JP2011218727A - インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤がインク室に流入することを防止できて、接着剤によりインク室が塞がれることを防止するインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】第1連通溝51は、マニホールド部材11の第1対向面111および第1上面113に設けられ、第2連通溝52は、マニホールド部材11の第2対向面112および第2上面114に設けられている。このため、マニホールド部材11とヘッドチップ10との接着時に、余剰接着剤の第1、第2共通インク室への流入を防止でき、かつ、マニホールド部材11とノズルプレートとの接着時に、余剰接着剤の第1、第2共通インク室への流入を防止できる。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えばプリンタなどに用いられるインクジェットヘッド、および、このインクジェットヘッドの製造方法に関する。
近年、プリンタにおいては、インパクト印字装置に代わって、カラー化、多階調化に対応しやすいインクジェット方式などのノンインパクト印字装置が急速に普及している。これに用いるインク噴射装置としてのインクジェットヘッドとしては、特に、印字に必要なインク滴のみを噴射するというドロップ・オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、低コスト化の容易さなどから注目されている。ドロップ・オン・デマンド型としては、カイザー(Kyser)方式やサーマルジェット方式が主流となっている。
しかし、カイザー方式は、小型化が困難で高密度化に不向きであるという欠点を有していた。また、サーマルジェット方式は、高密度化には適しているものの、ヒータでインクを加熱してインク内にバブル(泡)を生じさせて、そのバブルのエネルギーを利用して噴射させる方式であるため、インクの耐熱性が要求され、また、ヒータの長寿命化も困難であり、エネルギー効率が悪いため、消費電力も大きくなるという問題を有していた。
このような各方式の欠点を解決するものとして、圧電材料のシェアモード変形を利用したインクジェット方式が提案されている。この方式は、圧電材料からなるインクチャンネルの壁(以下、「チャンネル壁」という。)の両側面に形成した電極を用いて、圧電材料の分極方向と直交する方向に電界を生じさせることで、シェアモードでチャンネル壁を変形させ、その際に生じる圧力波変動を利用してインク滴を吐出するものであり、ノズルの高密度化、低消費電力化、高駆動周波数化に適している。
最近では、このシェアモード変形を利用したインクジェットヘッドで、特開平9−94952号公報や特開2009−34884号公報に示されるように、以下のような構造も提案されている。
これらのインクジェットヘッド構造としては、圧電基板の上面に後にインク室となる両端開口の複数の流路溝部を平行に設け、圧電基板の流路溝部形成面にノズル孔を形成したカバープレートをかぶせて固着し、これらの流路溝部を閉鎖してインク流路作製する。圧電基板の両側部には、複数の流路溝部の両開口端に連通する共通インク室部を備えたマニホールド部材がそれぞれ固着してありインク流路の両開口端に設けてある共通インク室から流路溝部の中央部に設けてあるノズルにインクを供給する。
以上の構成にすることにより、吐出されたインクの補充を迅速化することができ、ノズルの高密度化を行うことができる。また、ノズル孔は流路溝部の中央部に設けており、流路溝部を構成しているチャンネル壁を変形させその際に生じる圧力波変動を利用してインク滴を吐出する構成となるため、従来のシェアモード型インクジェットヘッドの2倍のチャンネル壁によりインク滴を吐出させることが可能であり、このためチャンネル壁の変形が小さくても吐出可能となり、より低消費電力化が可能となる。
しかしながら、上記従来のインクジェットヘッドでは、圧電基板の両側部には、複数の流路溝部が開口しており、この両開口端に連通する共通インク室を備えたマニホールド部材を接着する場合に、接着剤が流路溝部に流入し、インク室を塞いでしまう問題があった。また、圧電基板、マニホールド部材に跨るようにノズルプレートを接着する場合においても同様に余剰接着剤が流路溝部に流入し、インク室を塞いでしまう問題があった。
特開平9−94952号公報 特開2009−34884号公報
そこで、この発明の課題は、接着剤がインク室に流入することを防止できて、接着剤によりインク室が塞がれることを防止するインクジェットヘッド、および、このインクジェットヘッドの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のインクジェットヘッドは、
一方向に延在してこの一方向の両端が開口する個別インク溝を複数有すると共にこの複数の個別インク溝が互いに平行に配列されているヘッドチップと、
上記複数の個別インク溝の一端側において上記複数の個別インク溝と連通する第1共通インク溝を有すると共に上記複数の個別インク溝の他端側において上記複数の個別インク溝と連通する第2共通インク溝を有するマニホールド部材と、
上記複数の個別インク溝、上記第1共通インク溝および上記第2共通インク溝を、上記個別インク溝の底面に直交する方向の開口側である上側から覆って、上記複数の個別インク溝と共に複数の個別インク室を定義し、上記第1共通インク溝と共に第1共通インク室を定義し、上記第2共通インク溝と共に第2共通インク室を定義するノズルプレートと
を備え、
上記ヘッドチップにおける上記個別インク溝の上記一端が開口する第1側面と、このヘッドチップの第1側面と対向するマニホールド部材の第1対向面とは、接着され、
上記マニホールド部材における上記第1共通インク溝の上部が開口する第1上面と、このマニホールド部材の第1上面と対向するノズルプレートの第1対向面とは、接着され、
上記ヘッドチップにおける上記個別インク溝の上記他端が開口する第2側面と、このヘッドチップの第2側面と対向するマニホールド部材の第2対向面とは、接着され、
上記マニホールド部材における上記第2共通インク溝の上部が開口する第2上面と、このマニホールド部材の第2上面と対向するノズルプレートの第2対向面とは、接着され、
上記ヘッドチップの上記第1側面、上記マニホールド部材の上記第1対向面、上記マニホールド部材の上記第1上面、および、上記ノズルプレートの上記第1対向面のうちの少なくとも一つに、上記第1共通インク室と上記マニホールド部材の外側とを連通する第1連通溝を設けていることを特徴としている。
この発明のインクジェットヘッドによれば、上記ヘッドチップの上記第1側面、上記マニホールド部材の上記第1対向面、上記マニホールド部材の上記第1上面、および、上記ノズルプレートの上記第1対向面のうちの少なくとも一つに、上記第1共通インク室と上記マニホールド部材の外側とを連通する第1連通溝を設けているので、第1連通溝を設けている面とこの面に対向する面とを接着剤を介して接着したときに、この第1連通溝を設けている面から第1共通インク室内へ、余剰接着剤が流入することを防止できて、接着剤により個別インク室が塞がれることを防止する。
具体的に述べると、第1連通溝を設けた面は、第1連通溝により、例えば、接着領域(面積)の小さい部分と接着領域(面積)の大きい部分とに分割される。そして、まず、接着領域の小さい部分の接着を行う。このとき、接着剤を毛細管力により流入させる。
ここで、余剰接着剤が第1共通インク室に流入し、個別インク室を塞いでしまうのは、互いに対向する接着面の間の隙間の体積に対して、供給される接着剤の量が多いためである。このため、まず、接着領域の小さい部分を接着することにより、余剰接着剤量を低減させることができ、この余剰接着剤は、第1連通溝のエッジのメニスカスの働きにより保持され、余剰接着剤が第1共通インク室に流入するのを防止することができる。
引き続いて、接着領域の小さい部分の接着の後に、接着領域の大きい部分についても、毛細管力により接着剤を供給するが、このときの余剰接着剤は、第1連通溝のエッジのメニスカスの働きにより保持されるが、保持できない場合、この余剰接着剤は第1連通溝に流入し、この部分で保持され、余剰接着剤が流路溝部に流入するのを防止することができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、上記ヘッドチップの上記第2側面、上記マニホールド部材の上記第2対向面、上記マニホールド部材の上記第2上面、および、上記ノズルプレートの上記第2対向面のうちの少なくとも一つに、上記第2共通インク室と上記マニホールド部材の外側とを連通する第2連通溝を設けている。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記ヘッドチップの上記第2側面、上記マニホールド部材の上記第2対向面、上記マニホールド部材の上記第2上面、および、上記ノズルプレートの上記第2対向面のうちの少なくとも一つに、上記第2共通インク室と上記マニホールド部材の外側とを連通する第2連通溝を設けているので、第2連通溝を設けている面とこの面に対向する面とを接着剤を介して接着したときに、この第2連通溝を設けている面から第2共通インク室内へ、余剰接着剤が流入することを防止できて、接着剤により個別インク室が塞がれることを防止する。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、
上記第1連通溝は、上記マニホールド部材の上記第1対向面および上記第1上面に設けられ、
上記第2連通溝は、上記マニホールド部材の上記第2対向面および上記第2上面に設けられている。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記第1連通溝は、上記マニホールド部材の上記第1対向面および上記第1上面に設けられ、上記第2連通溝は、上記マニホールド部材の上記第2対向面および上記第2上面に設けられているので、マニホールド部材とヘッドチップとの接着時に、余剰接着剤の第1、第2共通インク室への流入を防止でき、かつ、マニホールド部材とノズルプレートとの接着時に、余剰接着剤の第1、第2共通インク室への流入を防止できる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、上記第1連通溝および上記第2連通溝は、接着剤により、封止されている。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記第1連通溝および上記第2連通溝は、接着剤により、封止されているので、第1、第2連通溝から他の領域への余剰接着剤の流入を阻止することが可能となる。例えば、必要部分の接着完了後、第1、第2連通溝の開口端より、接着剤を毛細管力により流入させることにより、第1、第2連通溝は外部と遮断され、インクの流出を阻止し、マニホールドとして機能するようになる。
また、この発明のインクジェットヘッドの製造方法は、
第1側面に一端が開口すると共に第2側面に他端が開口する個別インク溝を有するヘッドチップと、
第1対向面および第1上面に切り欠かれて形成された第1共通インク溝と、第1対向面と第1上面とのそれぞれに第1共通インク溝と外側とを連通するように設けられた第1連通溝と、第2対向面および第2上面に切り欠かれて形成された第2共通インク溝と、第2対向面と第2上面とのそれぞれに第2共通インク溝と外側とを連通するように設けられた第2連通溝とを有するマニホールド部材と、
ノズル孔を有するノズルプレートと
を用意する第1工程と、
上記ヘッドチップの上面に上記ノズルプレートを接着する第2工程と、
上記マニホールド部材の第1上面および第2上面に上記ノズルプレートを接着する第3工程と
を備えることを特徴としている。
この発明のインクジェットヘッドの製造方法によれば、マニホールド部材に跨る大きさのノズルプレートをヘッドチップに接着し、その後、ヘッドチップより突出したノズルプレートに対応するようにマニホールド部材を接着することで、ヘッドチップとマニホールド部材との間に段差が生じた場合においても、後工程でのノズルプレートとマニホールド部材との間を接着剤で充填することにより未接着領域のない状態に接着することができる。このときに、接着剤量が多すぎた場合においても、余剰接着剤は、第1、第2連通溝により保持され、他の領域への余剰接着剤の流入を阻止することができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドの製造方法では、上記第2工程と上記第3工程との間に、上記ヘッドチップの上記第1側面に上記マニホールド部材の上記第1対向面を接着すると共に上記ヘッドチップの上記第2側面に上記マニホールド部材の上記第2対向面を接着する工程を有する。
この実施形態のインクジェットヘッドの製造方法によれば、各部材を接着する工程において、接着する際の余剰接着剤が、第1、第2共通インク室等の他の領域への流入を阻止することができ、個別インク室の詰まりの無いインクジェットヘッドを製造することが可能である。
また、一実施形態のインクジェットヘッドの製造方法では、上記ヘッドチップ、上記マニホールド部材および上記ノズルプレートの互いの接着は、毛細管力を利用して接着剤を流入させて接着している。
この実施形態のインクジェットヘッドの製造方法によれば、各部材の接着が容易となる。例えば、ノズルプレートとマニホールド部材をおおよそ0.1mm以下程度のギャップになるように位置調整してから、ノズルプレートの外周部に接着剤を塗布すると、毛細管力により、ギャップ内に接着剤が浸透する。所望部まで接着剤が浸透した時点で、ノズルプレートの外周部に塗布した接着剤を拭うことにより、接着剤の供給を断つことで接着領域をコントロールすることが可能となる。接着剤量が多すぎた場合においても、余剰接着剤は第1、第2連通溝により保持され、他の領域への余剰接着剤の流入を阻止することができる。
この発明のインクジェットヘッドによれば、上記ヘッドチップの上記第1側面、上記マニホールド部材の上記第1対向面、上記マニホールド部材の上記第1上面、および、上記ノズルプレートの上記第1対向面のうちの少なくとも一つに、上記第1共通インク室と上記マニホールド部材の外側とを連通する第1連通溝を設けているので、第1連通溝を設けている面とこの面に対向する面とを接着剤を介して接着したときに、この第1連通溝を設けている面から第1共通インク室内へ、余剰接着剤が流入することを防止できて、接着剤により個別インク室が塞がれることを防止する。
この発明のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記ノズルプレートは、上記ヘッドチップに接着された後、上記マニホールド部材に接着されるので、ヘッドチップとマニホールド部材との間に段差が生じた場合においても、後工程でのノズルプレートとマニホールド部材との間を接着剤で充填することにより未接着領域のない状態に接着することができる。このときに、接着剤量が多すぎた場合においても、余剰接着剤は、第1、第2連通溝により保持され、他の領域への余剰接着剤の流入を阻止することができる。
本発明のインクジェットヘッドの一実施形態を示す斜視図である。 インクジェットヘッドのノズルプレートを外した状態を示す斜視図である。 マニホールド部材の第2部分を示す斜視図である。 ウエハ状の圧電基板を示す斜視図である。 ヘッドチップが2つ分繋がった状態を示す斜視図である。 ヘッドチップの斜視図である。 電極部を形成したヘッドチップの斜視図である。 ヘッドチップの第1側面の拡大図である。 ヘッドチップに配線基板を接続した状態を示す斜視図である。 ヘッド保持部材にヘッドチップを搭載した状態の斜視図である。 ヘッド保持部材の斜視図である。 ヘッドチップにノズルプレートを接着した状態の斜視図である。 マニホールド部材の斜視図である。 ヘッドチップとマニホールド部材との間の接着剤の状態を示す拡大図である。 ヘッドチップとマニホールド部材との間の接着剤の状態を示す拡大図である。 余剰接着剤が第1、第2連通溝に流入しない構成を示す概念図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、この発明のインクジェットヘッドの一実施形態である斜視図を示す。図2は、インクジェットヘッドのノズルプレートを外した状態の斜視図を示す。このインクジェットヘッドは、例えばプリンタなどに用いられ、例えば液晶生産装置や太陽電池生産装置等の生産装置に利用される。
図1と図2に示すように、このインクジェットヘッド25は、ヘッドチップ10と、ヘッドチップ10に配置されるノズルプレート21と、ヘッドチップ10に取り付けられるマニホールド部材11とを有する。
上記ヘッドチップ10は、圧電基板を含み、複数の個別インク溝31を有する。個別インク溝31は、X方向(一方向)に延在してX方向の両端が開口する。個別インク溝31の一端は、ヘッドチップ10の第1側面101に開口し、個別インク溝31の他端は、ヘッドチップ10の第2側面102に開口する。
上記複数の個別インク溝31は、X方向に交差するY方向に互いに間隔をあけて平行に配列される。ここで、X方向とY方向とは、互いに直交する。X方向およびY方向に直交する方向を、Z方向とする。なお、X、Y、Zの全てが直交しなくてもよい。
上記マニホールド部材11は、ヘッドチップ10に取り付けられる。マニホールド部材11は、複数の第1個別インク溝31の上記一端側の開口部に連通する第1共通インク溝41と、複数の第1個別インク溝31の上記他端側の開口部に連通する第2共通インク溝42とを有する。第1共通インク溝41は、マニホールド部材11の第1対向面111および第1上面113に切り欠かれて形成され、第2共通インク溝42は、マニホールド部材11の第2対向面112および第2上面114に切り欠かれて形成されている。
上記ノズルプレート21は、ヘッドチップ10とマニホールド部材11とに跨るように配置され、複数の個別インク溝31、第1共通インク溝41および第2共通インク溝42を、個別インク溝31の底面に直交する方向の開口側である上側から覆って、個別インク溝31と共に個別インク室を定義し、第1共通インク溝41と共に第1共通インク室を定義し、第2共通インク溝42と共に第2共通インク室を定義する。ノズルプレート21は、個別インク溝31に連通するノズル孔20を有する。
上記マニホールド部材11は、第1部分11aと第2部分11bとを有する。第1部分11aおよび第2部分11bは、それぞれ、略L字状に形成されている。上記第1部分11aには、第1共通インク溝41が設けられ、第1共通インク溝41の底面には、インクを供給するための供給孔5aを形成している。上記第2部分11bには、第2共通インク溝42が設けられ、第2共通インク溝42の底面には、インクを供給するための排出孔6aを形成している。供給孔5aおよび排出孔6aは、図示しないニップルを介して、図示しないインクチューブと接続している。つまり、上記第1共通インク溝41(第1共通インク室)は、インクが供給されるインク流路を構成する。上記第2共通インク溝42(第2共通インク室)は、インクが排出されるインク流路を構成する。
上記複数の個別インク溝31は、隔壁3によって互いに隔てられている。個別インク溝31の内面には、電極8(図7B参照)が設けられている。この電極8は、ヘッドチップ10の第1側面101に導出している。つまり、ヘッドチップ10を3次元的に利用して電極8を設けた構成となる。したがって、電極8のためにヘッドチップ10の表面部分を利用した2次元的な電極導出を行う必要がなく、ヘッドチップ10に対して高密度に個別インク溝31を形成できる。
上記電極8におけるヘッドチップ10の第1側面101に導出している導出部81(図7B参照)には、異方性導電フィルム(以下「ACF」という。)を介して、配線基板(外部引き出し用回路基板)24が接続されている。つまり、配線基板24を、ヘッドチップ10の厚さ方向に配置することが可能となる。このため、ヘッド幅を小さくすることが可能となりヘッド、または、着弾基板の走査距離を小さくすることができ、タクトタイムを短縮することができる。
上記ヘッドチップ10、上記マニホールド部材11および上記ノズルプレート21は、接着剤により、互いに接着されている。
上記ヘッドチップ10の上記第1側面101と、ヘッドチップ10の第1側面101と対向するマニホールド部材11の第1対向面111とは、接着されている。マニホールド部材11における第1共通インク溝41の上部が開口する第1上面113と、マニホールド部材11の第1上面113と対向するノズルプレート21の第1対向面211とは、接着されている。
上記ヘッドチップ10の上記第2側面102と、ヘッドチップ10の第2側面102と対向するマニホールド部材11の第2対向面112とは、接着されている。マニホールド部材11における第2共通インク溝42の上部が開口する第2上面114と、マニホールド部材11の第2上面114と対向するノズルプレート21の第2対向面212とは、接着されている。
上記ヘッドチップ10の下面(裏面)は、マニホールド部材11の当接部115に、当接している。ヘッドチップ10の下面と、マニホールド部材11の当接部115とは、接着されている。
図1と図2と図3に示すように、上記マニホールド部材11の上記第1対向面111および上記第1上面113には、第1連通溝51が設けられている。この第1連通溝51は、第1共通インク室(第1共通インク溝41)とマニホールド部材11の外側(外面)とを連通する。
上記第1連通溝51は、Y方向に延在しており、第1共通インク溝41を挟んでY方向の両側に設けられている。上記第1対向面111に設けられた第1連通溝51と、上記第1上面113に設けられた第1連通溝51とは、第1対向面111と第1上面113との境界部である角部の近傍に設けられている。第1対向面111の第1連通溝51と、第1上面113の第1連通溝51との間に、上記角部を含む第1ダム部61を形成する。
上記マニホールド部材11の上記第2対向面112および上記第2上面114には、第2連通溝52が設けられている。この第2連通溝52は、第2共通インク室(第2共通インク溝42)とマニホールド部材11の外側(外面)とを連通する。
上記第2連通溝52は、Y方向に延在しており、第2共通インク溝42を挟んでY方向の両側に設けられている。上記第2対向面112に設けられた第2連通溝52と、上記第2上面114に設けられた第2連通溝52とは、第2対向面112と第2上面114との境界部である角部の近傍に設けられている。第2対向面112の第2連通溝52と、第2上面114の第2連通溝52との間に、上記角部を含む第2ダム部62を形成する。
図3に示すように、上記マニホールド部材11の第2上面114は、第2連通溝52により、接着領域(面積)の小さい部分Zsと接着領域(面積)の大きい部分Zbとに分割される。同様に、マニホールド部材11の第2対向面112は、第2連通溝52により、接着領域(面積)の小さい部分Zsと接着領域(面積)の大きい部分Zbとに分割される。図中、大きい部分Zbを点線のハッチングにて示し、小さい部分Zsを実線のハッチングにて示す。なお、図示しないが、上記第1対向面111および上記第1上面113についても、同様である。
上記第1連通溝51および上記第2連通溝52は、接着剤により、封止されている。このため、第1、第2連通溝51,52は外部と遮断され、インクの流出を阻止し、マニホールド部材11は、マニホールドとして機能するようになる。
次に、インクの流れについて説明する。
図2に示すように、(図示しない)第1のインクタンクからインクジェットヘッド25に供給されたインクは、インクチューブ(図示せず)を通り、ニップル(図示せず)から供給孔5aを通過して、第1共通インク溝41へ流入する。第1共通インク溝41に至ったインクは、引き続き、ヘッドチップ10の複数の個別インク溝31のいずれかを通過し、第2共通インク溝42へ流れ込む。
インクが個別インク溝31を通過する際には、ノズル孔20に連通している個別インク溝31のすべてが、インク流路として用いられる。さらに、第2共通インク溝42に至ったインクは、排出孔6aを通過してニップルからインクチューブを通過して、図示しない第2のインクタンクへと排出される。
上記インクジェットヘッド25の構成によれば、インクは、第1共通インク溝41から第2共通インク溝42へと移動する際に、複数の個別インク溝31に分かれて流れる。複数の個別インク溝31のうちノズル孔20に連通している個別インク溝31を通ったインクの一部は、ノズル孔20から吐出されることによって消費されるが、個別インク溝31を通ったインクのうちノズル孔20から吐出されなかったインクは、全て第2共通インク溝42へと円滑に流れる。
したがって、インクを円滑に循環させることが可能となり、ノズル孔20の直近の空間である個別インク溝31の内部においても通過するインク流れを積極的に形成することが可能となる。このことにより、インク中に微粒子が含まれている場合であってもその微粒子が沈殿または浮遊することが抑制され、吐出時の液滴中に含まれる微粒子数を安定させることができる。なお、インクの流れは上述の向きに限定されるものではなく、逆向きであってもよい。
次に、インクジェットヘッドの製造方法について説明する。
まず、図4に示すように、分極方向の異なる2枚のウエハ状の基板1a,1bを貼り合わせて、ウエハ状の圧電基板1を作成する。
その後、圧電基板1に、X方向に延在しX方向の両端が開口する個別インク溝31を、X方向に交差するY方向に互いに間隔をあけて複数形成する。一般的なダイシングマシンに使用されるダイシングブレード40を繰返し走行させて溝加工することによって、個別インク溝31を形成することができる。この1枚の圧電基板1は、後に分割されて、多数のヘッドチップ10となる。
隣り合う個別インク溝31,31は、互いに平行に並ぶ複数の細長い隔壁3によって隔てられている。個別インク溝31は、所定の幅と深さを有する細長い溝であればよく、溝加工は一直線状に行われる。例えば、1つのヘッドチップ10となるべき部分に、深さ260μmの個別インク溝31を134本加工する。
その後、溝加工を行ったウエハ状圧電基板1をダイシングブレード40で分割し、図5に示すように、2つのヘッドチップ10,10が繋がったサイズの圧電基板1とする。続いて、個別インク溝31の内面に電極としての導電体膜を形成する。ここで、形成される電極は、インクジェットヘッド完成後に隔壁3をシェアモードで駆動させるための電極である。電極は、銅の膜であり、RF(Radio Frequency)マグネトロンスパッタ装置を用いて、スパッタリング法により成膜される。成膜により、電極は、隔壁3の両端面のみならず、隔壁3の上面、圧電基板1の端面および上面も覆うように形成される。
したがって、圧電基板1の側面に電極を形成するためには電極を形成したい圧電基板1の側面を露出させた状態で成膜する必要があるため、ウエハ状態の圧電基板1から、各ヘッドチップ10に対応する圧電基板1に切断した状態で電極成膜を行う必要があるが、多数の圧電基板1に分断した状態での成膜は作業性が悪い。導電体膜(電極8の導出部81)は、圧電基板1の一方の側面に形成されていれば良いため、2つのヘッドチップ10が繋がった状態で導電体膜を形成し、後に中央部で分断することで圧電基板1の一方の側面に電極が形成された状態を作り上げることが可能である。これにより、個別の圧電基板1に分断した状態で電極成膜を行い場合に比較して1/2の作業量でよくなり、作業効率が向上する。
そして、圧電基板1の上面に対してダイシングブレード40によって除去量が10μmになるように研削して、圧電基板1の上面を覆う不要な電極を除去する。このとき、各隔壁3の上面を覆っていた電極も同時に除去されるので、上から見た状態としては個別インク溝31ごとに電極が分離される。圧電基板1の厚みは、以上の機械加工により、設定値±5μm以下の厚み精度で加工することが可能である。
その後、圧電基板1をダイシングブレード40により仮想線Dに示す位置で半分に切断し、図6に示すように、ヘッドチップ10の1つ分のサイズにする。こうして、個別のヘッドチップ10が得られる。この切断により、圧電基板1の両側面のうち、切断によって生じた新たな側面には電極がないが、反対側の側面には電極がある状態となる。図6では、第1側面101に電極8があり、第2側面102に電極8がない。この時点では、各個別インク溝31内の電極8同士は、この第1側面101を覆う電極8によって互いに導通した状態となっている。
その後、第1側面101が上向きになるようにヘッドチップ10を固定し、図7Aと図7Bに示すように、ダイシングブレード40によって、第1側面101の隔壁3の中心線に対応する部分の電極8をそれぞれ線状に研削除去する。このため、個別インク溝31の電極8に接続される導出部81は、隣り合う個別インク溝31,31において、除去部82によって分離される。なお、図7Bでは、分かりやすくするために、電極8(導出部81を含む)をハッチングにて示している。
この時点で、各個別インク溝31内の電極8は、完全に個別に電気的に分離された状態となる。第1側面101の個別インク溝31に対応する部分では電極8が研削除去されておらず、残っている。この残った電極8が、導出部81となる。このような除去方法以外に、レーザで第1側面101の隔壁3の中心線に対応する部分をそれぞれ線状にスキャンさせることで、電極8の除去加工を行うことも可能である。それ以外の方法として、フォトリソにより、エッチングを行う方法等が挙げられる。
その後、図8に示すように、ヘッドチップ10の第1側面101の電極8(導出部81)に、図示しないACFを介して、配線基板24を接続する。これにより、配線基板24を通じて、ヘッドチップ10の個別インク溝31の両側の隔壁3に、画像データに基づいた電圧を印加することが可能となり、外部からヘッドチップ10のインクチャンネルを独立して駆動することが可能となる。
ヘッドチップ10の第1側面101および第2側面102には、後述するマニホールド部材11も接着固定されるため、電極8の導出部81に対して、配線基板24は、約1mm程度の接続幅で接続する必要がある。そして、配線基板24とヘッドチップ10の第1側面101とを接着剤で補強する。
本発明では、電極8の導出部81がヘッドチップ10の第1側面101に形成されており、ヘッドチップ10の投影面積を増加させないため、インクジェットヘッド25は、インクを吐出させるために必要な駆動部分のみで構成することが可能となり、ヘッドチップ10の取れ数を最大にすることが可能となり、コストダウンに貢献できる。
なお、配線基板24との接続方法としては、上述のACFを用いた接続方法以外にも、配線基板24のリードをヘッドチップ10の第1側面101に直接接続する方法や、配線基板24のリードをヘッドチップ10の電極8の導出部81にワイヤボンディングする方法などがある。
その後、ヘッドチップ10の個別インク溝31の内面に形成された電極8を保護するために、電極保護膜(図示せず)を約10μmの厚さで形成する。この電極保護膜は、その形成工程においてはヘッドチップ10および配線基板24の露出するあらゆる表面に付着するため、付着させる必要のない配線基板24には予めマスキングテープなどでマスクすることによって、電極保護膜が付着しないようにしておく。
配線基板24とヘッドチップ10の第1側面101を接着剤で補強しており、有機保護膜の成膜に伴う洗浄工程、成膜工程等では被成膜面を保持したりすると、ダストの付着や、汚染の問題があるため、被成膜面以外を保持して作業を行う必要があり、配線基板24を保持して作業を行う。しかし、配線基板24とヘッドチップ10の第1側面101との接続幅が狭く、付着強度が弱いため、接続部分が剥離し、電気的な導通が得られなくなったり、接続抵抗のバラツキが生じたりする問題がある。そこで、接着剤による補強を行うことで、有機保護膜の成膜に伴う洗浄工程、成膜工程等に耐え得る付着強度を得ることができる。
また、配線基板24を保持して作業を行うことで、ダストの付着や、汚染の問題を排除することができる。第1側面101と配線基板24との接続部分も有機保護膜が付着するため、仮にこの接続部分にインクが付着しても、有機保護膜により、接続部分のショートが発生せず、安全面でも有利である。有機保護膜は、ヘッドチップ10表面や、配線基板24表面に付着するため、配線基板24の制御回路との接続電極部にマスキングを行うことで、有機保護膜の付着を防止する。
その後、図9に示すように、ヘッドチップ10をヘッド保持部材4に接着する。このヘッド保持部材4は、図10に示すように、インクジェットヘッド25をプリンタや描画装置に搭載するための取り付け部26を有しており、この取り付け部26には、基準である(孔やピンなどの)位置決め部7を形成する。この位置決め部7により、インクジェットヘッド25のXY方向の位置決めを行っている。また、取り付け部26には、取り付け用ネジが通る貫通穴28を形成しており、プリンタや描画装置にネジ止めし、搭載する。
インクジェットヘッド25のZ方向の精度に関しては、ヘッド保持部材4のプリンタや描画装置側の取り付け部への当接面であり、インクジェットヘッド25のZ方向の基準面である取り付け部26から、ヘッド保持部材4のヘッドチップ10の当接面までの距離は研削加工により±10μm程度の精度で加工を行うことができる。
ヘッド保持部材4のヘッドチップ10の裏面への当接幅は、ヘッドチップ10の複数の個別インク溝31の配列方向の幅よりも短く形成し、一部ヘッドチップ25の裏面とは未接着領域Eを設け、この未接着領域Eに後述するマニホールド部材11の当接部115を当接させる。
ヘッドチップ10の圧電基板1の厚みは、機械加工により、設定値±5μm以下の厚み精度で加工することが可能である。接着厚さバラツキは±1μm程度で接着可能で、Z方向の精度に関しても高精度に制御可能である。Z方向の精度に関しては、装置上ではZ方向ステージに搭載されており、レーザ変位計等により計測された突き出し量を基に、突き出しを制御することも可能である。
ヘッドチップ10をヘッド保持部材4に接着する際に位置決め部7を基準にヘッドチップ10を位置決めすることで、インクジェットヘッド25をプリンタや描画装置に搭載後の位置決め部7に対するノズル孔20の位置を高精度に管理することができる。これによりインク吐出後の着弾位置を予想することができ、指定アドレスに着弾できるように着弾位置補正をスムーズに行うことができる。また、インクジェットヘッド25の交換においても同様に位置決め部7に対するノズル孔20の位置を高精度に管理することができるため、インクジェットヘッド25の交換、着弾補正に時間がかからず、生産装置への応用においても生産ロスを最小限に抑えることができる。
ヘッド保持部材4は、上述のように、研削加工を行って精度向上を図るため、金属、セラミクス等で作製するのが望ましく、熱膨張率が圧電基板1に近い方がよい。また、価格的に安価なほうが望ましいことから、SUS410を選択している。
SUS410は、磁性体であり、電磁チャックを使用した研削加工により、±10μm程度の精度で充分に加工を行うことが可能である。また、装置の使用環境がクリーンルーム内であった場合、錆等のダスト発生要因を排除する点からもステンレス材料の使用が望ましい。
ヘッドチップ10とヘッド保持部材4との接着幅が大きいほど、熱膨張差による影響が大きく、温度変化により、接着剤の剥離、部材のクラック等の問題が生じるため、ヘッドチップ10とヘッド保持部材4との接着幅を小さくすることで熱膨張差による影響を抑え、温度変化により、接着剤の剥離、部材のクラック等の影響を小さくすることができる。
圧電基板1の熱膨張率約3〜6×10−6/℃に対し、ヘッド保持部材4であるSUS410の熱膨張率は約9.9×10−6/℃であり、ヘッド保持部材4を加熱硬化形のエポキシ系接着剤を使用してヘッドチップ10に接着を行った場合、加熱硬化温度で、ヘッドチップ10とヘッド保持部材4が伸びた状態で接着され、硬化完了後の室温状態では、ヘッド保持部材4は、ヘッドチップ10に対して、より収縮するため、ヘッドチップ10には、圧縮応力がかかった状態となる。ヘッドチップ10とヘッド保持部材4との接着幅が大きいほど、熱膨張差による影響が大きく、温度変化により、接着剤の剥離、部材のクラック等の問題が生じるため、ヘッドチップ10とヘッド保持部材4との接着幅を小さくすることで熱膨張差による影響を抑え、温度変化により、接着剤の剥離、部材のクラック等の影響を小さくすることができる。
その後、図11に示すように、ノズルプレート21をヘッドチップ10に接着する。ノズルプレート21は、ポリイミドにより形成されており、ノズルプレート21表面には、予めインクに対して撥液性の薄膜をコーティングした状態でヘッドチップ10の個別インク溝31の形成ピッチと同一になるようにエキシマレーザによりノズル孔20を加工する。ノズルプレート21の外形サイズは、ヘッドチップ10の長さと同等でヘッドチップ10とマニホールド部材11とを足し合わせた幅程度に加工を行う。
ヘッド保持部材4に接着されたヘッドチップ10に対してノズルプレート21を接着するため、まず、ヘッドチップ10に対して接着剤を転写する。接着剤は、ガラス基板上に接着剤を滴下し、スピンコートにより均一な接着剤層を得る。スピンコートの回転数、とき間により所望の接着剤厚を調整することが可能である。
次に、ガラス基板にコーティングされた接着剤層に対してヘッドチップ10をスタンプすることで、表面に接着剤を転写する。この際に、ガラス基板にコーティングされた接着剤層の約半分がヘッドチップ10表面に転写される。
ヘッドチップ10に形成された個別インク溝31とノズルプレート21との相対位置を合わせて、接着を行う。以上の工程はICチップを基板上に搭載するボンダーマシンを利用し、位置決め精度±5μm程度の精度でノズルプレート21を接着することができる。
その後、図2に示すように、マニホールド部材11をヘッドチップ10に取り付ける。図11に示すように、マニホールド部材は、第1部分11aと第2部分11bとからなる2ピース構造となっている。
ヘッドチップ10に対してマニホールド部材11を接着する場合、部品点数は少ないほど作業効率は良いが、本発明では、ヘッドチップ10を介して相対するように第1共通インク溝41および第2共通インク溝42を配置しており、また、ヘッドチップ10の投影面積を増加させないため、電極8がヘッドチップ10の第1側面101に形成されており、この電極8に対して配線基板24を接続している。このため、マニホールド部材11を接着するときには、配線基板24が、ヘッドチップ10の第1側面101に形成された状態となっており、配線基板24をかわすようにマニホールド部材11を取り付ける必要がある。そこで、マニホールド部材11を2部品で構成し、第1部分11aに第1共通インク溝41を設け、第2部分11bに第2共通インク溝42を設け、ヘッドチップ10の側面101,102を一面ずつ、第1部分11aおよび第2部分11bをヘッドチップ10の裏面基準で位置合わせを行って、接着することにより、配線基板24をかわしながら接着を行うことができる。
また、マニホールド部材11を2部品で構成したことで、それぞれのマニホールド部材11をヘッドチップ10の側面101,102に密着させて接着することができるため、接着剤の厚さを可能な限り薄くして、接着することができる。
マニホールド部材11のノズルプレート接着面である上面113,114に対して、ヘッドチップ10の個別インク溝31の深さよりも深い2mmの深さで、ヘッドチップ10の個別インク溝31の形成幅以上の段差部を設け、第1共通インク溝41および第2共通インク溝42を形成する。この第1共通インク溝41および第2共通インク溝42は、ヘッドチップ10の側面101,102と接着することで、ヘッドチップ10の両端に開口した複数の個別インク溝31と連通する。
マニホールド部材11の第1部分11aには、第1共通インク溝41と外部とを連通させる第1連通溝51が形成され、マニホールド部材11の第2部分11bには、第2共通インク溝42と外部とを連通させる第2連通溝52が形成されている。
マニホールド部材11の上面113,114に形成された連通溝51,52は、幅0.3mm、深さ0.1mmの溝で、ヘッドチップ10の側面101,102より0.3mm離れた部位に形成されている。
マニホールド部材11の対向面111,112に形成された連通溝51,52は、幅0.3mm、深さ0.1mmの溝で、ヘッドチップ10に接着されたノズルプレート21より0.3mm離れた部位に形成されている。
ノズルプレート21が接着されたヘッドチップ10の側面101,102をマニホールド部材11で挟み込むように配置する。マニホールド部材11とノズルプレート21との位置決めは、マニホールド部材11の当接部115を圧電基板の裏面に当接させることで高精度な位置決めを行うことができる。
接着剤は、エポキシ系の接着剤で、粘度が約1500cpのものを使用しており、ヘッドチップ10の側面101,102をマニホールド部材11で挟み込むように配置した部分に対してヘッドチップ10の裏面方向から接着剤を塗布すると、ヘッドチップ10の側面101,102とマニホールド部材11の対向面111,112との間に毛細管力により接着剤が浸透していく。
マニホールド部材11aの対向面111,112には、側方から深さ0.25mmで、幅は配線基板24と同程度でザグリ加工を行ない、配線基板用凹部27を形成する。配線基板用凹部27により、配線基板24とヘッドチップ10との接続部分が、インクと直接接触せず、インクによる配線基板24の溶解、溶出を防止する。
マニホールド部材11は、厚さ5mmのPPS材料にチタン酸カリウムからなる繊維を混入させた材料で形成する。本材料を射出成型によりマニホールド部材11を形成することが可能であり、成型厚さバラツキは、設定値±10μm程度で成型可能である。
チタン酸カリウムからなる繊維は、線径0.2〜0.6μm、長さ10〜20μmの微細な繊維であり、これをPPSに混入させることで熱膨張率を10×10−6/℃程度まで下げることが可能となり、熱膨張差による影響を抑えることが可能で、接着剤の剥離、部材のクラック等の問題を回避できる。また、フィラーサイズが小さく、成型ときにフィラーが動きやすいため、フィラーがマニホールド部材11の形状から外側に突出することがなく、フィラーの脱落等の問題を生じないため、インクジェットヘッドチップ直近であるマニホールド部材11を作製してもインクに対して悪影響を及ぼさないことを確認している。
マニホールド部材11の当接部115から上面113,114までの距離を、ヘッドチップ10の厚さより、約15μm程度小さく設定し、成型する。成型厚さバラツキは設定値±10μm程度で成型可能である。
実際の組み立ては、以下の通りである。配線基板24を接続した側のヘッドチップ10の第1側面101に、マニホールド部材11の第1部分11aを配置し、ヘッドチップ10の第2側面102に、マニホールド部材11の第2部分11bを配置して、第1、第2部分11a,11bのそれぞれの当接部115をヘッドチップ10の裏面のヘッド保持部材4との未接着領域Eに当接させる。こうすることで、ヘッドチップ10とマニホールド部材11との段差は、ヘッドチップ10の高さバラツキ±5μm、成型厚さバラツキは±10μmであり、0から30μm程度ヘッドチップ10が突出した状態にすることができて、ヘッドチップ10の上面に対してマニホールド部材11の突き出しを高精度に規制しながら配置することができる。
ヘッドチップ10の側面101,102をマニホールド部材11で挟み込むように配置し、マニホールド部材11の突き出しを規制した後、第1部分11aの第1ダム部61と第2部分11bの第2ダム部62とに、連通溝51,52の開口端部より接着剤を供給すると、毛細管力により接着剤が浸透していく。
ダム部61,62は、ノズルプレート21より0.3mm離れた領域により形成されている。このわずかな領域に対して接着剤を供給するため、接着剤量は微量である。
この毛細管力による接着剤の浸透は、接着剤の表面張力や、接着部分の表面粗さ等により異なるが、ダム部61,62のギャップが狭いほど接着剤は浸透しやすい。逆に、ギャップが広い連通溝51,52では、毛細管力は働きにくくなり、接着剤の浸透は止まる。
このように、まず、図13Aに示すように、微小領域である第1ダム部61(接着領域の小さい部分Zs)のみに接着剤9を毛細管力により浸透させて硬化することにより、余剰接着剤の影響を小さくし、第1ダム部61におけるギャップが広い第1連通溝51側に位置するエッジで、メニスカスの働きにより接着剤9の浸透を食い止めることができる。なお、図示しないが、第2部分11b(ダム部62)とヘッドチップ10との接着についても、同様である。
その後、マニホールド部材11に対してヘッドチップ10の裏面(下面)方向から接着剤を塗布すると、ヘッドチップ10の側面101,102とマニホールド部材11の当接部115に毛細管力により接着剤が浸透していく。
図13Bに示すように、この接着剤9は、接着領域の大きい部分Zbを毛細管力により浸透して、接着領域の大きい部分Zbにおける第1連通溝51側に位置するエッジで、メニスカスの働きにより接着剤9の浸透を食い止めることができる。なお、図示しないが、第2部分11bとヘッドチップ10との接着についても、同様である。
接着剤9の供給量が多く、余剰接着剤が、第1連通溝51側のエッジや第2連通溝52側のエッジで食い止められない場合は、連通溝51,52内に接着剤9が流入するが、予めダム部61,62を接着しているため、個別インク溝31への流れ込みを阻止することができる。
この後、第1、第2連通溝51,52に対して外側の開口部より接着剤を塗布することにより、接着剤により、第1、第2連通溝51,52を埋めて、インク漏れのない状態にする。
その後、図1に示すように、ノズルプレート21とマニホールド部材11との接着を行う。マニホールド部材11とノズルプレート21との隙間は、0から30μm程度になっており、この接着工程も、毛細管力を利用し、必要部分のみを接着するものである。第1部分11aの第1ダム部61と第2部分11bの第2ダム部62とに、連通溝51,52の開口端部より接着剤を供給すると、毛細管力により接着剤が浸透していく。
ダム部61,62は、ヘッドチップ10の側面101,102より0.3mm離れた領域により形成されている。このわずかな領域に対して接着剤を供給するため、接着剤量は、微量である。
この毛細管力による接着剤の浸透は、接着剤の表面張力や、接着部分の表面粗さ等により異なるが、ダム部61,62のギャップが狭いほど接着剤は浸透しやすい。逆に、ギャップが広い連通溝51,52では、毛細管力は働きにくくなり、接着剤の浸透は止まる。
このように、まず、微小領域であるダム部61,62のみをまず接着、硬化することにより、余剰接着剤の影響を小さくし、第1ダム部61における第1連通溝51側に位置するエッジ、および、第2ダム部62における第2連通溝52側に位置するエッジで、メニスカスの働きにより接着剤の浸透を食い止めることができる。
その後、マニホールド部材11に対してノズルプレート21の外周に接着剤を塗布する。この接着剤の供給は、ノズルプレート21の外周に沿って接着剤をディスペンサにて供給することができる。
接着剤は、マニホールド部材11とノズルプレート21との隙間に毛細管力により浸透していく。この接着剤は、マニホールド部材11の上面113,114の接着領域の大きい部分Zbを毛細管力により浸透して、第1上面113の接着領域の大きい部分Zbにおける第1連通溝51側に位置するエッジ、および、第2上面114の接着領域の大きい部分Zbにおける第2連通溝52側に位置するエッジで、メニスカスの働きにより接着剤の浸透を食い止めることができる。
接着剤の供給量が多く、余剰接着剤が、第1連通溝51側のエッジや第2連通溝52側のエッジで食い止められない場合は、連通溝51,52内に接着剤が流入するが、予めダム部61,62を接着しているため、個別インク溝31への流れ込みを阻止することができる。
しかしながら、余剰接着剤が過剰な場合や、加熱硬化ときの粘度低下に伴いメニスカスが変動した場合は、ときとして、余剰接着剤が第1、第2連通溝51,52に流入するおそれがある。この対策について、図14を用いて説明する。図14は、余剰接着剤が第1、第2連通溝51,52に流入しない構成を示す概念図である。なお、説明を判り易くするため、ノズルプレート21を仮想線にて示している。
まず、マニホールド部材11の供給孔5aおよび排出孔6aと、ノズルプレート21のノズル孔20とを、配管71およびバルブ72によって、塞いで、接着剤を供給する。なお、配管71およびバルブ72以外に、テープ等で塞いでもよい。
こうすることで、余剰接着剤が、第1、第2連通溝51,52に流入すると、インク流路内が閉じられた状態となるため、インク流路内で加熱、膨張した空気が、第1、第2連通溝51,52から矢印で示す通り、外部へと排出される。このため、第1、第2連通溝51,52内に流入した接着剤は、外部へと押し出され、個別インク溝31への流入を防止することができる。
ノズルプレート21を、ポリイミドにより作製することにより、毛細管力により浸透する接着剤を、ポリイミド越しに確認することができ、接着剤の供給状態を確認することが可能である。
この後、第1、第2連通溝51,52に対して外部の開口部より接着剤を塗布する場合には、供給孔5a、排出孔6aおよびノズル孔20を塞ぐことなく接着剤を塗布することにより、第1、第2連通溝51,52を接着剤により埋めて、インク漏れのない状態にできて、インク流路を形成することが可能となる。
以上の工程により、ヘッドチップ10とマニホールド部材11との接着時や、ノズルプレート21とマニホールド部材11との接着時の余剰接着剤が、マニホールド部材11の接着界面に流れ込み、個別インク溝31の詰まりや、予定外の部分への流れ込み等を生じさせる問題を排除することが可能である。
上記構成のインクジェットヘッド25によれば、上記第1連通溝51は、上記マニホールド部材11の上記第1対向面111および上記第1上面113に設けられ、上記第2連通溝52は、上記マニホールド部材11の上記第2対向面112および上記第2上面114に設けられているので、マニホールド部材11とヘッドチップ10との接着時に、余剰接着剤の第1、第2共通インク室への流入を防止でき、かつ、マニホールド部材11とノズルプレート21との接着時に、余剰接着剤の第1、第2共通インク室への流入を防止できる。
また、上記第1連通溝51および上記第2連通溝52は、接着剤により、封止されているので、第1、第2連通溝51,52から他の領域への余剰接着剤の流入を阻止することが可能となる。例えば、必要部分の接着完了後、第1、第2連通溝51,52の開口端より、接着剤を毛細管力により流入させることにより、第1、第2連通溝51,52は外部と遮断され、インクの流出を阻止し、マニホールドとして機能するようになる。
上記構成のインクジェットヘッド25の製造方法によれば、マニホールド部材11に跨る大きさのノズルプレート21をヘッドチップ10に接着し、その後、ヘッドチップ10より突出したノズルプレート21に対応するようにマニホールド部材11を接着することで、ヘッドチップ10とマニホールド部材11との間に段差が生じた場合においても、後工程でのノズルプレート21とマニホールド部材11との間を接着剤で充填することにより未接着領域のない状態に接着することができる。このときに、接着剤量が多すぎた場合においても、余剰接着剤は、第1、第2連通溝51,52により保持され、他の領域への余剰接着剤の流入を阻止することができる。
また、上記ヘッドチップ10に上記ノズルプレート21を接着する工程と、上記マニホールド部材11に上記ノズルプレート21を接着する工程との間に、上記ヘッドチップ10に上記マニホールド部材11を接着する工程を有するので、各部材を接着する工程において、接着する際の余剰接着剤が、第1、第2共通インク室等の他の領域への流入を阻止することができ、個別インク室の詰まりの無いインクジェットヘッド25を製造することが可能である。
また、上記ヘッドチップ10、上記マニホールド部材11および上記ノズルプレート21の互いの接着は、毛細管力を利用して接着剤を流入させて接着しているので、各部材の接着が容易となる。例えば、ノズルプレート21とマニホールド部材11をおおよそ0.1mm以下程度のギャップになるように位置調整してから、ノズルプレート21の外周部に接着剤を塗布すると、毛細管力により、ギャップ内に接着剤が浸透する。所望部まで接着剤が浸透した時点で、ノズルプレート21の外周部に塗布した接着剤を拭うことにより、接着剤の供給を断つことで接着領域をコントロールすることが可能となる。接着剤量が多すぎた場合においても、余剰接着剤は第1、第2連通溝51,52により保持され、他の領域への余剰接着剤の流入を阻止することができる。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、連通溝51,52を、マニホールド部材11以外に、ヘッドチップ10やノズルプレート21に設けてもよい。
例えば、上記ヘッドチップ10の上記第1側面101、上記マニホールド部材11の上記第1対向面111、上記マニホールド部材11の上記第1上面113、および、上記ノズルプレート21の上記第1対向面211のうちの少なくとも一つに、上記第1共通インク室と上記マニホールド部材11の外側とを連通する第1連通溝51を設けてもよく、第1連通溝51を設けている面とこの面に対向する面とを接着剤を介して接着したときに、この第1連通溝51を設けている面から第1共通インク室内へ、余剰接着剤が流入することを防止できて、接着剤により個別インク室が塞がれることを防止する。
具体的に述べると、第1連通溝51を設けた面は、第1連通溝51により、例えば、接着領域(面積)の小さい部分と接着領域(面積)の大きい部分とに分割される。そして、まず、接着領域の小さい部分の接着を行う。このとき、接着剤を毛細管力により流入させる。
ここで、余剰接着剤が第1共通インク室に流入し、個別インク室を塞いでしまうのは、互いに対向する接着面の間の隙間の体積に対して、供給される接着剤の量が多いためである。このため、まず、接着領域の小さい部分を接着することにより、余剰接着剤量を低減させることができ、この余剰接着剤は、第1連通溝51のエッジのメニスカスの働きにより保持され、余剰接着剤が第1共通インク室に流入するのを防止することができる。
引き続いて、接着領域の小さい部分の接着の後に、接着領域の大きい部分についても、毛細管力により接着剤を供給するが、このときの余剰接着剤は、第1連通溝51のエッジのメニスカスの働きにより保持されるが、保持できない場合、この余剰接着剤は第1連通溝51に流入し、この部分で保持され、余剰接着剤が流路溝部に流入するのを防止することができる。
また、上記ヘッドチップ10の上記第2側面102、上記マニホールド部材11の上記第2対向面112、上記マニホールド部材11の上記第2上面114、および、上記ノズルプレート21の上記第2対向面212のうちの少なくとも一つに、上記第2共通インク室と上記マニホールド部材11の外側とを連通する第2連通溝52を設けてもよく、第2連通溝52を設けている面とこの面に対向する面とを接着剤を介して接着したときに、この第2連通溝52を設けている面から第2共通インク室内へ、余剰接着剤が流入することを防止できて、接着剤により個別インク室が塞がれることを防止する。
1 圧電基板
3 隔壁
4 ヘッド保持部材
5a 供給孔
6a 排出孔
8 電極
81 導出部
9 接着剤
10 ヘッドチップ
101 第1側面
102 第2側面
11 マニホールド部材
11a 第1部分
11b 第2部分
111 第1対向面
112 第2対向面
113 第1上面
114 第2上面
115 当接部
20 ノズル孔
21 ノズルプレート
211 第1対向面
212 第2対向面
24 配線基板
25 インクジェットヘッド
31 個別インク溝
41 第1共通インク溝
42 第2共通インク溝
51 第1連通溝
52 第2連通溝
61 第1ダム部
62 第2ダム部
Zb 接着領域の大きい部分
Zs 接着領域の小さい部分

Claims (7)

  1. 一方向に延在してこの一方向の両端が開口する個別インク溝を複数有すると共にこの複数の個別インク溝が互いに平行に配列されているヘッドチップと、
    上記複数の個別インク溝の一端側において上記複数の個別インク溝と連通する第1共通インク溝を有すると共に上記複数の個別インク溝の他端側において上記複数の個別インク溝と連通する第2共通インク溝を有するマニホールド部材と、
    上記複数の個別インク溝、上記第1共通インク溝および上記第2共通インク溝を、上記個別インク溝の底面に直交する方向の開口側である上側から覆って、上記複数の個別インク溝と共に複数の個別インク室を定義し、上記第1共通インク溝と共に第1共通インク室を定義し、上記第2共通インク溝と共に第2共通インク室を定義するノズルプレートと
    を備え、
    上記ヘッドチップにおける上記個別インク溝の上記一端が開口する第1側面と、このヘッドチップの第1側面と対向するマニホールド部材の第1対向面とは、接着され、
    上記マニホールド部材における上記第1共通インク溝の上部が開口する第1上面と、このマニホールド部材の第1上面と対向するノズルプレートの第1対向面とは、接着され、
    上記ヘッドチップにおける上記個別インク溝の上記他端が開口する第2側面と、このヘッドチップの第2側面と対向するマニホールド部材の第2対向面とは、接着され、
    上記マニホールド部材における上記第2共通インク溝の上部が開口する第2上面と、このマニホールド部材の第2上面と対向するノズルプレートの第2対向面とは、接着され、
    上記ヘッドチップの上記第1側面、上記マニホールド部材の上記第1対向面、上記マニホールド部材の上記第1上面、および、上記ノズルプレートの上記第1対向面のうちの少なくとも一つに、上記第1共通インク室と上記マニホールド部材の外側とを連通する第1連通溝を設けていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記ヘッドチップの上記第2側面、上記マニホールド部材の上記第2対向面、上記マニホールド部材の上記第2上面、および、上記ノズルプレートの上記第2対向面のうちの少なくとも一つに、上記第2共通インク室と上記マニホールド部材の外側とを連通する第2連通溝を設けていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 請求項2に記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記第1連通溝は、上記マニホールド部材の上記第1対向面および上記第1上面に設けられ、
    上記第2連通溝は、上記マニホールド部材の上記第2対向面および上記第2上面に設けられていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 請求項2または3に記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記第1連通溝および上記第2連通溝は、接着剤により、封止されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  5. 第1側面に一端が開口すると共に第2側面に他端が開口する個別インク溝を有するヘッドチップと、
    第1対向面および第1上面に切り欠かれて形成された第1共通インク溝と、第1対向面と第1上面とのそれぞれに第1共通インク溝と外側とを連通するように設けられた第1連通溝と、第2対向面および第2上面に切り欠かれて形成された第2共通インク溝と、第2対向面と第2上面とのそれぞれに第2共通インク溝と外側とを連通するように設けられた第2連通溝とを有するマニホールド部材と、
    ノズル孔を有するノズルプレートと
    を用意する第1工程と、
    上記ヘッドチップの上面に上記ノズルプレートを接着する第2工程と、
    上記マニホールド部材の第1上面および第2上面に上記ノズルプレートを接着する第3工程と
    を備えることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
    上記第2工程と上記第3工程との間に、上記ヘッドチップの上記第1側面に上記マニホールド部材の上記第1対向面を接着すると共に上記ヘッドチップの上記第2側面に上記マニホールド部材の上記第2対向面を接着する工程を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 請求項6に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
    上記ヘッドチップ、上記マニホールド部材および上記ノズルプレートの互いの接着は、毛細管力を利用して接着剤を流入させて接着していることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013099893A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドモジュールの製造方法及び液体噴射ヘッドモジュール並びに液体噴射装置

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