JP5892342B2 - 金属薄帯の製造方法 - Google Patents

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本発明は、冷却ロールを用いた急冷プロセスによる金属薄帯の製造方法に関し、具体的には、冷却ロールから剥離した直後の金属薄帯の巻取リールへの搬送・誘導を有利に実現しようとするものである。
高速回転する冷却ロールを用いた急冷プロセスによる金属薄帯の製造方法においては、急冷凝固した金属薄帯(以下、単に「薄帯」とも称する)を高速で搬送・誘導して巻取リールに安定して巻き取る技術の開発が重要な課題の1つとなっている。
上記薄帯の巻取リールへの巻き付け方法としては、巻取リールを冷却ロールに近接して配設し、薄帯を巻取リールに吸着させて巻き付ける方法と、巻取リールを冷却ロールから離間して配設し、薄帯をコンベア等で巻取リールまで搬送・誘導して巻き付ける方法とに大別される。
前者の方法としては、例えば、特許文献1に、急冷ロールによって製造された金属薄帯先端を、急冷ロールと巻取リール間に配設した搬送ロールの磁力で急冷ロールから剥離させて吸着し、さらにその後、磁力による吸着力を有する巻取リールに吸着させて巻取リールに巻き付けを行う方法が開示されている。一方、後者の手段としては、例えば、特許文献2に、高速回転する冷却ロールの表面に溶融金属を射出し、急冷凝固させて金属薄帯とした後、冷却ロールから剥離した金属薄帯を、該金属薄帯が冷却ロールから剥離する点(以降、「剥離点」とも称する)の近傍で真空吸引式コンベアにて吸着するとともに、金属薄帯を吸着した真空吸引式コンベアのベルトを金属薄帯の製造速度を超える速度で回転し、上記ベルトを金属薄帯に対して摺動させて金属薄帯に張力を付与しつつ、コンベアを巻取リールまで移動させることによって、金属薄帯を巻取リールに巻き付ける方法が開示されている。
特開昭59−027720号公報 特開平07−001091号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された方法は、冷却ロールと巻取リールとの間に、薄帯の厚さ計やピンホール計、表面傷検査装置など、種々の計測機器を設置するスペースを確保する必要があることから、冷却ロールと巻取リールとを近接させることは設備設計上難しいという問題がある。一方、上記特許文献2に開示された方法は、真空吸引式コンベアに薄帯を吸着させた直後の搬送性は安定しているものの、該コンベアを移動させることによって、上記移動するコンベアと冷却ロールとの間には、薄帯が何者によっても支持されていない区間が生じることになるが、この不支持区間が長くなると、薄帯が蛇行や振動(バタつき)を起こすようになり、場合によっては、破断に至ることがある。特に、上記の蛇行や振動は、時間の経過とともに大きくなる傾向があり、巻き付け開始までに一定の時間を要する場合に顕在化することが多い。
本発明は、従来技術における上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷却ロールを用いた急冷プロセスで製造される金属薄帯を、巻取リールに安定して搬送・誘導し、巻き取ることができる金属薄帯の製造方法について提案することにある。
発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意検討を重ねた。その結果、高速回転する冷却ロールによって製造された金属薄帯を、冷却ロールから離間して配設された巻取リールまで、移動する真空吸引式コンベアを用いて搬送・誘導して巻取リールに安定して巻き付けるためには、冷却ロールの周速度およびコンベアのベルト送り速度との関係を、金属薄帯が支持されていない区間の長さに対して適正範囲に制御することが有効であること、さらに、上記コンベアの移動速度を、上記冷却ロールの周速度およびコンベアのベルト送り速度との関係に対して適正範囲に制御することがより有効であることを見出し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、高速回転する冷却ロールの周面に溶融金属を射出して急冷凝固させ、該冷却ロール周面から剥離して得た金属薄帯を、冷却ロールの剥離点近傍に配設した真空吸引式コンベアに吸着して張力を付与しつつ搬送すると同時に、該コンベアを巻取リールの近傍に移動させて巻取リールに誘導し、金属薄帯の巻き付けを開始する金属薄帯の製造方法において、
上記冷却ロールの周速度をV、コンベアのベルト送り速度をVコンベアを巻取リールの近傍に移動させる速度をV 移動するコンベアの上流側の支持されていない薄帯の長さをLとするとき、上記 に応じて、下記(1)式および(2)式;
L≦(V−V)×3.2 ・・・(1)
≦(V −V )×0.8 ・・・(2)
を満たすよう、 B、 およびLを制御する(ただし、V :27m/s、かつ、V :30m/s、かつ、V :1m/sである場合を除く)ことを特徴とする金属薄帯の製造方法を提案する。
また、本発明の金属薄帯の製造方法は、上記コンベアを複数台配設する場合には、冷却ロールの周速度V最下流側のコンベアのベルトの送り速度V が、上記(1)式および(2)式を満たすように制御することを特徴とする。
本発明によれば、冷却ロールから剥離した金属薄帯を、真空吸引式コンベヤーで吸着した後、巻取リールまで安定して搬送・誘導し、巻き付けることができるので、金属薄帯を生産性よくかつ高歩留りで製造することが可能となる。
単ロール式急冷薄帯製造設備において、移動する真空吸引式コンベアを用いて金属薄帯を巻取リールに搬送・誘導し、巻き付ける方法を説明する模式図である。 図1の設備に、真空吸引式コンベアを2台配設した例を示す摸式図である。 図1の設備に、真空吸引式コンベアを3台配設した例を示す摸式図である。 冷却ロールの周速度Vとコンベアのベルト送り速度Vおよび金属薄帯の不支持区間長さLが、金属薄帯の搬送性に及ぼす影響を示す図である。 冷却ロールの周速度Vとコンベアのベルト送り速度Vおよびコンベアのベルト送り速度Vが、金属薄帯の搬送性に及ぼす影響を示す図である。
図1は、単ロール式の急冷薄帯製造設備を用いた金属薄帯の製造方法において、急冷ロールと巻取リール間を移動可能な真空吸引式コンベアを用いて金属薄帯を巻取リールに搬送・誘導して巻き付ける方法を模式的に示したものである。図1において、符号1は高速で回転している銅合金製の冷却ロール、符号2は溶融した金属3を収納した容器であり、冷却ロール1の周面上に、容器2の底部に設けたスリット状の開口部を有するノズル4から溶融金属3を射出し、冷却ロール1の周面上で急冷凝固させて金属薄帯5を形成する。次いで、冷却ロール1の周面の接線方向に設けたスリット状の開口を有するエアーノズル6から吹き出す高速ガス流によって上記薄帯5を冷却ロール1から剥離し、図1(a)に示したように、薄帯5が冷却ロール1から剥離する点である剥離点Pの下方に配設した、回転する通気性ベルト8を有する真空吸引式コンベア7の始端部に、上記剥離した薄帯5の先端部を吸着させコンベアの終端側に搬送する。ここで、コンベア7中に示した符号9は、上記通気性ベルト8の裏面側に配設され、負圧で薄帯5を吸引させる吸引箱である。
ここで、上記コンベア7の始端部のベルト8に薄帯5の先端部を吸着したならば、該ベルト8は、薄帯5の製造速度、すなわち、急冷ロールの周速度Vを超える送り速度Vで回転することが必要である。これによって、ベルト8を薄帯5に対して摺動させ、薄帯5に対して長手方向および幅方向に均一の張力を付与することができる。また、上記方法では、真空吸引式コンベア上の薄帯は、吸着された状態でコンベア終端まで搬送されるため、搬送中におけるしわや折れ等の損傷や破断が発生することはない。
次いで、上記ベルトによる薄帯の搬送と同時に、図1(b)に示すように、上記コンベア7自体を、図示のないコンベア搬送装置、例えば、コンベアを載せることができる移動台車等によって、巻取リール10の方向に向かって移動させ、図1(c)に示すように、コンベア7が巻取リール10の近傍まで到達したならば、図示のない押付けロール等を介して、薄帯5を巻取リール10に巻き付け、コイル状に巻き取る。
なお、上記方法においては、コンベア7が巻取リール10まで移動している間は、コンベアのベルトによってコンベア終端まで搬送された薄帯5は、巻取リール10に巻き取られることなく、コンベアと巻取リール間に落下し、図示のない破砕機によって破砕されてスクラップとして処理される。なお、上記スクラップとされる部分は、薄帯製造開始直後の製造条件が不安定な部分でもあるため、上記スクラップ処理は、品質不安定部分を除去する役割も担っている。
また、上記真空吸引式コンベア7としては、例えば、抄紙設備の通紙に用いられるコンベアのように、通気性のあるコンベアベルトを2本または3本以上のプーリで保持して回転させ、コンベアの内部に設けた吸引箱により通気性ベルトを介して空気を吸引する構造のものを好適に用いることができる。
また、金属薄帯を冷却ロールからの剥離する方法は、上記のような高圧のガス流である必要はなく、例えば、ドクターブレードを用いて剥離する方法や、コンベアあるいは搬送ロールに内蔵した磁石の磁力(吸引力)を用いて剥離する方法等を用いてもよい。
上記方法によれば、冷却ロールの剥離点Pの近傍に真空吸引式コンベアを配設し、冷却ロールから剥離した直後の薄帯を、コンベアのベルト面に吸着させ、コンベアのベルトの回転によって搬送するため、薄帯の幅方向に均一な張力を付与することが可能となり、また、剥離点Pも常に一定の位置に保持されるため、安定した薄帯の搬送が可能となる。
しかしながら、上記方法の場合、コンベア7を巻取リールまで移動すると、図1(c)に示したように、コンベア7の上流側の薄帯には、コンベア7と剥離点Pの間に、張力が付与されてはいるが支持のない、すなわち、宙に浮いた状態となる区間が生じる。そのため、上記区間の大きさによっては、先述したように、薄帯が蛇行を起こして幅方向の張力が不均一となったり、振動を起こして張力変動を引き起こしたりする搬送異常が起こり、場合によっては破断に至ることがある。
そこで、発明者らは、上記搬送異常が起こる条件を明らかにするべく、多くの再現実験や確認実験を行った。その結果、上記のような薄帯の搬送異常は、冷却ロールの剥離点Pとコンベアとの間の区間の長さLが大きくなるに従い起こり易くなるが、その限界長さは、コンベアのベルト送り速度Vと冷却ロール周速度Vとの差によって大きく変化し、不支持区間の長さLをベルト送り速度Vと冷却ロール周速度Vとの差(V−V)の3.2倍以下のときには、薄帯を安定して搬送することができるのに対して、3.2倍を超えると、途端に、蛇行やバタつきが急に大きくなることがわかった。特に、上記の蛇行やバタつきは、時間の経過とともに大きくなる傾向があり、巻取リールへの巻き付けが迅速に完了する場合には発生しないこともあるが、巻き付けまでに時間を要する場合には、上記条件を満たさないと搬送異常が顕在化する。よって、薄帯を安定的に搬送し巻取リールに巻き付けるためには、薄帯の不支持区間の長さLが、下記(1)式を満たすよう、ベルト送り速度Vと冷却ロール周速度Vとの差を制御する必要がある。
L≦(V−V)×3.2 ・・・(1)
上記(1)式の関係が成り立つ理由については、現時点ではまだ明確となっていないが、ベルト送り速度Vと冷却ロール周速度Vとの差(V−V)は、薄帯に付与される張力と関係することから、不支持区間の長さLが大きくなると、薄帯が共振を起こし易くなる張力となるためではないかと考えられる。
なお、不支持区間の長さLの下限値は、薄帯の搬送性の面からは特に規定しないが、冷却ロールと巻取リール間に、様々な装置を配設するためのスペースを確保する必要性から0.5m以上とするのが好ましく、2m以上とするのがより好ましい。
さらに、発明者らの実験結果によれば、不支持区間の長さLが上記(1)式を満たすようベルト送り速度Vと冷却ロール周速度Vを制御しても、コンベアの移動速度Vが大き過ぎると、具体的には、ベルト送り速度Vと冷却ロール周速度Vとの差(V−V)の0.8倍を超えると、コンベアの移動中に薄帯の蛇行や振動が起こる場合があることが判明した。そこで、コンベアの移動速度Vは、下記(2)式を満たすよう制御することが好ましい。
≦(V−V)×0.8 ・・・(2)
上記(2)式を満たす移動速度Vでコンベアを巻取リールに向けて移動することによって、薄帯の蛇行や振動が十分に抑制される。なお、コンベアの移動速度Vの下限値は、薄帯の搬送性の面からは特に規定しないが、移動時間が長くなると、前述した薄帯先端のスクラップ量が増加し、歩留まりが低下するので、0.5m/s以上とすることが好ましい。
なお、上記(1)式からわかるように、薄帯を安定的に搬送するためには、不支持区間の長さLが長くなるのに伴い、ベルト送り速度Vと冷却ロール周速度Vとの差(V−V)を大きくして薄帯に付与する張力を大きくしてやる必要があるが、過度の張力付与は、薄帯の破断を招いたりするので好ましくない。そこで、図1に示したように、1台のコンベアを冷却ロールと巻取リール間を移動させるのではなく、例えば、図2に示したように、2台のコンベアを配設し、そのうちの1台を急冷ロールの下方位置に固定し、他の1台を移動可能として、不支持区間の長さLを短縮するようにしてもよい。また、上記のように、冷却ロールの下方にコンベアを固定して配設することは、剥離点Pの位置が安定化するので、薄帯のバタつきをより低減する効果もあるので好ましい。なお、冷却ロール下方のコンベアを、固定ではなく移動可能としてもよい。
さらに、図3に示したように、3台のコンベアを配設し、そのうちの2台を急冷ロールの下方およびその近傍に固定し、他の1台を移動するようにして、不支持区間の長さLを短縮するようにしてもよい。なお、図3に示した2台の固定コンベアは移動させてもよいことは勿論である。また、図3では、2台の固定コンベアを薄帯のパスラインの上下に配列したが、下側または上側に直列に2台配列してもよく、その配列の仕方に制限はない。
ただし、複数台のコンベアを配設する場合には、ベルト送り速度Vは、薄帯の滞留や張力の低下が起きるのを防止するため、下流側のコンベアほど大きくしてやる必要があるが、その差は0超えであれば僅かでもよい。また、複数台のコンベアを配設する場合、上記(1)式および(2)式中のベルト送り速度Vおよびコンベアの移動速度Vは、最下流のコンベアの値を用いることが必要である。
上記の条件を満たして薄帯を搬送することで、薄帯を安定した状態で巻付リールに誘導することができるので、薄帯の製造速度に同期して回転する巻取りリールに容易に巻付けることが可能となる。
図1に示した単ロール式の急冷薄帯製造装置を用いて、C:1at%、Si:9at%およびB:10at%を含有し、残部が実質的にFeの成分組成からなる溶融合金3(1300℃)を、容器2の底部に設けた150〜250mm幅のスリット状開口部を有するノズル4から、表1に示した種々のロール周速度Vで回転する銅合金製の冷却ロール1の周面上に射出して急冷し、厚さが25μmの金属薄帯5とした後、該薄帯5を、冷却ロールの近傍に設けたエアーノズル6から40m/sの高速で吹き付けるエアによって、冷却ロール1の周表面から剥離し、該剥離した薄帯5の先端部を、剥離点Pの下方に配設したベルトコンベア7の通気性ベルト8に、該ベルト裏面に配設した4.9〜19.6×10Paの吸引力を有する長さ1mの吸引箱8により9.8×10Paで吸着させた後、その吸着させた状態のままでベルト8を、表1に示す種々の送り速度Vで回転させると同時に、コンベア7を速度V:0.4m/sで巻取リールに向って移動させ、剥離点Pとコンベア7間の距離L、すなわち、薄帯が支持されていない区間の距離Lが、同じく表1に示した長さとなったときにコンベア7の移動を停止し、その状態のままで120秒間、薄帯を製造し続けた。
なお、上記コンベアの移動中および停止中の120秒間においては、急冷ロール1によって製造され、ベルト8によって搬送される薄帯5は、コンベア7の終端から放出してコンベア7と巻取リール10間に落下させ、図示のない破砕機で小さく破砕してスクラップとして処理した。
上記コンベア停止して薄帯を搬送し続ける120秒間において、搬送される薄帯の不支持区間内における搬送安定性を調査し、薄帯の蛇行や振動、破断の発生等がない場合を、搬送性が良好(○)、蛇行や振動、破断等のいずれかでも発生した場合を、搬送性が不良(×)と評価した。
Figure 0005892342
上記の結果を、薄帯の搬送条件と併せて表1に示すとともに、ベルト送り速度Vと冷却ロール周速度Vとの差(V−V)と不支持区間Lが搬送性に及ぼす影響を図4に示した。これらの結果から、薄帯が支持されていない区間の長さLを、ベルト送り速度Vと冷却ロール周速度Vとの差(V−V)の3.2倍以下に制御することにより、金属薄帯を安定して搬送することができることがわかる。
実施例1と同様、図1に示した単ロール式の急冷薄帯製造装置を用いて、C:1at%、Si:9at%およびB:10at%を含有し、残部が実質的にFeの成分組成からなる溶融合金3(1300℃)を、容器2の底部に設けた150〜250mm幅のスリット状開口部を有するノズル4から、周速度V:27m/sで回転する銅合金製の冷却ロール1の周面上に射出して急冷し、厚さが25μmの金属薄帯5とした後、該薄帯5を、冷却ロールの近傍に設けたエアーノズル6から40m/sの高速で吹き付けるエアによって、冷却ロール1の周表面から剥離し、該剥離した薄帯5の先端部を、剥離点Pの下方に配設したベルトコンベア7の通気性ベルト8に、該ベルト裏面に配設した4.9〜19.6×10Paの吸引力を有する長さ1mの吸引箱8により9.8×10Paで吸着させた後、その吸着させた状態のままでベルト8を、送り速度V:30m/sで回転させると同時に、コンベア7速度V は表2に示した種々の速度で巻取リールに向って移動させ、剥離点Pとコンベア7間の距離L、すなわち、薄帯が支持されていない区間の距離Lが3.0mとなったときにコンベア7の移動を停止し、その状態のままで120秒間、薄帯を製造し続けた。
なお、上記コンベアの移動中および停止中の120秒間においては、急冷ロール1によって製造され、ベルト8によって搬送される薄帯5は、コンベア7の終端から放出してコンベア7と巻取リール10間に落下させ、図示のない破砕機で小さく破砕してスクラップとして処理した。
上記コンベア停止して薄帯を搬送し続ける120秒間において、搬送される薄帯の不支持区間内における搬送安定性を調査し、薄帯の蛇行や振動、破断の発生等がない場合を、搬送性が良好(○)、蛇行や振動、破断等のいずれかでも発生した場合を、搬送性が不良(×)と評価した。
Figure 0005892342
上記の結果を、薄帯の搬送条件と併せて表2に示すとともに、ベルト送り速度Vと冷却ロール周速度Vとの差(V−V)とコンベア移動速度Vが薄帯の搬送性に及ぼす影響を図5に示した。これらの結果から、コンベア移動速度Vをベルト送り速度Vと冷却ロール周速度Vとの差(V−V)の0.8倍以下に制御することにより、金属薄帯を安定して搬送することができることがわかる。
1:冷却ロール
2:溶湯容器
3:溶融金属
4:ノズル
5:金属薄帯
6:エアースリットノズル
7:真空吸引式コンベア
8:ベルト
9:吸引箱
10:巻取リール

Claims (2)

  1. 高速回転する冷却ロールの周面に溶融金属を射出して急冷凝固させ、該冷却ロール周面から剥離して得た金属薄帯を、冷却ロールの剥離点近傍に配設した真空吸引式コンベアに吸着して張力を付与しつつ搬送すると同時に、該コンベアを巻取リールの近傍に移動させて巻取リールに誘導し、金属薄帯の巻き付けを開始する金属薄帯の製造方法において、
    上記冷却ロールの周速度をV、コンベアのベルト送り速度をVコンベアを巻取リールの近傍に移動させる速度をV (m/s)、移動するコンベアの上流側の支持されていない薄帯の長さをLとするとき、上記 に応じて、下記(1)式および(2)式を満たすよう、 B、 およびLを制御する(ただし、V :27m/s、かつ、V :30m/s、かつ、V :1m/sである場合を除く)ことを特徴とする金属薄帯の製造方法。

    L≦(V−V)×3.2 ・・・(1)
    ≦(V −V )×0.8 ・・・(2)
  2. 上記コンベアを複数台配設する場合には、冷却ロールの周速度V最下流側のコンベアのベルトの送り速度V が、上記(1)式および(2)式を満たすように制御することを特徴とする請求項に記載の金属薄帯の製造方法。
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