JP5891049B2 - アンテナ共用器とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主として移動体通信機器等において使用される弾性波共振器を用いたアンテナ共用器とその製造方法に関するものである。
携帯電話等の通信装置に用いられるアンテナ共用器の携帯電話1台あたりに使用される員数は通信システムのバンド数の増加に伴い増える傾向にある。このような背景からアンテナ共用器に対する小型化の要求は尽きることがない。携帯電話に用いられるアンテナ共用器は弾性波共振器を用いられたものが主流であり、弾性波共振器の中でも特に弾性表面波を利用したアンテナ共用器が多く使用されている。
アンテナ共用器は基本的に送信フィルタと受信フィルタが組み合わされて構成されるが、アンテナ共用器に求められる性能として、送信フィルタには送信端子から入力される大電力の高周波信号に耐え得る耐電力性が必要となる。弾性表面波を利用したアンテナ共用器の場合、弾性波共振器を構成するIDT電極を構成する電極材料をチタン(以下Ti)とアルミニウム(以下Al)を主体とした金属の積層とすることで耐電力性が向上することが知られている。とくにTiとAlを主体とした金属を交互に配置し、4層構造とした場合には良好な耐電力性が得られ、このような電極材料を有する1端子対弾性波共振器を直列腕と並列腕となるよう梯子型に配置したラダー型フィルタ構成にすることでアンテナ共用器として十分な耐電力性が得られることが知られている。
他方、受信フィルタには送信フィルタほどの耐電力性は必要とされない。したがって受信フィルタの性能を最大限良くするためにはIDT電極を構成する電極材料をできるだけ抵抗の小さい材料で構成することが望まれる。
図7に従来のアンテナ共用器を示す。図7において、従来のアンテナ共用器は、圧電基板1の上に、送信フィルタ6と受信フィルタ7とを備え、送信フィルタ6のIDT電極および受信フィルタ7のIDT電極は、以下Tiを主成分とする第1の電極2と、Alを主成分とする第2の電極3と、Tiを主成分とする第3の電極4と、Alを主成分とする第4の電極5とを、圧電基板1の側から順に積層して構成された積層電極からなる。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
特開2004−088778号公報 国際公開第2003/005577号
近年、平衡動作を実現するために受信フィルタとして縦結合型弾性波共振器が用いられることが多いが、縦結合型弾性波共振器の場合、IDT電極を構成する櫛電極の抵抗の影響が挿入損失の悪化に現れ易くTiとAlの4層電極を用いると挿入損失が大きくなってしまう問題がある。図7に示す従来の1チップ構成のアンテナ共用器では挿入損失の良好な平衡動作する受信フィルタ7は得られない。
このような問題を解決するため、上記従来のアンテナ共用器に換えて、送信フィルタと受信フィルタを別々の2チップ構成とすることで、電極の構成を異ならせたアンテナ共用器もある。しかしながら、この2チップ構成の場合、2つのチップの間にスペースが必要となるため小型化に課題があった。
本発明は受信フィルタの挿入損失が良好で、極めて小型のアンテナ共用器を得るためになされたものである。
上記課題を解決するために、圧電基板上に通過帯域周波数の異なる第1のフィルタと第2のフィルタとを備え、前記第1のフィルタは圧電基板側から第1の電極、第2の電極、第3の電極、第4の電極の順に積層された4層以上の積層電極で構成され、前記第2のフィルタは圧電基板側から第3の電極、第4の電極の順に積層された2層電極で構成されたアンテナ共用器としたものである。
このような構成にした際、第1のフィルタを送信フィルタとして使用することで耐電力性に優れた送信フィルタを得ることができ、第2のフィルタを受信フィルタとして使用することで挿入損失の良好な受信フィルタが得られる。結果として受信フィルタの挿入損失に優れ、かつ極めて小型のアンテナ共用器を得られるという優れた作用効果を有するものである。
以上のように本発明のアンテナ共用器は、受信フィルタの挿入損失に優れ、かつ極めて小型のアンテナ共用器を得られるという優れた作用効果を奏するものである。
本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器の断面図 同アンテナ共用器の平面図 (A)〜(J)本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器の断面図 本発明の実施の形態2におけるアンテナ共用器の断面図 本発明の実施の形態3におけるアンテナ共用器の断面図 (A)〜(J)本発明の実施の形態3におけるアンテナ共用器の製造方法を示す図 従来のアンテナ共用器の断面図
以下、本発明の実施の形態における弾性波装置について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1のアンテナ共用器の構成を示す断面図である。圧電基板11はタンタル酸リチウム(LiTaO3)単結晶であり、その表面の第1の領域111に送信フィルタ101を備え、第2の領域112に受信フィルタ102を備える。送信フィルタ101の通過帯域周波数は824MHz〜849MHzであり、受信フィルタ102の通過帯域周波数は869MHz〜894MHzである。
送信フィルタ101を構成するIDT電極は、圧電基板11の側から順に第1の電極12と第2の電極13と第3の電極14と第4の電極15を順に積層した4層の積層電極で構成したものである。送信フィルタ101において、第1の電極12は材料がTiで厚みを20nmで形成され、第2の電極13は材料がAlを主体にする金属で厚みを20nmで形成され、第3の電極14は材料がTiで厚みを20nmで形成され、第4の電極15は材料がAlを主体とした金属で厚みを342nmとして形成されている。第2の電極13および第4の電極15はアルミニウム中への拡散係数がアルミニウムの自己拡散係数より小さい銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)などの金属を0.5重量%から2重量%含むAlとすることでより耐電力性を向上させることができる。
受信フィルタ102を構成するIDT電極は、圧電基板11の側から順に第3の電極14と第4の電極15を順に積層した2層の積層電極で構成したものである。受信フィルタ102において、第3の電極14は材料がTiで厚みを20nmで形成され、第4の電極15は材料がAlを主体とした金属で厚みを342nmとして形成されている。第1の電極12の膜厚、第2の電極13の膜厚、および第3の電極14の膜厚は第4の電極15の膜厚の10%以下が望ましい。例えば中心周波数が1.7GHzを上回るような送信フィルタ101を有するアンテナ共用器の場合、第1の電極12および第3の電極14の膜厚が第4の電極15の膜厚の10%以上とすると電極の抵抗が大きくなりすぎ送信フィルタ101の挿入損失が大きくなってしまうからである。また、第2の電極13が第4の電極15の10%を超えるように設定すると耐電力性が低下してしまう場合がある。
受信フィルタ102を構成する第3の電極14と第4の電極15は送信フィルタ101を構成する第3の電極14および第4の電極15と同じ材料、同じ膜厚で構成されているが、受信フィルタ102を構成する第4の電極15は、送信フィルタ101を構成する第4の電極15よりAlの配向度の高い膜が形成され、電気抵抗の小さい膜である。これは、受信フィルタ102における第4の電極15が、LiTaO3の直上のTiの上に成膜されているためと考えられる。
故に本発明の実施の形態1は、送信フィルタ101と受信フィルタ102を同一圧電基板11の上に形成した小型のアンテナ共用器において、受信フィルタ102の挿入損失を向上することができる。
図2は実施の形態1におけるアンテナ共用器の平面図を示したものである。圧電基板11の上に送信フィルタ101と受信フィルタ102が形成されており、アンテナ端子23を共有するように送信フィルタ101と受信フィルタ102は接続されている。送信フィルタ101は送信端子21とアンテナ端子23を結ぶ信号ラインに直列腕共振器としてIDT電極を2つの反射器で挟むように配置された1端子対弾性波共振器31、32、33、34を直列に接続され、信号ラインとグランド間に並列腕共振器としてIDT電極を2つの反射器で挟むように配置された1端子対弾性波共振器35、36が接続されている。このように送信フィルタ101をラダー型フィルタとし、かつ図1の送信フィルタ101の構成として示した4層構成にすることにより耐電力性を十分に確保できる。また、1端子対弾性波共振器32と1端子対弾性波共振器33は等価回路的には1つの共振器にまとめることも可能であるが、故意に分割して多段化することで耐電力性をより向上することができる。受信フィルタ102はアンテナ端子23と受信端子22a、22bを結ぶように1端子対弾性波共振器41と縦結合型弾性波共振器42および縦結合型弾性波共振器43が直列に接続されている。縦結合型弾性波共振器42と縦結合型弾性波共振器43は位相が逆相の出力信号となるようにIDT電極を構成することで受信端子22aと受信端子22b間で平衡動作する。このように受信フィルタ102に縦結合型弾性波共振器を用いた構成とした場合、図1の受信フィルタ102の構成として示した2層構成にすることによる挿入損失の向上の効果は著しいものとなる。更に本発明の受信フィルタの挿入損失の向上の効果を高めるためには縦結合型弾性波共振器42、43のIDT電極のデューティファクターDF=(線幅/(線幅+線間距離))を大きくすることで得られ、望ましくはDF=0.55以上とすれば良い。図2では縦結合型弾性波共振器42および縦結合型弾性波共振器43は共に3つのIDT電極を2つの反射器で挟んで構成した図となっているが、IDT電極は4つ以上でも良い。1端子対弾性波共振器41はIDT電極を反射器で挟む構成として図示しているが、反射器がない構成でも良い。
次に、図3(A)〜図3(J)を参照しながら本発明のアンテナ共用器の製造方法を説明する。
まず、図3(A)に示すように、LiTaO3単結晶などからなる圧電基板11上に、スパッタリング法などの方法で第1の電極12としてTiを例えば膜厚が20nmで形成した後、第2の電極13としてCuおよびMgを含んだAlを例えば膜厚が20nmで形成する。この際、第1の電極12と第2の電極13は大気に暴被しないよう連続的に成膜し形成することが望ましい。
次に、図3(B)に示すように、第2の電極13上にレジスト50を塗布する。
次に、図3(C)に示すように、フォトリソグラフィー法により所望のパターンでレジスト50を露光、現像する。
次に、図3(D)に示すように、ドライエッチング法により第2の領域112に対応する部分の第1の電極12と第2の電極13を除去する。
次に、図3(E)に示すように、第1の領域111の第2の電極13上のレジスト50を除去する。
次に、図3(F)に示すように、Tiなどの金属を例えば膜厚20nmの第3の電極14を形成し、その上にAlなどの金属からなる第4の電極15をスパッタリング法などにより形成する。
次に、図3(G)に示すように、第4の電極15上にレジスト51を塗布する。
次に、図3(H)に示すように、所望のパターンでレジスト51を露光・現像する。
次に、図3(I)に示すように、ドライエッチング法にて第1の領域111の4層の電極(すなわち第1の電極、第2の電極、第3の電極および第4の電極)と第2の領域の2層の電極(すなわち第3の電極と第4の電極)を同時にエッチングする。
次に、レジスト51を除去することにより、図3(J)に示すように、送信フィルタ101と受信フィルタ102が形成される。
このような製造方法で受信フィルタ102の挿入損失が小さく、極めて小型のアンテナ共用器が得られる。
また本発明の製造方法によれば、膜厚の異なる送信フィルタと受信フィルタを別々にエッチングする場合に比べ、ドライエッチング回数が1回であるため、ドライエッチングのエッチング速度の変動により送信フィルタ101と受信フィルタ102の目標周波数に対するズレが生じた場合においても、前記ズレは送信フィルタ101と受信フィルタ102においてほぼ均一になり、トリミング等の方法で容易に送信フィルタ101と受信フィルタ102とを同時に周波数補正を行えるため、結果としてアンテナ共用器の特性を精度よく製造できる。
また、送信フィルタ101と受信フィルタ102とを同時にエッチングすることができるため、送信フィルタ101と受信フィルタ102とを別々にエッチングする方法と比べて工程数が少なく、コストの低減が可能である。
(実施の形態2)
以下に、実施の形態2のアンテナ共用器について説明する。実施の形態2において、本発明の実施の形態1と共通する構成部品については同一番号を付す。
図4は本発明の実施の形態2のアンテナ共用器の構成を示す断面図である。実施の形態2のアンテナ共用器の平面図は、実施の形態1における平面図の図2と同様である。図4において、圧電基板11はLiTaO3単結晶であり、その表面の第1の領域111に送信フィルタ101を備え、第2の領域112に受信フィルタ102を備える。
送信フィルタ101を構成するIDT電極は、圧電基板11の側から順に第1の電極12と第2の電極13と第3の電極14と第4の電極15を順に積層した4層の積層電極で構成したものである。送信フィルタ101において、第1の電極12は材料がTiで厚みを20nmで形成され、第2の電極13は材料がAlを主体にする金属で厚みを20nmで形成され、第3の電極14は材料がTiで厚みを20nmで形成され、第4の電極15は材料がAlを主体とした金属で厚みを342nmとして形成されている。第2の電極13および第4の電極15はAl中への拡散係数がAlの自己拡散係数より小さいCu、Mg、Sc、Ti、Zrなどの金属を0.5重量%から2重量%含むアルミニウムとすることでより耐電力性を向上させることができる。
受信フィルタ102を構成するIDT電極は、圧電基板11の側から順に第3の電極14と第4の電極15を順に積層した2層の積層電極で構成したものである。受信フィルタ102において、第3の電極14は材料がTiで厚みを20nmで形成され、第4の電極15は材料がAlを主体とした金属で厚みを342nmとして形成されている。受信フィルタ102を構成する第3の電極14と第4の電極15は送信フィルタ101における第3の電極14と第4の電極15と同じ材料、同じ膜厚で構成されているが、受信フィルタ102を構成する第4の電極15は、送信フィルタ101を構成する第4の電極15よりAlの配向度の高い膜が形成され、電気抵抗の小さい膜となる。これはLiTaO3の直上のTiの上に成膜されているためと考えられる。故に本発明の実施の形態2の構成にすることで受信フィルタ102の挿入損失が良好で小型のアンテナ共用器が得られる。
更に本発明の実施の形態2においては送信フィルタ101が形成された第1の領域111と受信フィルタ102が形成された第2の領域112の境界において圧電基板11の表面に段差60を設け、第2の領域112の圧電基板11の方が第1の領域111の圧電基板11よりも薄くなるようにしている。このような構成にすることでアンテナ共用器のアイソレーション特性が向上する。これは空気に比べ比誘電率の高い圧電基板11内に電界が集中しているため、圧電基板11内に電界による送信フィルタ101と受信フィルタ102の結合が軽減されるためである。
また、圧電基板11の電極が形成されている表面側に段差60を設けることにより、弾性表面波の伝播による結合も軽減されアイソレーションが良化する。
本発明の実施の形態2のアンテナ共用器は基本的に実施の形態1のアンテナ共用器と同じ図3(A)〜図3(J)に示す製造方法で製造でき、図4に示す段差60は図3(D)のドライエッチング工程で、第2の領域112における第1の電極12と第2の電極13と圧電基板11の上面をエッチングすることで作成することができる。
(実施の形態3)
以下に、実施の形態3のアンテナ共用器について説明する。実施の形態3において、本発明の実施の形態1と共通する構成部品については同一番号を付す。
図5は本発明の実施の形態3のアンテナ共用器の構成を示す断面図である。実施の形態3のアンテナ共用器の平面図は、実施の形態1における平面図の図2と同様である。圧電基板11はLiTaO3単結晶であり、その表面の第1の領域111に送信フィルタ101を備え、第2の領域112に受信フィルタ102を備える。
送信フィルタ101を構成するIDT電極は、圧電基板11の側から順に第1の電極12と第2の電極13と第3の電極14と第4の電極15を順に積層した4層の積層電極で構成したものである。送信フィルタ101において、第1の電極12は材料がTiで厚みを20nmで形成され、第2の電極13は材料がAlを主体にする金属で厚みを20nmで形成され、第3の電極14は材料がTiで厚みを20nmで形成され、第4の電極15は材料がAlを主体とした金属で厚みを342nmとして形成されている。第2の電極および第4の電極はAl中への拡散係数がAlの自己拡散係数より小さいCu、Mg、Sc、Ti、Zrなどの金属を0.5重量%から2重量%含むAlとすることでより耐電力性を向上させることができる。
受信フィルタ102を構成するIDT電極は、圧電基板11の上に単層の第4の電極15を形成したものである。受信フィルタ102において、第4の電極15は材料がAlを主体とした金属で厚みを342nmとして形成されている。受信フィルタ102を構成する第4の電極15は送信フィルタ101における第4の電極15と同じ材料、同じ膜厚で構成されている。受信フィルタ102を構成する第4の電極15は、送信フィルタ101を構成する第4の電極15より特に電気抵抗が小さいわけではないが、電界が集中する圧電基板11に接する部分が比較的電気抵抗の小さいAlを主体とした電極となるため、実効的に電気抵抗による損失が小さくなる。故に本発明の実施の形態3の構成にすることで受信フィルタの挿入損失が良好で小型のアンテナ共用器が得られる。
次に、図6(A)〜図6(J)を参照しながら本発明の実施の形態3のアンテナ共用器の製造方法を説明する。
まず、図6(A)に示すように、LiTaO3単結晶などからなる圧電基板11上に、スパッタリング法などの方法で第1の電極12としてTiを例えば膜厚が20nmで形成した後、第2の電極13としてCuおよびMgを含んだAlを例えば膜厚が20nmで形成する。さらにその後、第2の電極13の上に第3の電極14としてTiを例えば膜厚が20nmで形成する。この際、第1の電極12、第2の電極13および第3の電極14は大気に暴被しないよう連続的に成膜し形成することが望ましい。
次に、図6(B)に示すように、第3の電極14上にレジスト50を塗布する。
次に、図6(C)に示すように、フォトリソグラフィー法により所望のパターンでレジスト50を露光、現像する。
次に、図6(D)に示すように、ドライエッチング法により第2の領域112に対応する部分の第1の電極12と第2の電極13および第3の電極14を除去する。
次に、図6(E)に示すように、第1の領域111の第3の電極14上のレジスト50を除去する。
次に、図6(F)に示すように、Alなどの金属からなる第4の電極15をスパッタリング法などにより形成する。
次に、図6(G)に示すように、第4の電極15上にレジスト51を塗布する。
次に、図6(H)に示すように、所望のパターンでレジスト51を露光、現像する。
次に、図6(I)に示すように、ドライエッチング法にて第1の領域111の4層の電極(すなわち第1の電極12、第2の電極13、第3の電極14および第4の電極15)と第2の領域112の単層の電極(すなわち第4の電極15)を同時にエッチングする。
次に、レジスト51を除去することにより、図6(J)に示すように、送信フィルタ101と受信フィルタ102が形成される。
このような製造方法で受信フィルタの挿入損失が小さく、極めて小型のアンテナ共用器が得られる。
また本発明の製造方法によれば膜厚の異なる送信フィルタ101と受信フィルタ102を別々にエッチングする場合に比べ、ドライエッチング回数が1回であるため、ドライエッチングのエッチング速度の変動により送信フィルタ101と受信フィルタ102の目標周波数に対するズレが生じた場合においても、前記ズレは送信フィルタ101と受信フィルタ102においてほぼ均一になり、トリミング等の方法で容易に送信フィルタ101と受信フィルタ102とを同時に周波数補正を行えるため、結果としてアンテナ共用器の特性を精度よく製造できる。
また、送信フィルタ101と受信フィルタ102とを同時にエッチングすることができるため、送信フィルタ101と受信フィルタ102とを別々にエッチングする方法と比べて工程数が少なく、コストの低減が可能である。
本発明に係る弾性波装置は、小型でありながら低損失で平衡度の優れた弾性波装置を容易に得られるという優れた効果を奏するものであり、主として移動体通信機器に用いられる弾性波フィルタ等において有用となるものである。
11 圧電基板
12 第1の電極
13 第2の電極
14 第3の電極
15 第4の電極
21 送信端子
22a,22b 受信端子
23 アンテナ端子
31、32、33、34、35、36、41 1端子対弾性波共振器
42、43 縦結合型弾性波共振器
50、51 レジスト
60 段差
101 送信フィルタ
102 受信フィルタ
111 第1の領域
112 第2の領域

Claims (18)

  1. アンテナ共用器であって、
    圧電基板と、
    前記圧電基板上に設けられかつ通過帯域周波数を有する第1のフィルタと、
    前記圧電基板上に設けられかつ前記第1のフィルタとは異なる通過帯域周波数を有する第2のフィルタと
    含み
    前記第1のフィルタは連続して積層した4層以上の電極を含み、
    前記第2のフィルタは連続して積層した2層電極を含み、
    前記第1のフィルタの最上層の電極及び隣接する層の電極が、前記第2のフィルタの最上層の電極及び隣接する層の電極それぞれに対応するアンテナ共用器。
  2. 前記第1のフィルタは送信フィルタである請求項1のアンテナ共用器。
  3. 前記第2のフィルタは受信フィルタである請求項2のアンテナ共用器。
  4. 前記第1の電極及び前記第3の電極が共にチタンから構成される請求項1乃至いずれか一項のアンテナ共用器。
  5. 前記第2の電極及び前記第4の電極が共にアルミニウムを主成分とした金属から構成される請求項4のアンテナ共用器。
  6. 前記第2のフィルタ少なくとも1つ以上の縦結合型弾性波共振器を含む請求項1乃至のいずれか一項のアンテナ共用器。
  7. 前記第1のフィルタを形成した第1の領域における前記圧電基板の厚みと、前記第2のフィルタを形成した第2の領域における前記圧電基板の厚みが異なる請求項1乃至のいずれか一項のアンテナ共用器。
  8. 前記第1のフィルタと第2のフィルタの間の圧電基板表面に段差が設けられる請求項7のアンテナ共用器。
  9. 前記アルミニウムを主成分とした金属は、前記アルミニウム中への拡散係数が前記アルミニウムの自己拡散係数よりも小さな金属元素を含む請求項5のアンテナ共用器。
  10. 前記金属元素は、銅、マグネシウム、スカンジウム、チタン及びジルコニウムの少なくとも一つを含む請求項9のアンテナ共用器。
  11. 前記金属元素は、前記アルミニウムを主成分とした金属において0.5〜2重量%の範囲にある請求項9又は10のアンテナ共用器。
  12. 前記第4の電極は、前記第1のフィルタと前記第2のフィルタとにおいて前記アルミニウムの配向度が異なる請求項5のアンテナ共用器。
  13. 前記受信フィルタに含まれる前記第4の電極は、前記送信フィルタに含まれる前記第4の電極よりも電気抵抗が小さい請求項3のアンテナ共用器。
  14. 前記送信フィルタの中心周波数は1.7GHzを上回る請求項2のアンテナ共用器。
  15. 前記第1の電極の膜厚前記第2の電極の膜厚及び前記第3の電極の膜厚がそれぞれ、前記第4の電極の膜厚の10%以下である請求項1乃至14のいずれか一項のアンテナ共用器。
  16. 前記第1の電極の膜厚、前記第2の電極の膜厚及び前記第3の電極の膜厚が等しい請求項15のアンテナ共用器。
  17. 圧電基板に第1の電極と第2の電極とを順に積層する工程と、
    前記第1の電極及び前記第2の電極が存在する第1の領域と前記第1の電極及び前記第2の電極が存在しない第2の領域を前記圧電基板上に形成する工程と、
    前記圧電基板の前記第1の領域及び前記第2の領域に第3の電極及び第4の電極を順に積層する工程と、
    前記第1の領域の前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極及び前記第4の電極と前記第2の領域の前記第3の電極及び前記第4の電極を1度のエッチングプロセスでエッチングする工程と
    を備えアンテナ共用器の製造方法。
  18. 前記エッチングプロセスはドライエッチングプロセスを含む請求項17の方法。
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