JP5931490B2 - 弾性波デバイス - Google Patents

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本発明は、弾性波デバイスに関し、例えば圧電薄膜共振器を含む弾性波デバイスに関する。
圧電薄膜共振器を用いた弾性波デバイスは、例えば無線機器等のフィルタとして用いられている。圧電薄膜共振器は、圧電膜を挟み下部電極と上部電極が対向する構造を有している。圧電薄膜共振器を用いた弾性波デバイスとして、例えばフィルタがある。これら弾性波デバイスにおいては、共振周波数、反共振周波数または通過帯域等の周波数が温度により変化する。これらの温度変化を補償する技術として、圧電膜内に絶縁膜を設ける技術が知られている(例えば特許文献1および非特許文献1)
特開平1−48694号公報
Proc. IEEE Ultrasonics Symposium 2009, pp859-862
しかしながら、上記技術においては、圧電薄膜共振器の共振周波数等の温度特性が改善できる一方、電気機械結合係数等の共振特性が劣化する。このように、温度特性と共振特性はトレードオフとなる。このため、同一チップ内の複数の圧電薄膜共振器は一様な温度特性と共振特性を有することになる。よって、設計自由度が限られることとなる。例えば、絶縁膜の厚さが異なる共振器を形成すれば、共振器毎に温度特性と共振特性を異ならせることができる。しかしながら、絶縁膜の厚さの異なる共振器を形成することは、製造工程の工数の増加となる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、共振器毎に温度特性と共振特性を異ならせることを可能とすることを目的とする。
本発明は基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成され、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、またはチタン酸鉛を主に含む少なくとも2層の圧電膜と、前記少なくとも2層の圧電膜に挟まれ、酸化シリコンまたは窒化シリコンを主に含み、前記少なくとも2層の圧電膜の弾性定数の温度係数とは逆符号の弾性定数の温度係数を有する絶縁膜と、前記少なくとも2層の圧電膜上に形成された上部電極と、を備え、前記圧電膜を挟み前記下部電極と前記上部電極とが対向する共振領域における前記絶縁膜の面積は前記共振領域の面積とは異なる圧電薄膜共振器を具備することを特徴とすることを特徴とする弾性波デバイスである。本発明によれば、共振器毎に温度特性と共振特性を異ならせることができる。
本発明は、基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成され、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、またはチタン酸鉛を主に含む少なくとも2層の圧電膜と、前記少なくとも2層の圧電膜に挟まれ、酸化シリコンまたは窒化シリコンを主に含み、前記少なくとも2層の圧電膜の弾性定数の温度係数とは逆符号の弾性定数の温度係数を有する絶縁膜と、前記少なくとも2層の圧電膜上に形成された上部電極と、を備え、前記圧電膜を挟み前記下部電極と前記上部電極とが対向する共振領域内の前記絶縁膜は凹部および凸部を有する圧電薄膜共振器を具備することを特徴とする弾性波デバイスを具備することを特徴とする弾性波デバイスである。本発明によれば、共振器毎に温度特性と共振特性を異ならせることができる。
上記構成において、前記少なくとも2層の圧電膜は2層であり、前記絶縁膜は1層である構成とすることができる。
上記構成において、前記共振領域に対する前記共振領域における前記絶縁膜の面積比が互いに異なる複数の前記圧電薄膜共振器を具備する構成とすることができる。
上記構成において、前記共振領域に対する前記共振領域における前記凹部の面積比が互いに異なる複数の前記圧電薄膜共振器を具備する構成とすることができる。
上記構成において、前記複数の圧電薄膜共振器は、フィルタの直列共振器と並列共振器を含み、前記直列共振器のうち少なくとも1つの共振器の前記面積比と前記並列共振器のうち少なくとも1つの共振器の前記面積比とは異なる構成とすることができる。
上記構成において、前記複数の圧電薄膜共振器は、フィルタの直列共振器と並列共振器を含み、前記直列共振器と前記並列共振器との少なくとも一方の複数の共振器内の少なくとも1つの共振器は、前記少なくとも一方の複数の共振器内の他の共振器と前記面積比が異なる構成とすることができる。
上記構成において、前記共振領域における前記少なくとも2層の圧電膜のうち最上の圧電膜の外周の少なくとも一部は、前記上部電極の外周より内側に位置する構成とすることができる。
上記構成において、前記下部電極の下に空隙または音響反射膜が設けられ、前記最上の圧電膜の外周が前記上部電極の外周より内側に形成された領域において、前記空隙または音響反射膜の外周は、前記上部電極の外周より外側に位置する構成とすることができる。
上記構成において、前記下部電極の下に空隙が設けられ、前記最上の圧電膜の外周が前記上部電極の外周より内側に形成された領域において、前記空隙の外周は、前記上部電極の外周より外側に位置し、かつ前記少なくとも2層の圧電膜のうち最下の圧電膜の外周の内側に位置する構成とすることができる。
上記構成において、前記少なくとも2層の圧電膜は主に窒化アルミニウムを含み、前記絶縁膜は主に酸化シリコンを含む構成とすることができる。
本発明によれば、共振器毎に温度特性と共振特性を異ならせることができる。
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)および図1(c)は、図1(a)のA−A断面図である。 図2(a)から図2(d)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図である。 図3(a)は絶縁膜の一例を示す平面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面図である。 図4(a)は絶縁膜の別の一例を示す平面図、図4(b)は図4(a)のA−A断面図である。 図5(a)から図5(d)は、絶縁膜の別の一例を示す平面図(その1)である。 図6(a)から図6(d)は、絶縁膜の別の一例を示す平面図(その2)である。 図7(a)および図7(b)は、それぞれ比較例1および比較例2に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図8(a)および図8(b)は、それぞれ比較例1および比較例2に係る圧電薄膜共振器の共振周波数および反共振周波数の温度依存性を示す図である。 図9は、面積比に対する電気機械結合係数および反共振周波数の温度係数を示す図である。 図10(a)および図10(b)は、実施例1の変形例1における絶縁膜の断面図を示す図である。 図11(a)および図11(b)は、それぞれ実施例1の変形例2および変形例3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図12(a)は、実施例2に係る圧電薄膜共振器の平面図、図12(b)および図12(c)は、図12(a)のA−A断面図である。 図13(a)から図13(c)は、実施例3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図14は、実施例4に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図15(a)および図15(b)は、実施例5に係るフィルタを示す回路図である。 図16は、実施例6に係るモジュールのブロック図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施例について説明する。
実施例1は、弾性波デバイスに用いられる圧電薄膜共振器の例である。図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)および図1(c)は、図1(a)のA−A断面図である。図1(b)は、例えばラダー型フィルタの直列共振器、図1(c)は例えばラダー型フィルタの並列共振器の断面図を示している。
図1(a)および図1(b)を参照し、直列共振器Sの構造について説明する。Si基板である基板10上に、基板10の平坦主面との間に下部電極12下側にドーム状の膨らみを有する空隙30が形成されるように下部電極12が設けられている。ドーム状の膨らみとは、例えば空隙30の周辺では空隙30の高さが小さく、空隙30の内部ほど空隙30の高さが高くなるような形状の膨らみである。下部電極12はCr(クロム)層とCr層上に形成されたRu(ルテニウム)層とを含んでいる。
下部電極12上に、(002)方向を主軸とする窒化アルミニウム(AlN)を主に含む圧電膜14が設けられている。圧電膜14は少なくとも2層の圧電膜14aおよび14bを含む。酸化シリコン膜を主に含む絶縁膜28が少なくとも2層の圧電膜14aおよび14bに挟まれている。実施例1においては、圧電膜14aおよび14bが2層、絶縁膜28が1層の場合を例に説明する。
圧電膜14上に上部電極16が設けられている。圧電膜14を挟み下部電極12と上部電極16とが対向する領域が共振領域50である。共振領域50は楕円状であり、厚み縦振動モードの弾性波が共振する領域である。上部電極16はRu層16aとRu層16a上に形成されたCr層16bとを含んでいる。
上部電極16上には周波数調整膜24として酸化シリコン膜が形成されている。積層膜18は、下部電極12、圧電膜14、絶縁膜28、上部電極16および周波数調整膜24を含む。周波数調整膜24はパッシベーション膜として機能してもよい。
図1(a)のように、下部電極12には犠牲層をエッチングするための導入路33が形成されている。犠牲層は空隙30を形成するための層である。導入路33の先端付近は圧電膜14で覆われておらず、下部電極12は導入路33の先端に孔部35を有する。図1(a)および図1(b)のように、圧電膜14には下部電極12と電気的に接続するための開口部36が設けられている。開口部36の底の下部電極12上には外部接続用のAu等のバンプ用下地膜が設けられていてもよい。
図1(a)および図1(c)を参照し、並列共振器Pの構造について説明する。並列共振器Pは直列共振器Sと比較し、Ru層16aとCr層16bとの間に、Ti(チタン)層を含む質量負荷膜20が設けられている。よって、積層膜18は直列共振器Sの積層膜に加え、共振領域50内の全面に形成された質量負荷膜20を含む。その他の構成は直列共振器Sの図1(b)と同じであり説明を省略する。
直列共振器Sと並列共振器Pとの共振周波数の差は、質量負荷膜20の膜厚を用い調整する。直列共振器Sと並列共振器Pとの両方の共振周波数の調整は、周波数調整膜24の膜厚を調整することにより行なう。
図1(a)から図1(c)に示すように、実施例1においては、共振領域50内の絶縁膜28に開口29が設けられている。すなわち、共振領域50内における上方向からみた絶縁膜28の形状は、共振領域50とは異なる。
2GHzの共振周波数を有する圧電薄膜共振器の場合、下部電極12のCr層の膜厚は100nm、Ru層の膜厚は170nm、AlN層から形成される圧電膜14aおよび14bの膜厚はそれぞれ600nmである。酸化シリコン膜から形成される絶縁膜28の膜厚は60nmである。Ru層16aの膜厚は200nm、Cr層16bの膜厚は20nmである。Ti層を含む質量負荷膜20の膜厚は100nmである。各層の膜厚は、所望の共振周波数を得るため適宜設定することができる。
下部電極12および上部電極16としては、CrおよびRu以外にもAl(アルミニウム)、Cu(銅)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Pt(白金)、Rh(ロジウム)もしくはIr(イリジウム)等の金属単層膜またはこれらの複合膜を用いることができる。質量負荷膜20については、Ti以外にも、Ru、Cr、Al、Cu、Mo、W、Ta、Pt、RhもしくはIr等の金属単層膜またはこれらの複合膜を用いることができる。また、例えば窒化シリコンまたは酸化シリコン等の窒化金属または酸化金属からなる絶縁膜を用いることもできる。この他、質量負荷膜20は、上部電極16または下部電極12と同じ膜を用いることができる。質量負荷膜20を、下部電極12の下、下部電極12の層間、上部電極16の層間、上部電極16の上、下部電極12と圧電膜14との間および圧電膜14と上部電極16との間に形成する場合、低抵抗化のため金属膜を用いることが好ましい。また、質量負荷膜20は、共振領域50を含むように形成されていれば、共振領域50より大きくてもよい。
基板10としては、Si基板以外に、石英基板、ガラス基板、セラミック基板またはGaAs基板等を用いることができる。圧電膜14は窒化アルミニウム以外にも、ZnO(酸化亜鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、PbTiO3(チタン酸鉛)等を用いることができる。また、例えば、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主に含み、共振特性の向上または温度特性の改善のため他の元素を含んでもよい。絶縁膜28は、酸化シリコン膜(例えばSiO)以外にも、窒化シリコン(例えばSi)を用いることができる。例えば、絶縁膜28は、酸化シリコンまたは窒化シリコンを主に含み、共振特性の向上または温度依存性の改善のため他の元素を含んでもよい。
図2(a)から図2(d)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図である。図2(a)に示すように、平坦主面を有する基板10上に空隙を形成するための犠牲層38を形成する。犠牲層38の膜厚は、例えば10〜100nmであり、MgO、ZnO、GeまたはSiO等のエッチング液またはエッチングガスに容易に溶解できる材料から選択される。その後、犠牲層38を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いパターニングする。犠牲層38の形状は、空隙30の平面形状となるような形状であり、例えば共振領域50を少なくとも含む。次に、犠牲層38および基板10上に下部電極12を形成する。犠牲層38および下部電極12は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い成膜される。その後、下部電極12を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。下部電極12は、リフトオフ法を用い形成することもできる。
図2(b)に示すように、下部電極12および基板10上に圧電膜14a、絶縁膜28、圧電膜14bおよび上部電極16を、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。上部電極16を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。上部電極16は、リフトオフ法により形成することもできる。なお、図1(c)に示す並列共振器Pにおいては、Ru膜16aを成膜後、質量負荷膜20を、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。質量負荷膜20を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。このとき,直列共振器Sの質量負荷膜20は除去される。その後、質量負荷膜20およびRu膜16a上にCr膜16bを成膜する。
図2(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い圧電膜14bを所望の形状にパターニングする。圧電膜14bのエッチングは、例えば燐酸を含む溶液を用いる。このとき、圧電膜14bの外周の少なくとも一部が上部電極16の外周より内側に位置してもよい。
図2(d)に示すように、周波数調整膜24を例えばスパッタリング法またはCVD法を用い形成する。フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い周波数調整膜24を所望の形状にパターニングする。次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い絶縁膜28および圧電膜14aを所望の形状にパターニングする。これにより、下部電極12が開口部36に露出する。よって、開口部36を介し下部電極12にAu等のバンプを電気的に接続することができる。
その後、孔部35および導入路33(図1(a)参照)を介し、犠牲層38のエッチング液を下部電極12の下の犠牲層38に導入する。これにより、犠牲層38が除去される。犠牲層38をエッチングする媒体としては、犠牲層38以外の共振器を構成する材料をエッチングしない媒体であることが好ましい。特に、エッチング媒体は、エッチング媒体が接触する下部電極12がエッチングされない媒体であることが好ましい。積層膜18の応力を圧縮応力となるように設定しておく。これにより、犠牲層38が除去されると、積層膜18が基板10の反対側に基板10から離れるように膨れる。下部電極12と基板10との間にドーム状の膨らみを有する空隙30が形成される。以上により、直列共振器Sが完成する。
次に絶縁膜28の形状について説明する。図3(a)は絶縁膜の一例を示す平面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面図である。図3(a)および図3(b)のように、共振領域50内に絶縁膜28が島状に形成されている。絶縁膜28が形成されていない領域が開口29である。絶縁膜28の島は、周期的に設けられた円形状のドット状パターンである。
図4(a)は絶縁膜の別の一例を示す平面図、図4(b)は図4(a)のA−A断面図である。図4(a)および図4(b)のように、共振領域50内に開口29を有する絶縁膜28が形成されている。開口29は周期的に設けられた円形状のドット状パターンを含む。さらに、ドット状パターンは線状パターンにより連結されている。線状パターンはジグザグに形成されている。
図5(a)から図6(d)は、絶縁膜の別の一例を示す平面図である。図5(a)に示すように、開口29のドット状パターンは三角形状でもよい。図5(b)に示すように、長軸方向にドット状パターンを連結する線状パターンと、この線状パターンから短軸方向にドット状パターンを連結する線状パターンが延伸してもよい。図5(c)に示すように、ドット状パターンは四角形状でもよい。また、短軸方向にドット状パターンを連結する線状パターンと、この線状パターンから長軸方向にドット状パターンを連結する線状パターンが延伸してもよい。図5(d)に示すように、ドット状のパターンは六角形であり、ドット状パターンを連結する線状パターンは放射状に形成されていてもよい。
図6(a)に示すように、ドット状パターンは三角形状でもよい。ドット状パターンを連結する線状パターンは、共振領域50の上半分では長軸方向に延伸しており、下半分では、短軸方向に延伸していてもよい。図6(b)に示すように、ドット状パターンを連結する線状パターンは図5(b)と同じ形状であるが、ドット状パターンの位置が長軸方向に交互にずれていてもよい。図6(c)に示すように、ドット状パターンは図5(c)と同じ形状であるが、ドット状パターンを連結する線状パターンが短軸方向に交互にずれていてもよい。図6(d)に示すように、ドット状パターンを連結する線状パターンはジグザグであり、ドット状パターンは四角形状でもよい。なお、図5(a)から図6(d)において、絶縁膜28と開口29とが反転していてもよい。
このように、共振領域50内において、絶縁膜28は島状に形成されていてもよく、絶縁膜28に開口29が形成されていてもよい。いずれの例においても、共振領域50内の絶縁膜28の形状は共振領域50とは異なる。共振領域50の面積A0に対する共振領域50内の絶縁膜28の面積A1の面積比A1/A0は、1より小さく、かつ0より大きい。面積比A1/A0を所定値以下とする場合は、絶縁膜28を島状に形成し、面積比A1/A0を所定値以上とする場合は、絶縁膜28に開口を形成することができる。例えば、面積比A1/A0が0より大きく、かつ0.5以下の場合は、絶縁膜28を島状に形成し、面積比A1/A0が0.5以上、かつ1より小さい場合は、絶縁膜28に開口を形成することができる。
以下、実施例1の効果について説明する。図7(a)および図7(b)は、それぞれ比較例1および比較例2に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図7(a)に示すように、比較例1に係る圧電薄膜共振器は、絶縁膜28が形成されていない。その他の構成は、実施例1の図1(b)と同じであり説明を省略する。図7(b)に示すように、比較例2に係る圧電薄膜共振器は、絶縁膜28に開口29が形成されていない。その他の構成は、実施例1の図1(b)と同じであり説明を省略する。比較例1において、圧電膜14の膜厚は1200nmである。その他の比較例1および比較例2の各膜厚、材料は、図1(a)および図1(b)において2GHzの共振周波数を有する圧電薄膜共振器の例として説明したものを用いる。共振領域50の形状は楕円形であり、長軸が175μm、短軸が110μmである。
図8(a)および図8(b)は、それぞれ比較例1および比較例2に係る圧電薄膜共振器の共振周波数および反共振周波数の温度依存性を示す図である。共振周波数frは共振器の反射特性S11を測定することにより求めた。反共振周波数faは共振器の通過特性S21を測定することにより求めた。図8(a)および図8(b)は、共振器のS11およびS21を−35℃から85℃まで20℃間隔で測定した結果である。図8(a)および図8(b)より、比較例1および比較例2の共振周波数および反共振周波数の温度係数は以下のようになった。
比較例1
共振周波数の温度係数 −29.6ppm/℃
反共振周波数の温度係数 −31.0ppm/℃
比較例2
共振周波数の温度係数 −5.2ppm/℃
反共振周波数の温度係数 −6.3ppm/℃
以上のように、比較例2において、周波数の温度係数が小さくなるのは、圧電膜14と絶縁膜28の弾性係数の温度係数が逆符号であるためである。このように、圧電膜14aおよび14bの間に絶縁膜28を挟むことにより共振周波数および反共振周波数の温度依存性を抑制できる。
次に、実施例1において、面積比A1/Aを0から1まで変化させ、電気機械結合係数および温度係数をシミュレーションした。各膜厚、材料は、図1(a)および図1(b)の説明において2GHzの共振周波数を有する圧電薄膜共振器の例として説明したものを用いる。共振領域50の形状は楕円形であり、長軸が175μm、短軸が110μmである。図9は、面積比に対する電気機械結合係数および反共振周波数の温度係数を示す図である。面積比A1/A0が0の場合、比較例1に対応する。面積比A1/A0が1の場合、比較例2に対応する。白丸は電気機械結合係数、黒丸は温度係数を示す。図9に示すように、面積比A1/A0を0から1に変化させることにより、電気機械結合係数と周波数温度係数とを変化させることができる。
実施例1によれば、共振領域50における絶縁膜28の面積は、共振領域50の面積とは異なる。これにより、図9のように、面積比A1/A0を任意に設定することができる。よって、所望の温度係数と電気機械結合係数とを有する圧電薄膜共振器を作製できる。例えば、同じチップ上に、温度係数と電気機械結合係数とが異なる圧電薄膜共振器を作製する場合、絶縁膜28の形状を異ならせるだけでよい。よって、製造工程を追加することなく、任意の温度係数と電気機械結合係数とを有する圧電薄膜共振器を同一チップ上に形成することができる。このように、共振器毎に温度特性と共振特性を異ならせることができる。
なお、絶縁膜28は、下部電極12または上部電極16に接して形成されていても温度係数の改善効果はあるもの、その効果は小さい。このため、絶縁膜28を下部電極12または上部電極16に接して形成すると、絶縁膜28を厚くすることになり、共振特性が劣化する。よって、絶縁膜28は圧電膜14に挟まれていることが好ましい。
また、絶縁膜28は、圧電膜14の弾性定数の温度係数とは逆符号の弾性定数の温度係数を有することが好ましい。面積比A1/A0が1に近い場合、周波数温度係数を0に近づけることができる。なお、絶縁膜28と圧電膜14との温度係数が同符号であっても、共振器毎に温度特性と共振特性を異ならせることができる。
さらに、圧電膜14は、少なくとも2層であり、絶縁膜28は少なくとも2層の各圧電膜14に挟まれていればよい。実施例1のように、圧電膜は2層であり、絶縁膜28は1層であることにより、少ない製造工程により圧電薄膜共振器を製造できる。
共振領域50内には、絶縁膜28または開口29のパターンが一様に配置されていることが好ましい。よって、共振領域50内の絶縁膜28または開口29のパターンとしては、図3(a)から図6(d)のように、複数のドット状パターンが周期的に配置されていることが好ましい。また、面積比A1/A0の変化は、例えば、図3(a)から図6(d)のようなパターンにおいて、ドット状パターンの大きさを一様に増減させることにより実現できる。また、ドット状パターンの大きさを一様に変化させる場合、例えば線状パターンの幅は一定とすることができる。
実施例1の変形例について説明する。図10(a)および図10(b)は、実施例1の変形例1における絶縁膜の断面図を示す図である。図10(a)は、図3(a)のA−A断面図、図10(b)は、図4(a)のA−A断面図である。図10(a)および図10(b)に示すように、絶縁膜28は、開口29の代わりに凹部27を有してもよい。凹部27以外が凸部となる。このように、絶縁膜28に凸部および凹部が形成された場合であっても、共振領域50の面積と共振領域50内の凹部27の面積との面積比を変化させることにより、共振領域50内の絶縁膜28の体積を変化させることができる。よって、実施例1と同様に、共振器毎に温度特性と共振特性を異ならせることができる。凹部27の平面形状は、図3(a)から図6(d)と同様の形状とすることができる。
図11(a)および図11(b)は、それぞれ実施例1の変形例2および変形例3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図11(a)に示すように、基板10の上面に窪みが形成され、窪みにより空隙30が形成されていてもよい。さらに、空隙30は、基板を貫通する貫通孔でもよい。図11(b)に示すように、空隙30の代わりに音響反射膜31を用いてもよい。音響反射膜31は、音響インピーダンスの高い膜と低い膜を弾性波の波長の4分の1の膜厚で交互に積層した膜を用いることができる。これにより、音響反射膜31は、縦方向の弾性波を反射することができる。
図12(a)は、実施例2に係る圧電薄膜共振器の平面図、図12(b)および図12(c)は、図12(a)のA−A断面図である。図12(b)は、例えばラダー型フィルタの直列共振器、図12(c)は例えばラダー型フィルタの並列共振器の断面図を示している。図12(a)から図12(c)に示すように、共振領域50の外周の少なくとも一部において、下部電極12と上部電極16とが対向する領域52における圧電膜14bの外周51は、上部電極16の外周53より距離d1内側の領域に位置する。また、圧電膜14bの外周51が上部電極16の外周53より内側に形成された領域において、圧電膜14aの外周55は、外周53より距離d2外側に位置する。絶縁膜28の外周は圧電膜14aの外周55とほぼ同じである。圧電膜14を挟み上部電極16と下部電極12とが対向する共振領域50は、領域52より距離d1分小さくなる。圧電膜14aと下部電極12との重なる領域54は、領域52より距離d2分大きくなる。その他の構成は、実施例1の図1(a)から図1(c)と同じであり説明を省略する。
実施例2によれば、領域52における圧電膜14bの外周51が上部電極16の外周53より内側に位置する。これにより、圧電膜14b内の弾性波が共振領域50の外側に漏洩することを抑制できる。よって、共振特性を向上できる。少なくとも2層の圧電膜が形成されている場合、領域52における少なくとも2層の圧電膜14aおよび14bのうち最上の圧電膜14bの外周51が上部電極16の外周53より内側に位置すればよい。
また、圧電膜14bの外周51が上部電極16の外周53の内側に形成された上部電極16の外周53の領域において、圧電膜14aの外周55は、上部電極16の外周53より外側に位置する。これにより、圧電膜14aの外周55が上部電極16の外周53より内側に位置する場合に比べ積層膜18の強度を確保できる。なお、少なくとも2層の圧電膜が形成されている場合、少なくとも2層の圧電膜14aおよび14bのうち最下の圧電膜14aの外周が上部電極16の外周53より外側に位置すればよい。
なお、空隙30または音響反射膜31(実施例1の変形例3のように空隙30の代わりに音響反射膜31を用いた場合)の外周は、上部電極16の外周53より外側に位置することが好ましい。
また、下部電極12の下に空隙30が設けられている場合に、圧電膜14bの外周51が上部電極16の外周53より内側に形成された領域において、空隙30の外周は、上部電極16の外周53より外側に位置し、かつ圧電膜14aの外周55の内側に位置することが好ましい。このように、外周51を外周53より内側に設けることにより、共振特性を向上させることができる。さらに、空隙30が設けられる場合、積層膜18の強度が小さくなりやすいが、空隙30の外周より外周55が外側に位置することにより、積層膜18の強度を大きくすることができる。
実施例2においては、圧電膜14aの外周55と絶縁膜28の外周とがほぼ一致するが、絶縁膜28の外周は圧電膜14bの外周51とほぼ一致してもよい。また、絶縁膜28の外周は、圧電膜14bの外周51と圧電膜14aの外周55との間に位置してもよい。
実施例2において、圧電膜14aおよび14bの外周55および51の端部は、圧電膜14aおよび14bの膜厚方向に平行であるが、外周55および51の端部は圧電膜14aおよび14bの膜厚方向に斜めでもよい。この場合、圧電膜14bの外周51の端部の最も内側が上部電極16の外周53の端部より内側に位置すればよい。特に、圧電膜14bの外周51の端部が上部電極16に接する位置が上部電極16の外周53の端部より内側にあることが好ましい。
実施例3は、フィルタのように、基板上に複数の圧電薄膜共振器が形成されれた例である。図13(a)から図13(c)は、実施例3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図13(a)から図13(c)においては、基板10上に2つの共振器が形成されている。基板10に窪みが設けられ、窪みが空隙30として機能する。基板10上に空隙30を介し、下部電極12、圧電膜14a、絶縁膜28、圧電膜14bおよび上部電極16が形成されている。圧電膜14を挟み上部電極16と下部電極12とが対向する共振領域50が2つ設けられている。
図13(a)の例においては、共振領域50間には圧電膜14aが連続して形成され、絶縁膜28は形成されていない。図13(b)の例においては、共振領域50間には圧電膜14aおよび絶縁膜28が連続して形成されている。図13(c)の例においては、共振領域50間には圧電膜14aは連続して形成されておらず、絶縁膜28が連続して形成されている。
実施例3のように、基板10に複数の共振器が形成された場合、複数の共振器の下部電極12は互いに接続され、接続された下部電極12上には、圧電膜14a(最下の圧電膜)および絶縁膜28(最下の圧電膜上の絶縁膜)の少なくとも一方が互いに接続されるように形成することもできる。これにより、共振器同士を接近して形成でき、チップの小型化が可能となる。空隙30の外周部は、下部電極12と、圧電膜14aおよび絶縁膜28の少なくとも一方が形成されており、積層膜18の強度を大きくすることができる。
さらに、接続された下部電極12上には、絶縁膜28が互いに接続されるように形成されていることが好ましい。これにより、静電気破壊耐性を向上させることができる。
図14は、実施例4に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図14のように、上部電極16が形成されている領域のうち下部電極12が形成されていない領域の少なくとも一部の領域内の上部電極16と基板10との間には絶縁膜28が形成されていない。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。絶縁膜28が形成されていない領域の上部電極16上にバンプを形成し、フリップチップボンディングする場合、またはボンディングワイヤを接続する場合、絶縁膜28と圧電膜14とが剥離することを抑制できる。
実施例5は、弾性波デバイスとして、実施例1から実施例4に係る共振器をフィルタに用いた例である。図15(a)および図15(b)は、実施例5に係るフィルタを示す回路図である。図15(a)は、ラダー型フィルタ、図15(b)は、ラティス型フィルタを示している図15(a)に示すように、ラダー型フィルタ100は、直列共振器S1〜S4および並列共振器P1〜P3を備えている。直列共振器S1〜S4は、入出力端子T1とT2との間に直列に接続されている。並列共振器P1〜P3は、入力端子T1と出力端子T2との間に並列に接続されている。
図11(b)に示すように、ラティス型フィルタ102は、直列共振器S5およびS6、および並列共振器P4およびP5を備えている。端子T3とT5の間に直列共振器S5が接続され、端子T4とT6との間に直列共振器S6が接続されている。端子T3とT6の間に並列共振器P4が接続され、端子T4とT5との間に並列共振器P5が接続されている。
実施例5のフィルタの共振器の少なくとも1つに実施例1から実施例4の共振器を用いることができる。
実施例5のように、複数の圧電薄膜共振器を含む弾性波デバイスにおいて、少なくとも2つの圧電薄膜共振器の共振領域50に対する共振領域50における絶縁膜28の面積比A1/A0を互いに異ならせることができる。または、共振領域50に対する共振領域50における凹部27の面積比A1/A0を互いに異ならせることができる。これにより、任意の温度係数と電気機械結合係数とを有する圧電薄膜共振器を同一チップ上に形成することができる。
ラダー型フィルタおよびラティス型フィルタはバンドパスフィルタとして機能する。通過帯域の低周波数側のスカート特性は主に並列共振器により形成され、通過帯域の高周波数側のスタート特性は主に直列共振器により形成される。そこで、直列共振器のうち少なくとも1つの共振器の面積比A1/A0と並列共振器のうち少なくとも1つの共振器の面積比A1/A0とを異ならせる。これにより、直列共振器と並列共振器とで、温度係数および電気機械結合係数を異ならせることができる。よって、低周波数側と高周波数側のスカート特性を所望の特性に設定することができる。また、全ての直列共振器の面積比A1/A0と全ての並列共振器の面積比A1/A0とを異ならせる。これにより、直列共振器と並列共振器とで、温度係数および電気機械結合係数をより異ならせることができる。例えば、直列共振器の面積比は全て同じであり、並列共振器の面積比は全て同じであり、直列共振器と並列共振器とで面積比を異ならせてもよい。
例えば、共通端子と第1端子との間に第1フィルタが接続され、共通端子と第2端子との間に第2フィルタが接続された分波器の例を説明する。この分波器は、第1フィルタと第2フィルタとの通過帯域が重ならず、かつ近接している。この分波器においては、第1フィルタと第2フィルタとの通過帯域の間のガードバンド側のスカート特性を形成する直列共振器または/および並列共振器においては、温度変化が小さいことが好ましい。一方、通過帯域を広帯域化する観点から、ガードバンド側とは反対側のスカート特性を形成する直列共振器または/および並列共振器においては、電気機械結合係数が大きいことが好ましい。よって、例えばガードバンド側のスカート特性を形成する共振器の面積比A1/A0をガードバンド側と反対側のスカート特性を形成する共振器の他方の面積比A1/A0より大きくする。これにより、ガードバンド側のスカート特性の温度変化を小さくし、かつ通過帯域を広帯域化できる。
さらに、直列共振器と並列共振器との少なくとも一方の複数の共振器内の少なくとも1つの共振器は、前記少なくとも一方の複数の共振器内の他の共振器と面積比を異ならせることもできる。これにより、低周波数側および高周波数側の少なくとも一方のスカート特性を所望の特性とすることができる。また、直列共振器と並列共振器との少なくとも一方の複数の共振器は互いに面積比を異ならせることもできる。これにより、低周波数側および高周波数側の少なくとも一方のスカート特性をより所望の特性とすることができる。
実施例6は、移動体通信用RF(Radio Frequency)モジュールの例である。図16は、実施例6に係るモジュールのブロック図である。図16のように、モジュール70は、分波器62とパワーアンプ64を備えている。分波器62は、受信用フィルタ62aおよび送信用フィルタ62bを備えている。受信用フィルタ62aはアンテナ端子61と受信端子63a、63bとの間に接続されている。受信用フィルタ62aは、アンテナ端子61から入力した信号のうち受信帯域の信号を通過させ他の信号を抑圧する。受信帯域の信号は受信端子63aおよび63bから出力される。受信端子63aおよび63bからは平衡信号が出力される。送信用フィルタ62bはパワーアンプ64とアンテナ端子61との間に接続されている。送信用フィルタ62bは、パワーアンプ64から入力した信号のうち送信帯域の信号を通過させ他の信号を抑圧する。送信帯域の信号はアンテナ端子61から出力される。パワーアンプ64は、送信端子65から入力した信号を増幅し、送信用フィルタ62bに出力する。受信用フィルタ62aおよび62bのうち少なくとも一方が実施例5のフィルタを含むことができる。
受信用フィルタ62aは、弾性表面波縦結合二重モードフィルタで構成すれば、電極指の配置の変更だけで位相を180°異ならせた出力を得ることができ、容易に平衡出力を得ることができる。分波器62は、受信用フィルタ62aに弾性表面波フィルタからなる二重モードフィルタを用い、送信用フィルタ62bに実施例1から4の圧電薄膜共振器をラダー型に接続したフィルタを用いれば、受信側に平衡出力が得られ、送信側に高耐電力のフィルタが実現できる。
実施例6においては、RFモジュールを例に説明したが、その他のモジュールに実施例1から5の弾性波デバイスを用いてもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12 下部電極
14 圧電膜
14a 圧電膜(最下の圧電膜)
14b 圧電膜(最上の圧電膜)
16 上部電極
27 凹部
28 絶縁膜
29 開口
30 空隙
31 多層反射膜
50 共振領域
52、54 領域
51、55 圧電膜の外周
53 上部電極の外周

Claims (11)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された下部電極と、
    前記下部電極上に形成され、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、またはチタン酸鉛を主に含む少なくとも2層の圧電膜と、
    前記少なくとも2層の圧電膜に挟まれ、酸化シリコンまたは窒化シリコンを主に含み、前記少なくとも2層の圧電膜の弾性定数の温度係数とは逆符号の弾性定数の温度係数を有する絶縁膜と、
    前記少なくとも2層の圧電膜上に形成された上部電極と、
    を備え、前記圧電膜を挟み前記下部電極と前記上部電極とが対向する共振領域における前記絶縁膜の面積は前記共振領域の面積とは異なる圧電薄膜共振器を具備することを特徴とすることを特徴とする弾性波デバイス。
  2. 基板と、
    前記基板上に形成された下部電極と、
    前記下部電極上に形成され、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、またはチタン酸鉛を主に含む少なくとも2層の圧電膜と、
    前記少なくとも2層の圧電膜に挟まれ、酸化シリコンまたは窒化シリコンを主に含み、前記少なくとも2層の圧電膜の弾性定数の温度係数とは逆符号の弾性定数の温度係数を有する絶縁膜と、
    前記少なくとも2層の圧電膜上に形成された上部電極と、
    を備え、前記圧電膜を挟み前記下部電極と前記上部電極とが対向する共振領域内の前記絶縁膜は凹部および凸部を有する圧電薄膜共振器を具備することを特徴とする弾性波デバイス。
  3. 前記少なくとも2層の圧電膜は2層であり、前記絶縁膜は1層であることを特徴とする請求項1または2記載の弾性波デバイス。
  4. 前記共振領域に対する前記共振領域における前記絶縁膜の面積比が互いに異なる複数の前記圧電薄膜共振器を具備することを特徴とする請求項1記載の弾性波デバイス。
  5. 前記共振領域に対する前記共振領域における前記凹部の面積比が互いに異なる複数の前記圧電薄膜共振器を具備することを特徴とする請求項2記載の弾性波デバイス。
  6. 前記複数の圧電薄膜共振器は、フィルタの直列共振器と並列共振器を含み、
    前記直列共振器のうち少なくとも1つの共振器の前記面積比と前記並列共振器のうち少なくとも1つの共振器の前記面積比とは異なることを特徴とする請求項4または5記載の弾性波デバイス。
  7. 前記複数の圧電薄膜共振器は、フィルタの直列共振器と並列共振器を含み、
    前記直列共振器と前記並列共振器との少なくとも一方の複数の共振器内の少なくとも1つの共振器は、前記少なくとも一方の複数の共振器内の他の共振器と前記面積比が異なることを特徴とする請求項4または5記載の弾性波デバイス。
  8. 前記共振領域における前記少なくとも2層の圧電膜のうち最上の圧電膜の外周の少なくとも一部は、前記上部電極の外周より内側に位置することを特徴とする請求項1からのいずれか一項記載の弾性波デバイス。
  9. 前記下部電極の下に空隙または音響反射膜が設けられ、
    前記最上の圧電膜の外周が前記上部電極の外周より内側に形成された領域において、前記空隙または音響反射膜の外周は、前記上部電極の外周より外側に位置することを特徴とする請求項記載の弾性波デバイス。
  10. 前記下部電極の下に空隙が設けられ、
    前記最上の圧電膜の外周が前記上部電極の外周より内側に形成された領域において、前記空隙の外周は、前記上部電極の外周より外側に位置し、かつ前記少なくとも2層の圧電膜のうち最下の圧電膜の外周の内側に位置することを特徴とする請求項記載の弾性波デバイス。
  11. 前記少なくとも2層の圧電膜は主に窒化アルミニウムを含み、前記絶縁膜は主に酸化シリコンを含むことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
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