ここで、特許文献1記載のソーシャルゲームでは、上述の如く、複数のプレイヤが個々に敵キャラクタを攻撃するのみであって、複数のプレイヤがチームとして敵キャラクタを攻撃する形式ではなく、また、チーム同士の勝敗を決するといった内容のものでもない。その結果、複数のプレイヤが参加しているソーシャルゲームにも拘わらず、プレイヤ間の一体感を醸成することが困難であった。また、ゲームの目的が敵キャラクタを倒すという簡略なものであるため、興趣性が不十分であり、それによりプレイヤのゲームに対する継続意欲が喪失されてしまうおそれがあった。これに対し、特許文献2に記載されたソーシャルゲームの如く、個人戦のみならずチーム戦を行うことにより、同じチームに属するプレイヤ同士の結束や一体感が高められるという利点がある。
ところが、ソーシャルゲーム分野の昨今の情勢に鑑みれば、対戦イベントに単にチーム戦を導入するだけでは、プレイヤを満足させてゲームへの参加意識や継続意欲を高めたり維持したりするためには、最早十分とは言えなかった。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、対戦イベントの興趣性や趣向性を増大させることができ、その結果、その対戦イベント延いてはゲーム全体の活性化を図り、且つ、プレイヤのゲームへの参加意識や継続意欲を高めることが可能なソーシャルゲームを提供するサーバ装置、その制御方法、プログラム、及びゲームシステムを実現することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によるサーバ装置は、まず、複数のプレイヤの参加が可能なゲームを提供し、且つ、プレイヤのそれぞれが操作する端末装置に通信回線を介して接続されるものであって、そのゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、その情報にアクセスし、ゲームに関する演算を実行し、且つ、ゲームの画像を端末装置に表示させる制御部とを備えている。
そして、情報記憶部は、ゲームに関連する情報の一部として、プレイヤが所属するグループ、及び、複数のグループ間の勝敗が決せられるグループ間イベントの情報を有している。また、そのグループ間イベントは、複数のグループと第1のゲームキャラクタ(敵キャラクタ、相手キャラクタ等)との対戦が行われる第1の対戦イベントを含んでいる。さらに、制御部は、第1の対戦イベントにおける複数のグループのそれぞれと第1のゲームキャラクタとの対戦状況又は対戦結果に基づいて、それらの複数のグループ間の勝敗を間接的に判定又は決定するものである。
なお、「プレイヤ」とは、端末装置を操作するユーザであり、いわゆるクライアント−サーバシステムのクライアントにも該当する概念であって、サーバ装置のユーザ(サーバ管理者等)と区別する観点からも、これを「プレイヤ」と表記する。また、プレイヤは、一般に、自身に代えて、仮想的なゲーム空間において活動、行動、思考等するいわゆるプレイヤキャラクタやそれに関連付けられた適宜のゲーム媒体を通して、ゲームに参加し得る。よって、本開示において「プレイヤ」という場合、厳密にはプレイヤキャラクタを主位的に示すことがあるが、以下では単に「プレイヤ」と表記することもある。
またここで、「ゲーム媒体」とは、当該ゲームにおいてプレイヤが保有したり管理したりすることができるコンテンツやアイテムを示し、例えば、プレイヤキャラクタが対応付けられたキャラクタカード、アバター、フィギア等が挙げられ、それらは、ゲーム上の仮想空間(仮想ゲーム空間)において取り扱われるものであって、いわゆる「オブジェクト」等とも呼ばれるものを含む概念である。また、「ゲーム媒体」は、プレイヤキャラクタを直接的に想起させるものでも、間接的に想起させるもの(例えばプレイヤキャラクタの名、呼称、武器、服装、衣装、呪文、魔法、技、関連キャラクタ等)であってもよく、さらに、静止画で表示されても動画で表示されてもそれらの組み合わせでもよいし、或いは、画像でなくとも単なる文字情報で表されるものであって構わず、場合によっては、視覚で認識できなくとも、例えば音声情報の如く聴覚のみで認識できるものであってもよい。
プレイヤは、このように構成されたサーバ装置に通信回線を介して端末装置を接続し、オンライン又はオフラインで、所定のグループ間イベントを含むゲームに参加することができる。このとき、プレイヤは、自己の意思により、或いは、他のプレイヤからの誘いや紹介等の任意の契機により、ゲーム内でグループを新たに作成や結成したり、既存のグループに所属したりすることができる。これにより、プレイヤは、自分が所属するグループの一員として、グループ間イベントに参加し得る。そのゲームは、サーバ装置に備わる制御部が、情報記憶部に記憶されたゲームに関連する情報にアクセスし、その情報を用いてゲームに関する種々の演算を実行し、且つ、演算結果としてのゲームの画像を端末装置にゲーム画面として表示させながら、ゲームの設定に沿って進行させることができる。
なお、「グループ」としては、例えば、一般的な称呼として、種々の趣向を凝らした「ギルド」(本来的には、中世ヨーロッパ都市で成立していた同業種の組合を模擬又はイメージしたもの)、「パーティ」、「コミュニティ」といったコミュニティグループ等が挙げられ、かかる「グループ」は、ゲームタイトル毎に作成・結成されてもよいし、或いは、複数のゲームタイトルを横断するような共通グループや共用グループとして、例えばプ
ラットフォーム毎に作成・結成されてもよい。また、本開示においては、グループ間イベントとして、上述した第1の対戦イベントや後述する第2の対戦イベントといった対戦イベントに主として着目するが、そのような対戦(バトル)タイプのイベントの他に、グループ間の交流イベント等の異なる種類のイベントを含んでいてももちろんよい。
また、当該ゲームのグループ間イベントにおける第1の対戦イベントにおいては、制御部の処理により、複数のグループのそれぞれと第1のゲームキャラクタとの対戦が行われる。すなわち、まず、第1の対戦イベントは、複数のグループが参戦する対戦(バトル)であることに着目すれば、グループ同士の戦いであり、例えばグループの一形態がギルドの場合、言わば「ギルド戦」ということができる(以下、グループの具体的形態については、主として「ギルド」を例に説明する;ただし、これに限定されない)。
さらに、そのようにグループ同士の戦い(ギルド戦)ではあるものの、第1の対戦イベントにおいては、グループ間の勝敗が、第1のゲームキャラクタと各グループとの対戦状況又は対戦結果に基づいて判定される。つまり、第1の対戦イベントは、グループ同士が直接的に対戦するだけの単なるギルド戦ではなく、各グループと第1のゲームキャラクタとの対戦が行われた結果等に依拠してグループ間の勝敗が間接的に決せられるものである。これを、ソーシャルゲーム分野での慣例呼称の一例、つまり、グループ又はギルドの英語表記の頭文字(G)で表し、第1のゲームキャラクタがいわゆるレイド戦(一の敵キャラクタを複数のプレイヤによって倒すことを目的とするバトル)に登場するレイドキャラクタであって、その英語表記の頭文字(R)で表せば、グループ同士が直接対決する対戦が「GvG」(「v」は、バーサスの英語表記を意味する)であるのに対し、第1の対戦イベントは、「GvGvR」と言うことができる。
このように、本発明においては、サーバ装置の制御部によって、第1の対戦イベントが行われ、第1のゲームキャラクタと各グループとの対戦状況又は対戦結果に基づいてグループ間の勝敗が判定される。したがって、自分が所属するグループが対戦相手のグループに勝利するには、プレイヤとしては、そこに登場する直接的な討伐対象である敵キャラクタとしての第1のゲームキャラクタとの対戦を重視し、又は、その対戦自体を第1の対戦イベントにおける主目的に据えなければならず、相手グループの個々のプレイヤとの対戦とは異なる戦略や攻撃等の工夫を行う必要が生じる。よって、従来の単なるグループ同士の対戦(従来技術の説明において述べたチーム戦)や、複数のプレイヤが一の敵キャラクタを倒すような上記のレイド戦に比して、対戦イベント自体の面白味や興趣性が格段に高められ、ゲームの活性化が促進される。
より具体的には、制御部により、第1の対戦イベントの実行に際して、複数のグループのそれぞれが第1のゲームキャラクタへ与えるダメージに関連付けられたゲームパラメータを設定し、第1の対戦イベントにおいて、そのゲームパラメータの数値に基づいて、グループ間の勝敗を間接的に判定又は決定するように構成してもよい。
この場合、例えば、第1の対戦イベントの進行中にそのゲームパラメータの数値をプレイヤが視認可能なように端末装置に表示すれば、プレイヤは自分が所属するグループと相手グループの優劣の状況を把握することができ、これにより、第1の対戦イベントにおける臨場感や緊迫感が高められ、ゲームを更に活性化することができる。
また、グループ間イベントが、複数のグループ間の対戦が行われる第2の対戦イベントを更に含み、制御部により、その第2の対戦イベントにおける複数のグループ間の対戦状況又は対戦結果に基づいて、複数のグループ間の勝敗を直接的に判定又は決定するように構成しても好適である。このように、先述の如くグループ同士が直接対決する対戦としての第2の対戦イベントを第1の対戦イベントに組み合わせること、つまりGvGvR(第1の対戦イベント)とGvG(第2の対戦イベント)を融合させることにより、グループ間イベントがより変化に富んだものとなる。例えば、両者を単に組み合わせるだけではなく、第2の対戦イベントを敢えて主たるイベントとして位置づけ、その実行中に、突発的に(無作為的に、ランダムに)第1の対戦イベントを開催するようにすれば、プレイヤの意表をつくことができ、グループ間イベントの全体を通して、プレイヤの緊張感を高めることもできる。
さらに、グループに所属するプレイヤの人数が多くなった場合(グループの大規模)、ゲーム間イベントへのプレイヤの参加機会を増やすべく、グループ間イベントの開催期間(デュレーション)を長くすることが有効な手段の一つとなり得るが、そうすると、全期間を通じて、そのグループ間イベントを活性化させることが困難となってしまう懸念がある。例えば、GvGの如く第2の対戦イベントを長時間単位で開催すると、その終盤に差し掛かるまでは、活発な戦い(戦闘)が行われず、言わば中弛みが生じてしまう可能性がある。そうすると、第2の対戦イベントひいてはゲーム全体の盛り上がりに欠けてしまい、却って、プレイヤのゲームへの参加意識や継続意欲が喪失又は減退してしまうおそれがある。これに対し、GvGvRの如く第1の対戦イベントを第2の対戦イベントの開催期間の途中で実行することにより、グループ間イベントの全体を通じてゲームの活性化を図ることができる。
すなわち、制御部により、第2の対戦イベントの実行中に、第1の対戦イベントを実行し、第1の対戦イベントを実行している間、第2の対戦イベントを中止又は中断するようにしてもよい。
さらに、情報記憶部が、ゲームに関連する情報の一部として、複数のグループのそれぞれと第2のゲームキャラクタとの対戦が行われるグループ別イベントの情報を有しており、制御部により、そのグループ別イベントにおけるグループと第2のゲームキャラクタとの対戦状況又は対戦結果に基づいて、グループ間イベント(第1の対戦イベントや第2の対戦イベント等)で使用することが可能な報酬をそのグループに付与し、グループ間イベントにおいては、グループによるその報酬の使用の有無を加味して、複数のグループ間の勝敗を判定又は決定するように構成することもできる。
ここで、「報酬」とは、グループ間イベントにおいて、各プレイヤ又はそのプレイヤが所属するグループが、対戦の相手グループやその相手グループに所属する相手プレイヤに対して、ゲームを進める上で相対的に優位に立てるような効果を生じせしめるもの、或いは、それを所有することにより、価値や価値観が高められるものを示し、その種類は特に制限されず、例えば、プレイヤの攻撃力を増大させる各種アイテム(ポイント等のパラメータの数値を含む)、プレイヤの体力やダメージを回復させる各種アイテム、相手プレイヤや第1のゲームキャラクタ及び/又は第2のゲームキャラクタのダメージを増大させる各種アイテム、或いは、そのようにダメージ等の相対的な優劣や大小を発現させること自体、さらには、稀少度等それ自体に価値や特性が設定されている各種アイテム等を含む。
このようにグループ間イベントとは別にグループ別イベントを実施し、且つ、そのグループ別イベントにおいて、グループ間イベントで活用することができる報酬が付与されることにより、プレイヤがゲームへ参加する更なる動機付けを提供することができる。また、前述の如く、グループ間イベントの開催時間(デュレーション)を長くすると、プレイヤのゲームへの参加機会の増大に資することができるものの、却ってゲームの活性を下げてしまうおそれがあるのに対し、グループ別イベントをグループ間イベントとは別の期間に開催することにより、イベント間に減り張りや抑揚(モジュレーション)をつけることができ、ゲームの更なる活性化に寄与することができる。
また、本発明によるサーバ装置の制御方法は、上述した本発明に係るサーバ装置を有効に制御するための方法、すなわち、複数のプレイヤが参加することが可能なゲームを提供し、且つ、プレイヤが操作する端末装置に通信回線を介して接続さて、そのゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部、及び、情報にアクセスし、ゲームに関する演算を実行し、且つ、そのゲームの画像を端末装置に表示させる制御部を備えるサーバ装置の制御方法である。
そして、この方法においては、まず、情報記憶部に、ゲームに関連する情報の一部として、プレイヤが所属するグループ、及び、複数のグループ間の勝敗が決せられるグループ間イベントの情報を記憶させる。このとき、そのグループ間イベントは、複数のグループと第1のゲームキャラクタ(敵キャラクタ、相手キャラクタ等)との対戦が行われる第1の対戦イベントを含んでいる。さらに、制御部により、第1の対戦イベントにおける複数のグループのそれぞれと第1のゲームキャラクタとの対戦状況又は対戦結果に基づいて、それらの複数のグループ間の勝敗を間接的に判定又は決定する処理制御が行われる。
さらに、本発明によるプログラムは、複数のプレイヤが参加することが可能なゲームを提供し、且つ、プレイヤが操作する端末装置に通信回線を介して接続され、そのゲームに関連する情報の一部として、プレイヤが所属するグループ、及び、複数のグループと第1のゲームキャラクタとの対戦が行われる第1の対戦イベントを含み且つそれらの複数のグループ間の勝敗が決せられるグループ間イベントの情報を記憶する情報記憶部にアクセス可能なコンピュータに、以下に示すステップを実行させるためのものである。すなわち、そのステップには、情報にアクセスし、ゲームに関する演算を実行し、且つ、ゲームの画像を端末装置に表示させるステップ、及び、第1の対戦イベントにおける複数のグループのそれぞれと第1のゲームキャラクタとの対戦状況又は対戦結果に基づいて、複数のグループ間の勝敗を間接的に判定又は決定するステップが含まれる。
またさらに、本発明によるゲームシステムは、上述したプレイヤが操作する端末装置、及び、その端末装置に通信回線を介して接続され且つ複数のプレイヤが参加することが可能なゲームを提供するサーバ装置を含むシステムであって、ゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、情報にアクセスし、ゲームに関する演算を実行し、且つ、ゲームの画像を端末装置に表示させる制御部とを備える。
そして、本発明によるサーバ装置と同様に、情報記憶部が、ゲームに関連する情報の一部として、プレイヤが所属するグループ、及び、複数のグループ間の勝敗が決せられるグループ間イベントの情報を有している。また、そのグループ間イベントは、複数のグループと第1のゲームキャラクタとの対戦が行われる第1の対戦イベントを含むものであり、さらに、制御部が、第1の対戦イベントにおける複数のグループのそれぞれと第1のゲームキャラクタとの対戦状況又は対戦結果に基づいて、複数のグループ間の勝敗を間接的に判定又は決定するものである。
本発明によれば、第1の対戦イベントが行われ、第1のゲームキャラクタと各グループとの対戦状況又は対戦結果に基づいてグループ間の勝敗が判定又は決定される。したがって、自分が所属するグループが対戦相手のグループに勝利するには、プレイヤとしては、そこに登場する直接的な討伐対象である敵キャラクタとしての第1のゲームキャラクタとの対戦を重視し、又は、その対戦自体を第1の対戦イベントにおける主目的に据えなければならず、相手グループの個々のプレイヤとの対戦とは異なる戦略や攻撃等の工夫を行う必要が生じる。よって、従来の単なるグループ同士の対戦や、複数のプレイヤが一の敵キャラクタを倒すようないわゆるレイド戦に比して、対戦イベント自体の面白味、興趣性や趣向性を格段に高めることができる。その結果、対戦イベント延いてはゲーム全体の活性化を促進することができ、且つ、プレイヤのゲームへの参加意識や継続意欲を向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。またさらに、必要に応じて示す上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図示の表示に基づくものとする。さらにまた、図面における各種の寸法比率は、その図示の比率に限定されるものではない。また、以下においては、理解を容易にするべく、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施の形態を例にとって説明するが、上述の如く、本発明はそれに限定されない。
図1は、本発明によるサーバ装置の好適な一実施形態を示す概略構成図(システムブロック図)である。また、図2は、本発明によるゲームシステムの好適な一実施形態を示す概略構成図(システム構成図)である。これらの図に示す如く、サーバ装置100は、ネットワーク200に接続されたサーバ用コンピュータであり、そのサーバ用コンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を発現するものである。また、そのサーバ装置100と、同じくネットワーク200に有線接続及び/又は無線接続されたクライアントコンピュータ21や携帯端末22といった端末装置2とが、互いに通信可能に設定されることにより、ゲームシステム1が構成される。
なお、ネットワーク200は、例えばインターネット等を含む情報処理に係る通信回線又は通信網であり、その具体的な構成は、サーバ装置100及び端末装置2間でデータの送受信が可能なように構成されていれば特に制限されず、例えば、端末装置2に無線接続される基地局、その基地局に接続された移動体通信網、サーバ装置に接続されたインターネット、移動体通信網とインターネットを接続するゲートウェイ装置を備えるものが挙げられる。
サーバ装置100は、CPUやMPUといった演算処理部101、記憶装置としてのROM102及びRAM103、入力部105及び外部メモリ106が接続された外部インターフェース104、ディスプレイモニタ111が接続された画像処理部107、ディスク又はメモリデバイス等が収容又は接続されるスロットドライブ108、スピーカ装置112が接続された音声処理部109、並びに、ネットワークインターフェース110が、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスといった伝送路120を介して互いに接続されたものである。なお、入力部105、外部メモリ106、ディスプレイモニタ111、スピーカ装置112等の入出力を担うデバイス装置は、必要に応じて適宜省略してもよいし、それらを備える場合であっても、それらは伝送路120に常時接続されていなくてもよい。
演算処理部101は、サーバ装置100全体の動作を制御し、上述した他の構成要素との間で制御信号及び情報信号(データ)の送受信を行うとともに、ゲームの実行に必要な各種の演算処理を行う。そのため、演算処理部101は、いわゆるレジスタ等の高速アクセス可能な記憶領域に対して、数値演算ユニット等を用いた加減乗除等の算術演算、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算等、更に必要に応じて、飽和演算、三角関数演算、ベクトル演算等を行うことが可能なように構成されている。
また、ROM102には、一般に、電源投入後、最初に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録されており、これが実行されることにより、スロットドライブ108に収容又は接続されるディスクやメモリデバイスに記録されたサーバ用プログラムやゲームプログラムが、演算処理部101によって一旦RAM103に読み出され、そのプログラムが演算処理部101によって実行される。さらに、ROM102には、サーバ装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムやその他の各種データが記録されている。
さらに、RAM103は、サーバ用プログラム、ゲームプログラム、及び、各種データを一時的に記憶するためのものであり、上記の如く、読み出されたサーバ用プログラムやゲームプログラム、その他ゲームの進行や複数の端末装置2間の通信に必要なデータ等がRAM103に保持される。さらに、演算処理部101は、RAM103に変数領域を設定し、その変数領域に格納された値に対しても数値演算ユニットを用いた直接演算を行ったり、或いは、RAM103に格納された値をレジスタに一旦複製又は移設格納してそのレジスタに対しても直接演算を行ったり、さらには、それらの演算結果をRAM103に書き戻したりといった処理を行う。
また、外部インターフェース104を介して接続された入力部105は、サーバ装置100のユーザ(ゲームの提供者)が行う各種の操作入力を受け付けるものであり、入力部105としては、キーボード、タッチパッド、タッチパネルの他、例えば、音声入力装置を採用することができ、種々の操作入力、決定操作、取消操作、メニュー表示等の指示入力を行うことが可能であれば、デバイスの種類は特に制限されない。
さらに、RAM103や、外部インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、サーバ装置100の作動状況、各端末装置2のアクセス状況、各端末装置2におけるゲームのプレイ状況や進行状態(過去の成績等)を示すデータ、端末装置2間の通信のログ(記録)のデータ等が書き換え可能に記憶される。
また、画像処理部107は、スロットドライブ108から読み出された各種データを、演算処理部101により、又は、画像処理部107自体により加工処理した後、その処理後の画像情報をフレームメモリ等に記録する。このフレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、画像処理部107に接続されるディスプレイモニタ111へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。また、ゲームに関する画像情報は、演算処理部101との協働処理等によって、画像処理部107及び/又は演算処理部101から各端末装置2へ送出される。
またさらに、音声処理部109は、スロットドライブ108から読み出された各種データを音声信号に変換し、音声処理部109に接続されたスピーカ装置112から出力する。また、ゲームに関する音声情報(効果音や楽曲情報)は、演算処理部101との協働処理等によって、音声処理部109及び/又は演算処理部101から各端末装置2へ送出される。
さらにまた、ネットワークインターフェース110は、サーバ装置100をネットワーク200へ接続するためのものであり、例えば、LANの構築に使用される諸規格に準拠するもの、アナログモデム、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネット等に接続するためのケーブルモデム等、及び、これらを、伝送路120を介して演算処理部101と接続するためのインターフェースとから構成される。
このように構成されたゲームシステム1及びサーバ装置100において、本発明によるゲーム用のプログラムに従って実施されるゲーム(ソーシャルゲーム)の好適な一実施形態について、以下に説明する。図3は、サーバ装置100において実施されるゲームのタイムテーブルの一例を示す概念図である。また、図4乃至図6は、図3に示すソーシャルゲームにおけるゲーム画面の構成例を示す模式図である。
なお、以下の手順における各種処理(画像や画面の表示、判定、演算等)は、サーバ装置100の演算処理部101による制御指令に基づいて実行される。すなわち、演算処理部101が、本発明における「制御部」として機能する。また、上述したROM102及びRAM103、並びに、外部メモリ106に加え、ゲームに関する情報が記録された各種記憶媒体が、本発明における「情報記憶部」に相当する。
このゲームは、互いに異なる対戦イベントBa1,Ba2,Bbを含んで構成されており、本実施形態においては、図3における時間軸Ytに示す如く、これらの対戦イベントBa1,Ba2,Bbが0時から24時まで間断なく連続的に実施される。サーバ装置100は、予め設定されたスケジュールや時系列アルゴリズムにしたがって、これらの対戦イベントBa1,Ba2,Bbをプレイヤの端末装置2へ配信可能な状態にある。
プレイヤは、端末装置2(クライアントコンピュータ21や携帯端末22;タブレット端末やスマートフォン等)を操作し、インターネット等のネットワーク200を介して、その端末装置2をサーバ装置100に接続する。それから、端末装置2の操作により、プレイヤがサーバ装置100から提供されるこのゲームを選択し、或いは、ゲームを選択する前のプラットフォーム画面にて、ID番号や暗証番号等のログイン情報を入力する。サーバ装置100の演算処理部101が、そのログイン情報を認識すると、ID番号に関連付けられたそのプレイヤ固有のマイページ画面やマイホーム画面を、端末装置2に表示する。また、ゲームの種類によっては、そのマイページ画面において、ゲームシーンとして設定された複数の場面(例えば、ロケーション、ダンジョン、クエスト等)がリストされたバナーが表示される。なお、これらのロケーション、ダンジョン、クエストといった場面は、相互に或いは個々の構造として階層化されていてもいなくてもよい。
さらに、本ゲームでは、サーバ装置100の演算処理部101によって、マイページ画面やマイホーム画面において、プレイヤのグループである先述した「ギルド」に関するメニュー画面が表示される。本ゲームをプレイしたり本ゲームに参加したりした経験があるプレイヤは、基本的に所定のギルドに所属しており、その情報が、ROM102等の情報記憶部にプレイヤのID情報等の特定情報に関連付けられて記録されている。演算処理部101は、その情報に基づいて、そのプレイヤが所属しているギルドの情報と、必要に応じてギルドに関する編集メニュー等を端末装置2に更に表示する。
一方、本ゲームを初めてプレイするプレイヤや本ゲームに初めて参加するプレイヤは、基本的に特定のギルドに所属していないため、演算処理部101は、かかるギルドに無所属のプレイヤの端末装置2に、ギルドを探索(検索)したり、新たなギルドを作成(確立)したりするためのメニュー画面を表示する。プレイヤはメニュー画面から逐次表示されるプルダウンメニュー等における指示にしたがって端末装置2を操作し、自分が参画するギルドを決定又は作成することができる。
プレイヤの所属ギルドが決定又は選択されると、或いは、必要に応じて、複数のゲームリストやイベントリストが端末装置2に表示され、プレイヤが本ゲームへ参加することを選択すると、プレイヤの端末装置2には、その時点で実施されているゲームイベントの画面が表示される。これにより、プレイヤは、そのとき開催されているゲームイベントに自由に参加することができる。なお、このとき、プレイヤの端末装置2には、各種ゲームイベントの準備画面や導入画面が表示されてもよく、それは、静止画でも動画(フラッシュ等)でもよい。
上述の如く、図3に示す一例では、サーバ装置100によって、対戦イベントBa1,Ba2,Bbのいずれかが絶えず実行されている。例えば、本ゲームへのログイン時刻が、午前0時〜6時、午前9時〜12時、午後1時〜6時、午後8時〜10時、及び午後23時〜24時(次の日の0時)のいずれかの場合、このゲームコミュニティでは、対戦イベントBbが開催されている。また、同様に、本ゲームへのログイン時刻が、午前7時〜8時、午前11時〜午後1時、午後6時〜8時、午後10時〜11時のいずれかの場合、対戦イベントBa2が開催されており、この対戦イベントBa2が開催されている時間帯の適宜の時間に対戦イベントBa1が実行される。なお、対戦イベントBa1の実行中は、対戦イベントBa2は行われない。このように、演算処理部101は、スケジュールにしたがって、そのとき開催されるべき対戦イベントBa1,Ba2,Bbの処理を実行するように構成されている。
ここで、図4を参照して、各プレイヤの端末装置2に表示される対戦イベントBbが実行されているときの状態の一例について説明する。対戦イベントBbは、レイド戦、すなわち、プレイヤが所属するギルドG1(グループ)と、敵キャラクタEb(第2のゲームキャラクタ)であるレイドとの戦い(上述したGvRに相当するバトル)であって、本発明における「グループ別イベント」に該当する。
この対戦イベントBb(ゲームタイトルによっては、これ自体をクエストやターン等と呼ばれることもある;後述する対戦イベントBa1,Ba2においても同様)における処理手順としては、まず、端末装置2の画面2aに、ゲーム画像の表示領域としてイベントフィールドF及びパレットPを画定し、それらの表示領域に、それぞれの構成要素を表示する。具体的には、イベントフィールドFに、図示実線の円形で表されたプレイヤキャラクタCa〜Cf(ゲーム媒体)、及び、敵キャラクタEb(レイド)が構成要素の一部として表示される。すなわち、ここでは、イベントフィールドFに、主として、ギルドG1のプレイヤキャラクタCa〜Cfが表示される領域、及び、敵キャラクタEbが表示される領域が画定される。なお、図4においては、端末装置2の画面2aの符号の表記として、対戦イベントBbにおける表示であることの理解を容易にするべく、画面2a(Bb)と記載した。
これらのプレイヤキャラクタCa〜Cfは、同一のギルドG1(図示一点鎖線で囲んで示す)に所属するプレイヤが操作するキャラクタ、すなわち、自分のプレイヤキャラクタを含む味方のプレイヤキャラクタに相当し、これらのプレイヤキャラクタCa〜Cfが一丸となって、敵キャラクタEbと戦う。また、敵キャラクタEbの数及び種類は、各対戦イベントBbにおいて、単体でも複数でもよく、弱小キャラクタが倒された後に、ボスキャラクタ(いわゆるレイドボス)が登場するようにしてもよい。
一方、パレットPは、その構成要素として、プレイヤキャラクタCa〜Cfが敵キャラクタEbに対して攻撃を仕掛ける際に使用できる「技」(通常技や必殺技)を抽選により決定するための場である。このパレットPには、仮想的なカードの束であるデッキDと、デッキDから選択された複数のカード(ゲーム媒体)が表示される。
プレイヤは、自分の端末装置2に表示されたデッキDからカードを1枚ずつ選択し、図4に示す例では、3枚のカード31,32,33をパレットPに出すことができる。各カードには、「技」の種類又はそれを表す例えばキャラクタ、イラスト、文字等、攻撃値(技や発動される動作のポイント;アクションポイント(AP)や技ポイント(技P))、技に関連する特定のアイテム、防御値(体力や生命力(HP)でもよい)が描画又は記載されており、プレイヤがデッキDを捲ってパレットPに出したカードに応じて、プレイヤキャラクタCa〜Cfが敵キャラクタEbに技を繰り出して攻撃し、相手に与えるダメージや自分が受けるダメージが計算される。
また、各カードには、前記の技、攻撃値、及び防御値の他、属性(赤、緑、青といった色や、火、水、木、光といった形態等)、稀少度(レア度)等の情報も描画又は記載されている。そして、プレイヤがデッキDから順次めくって表示させた3枚のカード31,32,33の種類、属性、稀少度等が全て揃った場合、或いは、特定の組み合わせ(役)ができた場合、プレイヤキャラクタCa〜Cfの攻撃力や防御力が増大するといった効果が発動される。なお、3枚のカード31,32,33がパレットPに表示されている状態において、プレイヤがデッキDからカードを更に捲ると、カード31,32,33のうちいずれか1枚(例えば、図示向って一番左にあるカード31が、画面2aが削除され、新たに選択された別のカードが表示される。このとき、削除されるカード31がパレットPの外部に、例えばスライドアウトし、残りのカード32,33が向って左側にスライドし、空いたスペースに新たなカードがスライドインするといった演出を行ってもよい。
さらに、カード31,32,33の選択や組み合わせによって発動される技又はそれに関連する実行中アイテム401が、イベントフィールドFにおけるプレイヤキャラクタCa〜Cfの下方に表示される。また、イベントフィールドFにおけるプレイヤキャラクタCa〜Cf及び敵キャラクタEbのそれぞれの上方には、ギルドG1全体としての体力や生命力、及び、敵キャラクタの体力や生命力がHPゲージ61,62とそして表示される。図示においては、HPゲージ61,62における斜線で示す部分がそれぞれの体力や生命力を示し、これがゼロになった方のギルドG1か敵キャラクタEbが、この対戦イベントBbにおいて敗者となる。
また、この対戦イベントBbにおいて、ギルドG1が敵キャラクタEbに勝利すると、別の対戦イベントBa2及び/又は対戦イベントBa1において使用することが可能な賞品アイテム(報酬)を獲得することができる。この報酬としては、例えば、プレイヤキャラクタCa〜Cfが敵キャラクタEbに対して与えたダメージの総計ポイント、対戦終了時におけるHPゲージ61に表示されたHPの総計ポイント、それらの総計ポイントに使用したアイテム401等に応じて重み付けられた係数を乗じたり加算したりした後の総計ポイントといったポイント報酬や、対戦イベントBa2及び/又は対戦イベントBa1における敵キャラクタや相手ギルドとの戦いで受けたダメージを回復させることができる回復薬といったアイテム報酬等が挙げられる。
なお、それらの報酬を付与する態様としては、例えば、それらの報酬を対戦イベントBbに参加したプレイヤに付与してもよく、また、それらのプレイヤが所属するギルドG1全体(構成メンバ全員)に付与するようにしてもよい。さらに、それらの報酬を付与する際には、それらの報酬を直接的に付与してもよいし、或いは、それらの報酬を、「宝箱」といったアイテムに収容した状態のものを付与する演出や表示態様を採用することができる。
また、ギルドG1のHPゲージ61の近傍には、プレイヤキャラクタCa〜Cfが敵キャラクタEbから攻撃を受ける前に、敵キャラクタEbへ連続して攻撃をした回数(いわゆるコンボ回数)がコンボゲージCm1として表示される。このコンボゲージCm1に表示されるコンボ回数が所定値以上になると、プレイヤキャラクタCa〜Cfが敵キャラクタEbに仕掛ける技の威力が増強され、これにより、敵キャラクタEbに与えられるダメージが増幅される。さらに、図示においては、プレイヤキャラクタCa〜Cfが、敵キャラクタEbに比較的近い側に位置するプレイヤキャラクタCa〜Cc(言わば前衛)と敵キャラクタから比較的遠い側に位置するプレイヤキャラクタCd〜Cf(言わば後衛)に分けて表示されている。これは、前衛側のプレイヤキャラクタCa〜Ccが後衛側のプレイヤキャラクタCd〜Cfよりも、敵キャラクタEbによる攻撃を受け易いことを示し、この点において、経験が比較的豊富なプレイヤのプレイヤキャラクタを前衛に配し、経験が比較的浅いプレイヤのプレイヤキャラクタを後衛に配することにより、前者が後者をカバーするとったギルドG1としての戦略を企図することもできる。
次に、図5を参照して、各プレイヤの端末装置2に表示される対戦イベントBa2が実行されているときの状態の一例について説明する。対戦イベントBa2は、一種のギルド戦であって、各プレイヤが所属するギルド同士の戦い(上述したGvGに相当するバトル)であり、本発明における「グループ間イベント」のうち「第2の対戦イベント」に該当する。なお、図5においては、端末装置2の画面2aの符号の表記として、対戦イベントBa2における表示であることの理解を容易にするべく、画面2a(Ba2)と記載した。
この対戦イベントBa2においても、前述した対戦イベントBbと同様に、まず、端末装置2の画面2aに、ゲーム画像の表示領域としてイベントフィールドF及びパレットPを画定し、それらの表示領域に、それぞれの構成要素を表示する。具体的には、イベントフィールドFに、ギルドG1(グループ)に所属するプレイヤキャラクタCa〜Cf、及び、ギルドG2(グループ)に所属するプレイヤキャラクタCg〜Clが構成要素の一部として表示される。すなわち、ここでは、イベントフィールドFに、主として、ギルドG1のプレイヤキャラクタCa〜Cfが表示される領域、及び、ギルドG2のプレイヤキャラクタCg〜Clが表示される領域が画定される。そして、この対戦イベントBa2には敵キャラクタは登場せず、ギルドG1に所属するプレイヤキャラクタCa〜Cf、及び、ギルドG2に所属するプレイヤキャラクタCg〜Clは、それぞれが一丸となって、相手ギルドとの直接的な決戦を行う。
また、この対戦イベントBa2における対戦の態様は、プレイヤキャラクタCa〜Cfの所属するギルドG1の対戦相手が、敵キャラクタEbに代えて、プレイヤキャラクタCg〜Clが所属するギルドG2である点をおいて対戦イベントBbと相違する。すなわち、ギルドG1のプレイヤキャラクタCa〜Cfのそれぞれの端末装置2の画面2aには、パレットPが表示され、各プレイヤは、パレットPにおいてデッキDからカードを順次選択する(捲る)ことにより、それぞれのカード31,32,33に表示された技、攻撃値、特定のアイテム、防御値等、及び、それらの属性や稀少度等の組み合わせに応じて、相手のギルドG2のプレイヤキャラクタCg〜Clを攻撃し、相手に与えるダメージや自分が受けるダメージが計算される。反対に、ギルドG2のプレイヤキャラクタCg〜Clのそれぞれの端末装置2の画面2aにも、同様の表示がなされ、相手のギルドG1のプレイヤキャラクタCa〜Cfへの攻撃を行う。
また、ギルドG1,G2のそれぞれに対応するコンボゲージCm1,Cm2も表示され、相手に対してコンボの発動による攻撃力の増強も行われるとともに、ギルドG1,G2がそれぞれ使用している実行中アイテム401,402も画面2aにイベントフィールドF内に表示される。さらに、ギルドG1,G2毎にHPゲージ61,63が表示され、その残存量に応じて勝敗が決せられる。このように、対戦イベントBa2においては、ギルドG1,G2の勝敗が両者の対戦により直接的に決定される。またさらに、この対戦イベントBa2においては、前述した対戦イベントBbにおいて獲得した報酬アイテムを使用することができ、その報酬アイテムを使用したときに、その旨を通知するテキストやイラスト等を画面2aに表示してもよいし、回復薬等のアイテムを使用したときには、そのアイテムを例えば実行中アイテム401,402の一部として表示してもよいし、それらとは別に表示してもよい。
さらに、図6を参照して、各プレイヤの端末装置2に表示される対戦イベントBa1が実行されているときの状態の一例について説明する。対戦イベントBa1は、対戦イベントBa2とは異なる種類のギルド戦であって、各プレイヤが所属する複数のギルドG1,G2のそれぞれと敵キャラクタEa(第1のゲームキャラクタ)との戦い(上述したGvGvRに相当するバトル)であり、本発明における「グループ間イベント」のうち「第1の対戦イベント」に該当する。また、なお、図6においては、端末装置2の画面2aの符号の表記として、対戦イベントBa1における表示であることの理解を容易にするべく、画面2a(Ba1)と記載した。
この対戦イベントBa1は、図3に示す如く、数時間かけて実施される対戦イベントBa2の間の任意の時点において突如開催されるように設定されている。なお、図3においては、便宜上、対戦イベントBa1が、所定の時間に開催されるように表示したが、もちろん、そのように対戦イベントBa2において定期的に実施されるように設定されていてもよい。
また、対戦イベントBa1においても、前述した対戦イベントBbと同様に、まず、端末装置2の画面2aに、ゲーム画像の表示領域としてイベントフィールドF及びパレットPを画定し、それらの表示領域に、それぞれの構成要素を表示する。具体的には、イベントフィールドFに、ギルドG1に所属するプレイヤキャラクタCa〜Cf、及び、ギルドG2に所属するプレイヤキャラクタCg〜Clに加え、敵キャラクタEa(レイド)が構成要素の一部として表示される。すなわち、ここでは、イベントフィールドFに、主として、ギルドG1のプレイヤキャラクタCa〜Cfが表示される領域、及び、ギルドG2のプレイヤキャラクタCg〜Clが表示される領域、並びに、敵キャラクタEaが表示される領域が画定される。そして、この対戦イベントBa1では、ギルドG1に所属するプレイヤキャラクタCa〜Cf、及び、ギルドG2に所属するプレイヤキャラクタCg〜Clのそれぞれが一丸となって、敵キャラクタEaと戦い、ギルドG1,G2間の直接的なバトルは行われない。
なお、この場合、各プレイヤに対して視覚的な効果を与えるべく、例えば、対戦イベントBa2を実施している最中に、敵キャラクタEaが画面2aの上方から突然降りてくる(降ってくる)といった演出を行い、対戦イベントBa1が突如開始されるようにしても好適である。
また、この対戦イベントBa1においては、ギルドG1,G2の対戦相手自体は、それぞれ相手のギルドG2,G1であって、この点において、対戦イベントBa1,Ba2は、ともにギルド戦である。しかし、それぞれのプレイヤキャラクタCa〜Clによる直接的な攻撃対象が、相手のギルドのプレイヤキャラクタではなく、敵キャラクタEaである点において、対戦イベントBa1,Ba2は大きく相違する。すなわち、ギルドG1のプレイヤキャラクタCa〜Clのそれぞれの端末装置2の画面2aには、パレットPが表示され、各プレイヤは、パレットPにおいてデッキDからカードを順次選択する(捲る)ことにより、それぞれのカード31,32,33に表示された技、攻撃値、特定のアイテム、防御値等、及び、それらの属性や稀少度等の組み合わせに応じて、敵キャラクタEaを攻撃し、敵キャラクタEaに与えるダメージや自分が受けるダメージが計算される。
その際、イベントフィールドFの中央上部(敵キャラクタEaの上方近傍)には、対戦ゲージ64が表示される。この対戦ゲージ64は、ギルドG1,G2が敵キャラクタEaに対して与えたダメージの総量を、例えば100としたときのそのダメージ総量に対するギルドG1,G2の寄与分の割合(寄与割合;ゲームパラメータ)を示すものである。例えば、図6に示す状態では、敵キャラクタEaのダメージ総量に対するギルドG1の寄与割合641の方が、ギルドG2による寄与分の割合642よりもなっており、この時点において、ギルドG1の方が、ギルドG2よりも敵キャラクタEaに対してより効果的なダメージを与えていることを示す。また、対戦ゲージ64におけるそれらの割合641,642は、対戦イベントBa1の進行とともにリアルタイムで時々刻々と変化する。そして、この対戦イベントBa1においては、その終了時点において、対戦ゲージ64に表示された寄与割合641,642の大小により、ギルドG1,G2の勝敗が間接的に決定される。
なお、この対戦イベントBa1においても、前述した対戦イベントBbにおいて獲得した報酬アイテムを使用することができ、その報酬アイテムを使用したときに、その旨を通知するテキストやイラスト等を画面2aに表示してもよいし、回復薬等のアイテムを使用したときには、そのアイテムを例えば実行中アイテム401,402の一部として表示してもよいし、それらとは別に表示してもよい。また、ギルドG1,G2のそれぞれに対応するコンボゲージCm1,Cm2も表示され、敵キャラクタEaに対してコンボの発動による攻撃力の増強も行われるとともに、ギルドG1,G2がそれぞれ使用している実行中アイテム401,402も画面2aのイベントフィールドF内に表示される。さらに、この対戦イベントBa1においては、画面2aのパレットPの領域内に、そのプレイヤが操作するプレイヤキャラクタのHPゲージ65、及び、APゲージ66(カード31,32,33の組み合わせ等によって発現される技のアクションポイント)が表示されるように構成される。
以上の如く構成されたサーバ装置100、その制御方法、ゲームプログラム、及びゲームシステム1によれば、サーバ装置100の演算処理部101によって、複数の対戦イベントBa1,Ba2,Bbが実行され、プレイヤは自分が所属するギルドG1,G2の一員(メンバー)として、それらの各対戦イベントBa1,Ba2,Bbへ参加することができる。
特に、対戦イベントBa1においては、敵キャラクタEaと複数のギルドG1,G2のそれぞれとの対戦状況又は対戦結果、つまりイベントフィールドFに表示される対戦ゲージ64に視認可能に表示される寄与割合641,642の大小に基づいて、ギルドG1,G2間の勝敗が判定される。したがって、自分が所属するギルドG1,G2が相手のギルドG2,G1に勝利するには、プレイヤとしては、そこに登場する直接的な討伐対象である敵キャラクタEaとの対戦を重視する必要がある。或いは、プレイヤとしては、ギルド戦でありながら敵キャラクタEaとの対戦自体に主眼を置かなければならず、相手の個々のプレイヤキャラクタCa〜Clとの対戦とは異なる戦略や攻撃等の工夫を行う必要も生じる。
よって、従来のギルド戦(例えば、対戦イベントBa2のみ;従来技術の説明において述べた単なるチーム戦)や、複数のプレイヤキャラクタが敵キャラクタを倒すような通常のレイド戦(例えば、対戦イベントBbのみ)に比して、対戦イベント自体の面白味や興趣性を格段に高めることができ、ゲームの活性化を促進させることが可能となる。その結果、対戦イベントとしてのグループ間イベント延いてはゲーム全体の活性化を促進することができ、且つ、プレイヤのゲームへの参加意識や継続意欲を向上させることが可能となる。
また、対戦イベントBa1において、対戦ゲージ64をプレイヤが視認可能なように端末装置2の画面2aに表示し、対戦イベントBa1の進行とともに変化する敵キャラキタEaへ与えたダメージ総量に対するギルドG1,G2による攻撃の寄与割合641,642をプレイヤが把握できるようにしたので、対戦イベントBa1における臨場感や緊迫感が高められ、ゲームを更に活性化することができる。
さらに、対戦イベントBa1を、ギルドG1,G2間の直接対戦である対戦イベントBa2と組み合わせること、つまりGvGvR(対戦イベントBa1)とGvG(対戦イベントBa2)を融合させることにより、グループ間イベント(ギルド間イベント)を変化に富んだ内容のものとすることができる。特に、両者を単に組み合わせるだけではなく、対戦イベントBa2を敢えて主位的なイベントとして位置づけ、その実行中に、突発的に(無作為的に、ランダムに)対戦イベントBa1を開催した場合、プレイヤの意表をつくことができ、グループ間イベントの全体を通して、プレイヤの緊張感を高め、これにより、ゲーム全体の更なる活性化に寄与することができる。
なお、上述したとおり、本発明は、上記の実施の形態、及び、既に述べた変形例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、図1に示すサーバ装置100の構成は、処理能力等に相違はあるものの、端末装置2であるクライアントコンピュータ21及び携帯端末22についても適合する。逆言すれば、クライアントコンピュータ21及び携帯端末22を、サーバ装置100として使用することも可能である。すなわち、ネットワーク200を介して接続されているコンピュータ装置の何れもサーバ装置として機能させることができる。
さらに、サーバ装置100においては、ハードディスクやSSD等の大容量記憶装置を用いて、ROM102、RAM103、外部メモリ106、スロットドライブ108に装荷されるメモリデバイス等と同等の機能を果たすように構成してもよく、それらの記憶装置は、RAID等による冗長化が行われていてもいなくてもよく、また、伝送路120を介して演算処理部101に接続されていなくてもよく、例えば、クラウドコンピューティングの一環として、ネットワーク200を介して別の外部装置等に接続されていてもよい。
またさらに、サーバ装置100及び端末装置2におけるネットワークインターフェースとしては、無線LAN装置及び有線LAN装置の何れでもよく、それらは、内部に装着されていても、LANカードの如く外部デバイスタイプのものでもよい。さらにまた、端末装置2としては、ネットワーク200に接続可能なゲーム機を用いてもよく、他には、例えば通信カラオケ装置を用いることも可能である。
加えて、対戦イベントBa1,Ba2,Bbにおけるゲーム設定も、上記の実施形態における具体例に限定されるものではない。例えば、対戦イベントBa1,Ba2は、2つのギルドG1,G2間の対戦に限られず、3つ以上のギルド間の対戦としてもよい。また、対戦イベントBa1において、各プレイヤの端末装置2の画面2aに表示したHPゲージ65とAPゲージ66を、対戦イベントBa2,Bbにおける各プレイヤの端末装置2の画面2aに表示してももちろんよい。さらに、対戦イベントBa1を実施しているときに対戦イベントBa2を中止又は中断せずに、異なる階層やレイヤーで並行して実施してもよい。この場合、対戦イベントBa1,Ba2のそれぞれに参加するプレイヤキャラクタを同一ギルドから選抜するようにしてもよい。