JP5888136B2 - 燃料発生装置及びそれを備えた燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池装置に供給するための燃料を発生する燃料発生装置及びそれを備えた燃料電池システムに関する。
水素は、例えば燃料電池において燃料ガスとして用いられることで化学反応によってエネルギーを取り出すことができる。そして、その化学反応は水素と酸素との反応であるため、反応生成物は水のみとなる。従って、例えば石油や石炭などの燃料と違い、温室効果ガスである二酸化炭素を排出しないため、クリーンなエネルギー源として期待されている。
しかし一方で、水素は常温では気体であり、爆発性があるため、貯蔵や輸送が容易でない。このため、耐圧性などの信頼性を非常に高めたボンベに高圧の水素を物理的に充填して水素を貯蔵・輸送する方法の他に、特定の物質に化学的に水素を吸蔵させて水素を貯蔵・輸送する方法が検討されている。
上記の後者の方法の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1には、鉄又は酸化鉄を水素発生剤とし、下記の(1)式に示す酸化還元反応を利用して水素の吸蔵、放出を行う方法が開示されている。
3Fe+4H2O=Fe34+4H2 …(1)
鉄以外にも、Mg、Alなどの金属においても、水との酸化反応によって水素を発生することができる。
国際公開第2004/002882号
金属粒子を用いた水素発生剤は、容器に収容され、大気から隔離されて用いられる。
しかしながら、水素発生剤を収容している容器が破損して、大気が容器内に流入すると、水素発生剤の酸化反応が一気に進んでしまう。水素発生剤の酸化反応が一気に進んでしまう理由は、大気に含まれる酸素は水蒸気よりも強い酸化剤であるため、酸化反応が進みやすくなるからであり、また、水素発生剤の酸化反応は発熱反応であるため水素発生剤の酸化反応が起こると水素発生剤の温度が上昇し、水素発生剤の温度上昇によって水素発生剤の酸化反応が促進されるからである。
水素発生剤の酸化反応が一気に進むと、すなわち水素発生剤の酸化反応速度が速すぎると、高温化による危険性が大きくなる。
本発明は、上記の状況に鑑み、安全性の高い燃料発生装置及びそれを備えた燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る燃料発生装置は、酸化反応によって燃料ガスを発生する多孔質体の燃料発生剤と、酸化反応によって体積膨張する多孔質体の体積膨張剤と、前記燃料発生剤及び前記体積膨張剤を収容する容器とを備え、酸化されていない状態での前記体積膨張剤の充填率が、酸化されていない状態での前記燃料発生剤の充填率より高く、前記体積膨張剤が前記燃料発生剤と前記容器の内壁との間に介在している構成とする。
このような構成によると、容器が破損して容器内に酸素が流入した場合、まず始めに、燃料発生剤と容器の内壁との間に介在している体積膨張剤が酸化されて充填率が高くなる。これにより、酸素が体積膨張剤を通過し難くなり、酸素が燃料発生剤に流入する速度を抑えることができる。したがって、高温化による危険性が大きくなることを防止でき、安全性を向上させることができる。
また、前記燃料発生剤の主体及び前記体積膨張剤の主体が同一の材料であることが望ましい。
これにより、体積膨張剤の製造プロセスと燃料発生剤の製造プロセスとの大部分が同一になるので、体積膨張剤の製造が容易になる。
また、前記体積膨張剤の温度を検出するための温度検出部を備え、前記温度検出部の検出結果を前記容器の外部に出力することができる構成にしてもよい。
これにより、体積膨張剤の温度あるいは温度上昇率が異常に大きいかを容器の外部で監視することができ、例えば、体積膨張剤の温度あるいは温度上昇率が異常に大きくなったときに、冷却装置による燃料発生装置の冷却や、燃料発生装置を含む燃料電池システム全体を格納する格納容器の密閉等の安全機構を起動させることができる。したがって、安全性がより一層向上する。
また、前記燃料発生剤の主体には、例えば、Ni、Fe、Pd、V、Mgまたはこれらの各合金のいずれかを用いることができる。
また、上記目的を達成するために本発明に係る燃料電池システムは、上記いずれかの構成の燃料発生装置と、前記燃料発生装置から発生された燃料ガスが供給される燃料極、酸化剤ガスが供給される酸化剤極及び前記燃料極と前記酸化剤極とで挟まれた電解質を有し、発電を行う燃料電池装置とを備える構成とする。
本発明によると、酸化反応によって燃料ガスを発生する多孔質体の燃料発生剤を収容している容器が破損して容器内に酸素が流入した場合、まず始めに、燃料発生剤と容器の内壁との間に介在している体積膨張剤が酸化されて充填率が高くなる。これにより、酸素が体積膨張剤を通過し難くなり、酸素が燃料発生剤に流入する速度を抑えることができる。したがって、高温化による危険性が大きくなることを防止でき、安全性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る燃料発生装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料発生装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係る燃料発生装置の概略構成を示す模式図である。 本発明に係る燃料電池システムの一構成例を示す模式図である。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。尚、本発明は、後述する実施形態に限られない。
<燃料発生剤>
各実施形態で用いられる燃料発生剤の主体は、酸化反応によって燃料ガス(還元性ガス)を放出することができるものであれば何でもよく、例えば、Fe、Pd、V、Mgやこれらの各合金などが挙げられる。
また、各実施形態で用いられる燃料発生剤の主体は、酸化反応によって燃料を放出した後、還元反応によって再生可能であることが望ましい。
また、各実施形態で用いられる燃料発生剤においては、その反応性を上げるために単位体積当りの表面積を大きくすることが望ましい。燃料発生剤の単位体積当りの表面積を増加させる方策としては、例えば、燃料発生剤の主体を微粒子化し、その微粒子化したものを成型すればよい。微粒子化の方法は例えばボールミル等を用いた粉砕によって粒子を砕く方法が挙げられる。さらに、機械的な手法などにより微粒子にクラックを発生させることで微粒子の表面積をより一層増加させてもよく、酸処理、アルカリ処理、ブラスト加工などによって微粒子の表面を荒らして微粒子の表面積をより一層増加させてもよい。
また、触媒としてTi、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Al、Ga、Mg、Sc、Ni、Cu及びNdなどを添加してもよい。
微粒子の粒径は、反応性の観点から、10mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましく、150μm以下がさらに好ましい。なお、粒径の下限は特に限定されないが、0.01μmのものも使用することができる。さらに、酸化性ガスとの高い反応性を得るために、微粒子の平均粒径を0.05〜0.5μmにすることが特に好ましい。
<体積膨張剤>
各実施形態で用いられる体積膨張剤の主体は、各実施形態で用いられる燃料発生剤の主体と同一の材料にすることができる。例えば、体積膨張剤の主体を鉄にした場合、体積膨張剤は、酸素と反応すると、下記の(2)式に示す酸化反応が起こり、体積が2.15倍に膨張する。
2Fe+3/2O2→Fe23 …(2)
各実施形態で用いられる燃料発生剤と同様に、各実施形態で用いられる体積膨張剤においては、その反応性を上げるために単位体積当りの表面積を大きくすることが望ましい。単位体積当りの表面積を増加させる方策は、各実施形態で用いられる燃料発生剤の場合と同様である。
また、各実施形態で用いられる燃料発生剤と同様に、触媒としてTi、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Al、Ga、Mg、Sc、Ni、Cu及びNdなどを添加してもよい。
微粒子の粒径の好適な値も、各実施形態で用いられる燃料発生剤と同様である。
<燃料発生剤及び体積膨張剤の製造方法>
各実施形態で用いられる燃料発生剤の製造方法の一例として、鉄を燃料発生剤の主体にする場合の製造方法について以下に説明する。なお、各実施形態で用いられる体積膨張剤の製造方法の一例も同様である。
まず、純鉄、酸化鉄、または硝酸鉄などの鉄化合物を原料として、鉄または酸化鉄の微粒子を作製する。そして、鉄または酸化鉄の微粒子を成型する前に特定の金属を物理混合または含浸法、好ましくは共沈法により添加する。
鉄または酸化鉄の微粒子に添加される特定の金属は、IUPACの周期律表の4族、5族、6族、13族の金属の少なくとも1つであり、好ましくは、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Al、Gaのいずれかにより選ばれる。または、Mg、Sc、Ni、Cuのいずれかを、鉄または酸化鉄の微粒子に添加される特定の金属として用いることもできる。
鉄または酸化鉄の微粒子に添加する特定の金属の添加量は、金属原子のモル数で計算して、好ましくは全金属原子の0.5〜30mоl%、より好ましくは0.5〜15mоl%になるように調製する。
特定の金属が添加された鉄または酸化鉄の微粒子は、効率良く利用するために、粉末状またはペレット状、円筒状、ハニカム構造、不織布形状など、酸化反応に適した表面積の大きい形状に成型される。
特定の金属が添加された鉄または酸化鉄の微粒子を成型する方法には、スラリーを層状に成形したグリーンシートを焼成する方法、乾燥させた粉体を加圧プレスする方法などがある。
スラリーを層状に成形したグリーンシートを焼成する方法では、酸化鉄微粒子に、造孔剤を添加し、バインダー、分散剤および可塑剤を加え、有機溶媒または水系からなる分散媒体に分散されているスラリーを作成する。造孔剤の添加量は、酸化鉄微粒子の総重量に対して、1〜30%が好ましい。添加されている造孔剤は、焼成の際に燃焼して気化するため、造孔剤が存在していた箇所には空孔が形成される。なお、造孔剤としては、カーボン系粉末や樹脂系粉末が挙げられるが、焼成の際に気化して空孔が形成可能な材料であれば、他の材料を用いるようにしてもよい。
また、上記スラリーの組成物あるいは混練組成物を作製する際に用いられるバインダーの種類にも制限はなく、公知の有機質もしくは無機質のバインダーを使用することができる。有機質バインダーとしては、例えば、エチレン系共重合体、スチレン系共重合体、アクリレート系及びメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、マレイン酸系共重合体、ビニルアセタール系樹脂、ビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ビニルアルコール系樹脂、エチルセルロース等のセルロース類、ワックス類等が挙げられる。
上記のように作製したスラリーを公知のドクターブレード法またはスクリーン印刷などにより成形して、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルム上にスラリーの層を形成し、このスラリーの層より分散媒体を除去することで乾燥させ、グリーンシートが形成された状態とする。分散媒体としては、アルコール系溶媒に限らず、トルエン、キシレン、及びケトン系などの他の有機溶媒を用いてもよい。また、有機溶媒に限らず、酸化鉄微粒子及び造孔剤の混合粉末が、水に分散されたスラリーを用いるようにしてもよい。例えば、所定の分散剤を用いることで、上記混合粉末が水に分散された状態とすることができる。
そして、上記のように作製された酸化鉄微粒子を含有するグリーンシートを焼成することにより、多孔質体である酸化鉄微粒子の成型体が得られる。焼成温度は300〜500℃が好ましい。
乾燥させた粉体を加圧プレスする方法では、鉄または酸化鉄の微粒子を含む粒状原料を加圧プレスして結着させる。加圧プレスは、600〜2500MPaの高圧で実施することが好ましい。このような圧力によると、従来の粒子を用いた押し出しペレットよりも、表面活性が高く、燃料ガス発生能力または体積膨張能力の大きい多孔質である成型体を製造することができる。成型体の形状は、例えば、板状、直方体、円筒状、球状、円錐状などが挙げられる。
なお、酸化鉄微粒子の成型体は、還元処理が施されることで、燃料ガス発生能力または体積膨張能力を持つ。還元反応の条件としては、酸化鉄を還元できるものであれば特に限定されないが、例えば、水素ガスなどを使用することができる。
各実施形態で用いられる体積膨張剤の酸化されていない状態での充填率が、各実施形態で用いられる燃料発生剤の酸化されていない状態での充填率より高くなるように、各実施形態で用いられる燃料発生剤及び体積膨張剤を製造する。なお、充填率とは、空間に占める体積の割合をいう。
体積膨張剤の充填率を高くする方法としては、体積膨張剤を製造する際に用いる酸化鉄微粒子の微粒子径分布を広くすることが簡便であるため望ましく、例えば微粒子径分布の下限を0.05μmとし、微粒子径分布の上限を0.5μmとすればよい。体積膨張剤の充填率を高くする他の方法としては、スラリーのバインダー量を減少させる、グリーンシート作成時にグリーンシートにかける圧力を上げる、乾燥させた粉体の加圧プレス時にプレス圧力を上げる、酸化鉄微粒子を還元してから不活性ガス中で成型するなどの方法を挙げることができる。
体積膨張剤の充填率は、酸化されている状態で0.5以上であることが望ましく、0.6以上がより望ましい。また、燃料発生剤の充填率は、単位体積当たりの燃料ガス発生量を確保しつつ、酸化が進んでもガスの流通が可能であるように、酸化されている状態で0.2〜0.5であることが望ましく、0.3〜0.5がより望ましい。
<本発明の第1実施形態に係る燃料発生装置>
本発明の第1実施形態に係る燃料発生装置の概略構成を図1に示す。図1に示す燃料発生装置は、鉄を主体とする多孔質体の燃料発生剤1と、鉄を主体とする多孔質体の体積膨張剤2と、燃料発生剤1及び体積膨張剤2を収容する容器3とを備えている。上述した製造方法で説明したように、酸化されていない状態での体積膨張剤1の充填率が、酸化されていない状態での燃料発生剤2の充填率より高くなっている。そして、体積膨張剤2が燃料発生剤1と容器3の内壁との間に介在している。また、容器3には、配管5に接続されるガス流通口が設けられている。なお、容器3の内部には燃料発生剤1の温度を調節するヒーター等を必要に応じて設けてもよい。
鉄を主体とする燃料発生剤1は、例えば、下記の(3)式に示す酸化反応により、酸化性ガスである水蒸気を消費して燃料ガス(還元性ガス)である水素ガスを生成することができる。
4H2O+3Fe→4H2+Fe34 …(3)
上記の(3)式に示す鉄の酸化反応が進むと、鉄から酸化鉄への変化が進んで鉄残量が減っていくが、上記の(3)式の逆反応すなわち下記の(4)式に示す還元反応により、燃料発生剤1を再生することができる。なお、上記の(3)式に示す鉄の酸化反応及び下記の(4)式の還元反応は600℃未満の温度で行うこともできる。
4H2+Fe34→3Fe+4H2O …(4)
ここで、容器3が破損して容器3内に酸素が流入した場合について考える。この場合、まず始めに、燃料発生剤1と容器3の内壁との間に介在している体積膨張剤2が酸化されて充填率が高くなる。これにより、酸素が体積膨張剤2を通過し難くなり、酸素が燃料発生剤1に流入する速度を抑えることができる。したがって、高温化による危険性が大きくなることを防止でき、安全性を向上させることができる。なお、体積膨張剤2の充填率は、前述の通りであるが、もし体積膨張剤2の充填率に分布(勾配)がある場合には、最も容器3の内壁に近い位置における体積膨張剤2の充填率が前述のように設定されていればよい。
<本発明の第2実施形態に係る燃料発生装置>
本発明の第2実施形態に係る燃料発生装置の概略構成を図2に示す。なお、図2において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
図2に示す燃料発生装置は、図1に示す燃料発生装置の容器3内に体積膨張剤2の温度を検出するための温度検出部6を追加した構成である。温度検出部6としては、例えば熱電対素子を用いることができる。
温度検出部6の出力線は容器3内外の気密を保ったまま容器3の外部に引き出されている。したがって、温度検出部6の検出結果を容器3の外部に出力することができる。これにより、体積膨張剤2の温度あるいは温度上昇率が異常に大きいかを容器3の外部で監視することができ、例えば、体積膨張剤2の温度あるいは温度上昇率が異常に大きくなったときに、冷却装置による燃料発生装置の冷却や、燃料発生装置を含む燃料電池システム全体を格納する格納容器の密閉等の安全機構を起動させることができる。したがって、安全性がより一層向上する。
<本発明の第3実施形態に係る燃料発生装置>
本発明の第3実施形態に係る燃料発生装置の概略構成を図3に示す。なお、図3において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
図3に示す燃料発生装置は、容器3の外壁の一面が別部材(例えば別の燃料発生装置の容器)7に接している。別部材7に接している容器3の壁面部分が破損しても、別部材7によって容器3内への酸素の流入が妨げられる。このため、図3に示す燃料発生装置は、別部材7に接している容器3の壁面部分と燃料発生剤1との間において、体積膨張剤2の配置を省略している。
<本発明に係る燃料電池システムの一例>
本発明に係る燃料電池システムの一構成例を図4に示す。なお、図4において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
図4に示す燃料電池システムは、図1に示す燃料発生装置と、前記燃料発生装置から発生された燃料ガスが供給される燃料極8、酸化剤ガスが供給される酸化剤極9及び燃料極8と酸化剤極9とで挟まれた電解質膜10を容器11内に有し、発電を行う燃料電池装置と、前記燃料発生装置と前記燃料電池装置との間でガスを循環させるための配管5とを備えている。
配管5には必要に応じて、ブロアやポンプ等の循環器を設けてもよい。また、容器11内には必要に応じて、前記燃料電池装置の温度を調節するヒーター等を設けてもよい。
なお、図4では、電解質膜10の両面に燃料極8と酸化剤極9を接合したMEA(膜・電極接合体:Membrane Electrode Assembly)を1つだけ設けた構造を図示しているが、MEAを複数設けたり、さらに複数のMEAを積層構造にしたりしてもよい。
電解質膜10の材料としては、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いた固体酸化物電解質を用いることができ、また例えば、ナフィオン(デュポン社の商標)、カチオン導電性ポリマー、アニオン導電性ポリマー等の固体高分子電解質を用いることができるが、これらに限定されることなく、水素イオンを通すものや酸素イオンを通すもの、また、水酸化物イオンを通すもの等、燃料電池の電解質としての特性を満たすものであればよい。なお、本実施形態においては、電解質膜10として、酸素イオン又は水酸化物イオンを通す電解質、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いた固体酸化物電解質を用い、発電時に燃料極8側に水を発生させるようにしている。この場合、発電時に燃料極8側に発生した水を用いた酸化反応によって燃料発生装置から水素を発生させることができる。
電解質膜10は、固体酸化物電解質の場合であれば、電気化学蒸着法(CVD−EVD法;Chemical Vapor Deposition - Electrochemical Vapor Deposition)等を用いて形成することができ、固体高分子電解質の場合であれば、塗布法等を用いて形成することができる。
燃料極8、酸化剤極9はそれぞれ、例えば、電解質膜10に接する触媒層と、その触媒層に積層された拡散電極とからなる構成にすることができる。触媒層としては、例えば白金黒或いは白金合金をカーボンブラックに担持させたもの等を用いることができる。また、燃料極8の拡散電極の材料としては、例えばNi−Fe系サーメットやNi−YSZ系サーメット等を用いることができる。また、酸化剤極9の拡散電極の材料としては、例えばLa−Mn−O系化合物やLa−Co−Ce系化合物等を用いることができる。
燃料極8、酸化剤極9はそれぞれ、例えば蒸着法等を用いて形成することができる。
次に、図4に示す燃料電池システムの発電時及び充電時それぞれにおいて起こる各化学反応について説明する。
図4に示す燃料電池の発電時には、燃料極8に燃料ガスである水素が供給され、酸化剤極9に酸素を含む空気が供給されることにより、燃料極8において下記の(5)式の反応が起こる。
2+O2-→H2O+2e- …(5)
一方、酸化剤極9において下記の(6)式の反応が起こる。
1/2O2+2e-→O2- …(6)
これら(5)式及び(6)式の反応における電子の流れにより、燃料極8及び酸化剤極9に接続された外部負荷(不図示)への給電が行われる。そして、酸素イオンは、電解質膜10を通って、燃料極8に到達する。燃料電池装置では、上記の一連の反応が繰り返され、上記の(5)式から分かるように、燃料極8側においてH2が消費されH2Oが生成される。
上記の(5)式及び(6)式より、発電動作時における燃料電池装置での反応は下記の(7)式の通りになる。
2+1/2O2→H2O …(7)
また、図4に示す燃料電池システムの発電時には、燃料発生装置は、上記の(3)式に示す酸化反応により、燃料電池装置の燃料極8側で生成されたH2Oを消費してH2を生成する。このH2を燃料極8に供給することで燃料電池装置での発電が行われる。したがって、燃料発生装置と燃料電池装置の燃料極8との間では配管5を介してH2及びH2Oを含む混合ガスが循環されることになる。
一方、図4に示す燃料電池システムの充電動作時には、外部電源(不図示)から燃料電池装置に電力が供給され、燃料電池装置では、上記の(7)式の逆反応である下記の(8)式に示す電気分解反応が起こり、燃料極8側においてH2Oが消費されH2が生成される。一方、燃料発生装置では、上記の(4)式に示す還元反応が起こり、燃料電池装置の燃料極8側で生成されたH2が消費されH2Oが生成される。これにより、燃料発生装置のFe34をFeに還元し、燃料発生装置を再生することができる。
2O→H2+1/2O2 …(8)
<変形例>
上述した実施形態では、電解質膜10として酸素イオンを伝導する電解質を用いて、発電の際に燃料極8側で水を発生させるようにしている。この構成によれば、燃料発生剤1が設けられた側(燃料極8側)で水を発生するため、装置の簡素化や小型化に有利である。一方、特開2009−99491号公報に開示された燃料電池のように、燃料電池装置の電解質膜10として水素イオンを通す固体高分子電解質を用いることも可能である。但し、この場合には、発電の際に酸化剤極9側で水が発生されることになるため、この水を燃料発生剤1に伝搬する流路を設ければよい。
また、上述した実施形態では、1つの燃料電池装置が発電も水の電気分解も行っているが、燃料発生剤が、燃料電池(例えば発電専用の固体酸化物燃料電池)と水の電気分解器(例えば水の電気分解専用の固体酸化物燃料電池)それぞれにガス流路上並列に接続される構成にしてもよい。
また、上述した実施形態では、燃料発生剤1の主体と体積膨張剤2の主体とを同一の材料としたが、燃料発生剤1の主体と体積膨張剤2の主体とを互いに異なる材料にすることも可能である。
また、上述した各実施形態では、燃料発生装置が発生する燃料ガスを水素にしているが、一酸化炭素や炭化水素など水素以外の還元性ガスを燃料発生装置が発生する燃料ガスとしてもよい。
また、上述した各実施形態では、燃料電池装置の酸化剤極に供給する酸化剤ガスに空気を用いているが、空気以外の酸化剤ガスを用いても構わない。
1 燃料発生剤
2 体積膨張剤
3、11 容器
4 ガス流通口
5 配管
6 温度検出部
6A、6B 温度検出部の出力線
7 別部材
8 燃料極
9 酸化剤極
10 電解質膜

Claims (5)

  1. 酸化反応によって燃料ガスを発生する多孔質体の燃料発生剤と、
    酸化反応によって体積膨張する多孔質体の体積膨張剤と、
    前記燃料発生剤及び前記体積膨張剤を収容する容器とを備え、
    酸化されていない状態での前記体積膨張剤の充填率が、酸化されていない状態での前記燃料発生剤の充填率より高く、
    前記体積膨張剤が前記燃料発生剤と前記容器の内壁との間に介在していることを特徴とする燃料発生装置。
  2. 前記燃料発生剤の主体及び前記体積膨張剤の主体が同一の材料であることを特徴とする請求項1に記載の燃料発生装置。
  3. 前記体積膨張剤の温度を検出するための温度検出部を備え、
    前記温度検出部の検出結果を前記容器の外部に出力することができることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料発生装置。
  4. 前記燃料発生剤の主体がNi、Fe、Pd、V、Mgまたはこれらの各合金のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料発生装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料発生装置と、
    前記燃料発生装置から発生された燃料ガスが供給される燃料極、酸化剤ガスが供給される酸化剤極及び前記燃料極と前記酸化剤極とで挟まれた電解質を有し、発電を行う燃料電池装置とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
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