動作完了時(下降動作完了時)の支持部材の高さ位置を見るだけで、Oリングが適正に装着された状態で圧入が行われたかどうかを判別することができる。なお、保持部材に弾性部材を設けた場合であっても、同様に、圧入動作完了時に保持部材の高さを見るだけで、圧入が正しく行われたかどうかを判別することができる。
また、本発明の圧入装置において、保持部材が一定位置まで下降した状態で、圧入部材と被圧入部材とを抜け止めする抜け止め部材を組み付ける組み付け機構を有するように構成してもよい。
これにより、保持部材が一定位置まで下降した際に、圧入部材が正しく圧入されている場合は、支持部材に支持された被圧入部材と保持部材に保持された圧入部材とは、適正な位置まで下降しているため、これらの部材に抜け止め部材を組み付けることができる。しかしながら、圧入部材が正しく圧入されていない場合は、被圧入部材と圧入部材とは適正な位置に停止していないため、抜け止め部材を組み付けることができない。
以上のように、圧入部材が正しく圧入されているかどうかについては、支持部材または保持部材の高さ位置を見るだけで正否判断ができるので、荷重検知手段などの測定手段を用いることなく、容易に検知することができる。また、Oリングが適正に装着されていない場合に、圧入部材の圧入以上の荷重がかかったとしても、移動機構は一定の下降ストロークとなるので、弾性部材がその分圧縮することで、超過分の荷重が吸収される。そのため、Oリングや圧入部材に正規の圧入荷重を大きく超える荷重がかかること、ひいては破損を防止することができる。
本発明の一実施形態にかかる圧入装置の外観を示す斜視図である。 (a)は、上記圧入装置に液温センサ、被圧入部材、およびクリップを装着した状態の正面図である。同図(b)は、その状態を示す側面図である。 液温センサの圧入動作時を示す側面図である。同図(a)は、液温センサが正しく圧入された状態を示し、同図(b)は、正しく圧入されていない状態を示す。 クリップの組み付け動作を示す図である。同図(a)は、クリップが組み付けられた状態を示し、同図(b)は、クリップが組み付けられない状態を示す。 圧入動作が完了した状態を示す。同図(a)は、圧入が完了した状態を示し、同図(b)は、正しく圧入されていない状態を示す。 本発明の別実施形態にかかる保持機構の内部を示す側面図である。同図(a)は、液温センサが正しく圧入された状態を示し、同図(b)は、正しく圧入されていない状態を示す。 従来の圧入装置を示す図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の圧入装置について説明する。
本発明の一実施形態にかかる圧入装置10は、図1に示すように、被圧入部材を支持する支持機構20、圧入部材を保持する保持機構30、保持機構30を上下動させる移動機構40、および抜け止め部材としてのクリップを組み付ける組み付け機構50を有している。
本実施形態においては、圧入装置10は、平坦な板状の基台11および基台11に対して垂直に設けられた支柱12をさらに有している。基台11には、支持機構20および組み付け機構50が取り付けられており、支柱12には、移動機構40が設けられている。なお、本実施形態における圧入装置10においては、3箇所で同時に圧入動作を行うことが可能である。
支持機構20は、被圧入部材を載置する支持部材21と、支持部材21を弾性的に支持する弾性部材22と、被圧入部材の浮き上がりを防止する押さえ部材23と、押さえ部材23を移動させるスライド部材24とから構成されている。
支持部材21は、被圧入部材が嵌合する凹部を有しており、図示しない複数の孔部にピン211を挿通することにより基台11に上下動可能に取り付けられている。また、ピン211の上端部によって支持部材21の上方向の移動が規制されている。ピン211には、弾性部材22が取り付けられている。
弾性部材22は、螺旋状のコイルバネであって、圧入部材の圧入にかかる力よりも大きく、Oリングを切断する力よりも小さい弾性力を有する。弾性部材22は、支持部材21の下方に配置されて、支持部材21を上方向に付勢している。
押さえ部材23は、一端側に長孔231を設けた矩形の部材であり、長孔231には、ピン211が移動可能に挿通されている。また、押さえ部材23の他端側には、固定ピン232の上端が固定されており、固定ピン232の下端はスライド部材24に固定されて押さえ部材23とスライド部材24とを連結している。押さえ部材23は、後述するように、被圧入部材の押さえ位置と当接することにより、支持部材21に載置された被圧入部材の上方への浮き上がりを防止する。
スライド部材24は、複数の固定ピン232が固定されており、スライドレール241に沿って、奥方向(矢印A1)および手前方向(矢印A2)に移動可能である。摘み部242を作業者が掴んで矢印A1またはA2の方向に移動させることにより、スライド部材24および固定ピン232を介して連結されている複数の押さえ部材23は、装置の奥方向または手前方向に移動する。
また、支柱12に取り付けられている移動機構40は、作業者が圧入動作を行うために操作するハンドル41と、ハンドル41の操作によって上下方向に移動可能な移動部材42とを有している。移動部材42には、複数の保持機構30が取り付けられている。
ハンドル41は、支軸411を中心に揺動可能に支柱12に取り付けられており、一端の掴部を作業者が掴んで揺動させることができる。ハンドル41の他端は、揺動による移動を上下移動に変換する変換機構412を介して移動部材42に連結されている。作業者が、ハンドル41を揺動させて押し下げることにより、移動部材42および保持機構30を一定位置まで下降させることができる。
移動部材42は、ガイド部421によって支柱12に上下動可能に支持されており、ハンドル41の揺動に伴って規定範囲内を上下方向に移動する。また、移動部材42は、支柱12と垂直で基台11と平行な押圧部43を有する。押圧部43の下面には保持機構30が3箇所に取り付けられている。
保持機構30は、圧入部材を保持するのに適した形状(本実施形態においては円筒形)をしており、圧入部材の上端部を保持する保持部31を有している。圧入部材は保持部31の図示しない保持部材によって挟持されることで保持される。保持部材による保持力は、圧入前の圧入部材を落下することなく保持し、圧入後は圧入された圧入部材を引き抜くことのない程度である。例えば、バネやゴムなどの弾性力によって圧入部材を挟持して保持してもよい。また、移動部材42の押圧部43の一定位置までの下降により、圧入部材を被圧入部材に圧入する。
さらに、組み付け機構50は、手前方向(矢印B1)および奥方向(矢印B2)に移動可能な移動部51と、移動部51に取り付けられて、抜け止め部材としてのクリップを保持するクリップ保持部52とから構成される。
移動部51は、作業者が組み付け動作を行うために操作するレバー511が取り付けられており、作業者によるレバー511の移動によって基台11に取り付けられたガイドレール512に沿って手前方向(矢印B1)および奥方向(矢印B2)に移動する。
クリップ保持部52は、クリップの端部を保持し、移動部51が手前方向(矢印B1)に移動することによって、クリップを圧入部材および被圧入部材に係合するように組み付ける。なお、クリップの保持力は、クリップの係合力よりも弱い保持力である。
続いて、図2〜図5に基づいて、本発明にかかる圧入装置10の動作について説明する。図2(a)は、圧入装置10に圧入部材としての液温センサT、被圧入部材P、およびクリップCを装着した状態の正面図であり、図2(b)は、その状態の側面図である。
作業者は、図2(a)および(b)に示すように、圧入装置10の支持機構20の支持部材21に被圧入部材Pをセットし、保持機構30の保持部31に、圧入部材としてのOリングRを装着した液温センサTを保持させる。また、クリップCの端部をクリップ保持部52に保持させる。さらに、支持機構20のスライド部材24の摘み部242を掴んで、奥方向(矢印A1)に押圧することにより、スライド部材24および押さえ部材23を奥方向に移動させる。
圧入動作に必要な各部材を圧入装置10にセットすると、作業者は、ハンドル41(図1参照)を手前方向に揺動させて押し下げることで、移動機構40の押圧部43に取り付けられる保持機構30を一定位置Lまで下降させ、液温センサTを被圧入部材Pに圧入する。図3(a),(b)に圧入動作を行った状態を示す。図3(a)は、液温センサTが正しく圧入された状態を示し、図3(b)は、正しく圧入されていない状態を示す。
圧入動作の初期では、被圧入部材Pが載置される支持部材21を弾性支持する弾性部材22が支持部材21を押圧する荷重(弾性力)の方が、液温センサTの圧入に要する力よりも小さいので、弾性部材22が圧縮されて支持部材21は下降する。その後、弾性部材22の圧縮による反力(弾性力)が、圧入に要する力に達した時点で、液温センサTは被圧入部材Pに圧入される。なお、弾性部材22は、圧入に要する力と等しい反力(弾性力)となるまで、予め圧縮させた状態で取り付けて支持部材21を支持させてもよい。この場合は、支持部材21が下方に移動することなく液温センサTが被圧入部材Pに圧入される。
液温センサTが被圧入部材Pに圧入されると、移動機構40の押圧部43に設けられた押圧部材が、被圧入部材Pの規定部分を押圧し、支持部材21を下方に押し下げる。本実施形態においては、保持部31の周縁部を押圧部材として用い、被圧入部材Pにおいて液温センサTが圧入される部位の周辺を押圧するようにした。なお、押圧部材を別部材として押圧部43に取り付けて、被圧入部材Pや支持部材21の規定部位を押圧するようにしてもよい。
このように、ハンドル41を押し下げることにより、移動機構40の押圧部43が一定位置Lまで下降する。ここで、液温センサTが正しく圧入された場合は、図3(a)に示すように、圧入動作後、押圧部材による押圧により、支持部材21が適正位置Sまで下降して停止する。しかしながら、OリングRの装着不備などにより液温センサTが正しく圧入されなかった場合は、図3(b)に示すように、支持部材21が適正位置Sよりも下方の位置S´まで下降した状態で停止する。この場合は、弾性部材22は正しく圧入された状態よりも圧縮されている。なお、この場合であっても、弾性部材22の弾性力は、Oリングを切断する力よりも小さいため、Oリングが切断されることはない。
続いて、クリップCの組み付け動作を行う。図4(a)、(b)にクリップの組み付け動作を行った状態を示す。図4(a)はクリップが組み付けられた状態を示し、図4(b)はクリップが組み付けられない状態を示す。
液温センサTの圧入動作を行った後、作業者は、ハンドル41を押し下げた状態で、組み付け機構50のレバー511を手前方向(矢印B1)に移動させてクリップCの組み付け動作を行う。それにより、クリップCを保持するクリップ保持部52が、被圧入部材Pに向けて移動して、クリップCを被圧入部材Pに組み付ける。
ここで、液温センTサが正しく圧入されている場合は、図4(a)に示すように、支持部材21が適正位置Sに停止しているため、クリップCは、被圧入部材Pに組み付けられる。クリップCの組み付けは、被圧入部材Pに設けられた図示しない穴部にクリップCの先端が挿入され、被圧入部材Pに圧入された液温センサTのOリングRの上部をクリップCにより挟み込むことにより、液温センサTを抜け止めする。
一方、液温センサTが正しく圧入されていない場合は、図4(b)に示すように、支持部材21が適正位置Sよりも下方の位置S´に停止しているため、クリップCが挿入される穴部も下方に位置している。そのため、クリップ保持部52が被圧入部材Pに向けて移動しても、クリップCの先端が被圧入部材Pの側壁に当接するため、クリップCを組み付けることができない。
なお、クリップCを組み付ける際には、クリップCによって液温センサTを挟み込むためにクリップCを開く力を必要とするため、バネなどによる補助力を与えてもよい。この場合は、クリップCの先端が、被圧入部材Pに挿入された後の移動を補助することが好ましい。それにより、クリップCを組み付けられない場合は、クリップCの先端が挿入されないため、クリップCの先端を傷めたり、被圧入部材Pの側壁を傷つけたりすることなく、作業者は、移動が規制されたことを知ることができる。
図5(a)、(b)には、圧入動作が完了した状態を示す。図5(a)は圧入が完了した状態を示し、図(b)は正しく圧入されなかった状態を示す。
クリップCの組み付け動作が終了すると、作業者は、レバー511を奥方向(矢印B2)に移動して元の位置に戻し、続いて、ハンドル41上方向に揺動して、保持機構30を上昇させて元の位置に戻す。
このとき、液温センサTの圧入が正しく行われている場合は、図5(a)に示すように、クリップ保持部52は、クリップCの保持が外れた状態で元の位置にまで移動する。また、保持部31は、液温センサTの保持が外れた状態で元の位置まで移動する。
一方、液温センサTの圧入が正しく行われていない場合は、図5(b)に示すように、クリップ保持部52は、クリップCを保持したままで元の位置まで移動する。また、保持部31は、液温センサTを保持したままで元の位置まで移動する。
ここで、保持機構30が上昇する際には、液温センサTが正しく圧入されている場合には、保持部31による液温センサTの保持が外れるための力がかかり、液温センサTが正しく圧入されていない場合には、被圧入部材Pから液温センサTが外れるための力がかかる。いずれにしても、被圧入部材Pに対して、上方向の力がかかることになる。この際には、押さえ部材23と被圧入部材Pの押さえ位置とが当接することにより、被圧入部材Pの上方への浮き上がりを防止する。
作業者は、スライド部材24の摘み部242を手前方向(矢印A2)に引いた後、被圧入部材Pを取り出すことで、圧入動作を完了する。なお、液温センサTが正しく圧入されなかった場合には、液温センサTのOリングRを正しく装着して、再度圧入動作を行う。
〔第2実施形態〕
続いて、圧入装置の別実施形態を図6に基づいて説明する。図6は、本発明の別実施形態にかかる保持機構30の内部を示す側面図である。図6(a)は、圧入部材としての液温センサが正しく圧入された状態を示し、図6(b)は、正しく圧入されていない状態を示す。なお、上記実施形態の圧入装置10において、保持機構30の他は、支持部材21が基台11に固定された点が異なり、他の構成は同じであるため、圧入装置全体の図示は省略する。
図6(a)に示すように、保持機構30は、保持部31の内部に、圧入部材を保持し、上下動可能な保持部材32を有する。
保持部材32は、一端は圧入部材の上端部を保持可能な形状をしており、他端は、支持軸33に挿通されて、弾性バネ34で下方に付勢されている。弾性バネ34は、圧入部材の圧入にかかる力よりも大きく、Oリングを切断する力よりも小さい弾性力を有する。
このような保持機構30を用いて、移動機構40によって保持部を一定位置まで下降さることで、圧入部材としてOリングRを装着した液温センサTを被圧入部材に圧入すると、正しく圧入された場合には、図6(a)に示すように、保持部材32が適正位置Qで停止する。この場合は、上述の実施形態と同様に、クリップCの組み付けが適正に行われる。
しかしながら、液温センサTが被圧入部材に正しく圧入されない場合には、液温センサTおよび保持部材32が、被圧入部材によって押圧され、図6(b)に示すように、弾性バネ34が規定量以上に圧縮される。そのため、保持部材32は適正位置Qよりも上部の位置Q´まで上昇した状態で停止する。この場合は、クリップCの組み付け動作を行っても、クリップCは、OリングRに当接して挿入できないか、液温センサTを挟持できないため、そのままクリップCが引き抜かれることとなる。
なお、液温センサTが被圧入部材に正しく圧入されないことは、クリップCの組み付け動作で確認するだけでなく、例えば、保持部31の一部に孔部を設け、内部の保持部材32の位置を目視できるように構成してもよい。
以上に述べたように、本発明の圧入装置によれば、液温センサTの圧入と、クリップCの組み付けとを一連の動作で行うことができるため、作業効率を向上させることができる。また、液温センサTが被圧入部材Pに正しく圧入されない場合には、クリップCが組み付けられないため、圧入不良を容易に検知できる。また、被圧入部材Pを弾性的に支持しているため、圧入が正しく行われない場合でも、無理に圧入することによりOリングRを切断させることや、圧入部材である液温センサを破損させることもない。そのため、液漏れが発生したり、液温を正しく検知できない不完全な製品の製造を防止することができる。
なお、上述の実施形態においては、Oリングを装着した液温センサを圧入する例を示したが、これに限ることなく、Oリングを介して圧入される部材に広く適用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
10 圧入装置
21 支持部材
31 保持部材
22 弾性部材
P 被圧入部材
R Oリング
T 液温センサ(圧入部材)

Claims (2)

  1. 被圧入部材に、Oリングを介して圧入部材を圧入する圧入装置であって、
    前記被圧入部材を支持する支持部材と、
    上下方向に移動可能であって前記圧入部材を保持する保持部材と、
    前記支持部材と前記保持部材との一方を弾性的に支持して、前記圧入部材の圧入にかかる荷重を受けるものであって、弾性力の最大値が、前記圧入部材の圧入にかかる力よりも大きく、かつ前記Oリングを切断する力よりも小さい弾性部材と、
    前記保持部材を一定位置まで下降可能に構成した移動機構とを有する圧入装置。
  2. 前記保持部材が前記一定位置まで下降した状態で、前記圧入部材と前記被圧入部材とを抜け止めする抜け止め部材を組み付ける組み付け機構を有する請求項1に記載の圧入装置。
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