本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係るレコーダシステムは、図1に例示するように、レコーダ装置1と、中間サーバ装置2と、マルチメディアデータのダビングの先となる端末3とを含んで構成される。ここで、レコーダ装置1と中間サーバ装置2とは互いにネットワークを介して通信可能に接続され、端末3は、ネットワークを介してこれらレコーダ装置1や中間サーバ装置2と互いに通信可能に接続可能となっている。
レコーダ装置1は、図1に例示したように、チューナ11と、復調器12と、信号処理部13と、映像処理部14と、出力処理部15と、制御部16と、操作部17と、ストレージ部18とを含んで構成される。またこの制御部16は、制御ユニット51と、記憶ユニット52と、通信ユニット53と、計時ユニット54とを含んで構成される。また、中間サーバ装置2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、ストレージ部24とを含んで構成される。
端末3は、例えば車載端末であり、図2に例示するように、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、操作部34と、表示部35と、ストレージ部36とを含んで構成される。
本実施の形態の一例においては、レコーダ装置1、中間サーバ装置2、及び端末3を相互に接続するローカルエリアネットワーク(LAN)は、有線ネットワークのほかに、この有線ネットワークに接続される無線LAN親機40を含んでもよい。
レコーダ装置1のチューナ11は、BS/CSデジタル放送用のチューナユニットや、地上デジタル放送用のチューナユニット等、少なくとも一つのチューナユニットを含んで構成される。このチューナユニットは、対応する放送を受信するアンテナから信号の供給を受け入れる。また、制御部16から選局信号を受け入れると、受け入れた信号から当該受け入れた選局信号に対応するチャンネルの放送信号を選局して、選局した放送信号を復調器12に出力する。
一例として、チューナ11が、BS/CSデジタル放送用のチューナユニットである場合は、衛星デジタルテレビジョン放送信号の入力を受け入れており、制御部16から選局信号を受け入れると、当該選局信号が表すチャンネルの放送信号を選局し、選局した放送信号(PSK(Phase Shift Keying)にて変調されている)を、復調器12に出力する。
また、チューナ11が、地上デジタル放送用のチューナユニットである場合は、地上波放送受信用のアンテナで受信したデジタルテレビジョン放送信号を受け入れており、制御部16から選局信号を受け入れると、当該選局信号が表すチャンネルの放送信号を選局し、選局した放送信号(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)にて多重化されている)を復調器12に出力する。
復調器12は、チューナ11から出力される信号を受け入れて、当該受け入れた信号を復調し、トランスポートストリーム(Transport Stream;TS)を得る。また、このトランスポートストリームから番組のデジタルの映像信号及び音声信号を抽出して信号処理部13に出力するとともに、トランスポートストリームに含まれる各種データや、サービス情報、電子番組ガイド(EPG)情報、番組属性情報、字幕情報等を抽出して制御部16に出力する。
信号処理部13は、復調器12が出力するデジタルの映像信号及び音声信号を受け入れて、予め定められた信号処理を実行する。この信号処理は具体的には、輪郭補正、色補正、雑音除去等である。なお、この信号処理部13がどのような処理を行うかは制御部16から入力される指示に従って決定されてもよい。信号処理部13は、処理を行った映像信号を、映像処理部14に出力する。またこの信号処理部13は処理を行った音声信号を、出力処理部15に出力する。
また、この信号処理部13は、処理を行った映像信号と音声信号とを、制御部16に出力する。さらに信号処理部13は、映像信号と音声信号との入力を制御部16から受け入れると、当該受け入れた映像信号を映像処理部14に出力し、音声信号を出力処理部15に出力する。
映像処理部14は、信号処理部13から映像信号を受け入れるとともに、制御部16から字幕の画像情報と、画面に表示するべき画像や文字列等(いわゆるOSD(On Screen Display)信号)とを含んだグラフィック情報を受け入れる。この映像処理部14は、信号処理部13から受け入れた映像信号に対して、制御部16から受け入れたグラフィック情報が表す画像の情報等を合成する。この合成は、例えば映像信号の一部を隠蔽して、グラフィック情報が表す画像を合成することであってもよいし、映像信号に対して、αブレンディングを行い、映像信号の表す映像上にグラフィック情報を、半透明に(グラフィック情報を透過して映像信号が視認できるように)重ね合わせて(スーパーインポーズして)出力してもよい。
出力処理部15は、映像処理部14から映像信号(制御部16が出力するグラフィック情報を合成する場合は合成後の映像信号)の入力を受け入れ、また信号処理部13から音声信号(処理後の音声信号)の入力を受け入れる。この出力処理部15は、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)トランスミッタ等を含んで、受け入れた映像信号や音声信号を、テレビジョン側で受け入れ可能な形式の信号(例えばHDMI信号や、コンポジット信号)として出力する。
制御部16は、レコーダ装置1の各部を制御するプログラムを保持しており、このプログラムに従って、レコーダ装置1の各部を制御する。具体的にこの制御部16は、録画(予約録画を含む)、再生、ダビング、配信(ネットワーク上の他の端末装置へマルチメディアデータを配信して、当該他の端末装置で視聴可能とすること)等の処理を実行する。この制御部16は、録画の指示があると、映像信号及び音声信号を信号処理部13から受け入れて所定の方法で符号化したマルチメディアデータを生成する。そしてこのマルチメディアデータを後に述べるストレージ部18に格納する。また制御部16は再生の指示に従い、ストレージ部18に格納したマルチメディアデータの一つを読み出して復号し、映像信号及び音声信号を得る。そしてこの映像信号と音声信号とを信号処理部13に出力する。なお、ここでストレージ部18に記録されるマルチメディアデータには、ダビング回数に制限が設定されていてもよい。ここでダビングには、マルチメディアデータを転送して転送先に複写する「コピー」と、マルチメディアデータを転送して転送先に複写(コピー)した後、転送元のマルチメディアデータ(複写元)を削除する動作(実質的にマルチメディアデータの移動に相当する動作)である「ムーブ」とを含む。
上述のようにダビング回数を制限する場合、例えば可能なコピー回数を表すコピーカウントと、可能なムーブ回数を表すムーブカウントとをマルチメディアデータに含めておき、ダビング(コピーまたはムーブ)を行うごとに、ダビングの元となったマルチメディアデータについて、どちらかを行ったかにより、いずれかのカウントをデクリメントする。また、ダビングにより新たに生成されるマルチメディアデータについては、例えばコピーカウントを「0」、ムーブカウントを「1」とする(ムーブのみ可能となる)。そして例えばコピーカウントが「0」となっている場合にコピーが指示されると、制御部16は、コピーができない旨の情報を表示させるようにする。
操作部17は、例えばキーやボタン、リモートコントローラの受信器等を含み、利用者から録画・再生の指示(開始や停止)や、予約録画の指示(録画開始・終了時間やチャンネルの指定)を受け入れて、当該指示の内容を制御部16に出力する。
ストレージ部18は、ハードディスクドライブ等であり、制御部16から入力される指示に従ってマルチメディアデータを記録する。またこのストレージ部18は、制御部16から入力される指示に従い、記録しているマルチメディアデータを制御部16に出力する。なお、ストレージ部18は、ハードディスクドライブに限らず、SSD(Solid State Drive)等の固体メモリであってもよい。
ここで、レコーダ装置1の制御部16の動作について述べる。制御部16の制御ユニット51は、CPU(Central Processing Unit)等のプログラム制御デバイスであり、記憶ユニット52に格納されているプログラムに従って動作する。本実施の形態の制御ユニット51は、再生、録画、予約録画のための処理を実行するほか、所定の範囲内に利用者が存在するか否かを検出する処理や、中間サーバ装置2に対して、録画したマルチメディアデータをダビングする処理(ここではコピーとする)を実行する。この制御ユニット51の詳しい動作は後に述べる。
記憶ユニット52は、メモリデバイス等であり、制御ユニット51によって実行されるプログラムを保持している。このプログラムは、例えばDVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等のコンピュータ可読な記録媒体に格納されて提供され、この記憶ユニット52に複写されたものであってもよい。また、このプログラムは、ネットワークや放送波を介して配信され、後に述べる通信ユニット53によって受信されて、この記憶ユニット52に格納されたものであってもよい。またこの記憶ユニット52は、制御ユニット51のワークメモリとしても動作し、例えばEPG情報や、予約録画の予約内容(録画開始、終了の時間や、録画対象のチャンネル等を含んだ情報)を記憶する。
通信ユニット53は、ネットワークインタフェース等であり、本実施の形態のある例では、有線LANまたは無線LANに接続される。この通信ユニット53は、制御ユニット51から入力される指示に従い、LANを介して到来した情報を受信し、制御ユニット51に出力する。また、この通信ユニット53は、制御ユニット51から入力される指示に従い、LANを介して情報を送出する。計時ユニット54は、カレンダーIC、またはタイマIC等であり、現在時刻を計時している。
次にここで、制御ユニット51の動作について述べる。制御ユニット51は、操作部17から入力される指示により、例えばチャンネルの変更が指示されたときには、変更先となるチャンネルを特定する選局信号をチューナ11に出力する。
またこの制御ユニット51は、録画の指示(放送中の番組をすぐに録画するべき旨の指示)を操作部17から受けると、信号処理部13が出力する映像信号及び音声信号を、予め定めた形式に符号化し、マルチメディアデータとしてストレージ部18に格納する。
さらに制御ユニット51は、再生に関わる処理として、再生の指示が行われると、ストレージ部18に格納したマルチメディアデータの一覧を読み出す。制御ユニット51は、この一覧の文字列を描画したグラフィック情報を生成し、映像処理部14に出力する。また制御ユニット51は、利用者が再生の対象としてこの一覧のうちから選択したマルチメディアデータを特定する情報を、操作部17から受け入れる。制御ユニット51は、操作部17から受け入れた情報で特定されるマルチメディアデータをストレージ部18から読み出して復号し、映像信号及び音声信号を得る。そして制御ユニット51は、復号により得た映像信号と音声信号とを信号処理部13に出力する。また制御ユニット51は、再生中に利用者から巻き戻しや早送り、一時停止等の操作を受け入れて、各操作に基づく処理を行うが、これらの処理は広く知られているものであるので、ここでの詳しい説明を省略する。
さらに制御ユニット51は、録画予約に関わる処理として、次の処理を行う。制御ユニット51は、利用者から録画対象となるチャンネルと、録画開始の時刻と、録画終了の時刻との入力を受け入れ、これらの情報を関連付けて、予約内容の情報として記憶ユニット52に格納する。制御ユニット51は、所定のタイミングごとに繰り返して、計時ユニット54による計時する現在時刻との差が予め定めたしきい値未満となるような、録画開始の時刻を含んだ予約内容の情報が、記憶ユニット52に格納されているか否かを調べる。
そして、そのような予約内容の情報が記憶ユニット52に格納されていれば、当該予約内容の情報を注目録画予約情報として選択し、当該選択した注目録画予約情報に含まれるチャンネルの情報を参照し、当該チャンネルを選局するよう選局信号をチューナ11に出力する。そしてこのチューナ11が出力する信号を復調器12で復調し、当該復調した信号に基づいて信号処理部13が出力する映像信号及び音声信号を、予め定めた形式に符号化し、マルチメディアデータとしてストレージ部18に格納する。
また制御ユニット51は、注目録画予約情報に含まれる、録画終了の時刻を、計時ユニット54による計時する現在時刻が経過すると、マルチメディアデータの格納の処理を終了する。そして注目録画予約情報を記憶ユニット52から削除する。
制御ユニット51は、このように、一般的なレコーダ装置における処理を実行するほか、次に述べる処理を実行する。すなわち、本実施の形態の制御ユニット51は、記憶ユニット52に格納されたプログラムに従い、端末3へのダビングの処理を実行する。この処理は、機能的には、図3に例示するように、利用者検出部61と、ダビング可能性検出部62と、予約判断部63と、転送制御部64と、転送実行部65とを含んで構成される。利用者検出部61は、所定の範囲内に利用者が存在するか否かを検出する。具体的に本実施の形態の一例では、この利用者検出部61は、LANを介して端末3へのアクセスが可能か否かにより所定の範囲内に利用者が存在するか否かを検出して、その検出の結果を出力する。
ダビング可能性検出部62は、制御ユニット51自身が、ダビング動作が困難である状態となるような処理を実行中であるか否かを判断して、当該判断の結果を出力する。具体的には、このダビング可能性検出部62は、制御ユニット51の処理負荷が予め定めた限度を超えるような処理が必要となるか否かを判断する。
一例として、制御ユニット51が行うある処理について、それぞれ必要となる要素処理を特定しておき、各要素処理について制御ユニット51が、一度にn個のマルチメディアデータを当該処理可能であることをカウント「n」としておく。例えば制御ユニット51が一度に一つの「復号」の要素処理が可能である場合、「復号」についてカウント「1」とする。また再生時には「復号」の要素処理が必要であり、ダビングについては「復号」、「配信」の要素処理が必要であるとすると、再生について「復号」のカウント「1」、ダビングについて「復号」と「配信」とについてそれぞれのカウント「1」が必要であるとして予め規定しておく。
ダビング可能性検出部62は、制御ユニット51が実行中の処理に対応して予め規定された各要素処理のカウントをそれぞれ要素処理ごとに累算し、さらにダビングに必要な各要素処理について、ダビングについて規定された各カウントを加算する。
上述の例で、制御ユニット51が再生に係る処理のみを実行中であるとすると、「復号」に係るカウントが「1」となる。ここでダビングについて必要な各要素処理、「復号」、「配信」に対して、ダビングについて規定された各カウントを加算すると、上述の例では、それぞれ「1」であるので、「復号」について「2」、「配信」について「1」のカウント値を算出する。
ダビング可能性検出部62は、制御ユニット51の処理負荷の限度として予め定められた各要素処理についてのカウント(限度カウント)と、算出したカウント値とを比較し、どの要素処理についてのカウント値も、対応する限度カウント以下であるか否かを調べる。ここで、どの要素処理についてのカウント値も、対応する限度カウント以下であれば、ダビング動作は困難でないと判断する。また少なくとも一つの要素処理についてのカウント値が、対応する限度カウント以下でなければ、ダビング動作は困難であると判断する。
なお、ここではカウント値の設定(再生、ダビング等の処理に関連して規定された各要素処理の設定や、限度カウントの設定)は整数値により行われる例としたが、これに限られず、小数値を許容してもよい。なお、カウント値を設定する処理としては、再生やダビングのほか、録画、配信(ネットワークを介して他の端末装置等へマルチメディアデータを配信する処理)等の処理がある。
予約判断部63は、少なくとも現在時刻から所定時間後までの間の録画開始時刻を含んだ予約内容の情報が、記憶ユニット52に記録されているか否かを判断し、当該判断の結果を出力する。本実施の形態のある例では、予約判断部63は、記憶ユニット52に少なくとも一つの予約内容の情報が記録されていれば、予約がある旨の判断結果を出力することとしてもよい。
転送制御部64は、利用者検出部61から所定の範囲内に利用者が存在するか否かを検出した結果の入力を受け入れる。また、この転送制御部64は、ダビング可能性検出部62と、予約判断部63とから、それぞれ制御ユニット51自身が、ダビング動作を困難とする処理を実行中であるか否かの判断結果、並びに、少なくとも現在時刻から所定時間後までの間の録画開始時刻を含んだ予約内容の情報が、記憶ユニット52に記録されているか否かの判断結果(録画予約がされているか否か)を受け入れる。
転送制御部64は、録画予約がされておらず、または現在ダビング動作が困難な状態でない(ダビング動作が困難な状態となるような処理を、制御ユニット51自身が実行中でない)か否かを判断する。そして、録画予約がされておらず、かつ現在ダビング動作が困難な状態でない(ダビング動作が困難な状態となるような処理を、制御ユニット51自身が実行中でない)場合には、転送制御部64はさらに、利用者検出部61が、所定の範囲内に利用者が存在しないと検出しているか否かを判断する。そしてこの判断の結果、利用者検出部61が、所定の範囲内に利用者が存在しないと検出しているならば、転送制御部64は、転送実行部65に対して中間サーバ装置2へのマルチメディアデータの転送を指示する。また、この判断の結果、利用者検出部61が、所定の範囲内に利用者が存在していると検出しているならば、転送制御部64は、転送実行部65に対するマルチメディアデータの転送を指示しない。
さらに転送制御部64は、録画予約がされているか、または現在ダビング動作が困難な状態である(ダビング動作が困難になるような処理を、制御ユニット51自身が実行中である)場合には、転送制御部64は転送実行部65に対するマルチメディアデータの転送を指示しない。
つまり、この転送制御部64は、
(1)(a)録画予約がされていないか、または(b)現在ダビング動作が困難な状態でない、
(2)所定の範囲内に利用者が存在しないと検出されている、
の2つの条件がともに満足された場合と、そうでないときとで、中間サーバ装置2へのマルチメディアデータの転送の態様を異ならせる。
転送実行部65は、転送制御部64から転送の指示を受けると、ストレージ部18に格納されているマルチメディアデータを、中間サーバ装置2へダビングする処理を行う。具体的にこの転送実行部65は、日本国内のようにダビング10等の規定により、孫コピーが制限されている環境においては、DTCP-IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)ソース機器として機能し、DTCP-IPシンク機器及びDTCP-IPソース機器として機能する中間サーバ装置2に対して、マルチメディアデータをダビングする(いわゆるDTCP-IPダビングを実行する)。また、この転送実行部65は、孫コピーが制限されていない場合は、通常のデジタルデータの複写手順(ファイルの複写・移動処理)により、中間サーバ装置2に対して、マルチメディアデータをダビングすることとしてもよい。
中間サーバ装置2の制御部21は、CPU等のプログラム制御デバイスであり、記憶部22に格納されたプログラムに従って動作している。この制御部21は、記憶部22に格納されたプログラムに従い、DTCP-IPシンク機器及びDTCP-IPソース機器としての動作を行う。
具体的にこのレコーダ装置1の転送実行部65と中間サーバ装置2の制御部21との間でのDTCP-IPダビングの動作は、従来のDTCPと同様のものであり、斉藤健・磯崎宏著,「家庭ネットワークにおける著作権保護」,東芝レビュー58巻6号(2003年6月1日),株式会社東芝発行,12頁〜15頁に説明がある通りであるので、ここでの説明を省略する。
制御部21は、DTCP-IPシンク機器として、レコーダ装置1から受信したマルチメディアデータを、ストレージ部24に格納する。またこの制御部21は、LANを介して端末3へのアクセスが可能か否かを調べ、アクセスが可能であれば、DTCP-IPソース機器として動作し、ストレージ部24に格納したマルチメディアデータを、端末3へダビングする。
一例としてマルチメディアデータがダビング10等による制限を受けている場合、DTCP-IPダビングにより、中間サーバ装置2のストレージ部24に格納されたマルチメディアデータは、1度だけムーブが可能なものとなっている。制御部21は従って、この場合には端末3へのコピーの処理を開始し、転送完了後に、ストレージ部24から、当該転送したマルチメディアデータを削除する(いわゆるムーブを行う)。なお、コピーが何らかの原因により完了しなかった場合は、ストレージ部24のマルチメディアデータを削除しない。
記憶部22は、メモリデバイス等であり、制御部21によって実行されるプログラムを保持する。この記憶部22に格納されるプログラムは、DVD−ROM等のコンピュータ可読な記録媒体に格納されて提供され、この記憶部22に複写されたものであってもよい。またこのプログラムは、ネットワークを介して配信され、この記憶部22に格納されたものであっても構わない。さらに記憶部22は、制御部21のワークメモリとしても動作する。
通信部23は、ネットワークインタフェース等であり、LANを介してレコーダ装置1や端末3との間で各種のデータ(マルチメディアデータを含む)を送受信する。ストレージ部24は、ハードディスクドライブやSSD等であり、制御部21から入力される指示に従って、マルチメディアデータを格納する。
端末3の制御部31は、CPU等のプログラム制御デバイスであり、記憶部32に格納されたプログラムに従って動作している。この制御部31は、記憶部32に格納されたプログラムに従い、中間サーバ装置2から送信されるマルチメディアデータを受信し、ストレージ部36に格納する処理を行う。またこの制御部31は、利用者からの指示に従って、ストレージ部36に格納されたマルチメディアデータを復号して、映像・音声の信号を得て、表示部35に出力する(再生処理)。
記憶部32は、メモリデバイス等であり、制御部31によって実行されるプログラムを保持する。この記憶部32に格納されるプログラムは、DVD−ROM等のコンピュータ可読な記録媒体に格納されて提供され、この記憶部32に複写されたものであってもよい。またこのプログラムは、ネットワークを介して配信され、この記憶部32に格納されたものであっても構わない。さらに記憶部32は、制御部31のワークメモリとしても動作する。
通信部33は、ネットワークインタフェース等であり、LANを介して中間サーバ装置2からマルチメディアデータを受信して制御部31に出力する。この通信部33は、例えば無線LANインタフェースであってもよい。この場合、LAN側に備えられた無線LAN親機の通信可能圏内に入ったときに、通信部33は、当該無線LAN親機に対して接続する。これによりLANを介してレコーダ装置1や、中間サーバ装置2から端末3へのアクセスが可能となり、その存在が認識されるようになる。
操作部34は、キーやボタン、タッチパネル、リモートコントローラの受信器などを含み、利用者から入力される指示操作を受け入れて制御部31に出力する。表示部35は、液晶表示パネル等のディスプレイや、音声を出力するスピーカ等を含んで構成される。この表示部35は、制御部31から入力される映像信号に基づく映像を表示出力する。またこの表示部35は、制御部31から入力される音声信号に基づいて音声を鳴動する。ストレージ部36は、ハードディスクドライブやSSD等であり、制御部31から入力される指示に従って、マルチメディアデータを格納する。
本実施の形態は以上の構成を備えてなり、次のように動作する。なお、以下の説明では、レコーダ装置1において予め録画が実行され、そのストレージ部18にマルチメディアデータが格納されているものとする。また端末3がLANを介してアクセス可能となっていない場合と、アクセス可能となっている場合とにわけて次に説明する。
[端末がLANを介してアクセス可能でない場合]
利用者が端末3を車載した車両を運転してでかけている場合、端末3はLAN側に設けられた無線LAN親機との通信ができない。端末3がインターネットを介してLAN側に接続された機器にアクセスしている場合も、LAN内のアドレスが端末3には割り当てられていないので、レコーダ装置1はLANを介して端末3へのアクセスができないこととなる。つまり、本実施の形態において、端末3がLANを介してアクセス可能であるということは、端末3がLANに直接接続されている場合(LAN内のアドレスが割り当てられている場合)を意味する。
図4に示すように、レコーダ装置1は、所定のタイミングごとに、ダビングの条件が満足されているか否かを調べる(S11)。ここではレコーダ装置1は自身が再生処理を実行しているか否か、録画予約が行われているか否か、及び、端末3がLANを介してアクセス可能か否かを調べる。そして再生処理を実行しておらず、かつ録画予約が行われておらず、かつ端末3がLANを介してアクセス可能でないならば(ここでは端末3がLANを介してアクセス可能でない場合を例としている)、中間サーバ装置2に対して、ストレージ部18に格納されているマルチメディアデータをダビングする(S12)。このダビングは、例えば、ストレージ部18に格納されているマルチメディアデータを、予め定めた順に(例えば格納日時が古い順、ないし新しい順や、利用者による優先順に)順次ダビングすることとしてもよい。また、予め利用者からダビングするべきマルチメディアデータが指定されている場合は、当該指定されたマルチメディアデータを選択的にダビングすることとしてもよい。
中間サーバ装置2では、このマルチメディアデータのダビングを受けて、当該ダビングされたマルチメディアデータをそのストレージ部24に格納する(S13)。中間サーバ装置2では、端末3がLANを介してアクセス可能か否かを、所定のタイミングごとに繰り返し調べる(S14)。ここでは端末3はLANを介してアクセス可能でないものとしているので、中間サーバ装置2は、これ以上の動作を行わない。
なお、処理S11において、レコーダ装置1が再生処理を行っている場合(例えば利用者の一人は出かけているが、他の利用者(出かけている利用者の家族等)がレコーダ装置1を使用している場合)は、レコーダ装置1は、中間サーバ装置2に対するダビングを行わない。
また処理S11において、録画予約がされている場合、レコーダ装置1は、中間サーバ装置2に対するダビングを行わない。なお、ここでは録画予約が一つでもあれば、レコーダ装置1は、中間サーバ装置2に対するダビングを行わないこととしているが、本実施の形態はこれに限られない。例えばレコーダ装置1は、その制御ユニット51の予約判断部63の処理として、現在時刻から所定時間後(例えば3時間後などと予め決められた時間だけ後)までの間の録画開始時刻を含んだ予約内容の情報が、記憶ユニット52に記録されているか否かを判断してもよい。この場合は、転送制御部64の処理として、現在時刻から所定時間後(例えば3時間後などと予め決められた時間だけ後)までの間に録画開始となる録画予約がある場合に中間サーバ装置2に対するダビングを行わないこととなる。またそうでない場合は、レコーダ装置1自身が再生処理を行っておらず、かつ端末3がLANを介してアクセス可能でない場合に、レコーダ装置1は中間サーバ装置2に対するダビングを行う。
また制御ユニット51の予約判断部63は、現在時刻から予め決められた時間だけ後までの間の録画開始時刻を含んだ予約内容の情報が、記憶ユニット52に記録されているか否かを判断するのではなく、ストレージ部18に格納されている、現在時刻から、ダビングの対象となるマルチメディアデータのデータサイズに応じて定められる時間だけ後までの間の録画開始時刻を含んだ予約内容の情報が記憶ユニット52に記録されているか否かを判断してもよい。具体的には、データサイズを、予め定めた転送速度(または過去のダビング時に実際に測定された転送速度の平均値等の統計値)で除した時間だけ後までの間の録画開始時刻を含んだ予約内容の情報が記憶ユニット52に記録されているか否かを判断する。
この場合において、ダビングの対象となるマルチメディアデータ全体のデータサイズに基づいて定められる時間としてもよいし、ダビングの対象となるマルチメディアデータのいずれか一つないし複数のデータサイズ(複数の場合はその合計)に基づいて定められる時間としてもよい。前者のように、現在時刻からダビングの対象となるマルチメディアデータ全体のデータサイズに基づく時間だけ後までの録画開始時刻を含んだ予約内容の情報が記憶ユニット52に記録されているか否かを判断するのであれば、レコーダ装置1は、ストレージ部18に格納されている、ダビングの対象となるマルチメディアデータ全体を中間サーバ2へダビングするのに十分な時間だけ後まで録画予約がないことを条件に、マルチメディアデータのダビングを開始することになる。
また、後者のように、現在時刻からダビングの対象となるマルチメディアデータのいずれか一つないし複数のデータサイズ(複数の場合はその合計)に基づく時間だけ後までの録画開始時刻を含んだ予約内容の情報が記憶ユニット52に記録されているか否かを判断するのであれば、レコーダ装置1は、ストレージ部18に格納されている、ダビングの対象となるマルチメディアデータのいずれかを中間サーバ2へダビングするのに十分な時間だけ後まで録画予約がないことを条件に、マルチメディアデータのダビングを開始することになる。
さらに本実施の形態の別の例では予約判断部63は、次のように動作してもよい。すなわち、本実施の形態のある例に係る予約判断部63は、記憶ユニット52に記録されている予約内容の情報のうち、最も早い録画開始時刻となっているものを見出し、現在時刻から当該見出した録画開始時刻までの時間(残り時間)を演算する。また予約判断部63は、ダビングの対象となるマルチメディアデータの組であって、そのデータサイズの合計を所定の転送速度で除した値(転送予想時間)が、演算した残り時間より小さいマルチメディアデータの組を探索する。
そして予約判断部63は、探索の結果、ダビングの対象となるマルチメディアデータの組であって、そのデータサイズの合計を所定の転送速度で除した値(転送予想時間)が、演算した残り時間より小さいマルチメディアデータの組が見出されたならば、当該見出したマルチメディアデータの組に含まれるマルチメディアデータを特定する情報を、転送可能マルチメディア情報として転送制御部64に出力する。
転送制御部64は、転送可能マルチメディア情報が予約判断部63から入力され、かつ、現在ダビング動作が困難な状態でない(ダビング動作が困難な状態となるような処理を、制御ユニット51自身が実行中でない)場合に、利用者検出部61が、所定の範囲内に利用者が存在しないと検出しているか否かを判断する。そしてこの判断の結果、利用者検出部61が、所定の範囲内に利用者が存在しないと検出しているならば、転送制御部64は、転送実行部65に対して、転送可能マルチメディア情報として特定されたマルチメディアデータの中間サーバ装置2へのダビングを指示する。
なお、予約判断部63が上記探索の結果、ダビングの対象となるマルチメディアデータの組であって、そのデータサイズの合計を所定の転送速度で除した値(転送予想時間)が、演算した残り時間より小さいマルチメディアデータの組を複数見出す場合は、最初に見出した当該組に含まれるマルチメディアデータを特定する情報を、転送可能マルチメディア情報として転送制御部64に出力することとしてもよい。また、複数見出した組のうち、含まれるマルチメディア情報の数が最も多い組を選択し、当該選択した組に含まれるマルチメディアデータを特定する情報を、転送可能マルチメディア情報として転送制御部64に出力することとしてもよい。
このように複数の組が見出される場合には、予め定めた規則に従って、いずれかの組を選択し、選択した組に含まれるマルチメディアデータを特定する情報を、転送可能マルチメディア情報として転送制御部64に出力すればよい。
[端末がLANを介してアクセス可能な場合]
また利用者が端末3を車載した車両を運転してでかけていない場合や、でかけた先から戻ってきた場合、端末3はLAN側に設けられた無線LAN親機との通信が可能となる。
この場合は図5に示すように、レコーダ装置1が所定のタイミングごとに、ダビングの条件が満足されているか否かを調べる(S21)と、端末3がLANを介してアクセス可能であるので、レコーダ装置は中間サーバ装置2に対するマルチメディアデータのダビングを行わない。
一方、中間サーバ装置2では、端末3がLANを介してアクセス可能か否かを、所定のタイミングごとに繰り返し調べる(S22)。ここでは端末3はLANを介してアクセス可能となっているので、中間サーバ装置2は、そのストレージ部24に格納されているマルチメディアデータを、端末3に対してダビングする(S23)。そして端末3はダビングされたマルチメディアデータをストレージ部36に格納する(S24)。このマルチメディアデータは、端末3側にて再生可能となる。
[変形例]
ここまでの説明においては、
(1)(a)録画予約がされていないか、または(b)現在ダビング動作が困難な状態でない、
(2)所定の範囲内に利用者が存在しないと検出されている、
の2つの条件がともに満足された場合と、そうでないときとで、ダビングを行うか否かを異ならせることとしていたが、本実施の形態はこれに限られない。例えば録画や再生が行われている間も、速度を低減すればダビングが可能であるというのであれば、上記2つの条件がともに満足された場合と、そうでないときとで転送速度を異ならせることとしてもよい。
この例では、レコーダ装置1の制御ユニット51によって実現される転送制御部64は、利用者検出部61から所定の範囲内に利用者が存在するか否かを検出した結果の入力を受け入れる。また、この転送制御部64は、ダビング可能性検出部62と、予約判断部63とから、それぞれ制御ユニット51自身が、ダビング動作が困難となるような処理を実行中であるか否かの判断結果、並びに、少なくとも現在時刻から所定時間後までの間の録画開始時刻を含んだ予約内容の情報が、記憶ユニット52に記録されているか否かの判断結果(録画予約がされているか否か)を受け入れる。
そしてこの転送制御部64は、録画予約がされておらず、または現在ダビング動作が困難な状態でない(制御ユニット51自身が、ダビング動作を困難とするような処理を実行中でない)か否かを判断する。そして、録画予約がされておらず、かつ現在ダビング動作が困難な状態でない(制御ユニット51自身がダビング動作を困難とするような処理を実行中でない)場合には、転送制御部64はさらに、利用者検出部61が、所定の範囲内に利用者が存在しないと検出しているか否かを判断する。そしてこの判断の結果、利用者検出部61が、所定の範囲内に利用者が存在しないと検出しているならば、転送制御部64は、転送実行部65に対して、予め定めた第1の転送速度での中間サーバ装置2へのマルチメディアデータのダビングを指示する。また、この判断の結果、利用者検出部61が、所定の範囲内に利用者が存在していると検出しているならば、転送制御部64は、転送実行部65に対して、予め定めた第2の転送速度での中間サーバ装置2へのマルチメディアデータのダビングを指示する。
さらに転送制御部64は、録画予約がされているか、または現在ダビング動作が困難な状態である(制御ユニット51自身が、ダビング動作を困難とするような処理を実行中である)場合には、転送制御部64は転送実行部65に対して、予め定めた第3の転送速度での中間サーバ装置2へのマルチメディアデータの転送を指示する。ここで第2の転送速度と第3の転送速度とは同じデータ転送速度であってもよい。
つまり、この場合の転送制御部64は、
(1)(a)録画予約がされていないか、または(b)現在ダビング動作が困難な状態でない、
(2)所定の範囲内に利用者が存在しないと検出されている、
の2つの条件がともに満足された場合と、そうでないときとで、中間サーバ装置2へのマルチメディアデータのダビングの速度を異ならせる。
また本実施の形態において端末3は、車載の端末に限られず、スマートフォン等であってもよい。そしてレコーダ装置1が、利用者が所定の範囲内に存在するか否かを判断する方法は、端末3がLANを介してアクセス可能であるか否かではなく、例えば端末3の位置情報を取得することによって行ってもよい。
一例として端末3が車載のカーナビゲーションシステム、またはGPS受信機(Global Positioning System)を内蔵した携帯電話機等である場合、レコーダ装置1は、端末3から、所定のタイミングでその位置情報を受信する。この受信は例えば端末3側から定期的に送信するようにさせてもよいし、端末3が、レコーダ装置1からの要求を受け入れて、要求されたときに位置情報を測定して、その測定結果を送信することとしてもよい。
この例では、レコーダ装置1は、予めその設置場所として定められた位置と、端末3から受信した位置情報で表される位置とが所定の(例えば予め定めた距離しきい値を下回る)距離内にある場合に、利用者が所定の範囲内に存在するものと判断する。
またここまでの例では、端末3が一つだけである場合を例としたが、本実施の形態はこれに限られない。例えば複数N台の端末3に対してマルチメディアデータを転送してもよい。この場合、レコーダ装置1は、ダビングにより新たに生成されるマルチメディアデータについては、例えばコピーカウントを「N−1」、ムーブカウントを「1」とする(N−1台へのコピーと、ムーブとが可能となる)。そして中間サーバ装置2は、1台の端末3については上述の動作を行うとともに、N−1台の端末3に対しては上述の動作においてムーブの代わりにコピーを行うようにすることとしてもよい。