JP5888227B2 - インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法に関し、詳しくは、ダミーチャネルが接着剤によって閉塞されることなく、安定したインク射出を行うことのできるインクジェットヘッド及びそのインクジェットヘッドの製造方法に関する。
チャネル内のインクを吐出させることによって各種画像の記録を行うインクジェットヘッドとして、せん断モード型のインクジェットヘッドがある。これは、多数並設されるチャネルの間を区画する隔壁を圧電素子によって形成することで駆動壁とし、この駆動壁をせん断変形させ、チャネルの容積変化による圧力を利用してチャネル内のインクをノズルから吐出させるものである。
このようなインクジェットヘッドとして、いわゆるハーモニカ型のヘッドチップを有するものが知られている。このヘッドチップは六面体形状を呈しており、相反する前面と後面とにそれぞれチャネルの開口部が配置されることにより、ストレート状のチャネルを有している。このようなストレート状のチャネル構造は、駆動壁に電圧を印加するための駆動電極がチャネル内に臨んでいて外部に露出しないため、各駆動電極へ電圧印加を行うことが難しい。このため、従来、ヘッドチップの後面側に電極取り出し用の配線基板を接合することにより、この配線基板を利用して各駆動電極をヘッドチップの外部に電気的に引き出し、駆動電極への電圧印加の容易化を図る工夫が採られている。
例えば特許文献1には、複数のチャネル列を有するハーモニカ型のヘッドチップの後面に、チャネル内の駆動電極の端部を露出させて電気的接点を形成しておき、この後面を覆うようにフレキシブルな配線基板を接合することで、この配線基板の表面を利用して各駆動電極をヘッドチップの外部に電気的に引き出すことが開示されている。配線基板には各チャネルに対応する位置のみにそれぞれインク供給用の貫通穴が開設され、配線基板の後面側に接合されるマニホールド内のインクを、この貫通穴を介して各チャネル内に個別に供給できるようにしている。
特開2002−178509号公報(図18)
ところで、インクジェットヘッドには、一つのチャネル列を構成しているチャネルの全てがインク吐出を行う駆動チャネルであるものの他、インク吐出を行う駆動チャネルとインク吐出を行わないダミーチャネル(空気チャネル又は空気室ともいう。)とが交互になるように配置させたものがある。
このダミーチャネルを有するインクジェットヘッドの場合、インク吐出を行わないダミーチャネル内にはインクを流入させる必要がない。むしろ、ダミーチャネル内にインクが流入すると、その両側の駆動壁の動作がインクによって阻害される問題がある。このため、特許文献1記載のようにヘッドチップの後面を覆うように配線基板を接合する際、ダミーチャネルの開口部に対応する位置にはインク供給用の貫通穴は形成せず、開口部を配線基板によって閉塞するようにしている。このとき、ダミーチャネルの開口部は配線基板との間に塗布される接着剤によって完全に封止されることが望まれる。
接着剤によってダミーチャネルの開口部を完全に封止するには、ヘッドチップと配線基板との接着時に、両者間に十分な接着剤を塗布し、配線基板によって覆われるダミーチャネルの開口部の周囲を接着剤によって完全に取り囲む必要がある。
しかし、接着剤の塗布量が少なすぎると、ダミーチャネルの開口部の周囲を接着剤によって完全に取り囲むことができず、接着剤が存在しない箇所が生じてしまう。接着剤が存在しない箇所が隣接する駆動チャネルの開口部まで達していると、駆動チャネルへ供給されるインクがダミーチャネル内に流入してしまい、その両側の駆動壁の動作に影響し、隣接する駆動チャネルからの安定吐出を阻害するおそれがある。一方、接着剤の塗布量が多すぎると、貼り合せ時に余分な接着剤が毛細管力によってダミーチャネル内に入り込んでしまう。
図13はこのときのヘッドチップ100と配線基板200との接着部分を拡大して示す断面図である。図中の下方向がインク吐出方向である。また、図14はそのときの各開口部の様子を示しており、図13中の(xiv)−(xiv)線に沿う断面図である。
これらに示されるように、駆動チャネル101には接着剤300が流れ込むことはない。駆動チャネル101の開口部に対応する配線基板200に、該開口部とほぼ同等の開口面積を持つ貫通穴201が形成されているためである。しかし、ダミーチャネル102の開口部に対応する位置には貫通穴が形成されていないため、接着剤300がこの配線基板200を伝ってダミーチャネル102の開口部を被覆するように流れ込み易い。このため、余分な接着剤300が毛細管力によってダミーチャネル102内に入り込んでしまう。このときのダミーチャネル102の開口部は、流入した接着剤300によってほとんど閉塞された状態となり、流入した接着剤300が駆動壁102を伝ってダミーチャネル102の奥深くまで浸入して接着剤フィレット301を形成する。
この接着剤フィレット301は、ダミーチャネル102の開口部側の内周面全体に亘って形成される。このため、硬化時に膨張した接着剤フィレット301がダミーチャネル102の内壁面を外側に押し広げるように作用し、駆動壁103にダメージを与え易い。しかも、硬化した接着剤フィレット301が駆動壁103の動作そのものを阻害する問題もある。
従って、接着剤によってダミーチャネルの開口部の周囲を完全に取り囲むように封止して安定吐出が可能なインクジェットヘッドを安定して製造することが難しい問題があった。
なお、駆動チャネルはインクが供給されるチャネルであるため、必ずしもその開口部の周囲が完全に封止されている必要はない。
また、ヘッドチップとノズルプレートとの接合においては、このような問題はない。なぜなら、ノズルプレートとヘッドチップ前面のノズルプレート貼り付け面ともに電極のような凸凹はなく平面であるため、接着剤塗布量を最小限に抑えてもノズルプレートとヘッドチップの隙間の毛細管力によって優先的に隙間に接着剤が浸透するためである。また、ノズルプレート貼り付け面に存在する保護膜による凸凹やチップ側の加工時の凸凹が存在したとしても、保護膜の剛性は低く、ノズルプレートも一般的には材料が樹脂であり薄いため、凸凹にあわせて変形することができるので、貼り付け後の加圧によって隙間を埋めることができる。
本発明者は、このようなヘッドチップと配線基板との接合時の問題について鋭意検討したところ、ヘッドチップと配線基板との間に塗布される接着剤によってダミーチャネルの開口部の周囲を完全に封止するには、この開口部の周辺に存在する接着剤によって形成される接着剤フィレットが、開口部を完全に閉塞してしまうことはないが、開口部の周縁内に一部入り込んだ状態となっていることが重要であることを見出した。
すなわち、ダミーチャネルの開口部が接着剤フィレットによって完全に閉塞されている場合は、接着剤がダミーチャネル内まで入り込んでしまった状態となっており、上記の通り、駆動壁の動作を阻害してしまう。一方、ダミーチャネルの開口部内に接着剤フィレットが全く存在していない場合は、ダミーチャネルの開口部を取り囲む接着剤が途切れがちとなり、部分的に接着剤が存在しない箇所が発生し易くなる。ダミーチャネルの開口部とこれに隣接する駆動チャネルの開口部との間の距離(駆動壁の厚み分の距離)は極めて近接した細幅状となっており、この間に存在し得る接着剤の量は極めて少ないためである。その結果、駆動チャネル内へ供給されるインクがダミーチャネル内に流入してしまう可能性が高くなる。
具体的には、インクジェットヘッドは、ダミーチャネルの四角形状の開口部内の四隅に接着剤フィレットが存在するが、該四隅の接着剤フィレット同士は互いにつながっていないことが重要であることを見出し、本発明に至った。
そこで、本発明は、ダミーチャネルの開口部内の接着剤フィレットの状態を最適化することにより、ダミーチャネルが接着剤によって閉塞されることなく、安定したインク射出を行うことのできるインクジェットヘッドを提供することを課題とする。
また、本発明は、ダミーチャネルの開口部内の接着剤フィレットの状態を容易に最適化でき、ダミーチャネルが接着剤によって閉塞されることなく、安定したインク射出を行うことのできるインクジェットヘッドの製造方法を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.チャネルと、圧電素子からなる駆動壁とが交互に配置されると共に、前記チャネル内に臨む前記駆動壁の表面に駆動電極が形成されたチャネル列を有し、前面及び後面にそれぞれ前記チャネルの開口部が配置されており、該後面に、前記チャネル内の前記駆動電極とそれぞれ導通する接続電極が形成されてなるヘッドチップと、
前記ヘッドチップの後面に前記チャネル列を覆うように接合されると共に、前記ヘッドチップと接合される側の面に前記接続電極と電気的に接続される配線電極が形成され、前記ヘッドチップの前記駆動電極に前記配線電極を介して電圧を印加するための配線基板とを有し、
前記ヘッドチップのチャネル列は、インク吐出を行う駆動チャネルとインク吐出を行わないダミーチャネルとが交互に配置されており、
前記配線基板は、前記駆動チャネルの開口部に対応する位置にインク供給用の貫通穴をそれぞれ有し、前記ヘッドチップの後面に接着剤によって接合されることによって、前記ダミーチャネルの四角形状の開口部を閉塞しているインクジェットヘッドであって、
前記ダミーチャネルの開口部における前記接着剤によって形成される接着剤フィレットが、該ダミーチャネルの開口部の四隅に独立して存在していることを特徴とするインクジェットヘッド。
2.前記ヘッドチップの後面側の周縁と前記配線基板とに亘って接着剤フィレットが形成されていることを特徴とする前記1記載のインクジェットヘッド。
3.チャネルと、圧電素子からなる駆動壁とが交互に配置されると共に、前記チャネル内に臨む前記駆動壁の表面に駆動電極が形成されたチャネル列を有し、前面及び後面にそれぞれ前記チャネルの開口部が配置されており、該後面に、前記チャネル内の前記駆動電極とそれぞれ導通する接続電極が形成されてなるヘッドチップと、
前記ヘッドチップの後面に前記チャネル列を覆うように接合されると共に、前記ヘッドチップと接合される側の面に前記接続電極と電気的に接続される配線電極が形成され、前記ヘッドチップの前記駆動電極に前記配線電極を介して電圧を印加するための配線基板とを有し、
前記ヘッドチップのチャネル列は、インク吐出を行う駆動チャネルとインク吐出を行わないダミーチャネルとが交互に配置されており、
前記配線基板は、前記駆動チャネルの開口部に対応する位置にインク供給用の貫通穴をそれぞれ有し、前記ヘッドチップの後面に接着剤によって接合されることによって、前記ダミーチャネルの四角形状の開口部を閉塞しているインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記ヘッドチップと前記配線基板とを前記接着剤を介して貼り合せると共に、前記配線基板の接合面と反対側の前記ダミーチャネルの開口部を密閉した状態で加熱を行い、前記ダミーチャネル内に封入されている気体を膨張させ、該気体の膨張により前記ダミーチャネル内に入り込んだ前記接着剤を該ダミーチャネルの開口部から押し出した状態で硬化させることによって、該開口部内に残留する接着剤による接着剤フィレットを、該開口部の四隅に独立して存在させることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
4.前記ヘッドチップを弾性部材からなるシール材と前記配線基板との間で挟み込むことにより、前記配線基板の接合面と反対側の前記ダミーチャネルの開口部を密閉した状態で加熱を行うことを特徴とする前記3記載のインクジェットヘッドの製造方法。
5.前記ヘッドチップと前記配線基板とを接着した後に、該ヘッドチップにおける前記配線基板の接合面と反対側の面にノズルプレートを接着することを特徴とする前記4記載のインクジェットヘッドの製造方法。
6.前記接着剤は熱硬化型接着剤であり、該接着剤を加熱硬化させる際の熱によって、前記ダミーチャネル内に封入されている気体を膨張させることを特徴とする前記3、4又は5記載のインクジェットヘッドの製造方法。
本発明に係るインクジェットヘッドの一例を示す分解斜視図 図1に示すインクジェットヘッドのヘッドチップの背面図 ヘッドチップと配線基板との接着部分を拡大して示す断面図 図3中の(iv)−(iv)線に沿う断面図 ヘッドチップと配線基板との接合部分の拡大図 配線基板におけるヘッドチップとの接合面を示す図 ヘッドチップと配線基板を加圧板で挟持した状態を説明する図 加圧板で挟持された状態での加熱時の接着剤の様子を説明する図 ヘッドチップの接続電極の他の態様を説明する図 配線基板の配線電極の他の態様を説明する図 配線基板の配線電極の更に他の態様を説明する図 実施例における開口部の接着剤フィレットの状態を説明する図 従来技術に係るヘッドチップと配線基板との接着部分を拡大して示す断面図 図13中の(xiv)−(xiv)線に沿う断面図
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(インクジェットヘッド)
図1は、本発明に係るインクジェットヘッドの一例を示す分解斜視図、図2は、図1に示すインクジェットヘッドのヘッドチップの背面図である。
図中、Hはインクジェットヘッド、1はヘッドチップ、2はノズルプレート、3は配線基板、4はマニホールドである。
ヘッドチップ1は、前面1a及び後面1bと、これら前面1a及び後面1bに挟まれた上下左右の4つの側面とを有する六面体からなる。このうち相反する位置にある前面1aと後面1bとにかけて、ストレート状のインク流路である多数のチャネル11が形成されている。隣接するチャネル11の間を区画する隔壁は圧電素子によって形成された駆動壁12であり、多数のチャネル11と駆動壁12とが交互に配置されることによって1列のチャネル列を構成している。ここでは4列のチャネル列10A〜10Dを有しており、これらが図1における上下方向に並設されている。
なお、本発明において、ヘッドチップ1の「前面」とは、ノズルが配置されてインクが吐出される側の面をいい、「後面」とは、その反対側の面をいうものとする。
各チャネル列10A〜10Dのチャネル11は、インクが供給されてインク吐出を行う駆動チャネル11aと、インクが供給されずインク吐出を行わないダミーチャネル11bとからなり、各チャネル列10A〜10Dは、それぞれ駆動チャネル11aとダミーチャネル11bとが交互に配置されている。
このヘッドチップ1はせん断モード型のヘッドチップであり、各チャネル11a、11bの前面1a側の開口部がインクの出口、後面1b側の開口部110がインクの入口とされている。以下、単にチャネルの開口部というとき、後面1b側に開口するインクの入口となる開口部110のことを指す。
各チャネル列10A〜10Dの各チャネル11a、11bは、それぞれ圧電素子基板の表面からダイシングブレードによって所定深さとなるストレート状の溝を研削加工し、その上面をカバー基板によって覆うことによって形成されている。このため、後面1bに開口している各チャネル11a、11bの開口部110は四角形状となっている。
各チャネル11a、11bの内部に臨む駆動壁12の表面には、該駆動壁12を変形駆動させるための電圧印加用の駆動電極13(図3参照)が、スパッタ、蒸着又は無電解めっき等によって密着形成されている。そして、ヘッドチップ1の後面1bには、各チャネル11a、11bの開口部110を介して駆動電極13と導通する接続電極14が、スパッタ、蒸着又は無電解めっき等によって、各チャネル11a、11b毎に個別に形成されている。
各接続電極14において、2列のチャネル列10A、10Bの各チャネル11a、11bの接続電極14は、各チャネル11a、11bの開口部110からチャネル列10Aに近接する側縁e1に向けて形成され、他の2列のチャネル列10C、10Dの各チャネル11a、11bの接続電極14は、各チャネル11a、11bの開口部110からチャネル列10Dに近接する側縁e2に向けて形成されている。チャネル列10B、10Cの各接続電極14は、それぞれ隣接するチャネル列10A、10Dの手前で止まっている。
ヘッドチップ1の前面1aには、ノズルプレート2が接着されている。ノズルプレート2には、駆動チャネル11aに対応する位置のみにノズル21が貫通形成されている。
ヘッドチップ1の後面1bには、配線基板3が接着されている。配線基板3は、ヘッドチップ1の後面1bの面積よりも大きな面積を有しており、ヘッドチップ1の後面1bに接着された状態で、チャネル列方向と直交する方向に配置される両端部3a、3bが該ヘッドチップ1よりもはみ出して、側方(図示上下方向)に大きく張り出すようになっている。
配線基板3には、ヘッドチップ1の駆動チャネル11aに対応する位置のみに、該配線基板3の背面側に接合されるマニホールド4内に貯留されたインクを各駆動チャネル11aに供給するための貫通穴31がそれぞれ個別に開設されている。貫通穴31は駆動チャネル11aの開口部110と同様に四角形状であり、ヘッドチップ1と対向する表面側は、該開口部110と同程度の開口面積を有している。一方、配線基板3におけるダミーチャネル11bに対応する部位には貫通穴が形成されていない。このため、ダミーチャネル11bの開口部110は、配線基板3によって閉塞されている。
配線基板3のヘッドチップ1との接合面となる表面には、ヘッドチップ1の後面1bに配列されている各接続電極14に1対1に対応するように、配線電極32がスパッタ、蒸着又は無電解めっき等によって形成されている。各配線電極32の一端は、ヘッドチップ1と配線基板3とが接着された状態で、それぞれ対応する駆動チャネル11a及びダミーチャネル11bの開口部110の近傍に達していると共に、他端は、ヘッドチップ1の側方へ張り出した配線基板3の各端部3a、3bに向けてそれぞれ延びている。
配線電極32の他端は隣接する2列のチャネル列毎に端部3aと3bとに振り分けられている。すなわち、チャネル列10A、10Bに対応する配線電極32の他端は図示上側の端部3aに向けて延びており、チャネル列10C、10Dに対応する配線電極32の他端は図示下側の端部3bに向けて延びている。
内側の2列のチャネル列10B、10Cに対応する各配線電極32は、それぞれ外側のチャネル列10A、10Dに対応する各配線電極32の間を通って各端部3a、3bまで達するように配線されている。詳しくは、外側のチャネル列10A、10Dに対応する隣接する貫通穴31、31の間に、内側のチャネル列10B、10Cに対応する2本の配線電極32が通って配線基板3の端部3a、3bまで延びている。これにより配線電極32を高密度に配線することができる。
配線基板3の各端部3a、3bには、それぞれFPC等の外部配線部材5、5(図1参照)が接合され、不図示の駆動回路との間を電気的に接続している。これにより、駆動回路からの駆動信号(駆動電圧)が、外部配線部材5、5、配線基板3の配線電極32、ヘッドチップ1の接続電極14を介して、各チャネル11a、11b内の駆動電極13に印加されるようになっている。
配線基板3の材質は、例えばガラス、セラミックス、シリコン、プラスチック等の適宜の絶縁材料を用いることができる。中でも適度に剛性を備え、安価で加工も容易である点でガラス製とすることが好ましい。ガラス製の配線基板3は、貫通穴31をブラスト加工することによって高精度に形成することができる。また、透明なガラス板を使用することで、配線基板3の背面側から配線電極32やヘッドチップ1の接続電極14を透視することができ、配線電極32と接続電極14との位置合わせも容易である。
ヘッドチップ1と配線基板3との接合は、配線基板3に接着剤を塗布した後、ヘッドチップ1を位置合わせして貼り合せることによって行うことができる。接着剤には一般に熱硬化型の導電性接着剤が使用される。接着剤塗布後にヘッドチップ1と配線基板3とを位置決めして貼り合せることによって、ヘッドチップ1の各接続電極14と配線基板3の各配線電極32とが1対1に対応して電気的に接続される。そして、このとき塗布された硬化前の接着剤は、ヘッドチップ1と配線基板3との間で毛細管力によって流動し、その一部がダミーチャネル11b内にも入り込むことによってダミーチャネル11bの開口部110に接着剤フィレットを形成する。
図3、図4はこの接着剤フィレットの様子を説明する図であり、図3はヘッドチップ1と配線基板3との接着部分を拡大して示す断面図である。図中の下方向がインク吐出方向である。また、図4は、そのときの各開口部110の様子を示す図3中の(iv)−(iv)線に沿う断面図である。
これらに示すように、ヘッドチップ1と配線基板3とを貼り合せた際に両者間に存在する接着剤6は、硬化前の低粘度状態にあるときに毛細管力によって配線基板3の表面を伝ってダミーチャネル11b内にも一部入り込むが、このときダミーチャネル11bの開口部110の周縁に形成される接着剤フィレット61は、ダミーチャネル11bの開口部110を閉塞してしまうことなく、その開口部110の四隅にそれぞれ独立して存在している。
ここで、接着剤フィレット61が独立して存在するとは、図4に示すように、ヘッドチップ1の後面1bから開口部110を観察した場合、四角形状の開口部110の四隅にそれぞれ接着剤フィレット61が存在するが、四隅の各接着剤フィレット61同士が開口部110の周縁で互いにつながっていないことを意味する。従って、隣接する接着剤フィレット61の間には、接着剤フィレットが形成されない領域Sがそれぞれ存在している。
このように開口部110の四隅に独立して接着剤フィレット61が存在する状態であれば、各接着剤フィレット61はダミーチャネル11bの内部まで一部入り込んではいるものの、その量は極く僅かであるため、図3に示すようにダミーチャネル11bの開口部110から僅かに入り込む程度にとどまり、図10に示したように奥深くまで入り込んでしまうようなことはない。従って、硬化した接着剤フィレット61が駆動壁12の動作に大きな影響を及ぼすこともなく、安定吐出を阻害するようなことはない。また、接着剤フィレット61は四隅に独立して存在しているだけであるため、硬化時に膨張した接着剤フィレット61が駆動壁12を外側に押し広げるように作用することはほとんどなくなり、駆動壁12にダメージを与えるおそれはない。
しかも、このようにダミーチャネル11bの開口部110の四隅に接着剤フィレット61が形成される状態では、ヘッドチップ1の後面1bにおいてダミーチャネル11bの開口部110の周囲にも、該開口部110を取り囲むのに十分な接着剤6が存在する状態となっている。このため、図4で示すように、ダミーチャネル11bの開口部110の周囲は十分な接着剤6によって取り囲まれて完全に封止される。従って、隣接する駆動チャネル11aに供給されるインクがダミーチャネル11bに流れ込むような事態は発生しない。
このような接着剤フィレット61は、ヘッドチップ1に形成されている全てのダミーチャネル11bの開口部110において同様に形成される。駆動チャネル11aは配線基板3に貫通穴31が形成されているため、この貫通穴31よりも内側に毛細管力によって接着剤6が流れ込むことがなく、上記のような接着剤フィレット61が形成されることはない。
本発明に係るインクジェットヘッドにおいては、図5に示すように、ヘッドチップ1と配線基板3との間に塗布された接着剤6よって、ヘッドチップ1の後面1b側の周縁1cと配線基板3とに亘る部位にも接着剤フィレット62が形成されていることが好ましい。この接着剤フィレット62の存在によって、ヘッドチップ1と配線基板3との接着強度を向上させることができる。
(インクジェットヘッドの製造方法)
以下、上記のインクジェットヘッドHの好ましい製造方法について、図6〜図8を用いて説明する。
図6は、配線基板3におけるヘッドチップ1との接合面を示している。まず、同図に示すように、貫通穴31及び各配線電極32が形成された配線基板3に対し、ヘッドチップ1の各接続電極14と配線電極32とが重なり合う部分に亘って帯状となるように接着剤6を塗布し、その後、ヘッドチップ1を位置決めして貼り合せる。
次いで、ヘッドチップ1における配線基板3との接合面と反対側に位置する前面1aに開口するダミーチャネル11bの開口部を密閉する。
図7は、この密閉状態を形成する際に好ましい方法を示す断面図である。貼り合わされたヘッドチップ1と配線基板3は、上下一対の加圧板7a、7bの間に装着され、両加圧板7a、7b間で挟持することにより所定の圧力をかける。これにより、帯状に塗布された接着剤6は毛細管力によってヘッドチップ1と配線基板3との間を流動していく。このとき、ダミーチャネル11bの開口部110に到達した接着剤6は、図8のように一部が開口部110からダミーチャネル11bの内部に入り込む。
両加圧板7a、7bのうち、ヘッドチップ1の前面1a側に配置される加圧板7aの表面には、弾性材料からなるシート状のシール材8が設けられており、このシール材8がヘッドチップ1の前面1aと当接するようになっている。弾性材料としては一般にはゴムを用いることができ、中でもシリコンゴムが好ましい。
このシール材8を設ける理由は次の通りである。一般にヘッドチップ1は、ダイシングブレード等によってセラミックスをフルカットすることによって作製されるため、フルカット面(前面1a及び後面1b)に切断時の痕跡が微細な凹凸状となって残っていることがある。この状態では、平板状の加圧板7aのみではダミーチャネル11bを密閉し難いものとなる。この問題はフルカット面を研摩することによって改善されるが、本実施形態に示すように弾性材料からなるシール材8を間に挟むことによって、ヘッドチップ1の前面1aが凹凸状となっていても、わざわざ研摩作業を行うことなくヘッドチップ1の前面1aの開口部を効果的に密閉することができる。
配線基板3側のダミーチャネル11bの開口部110は、その周囲に流れ込んだ接着剤6によって密閉状態にある。このため、この配線基板3側の加圧板7bには必ずしもシール材8を設ける必要はない。ヘッドチップ1のダミーチャネル11bは、加圧板7aのシール材8と配線基板3との間で密閉され、内部に気体(空気)が封入された状態となる。
次いで、この状態でヘッドチップ1と配線基板3を加熱することにより、ダミーチャネル11b内に封入されている気体を膨張させる。
この加熱は、接着剤6が熱硬化型の接着剤である場合は加熱硬化時の熱を利用することができる。接着剤6が熱硬化型でない場合は、加圧板7a、7bで挟持された状態でオーブン等の適宜の加熱手段によって加熱すればよい。ここでは接着剤6が熱硬化型であり、加熱硬化時の熱を利用して上記の加熱を行う場合について説明する。
ヘッドチップ1の加熱によってダミーチャネル11b内の気体が膨張すると、図8に示すように、この気体の膨張によってダミーチャネル11b内に入り込んだ接着剤6は、該ダミーチャネル11bの開口部110から、ヘッドチップ1の後面1bと配線基板3との間に押し出される。そして、この状態で接着剤6を硬化させることによって、図3、図4に示したように、ダミーチャネル11bの開口部110内に残留する接着剤6による接着剤フィレット61を、該開口部110の四隅に独立して存在させる。これにより、接着剤6によってダミーチャネル11bの開口部110の周囲を取り囲んで封止する図3、図4の状態を容易に作り出すことができる。
また、最初に塗布される接着剤6を十分な量で塗布しても、ダミーチャネル11bが接着剤6によって閉塞されてしまうことが避けられる。このため、同時にヘッドチップ1の後面1b側の周縁と配線基板3とに亘って、図5に示すように十分な接着剤フィレット62を形成することができる。これにより、ヘッドチップ1と配線基板3との接合状態が強固に維持されたインクジェットヘッドHとすることが容易に可能である。
ダミーチャネル11bの開口部110の四隅に図3、図4のように接着剤フィレット61を独立して存在させるには、ダミーチャネル11b内に封入されている気体の膨張度合が重要である。気体の膨張が足りないと、接着剤フィレット61を開口部110の四隅に独立させることが難しい。また、膨張させすぎると、接着剤6を押し出しすぎてしまい、ダミーチャネル11bの開口部110の周囲に部分的に接着剤6が途切れる箇所が発生し易くなる。このため接着剤フィレット61が開口部110の四隅に独立して存在し得る程度に、ダミーチャネル11b内の気体を適度に膨張させる必要がある。この気体の膨張度合は、ダミーチャネル11bのサイズ(容積)に応じて加熱時の温度や加熱時間を適切に制御することによって可能である。
気体を膨張させる際の加熱温度や加熱時間は、接着剤硬化温度にする前にダミーチャネル11b内の空気を適切に膨張させる必要があり、接着剤6の粘度を上昇させすぎず、流動状態を維持し得ると共に、ある程度の流動の後は流動しないレベルとなる程度の温度及び時間である必要がある。具体的な温度や時間は、使用される接着剤6の種類(硬化温度、粘度)、ダミーチャネル11bの容積、ヘッドチップ1の大きさや熱伝導率等に応じて適宜調整される。
このようにしてヘッドチップ1と配線基板3とを接合した後、ヘッドチップ1の前面1aにノズルプレート2を接合すると共に、配線基板3の背面側にマニホールド4を接合し、更に、配線基板3の両端部3a、3bにそれぞれ外部配線部材5、5を接合することによってインクジェットヘッドHが完成する。
なお、駆動電極13の表面にパリレン膜等の保護膜を被覆形成する場合は、このようにヘッドチップ1と配線基板3とを接合した後、ノズルプレート2を接合する前に施工することができる。保護膜を形成する必要がない場合は、ノズルプレート2を接合後のヘッドチップ1と配線基板3とを接合するようにしてもよい。この場合、ヘッドチップ1の前面1a側のダミーチャネル11bの開口部はノズルプレート2によって密閉されるため、シール材8は必ずしも設けなくてもよい。
(インクジェットヘッドのその他の態様)
以上説明したインクジェットヘッドHのヘッドチップ1に形成した接続電極14は、開口部110の一辺のみから引き出されるように形成したが、図9は、ダミーチャネル11bの接続電極14を、開口部110を取り囲むように形成した態様を示している。
一般に金属表面は接着剤の濡れ性が良いため、このようにダミーチャネル11bの接続電極14を開口部110を取り囲むように形成することによって、接着剤が開口部110を取り囲み易くなるように接着剤の流動をコントロールすることができる。従って、ダミーチャネル11bの開口部110の封止をより確実にすることができる。
なお、このように開口部110を取り囲む接続電極14を駆動チャネル11aにも適用することに何ら制限はない。
図10は、配線基板3の配線電極32のパターンの他の態様を示している。ここでは配線基板3の一方の端部3b側の2列のチャネル列に対応する一部のみを示している。
この態様では、配線基板3に形成された配線電極32のうち、ダミーチャネル11bの接続電極14と電気的に接続される配線電極32の一端に、ダミーチャネル11bの開口部110を覆うことができるように、該開口部110よりも若干大きな面積を有する金属膜からなる被覆部32aを一体に形成している。従って、この配線基板3がヘッドチップ1と接合された際、この被覆部32aの部位は、対応するダミーチャネル11bの開口部110を覆うように配置される。これにより、上記と同様に、接着剤が開口部110を取り囲み易くなるように接着剤の流動をコントロールすることができる。従って、ダミーチャネル11bの開口部110の封止をより確実にすることができる。
このように接着剤が開口部110を取り囲み易くする手段として、図10に示す態様の他、図11に示すように、四角い枠状の囲み部32bを配線電極32の一端に形成するようにしてもよい。囲み部32bは、ダミーチャネル11bの開口部110に対応する領域に、該開口部110と同程度の大きさで金属膜が形成されていない領域aが形成されている。従って、囲み部32bは開口部110の周囲を取り囲むように四角く形成されている。これにより、上記と同様に、接着剤が開口部110を取り囲み易くすることができるが、開口部110に対応する領域aは金属膜が形成されていないため、接着剤が開口部110へ過度に入り込むようなことがない。
以上のインクジェットヘッドHは、ヘッドチップ1が4列のチャネル列10A〜10Dを備えるものとして説明したが、本発明においてヘッドチップ1のチャネル列数は特に問わない。1列のみであってもよく、また2列、3列、更には5列以上の複数列であってもよい。
(インクジェットヘッドの製造方法のその他の態様)
以上説明したインクジェットヘッドの製造方法は、接着剤フィレット61をダミーチャネル11bの開口部110の四隅に独立して存在する状態を容易に形成することができる最も好ましい態様を例示したが、その他の製造方法として、例えば接着剤6を転写法によって塗布量を適切に制御しながら、ヘッドチップ1の後面1bと配線基板3の表面の両方又はいずれか一方の必要箇所に所定パターンとなるように形成する方法等が挙げられる。
また、インクジェットヘッドの製造方法において、加圧板7aにシール材8を設ける態様に代えて、加圧板7a自体を弾性材料によって形成してもよい。これによりシール材8を不要にすることができる。
以下、実施例によって本発明の効果を例証する。
ヘッドチップは、駆動壁材料としてPZTを用いてせん断モード型のヘッドチップを作製した。ヘッドチップは両端面(前面及び後面)をフルカットすることによって切り出した。切り出したヘッドチップの端面は特に研摩作業しなかった。ヘッドチップの後面に、図2と同様にして接続電極を形成した。
ヘッドチップの仕様は以下の通りである。
チャネル列数:4
1列のチャネル数:512
ダミーチャネルのサイズ:深さ360μm×幅82μm×L長3.0mm
配線基板は、ガラス製基板に、ヘッドチップの駆動チャネルに対応する位置のみに貫通穴をブラスト加工によって形成すると共に、図1に示した配線基板と同様にして、ヘッドチップの接続電極に対応する配線電極を形成した。
このヘッドチップと配線基板とを、熱硬化型接着剤(EPOTEK社製353ND 、最終硬化温度:100℃)を介して貼り合せた。接着剤は図6と同様に配線基板側に帯状に塗布した。
同様にヘッドチップと配線基板を作製して貼り合せた試料を計4つ用意し、金属板(SUS)からなる一対の加圧板間に挟持して、それぞれ表1に示す条件で加熱硬化を行った。それぞれについて、ダミーチャネルの開口部の接着剤フィレットの状態、ダミーチャネル内へのインクのリークの有無、射出試験を評価し、その結果を表1に示す。
なお、シール材は試料3、4のみ加圧板とヘッドチップとの間に介在させた。また、試料1、3については、初期硬化温度として低めの60℃に設定して加熱を行った後、最終硬化温度の100℃まで昇温することにより硬化を行い、試料2、3については、最初から最終硬化温度の100℃まで昇温することにより硬化を行った。
フィレット状態は、透明なガラス製の配線基板を通してヘッドチップの後面側を顕微鏡観察することにより評価した。フィレット状態は図12に示すように、(ア)開口部の内側全体に亘って接着剤フィレットが形成されることによりほぼ閉塞された状態、(イ)接着剤フィレットが開口部の四隅に独立して存在する本発明の状態、(ウ)接着剤フィレットが開口部に全く存在しない状態で評価した。
リーク検査は、ノズルプレート、ヘッドチップ及び配線基板を接合した一体物をインク中に0.1kPaの低圧状態で20分間浸漬した後引き上げ、大気圧下でダミーチャネル内にインクが浸入したか否かを確認することにより行った。インクの浸入の有無は、顕微鏡による目視検査によって確認した。全てのダミーチャネルにインクの浸入が全くない場合は○、1つでもインクの浸入があれば×とした。
射出試験は、それぞれインクジェットヘッドを完成させた後、駆動チャネルから実際にインク吐出を行い、その液滴速度を測定することにより評価した。ダミーチャネル内に一定以上の接着剤が入り込んでいる場合は、硬化した接着剤によってその両側の駆動壁の動作が阻害され、駆動チャネルから吐出される液滴速度は低下する。全ての駆動チャネルから吐出される液滴速度の平均速度に対して、液滴速度の低下が10%未満であれば○とし、10%以上低下している駆動チャネルが1つでもあり、その駆動チャネルの速度低下がダミーチャネルに接着剤もしくはインクが入りこんだことが原因である場合は×とした。
Figure 0005888227
その結果、試料3では、フィレット状態は開口部の四隅に独立しており、リーク検査、射出試験共に良好であった。
試料1は、フィレットを開口部の四隅に独立させることができず、射出試験も悪くなった。これは、ヘッドチップの端面には何ら研摩加工を施しておらず、表面が微細な凹凸状のままであることから、加熱時にダミーチャネル内で膨張した気体が、ヘッドチップと加圧板との間から漏れ出てしまい、ダミーチャネル内に入り込んだ接着剤の押し出しが不十分となったためと考えられる。
また、試料2は試料1と同様にシール材がない場合であるが、単に加熱温度を高くしても、ダミーチャネル内に入り込んだ接着剤の押し出しは不十分であり、フィレット状態及び射出試験は試料1と同様であった。
試料4では、インクのリークが発生し、ダミーチャネル内にインクが入り込んでしまうことにより、射出試験の結果も悪くなった。これは、シール材の存在によって加圧板で挟持する際のダミーチャネルの密閉状態は良好となるものの、加熱温度が高すぎて膨張した気体によってダミーチャネル内の接着剤を押し出しすぎてしまい、ダミーチャネルの開口部の周囲の接着剤が部分的に途切れ、開口部を完全に取り囲むことができなかったためと考えられる。
Hインクジェットヘッド
1:ヘッドチップ
1a:前面
1b:後面
10A〜10D:チャネル列
11:チャネル
11a:駆動チャネル
11b:ダミーチャネル
110:開口部
12:駆動壁
13:駆動電極
14:接続電極
e1、e2:側縁
2:ノズルプレート
21:ノズル
3:配線基板
3a、3b:端部
31:貫通穴
32:配線電極
4:マニホールド
5:外部配線部材
6:接着剤
61、62:接着剤フィレット
7a、7b:加圧板
8:シール材

Claims (6)

  1. チャネルと、圧電素子からなる駆動壁とが交互に配置されると共に、前記チャネル内に臨む前記駆動壁の表面に駆動電極が形成されたチャネル列を有し、前面及び後面にそれぞれ前記チャネルの開口部が配置されており、該後面に、前記チャネル内の前記駆動電極とそれぞれ導通する接続電極が形成されてなるヘッドチップと、
    前記ヘッドチップの後面に前記チャネル列を覆うように接合されると共に、前記ヘッドチップと接合される側の面に前記接続電極と電気的に接続される配線電極が形成され、前記ヘッドチップの前記駆動電極に前記配線電極を介して電圧を印加するための配線基板とを有し、
    前記ヘッドチップのチャネル列は、インク吐出を行う駆動チャネルとインク吐出を行わないダミーチャネルとが交互に配置されており、
    前記配線基板は、前記駆動チャネルの開口部に対応する位置にインク供給用の貫通穴をそれぞれ有し、前記ヘッドチップの後面に接着剤によって接合されることによって、前記ダミーチャネルの四角形状の開口部を閉塞しているインクジェットヘッドであって、
    前記ダミーチャネルの開口部における前記接着剤によって形成される接着剤フィレットが、該ダミーチャネルの開口部の四隅に独立して存在していることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記ヘッドチップの後面側の周縁と前記配線基板とに亘って接着剤フィレットが形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. チャネルと、圧電素子からなる駆動壁とが交互に配置されると共に、前記チャネル内に臨む前記駆動壁の表面に駆動電極が形成されたチャネル列を有し、前面及び後面にそれぞれ前記チャネルの開口部が配置されており、該後面に、前記チャネル内の前記駆動電極とそれぞれ導通する接続電極が形成されてなるヘッドチップと、
    前記ヘッドチップの後面に前記チャネル列を覆うように接合されると共に、前記ヘッドチップと接合される側の面に前記接続電極と電気的に接続される配線電極が形成され、前記ヘッドチップの前記駆動電極に前記配線電極を介して電圧を印加するための配線基板とを有し、
    前記ヘッドチップのチャネル列は、インク吐出を行う駆動チャネルとインク吐出を行わないダミーチャネルとが交互に配置されており、
    前記配線基板は、前記駆動チャネルの開口部に対応する位置にインク供給用の貫通穴をそれぞれ有し、前記ヘッドチップの後面に接着剤によって接合されることによって、前記ダミーチャネルの四角形状の開口部を閉塞しているインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記ヘッドチップと前記配線基板とを前記接着剤を介して貼り合せると共に、前記配線基板の接合面と反対側の前記ダミーチャネルの開口部を密閉した状態で加熱を行い、前記ダミーチャネル内に封入されている気体を膨張させ、該気体の膨張により前記ダミーチャネル内に入り込んだ前記接着剤を該ダミーチャネルの開口部から押し出した状態で硬化させることによって、該開口部内に残留する接着剤による接着剤フィレットを、該開口部の四隅に独立して存在させることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 前記ヘッドチップを弾性部材からなるシール材と前記配線基板との間で挟み込むことにより、前記配線基板の接合面と反対側の前記ダミーチャネルの開口部を密閉した状態で加熱を行うことを特徴とする請求項3記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 前記ヘッドチップと前記配線基板とを接着した後に、該ヘッドチップにおける前記配線基板の接合面と反対側の面にノズルプレートを接着することを特徴とする請求項4記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 前記接着剤は熱硬化型接着剤であり、該接着剤を加熱硬化させる際の熱によって、前記ダミーチャネル内に封入されている気体を膨張させることを特徴とする請求項3、4又は5記載のインクジェットヘッドの製造方法。



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