JP5352294B2 - 金属水素化物の複合体及びその製造方法 - Google Patents

金属水素化物の複合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、金属水素化物の複合体及びその製造方法に関し、より詳細には、金属水素化物とその粉砕処理物との複合体及びその製造方法に関する。
従来、例えば特許文献1には、金属水素化物と水との化学反応により水素ガスが生成されることが開示されている。
特表2007−525400号公報 特表2007−525401号公報 特開2005−95869号公報
ところで、金属水素化物と水とを反応の化学量論比で反応させた場合には、金属水素化物の一部が未反応となり、理論上の水素ガス生成量よりも少ない量の水素ガスしか得られない。このため、反応の化学量論比よりも水の割合を多くすることが考えられる。この場合、金属水素化物の量を一定とし、水の割合を増やすことになるため、金属水素化物が消費されるように反応が進行する。この結果として、水素ガス生成量の増加が期待できる。
ここで、金属水素化物及び水の質量に対する水素ガスの生成量を質量収率(mass%)と定義する。そして、上記反応をこの質量収率を基準として考察する。上記反応では、水の割合を増やせば水素ガスがより多く生成される。しかし、水の割合を増やすと水の質量も増加してしまうため、結果的に質量収率が低下してしまう可能性が高い。特に、金属水素化物を車両等の移動体に搭載する場合、水の割合を増やすことは、この金属水素化物に水を供給する水貯蔵タンク等の重量や容量の増加に繋がってしまう。したがって、質量収率を向上できるような改良に対する要求があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、水素ガスの生成量を増加させると共に、質量収率を改善可能な金属水素化物の複合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、金属水素化物の複合体であって、
水との化学反応により水素ガスを生成可能な第1の金属水素化物と、
前記第1の金属水素化物に粉砕処理を施した第2の金属水素化物であって、前記第1の金属水素化物よりも比表面積の大きい第2の金属水素化物と、
を備える金属水素化物の複合体であって
前記複合体の表面を前記第1の金属水素化物が略構成し、前記表面よりも内部側に前記第2の金属水素化物が配置され、尚且つ、これらの境界における断面視において、前記第1の金属水素化物と前記第2の金属水素化物とが混在していることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記第1の金属水素化物と前記第2の金属水素化物との重量比が1:1〜1:2であることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記第1の金属水素化物および前記第2の金属水素化物が水素化リチウムであることを特徴とする。
また、第4の発明は、上記の目的を達成するため、金属水素化物の複合体の製造方法であって、
水との化学反応により水素ガスを生成可能な金属水素化物を粉砕する粉砕工程と、
前記粉砕工程により得られた粉砕物を加圧成型する第1の加圧成型工程と、
前記第1の加圧成型工程により得られた成型体の表面を覆うように前記金属水素化物を配置する配置工程と、
前記配置工程により得られた被覆物を加圧成型する第2の加圧成型工程と、を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、複合体の表面を第1の金属水素化物が略構成し、該表面よりも内部側に第2の金属水素化物が配置され、尚且つ、これらの境界における断面視において、第1の金属水素化物と第2の金属水素化物とが混在した複合体を形成できる。複合体に水を投入すると、水は複合体の表面で第1の金属水素化物と反応して金属水酸化物に変化するが、この反応が発熱反応であるがゆえに、隣接した第2の金属水素化物と反応することができる。したがって、供給する水の量を増やすことなく水素ガスの生成量を増加させることができる。また、第2の金属水素化物の比表面積が第1の金属水素化物の比表面積よりも大きいため、水との反応に好適な反応表面積を実現することができる。但し、第2の金属水素化物は、粉砕処理を行うことで第1の金属水素化物よりも活性化されていることから、単位体積あたりの反応表面積が大きくなり、空気や水と反応しやすいという性質を有する。このため、金属水素化物を貯蔵するタンク等に設置した場合、タンク内にわずかに侵入した空気や水と反応する確率が高くなる。この結果、複合体の水素生成能力が低下してしまう場合がある。しかしながら、第1の発明によれば、第2の金属水素化物の周囲を第1の金属水素化物で覆っている。したがって、このような反応を抑制し、水素生成能力の低下を低減できる。
第2の発明によれば、第1の金属水素化物と第2の金属水素化物との重量比が1:1〜1:2であるため、第2の金属水素化物が複合体の表面に露出するのを防ぐことができる。
第3の発明によれば、第1の金属水素化物および第2の金属水素化物として同一化合物である水素化リチウムを用いることができるので、試料の調製が容易であり、それら表面の相対的な強度を考慮することなく複合体の成型を行うことが可能となる。
第4の発明によれば、供給する水の量を増やすことなく水素ガスの生成量を増加させることができる金属水素化物の複合体を製造できる。
本発明に係る複合体の断面の一例を表す模式図である。 図1の2−2断面における複合体の断面図である。
実施の形態1.
図1に、本発明の複合体の鉛直断面の一例を表す模式図を示す。図1に示すように、この複合体は、金属水素化物Aの粉粒体で金属水素化物Aを粉砕処理した金属水素化物Bの粉粒体を挟み込んだいわゆるサンドイッチ構造となっているが、その境界は明確に区分されているわけではない。すなわち、図2に示すように、この複合体の断面は、金属水素化物Aと金属水素化物Bとが混在した形状となっている。これは、後述する第2の加圧成型工程を経ることによるものである。
金属水素化物A、Bは水との化学反応により水素ガスを生成することができる同一の化合物である。同一の化合物であれば、試料の調製が容易であり、それら表面の相対的な強度を考慮することなく複合体の成型を行うことが可能となる。金属水素化物A、Bを構成する金属を金属Mとした場合、金属Mとしては、例えば周期表の第1族のアルカリ金属、第2族のアルカリ土類金属、第3〜第12族の遷移金属が挙げられる。これらのうち、入手容易性や質量収率の観点から、原子番号(原子量)の小さい第1族のアルカリ金属が好ましく、リチウム及びナトリウムがより好ましい。
金属水素化物Bは、金属水素化物Aを粉砕処理することで活性化されている。この理由としては、第1に、金属水素化物Aの粉砕処理により、単位体積あたりの表面積を増加させた金属水素化物Bとすることができることが挙げられる。第2の理由としては、反応活性を阻害する水酸化層、酸化層などが表面から除去できることが挙げられる。
金属水素化物Aの粉砕処理によって単位体積あたりの表面積が増加するため、金属水素化物BのBET比表面積は、金属水素化物AのBET比表面積よりも大きくなる。金属水素化物BのBET比表面積は、金属水素化物AのBET比表面積の5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがより好ましい。一例として、金属水素化物AのBET比表面積が2〜5m/gである場合には、金属水素化物BのBET比表面積を10m/g以上とすることが好ましく、30〜50m/gとすることがより好ましい。なお、BET比表面積は、窒素吸着法により測定することができる。
本発明に係る複合体においては、金属水素化物Bが複合体の表面に露出しないことがより好ましく、概ね金属水素化物Aから構成される表面よりも内部側に金属水素化物Bが配置されることがより好ましい。ここで、複合体の表面とは、水素ガス生成反応の際に、供給された水が複合体と接触する際の接触面を指すものとする。金属水素化物Bは、金属水素化物Aの粉砕処理によって単位体積あたりの表面積が大きくなっていることから、空気や水と反応しやすいという性質を有する。このため、金属水素化物を貯蔵するタンク等に設置した場合、タンク内にわずかに侵入した空気や水と反応する確率が高くなる。この結果、複合体の水素生成能力が低下してしまう場合がある。しかし本発明の複合体は、金属水素化物Bが複合体の表面よりも内側に配置されている。したがって、上述の反応を抑制でき、水素生成能力の低下を低減できる。
水素ガス生成反応は、金属Mがアルカリ金属の場合には、次式(1)、(2)で表すことができる。次式(1)の反応は、常温で進行する。
MH+HO → MOH+H ・・・ (1)
このように、金属水素化物に水を加えると、水素ガスが生成する。また、上式(1)の反応によれば、水素ガスと同時に金属水酸化物が生じる。
また、上式(1)の反応は、発熱反応であるがゆえに、上式(1)の反応で生じた金属水酸化物が金属水素化物と反応することができる。この反応を次式(2)に示す。
MH+MOH → MO+H ・・・(2)
このように、金属水素化物に水を加えると、上式(1)の反応に続いて上式(2)の反応が起こり水素ガスを生成できる。また、上式(2)の反応によれば、水素ガスと同時に金属酸化物が生じる。
特に、本発明に係る複合体では、その内側に、活性化された金属水素化物Bが配置されている。したがって、上式(1)の反応により生じる反応熱に加えて金属水素化物Bが有するエネルギーを利用できるので、上式(2)の反応を促進して水素ガスの生成量をより増やすことができる。
ところで、供給された水は複合体の表面から内部に向かって移動しつつ複合体を構成する金属水素化物A、Bと接触して反応すると考えられる。具体的に、複合体の内部に侵入した水分子は、水素化金属A及び水素化金属Bと接触しながらより内部へと侵入する。そして、水分子は、接触することで水素ガス生成反応に供される。換言すれば、水素化金属Aや水素化金属Bと接触しない未反応の水分子は、複合体のより内部に侵入できることになる。このような未反応の水分子は、金属水素化物A、Bの粒子間の隙間を通ると考えられる。しかしながら上式(1)の反応により生じた金属水酸化物が未反応の水分子と水和物を形成する場合がある。この反応を次式(3)に示す。
MOH+HO → MOH・HO ・・・(3)
さらには、上式(2)の反応によって折角形成された金属酸化物が水と反応し、新たな水素の生成なく水が消費されてしまう場合もある。この反応を次式(4)に示す。
O+HO → 2MOH ・・・(4)
そして、上式(3)、(4)の反応が起こるような場合には、未反応の水分子が複合体のより内部に侵入できなくなる可能性がある。
したがって、上式(3)、(4)の反応の影響を考慮した場合、粒子間の隙間は狭すぎないことも必要となる。この理由は、次のとおりである。すなわち、仮に粒子間の隙間が狭すぎると、水分子が金属水酸化物に捕捉されたり、金属酸化物と反応してしまう可能性が増すと考えられるからである。この点、本発明の複合体は、金属水素化物A、Bによって適度な隙間が形成されているものと考えられる。したがって、水分子がより内部へと侵入でき、水素ガスの生成量を増やすことができると考えられる。
金属水素化物Aと金属水素化物Bとの重量比率は、同一の化合物を用いる場合と、異なる化合物を用いる場合とで異なる。同一の化合物を用いる場合には、金属水素化物Aと金属水素化物Bとの重量比を1:1〜1:2とすることが好ましい。重量比率をこの範囲とすることで、金属水素化物Bが複合体の表面に露出することを防ぎながら上式(2)の反応を促進することができるため好ましい。
次に、本発明に係る複合体の製造方法について説明する。複合体の製造方法は、金属水素化物Aを粉砕する工程(粉砕工程)、粉砕工程により得られた金属水素化物Bを加圧成型する工程(第1の加圧成型工程)、第1の加圧成型工程により得られた金属水素化物Bの成型体の表面を覆うように金属水素化物Aを配置する工程(配置工程)、及び配置工程により得られた金属水素化物Bの金属水素化物Aによる被覆物を加圧成型する工程(第2の加圧成型工程)を有している。なお、上記の工程の全ては、金属水素化物A、Bが大気中の水と反応することを防止するため、不活性ガス雰囲気又は水素雰囲気下で行うと共に、露点温度の管理下で行うとよい。以下、各工程について説明する。
粉砕工程では、公知の各種粉砕方法を用いることができる。公知の各種粉砕方法としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、ローラーミル、気流粉砕型ミル、アトライター等を用いる方法が挙げられる。粉砕工程を経ることで金属水素化物Aよりも活性化された金属水素化物Bを得ることができる。本発明では、ボールミルを用いることが好ましい。
第1の加圧成形工程では、粉砕工程により得られた金属水素化物Bを鋳型に投入し加圧成型する。これにより、所望のサイズの成型体を得ることができる。成型時の圧力は、成型体が崩壊しない程度の機械的強度を担保する圧力とすることが望ましい。
配置工程では、成型体の表面を覆うように金属水素化物Aが配置される。ここで用いる金属水素化物Aは、粉砕工程を経ていない金属水素化物Aである。配置する方法としては、成型体の全体を覆うように金属水素化物Aの粉粒体を形成する方法でもよく、この成型体の上下層に別途作製した金属水素化物Aの成型体を積層する方法でもよい。
第2の加圧成形工程では、配置工程により得られた金属水素化物Bの金属水素化物Aによる被覆物を鋳型に投入し加圧成型する。これにより、断面視において、金属水素化物Aの微粒子間の空間に、金属水素化物Aよりも活性化された金属水素化物Bの微粒子が形成される複合体を得ることができる。成型時の圧力は、このような微粒子の配置状態を実現する圧力、かつ、複合体が崩壊しない程度の機械的強度を担保する圧力とすることが望ましい。
(試料調製)
露点温度−70℃、酸素濃度3ppm以下のグローブボックス内において、市販の水素化リチウム粉末(純度99%以上)0.5gを秤量した。この市販の水素化リチウム粉末の窒素吸着法によるBET比表面積は、2〜5m/gであった。
続いて、この市販の水素化リチウム粉末を、高クロム鋼製のボール(ボール直径:5〜8mm、10〜15個)と共にミリング容器中に投入した。続いて、このミリング容器を真空引きし99.999%の水素ガスで置換した。
続いて、このミリング容器を室温、大気雰囲気のボールミル装置に設置し、ミリング処理を行った。ミリング処理は、1セット(300rpmの回転数で1時間、その後30分放置)を10セット繰り返すことにより行われた。ミリング処理の終了後、ミリング容器をグローブボックス内に移し、次いでミリング容器内圧をグローブボックス内圧と同等にしてミリング容器を開き、粉砕した水素化リチウムを取り出した。粉砕した水素化リチウムの窒素吸着法によるBET比表面積は、30〜50m/gであった。
続いて、グローブボックス内において、粉砕した水素化リチウムを成型した。成型は、プレス圧力を10MPa程度とした。これにより、サイズ数mm、厚み100nm程度のシート状とした。得られたシート状成型品の表面を覆うように市販の水素化リチウム粉末を同量添加した。その後、得られた成型品の被覆物を再度プレスした。これにより、市販の水素化リチウムと、粉砕した水素化リチウムとの配合比=1:1の(i)(市販+粉砕)試料を作製した。
(i)(市販+粉砕)試料と同様の条件で、市販の水素化リチウム、粉砕した水素化リチウムをそれぞれ成型した。これにより、(ii)市販試料、(iii)粉砕試料をそれぞれ作製した。
(試料評価)
試料の評価は、水素化リチウム利用率、水素ガス生成量により行った。上記のように作製した3種類の試料のそれぞれに水を導入し、生成する水素ガス量を測定することにより水素ガス生成量を、試料の重量変化により水素化リチウム利用率を求めた。水の導入に際しては、供給状態(水/水蒸気)及び供給量(量論比1.5/2.0)の各条件を変更した。ここで、量論比1.5とは、水素化リチウム1モルに対して水1.5モルを使用したという意味を示す。この結果を表1に示す。なお、表1中、(mol/mol)は、(i)〜(iii)の試料の物質量に対する生成した水素ガスの物質量の単位を意味するものとする。
Figure 0005352294
表1から分かるように、(i)(市販+粉砕)試料は、(ii)市販試料及び(iii)粉砕試料に比べ、水素化リチウム利用率、水素ガス生成量共に良好な結果を示した。(i)(市販+粉砕)試料は、量論比1.5で水を供給した場合には、その供給形態に関らず(ii)市販試料及び(iii)粉砕試料に比べて良好な結果を示した。この結果により、(i)(市販+粉砕)試料は、水の供給量が限られるような状況下においても、良好に水素ガスを生成可能であることが確認された。
上記の結果が得られた理由としては、成型によって試料層の内部に分散することとなった粉砕水素化リチウムが、適度な試料密度を実現したものと考えられる。さらに、水蒸気として供給した場合には、理論上の生成量(7.6mass%)に迫るほどであった。
水蒸気として供給した場合に水素ガス生成量が増加した理由としては、次の理由が考えられる。すなわち、水蒸気の状態としたことで、試料層のより内層にまで水蒸気を供給させることができたと考えられる。また、次の理由も考えられる。水素化リチウムは、水と反応することで水素ガスを生成するが、この水素ガスの発生に伴い、水酸化リチウムも生成される。なお、この反応式を次式(5)に示す。
LiH+HO → LiOH+H ・・・ (5)
そして、この水酸化リチウムが、水蒸気の持つ熱エネルギーによって、水素化リチウムとさらに反応して水素ガスを生成したものと考えられる。この結果、より多くの水素ガスが生成したものと推定している。なお、この反応式を次式(6)に示す。
LiH+LiOH → LiO+H ・・・ (6)
また、表1から分かるように、量論比を2.0として水を供給した場合には、(i)〜(iii)の各試料ともに水素化リチウム利用率、水素ガス生成量(mol/mol)が高くなった。その一方で、量論比を1.5として水を供給した場合には、量論比を2.0として水を供給した場合に比べ、水素化リチウム利用率、水素ガス生成量(mol/mol)が一律に低下した。これらの結果は、水を大量に供給すれば試料間の格差なく水素ガスを高い収率で得られることが確認された。
しかしながら、水を大量に供給した場合、各試料の水素ガス生成量(mass%)は、理論上の生成量を大きく下回る結果となった。この理由の一つとしては、次のことが考えられる。すなわち、水素ガス生成量(mass%)は反応物(試料+水)に対する水素ガス生成量の比率(質量収率)であるため、水が多いほど生成する水素ガスの量も多いが、反応物の量も同時に多くなり、その結果として、水素ガス生成量(mass%)が低下するものと考えられる。
本発明に係る金属水素化物の複合体は、水素と酸素を燃料として発電する燃料電池の水素源として好適であるほか、水素の一部又は全部を動力源とする自動車に好適である。

Claims (4)

  1. 水との化学反応により水素ガスを生成可能な第1の金属水素化物と、
    前記第1の金属水素化物に粉砕処理を施した第2の金属水素化物であって、前記第1の金属水素化物よりも比表面積の大きい第2の金属水素化物と、
    を備える金属水素化物の複合体であって
    前記複合体の表面を前記第1の金属水素化物が略構成し、前記表面よりも内部側に前記第2の金属水素化物が配置され、尚且つ、これらの境界における断面視において、前記第1の金属水素化物と前記第2の金属水素化物とが混在していることを特徴とする金属水素化物の複合体。
  2. 前記第1の金属水素化物と前記第2の金属水素化物との重量比が1:1〜1:2であることを特徴とする請求項1に記載の金属水素化物の複合体。
  3. 前記第1の金属水素化物および前記第2の金属水素化物が水素化リチウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属水素化物の複合体。
  4. 水との化学反応により水素ガスを生成可能な金属水素化物を粉砕する粉砕工程と、
    前記粉砕工程により得られた粉砕物を加圧成型する第1の加圧成型工程と、
    前記第1の加圧成型工程により得られた成型体の表面を覆うように前記金属水素化物を配置する配置工程と、
    前記配置工程により得られた被覆物を加圧成型する第2の加圧成型工程と、
    を備えることを特徴とする金属水素化物の複合体の製造方法。
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