JP5890827B2 - 人工肺 - Google Patents

人工肺 Download PDF

Info

Publication number
JP5890827B2
JP5890827B2 JP2013507588A JP2013507588A JP5890827B2 JP 5890827 B2 JP5890827 B2 JP 5890827B2 JP 2013507588 A JP2013507588 A JP 2013507588A JP 2013507588 A JP2013507588 A JP 2013507588A JP 5890827 B2 JP5890827 B2 JP 5890827B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
blood
fiber membrane
gas
artificial lung
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013507588A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012133372A1 (ja
Inventor
竹内 和彦
和彦 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Original Assignee
TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TRUMO KABUSHIKI KAISHA filed Critical TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Priority to JP2013507588A priority Critical patent/JP5890827B2/ja
Publication of JPWO2012133372A1 publication Critical patent/JPWO2012133372A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5890827B2 publication Critical patent/JP5890827B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M1/00Suction or pumping devices for medical purposes; Devices for carrying-off, for treatment of, or for carrying-over, body-liquids; Drainage systems
    • A61M1/14Dialysis systems; Artificial kidneys; Blood oxygenators ; Reciprocating systems for treatment of body fluids, e.g. single needle systems for hemofiltration or pheresis
    • A61M1/16Dialysis systems; Artificial kidneys; Blood oxygenators ; Reciprocating systems for treatment of body fluids, e.g. single needle systems for hemofiltration or pheresis with membranes
    • A61M1/1698Blood oxygenators with or without heat-exchangers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D63/00Apparatus in general for separation processes using semi-permeable membranes
    • B01D63/02Hollow fibre modules
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D63/00Apparatus in general for separation processes using semi-permeable membranes
    • B01D63/02Hollow fibre modules
    • B01D63/026Wafer type modules or flat-surface type modules
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/08Hollow fibre membranes
    • B01D69/081Hollow fibre membranes characterised by the fibre diameter
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/26Polyalkenes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/26Polyalkenes
    • B01D71/261Polyethylene
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/26Polyalkenes
    • B01D71/262Polypropylene
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M1/00Suction or pumping devices for medical purposes; Devices for carrying-off, for treatment of, or for carrying-over, body-liquids; Drainage systems
    • A61M1/36Other treatment of blood in a by-pass of the natural circulatory system, e.g. temperature adaptation, irradiation ; Extra-corporeal blood circuits
    • A61M1/3621Extra-corporeal blood circuits
    • A61M1/3623Means for actively controlling temperature of blood

Description

本発明は、人工肺に関するものである。
従来、人工肺としては、多数本の中空糸膜を積層した中空糸膜層を用いてガス交換を行う構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の人工肺は、ハウジングと、ハウジング内に収納された、全体形状が円筒状の中空糸膜層と、血液流入口および血液流出口と、ガス流入口およびガス流出口とを有し、各中空糸膜を介して血液とガスとの間でガス交換、すなわち酸素加、脱炭酸ガスが行われる。
ところで、人工肺においては、体外循環血液量を削減するため、血液の充填量の削減が求められている。
しかしながら、従来の人工肺では、ガス交換性能を低下させず、かつ血液を流すときの圧力損失を増大させることなく、血液の充填量を削減することはできなかった。
特許第4366268号公報
本発明の目的は、良好なガス交換性能を有し、血液を流すときの圧力損失が比較的小さく、かつ血液の充填量が少ない人工肺を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、ハウジングと、
前記ハウジング内に収納され、ガス交換機能を有する中空糸膜が多数本集積された中空糸膜層と、
前記各中空糸膜の内腔をガス流路として、該ガス流路の上流側および下流側にそれぞれ設けられたガス流入部およびガス流出部と、
前記各中空糸膜の外側を血液流路として、該血液流路の上流側および下流側にそれぞれ設けられた血液流入部および血液流出部とを備える人工肺であって、
前記中空糸膜層の前記各中空糸膜は、一端部および他端部においてそれぞれ互いに固定されており、
前記中空糸膜層の固定された部位における隣り合う前記中空糸膜同士の平均離間距離をε[μm]、前記中空糸膜の外径をOD[μm]、前記中空糸膜の内径をID[μm]、前記中空糸膜のガス交換に寄与する部位の長さをL[mm]としたとき、
30≦ε≦60、
OD≦4.5×ε、
120≦OD≦220、
0.55×OD≦ID≦0.8×OD、
60≦ID≦160、
L≦1.3×ID、
50≦L≦200、
であることを特徴とする人工肺である。
本発明の人工肺では、前記ハウジングにおける血液の充填量は、単位膜面積当り、25〜50mL/mであることが好ましい。
本発明の人工肺では、前記中空糸膜は、多孔質のポリプロピレンまたはポリメチルペンテンで構成されていることが好ましい。
本発明の人工肺では、前記中空糸膜層は、全体形状としてほぼ直方体の形状をなしていることが好ましい。
本発明の人工肺では、前記中空糸膜層は、全体形状としてほぼ円筒状をなしていることが好ましい。
図1は、本発明の人工肺の第1実施形態を示す斜視図である。 図2は、図1中のA−A線断面図である。 図3は、図1に示す人工肺における人工肺部の横断面図である。 図4は、図2中の右側下部(中空糸膜層およびフィルタ部材)の拡大断面図である。 図5は、図1に示す人工肺における中空糸膜層および隔壁を摸式的に示す斜視図である。 図6は、図1に示す人工肺における中空糸膜を示す斜視図である。 図7は、本発明の人工肺の第2実施形態を示す平面図である。 図8は、図7に示す人工肺を矢印B側から見た図である。 図9は、図8中のC−C線断面図である。 図10は、図8中の矢印D側から見た図である。 図11は、図7中のE−E線断面図である。 図12は、図11中のF−F線断面図である。
以下、本発明の人工肺を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の人工肺の第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示す人工肺における人工肺部の横断面図、図4は、図2中の右側下部(中空糸膜層およびフィルタ部材)の拡大断面図、図5は、図1に示す人工肺における中空糸膜層および隔壁を摸式的に示す斜視図、図6は、図1に示す人工肺における中空糸膜を示す斜視図である。なお、図1および図2中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」、左側を「血液流入側」または「上流側」、右側を「血液流出側」または「下流側」として説明する。また、図5における中空糸膜の本数は、実際のものとは異なる。
図1〜図6に示す実施形態の人工肺1は、血液に対しガス交換を行う人工肺部1Aと血液に対し熱交換を行う熱交換部(熱交換器)1Bとを備える熱交換器付き人工肺であり、例えば血液体外循環回路中に設置されるものである。
この人工肺1は、人工肺部1A側のハウジング2と、熱交換器1B側の熱交換器ハウジング5とを有し、これらは連結(接合)または一体化されている。まず、人工肺部1Aについて説明する。
ハウジング2は、角筒状、すなわち横断面が四角形(長方形または正方形)をなす筒状のハウジング本体(以下「角筒状ハウジング本体」と言う)21と、角筒状ハウジング本体21の上端開口を封止する皿状の第1のヘッダー(上部蓋体)22と、角筒状ハウジング本体21の下端開口を封止する皿状の第2のヘッダー(下部蓋体)23とで構成されている。
角筒状ハウジング本体21、第1のヘッダー22および第2のヘッダー23は、それぞれ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、MS樹脂、MBS樹脂、ABS樹脂、BS樹脂)、ポリカーボネート等の樹脂材料あるいは種々のセラミックス材料、金属材料等で構成されている。角筒状ハウジング本体21に対し、第1のヘッダー22および第2のヘッダー23は、融着や接着剤による接着等の方法により固着されている。
角筒状ハウジング本体21には、その血液流出側の下部に円管状の血液流出ポート(血液流出口)28が突出形成されている。第1のヘッダー22の上部には、管状のガス流入ポート26が突出形成されている。また、第2のヘッダー23の下部には、管状のガス流出ポート27が突出形成されている。ガス流入ポート26は、その途中でほぼ直角に屈曲し、先端部が血液流出ポート28と平行な方向に向いている。
このようなハウジング2は、全体形状がほぼ直方体をなしている。このハウジング2の形状に由来して、本発明の人工肺1は、次のような効果を奏する。すなわち、まず第1に、ハウジング2が直方体形状であるため、内部に中空糸膜31を効率良く収納することができ、デッドスペースが小さく、そのため、小型の人工肺1で効率の良いガス交換を行うことができる。第2に、ハウジング2を例えば固定用基板に固定する場合に、ハウジング2の外面が平面であるため、固定を容易かつ確実に行うことができる。第3に、ハウジング2の内部に中空糸膜31を収納する際、ハウジング2の内部が平面で画成されているため、中空糸膜31に対して当該中空糸膜31を曲げる等のような負荷をかけることが防止される。
なお、本発明において、ハウジング2の全体形状は、必ずしも完全な直方体形状をなしている必要はなく、例えば全部または一部の角部に面取りや丸み付けがなされているものでもよく、あるいは、一部が欠損している形状、異形部分が付加された形状などでもよい。
図2〜図4に示すように、ハウジング2の内部には、ガス交換機能を有する中空糸膜31が多数本集積された中空糸膜層3と、中空糸膜層3の血液流出ポート28(血液流出部)側に設けられた気泡除去手段4としてのフィルタ部材41が収納されている。中空糸膜層3とフィルタ部材41とは、血液流入側から、中空糸膜層3、フィルタ部材41の順に配置されている。
図4に示すように、中空糸膜層3を構成する中空糸膜31は、そのほとんどがほぼ平行に配置されている。この場合、各中空糸膜31は、その長手方向が上下方向(鉛直方向)となるように配置されている。
なお、中空糸膜層3における中空糸膜31の配設パターン、配設方向等は、上述したもの限定されず、例えば、各中空糸膜31が水平な方向に配置された構成、中空糸膜31同士が斜めに交差する部分(交差部)を有する構成、全部または一部の中空糸膜31が湾曲して配置された構成、全部または一部の中空糸膜31が波状、螺旋状、渦巻き状または環状に配置された構成等であってもよい。
各中空糸膜31の両端部、すなわち上端部(一端部)および下端部(他端部)は、それぞれ、隔壁8および9により角筒状ハウジング本体21の内面に対し固定されている(図2参照)。これにより、各中空糸膜31の両端部は、それぞれ、互いに固定された状態になっている。隔壁8、9は、例えば、ポリウレタン、シリコーンゴム等のポッティング材や接着剤等により構成されている。
また、中空糸膜層3は、その幅方向の両端部がそれぞれ固着部7により、角筒状ハウジング本体21の内面に対し固定(固着)されている(図3参照)。固着部7は、前記隔壁8、9と同様の材料(ポッティング材や接着剤等)で構成されている。
第1のヘッダー22と隔壁8とにより、第1の部屋221が画成されている。この第1の部屋221は、ガスが流入するガス流入室である。各中空糸膜31の上端開口は、第1の部屋221に開放し、連通している。
一方、第2のヘッダー23と隔壁9とにより、第2の部屋231が画成されている。この第2の部屋231は、ガスが流出してくるガス流出室である。各中空糸膜31の下端開口は、第2の部屋231に開放し、連通している(図4参照)。
各中空糸膜31の内腔は、ガスが流れるガス流路32を構成している。ガス流入ポート26および第1の部屋221により、ガス流路32の上流側に位置するガス流入部が構成され、ガス流出ポート27および第2の部屋231により、ガス流路32の下流側に位置するガス流出部が構成される。
中空糸膜層3は、角筒状ハウジング本体21の内部にほぼ隙間なく充填されており、これにより、中空糸膜層3は、全体形状としてほぼ直方体の形状をなしている。これにより、同様の形状の角筒状ハウジング本体21に対し、中空糸膜31の高い充填効率が得られ(デッドスペースが少なく)、人工肺部1Aの小型化、高性能化に寄与する。
ハウジング2内の隔壁8と隔壁9との間における各中空糸膜31は、露出しており、各中空糸膜31の外側、すなわち、中空糸膜31同士の隙間に、血液が図2、図3中左側から右側に向かって流れる血液流路33が形成されている。
血液流路33の上流側(中空糸膜層3の上流側の面側)、すなわち角筒状ハウジング本体21と熱交換器ハウジング5との連結部には、血液流入部として、上下方向(中空糸膜31の配設方向とほぼ平行な方向)に延びる帯状またはスリット状の血液流入側開口部(血液流入側空間)24が形成されている。ハウジング2の内部と熱交換器ハウジング5の内部とは、この血液流入側開口部24を介して連通する。このような構成とすることにより、熱交換部1Bから人工肺部1Aへの血液の移送を効率良く行うことができる。
血液流入側開口部24の長さ(上下方向の長さ)は、各中空糸膜31の有効長(隔壁8の下面から隔壁9の上面までの長さ)とほぼ等しい(図2参照)か、またはそれより若干短い(有効長の70%以上)のが好ましい。これにより、熱交換部1Bから人工肺部1Aへの血液の移送を効率良く行うことができるとともに、血液流路33内で血液に対するガス交換を効率良く行うことができる。
また、血液流路33の少なくとも上流側(血液流入側開口部24側)では、血液の流れの方向は、各中空糸膜31の長手方向とほぼ直交する方向である。これにより、血液流路33を流れる血液に対し、効率の良いガス交換を行うことができる。
血液流路33の下流側(中空糸膜層3の下流側の面側)においては、フィルタ部材41と角筒状ハウジング本体21の内面との間に隙間が形成され、この隙間は、血液流出側開口部(血液流出側空間)25を形成している。この血液流出側開口部25と、血液流出側開口部25に連通する血液流出ポート28とで、血液流出部が構成される。血液流出部は、血液流出側開口部25を有することにより、フィルタ部材41を透過した血液が血液流出ポート28に向かって流れる空間が確保され、血液を円滑に排出することができる。
そして、血液流入側開口部24と血液流出側開口部25との間に、中空糸膜層3と、フィルタ部材41と、血液流路33とが存在している。
次に、中空糸膜31および中空糸膜層3について説明する。
中空糸膜31としては、例えば、多孔質ガス交換膜が用いられる。この多孔質中空糸膜としては、肉厚が5〜200μm程度、好ましくは10〜100μm程度、空孔率が20〜80%程度、好ましくは30〜60%程度、細孔径が0.001〜5μm程度、好ましくは0.002〜1μm程度のものを用いることができる。
また、中空糸膜31の構成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルペンテン等の疎水性高分子材料が用いられる。好ましくは、ポリオレフィン系樹脂であり、より好ましくは、ポリプロピレンまたはポリメチルペンテンであり、延伸法または固液相分離法により壁部に微細孔が形成されたものがより好ましい。すなわち、多孔質のポリプロピレンまたはポリメチルペンテンがより好ましい。
また、図5および図6に示すように、中空糸膜層3の両端部、すなわち中空糸膜層3の隔壁8および9により固定された部位における隣り合う中空糸膜31同士の平均離間距離をε[μm]、中空糸膜31の外径をOD[μm]、中空糸膜31の内径をID[μm]、中空糸膜31の隔壁8、9により固定されていない部位、すなわち中空糸膜31のガス交換に寄与する部位の長さ(有効長)をL[μm]としたとき、中空糸膜層3は、下記の条件を満足するように構成されている。以下、中空糸膜31のガス交換に寄与する部位の長さを、単に「有効長」とも言う。なお、中空糸膜31の長さは、その中空糸膜31に沿って測定したときの長さであり、例えば、中空糸膜31が螺旋状に巻回されている場合は、その螺旋に沿って測定したときの長さである。また、平均離間距離εについては、一方向、図5および図6に示す構成では左右方向における離間距離である。すなわち、図5中の上下方向に並ぶ中空糸膜31同士は、互いに接触しており、そのデータは、平均離間距離εの算出には使用しない。
まず、平均離間距離ε[μm]および中空糸膜31の外径OD[μm]については、それぞれ、下記の条件を満足するように設定されている。
30≦ε≦60、OD≦4.5×ε
平均離間距離εおよび外径ODを前記範囲内に設定することにより、ガス交換性能を低下させることなく、血液を流すときの圧力損失も増大させること無く、人工肺部1Aの血液の充填量を削減することができ、ひいては人工肺1の血液の充填量を少なくすることができる。
すなわち、平均離間距離εが前記上限値よりも大きいと、ガス交換性能が低くなり、また、前記下限値よりも小さいと、血液を流すときの圧力損失が大きくなる。
また、中空糸膜31の外径ODが前記上限値よりも大きいと、血液の充填量が増大する。
なお、中空糸膜31のガス交換に寄与する部位における中空糸膜31同士の離間距離は、中空糸膜31の両端部における中空糸膜31同士の離間距離に対応したものとなる。このため、平均離間距離εは、中空糸膜31の両端部において規定している。
また、中空糸膜層3において、中空糸膜31の上端部の平均離間距離と下端部の平均離間距離とは、等しいことが好ましい。これにより、血液を効率良く流すことができる。
なお、平均離間距離ε[μm]については、30≦ε≦60であることが好ましく、35≦ε≦55であることがより好ましい。
また、中空糸膜31の外径OD[μm]については、100≦OD≦4.5×εであることが好ましく、100≦OD≦270であることがより好ましく、120≦OD≦220であることがさらに好ましい。
また、中空糸膜31の内径ID[μm]については、特に限定されないが、0.55×OD≦ID≦0.8×ODであることが好ましく、60≦ID≦160であることがより好ましい。
これにより、中空糸膜31の強度を保ちつつ、中空糸膜31の内腔にガスを流すときの圧力損失を比較的小さくすることができる。すなわち、中空糸膜31の内径IDが前記上限値よりも大きいと、中空糸膜31の厚さが薄くなり、他の条件によっては、強度が低下する。また、内径IDが前記下限値よりも小さいと、他の条件によっては、中空糸膜31の内腔にガスを流すときの圧力損失が大きくなる。
また、中空糸膜31の有効長L[mm]については、特に限定されないが、L≦1.3×IDであることが好ましく、50≦L≦1.3×IDであることがより好ましく、50≦L≦200であることがさらに好ましい。
これにより、中空糸膜31の内腔にガスを流すときの圧力損失を比較的小さくすることができる。すなわち、中空糸膜31の有効長Lが前記上限値よりも大きいと、他の条件によっては、中空糸膜31の内腔にガスを流すときの圧力損失が大きくなる。
また、中空糸膜層3の厚さ(図2中横方向の長さ)は、特に限定されないが、10〜100mm程度であるのが好ましく、20〜80mm程度であるのがより好ましい。
また、中空糸膜層3の幅(図3中縦方向の長さ)は、特に限定されないが、10〜100mm程度であるのが好ましく、20〜80mm程度であるのがより好ましい。
このような中空糸膜31の製造方法は、特に限定されないが、例えば、延伸法または固液相分離法等を用いて、紡止スピード、樹脂の吐出量等の条件を適宜調整することにより、所定の外径および内径を有する中空糸膜31を製造することができる。
また、各中空糸膜31を所定の離間距離で並べて中空糸膜層3を形成する方法は、特に限定されないが、一例として、各中空糸膜31を螺旋状に配置する場合は、例えば、中空糸膜31が巻き付けられる筒状のコアを回転させる回転装置と、ワインダー装置とを備えるシステムを用いる。回転装置とワインダー装置との少なくとも一方は、前記コアの軸方向に移動するようになっている。また、システムにおける隣り合う中空糸膜31の離間距離は、平均離間距離εに設定する。そして、回転装置とワインダー装置とをコアの軸方向に相対的に移動させつつ、ワインダー装置から中空糸膜31を送り出し、回転装置でコアを回転させる。これにより、各中空糸膜31は、平均離間距離εでコアに螺旋状に巻き付けられる。なお、中空糸膜31を1本ずつ巻き付けてもよく、複数本を同時に巻き付けてもよい。
なお、各中空糸膜31を螺旋状に配置する場合、その上端部や下端部では、それぞれ、中空糸膜31の中心軸は、上下方向を向いていてもよく、また、上下方向に対して傾斜していてもよい。
この人工肺1では、前記中空糸膜層3を有することにより、ハウジング2、すなわち人工肺部1Aにおける血液の充填量を、人工肺1の単位膜面積当り、例えば、25〜50mL/m程度とすることができ、特に、30〜45mL/m程度とすることができる。
したがって、人工肺1の血液の充填量は、熱交換部1Bにおける血液の充填量等にもよるが、例えば、30〜90mL/m程度とすることができ、特に、35〜85mL/m程度とすることができる。
また、前述したように、中空糸膜層3の下流側(血液流出部側)には、血液中の気泡を捕捉しつつ、血液から除去する機能を有する気泡除去手段4が設置されている。図2〜図4に示すように、気泡除去手段4は、フィルタ部材41を有している。
フィルタ部材41は、血液流路33を流れる血液中に存在する気泡を捕捉する機能を有するものである。
フィルタ部材41は、ほぼ長方形をなす平坦なシート状の部材(以下単に「シート」とも言う)で構成され、その縁部(4つの辺)が隔壁8、9および両固着部7により固着されることにより、ハウジング2に対し固定されている。
なお、フィルタ部材41の平面形状は、図示の実施形態では、長方形(または正方形)をなしているが、フィルタ部材41の平面形状はこれに限らず、例えば、台形、平行四辺形、楕円形、長円形等、その形状は特に限定されない。
また、フィルタ部材41は、図示の実施形態では、平坦なシートで構成されているが、これに限らず、非平坦なもの、例えば、全部または一部が湾曲した形状のもの、波状、蛇腹状等に変形したもの等であってもよい。
このようなフィルタ部材41は、その片面が中空糸膜層3の下流側(血液流出部側)の面に接して設けられ、該面のほぼ全面を覆っている。フィルタ部材41をこのように設けることにより、フィルタ部材41の有効面積を大きくすることができ、気泡を捕捉する能力を十分に発揮することができる。また、フィルタ部材41の有効面積が大きくなることにより、たとえフィルタ部材41の一部に目詰まり(例えば血液の凝集塊などの付着)が生じたとしても、全体として血液の流れを妨げることを防止(抑制)することができる。
フィルタ部材41とハウジング2との間には、間隙、すなわち、血液流出側開口部25が形成されている(図2〜図4参照)。これにより、フィルタ部材41がハウジング2の内面に接する(密着する)ことが抑制され、フィルタ部材41を透過した血液が血液流出側開口部25内において容易に流下し、血液流出ポート28へ向かって円滑に流れることができる。
このように配置されたフィルタ部材41を有する人工肺1は、図2に示す姿勢で使用される。この場合、血液流出ポート28は、人工肺1を使用する際の鉛直下方の位置に設けられている。すなわち、血液流出側開口部25の下部に血液流出ポート28の内腔が連通しており、フィルタ部材41を通過し、血液流出側開口部25に入った血液は、血液流出側開口部25内を下方に向けて流れ、血液流出ポート28よりハウジング2外へ流出する。
そして、フィルタ部材41は、血液流路33を流れる血液中に気泡が存在していたとしても、その気泡を捕捉することができる。また、フィルタ部材41により捕捉された気泡は、血流によって、フィルタ部材41近傍の各中空糸膜31内に押し込まれて入り込み、その結果、血液流路33から除去される。
フィルタ部材41の形態としては、例えば、メッシュ状(網状)をなすもの、織布、不織布、あるいはこれらを組み合わせたものが挙げられるが、このなかでも、メッシュ状(網状)をなすものが好ましく、特に、スクリーンフィルタが好ましい。これにより、気泡を双方のフィルタ部材で確実に捕捉することができるとともに、血液が容易に通過することができる。
フィルタ部材41がメッシュ状をなすものである場合、その目開きは、特に限定されないが、通常は、80μm以下であるのが好ましく、15〜60μm程度であるのがより好ましく、20〜45μmであるのがさらに好ましい。これにより、血液の通過抵抗を増大させることなく、比較的細かい気泡をも捕捉することができ、気泡の捕捉効率(除去能)が高い。
フィルタ部材41の構成材料としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン、セルロース、ポリウレタン、アラミド繊維等が挙げられる。特に、抗血栓性に優れ、目詰まりを生じ難いという点で、各フィルタ部材の構成材料として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリウレタンを用いるのが好ましい。
また、フィルタ部材41は、親水性を有するのが好ましい。すなわち、フィルタ部材41は、それ自体が親水性を有する材料で構成されているか、または、親水化処理(例えば、プラズマ処理、コーティング等)が施されていることが好ましい。これにより、人工肺1のプライミング時の気泡除去が容易になるだけでなく、気泡が混入した血液が通過する際には、気泡の通過がより困難となるため、フィルタ部材41の気泡除去能がより向上し、血液流出ポート28からの気泡の流出をより確実に防止することができる。
このようなフィルタ部材41は、シート状(特にスクリーンフィルタのようなメッシュ)のものを1枚用いても、あるいはこれを2枚以上重ねて用いてもよい。2枚以上重ねて用いる場合、各シートは、その形態、構成材料、目開き、平坦/非平坦の別、平面形状等の条件のうちの少なくとも1つが異なるものを組み合わせて用いるのが好ましい。これは、フィルタ部材41に多彩な(複合的な)機能を持たせたり、気泡除去能をさらに向上するのに有利だからである。例えば、フィルタ部材41として、目開きの異なる2枚のメッシュを重ねて用いた場合(上流側に目開きの大きいメッシュを配置)、目開きの大きいメッシュでまず比較的大きい気泡を捕捉し、該メッシュを通過した細かい気泡を目開きの小さいメッシュで捕捉することができ、血液の通過抵抗を増大させることなく、気泡除去能を向上することができる。
次に、熱交換部(熱交換器)1Bについて説明する。熱交換器1Bは、熱交換器ハウジング5を有している。熱交換器ハウジング5は、ほぼ円筒状をなし、その上端および下端は閉じている。熱交換器ハウジング5の内部には、血液室50が形成されている。熱交換器ハウジング5の下端(下面)には、管状の熱媒体流入ポート52および熱媒体流出ポート53が突出形成されている。また、熱交換器ハウジング5の図2中左側の下部には、管状の血液流入ポート51が突出形成されている。血液流入ポート51の内腔は、血液室50と連通している。
熱交換器ハウジング5の内部には、全体形状が筒状をなす熱交換体54と、熱交換体54の内周に沿って配置された円筒状の熱媒体室形成部材(円筒壁)55と、熱媒体室形成部材55の内側空間を流入側熱媒体室57と流出側熱媒体室58とに区分する区画壁56とが設置されている。熱媒体室形成部材55は、熱交換体54の内側に熱媒体が一旦貯留される熱媒体室を形成する機能を有するとともに、筒状の熱交換体の変形を規制する機能を有している。
熱媒体室形成部材55および区画壁56は、熱交換器ハウジング5に対し例えば融着、接着剤による接着等の方法により固定されている。熱媒体室形成部材55と区画壁56とは、別部材でも一体的に形成されたものでもよい。
また、熱媒体室形成部材55には、その壁部を貫通する上下方向に延びた帯状の開口59a、59bが形成されている。開口59aと開口59bとは、区画壁56を介して対抗する位置に配置されている(図3参照)。開口59aは、流入側熱媒体室57に連通し、開口59bは、流出側熱媒体室58に連通している。
熱交換体54としては、図2に示すような、いわゆるベローズ型熱交換体(蛇腹管)を用いることができる。このベローズ型熱交換体54は、軸方向中央部の側面にほぼ平行に形成された多数の中空環状突起を備える蛇腹形成部と、その両端(上下端)に形成され、蛇腹形成部の内径とほぼ等しい円筒部とを備えている。この熱交換体54は、ステンレス、アルミニウム等の金属材料、またはポリエチレン、ポリカーボネート等の樹脂材料により構成されている。強度、熱交換効率の面からステンレス、アルミニウム等の金属材料が好ましい。特に、熱交換体54の軸方向(中心軸)に対してほぼ直交する凹凸が多数繰り返された波状となっている金属製のベローズ管で構成されているのが好ましい。
熱交換器ハウジング5、熱媒体室形成部材55および区画壁56の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、MS樹脂、MBS樹脂、ABS樹脂、BS樹脂)、ポリカーボネート等の樹脂材料あるいは種々のセラミックス材料、金属材料等が挙げられる。
以下、人工肺1の熱交換部1Bにおける熱媒体の流れについて、図1〜図3を参照しつつ説明する。
熱媒体流入ポート52より流入した熱媒体は、まず流入側熱媒体室57に入り、開口59aを通って熱媒体室形成部材55の外周側に流れ込み、熱媒体室形成部材55の外周のほぼ全周に広がり、熱交換体54の蛇腹の多数の凹部(中空環状突起の内側)に入る。これにより、熱媒体に接触した熱交換体54は加温または冷却される。そして、熱交換体54の外周側を流れる血液との間で熱交換(加温または冷却)が行われる。
熱交換体54の加温または冷却に供された熱媒体は、開口59bを通って流出側熱媒体室58に入り、熱媒体流出ポート53より排出される。
なお、図示の実施形態と異なり、本発明においては、熱交換部1Bは、人工肺部1Aの下流側に設けられていてもよい。さらに。本発明では、熱交換部1Bは、存在しなくてもよい。
次に、本実施形態の人工肺1における血液の流れについて説明する。
この人工肺1では、血液流入ポート51から流入した血液は、血液室50、すなわち熱交換器ハウジング5の内周面と熱交換体54との間に流れ込み、熱交換体54の複数の中空環状突起の外面と接触して熱交換(加温または冷却)がなされる。このようにして熱交換がなされた血液は、血液室50の下流側に集まり、血液流入側開口部24を通って人工肺部1Aのハウジング2内へ流入する。
血液流入側開口部24を経た血液は、血液流路33を下流方向に向かって流れる。一方、ガス流入ポート26から供給されたガス(酸素を含む気体)は、第1の部屋221より各中空糸膜31の内腔であるガス流路32に分配され、該ガス流路32を流れた後、第2の部屋231に集積され、ガス流出ポート27より排出される。血液流路33を流れる血液は、各中空糸膜31の表面に接触し、ガス流路32を流れるガスとの間でガス交換(酸素加、脱炭酸ガス)がなされる。
ガス交換がなされた血液中に気泡が混入している場合、この気泡は、フィルタ部材41により捕捉され、フィルタ部材41の下流側には流出しない。
以上のようにしてガス交換がなされ、気泡が除去された血液は、血液流出ポート28より流出する。
本実施形態の人工肺1において、血液と接触する面(例えば、ハウジング2の内面、熱交換器ハウジング5の内面、熱媒体室形成部材55の表面、固着部7、隔壁8、9の血液流路33に臨む面)は、抗血栓性表面となっていることが好ましい。抗血栓性表面は、抗血栓性材料を表面に被覆し、さらには固定することにより形成することができる。抗血栓性材料としては、ヘパリン、ウロキナーゼ、HEMA−St−HEMAコポリマー、ポリHEMA等が挙げられる。
人工肺1において、血液流入ポート51から流入する血液の流量は、患者の体格、術式(手術の方式)により異なるため、特に限定されないが、一般的に、乳児から小児では、0.1〜2.0L/分程度が好ましく、中人では、2.0〜5.0L/分程度が好ましく、成人では、3.0〜7.0L/分程度が好ましい。
人工肺1において、ガス流入ポート26から供給されるガスの流量は、患者の体格、術式により異なるため、特に限定されないが、一般的に、乳児から小児では、0.05〜4.0L/分程度が好ましく、中人では、1.0〜10.0L/分程度が好ましく、成人では、1.5〜14.0L/分程度が好ましい。
また、ガス流入ポート26から供給されるガス中の酸素濃度は、手術中の患者の酸素・炭酸ガスの代謝量により異なるため、特に限定されないが、40〜100%とすることができる。
また、人工肺1の最大連続運転時間は、患者の様態、術式により異なるため、特に限定されないが、一般的に、2〜6時間程度とすることができる。また、人工肺1の最大連続運転時間は、稀に、10時間程度の長時間に及んでもよい。
<人工肺の第2実施形態>
図7は、本発明の人工肺の第2実施形態を示す平面図、図8は、図7に示す人工肺を矢印B側から見た図、図9は、図8中のC−C線断面図、図10は、図8中の矢印D側から見た図、図11は、図7中のE−E線断面図、図12は、図11中のF−F線断面図、図11は、図7に示す人工肺を備えた体外循環装置を示す概略図である。なお、図7、図9および図10中の左側を「左」または「左方」、右側を「右」または「右方」という。また、図7〜図12中、人工肺の内側を「血液流入側」または「上流側」、外側を「血液流出側」または「下流側」として説明する。
以下、これらの図を参照して本発明の人工肺の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、人工肺の全体形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図7〜図12に示す図示の実施形態の人工肺10は、全体形状(外形形状)がほぼ円柱状をなしている。この人工肺10は、内側に設けられ、前記第1実施形態の熱交換部1Bとほぼ同様の構成の熱交換部(熱交換器)10Bと、熱交換部10Bの外周側に設けられ、血液に対しガス交換を行う人工肺部10Aと備える熱交換器付き人工肺である。
人工肺1は、ハウジング2Aを有しており、このハウジング2A内に人工肺部10Aと熱交換部10Bとが収納されている。また、熱交換部10Bは、ハウジング2A内において、さらに、熱交換器ハウジング5Aに収納されている。この熱交換器ハウジング5Aにより、熱交換部10Bの両端部がそれぞれハウジング2Aに対し固定されている。
ハウジング2Aは、円筒状なすハウジング本体(以下「円筒状ハウジング本体」と言う)21Aと、円筒状ハウジング本体21Aの左端開口を封止する皿状の第1のヘッダー(上部蓋体)22Aと、円筒状ハウジング本体21Aの右端開口を封止する皿状の第2のヘッダー(下部蓋体)23Aとで構成されている。
円筒状ハウジング本体21A、第1のヘッダー22Aおよび第2のヘッダー23Aは、それぞれ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、MS樹脂、MBS樹脂、ABS樹脂、BS樹脂)、ポリカーボネート等の樹脂材料あるいは種々のセラミックス材料、金属材料等で構成されている。円筒状ハウジング本体21Aに対し、第1のヘッダー22Aおよび第2のヘッダー23Aは、融着や接着剤による接着等の方法により固着されている。
円筒状ハウジング本体21Aの外周部には、管状の血液流出ポート28が形成されている。この血液流出ポート28は、円筒状ハウジング本体21Aの外周面のほぼ接線方向に向かって突出している(図11参照)。
第1のヘッダー22Aには、管状の血液流入ポート201およびガス流出ポート27が突出形成されている。血液流入ポート201は、その中心軸が第1のヘッダー22Aの中心に対し偏心するように、第1のヘッダー22Aの端面に形成されている。ガス流出ポート27は、その中心軸が第1のヘッダー22Aの中心と交差するように、第1のヘッダー22Aの外周部に形成されている(図8参照)。
第2のヘッダー23Aには、管状のガス流入ポート26、熱媒体流入ポート202および熱媒体流出ポート203が突出形成されている。ガス流入ポート26は、第2のヘッダー23Aの端面の縁部に形成されている。熱媒体流入ポート202および熱媒体流出ポート203は、それぞれ、第2のヘッダー23Aの端面のほぼ中央部に形成されている。また、熱媒体流入ポート202および熱媒体流出ポート203の中心線は、それぞれ、第2のヘッダー23Aの中心線に対してやや傾斜している。
なお、本発明において、ハウジング2Aの全体形状は、必ずしも完全な円柱状をなしている必要はなく、例えば一部が欠損している形状、異形部分が付加された形状などでもよい。
図9、図11に示すように、ハウジング2Aの内部には、その内周面に沿った円筒状をなす人工肺部10Aが収納されている。人工肺部10Aは、円筒状の中空糸膜層3Aと、中空糸膜層3Aの外周側(血液流出部側)に設けられた気泡除去手段4Aとしてのフィルタ部材41Aとで構成されている。中空糸膜層3Aとフィルタ部材41Aとは、血液流入側から、中空糸膜層3A、フィルタ部材41Aの順に配置されている。
図12に示すように、中空糸膜層3Aは、ガス交換機能を有する中空糸膜31が多数本集積されたものである。この中空糸膜層3Aを構成する中空糸膜31は、そのほとんどがハウジング2Aの中心軸とほぼ平行に配置されている。
なお、中空糸膜層3Aにおける中空糸膜31の配設パターン、配設方向等は、上述したもの限定されず、例えば、各中空糸膜31がハウジング2Aの中心軸に対して垂直な方向に配置された構成、中空糸膜31同士が斜めに交差する部分(交差部)を有する構成、全部または一部の中空糸膜31が湾曲して配置された構成、全部または一部の中空糸膜31が波状、螺旋状、渦巻き状または環状に配置された構成等であってもよい。
図9に示すように、各中空糸膜31の両端部、すなわち左端部(一端部)および右端部(他端部)は、それぞれ、隔壁8および9により円筒状ハウジング本体21Aの内面に対し固定されている。これにより、各中空糸膜31の両端部は、それぞれ、互いに固定された状態になっている。
また、中空糸膜層3Aは、円筒状ハウジング本体21Aと熱交換部10Bとの間にほぼ隙間なく充填されており、これにより、中空糸膜層3Aは、全体形状としてほぼ円筒状の形状をなしている。これにより、同様の形状の円筒状ハウジング本体21Aに対し、中空糸膜31の高い充填効率が得られ(デッドスペースが少なく)、人工肺部10Aの小型化、高性能化に寄与する。
なお、中空糸膜層3Aの隔壁8および9により固定された部位における隣り合う中空糸膜31同士の平均離間距離ε[μm]、中空糸膜31の外径OD[μm]、中空糸膜31の内径ID[μm]、中空糸膜31の有効長L[mm]等は、前述した第1実施形態と同様である。これにより、ガス交換性能を低下させることなく、血液を流すときの圧力損失も増大させること無く、人工肺部10Aの血液の充填量を削減することができ、ひいては人工肺10の血液の充填量を少なくすることができる。
また、中空糸膜層3Aの厚さ(図11中径方向の長さ)は、特に限定されないが、2〜100mm程度であるのが好ましく、3〜30mm程度であるのがより好ましい。
ハウジング2A内の隔壁8と隔壁9との間における各中空糸膜31は、露出しており、各中空糸膜31の外側、すなわち、中空糸膜31同士の隙間に、血液が図12中上側から下側に向かって流れる血液流路33が形成されている。
血液流路33の上流側(中空糸膜層3Aの上流側の面側)、すなわち、人工肺部10Aと熱交換部10Bとの間には、血液流入ポート201から流入した血液の血液流入部として、円筒状の血液流入側開口部(血液流入側空間)24Aが形成されている(図9、図11参照)。
血液流入側開口部24Aに流入した血液は、当該血液流入側開口部24Aの周方向および長手方向に沿って流れることとなり、よって、血液流入側開口部24Aの全体に行き渡る。これにより、熱交換部10Bから人工肺部10Aへの血液の移送を効率良く行うことができる。
血液流路33の下流側(中空糸膜層3Aの下流側の面側)においては、後述するフィルタ部材41Aの外周面と円筒状ハウジング本体21Aの内周面との間に円筒状の隙間が形成され、この隙間は、血液流出側開口部(血液流出側空間)25Aを形成している。この血液流出側開口部25Aと、血液流出側開口部25Aに連通する血液流出ポート28とで、血液流出部が構成される。血液流出部は、血液流出側開口部25Aを有することにより、フィルタ部材41Aを透過した血液が血液流出ポート28に向かって流れる空間が確保され、血液を円滑に排出することができる。
そして、血液流入側開口部24Aと血液流出側開口部25Aとの間に、中空糸膜層3Aと、フィルタ部材41Aと、血液流路33とが存在している。
また、前述したように、中空糸膜層3Aの下流側(血液流出部側)には、血液中の気泡を捕捉しつつ、血液から除去する機能を有する気泡除去手段4Aが設置されている。この気泡除去手段4Aは、フィルタ部材41Aを有している。
フィルタ部材41Aは、血液流路33を流れる血液中に存在する気泡を捕捉する機能を有するものである。
フィルタ部材41Aは、ほぼ長方形をなすシート状の部材(以下単に「シート」とも言う)で構成され、そのシートを円柱状に巻回して形成したものである。フィルタ部材41Aは、両端部がそれぞれ隔壁8、9で固着されることにより、ハウジング2Aに対し固定されている(図9参照)。
このフィルタ部材41Aは、その内周面が中空糸膜層3Aの下流側(血液流出部側)の面に接して設けられ、該面のほぼ全面を覆っている。フィルタ部材41Aをこのように設けることにより、フィルタ部材41Aの有効面積を大きくすることができ、気泡を捕捉する能力を十分に発揮することができる。また、フィルタ部材41Aの有効面積が大きくなることにより、たとえフィルタ部材41Aの一部に目詰まり(例えば血液の凝集塊などの付着)が生じたとしても、全体として血液の流れを妨げることを防止(抑制)することができる。
また、フィルタ部材41Aは、図示の実施形態では、外径がほぼ一定なものであるが、これに限定されず、例えば、一部の外径が拡径または縮径した部分を有するものであってもよい。
このようなフィルタ部材41Aを有する人工肺10は、図7〜図9、図11に示す姿勢で使用される。この場合、血液流出ポート28は、人工肺10を使用する際の鉛直下方に位置する。すなわち、血液流出側開口部25Aの下部に血液流出ポート28の内腔が連通しており、フィルタ部材41Aを通過し、血液流出側開口部25Aに入った血液は、血液流出側開口部25A内を血液流出ポート28に向かって流下し、血液流出ポート28よりハウジング2外へ流出する。
そして、フィルタ部材41Aは、血液流路33を流れる血液中に気泡が存在していたとしても、その気泡を捕捉することができる。また、フィルタ部材41Aにより捕捉された気泡は、血流によって、フィルタ部材41A近傍の各中空糸膜31内に押し込まれて入り込み、その結果、血液流路33から除去される。
図9に示すように、第1のヘッダー22Aと隔壁8と熱交換部10Bの熱交換器ハウジング5Aおよび熱媒体室形成部材55とにより、第1の部屋221aが画成されている。この第1の部屋221aは、ガスが流出するガス流出室である。各中空糸膜31の左端開口は、第1の部屋221aに開放し、連通している。
一方、第2のヘッダー23Aと隔壁9と熱交換部10Bの熱交換器ハウジング5Aおよび熱媒体室形成部材55とにより、第2の部屋231aが画成されている。この第2の部屋231aは、ガスが流入してくるガス流入室である。各中空糸膜31の右端開口は、第2の部屋231aに開放し、連通している。
各中空糸膜31の内腔は、ガスが流れるガス流路32を構成している。ガス流入ポート26および第2の部屋231aにより、ガス流路32の上流側に位置するガス流入部が構成され、ガス流出ポート27および第1の部屋221aにより、ガス流路32の下流側に位置するガス流出部が構成される。
前述したように、人工肺部10Aの内側には、熱交換部10Bが設置されている。この熱交換部10Bは、熱交換部1Bとほぼ同様の構成であるので、その説明は省略する。
また、このように人工肺部10Aの内側に熱交換部10Bが設置されていることにより、次のような効果を奏する。すなわち、まず第1に1つのハウジング2A内に人工肺部10Aおよび熱交換部10Bを効率良く収納することができ、デッドスペースが小さく、そのため、小型の人工肺10で効率の良いガス交換を行うことができる。第2に、人工肺部10Aと熱交換部10Bとが前記第1実施形態よりも近接した状態となり、熱交換部10Bで熱交換がなされた血液が人工肺部10Aに迅速に流入することができ、よって、熱交換部10Bと人工肺部10Aとをつなぐ血液流入側開口部24A(血液流路33)中の血液の充填量を最小にすることができる。第3に、熱交換部10Bで熱交換された血液が放熱あるいは吸熱されることなく迅速に人工肺部10Aに流入することができる。
次に、本実施形態の人工肺10における血液の流れについて説明する。
この人工肺10では、血液流入ポート201から流入した血液は、血液室50、すなわち熱交換器ハウジング5Aの内周面と熱交換体54との間に流れ込み、熱交換体54の複数の中空環状突起の外面と接触して熱交換(加温または冷却)がなされる。このようにして熱交換がなされた血液は、熱交換器ハウジング5Aの上部に形成された開口59c、血液流入側開口部24Aを順次通過して人工肺部10Aのハウジング2A内へ流入する。
血液流入側開口部24Aを経た血液は、血液流路33を下流方向に向かって流れる。一方、ガス流入ポート26から供給されたガス(酸素を含む気体)は、第2の部屋231aより各中空糸膜31の内腔であるガス流路32に分配され、該ガス流路32を流れた後、第1の部屋221aに集積され、ガス流出ポート27より排出される。血液流路33を流れる血液は、各中空糸膜31の表面に接触し、ガス流路32を流れるガスとの間でガス交換(酸素加、脱炭酸ガス)がなされる。
ガス交換がなされた血液中に気泡が混入している場合、この気泡は、フィルタ部材41Aにより捕捉され、フィルタ部材41Aの下流側には流出しない。
以上のようにしてガス交換がなされ、気泡が除去された血液は、血液流出ポート28より流出する。
なお、この人工肺10では、前記中空糸膜層3Aを有することにより、人工肺部10Aにおける血液の充填量を、人工肺10の単位膜面積当り、例えば、25〜50mL/m程度とすることができ、特に、30〜45mL/m程度とすることができる。
したがって、人工肺10の血液の充填量は、熱交換部10Bにおける血液の充填量等にもよるが、例えば、30〜90mL/m程度とすることができ、特に、35〜85mL/m程度とすることができる。
以上、本発明の人工肺を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
例えば、ハウジングおよび熱交換器ハウジングの構造や形状、各ハウジングに対するガス流入ポート、ガス流出ポート、血液流出ポート、血液流入ポート、熱媒体流入ポートおよび熱媒体流出ポート等の形成位置や突出方向については、図示の構成と異なる構成であってもよい。また、人工肺の使用時の姿勢(鉛直方向に対する各部の位置関係)も、図示の状態に限定されない。
また、本発明の人工肺は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記第2実施形態の人工肺は、その内側から外側に向かって血液が通過するものであるが、これに限定されず、これと反対に、外側から内側に向かって血液が通過するものであってもよい。この場合、フィルタ部材は、円筒状の中空糸膜層の内周部に接して配置されている。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
図7〜図12に示す人工肺を製造した。中空糸膜層の各中空糸膜の構成材料としては、ポリプロピレンを用いた。また、中空糸膜の寸法は、下記の通りである。
平均離間距離ε:60μm
外径OD:200μm
OD/ε:3.3
内径ID:140μm
有効長L:170mm
(実施例2)
中空糸膜の寸法を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして、中空糸膜層を形成し、人工肺を得た。
平均離間距離ε:46μm
外径OD:200μm
OD/ε:4.3
内径ID:140μm
有効長L:170mm
(実施例3)
中空糸膜の寸法を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして、中空糸膜層を形成し、人工肺を得た。
平均離間距離ε:46μm
外径OD:170μm
OD/ε:3.7
内径ID:110μm
有効長L:116mm
(実施例4)
中空糸膜の寸法を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして、中空糸膜層を形成し、人工肺を得た。
平均離間距離ε:46μm
外径OD:150μm
OD/ε:3.3
内径ID:90μm
有効長L:116mm
(実施例5)
中空糸膜の寸法を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして、中空糸膜層を形成し、人工肺を得た。
平均離間距離ε:30μm
外径OD:130μm
OD/ε:4.3
内径ID:90μm
有効長L:116mm
(比較例1)
中空糸膜の寸法を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして、中空糸膜層を形成し、人工肺を得た。
平均離間距離ε:46μm
外径OD:295μm
OD/ε:6.4
内径ID:195μm
有効長L:194mm
(比較例2)
中空糸膜の寸法を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして、中空糸膜層を形成し、人工肺を得た。
平均離間距離ε:30μm
外径OD:200μm
OD/ε:6.7
内径ID:140μm
有効長L:170mm
(比較例3)
中空糸膜の寸法を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして、中空糸膜層を形成し、人工肺を得た。
平均離間距離ε:60μm
外径OD:295μm
OD/ε:4.9
内径ID:195μm
有効長L:194mm
実施例1〜5、比較例1〜3について、下記の測定を行った。その結果は、下記表1に示す通りである。
<ガス交換性能>
下記の条件に調整した牛血液および酸素を人工肺に流し、その血液のヘモグロビン濃度、人工肺に流入する前の血液の酸素飽和度および酸素分圧、人工肺から流出した血液の酸素飽和度および酸素分圧を測定した。そして、ガス交換性能として、酸素移動量を下記(1)式より求めた。
酸素移動量=1.34×Hb×Qb×1000×(SaO−SvO)/10000+(PaO−PvO)×Qb×1000×0.0031/100 ・・・(1)
但し、上記(1)式において、
Hb:ヘモグロビン濃度
Qb:血液流量
SaO:人工肺流出血液酸素飽和度
SvO:人工肺流入血液酸素飽和度
PaO:人工肺流出血液酸素分圧
PvO:人工肺流入血液酸素分圧
SaO、SvO、PaO、PvO、Hbが、それぞれ、測定値である。なお、通常、Hbは、12±1[g/dL]、SvOは、65±5[%]、PvOは、45±5[mmHg]であるが、それらについても測定値を用いた。
また、酸素濃度は、100[%]、酸素流量は、7[L/分]、血液温度は、37±1[℃]、血液流量は、7[L/分]に設定した。なお、V/Q比(酸素流量/血液流量)は、1である。
<圧力損失>
下記の条件に調整した牛血液を人工肺に流し、人工肺に流入する前の血液の圧力、人工肺から流出した後の血液の圧力を測定し、その差、すなわち圧力損失を求めた。
血液温度は、37±1[℃]、血液流量は、7[L/分]に設定した。また、ヘマトクリット値は、35±1[%]であった。
この圧力損失の評価基準は、臨床使用上、250mmHg以下の場合を良好とし、250mmHgを超える場合を不良とする。
<充填量>
人工肺に水を充填し、その水の充填前の人工肺の重量と、充填後の人工肺の重量とを測定し、その差から充填量を求めた。
なお、充填量としては、人工肺全体における充填量と、人工肺部における充填量と、人工肺部における単位膜面積当りの充填量とを求めた。
従来品である比較例1の人工肺全体における充填量は、250mLであるので、人工肺全体における充填量の評価基準は、250mL未満の場合を良好とし、250mL以上の場合を不良とする。
そして、前記圧力損失および人工肺全体における充填量の両方が良好な場合を「良好」とし、そのうちの1つでも不良である場合を「不良」とする。
Figure 0005890827
上記表1に示すように、比較例1では、酸素移動量および圧力損失については、満足する結果が得られたが、充填量が多かった。
また、比較例2では、酸素移動量および充填量については、満足する結果が得られたが、圧力損失が大きかった。
また、比較例3では、酸素移動量および圧力損失については、満足する結果が得られたが、充填量が多かった。
これに対し、実施例1〜5では、酸素移動量、圧力損失および充填量のすべてについて満足する結果が得られた。
例えば、実施例3では、酸素移動量および圧力損失を比較例1と同等にしつつ、人工肺全体における充填量を比較例1の74%、人工肺部における充填量を比較例1の54%、人工肺部における単位膜面積当りの充填量を比較例1の70%にそれぞれ削減することができた。
本発明によれば、良好なガス交換性能を有し、血液を流すときの圧力損失が比較的小さく、かつ血液の充填量が少ない人工肺を提供することができる。したがって産業上の利用可能性を有する。
1、10 人工肺
1A、10A 人工肺部
1B、10B 熱交換部(熱交換器)
2、2A ハウジング
21 角筒状ハウジング本体
21A 円筒状ハウジング本体
22、22A 第1のヘッダー
221、221a 第1の部屋
23、23A 第2のヘッダー
231、231a 第2の部屋
24、24A 血液流入側開口部
25、25A 血液流出側開口部
26 ガス流入ポート
27 ガス流出ポート
28 血液流出ポート(血液流出口)
201 血液流入ポート
202 熱媒体流入ポート
203 熱媒体流出ポート
3、3A 中空糸膜層
31 中空糸膜
32 ガス流路(中空糸膜の内腔)
33 血液流路
4、4A 気泡除去手段
41、41A フィルタ部材
5、5A 熱交換器ハウジング
50 血液室
51 血液流入ポート
52 熱媒体流入ポート
53 熱媒体流出ポート
54 熱交換体
55 熱媒体室形成部材
56 区画壁
57 流入側熱媒体室
58 流出側熱媒体室
59a 開口
59b 開口
59c 開口
7 固着部
8、9 隔壁

Claims (5)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジング内に収納され、ガス交換機能を有する中空糸膜が多数本集積された中空糸膜層と、
    前記各中空糸膜の内腔をガス流路として、該ガス流路の上流側および下流側にそれぞれ設けられたガス流入部およびガス流出部と、
    前記各中空糸膜の外側を血液流路として、該血液流路の上流側および下流側にそれぞれ設けられた血液流入部および血液流出部とを備える人工肺であって、
    前記中空糸膜層の前記各中空糸膜は、一端部および他端部においてそれぞれ互いに固定されており、
    前記中空糸膜層の固定された部位における隣り合う前記中空糸膜同士の平均離間距離をε[μm]、前記中空糸膜の外径をOD[μm]、前記中空糸膜の内径をID[μm]、前記中空糸膜のガス交換に寄与する部位の長さをL[mm]としたとき、
    30≦ε≦60、
    OD≦4.5×ε、
    120≦OD≦220、
    0.55×OD≦ID≦0.8×OD、
    60≦ID≦160、
    L≦1.3×ID、
    50≦L≦200、
    であることを特徴とする人工肺。
  2. 前記ハウジングにおける血液の充填量は、単位膜面積当り、25〜50mL/mである請求項1に記載の人工肺。
  3. 前記中空糸膜は、多孔質のポリプロピレンまたはポリメチルペンテンで構成されている請求項1または2に記載の人工肺。
  4. 前記中空糸膜層は、全体形状としてほぼ直方体の形状をなしている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の人工肺。
  5. 前記中空糸膜層は、全体形状としてほぼ円筒状をなしている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の人工肺。
JP2013507588A 2011-03-31 2012-03-27 人工肺 Active JP5890827B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013507588A JP5890827B2 (ja) 2011-03-31 2012-03-27 人工肺

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011079884 2011-03-31
JP2011079884 2011-03-31
JP2013507588A JP5890827B2 (ja) 2011-03-31 2012-03-27 人工肺
PCT/JP2012/057868 WO2012133372A1 (ja) 2011-03-31 2012-03-27 人工肺

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012133372A1 JPWO2012133372A1 (ja) 2014-07-28
JP5890827B2 true JP5890827B2 (ja) 2016-03-22

Family

ID=46931089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013507588A Active JP5890827B2 (ja) 2011-03-31 2012-03-27 人工肺

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9199023B2 (ja)
EP (1) EP2692370B1 (ja)
JP (1) JP5890827B2 (ja)
CN (1) CN103491993B (ja)
WO (1) WO2012133372A1 (ja)

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2612685B1 (en) 2010-08-19 2014-10-08 Sorin Group Italia S.r.l. Blood processing unit with modified flow path
EP4009640A1 (en) * 2011-11-08 2022-06-08 Electronics and Telecommunications Research Institute Method and device for sharing a candidate list
US10313682B2 (en) * 2013-08-26 2019-06-04 Qualcomm Incorporated Determining regions when performing intra block copying
JP6692087B2 (ja) * 2013-12-27 2020-05-13 サン パテント トラスト 配信方法、およびシステム
JP6297706B2 (ja) 2014-01-09 2018-03-20 ソリン・グループ・イタリア・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータSorin Group Italia S.r.l. 改変された流路を形成する熱交換器コアを有する血液処理ユニット
CN106163584B (zh) * 2014-01-20 2019-03-19 优罗塞斯有限责任公司 用于病人血液体外氧合的装置
CN106029118B (zh) 2014-02-28 2018-10-02 索林集团意大利有限责任公司 用于将集成动脉过滤器设置在氧合器中、使增加的预充量最小化的系统
CN106573096B (zh) * 2014-08-06 2022-05-24 泰尔茂株式会社 中空纤维膜束、人工肺及中空纤维膜束的制造方法
JP6364302B2 (ja) * 2014-09-29 2018-07-25 テルモ株式会社 人工肺
CN106714866A (zh) * 2014-09-30 2017-05-24 泰尔茂株式会社 人工肺及人工心肺回路装置
EP3202438B1 (en) * 2014-09-30 2019-10-23 Terumo Kabushiki Kaisha Artificial lung and artificial heart-lung circuit device
EP3218087A1 (en) 2014-11-12 2017-09-20 Sorin Group Italia S.r.l. Elastic protection tube for a hollow fibre blood processing apparatus
CN107249664B (zh) * 2015-02-24 2020-11-10 泰尔茂株式会社 中空纤维型血液处理装置的制造方法及中空纤维型血液处理装置
WO2016165069A1 (en) * 2015-04-14 2016-10-20 Mediatek Singapore Pte. Ltd. Advanced temporal motion vector prediction in video coding
CN107635597B (zh) 2015-05-12 2020-11-27 索林集团意大利有限责任公司 具有用于减少气体交换的限制元件或多个限制元件的血液气体交换器
CN105396187B (zh) * 2015-12-29 2018-11-30 中国科学院苏州生物医学工程技术研究所 一种体外膜氧合器
JP6745027B2 (ja) * 2016-02-03 2020-08-26 株式会社ジェイ・エム・エス 血液中のマイクロバブル除去装置および心肺システム
DE102016010398A1 (de) * 2016-06-10 2017-12-14 Hemovent Gmbh Gas-Austausch-Einheit, Verfahren zum Herstellen einer Gas-Austausch-Einheit und Set mit einer Gas-Austausch-Einheit und einer Befeuchtungs- und Wärmevorrichtung
JP7134866B2 (ja) * 2016-09-30 2022-09-12 テルモ株式会社 中空糸膜層積層体
CN110559866A (zh) * 2019-09-26 2019-12-13 清华大学 一种用于血液氧合的高透气致密中空纤维膜
USD932273S1 (en) * 2020-04-27 2021-10-05 Super B Precision Tools Co., Ltd Hand tool
CN111744065B (zh) * 2020-06-29 2023-07-18 东莞科威医疗器械有限公司 氧合丝膜件、氧合部及ecmo用氧合器
CN111870757A (zh) * 2020-08-19 2020-11-03 清华大学天津高端装备研究院 一种中空纤维膜式氧合器
CN115192807A (zh) * 2022-07-27 2022-10-18 北京航天长峰股份有限公司 一种氧合器及体外膜肺氧合装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5846427A (en) * 1995-10-23 1998-12-08 Hemasure, Inc. Extra-lumenal crossflow plasmapheresis devices and method of use thereof
JPH1147268A (ja) * 1997-08-06 1999-02-23 Terumo Corp 中空糸膜型人工肺
JPH11299884A (ja) * 1998-04-17 1999-11-02 Dainippon Ink & Chem Inc 中空糸膜型物質交換装置
JP3396085B2 (ja) * 1994-05-24 2003-04-14 テルモ株式会社 中空糸膜型血液処理器
JP3936376B2 (ja) * 2006-01-13 2007-06-27 テルモ株式会社 中空糸膜型人工肺
JP4026037B2 (ja) * 1998-09-10 2007-12-26 大日本インキ化学工業株式会社 中空糸膜型気液ガス交換装置及びそのガス交換方法
JP4366268B2 (ja) * 2004-07-23 2009-11-18 テルモ株式会社 人工肺

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11137671A (ja) * 1997-11-05 1999-05-25 Terumo Corp 熱交換器内蔵型人工肺
US6387324B1 (en) * 1999-09-30 2002-05-14 Therox, Inc. Apparatus and method for blood oxygenation
JP4046146B1 (ja) * 2007-04-23 2008-02-13 東洋紡績株式会社 中空糸膜型人工肺および処理方法
JP2009160265A (ja) * 2008-01-08 2009-07-23 Terumo Corp 人工心肺ユニットおよび人工心肺装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3396085B2 (ja) * 1994-05-24 2003-04-14 テルモ株式会社 中空糸膜型血液処理器
US5846427A (en) * 1995-10-23 1998-12-08 Hemasure, Inc. Extra-lumenal crossflow plasmapheresis devices and method of use thereof
JPH11513909A (ja) * 1995-10-23 1999-11-30 ヘマシユア・インコーポレーテツド 管腔外横断流の血漿分離交換装置
JPH1147268A (ja) * 1997-08-06 1999-02-23 Terumo Corp 中空糸膜型人工肺
JPH11299884A (ja) * 1998-04-17 1999-11-02 Dainippon Ink & Chem Inc 中空糸膜型物質交換装置
JP4026037B2 (ja) * 1998-09-10 2007-12-26 大日本インキ化学工業株式会社 中空糸膜型気液ガス交換装置及びそのガス交換方法
JP4366268B2 (ja) * 2004-07-23 2009-11-18 テルモ株式会社 人工肺
JP3936376B2 (ja) * 2006-01-13 2007-06-27 テルモ株式会社 中空糸膜型人工肺

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2012133372A1 (ja) 2014-07-28
EP2692370B1 (en) 2018-08-22
EP2692370A4 (en) 2015-02-25
US9199023B2 (en) 2015-12-01
WO2012133372A1 (ja) 2012-10-04
CN103491993B (zh) 2016-07-06
EP2692370A1 (en) 2014-02-05
CN103491993A (zh) 2014-01-01
US20140030146A1 (en) 2014-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5890827B2 (ja) 人工肺
JP4855119B2 (ja) フィルタ部材および人工肺
JP4533850B2 (ja) 人工肺
JP5781153B2 (ja) 人工肺および体外循環装置
JP4500776B2 (ja) 人工肺
EP1810704B1 (en) Oxygenator
JP6526576B2 (ja) 熱交換器の製造方法
WO2017135358A1 (ja) フィルタ内蔵型人工肺
JP4874088B2 (ja) 人工肺
US11534536B2 (en) Heat exchanger and oxygenator
JP4533851B2 (ja) 人工肺

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5890827

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250