JP5673147B2 - 水素発生剤及びそれを備える燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質体からなる水素発生剤及びそれを備える燃料電池に関する。
水素は、例えば燃料電池において燃料ガスとして用いられることで化学反応によってエネルギーを取り出すことができる。そして、その化学反応は水素と酸素との反応であるため、反応生成物は水のみとなる。従って、例えば石油や石炭などの燃料と違い、温室効果ガスである二酸化炭素を排出しないため、クリーンなエネルギー源として期待されている。
しかし一方で、水素は常温では気体であり、爆発性があるため、貯蔵や輸送が容易でない。このため、耐圧性などの信頼性を非常に高めたボンベに高圧の水素を物理的に充填して水素を貯蔵・輸送する方法の他に、特定の物質に化学的に水素を吸蔵させて水素を貯蔵・輸送する方法が検討されている。
上記の後者の方法の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1には、鉄又は酸化鉄を水素発生剤とし、下記の(1)式に示す酸化還元反応を利用して水素の吸蔵、放出を行う方法が開示されている。
3Fe+4HO=Fe+4H …(1)
鉄以外にも、Mg、Alなどの金属においても、水との酸化反応によって水素を発生することができる。なお、水との酸化反応によって、水素発生剤が水素を発生して酸化体(金属酸化物)になると、還元体(金属)であったときよりも体積が大きくなる。
国際公開第2004/002882号
化学反応によって水素を発生する水素発生剤において反応速度を上げるには、微粒子化して表面密度を増やすことが有効である。ただし、粉体では工業的な取り扱いが難しいことや体積密度が小さくなることから、充填率を上げるために成型されることが多い。
このように、水素発生剤が粒子を成型体にした多孔質体であり、かつ水素が生成される化学反応によって各粒子の体積が増加する場合、体積の増加に伴い成型体中の空隙が小さくなり、反応ガスが水素発生剤に入り難く水素ガスが水素発生剤から出難いという課題があった。特に、反応ガスが供給され水素ガスが放出される面に近い場所から水素が生成される化学反応が始まるため、反応ガスが供給され水素ガスが放出される面付近での空隙が小さくなり、成型体内部での化学反応が進みにくくなり、水素発生速度(単位時間あたりの水素発生量)が遅くなってしまう。
一方で、エネルギーの体積密度を上げるために、成型体の体積をなるべく増やしたくないという要求もあるため、単純に充填率を少なくすることもできない。
本発明は、上記の状況に鑑み、水素発生速度を速くすることができる水素発生剤及びそれを備える燃料電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る水素発生剤は、化学反応によって水素を放出する多孔質体からなる水素発生剤であって、前記多孔質体の充填率の空間分布が一様でない構成とする。
このような構成によると、反応ガスが水素発生剤に入り難くなること及び水素ガスが水素発生剤から出難くなることを抑えることが可能となるので、水素発生速度を速くすることができる。
また、水素発生剤の一般的な反応ガスの供給形態及び水素ガスの放出形態を考慮すると、前記水素発生剤の表面部付近の少なくとも一部における前記多孔質体の充填率が前記水素発生剤の内部における前記多孔質体の充填率より低いことが望ましい。
また、前記水素発生剤の主体には、例えば、Ni、Fe、Pd、V、Mgまたはこれらの各合金のいずれかを用いることができる。
上記目的を達成するために本発明に係る燃料電池は、燃料極、酸化剤極、及び前記燃料極と前記酸化剤極との間に狭持される電解質を有する燃料電池ユニットと、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素発生剤とを備える構成とする。
また、水素発生剤の一般的な反応ガスの供給形態及び水素ガスの放出形態を考慮すると、前記水素発生剤の水素を放出する放出面付近における前記多孔質の充填率が、前記放出面付近以外の前記水素発生剤の領域における前記多孔質の充填率より低いことが望ましい。
本発明に係る水素発生剤によると、水素発生速度を速くすることができる。
本発明に係る燃料電池システムの一構成例を示す模式図である。 図1に示す燃料電池の発電動作時における固体酸化物燃料電池ユニットと外部負荷との接続関係を示す模式図である。 図1に示す燃料電池の充電動作時における固体酸化物燃料電池ユニットと外部電源との接続関係を示す模式図である。 本発明に係る燃料電池の他の構成例を示す模式図である。 図1に示す断面A−Aでの断面図である。 図4及び図5に示す燃料電池の要部構成を示す模式図である。 図4及び図5に示す燃料電池の変形例の要部構成を示す模式図である。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。尚、本発明は、後述する実施形態に限られない。
<本発明に係る水素発生剤>
本発明に係る水素発生剤の主体は、化学反応によって水素を放出することができるものであれば何でもよく、例えば、Ni、Fe、Pd、V、Mgやこれらの各合金などが挙げられる。
また、本発明に係る水素発生剤の主体は、水素が生成される化学反応によって水素を放出した後、水素が生成される化学反応の逆反応によって再生可能であることが望ましい。
また、本発明に係る水素発生剤においては、その反応性を上げるために単位体積当りの表面積を大きくすることが望ましい。水素発生剤の単位体積当りの表面積を増加させる方策としては、例えば、水素発生剤の主体を微粒子化し、その微粒子化したものを成型すればよい。微粒子化の方法は例えばボールミル等を用いた粉砕によって粒子を砕く方法が挙げられる。さらに、機械的な手法などにより微粒子にクラックを発生させることで微粒子の表面積をより一層増加させてもよく、酸処理、アルカリ処理、ブラスト加工などによって微粒子の表面を荒らして微粒子の表面積をより一層増加させてもよい。
また、触媒としてTi、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Al、Ga、Mg、Sc、Ni、Cu及びNdなどを添加してもよい。
微粒子の粒径は、反応性の観点から、10mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましく、150μm以下がさらに好ましい。なお、粒径の下限は特に限定されないが、0.01μmのものも使用することができる。さらに、水素発生剤の主体を鉄にした場合、水との高い反応性を得るために、鉄を微粒子化し、鉄微粒子の平均粒径を0.05〜0.5μmにすることが特に好ましい。
なお、鉄を主体とする水素発生剤は水との酸化反応により水素を発生するが、当該酸化反応において用いられる水は、必ずしも純水でなくてもよく、水道水、工業用水などであってもよい。
<本発明に係る水素発生剤の製造方法>
本発明に係る水素発生剤の製造方法の一例として、鉄を水素発生剤の主体にする場合の製造方法について以下に説明する。
まず、純鉄、酸化鉄、または硝酸鉄などの鉄化合物を原料として、鉄または酸化鉄の微粒子を作製する。そして、鉄または酸化鉄の微粒子を成型する前に特定の金属を物理混合または含浸法、好ましくは共沈法により添加する。
鉄または酸化鉄の微粒子に添加される特定の金属は、IUPACの周期律表の4族、5族、6族、13族の金属の少なくとも1つであり、好ましくは、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Al、Gaのいずれかにより選ばれる。または、Mg、Sc、Ni、Cuのいずれかを、鉄または酸化鉄の微粒子に添加される特定の金属として用いることもできる。
鉄または酸化鉄の微粒子に添加する特定の金属の添加量は、金属原子のモル数で計算して、好ましくは全金属原子の0.5〜30mоl%、より好ましくは0.5〜15mоl%になるように調製する。
特定の金属が添加された鉄または酸化鉄の微粒子は、効率良く利用するために、粉末状またはペレット状、円筒状、ハニカム構造、不織布形状など、化学反応に適した表面積の大きい形状に成型される。
特定の金属が添加された鉄または酸化鉄の微粒子を成型する方法には、スラリーを層状に成形したグリーンシートを焼成する方法、乾燥させた粉体を加圧プレスする方法などがある。
スラリーを層状に成形したグリーンシートを焼成する方法では、酸化鉄微粒子に、造孔剤を添加し、バインダー、分散剤および可塑剤を加え、有機溶媒または水系からなる分散媒体に分散されているスラリーを作成する。造孔剤の添加量は、酸化鉄微粒子の総重量に対して、1〜30%が好ましい。添加されている造孔剤は、焼成の際に燃焼して気化するため、造孔剤が存在していた箇所には空孔が形成される。なお、造孔剤としては、カーボン系粉末や樹脂系粉末が挙げられるが、焼成の際に気化して空孔が形成可能な材料であれば、他の材料を用いるようにしてもよい。
また、上記スラリーの組成物あるいは混練組成物を作製する際に用いられるバインダーの種類にも制限はなく、公知の有機質もしくは無機質のバインダーを使用することができる。有機質バインダーとしては、例えば、エチレン系共重合体、スチレン系共重合体、アクリレート系及びメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、マレイン酸系共重合体、ビニルアセタール系樹脂、ビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ビニルアルコール系樹脂、エチルセルロース等のセルロース類、ワックス類等が挙げられる。
上記のように作製したスラリーを公知のドクターブレード法またはスクリーン印刷などにより成形して、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルム上にスラリーの層を形成し、このスラリーの層より分散媒体を除去することで乾燥させ、グリーンシートが形成された状態とする。分散媒体としては、アルコール系溶媒に限らず、トルエン、キシレン、及びケトン系などの他の有機溶媒を用いてもよい。また、有機溶媒に限らず、酸化鉄微粒子及び造孔剤の混合粉末が、水に分散されたスラリーを用いるようにしてもよい。例えば、所定の分散剤を用いることで、上記混合粉末が水に分散された状態とすることができる。
そして、上記のように作製された酸化鉄微粒子を含有するグリーンシートを焼成することにより、多孔質体である酸化鉄微粒子の成型体が得られる。焼成温度は300〜500℃が好ましい。
乾燥させた粉体を加圧プレスする方法では、鉄または酸化鉄の微粒子を含む粒状原料を加圧プレスして結着させる。加圧プレスは、600〜2500MPaの高圧で実施することが好ましい。このような圧力によると、従来の粒子を用いた押し出しペレットよりも、表面活性が高く、水素発生能力の大きい多孔質である成型体を製造することができる。成型体の形状は、例えば、板状、直方体、円筒状、球状、円錐状などが挙げられる。
なお、酸化鉄微粒子の成型体は、還元処理が施されることで、水素発生能力を持つ。還元反応の条件としては、酸化鉄を還元できるものであれば特に限定されないが、例えば、水素ガスなどを使用することができる。
酸化鉄微粒子の成型体と水素ガスとの接触に際しては、水素ガス雰囲気下で加熱したり、成型体の内部に水素ガスを加圧して流通させたりすることも可能である。
還元処理は、約200℃〜約600℃で行うことが還元効率の観点から好ましい。なお、還元処理の際、Feは必ずしもFeまで還元しなくてもよく、低原子価金属酸化物であるFeOで還元反応を停止することもできる。また、成型体に含まれる有機系バインダー等を気化させる上で、上記還元反応を300℃以上で行うことがより好ましい。また、粒子間の空隙は、成型体の総体積に対して、30〜70%が好ましい。
<本発明に係る水素発生剤の実施例>
[比較例1]
超音波で5分間脱気した水1リットル中に、0.0194mоlの硝酸鉄(III)九水和物(Fe(NO・9HO)、0.0006mоlのガリウム硝酸塩(Ga(NO・nHO)、沈殿剤として1.0mоlの尿素を加え、溶解させた。混合溶液を攪拌しながら90℃に加熱し、3時間同温度に保持した。鉄微粒子の生成反応終了後48時間放置・沈殿させた。その後、カーボン粉末よりなる造孔剤を添加し、ポリビニル系のバインダー10wt.%を加えてスラリーを作製した。造孔剤の添加量は、鉄微粒子の総量に対して10wt.%とした。
スラリーを円盤状にスクリーン印刷して得られたグリーンシートを400℃で3時間焼成した。この焼成後得られた成型体(比較例1の水素発生剤)は、直径41mm、厚み3.6mmであった。
[実施例1]
造孔剤の添加量が鉄微粒子の総量に対して5wt.%である以外は比較例1と同一条件で第1のスラリーを作製し、造孔剤の添加量を鉄微粒子の総量に対して10wt.%とし比較例1と全て同一条件で第2のスラリーを作製し、造孔剤の添加量が鉄微粒子の総量に対して20wt.%である以外は比較例1と同一条件で第3のスラリーを作製した。
上記第1のスラリーを比較例1の1/3の厚みにスクリーン印刷して比較例1と同じ条件で焼成した。その成型体の上に、上記第2のスラリーを比較例1の1/3の厚みにスクリーン印刷して比較例1と同じ条件で焼成した。さらに、その成型体の上に、上記第3のスラリーを比較例1の1/3の厚みにスクリーン印刷して比較例1と同じ条件で焼成した。最終的に得られた3層構造の成型体(実施例1の水素発生剤)は、比較例1と同じ外形形状であった。
[実施例2]
上記第1のスラリーを比較例1の1/3の厚みにスクリーン印刷した後、焼成する前に、上記第2のスラリー及び上記第3のスラリーを順にそれぞれ比較例1の1/3の厚みにスクリーン印刷し、それから比較例1と同じ条件で焼成して、3層構造の成型体(実施例2の水素発生剤)を得た。
[実施例3]
上記第1のスラリー、上記第2のスラリー、上記第3のスラリーに加え、ポリビニル系のバインダー量が比較例1に対して半分である以外は上記第1のスラリーと同一条件で第4のスラリーを作製した。上記第1のスラリーを比較例1の1/3の厚みにスクリーン印刷して比較例1と同じ条件で焼成した。その成型体の上に、上記第4のスラリーを印刷したところ、上記第4のスラリーは成型体の内部に浸透した。この上記第4のスラリーが内部に浸透した成型体を比較例1と同じ条件で焼成した。その後、その成型体の上に、上記第2のスラリーを比較例1の1/3の厚みにスクリーン印刷して比較例1と同じ条件で焼成した。さらに、その成型体の上に、上記第3のスラリーを比較例1の1/3の厚みにスクリーン印刷して比較例1と同じ条件で焼成して、3層構造の成型体(実施例3の水素発生剤)を得た。
[実施例4]
上記第1のスラリー、上記第2のスラリー、及び上記第3のスラリーを重ねることなく別々にスクリーン印刷・焼成した。各スクリーン印刷において各スラリーは比較例1の1/3の厚みで印刷され、各焼成において各スラリーは比較例1と同じ条件で焼成された。3つの成型体を厚み方向に重ね合わせて、1つの円盤状の成型体(実施例4の水素発生剤)を得た。
[実施例5]
上記第1のスラリー、上記第2のスラリー、上記第3のスラリーに加え、造孔剤の添加量が鉄微粒子の総量に対して2wt.%である以外は比較例1と同一条件で第5のスラリーを作製し、造孔剤の添加量が鉄微粒子の総量に対して15wt.%である以外は比較例1と同一条件で第6のスラリーを作製した。
上記第5のスラリーを比較例1の1/5の厚みにスクリーン印刷して比較例1と同じ条件で焼成した。その成型体の上に、上記第1のスラリーを比較例1の1/5の厚みにスクリーン印刷して比較例1と同じ条件で焼成した。さらに、その成型体の上に、上記第2のスラリーを比較例1の1/5の厚みにスクリーン印刷して比較例1と同じ条件で焼成した。さらに、その成型体の上に、上記第6のスラリーを比較例1の1/5の厚みにスクリーン印刷して比較例1と同じ条件で焼成した。さらに、その成型体の上に、上記第3のスラリーを比較例1の1/5の厚みにスクリーン印刷して比較例1と同じ条件で焼成した。最終的に得られた5層構造の成型体(実施例5の水素発生剤)は、比較例1と同じ外形形状であった。
[比較例2]
市販の鉄粉をボールミルにて24時間粉砕して鉄微粒子を得た。この鉄微粒子の表面にALD(Atomic Layer Deposition)法を用いてSiОを添加した。Si原料としてアミノシランを用い、酸化剤として5%オゾンを用い、温度400℃で各々60Pa×1s、500Pa×2sで20サイクル噴霧し、膜厚約2nmのSiО薄膜を鉄微粒子の表面上に形成した。
このSiО薄膜が表面上に形成された鉄微粒子12.2gを内径41mmのプレス用金型に入れ、最大圧力45トンのプレス機(KОMATSU製H1F45)で1000MPaの圧力でプレスし、直径41mm厚み3.6mmの円盤状の成型体(比較例2の水素発生剤)を得た。
[実施例6]
上記SiО薄膜が表面上に形成された鉄微粒子4.1gを内径41mmのプレス用金型に入れ、最大圧力45トンのプレス機(KОMATSU製H1F45)で2000MPaの圧力でプレスした。その後、上記プレス用金型に上記SiО薄膜が表面上に形成された鉄微粒子4.1gを加え1000MPaの圧力でプレスした。さらに、上記プレス用金型に上記SiО薄膜が表面上に形成された鉄微粒子4.1gを加え500MPaの圧力でプレスした。最終的に得られた成型体(実施例6の水素発生剤)は、比較例2と同じ外形形状であった。
[実施例7]
上記SiО薄膜が表面上に形成された鉄微粒子3.05gを内径41mmのプレス用金型に入れ、最大圧力45トンのプレス機(KОMATSU製H1F45)で2000MPaの圧力でプレスした。その後、上記プレス用金型から取り出した成型体の上に、上記第1のスラリーを比較例1の1/4の厚みにスクリーン印刷して比較例1と同じ条件で焼成した。その後、その成型体を上記第1のスラリーの焼成層が上面になるように上記プレス用金型に戻し、さらに上記SiО薄膜が表面上に形成された鉄微粒子3.05gを加え1000MPaの圧力でプレスした。上記プレス用金型に上記SiО薄膜が表面上に形成された鉄微粒子3.05gを加え500MPaの圧力でプレスした。最終的に得られた成型体(実施例7の水素発生剤)は、比較例2と同じ外形形状であった。
[評価方法]
水素発生剤と水とを反応させるための反応容器として、内径43mmの円筒容器であって、底部に水の貯留空間を有し(深さ10mm)、その上部の金属メッシュ上に水素発生剤を収容する収容空間(深さ5mm)を有する反応容器を用いた。水素発生剤を反応容器に入れ、水素還元の前に次の方法で一旦完全酸化させた。400℃に加熱した後、30分の真空排気を行った。それから分圧約8.0kPaの酸素を1時間水素発生剤に接触させて水素発生剤を完全酸化させ、その後、真空度が1.3×10−5kPa以下に達するまで再び30分以上の真空排気を行った。
なお、実施例1〜実施例4の水素発生剤は、上記第1のスラリーの焼成層(充填率が低い層)が反応容器の底部に近くなるように収容され、実施例5の水素発生剤は、上記第5のスラリーの焼成層(充填率が低い層)が反応容器の底部に近くなるように収容され、実施例6〜実施例7の水素発生剤は、測定時には、プレス圧力500MPaで成型された層(充填率が低い層)が反応容器の底部に近くなるように収容される。
その後、水素発生剤を水素により還元した。重量測定により、還元率が98%以上であることを確認した後、水の貯留空間に水5mLを入れて、反応容器の底部から反応容器内の水を100℃に加熱して水蒸気を発生させた。このときの水素発生剤から発生する水素の総量をマスフローメーター(KOT−LOC製)で測定した。500msec当りの瞬時水素発生量を単位sccmで求め、その最大値を「最大水素発生流量」とし、「最大水素発生流量」を指標にして水素発生剤の水素発生速度を評価した。
上述の評価方法で各実施例及び各比較例の水素発生剤の「最大水素発生流量」を測定した結果を表1に示す。表1に示す結果から、本発明に係る水素発生剤によると、水素発生速度を速くすることができるということが確認できた。
<本発明に係る燃料電池>
本発明に係る燃料電池の一構成例を図1に示す。図1に示す燃料電池は、水素発生剤1と、燃料電池ユニット2とを備えている。そして、水素発生剤1と燃料電池ユニット2とは同一の容器3に収容されている。本構成例では、水素発生剤1は上述した実施例1の水素発生剤の外形を円盤状から板状に変更したものである。
また、図1に示す燃料電池の水素発生剤1及び燃料電池ユニット2には必要に応じて、温度を調節するヒーター等を設けてもよい。
図1では、燃料電池ユニット2の一例として、O2−を透過する固体電解質4を挟み、両側にそれぞれ酸化剤極5と燃料極6が形成されているMEA(Membrane Electrode Assembly;膜・電極接合体)構造をなす固体酸化物燃料電池ユニットを図示している。
図1に示す燃料電池の発電時に固体酸化物燃料電池ユニットは図2に示すように外部負荷100に接続される。固体酸化物燃料電池ユニットでは、図1に示す燃料電池の発電時に、燃料極6において下記の(1)式の反応が起こる。
+O2−→HO+2e …(1)
上記の(1)式の反応によって生成された電子は、外部負荷100を通って、酸化剤極5に到達し、酸化剤極5において下記の(2)式の反応が起こる。
1/2O+2e→O2− …(2)
そして、上記の(2)式の反応によって生成された酸素イオンは、固体電解質4を通って、燃料極6に到達する。上記の一連の反応を繰り返すことにより、固体酸化物燃料電池ユニットが発電動作を行うことになる。また、上記の(1)式から分かるように、発電動作時には、燃料極6側においてHが消費されHOが生成されることになる。
上記の(1)式及び(2)式より、発電動作時における固体酸化物燃料電池ユニットでの反応は下記の(3)式の通りになる。
+1/2O→HO …(3)
一方、水素発生剤1は、下記の(4)式に示す酸化反応により、燃料電池の発電時に燃料電池ユニット2の燃料極6側で生成されたHOを消費してHを生成することができる。
3Fe+4HO→Fe+4H …(4)
上記の(4)式に示す鉄の酸化反応が進むと、鉄から酸化鉄への変化が進んで鉄残量が減っていくが、上記の(4)式の逆反応(還元反応)により、水素発生剤を再生することができ、図1に示す燃料電池を充電することができる。
図1に示す燃料電池の充電時に固体酸化物燃料電池ユニットは図3に示すように外部電源200に接続される。固体酸化物燃料電池ユニットでは、図1に示す燃料電池の充電時に、上記の(3)式の逆反応である下記の(5)式に示す電気分解反応が起こり、燃料極6側においてHOが消費されHが生成され、水素発生剤1では、上記の(4)式に示す酸化反応の逆反応である下記(6)式に示す還元反応が起こり、燃料電池ユニット2の燃料極6側で生成されたHが消費されHOが生成される。
O→H+1/2O …(5)
Fe+4H→3Fe+4HO …(6)
図1に示す燃料電池では、水素発生剤1の上記第1のスラリーの焼成層(充填率が低い層)が反応ガスである水蒸気が供給され水素ガスが放出される面1a側になるように、水素発生剤1が配置されているので、反応ガスである水蒸気が水素発生剤1に入り難くなること及び水素ガスが水素発生剤1から出難くなることを抑えることができ、上記の(4)式に示す酸化反応が起こっているときの水素発生速度を速くすることができる。
次に、本発明燃料電池の他の構成例について図4及び図5を用いて説明する。図4は、本発明に係る燃料電池の他の構成例を示す模式図である。図5は、図4に示す断面A−Aでの断面図である。なお、図5において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
図4及び図5に示す燃料電池は、燃料発生剤1と、固体電解質膜4と、酸化剤極5と、燃料極6と、セパレータ7と、封止材8とを備えている。各燃料電池ユニットの燃料極6側が水素発生剤1側を向き、各燃料電池ユニットの酸化剤極5側がセパレータ7側を向くように、各燃料電池ユニットが配置されている。セパレータ7には酸化剤極5に酸化剤ガスを供給するための酸化剤流路が設けられている。
なお、封止材8は、燃料電池の構成を理解しやすくするために図1において便宜上紙面左右方向のみ図示されているが、実際は紙面手前方向及び紙面奥方向にも存在しており、燃料発生剤1に外部から空気が混入しないように封止している。また、封止材8は、酸化剤極5と燃料極6とが封止材8を介して導通することがないように、絶縁物にする。なお、本構成例では、水素発生剤1は上述した実施例1の水素発生剤において上記第3のスラリーを上記第1のスラリーに置換してもので尚かつ上述した実施例1の水素発生剤の外形を円盤状から板状に変更したものである。
図1に示す燃料電池では、水素発生剤1の上記第1のスラリーの焼成層(充填率が低い層)が反応ガスである水蒸気が供給され水素ガスが放出される面1a側になっているので、反応ガスである水蒸気が水素発生剤1に入り難くなること及び水素ガスが水素発生剤1から出難くなることを抑えることができ、上記の(4)式に示す酸化反応が起こっているときの水素発生速度を速くすることができる。
図4及び図5に示す燃料電池は、図6の要部模式図に示すように、燃料発生剤1により紙面上下方向に2つに隔てられた領域が形成されており、前記領域の各々に、燃料電池ユニット2が設けられている構成であるが、燃料発生剤により隔てられる領域の数は2つに限定されることはなく、例えば図7の要部模式図に示すように燃料発生剤1により紙面上下左右4方向に4つに隔てられた領域が形成されており、前記領域の各々に、燃料電池ユニット2が設けられている構成であってもよい。この場合、水素発生剤1として、表面部付近が内部より充填率が低い水素発生剤を用いるとよい。
1 水素発生剤
1a 水蒸気が供給され水素ガスが放出される面
2 燃料電池ユニット
3 容器
4 固体電解質
5 酸化剤極
6 燃料極
7 セパレータ
8 封止材

Claims (5)

  1. 化学反応によって水素を放出する多孔質体からなる水素発生剤であって、
    前記水素発生剤の水素を放出する放出面付近の少なくとも一部における前記多孔質体の充填率が前記水素発生剤の内部における前記多孔質体の充填率より低いことを特徴とする水素発生剤。
  2. 前記水素発生剤の主体がNi、Fe、Pd、V、Mgまたはこれらの各合金のいずれかである請求項1に記載の水素発生剤。
  3. 燃料極、酸化剤極、及び前記燃料極と前記酸化剤極との間に狭持される電解質を有する燃料電池ユニットと、
    請求項1または請求項2に記載の水素発生剤とを備えることを特徴とする燃料電池。
  4. 燃料極、酸化剤極、及び前記燃料極と前記酸化剤極との間に狭持される電解質を有する燃料電池ユニットと、
    化学反応によって水素を放出する多孔質体からなる水素発生剤とを備え、
    前記水素発生剤の水素を放出する放出面付近における前記多孔質の充填率が、前記放出面付近以外の前記水素発生剤の領域における前記多孔質の充填率より低いことを特徴とす燃料電池。
  5. 前記水素発生剤の主体がNi、Fe、Pd、V、Mgまたはこれらの各合金のいずれかである請求項4に記載の燃料電池。
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