JP6497018B2 - デュプレクサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電膜に低音速膜及び高音速材が積層されている構造を有するデュプレクサ及びその製造方法に関する。
従来、携帯電話機等には、弾性表面波素子を用いたデュプレクサが広く用いられている。下記の特許文献1には、同一の圧電基板上に、複数の弾性表面波素子が構成されている弾性表面波装置が開示されている。少なくとも1つの弾性表面波素子における弾性表面波伝搬方向が、他の弾性表面波素子の弾性表面波伝搬方向と異ならされている。それによって、比帯域幅を異ならせている。
下記の特許文献2には、支持基板上に、高音速膜、低音速膜及び圧電膜をこの順序で積層してなる弾性表面波装置が開示されている。下記の特許文献3には、同一圧電基板内に複数の弾性表面波素子が構成されている弾性表面波装置が開示されている。特許文献3では、圧電基板とIDT電極との間に誘電体層が配置されている。少なくとも1つの弾性表面波素子における誘電体層の膜厚を、他の弾性表面波素子の誘電体層の膜厚と異ならせている。それによって、比帯域幅が変化されている。
WO13/061926 WO12/086639 特開2012−169707号公報
特許文献1に記載の弾性表面波装置では、弾性表面波の伝搬方向が異なる弾性表面波素子が複数形成されているため、小型化が困難であった。特許文献2に記載の弾性表面波装置では、複数の弾性素子間で比帯域幅を異ならせる構成は記載されていない。
他方、特許文献3では、誘電体層の膜厚を変更することにより、比帯域幅を小さくする方向には調整することができる。しかしながら、比帯域幅を大きくする方向には調整することができない。従って、設計範囲が制限され、またQ値を高めることができなかった。
本発明の目的は、第1及び第2の帯域通過型フィルタの比帯域幅を容易に調整することができ、しかも小型化を図り得る、デュプレクサを提供することにある。
本発明は、圧電膜を有するデュプレクサであって、圧電膜を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波音速が高速である高音速材と、前記高音速材上に積層されており、前記圧電膜を伝搬するバルク波音速よりも伝搬するバルク波音速が低速である低音速膜と、前記低音速膜上に積層された前記圧電膜と、前記圧電膜の一方面に形成されており、第1の帯域通過型フィルタを構成している第1の電極と、前記圧電膜の一方面に形成されており、第2の帯域通過型フィルタを構成している第2の電極とを備え、前記第1の帯域通過型フィルタが構成されている部分における前記圧電膜の厚みが、前記第2の帯域通過型フィルタが構成されている部分における前記圧電膜の厚みと異なっている、デュプレクサである。
本発明に係るデュプレクサのある特定の局面では、前記第1の帯域通過型フィルタが構成されている部分における圧電膜と、前記第2の帯域通過型フィルタを構成している部分における前記圧電膜とが連なっている。この場合には、第1,第2の帯域通過型フィルタが構成されている部分の圧電膜を同一プロセスで形成することができる。
本発明に係るデュプレクサの他の特定の局面では、前記第1の帯域通過型フィルタが構成されている部分における圧電膜と、前記第2の帯域通過型フィルタを構成している部分における前記圧電膜とが段差を経て連なっている。
本発明に係るデュプレクサのさらに他の特定の局面では、前記第1の帯域通過型フィルタを構成している部分における前記低音速膜及び前記高音速材のうち少なくとも一方が、前記第2の帯域通過型フィルタを構成している部分における前記低音速膜及び前記高音速材の少なくとも一方の厚みと異なっている。
本発明に係るデュプレクサの別の特定の局面では、支持基板がさらに備えられており、前記高音速材が、前記支持基板上に形成されている。
また、本発明に係るデュプレクサの別の特定の局面では、前記高音速材が1枚の高音速支持基板である。
本発明に係るデュプレクサの製造方法は、本発明に従って構成されているデュプレクサの製造方法であって、高音速材上に、低音速膜を積層する工程と、前記低音速膜上に、圧電膜を形成する工程と、前記圧電膜上にレジストを付与する工程と、前記圧電膜をエッチングする工程と、前記エッチング後に、前記レジストを除去し、前記圧電膜に、厚みの相対的に厚い部分と、相対的に薄い部分とを設ける工程と、前記圧電膜の一方面に前記第1及び第2の電極を形成する工程とを備える。
本発明に係るデュプレクサの製造方法のある特定の局面では、前記圧電膜の形成に先立ち、前記低音速膜及び高音速材の少なくとも一方において、前記第1の帯域通過型フィルタが構成される部分と、第2の帯域通過型フィルタが構成される部分とにおいて厚みを異ならせる工程がさらに備えられている。
本発明に係るデュプレクサの製造方法の別の特定の局面では、支持基板を用意する工程と、前記支持基板上に前記高音速材を積層する工程とがさらに備えられている。
本発明に係るデュプレクサの製造方法の他の特定の局面では、前記高音速材として、高音速支持基板を用意し、該高音速支持基板上に前記低音速膜を積層する。
本発明に係るデュプレクサ及びその製造方法によれば、高音速材及び低音速膜を含む積層構造を用いており、小型化を図ることができるだけでなく、第1及び第2の帯域通過型フィルタの比帯域幅を容易に調整することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係るデュプレクサの模式的正面断面図である。 本発明の第1の実施形態のデュプレクサの回路図である。 本発明の第1の実施形態及び比較例のデュプレクサの減衰量−周波数特性を示す図である。 本発明の第1の実施形態及び比較例のデュプレクサのアンテナ端のインピーダンススミスチャートを示す図である。 本発明の第1の実施形態及び比較例のデュプレクサの受信端のインピーダンススミスチャートを示す図である。 (a)〜(d)は、本発明のデュプレクサの製造方法の第2の実施形態を説明するための各模式的断面図である。 本発明のデュプレクサの製造方法の第2の実施形態を説明するための模式的断面図である。 (a)〜(c)は、本発明のデュプレクサの製造方法の第3の実施形態を説明するための各模式的断面図である。 (a)及び(b)は、本発明のデュプレクサの製造方法の第3の実施形態を説明するための各模式的断面図である。 (a)及び(b)は、本発明のデュプレクサの製造方法の第3の実施形態を説明するための各模式的断面図である。 (a)〜(c)は、本発明のデュプレクサの製造方法の第4の実施形態を説明するための各模式的断面図である。 (a)及び(b)は、本発明のデュプレクサの製造方法の第4の実施形態を説明するための各模式的断面図である。 (a)及び(b)は、本発明のデュプレクサの製造方法の第4の実施形態を説明するための各模式的断面図である。 第1の実施形態の変形例に係るデュプレクサの模式的正面断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデュプレクサの模式的正面断面図であり、図2はこのデュプレクサの回路図である。
デュプレクサ1は、支持基板2を有する。支持基板2上に、低音速膜3、高音速膜4、低音速膜5及び圧電膜6がこの順序で積層されている。圧電膜6は、LiTaOからなる。もっとも、圧電膜6は、LiNbOなどの他の圧電単結晶からなっていてもよい。
低音速膜3,5は、圧電膜6を伝搬するバルク波の音速よりも、伝搬するバルク波音速が低速である適宜の材料からなる。本実施形態では、低音速膜3,5は、酸化ケイ素からなる。
上記低音速膜3,5を構成する材料としては、酸化ケイ素に限らず、ガラス、酸窒化ケイ素、酸化タンタル、酸化ケイ素に、フッ素、炭素またはホウ素を加えた化合物などを用いることができる。
高音速膜4は、伝搬するバルク波音速が、圧電膜6を伝搬する弾性波の音速よりも高い適宜の材料からなる。本実施形態では、高音速膜4は、窒化ケイ素からなる。もっとも、高音速膜4は、窒化ケイ素の他、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、DLC膜、またはダイヤモンド、あるいはこれらの材料を主成分とする適宜の材料からなるものであってもよい。
低音速膜5の圧電膜6とは反対側の面に高音速膜4が積層されている。そのため高音速膜4よりも下方に弾性波が漏洩し難い。それによってQ値が高められている。
圧電膜6上には、IDT電極7,8が形成されている。デュプレクサ1は、第1の帯域通過型フィルタとしての送信フィルタ11と、第2の帯域通過型フィルタとしての受信フィルタ12とを有する。送信フィルタ11及び受信フィルタ12は、複数の弾性波共振子を有する。図1では、第1の電極として、送信フィルタ11を構成している1つの弾性波共振子のIDT電極7が図示されている。同様に、第2の電極として、受信フィルタ12を構成している弾性波共振子のうちの1つの弾性波共振子のIDT電極8が図示されている。
本実施形態の特徴は、上記低音速膜5及び高音速膜4が圧電膜6の下方に積層されている構造において、圧電膜6の厚みが、送信フィルタ11と、受信フィルタ12とで異なっていることにある。より詳細には、送信フィルタ11が構成されている部分の圧電膜6の厚みが、受信フィルタ12を構成している部分における圧電膜6の厚みよりも厚くされている。
従って、送信フィルタ11が構成されている部分では、圧電膜6の上面6aが、受信フィルタ12を構成している部分における圧電膜6の上面6bよりも高い位置にある。上面6aと上面6bとは、段差6cを介して連ねられている。
なお、段差6cは、上面6aから上面6bに至るにつれて徐々に高さが低くなるように傾斜されている。すなわち傾斜面により段差6cが形成されている。もっとも、段差6cは、上面6a,6bに直交する方向に延びる面により形成されていてもよい。
デュプレクサ1では、送信フィルタ11が構成されている部分の圧電膜6の厚みが、受信フィルタ12を構成している部分における圧電膜6の厚みよりも厚くされているため、送信フィルタ11の比帯域幅と、受信フィルタ12の比帯域幅とを異ならせることができる。従って、高音速膜4、低音速膜5及び圧電膜6を積層した積層構造を有し、小型化を図り得るだけでなく、送信フィルタ11及び受信フィルタ12の比帯域幅を容易に調整することが可能となる。
図2を参照して、上記デュプレクサ1の回路構成を説明する。
デュプレクサ1は、アンテナ13に接続されるアンテナ端子14を有する。アンテナ端子14とグラウンド電位との間にインダクタL1が接続されている。アンテナ端子14に、送信フィルタ11及び受信フィルタ12が接続されている。より詳細には、アンテナ端子14と送信端子15との間に送信フィルタ11が接続されている。また、アンテナ端子14と受信端子16との間に受信フィルタ12が接続されている。
送信フィルタ11は、直列腕共振子S1〜S5と、並列腕共振子P1〜P4とを有する。すなわち、送信端子15とアンテナ端子14とを結ぶ直列腕において、直列腕共振子S1〜S5が互いに直列に接続されている。なお、直列腕共振子S1と送信端子15との間にインダクタL2が接続されている。並列腕共振子P1は、直列腕共振子S1,S2間の接続点とグラウンド電位との間に接続されている。並列腕共振子P2の一端が、直列腕共振子S2,S3間の接続点に接続されている。並列腕共振子P3の一端が、直列腕共振子S3,S4間の接続点に接続されている。並列腕共振子P4の一端が、直列腕共振子S4,S5間の接続点に接続されている。並列腕共振子P2〜P4の他端同士が共通接続されており、インダクタL3を介してグラウンド電位に接続されている。
送信フィルタ11は、上記直列腕共振子S1〜S5及び並列腕共振子P1〜P4を有するラダー型の弾性波フィルタである。
受信フィルタ12は、5IDT型の縦結合共振子型弾性波フィルタ17を有する。縦結合共振子型弾性波フィルタ17とアンテナ端子14との間には、弾性波共振子18,19が接続されている。弾性波共振子18,19間の接続点とグラウンド電位との間に弾性波共振子20が接続されている。縦結合共振子型弾性波フィルタ17の出力端とグラウンド電位との間に弾性波共振子21が接続されている。
次に、具体的な実験例に基づき、上記実施形態によれば、送信フィルタ11及び受信フィルタ12の比帯域幅を容易に調整し、かつインピーダンスマッチングを良好にとり得ることを説明する。
以下の設計パラメータに基づき、上記実施形態のデュプレクサ1として、Band4のデュプレクサを作製した。Band4の送信周波数帯域は、1710〜1755MHzであり、受信周波数帯域は2110〜2155MHzである。Band4では、送信帯域と受信帯域との周波数差が広い。すなわち、送信帯域の中心周波数は1732.5MHzであり、受信帯域の中心周波数は2132.5MHzと離れている。
送信フィルタ11における積層構造:LiTaO膜(厚み600nm)/SiO膜(厚み570nm)/SiN膜(厚み1800nm)/SiO膜(厚み2000nm)/Si基板
受信フィルタ12における積層構造:LiTaO膜(厚み490nm)/SiO膜(厚み570nm)/SiN膜(厚み1800nm)/SiO膜(厚み2000nm)/Si基板
比較のために、受信フィルタにおける積層構造を送信フィルタと同等としたことを除いては、上記実施形態と同様にして、比較例のデュプレクサを作製した。
図3は、上記実施形態及び比較例のデュプレクサの減衰量−周波数特性を示す。図4は、上記実施形態及び比較例のデュプレクサのアンテナ端におけるインピーダンススミスチャートを示し、図5は受信端におけるインピーダンススミスチャートを示す。図3〜図5において、実線が実施形態の結果を、破線が比較例の結果を示す。
なお、送信フィルタ及び受信フィルタの設計パラメータは下記の表1〜表3に示す通りである。
送信フィルタの直列腕共振子S1〜S5及び並列腕共振子P1〜P4の設計パラメータを表1に示す。
Figure 0006497018
5IDT型の縦結合共振子型弾性波フィルタ17の設計パラメータを表2に示す。第1のIDT〜第5のIDTは、弾性表面波伝搬方向に沿って順に配置された第1〜第5のIDTである。
Figure 0006497018
受信フィルタにおいて用いられている弾性波共振子18〜21の設計パラメータを下記の表3に示す。
Figure 0006497018
図3から明らかなように、比較例では、受信フィルタの通過帯域において、波形が崩れていることがわかる。さらに、図4から明らかなように、アンテナ端のインピーダンススミスチャートにおいて、破線の巻いている部分が膨らんでおり、インピーダンスマッチングがずれていることがわかる。
これは、Band4では、上述したように、送信帯域の中心周波数と、受信帯域の中心周波数とが離れているため、送信フィルタにおけるIDT電極の電極指ピッチと、受信フィルタにおけるIDT電極の電極指ピッチとが大きく異なることによるためと考えられる。すなわち、電極指ピッチが大きく異なるため、送信フィルタの比帯域幅と受信フィルタの比帯域幅に差が生じてしまう。また、上記高音速膜4及び低音速膜5を積層した構造では、比帯域幅は、この積層構造の規格化膜厚H/λで決まるため、周波数が高い側の受信フィルタ12では、比帯域幅が小さくなり、インピーダンスマッチングがとり難い。
他方、図3から明らかなように、上記実施形態では、受信フィルタの通過帯域において波形が崩れていないことがわかる。これは、受信フィルタにおける積層構造の膜厚を上記のように設定しているため、すなわちLiTaOからなる圧電膜6の厚みを490nmと変更していることによる。送信フィルタの中心周波数が、受信フィルタの中心周波数の0.81倍であるため、LiTaOの膜厚を600nm×0.81=490nmとしたものである。そのため、受信フィルタの比帯域幅を送信フィルタと同等となるよう設計することができ、それによって受信フィルタの特性を改善することができたと考えられる。
また、図4及び図5から明らかなように、実施形態では、アンテナ端及び受信端におけるインピーダンスマッチングも良好であることがわかる。
なお、本実験例では、LiTaOの規格化膜厚を、送信フィルタと受信フィルタとで同一となるように設計した。すなわち、圧電膜6の実際の膜厚を異ならせたが、送信フィルタにおける圧電膜部分及び受信フィルタにおける圧電膜部分の規格化膜厚は同一となるように設計した。
もっとも、本発明においては、圧電膜の厚みだけでなく、低音速膜及び高音速膜の厚みを、送信フィルタと受信フィルタとで異ならせてもよい。すなわち、第1の帯域通過型フィルタを構成している部分における低音速膜及び高音速膜のうち少なくとも一方を、第2の帯域通過型フィルタを構成している部分における低音速膜及び高音速膜の少なくとも一方の厚みと異ならせてもよい。それによって温度特性の調整および高調波の抑止を実現することができる。
また、上記実施形態では、高音速膜4の下方に低音速膜3がさらに積層されていたが、下方の低音速膜3は省略されてもよい。
ここで、上記実施形態のデュプレクサ1の製造方法の一例を説明する。支持基板2上に、低音速膜3、高音速膜4、低音速膜5をスパッタリングなどの成膜方法により成膜する。次に、圧電膜6を成膜した後に、送信フィルタが構成される領域において、エリアマスクを配置し、受信フィルタが構成される領域側において、圧電膜6にレーザービームを照射すること等によりミリングする。このようにして、受信フィルタが構成される側において、圧電膜6の厚みを薄くすることができる。すなわち、図1の上面6a及び上面6bが段差6cを介して連ねられた圧電膜6を得ることができる。最後に、フォトリソグラフィー法等によりIDT電極7,8を形成する。このようにして、デュプレクサ1を得ることができる。
次に、本発明のデュプレクサの製造方法の第2の実施形態を、図6及び図7を参照して説明する。
図6(a)に示すように、Siからなる支持基板2上に、スパッタリングなどの薄膜形成方法により、SiOからなる低音速膜3を形成する。次に、図6(b)に示すように、同じくスパッタリングなどの薄膜形成方法により、SiNからなる高音速膜4を成膜する。
さらに、図6(c)に示すように、上記高音速膜4上に、SiO膜5aを成膜する。他方、片面にSiO膜5bが積層されているLiTaOからなる圧電膜6を用意する。この圧電膜6をSiO膜5b側から上記SiO膜5a上に積層する。このようにして、図6(d)に示す積層体が得られる。
しかる後、圧電膜6を研磨し、図7に示すようにマスクMを送信フィルタが構成される部分上に配置する。次に、レーザービームを矢印で示すように照射して、受信フィルタが構成される部分の圧電膜6をミリングする。それによって、上面6aに比べて低い上面6b及び段差6cを形成する。しかる後、フォトリソグラフィー法により、図1に示したIDT電極7,8を形成する。このようにして、厚みが異なる部分を有する圧電膜6を形成することができる。
図8(a)〜(c)、図9(a),(b)及び図10(a),(b)は、本発明のデュプレクサの製造方法の第3の実施形態を説明するための各模式的断面図である。図8(a)に示すように、支持基板2上に、SiOからなる低音速膜3をスパッタリング等により形成する。次に、図8(b)に示すように、SiOからなる低音速膜3上に、SiNからなる高音速膜4を成膜する。さらに、送信フィルタが構成される領域にレジスト層22を形成する。
次に、図8(c)に矢印で示すように、受信フィルタが構成される部分において、高音速膜4の厚みを薄くするようにエッチングする。しかる後、レジスト層22を除去する。
次に、上記高音速膜4上に、SiOからなる低音速膜5をスパッタリングなどにより形成する。図9(a)に示すように、下地の高音速膜4の厚みが受信フィルタ側において薄くなっている。そのため、SiOからなる低音速膜5の表面に段差が形成されている。次に、CMP研磨などにより低音速膜5の上面を平坦化する。しかる後、図9(b)に示すように、片面にSiO膜5cが積層されているLiTaOからなる圧電膜6を、SiO膜5c側から上記低音速膜5上に積層する。それによって、図10(a)に示す積層体が得られる。
次に、図10(b)に示すように、第2の実施形態の場合と同様に、エリアマスク24を送信フィルタが構成される部分上に配置する。その状態で、レーザービームを照射して、圧電膜6をミリングする。このようにして、上面6aと、上面6aよりも低い位置にある上面6bとが段差6cを介して連ねられた構造が得られる。
上記のような工程を経ているため、送信フィルタにおける低音速膜5の厚みが、受信フィルタにおける低音速膜5の厚みよりも薄くされている。それによって、温度特性を調整することができる。
また、高音速膜の膜厚においては、逆に、送信フィルタにおける高音速膜の膜厚が、受信フィルタにおける高音速膜の膜厚よりも厚くなっている。もっとも、高音速膜の膜厚の差は、低音速膜5の膜厚の差ほど影響を与えない。
図11(a)〜(c)〜図13(a)及び(b)を参照して、本発明のデュプレクサの製造方法の第4の実施形態を説明する。
まず、図11(a)に示すように、圧電膜6上にSiO膜5dを成膜する。しかる後、図11(a)に示すように、SiO膜5d上において、受信フィルタが構成される側にレジスト層25を載置し、矢印で示すようにエッチングを行なう。これによって、レジスト層25で覆われていない部分のSiO膜5dの厚みを相対的に薄くすることができる。次に、レジスト層25を除去し、図11(b)に示すように、SiNからなる高音速膜4をスパッタリング等により成膜する。
さらに、図11(c)に示すように、SiNからなる高音速膜4上にSiO膜3aを成膜する。高音速膜4及びSiO膜3aは、いずれも、送信フィルタが構成される側において、上面が受信フィルタが構成されている側に比べて低くなっている。
次に、図12(a)に示すように、上記SiO膜3aの上面をCMP研磨により平坦化する。
他方、図12(b)に示すように、支持基板2上にSiO膜3bを成膜する。次に、図13(a)に示すように、上記SiO膜3b上に、SiO膜3aが接触するように、図12(a)に示す積層体を、支持基板2上に接合する。この接合は熱処理等により行ない得る。しかる後、図13(b)に示すように、エリアマスク24を送信フィルタが構成される領域上に配置し、矢印で示すように圧電膜6をミリングする。このようにして、上面6a及び上面6bが段差6cを介して連ねられている圧電膜6を形成することができる。
なお、上記第3,第4の実施形態においても、圧電膜6を上記のように加工した後、周知のフォトリソグラフィー法によりIDT電極を形成すればよい。
図14に示す変形例のように、高音速材からなる支持基板31上に低音速膜5、圧電膜6が積層されていてもよい。このような高音速材としては、前述した高音速膜4を構成する材料のような適宜の高音速材料を用いればよい。
なお、上記実施形態では、送信フィルタ11がラダー型フィルタであり、受信フィルタ12が縦結合共振子型弾性波フィルタ17を有していたが、本発明のデュプレクサにおける第1,第2の帯域通過型フィルタの回路構成は特に限定されるものではない。すなわち、従来より公知の様々な弾性波フィルタにより第1,第2の帯域通過型フィルタを構成することができる。
1…デュプレクサ
2…支持基板
3,5…低音速膜
3a,3b,5a〜5d…SiO
4…高音速膜
6…圧電膜
6a,6b…上面
6c…段差
7,8…IDT電極
11…送信フィルタ
12…受信フィルタ
13…アンテナ
14…アンテナ端子
15…送信端子
16…受信端子
17…縦結合共振子型弾性波フィルタ
18〜21…弾性波共振子
22…レジスト層
24…エリアマスク
25…レジスト層
31…支持基板
L1〜L3…インダクタ
M…マスク
P1〜P4…並列腕共振子
S1〜S5…直列腕共振子

Claims (8)

  1. 圧電膜を有するデュプレクサであって、
    圧電膜を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波音速が高速である高音速材と、 前記高音速材上に積層されており、前記圧電膜を伝搬するバルク波音速よりも伝搬するバルク波音速が低速である低音速膜と、
    前記低音速膜上に積層された前記圧電膜と、
    前記圧電膜の一方面に形成されており、第1の帯域通過型フィルタを構成している第1の電極と、
    前記圧電膜の一方面に形成されており、第2の帯域通過型フィルタを構成している第2の電極とを備え、
    前記第1の帯域通過型フィルタが構成されている部分における前記圧電膜の厚みが、前記第2の帯域通過型フィルタが構成されている部分における前記圧電膜の厚みと異なっており、前記第1の帯域通過型フィルタを構成している部分における前記低音速膜の厚みが前記第2の帯域通過型フィルタを構成している部分における前記低音速膜の厚みと異なっているか、または、前記第1の帯域通過型フィルタを構成している部分における前記高音速材の厚みが前記第2の帯域通過型フィルタを構成している部分における前記高音速材の厚みと異なっている、デュプレクサ。
  2. 前記第1の帯域通過型フィルタが構成されている部分における圧電膜と、前記第2の帯域通過型フィルタを構成している部分における前記圧電膜とが連なっている、請求項1に記載のデュプレクサ。
  3. 前記第1の帯域通過型フィルタが構成されている部分における圧電膜と、前記第2の帯域通過型フィルタを構成している部分における前記圧電膜とが段差を経て連なっている、請求項2に記載のデュプレクサ。
  4. 支持基板をさらに備え、前記高音速材が、前記支持基板上に形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデュプレクサ。
  5. 前記高音速材が1枚の高音速支持基板である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデュプレクサ。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のデュプレクサの製造方法であって、
    高音速材上に、低音速膜を積層する工程と、
    前記低音速膜上に、圧電膜を形成する工程と、
    前記圧電膜上にレジストを付与する工程と、
    前記圧電膜をエッチングする工程と、
    前記エッチング後に、前記レジストを除去し、前記圧電膜に、厚みの相対的に厚い部分と、相対的に薄い部分とを設ける工程と、
    前記圧電膜の一方面に前記第1及び第2の電極を形成する工程と
    前記圧電膜の形成に先立ち、前記低音速膜または前記高音速材において、前記第1の帯域通過型フィルタが構成される部分と、前記第2の帯域通過型フィルタが構成される部分とにおいて厚みを異ならせる工程とを備える、デュプレクサの製造方法。
  7. 支持基板を用意する工程と、
    前記支持基板上に前記高音速材を積層する工程とをさらに備える、請求項6に記載のデュプレクサの製造方法。
  8. 前記高音速材として、高音速支持基板を用意し、該高音速支持基板上に前記低音速膜を積層する、請求項6に記載のデュプレクサの製造方法。
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