JP5888078B2 - 磁気計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、背景磁界補償(地磁気補償)を行って微小な磁気信号を検出する磁気計測装置に関する。
図8は複数の磁気センサを用いて、背景磁界(地磁気)に重畳している微小な磁気信号を計測する従来の一般的な磁気計測装置Mの全体構成を示す図である。
磁気計測装置Mでは、複数(例えば10個)の磁気センサ1−1、1−2、・・・、1−i・・・1−nが、間隔をあけて配列されるようにしてあり、各磁気センサからの磁気信号は信号処理装置2に取り込まれるようにしてある。なお、以下では個々の磁気センサを区別せずに呼ぶときは「磁気センサ1」という。
信号処理装置2はコンピュータシステムからなる。信号処理装置2は、専用の磁気計測ソフトウェアを読み込むことにより、図9に示すように、磁気センサ1−1、・・・、1−nから取り込んだ磁気信号に演算処理を行う信号処理部3、取り込んだ磁気信号のデータや演算処理されたデータを記憶するデータ記憶部4、演算結果等を表示する表示部5、演算に必要なデータやコマンドの入力処理を行う入力部6として動作するようにしてある。
そして、地磁気の影響を除去する背景磁界補償を行う場合、配列された複数の磁気センサ1のうち、予め背景磁界補償用に用いる磁気センサ1−c(例えば磁気センサ1−3)を補償センサとして決めておき、この補償センサで検出した磁気信号を、他の被補償用の磁気センサの磁気信号から減算することにより、背景磁界補償を行っている(特許文献1参照)。
ここで、従来の補償センサを用いた背景磁界補償について説明する。時間tにおける磁気センサ1−1、磁気センサ1−2、補償センサ1−c(1−3を補償センサとして選択)の磁気信号FD(t)、FD(t)、FD(t)は、次式(1)で表される。
FD(t)=S(t)+N(t)
FD(t)=S(t)+N(t)
FD(t)=S(t)+N(t) ・・・(1)

(1)式において、S(t)、S(t)、S(t)は、測定対象物に起因して発生する各磁気センサの周囲における局所的な磁気変動成分であり、N(t)、N(t)、N(t)は、各磁気センサの周囲における背景磁界変動成分である。
ここで行う背景磁界補償方法では、背景磁界変動成分は磁気センサが配列された領域全体にわたって一様であるという性質を利用して、背景磁界の影響を除去する。
すなわち、各磁気センサの感度のずれを補正するための係数としての意味を含めた定数α、α、・・・を用いて、以下の関係が成り立つものとする。なお、α、α・・・は、センサを調整することで実用上はほとんど1としてよい。
(t)=α(t)
(t)=α(t) ・・・(2)
この場合、磁気センサ1−1、1−2で検出される背景磁界変動成分を除去するために、次式によって背景磁界補償が行われる。
(t)=FD(t)−αFD(t)=S(t)−α(t)
(t)=FD(t)−αFD(t)=S(t)−α(t)
(t)=FD(t)=S(t)+N(t) ・・・(3)

(3)式において、B(t)、B(t)は、背景磁界補償後の磁気センサ1−1、1−2の位置での最終的な磁気信号である。なおB(t)は補償センサの磁気信号であり、これについては背景磁界補償を行わないため、(1)式での信号が最終的な磁気信号となる。
ここで、測定対象物による磁気変動成分の磁気センサ1−1、1−2、補償センサ1−cへの影響について説明する。
(パターン1)
最初に、測定対象物が補償センサ1−cから離れていて影響を与えず、測定対象物による磁気変動成分が補償センサ1−cに全く入力されていない場合(S(t)=0)は、次式となる。
(t)=S(t)
(t)=S(t)
(t)=N(t) ・・・(4)

このときは、B(t)、B(t)から背景磁界変動成分N(t)、N(t)が除去された測定対象物由来の磁気信号が計測できる。そしてB(t)やB(t)と、B(t)とは、独立した信号であるため相関関係はない。
(パターン2)
次に、測定対象物からの磁気変動成分が補償センサ1−c近傍のみに影響を与え(S(t)≠0)、磁気センサ1−1、1−2に影響を与えない場合(S(t)=0、S(t)=0)は次式となる。
(t)=−α(t)
(t)=−α(t)
(t)=S(t)+N(t) ・・・(5)

このときは、磁気センサ1−1、1−2については、本来の磁気信号が入力されていないのに、B(t)、B(t)には、背景磁界補償による減算の結果、補償用センサの影響によるダミー信号−α(t)、−α(t)が見えてしまうようになる。
そしてN(t)に比べてS(t)が十分に大きいときは、B(t)やB(t)と、B(t)との間に、強い負の相関が成り立つようになる。
(パターン3)
次に、被補償センサが補償センサに隣接したり近接したりしているために、測定対象物の磁気変動成分が磁気センサ1−1、1−2に影響を与えるとともに、補償センサ1−cにも影響を与える場合(S(t)≠0、S(t)≠0、S(t)≠0)は、次式となる((3)式そのまま)。
(t)=S(t)−α(t)
(t)=S(t)−α(t)
(t)=S(t)+N(t) ・・・(6)

このときは、磁気センサ1−1、1−2による本来の磁気信号S(t)、S(t)から、補償センサ1−cの影響によるダミー信号−α(t)、−α(t)の分が減算された信号が磁気信号となる。
そして、パターン2と同様に、N(t)に比べてS(t)が十分に大きいときであって、しかもS(t)、S(t)に比べてダミー信号−α(t)、−α(t)の影響が大きい場合には、B(t)やB(t)とB(t)との間に、ある程度の負の相関が成り立つ。
以上の説明から明らかなように、補償センサ1−cに、測定対象物の磁気変動成分が入力されている場合には、パターン2、パターン3で見られるように、ダミー信号−α(t)、−α(t)の影響を受けて、磁気センサ1−1、1−2の位置での最終的な磁気信号が、本来の磁気信号から変化してしまう。
そこで、この対策として、特許文献1に記載の方法では、背景磁界補償後の磁気信号B(t)、B(t)がある閾値レベルを超えた磁気信号になったときに、補償センサ1−cと磁気センサ1−1、1−2との相関係数を算出し、負の相関が一定以上のときに補償センサ1−cに測定対象物に由来する磁気信号が入力されていると判定し、現在の補償センサ1−cとは異なる他の磁気センサに切り替えることが行われている。
特開2010−216972号公報
特許文献1に記載の方法では、パターン2の状態(補償用センサのみに測定対象物からの磁気信号が含まれる状態)では、強い負の相関係数が得られ、しかもダミー信号−α(t)、−α(t)が十分に大きいと、背景磁界補償後の磁気信号B(t)、B(t)も閾値レベルを超えるので、補償センサが切り替わるようになる。
しかしながら、被補償センサが補償センサに隣接したり、近接したりしているために、パターン3の状態(被補償センサと補償センサとに測定対象物からの磁気信号が含まれる状態)となる場合には、磁気センサ1−1、1−2の背景磁界補償後の磁気信号B(t)やB(t)が変化してしまい、場合によっては本来の磁気信号S(t)、S(t)が補償センサ1−cの影響によるダミー信号−α(t)、−α(t)によって打ち消されて、背景磁界補償後の磁気信号B(t)、B(t)が補償センサ切り替えのための閾値レベルを超えにくくなり、磁気信号の影響で変化していることは検出できるが、補償センサが切り替わらないようになる。また、閾値レベルを超えた場合でも算出された相関係数が低くて補償センサが切り替わらないこともありうる。また、たとえ補償センサが切り替わったとしても、切り替わりの前後で不連続な磁気信号のデータになってしまう。
したがって、いずれかの補償センサの磁気信号に基づいて背景磁界を打ち消す従来からの方式による磁気計測装置では、測定対象物由来の本来の磁気信号だけを正確に検出することができない場合が生じていた。
そこで本発明は、これまでとは全く異なる背景磁界補償方法を採用することにより、測定対象物由来の本来の磁気信号だけを検出できる磁気計測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の磁気計測装置は、少なくとも3つの磁気センサを用いて測定対象物に由来する磁気信号を計測する磁気計測装置であって、以下の構成を有している。
すなわち、時々刻々送信される各磁気センサからの磁気信号FD(t)に対しハイパスフィルタ処理により直流変動を除去した直流除去磁気信号FD (t)を作成するハイパスフィルタ処理部と、全磁気センサを対象にして2つずつの磁気センサセットの全ての組み合わせ(i、j)を作り、各磁気センサセットのいずれか一方を被補償センサ(i)、他方を補償センサ(j)の対として、当該被補償センサ(i)の直流除去磁気信号FD (t)と当該補償センサ(j)の直流除去磁気信号FD (t)との差分を磁気センサセットの全ての組み合わせに対して算出することにより、全ての磁気センサセットの組み合わせに対する差分磁気信号(Cij(t)=FD (t)−FD (t))を算出する差分磁界演算部と、全ての磁気センサセットの組み合わせについての差分磁気信号Cij(t)に対し、時刻tから所定期間Δt前までの最大値と最小値との変動幅であるピーク幅値Cij(t)ppを算出する変動幅算出部と、ピーク幅値Cij(t)ppに基づいて磁気センサセットを選択し、選択された磁気センサセットにおけるいずれかの直流除去磁気検出信号(FD (t)またはFD (t))を基礎にして時刻tの背景磁界R(t)を作成する背景磁界作成部と、各磁気センサの直流除去磁気信号FD (t)に対し、背景磁界R(t)を用いて背景磁界補償の演算を行う背景磁界補償演算部とを備えている。
本発明によれば、磁気計測に使用する全磁気センサを対象にして2つずつの磁気センサセット(補償センサと被補償センサとの対)の組み合わせを作る。それらの組み合わせの中で、各時刻tにおいて、その直前の所定期間(Δt)(例えば直前3秒間)で、補償センサと被補償センサとの磁気信号の変動が最も似ている組み合わせを、背景磁界のみを含む磁気センサセットであるとして選択する。この選択には、磁気センサセットの対となる磁気信号の差分の計算(Cij(t)=FD (t)−FD (t))を行い、直前の所定期間(Δt)での最大値と最小値との変動幅であるピーク幅値(Cij(t)pp)を算出して、最もピーク幅値(Cij(t)pp)が小さいものを選ぶことにより行われる。そして選択された(背景磁界のみを含んでいる)磁気センサセットにおける補償センサまたは被補償センサの磁気信号を、当該時刻tでの背景磁界の基礎にする。
なお、差分計算に用いる磁気信号には、各磁気センサから取得した磁気信号FD(t)ではなく、ハイパスフィルタ処理を行った直流除去磁気信号FD (t)を用いる。これは、磁気信号FD(t)を用いると直流ドリフト成分が含まれることがあり、直流ドリフト成分が含まれるとピーク幅値(Cij(t)pp)の算出に影響を与えるので、ハイパスフィルタ処理を行った直流除去磁気信号FD (t)を差分計算で用いるようにする。
そして、時刻tごとに、選択された磁気センサセットの補償センサまたは被補償センサの直流除去磁気信号(FD (t)またはFD (t))を繋ぎ、これを基礎にして背景磁界R(t)を作成する。このようにして作成された背景磁界R(t)は、各時刻tにおいて、背景磁界のみを含む磁気センサセットの磁気信号を基礎にして作成された信号になる。
そして各磁気センサの直流除去磁気信号FD (t)に対し、作成した背景磁界R(t)を用いて背景磁界補償の演算を行うことにより、背景磁界補償が実行された磁気信号U (t)を算出する。すなわち、減算による背景磁界補償の演算として、
(t)=FD (t)−αR(t)
を行うことにより、背景磁界補償が実行された磁気信号U (t)を算出する。
ここでαは、従来例で説明したものと同様に、各磁気センサの感度のずれを補正するための係数としての意味を含めた定数α、α、・・・である。なお、磁気センサを調整することでαを実用上1とみなすことができるようになるので、その場合の減算による背景磁界補償の演算は、
(t)=FD (t)−R(t)
となる。
本発明によれば、測定対象物からの磁気信号が最も含まれていないと考えられる磁気センサセットを、時刻tごとに選択し、それらの磁気センサセットの補償センサまたは被補償センサの直流成分を除去した磁気信号から各時刻tの背景磁界R(t)を抽出し、抽出した背景磁界R(t)に基づいて背景磁界補償を行うので、測定対象物からの磁気信号が入っていない背景磁界補償データを用いた背景磁界補償を行うことができる。
上記発明において、背景磁界作成部は、選択された磁気センサセットにおけるいずれかの直流除去磁気信号(FD (t)またはFD (t))を中間背景磁界D(t)として抽出する中間背景磁界抽出部と、中間背景磁界D(t)に対し、ローパスフィルタ処理により高周波変動成分を除去した高周波除去中間背景磁界D(t)を算出するローパスフィルタ処理部と、高周波除去中間背景磁界D(t)を背景磁界R(t)とするか、または、高周波除去中間背景磁界D(t)から所定の磁界強度の幅ΔW内にある直流除去磁気信号FD (t)に基づいて、理想背景磁界RR(t)を作成し、これを背景磁界R(t)とする平滑化背景磁界作成部とからなるようにしてもよい。
すなわち、時刻tごとに選択された磁気センサセットにおける直流除去磁気信号(FD (t)またはFD (t))をそのまま背景磁界R(t)とする場合、時刻tごとに別々の磁気センサセットの直流除去磁気信号が選択される可能性があり、その影響で測定対象物に由来する磁気信号には含まれない小さな変動からなる高周波成分が含まれるようになる。そこで選択された磁気センサセットにおける直流除去磁気信号(FD (t)またはFD (t))を、中間背景磁界D(t)として扱い、この中間背景磁界D(t)にローパスフィルタ処理を行うことで、高周波変動成分を除去して平滑化した高周波除去中間背景磁界D(t)を作成する。具体的には、例えば1Hz以上の高周波成分を除去するようにして、細かい変動を除去する。そしてこの高周波除去中間背景磁界D(t)を背景磁界R(t)とする。
あるいは、さらに平滑化を進めるために、作成した高周波除去中間背景磁界D(t)を基準として、所定の磁界強度の幅ΔW内にある直流除去磁気信号FD (t)に基づいて(例えば平均値や中間値を算出して)理想背景磁界RR(t)を作成し、これを背景磁界R(t)とする。
これらの平滑化処理を施したいずれかの背景磁界R(t)を用いることにより、平滑化を施していないときよりも、実際の背景磁界に近づいた、より精度のよい背景磁界を作成することができる。
また、上記発明において、背景磁界抽出部は、時刻tでの磁気センサセットを選択する際に、時刻tでの各磁気センサの直流除去磁気信号FD (t)を用いて行う統計的処理により、一部の磁気センサセットを選択対象からスクリーニングするようにしてもよい。
ここで、「各磁気センサの直流除去磁気信号FD (t)を用いて行う統計的処理により、一部の磁気センサセットを選択対象からスクリーニングする」とは、各磁気センサの直流除去磁気信号FD (t)の「平均値」や「標準偏差」等の統計的数値を用いた数学的処理を行うことにより、直流除去磁気信号FD (t)のうち、大きく外れた値の信号を含む一部の磁気センサセットを除外することをいう。例えば、最も一般的な統計的処理としては、直流除去磁気信号FD (t)の平均値A、標準偏差σとしたときに、平均値Aを中心に、所定の標準偏差(σ)の幅に含まれるものを抽出する手法がある。すなわち、平均値A±σで全体の31.7%が除外され、平均値A±2σで4.55%、平均値A±3σで0.27%、平均値A±4σで0.006%が除外されることになる。
具体的には、各磁気センサの直流除去磁気信号FD (t)を用いた統計的処理として、時刻tでの全磁気センサの直流除去磁気信号FD (t)の平均値A±σから外れる直流除去磁気信号FD (t)を含んだ磁気センサセットを除外するのが好ましい。これにより、測定対象物からの磁気信号が含まれていることが明らかである磁気センサセットを、選択の対象から除外するスクリーニング処理を加えることができるので、作成する背景磁界の信頼性を高めることができる。
また、上記発明において、背景磁界抽出部は、時刻tでの磁気センサセットを選択する際に、時刻tの直前の所定期間Δtにおいて平滑化背景磁界作成部により算出された理想背景磁界RR(t)を用いて行う統計的処理により、一部の磁気センサセットを選択対象からスクリーニングするようにしてもよい。
ここで、「理想背景磁界RR(t)を用いて行う統計的処理により、一部の磁気センサセットを選択対象からスクリーニングする」とは、時刻tから所定期間Δt前までの期間中(例えば直前3秒間)において平滑化背景磁界作成部により算出された複数点の理想背景磁界RR(t)の「平均値」や「標準偏差」等の統計的数値を用いた数学的処理を行うことにより、直流除去磁気信号FD (t)のうち、時刻tでの理想背景磁界RR(t)から大きく外れた値の信号を含む一部の磁気センサセットを除外することをいう。
具体的には、理想背景磁界RR(t)を用いた統計的処理として、時刻tからの所定期間Δt前までの期間中における理想背景磁界RR(t)の平均値Bと標準偏差σとを求め、B±3σから外れる直流除去信号FD (t)を含んだ磁気センサセットを除外するのが好ましい。
これにより、測定対象物からの磁気信号が当該所定期間Δtの期間内に含まれていることが明らかである磁気センサセットを、選択の対象から除外するスクリーニング処理を加えることができるので、作成する背景磁界の信頼性を高めることができる。
本発明の一実施形態である磁気計測装置における信号処理装置の機能ブロック図。 本発明の信号処理装置が実行する背景補償の手順を示すフローチャート。 ハイパスフィルタ処理前と処理後との磁気信号の時間変化を示す模式図。 10個の磁気センサを用いた場合の2個ずつの磁気センサセットの組み合わせを示す図。 時刻tごとにCij(t)ppが最も小さい磁気センサセットから背景磁界R(t)を求めて、順次繋ぐことにより形成した背景磁界R(t)の時間変化を示す模式図。 中間背景磁界D(t)に対し、ローパスフィルタ処理を実行したときに得られた高周波除去中間背景磁界D(t)の時間変化を示す模式図。 高周波除去中間背景磁界D(t)に対して平均化処理を実行したときの時間変化を示す模式図。 従来の一般的な磁気計測装置の全体構成を示す図。 従来の磁気計測装置における信号処理装置の機能ブロック図。
以下、本発明に係る磁気計測装置について図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態である磁気計測装置Mの主要部分である信号処理装置2aを機能ごとにブロック化して示した図である。なお、磁気計測装置Mにおける信号処理装置2a以外の構成部分(磁気センサおよびケーブル)については図8と同じであるので、これを参照する。
磁気計測装置Mの信号処理装置2aは、CPU、メモリ(HDD等)、表示装置(液晶パネル)、入力装置(キーボード等)をハードウェアとして備えたコンピュータシステムからなる。信号処理装置2aは専用の磁気計測ソフトウェアを読み込むことにより、磁気センサ1−1、・・・、1−i、・・・、1−nから取り込んだ磁気信号に演算処理を行う信号処理部3、演算処理された演算データ、および、取り込んだ磁気信号のデータ(磁気データ)を記憶するデータ記憶部4、演算結果等を表示する表示部5、演算に必要なデータやコマンドの入力処理を行う入力部6として動作するようにしてある。以下の説明では、使用する磁気センサの具体的な数が必要な説明のときは、磁気センサ数nが10個であるとして説明する。
なお、ここまでの機器構成については、図9で説明した従来例の信号処理装置2と同じである。しかし、本発明では信号処理部3で実行される背景磁界補償の処理内容が異なっているので、図1のブロック図と、図2のフローチャートとに基づいて、従来との機器構成の違いおよび機能の違いについて説明する。
本発明で実行される背景磁界補償の演算処理を説明するため、信号処理部3が実行する演算処理を図1に示すように機能ブロックごとに分けて説明すると、信号処理部3は、ハイパスフィルタ処理部11、差分磁界演算部12、変動幅算出部13、背景磁界作成部14、背景磁界補償演算部15とを備えている。このうち、背景磁界作成部14についてさらに細分化すると、中間背景磁界抽出部21、ローパスフィルタ処理部22、平滑化背景磁界作成部23とを備えている。
信号処理部3で背景磁界補償を実行するために、各磁気センサ1(1−1、1−2、・・・、1−i、・・・、1−10)から時々刻々送信される磁気信号FD(t)は、一旦、データ記憶部4に蓄積されるようにしてある。
ハイパスフィルタ処理部11は、取り込まれた各磁気センサからの10個の磁気信号FD(t)のそれぞれに対し、ハイパスフィルタ処理により直流変動を除去した直流除去磁気信号FD (t)を作成する演算を行う。具体的には、直流成分を除去するために、例えば10mHz以下の直流成分を含む低周波成分を除去するハイパスフィルタ処理を行う。これにより、直流ドリフトによる変動が除去される。
図3は、ハイパスフィルタ処理前(図3(a))と処理後(図3(b))との磁気信号の時間変化を示す模式図である。ここでは磁気センサ1−1、1−2、1−3からの磁気信号も示してある。磁気センサ1−1、1−2、1−3の磁気信号にはいずれにも背景磁界による波状の変動成分が含まれている。さらに磁気センサ1−1の磁気信号には、点線で囲んだ部分に測定対象物由来の磁気信号が含まれている。そして、ハイパスフィルタ処理前の各磁気信号には直流ドリフト成分が含まれているため、ベースラインが右下がりになっている(図3(a))が、ハイパスフィルタ処理によって直流変動が除去された結果、各信号のベースラインが水平になっている(図3(b))。
なお、図3において磁気センサ1−3の磁気信号は、磁気センサ1−2の磁気信号よりも一定幅で少し負側にシフトしているように図では表示されているが、これは波形を分けて図示するために、便宜上、磁気センサ1−3の磁気信号を一定幅だけ負側にシフトさせて表示しているためであり、これら2つの信号は、実際には、ほぼ同じベースライン上に現れる信号となっている(以下の図5〜図7においても同様である)。
差分磁界演算部12は、以下に説明する方法で定めた被補償センサと補償センサとの磁気信号の差分を算出する演算を行う。
すなわち、10個の全磁気センサを対象にして2つずつの磁気センサセットの全ての組み合わせ(i、j)を作り、各磁気センサセットを被補償センサ(i)と補償センサ(j)との対とする。ここでは、各磁気センサセットでのセンサ番号の若い方を被補償センサとし、他方を補償センタとして説明する(すなわちi<j)が、いずれか一方を被補償センサ、他方を補償センサと決めればよい。そのため、センサ番号の若い方を被補償センサにしない磁気センサセットでは(i)と(j)とを読み替えることとする。
図4は、10個の磁気センサを用いた場合の2個ずつの磁気センサセットの組み合わせを示す図であり、「○」印を付けた(1、2)、(1、3)・・・、(1、10)、(2、3)、・・・、(2、10)、(3、4)、・・・、(9、10)までの合計45通り(すなわち、10)の磁気センサセットが作られる。
そして、被補償センサ(i)の直流除去磁気信号FD (t)と補償センサ(j)の直流除去磁気信号FD (t)との差分を、磁気センサセットの全ての組み合わせに対して算出することにより、45個の差分磁気信号(Cij(t)=FD (t)−FD (t))を算出する。
なお、ここで算出される差分磁気信号Cij(t)は、従来方法として説明した(2)式および(3)式による背景磁界補償において、係数α、αを1としたときのB(t)、B(t)の計算に対応する。
変動幅算出部13は、全ての磁気センサセットの組み合わせ(45通り)についての差分磁気信号Cij(t)に対し、時刻tから所定期間Δt前までの最大値と最小値との変動幅であるピーク幅値Cij(t)ppを算出する。具体的には、例えば所定期間Δtとして3秒を設定し、直前3秒間の間に取得した差分磁気信号の最大、最小を抽出し、その変動幅をピーク幅値Cij(t)ppとして算出する演算を行う。
このピーク幅値Cij(t)ppは、各磁気センサセットにおける被補償センサと補償センサとの磁気信号が類似すれば小さくなる。一般に、背景磁界は磁気センサが設置されている領域程度であれば、一様に変動していると考えられるので、背景磁界だけを検出している被補償センサと補償センサとからなる磁気センサセットでは、ピーク幅値Cij(t)ppは小さい。そして少しでも測定対象物からの磁気信号が磁気センサに検出されると、その磁気センサのピーク幅値Cij(t)ppは大きくなる傾向がある。よって、ピーク幅値Cij(t)ppの小さい磁気センサセットを選択すれば、その磁気センサセットの被補償センサと補償センサの磁気信号のいずれにも、測定対象物からの磁気信号が含まれていないと考えることができる。
なお、時刻tのみでの変動幅を算出するのではなく、所定期間Δtでの変動幅を算出しているのは、瞬間的に2つの直流除去磁気信号FD (t)、FD (t)が一致した場合に両信号が類似していると判断されないようにするためである。
背景磁界作成部14は、算出された45個のピーク幅値Cij(t)ppに基づいて、いずれか1セットを背景磁界のみが測定されている磁気センサセットとして選択する。具体的には、ピーク幅値(Cij(t)pp)が最も小さいものを選択すればよいが、実質的に背景磁界のみが測定されている磁気センサセットを選択できさえすればよい。そして選択された磁気センサセットにおける直流除去磁気信号(補償センサの直流除去磁気信号FD (t)あるいは被補償センサの直流除去信号FD (t))を基礎にして、時刻tでの背景磁界R(t)を作成する演算を行う。最も簡単に背景磁界R(t)を作成する方法としては、選択された補償センサの直流除去磁気信号FD (t)、または、被補償センサの直流除去信号FD (t)をそのまま背景磁界R(t)とすればよい(いずれの信号も背景磁界だけが含まれる磁気信号であるため、背景磁界用として選択できる)。
これにより、時刻tにおいて、測定対象物からの磁気信号が含まれていない背景磁界変動のみが含まれる背景磁界R(t)を作成する。図5は、時刻tごとに算出された背景磁界R(t)を、順次繋ぐことにより形成した背景磁界R(t)の時間変化を示す模式図である。図中には、図3で示した磁気センサ1−1、1−2、1−3の磁気信号も記載してある。
この方法によって得られる背景磁界R(t)は、時刻tごとに別々の磁気センサセットの直流除去磁気信号が選択される可能性があり、その影響でR(t)には小さな振動(高周波成分)が含まれている。これらの小さな振動には測定対象物からの磁気信号は含まれていない。また、測定対象物からの磁気信号が含まれている磁気センサ1−1の磁気信号とも明らかに異なる周波数の波形である。したがって、測定対象物由来の信号とは区別できる背景磁界R(t)として用いることができる。
なお、時刻tでの背景磁界R(t)を作成する際に、平滑化する演算処理を加えて、より理想的な背景磁界R(t)を作成することがさらに好ましい。これについては後述する。
背景磁界補償演算部15は、作成した背景磁界R(t)を用いて、各磁気センサの直流除去磁気信号FD (t)に対し、背景磁界補償(U (t)=FD (t)−αR(t))を算出する演算(減算)を行う。以上により、時刻tでの背景磁界補償がなされた磁気信号U (t)が算出される。
次に、背景磁界作成部14が作成する背景磁界R(t)を、より好ましい理想的な背景磁界にするための平滑化処理を加える場合について以下に説明する。
このとき、上述した背景磁界作成部14は、さらに中間背景磁界抽出部21、ローパスフィルタ処理部22、平滑化背景磁界作成部23を備えている。
中間背景磁界抽出部21は、上述した変動幅算出部13によって算出された45個のピーク幅値Cij(t)ppに基づいて、ピーク幅値Cij(t)ppが最も小さい磁気センサセットを選択し、その磁気センサセットにおける補償センサの直流除去磁気信号FD (t)(または被補償センサの直流除去磁気信号FD (t)でもよい)を、時刻tでの中間背景磁界D(t)として抽出する。すなわち、選択された磁気センサセットにおける補償センサの直流除去磁気信号FD (t)を、そのまま背景磁界R(t)とするのではなく、以下に説明するローパスフィルタ処理部22、平滑化背景磁界作成部23による平滑化処理が加えられる中間背景磁界D(t)とする。
ローパスフィルタ処理部22は、中間背景磁界D(t)に対しローパスフィルタ処理により所定の高周波変動成分を除去した高周波除去中間背景磁界D(t)を算出する演算を行う。ローパスフィルタで除去する高周波成分の周波数は背景磁界の変動周波数が除去されない範囲で設定すればよい。具体的には例えば1Hz以上の高周波成分を除去すればよい。
図6は、中間背景磁界D(t)に対し、1Hzのローパスフィルタ処理を実行したときに得られた高周波除去中間背景磁界D(t)の時間変化を示す模式図である。すなわち、ここでは図5にて背景磁界R(t)としていた信号(補償センサの直流除去磁気信号FD (t)をそのまま繋いだ信号)を中間背景磁界D(t)とし、これに対し、1Hzのローパスフィルタ処理を実行している。図中には、図3で示した磁気センサ1−1、1−2、1−3の磁気信号も記載してある。ローパスフィルタ処理後の高周波除去中間背景磁界D(t)は小さな振動がかなり平滑化されている。
そして、平滑化背景磁界作成部23は、以下のいずれかにより、平滑化した背景磁界を、後述する背景磁界補償演算部15に送る。
すなわち、一つは高周波除去中間背景磁界D(t)を背景磁界R(t)として、そのまま背景磁界補償演算部15に送る。
他の一つは、さらに平滑化を進めるため、平滑化背景磁界作成部23は、高周波除去中間背景磁界D(t)から所定の磁界強度の幅ΔW内にある直流除去磁気信号FD (t)に基づいて理想背景磁界RR(t)を作成し、これを背景磁界R(t)とする演算を行う。具体的には±5nTの磁界強度の幅に入る直流除去磁気信号FD (t)を抽出し、これらの平均値を算出する平均化処理を行い、時刻tでの理想背景磁界RR(t)とする。この処理により、さらに平滑化が進められてから、背景磁界補償演算部15に送られる。
図7は図6で示した高周波除去中間背景磁界D(t)に対してこの平均化処理を実行したときの時間変化を示す模式図である。理想背景磁界RR(t)を用いることでほとんど小さな信号が消失している。
そして、背景磁界補償演算部15は、図5の背景磁界R(t)に代えて、高周波除去中間背景磁界D(t)、または、理想背景磁界RR(t)を背景磁界R(t)として、背景磁界補償(U (t)=FD (t)−αR(t))を算出する演算を行うようにする。
次に、上述した信号処理部3による背景磁界補償の処理動作の手順について図2のフローチャートに基づいて説明する。
磁気計測装置Mが作動し、処理が開始すると、各磁気センサ1−1、・・・、1−i、・・・、1−10は時刻tごとに磁気信号FD(t)を取得する。取得された磁気信号はデータ記憶部4に蓄積される(s101)。
続いて、s101で蓄積された各磁気信号FD (t)に、10mHz以下の低周波成分を除去するハイパスフィルタ処理を実行し、直流ドリフト成分が除かれた直流除去磁気信号FD (t)を算出する(s102)。
続いて、全磁気センサ(10個)から2個ずつを組み合わせることで得られる45通りの磁気センサセット(i、j)について、次式(7)により差分磁気信号Cij(t)を算出する(s103)。
ij(t)=FD (t)−FD (t) ・・・(7)
続いて、s103で算出された45個の各差分磁気信号Cij(t)に対し、時刻tから所定期間ΔT(例えば3秒間)前までにおける最大値と最小値との変動幅であるピーク幅値Cij(t)ppを算出する(s104)。
続いて、s104で算出されたピーク幅値Cij(t)ppのうち、最も小さいピーク幅値に対応する磁気センサセットを、背景磁界抽出の基礎とする磁気センサセットとして選択する。そして選択した磁気センサセットの補償センサ(j)(あるいは被補償センサ)の直流除去磁気信号FD (t)を中間背景磁界D(t)とする。あるいは、処理を簡略化するときは、そのまま背景磁界R(t)として抽出する(s105)。
続いて、s105で選択された直流除去磁気信号FD (t)を背景磁界R(t)として扱うときはs108に進む。一方、s105で直流除去磁気信号FD (t)を中間背景磁界D(t)として扱うときは、この中間背景磁界D(t)に対し、1Hzより高周波成分を除去するローパスフィルタ処理を行い、平滑化した高周波除去中間背景磁界D(t)を算出する(s106)。ここで得られた高周波除去中間背景磁界D(t)を背景磁界R(t)として抽出してもよいが、さらに平滑化を進めるためs107に進める。
続いて、s106で算出した高周波除去中間背景磁界D(t)から所定の磁界強度の幅ΔW(例えば±5nT)の幅に入る直流除去磁気信号FD (t)を抽出し、これらの平均値を算出し、時刻tでの理想背景磁界RR(t)とする(s107)。
続いて、s107で算出した理想背景磁界RR(t)を背景磁界R(t)として、あるいはs105で処理を簡略化して求めた背景磁界R(t)を用いて、次式(8)により各直流除去磁気信号FD (t)に対する背景磁界補償を行い、背景磁界補償後の直流除去磁気信号U (t)磁気信号を算出する(s108)。
(t)=FD (t)−αR(t) ・・・(8)
このように、測定対象物からの磁気信号が含まれていない背景磁界補償用の背景磁界R(t)を作成し、これを用いて背景磁界補償を行うようにすることで、従来のような補償センサに入ったダミー信号を、測定対象物由来の磁気信号と誤って判断することが回避される。
(変形実施形態)
上述した背景磁界補償では、s103、s104において、45通りの全組み合わせの磁気センサセットから算出した45個のピーク幅値Cij(t)ppに基づいて、一つの磁気センサセットを選択するようにしていた。
本実施形態では、測定対象物からの磁気信号が含まれていることが明らかな磁気センサセットを、例えば平均値と標準偏差とを用いた統計的処理により選択の対象から除外するスクリーニング処理を加えることで、作成する背景磁界の信頼性を高めるようにする。
まず、各直流除去磁気信号FD (t)に対する統計処理を用いた第一のスクリーニングについて説明する。
ここでは、上述した背景磁界抽出部14は、算出された45個のピーク幅値Cij(t)ppに基づいて、いずれか1セットを背景磁界のみが測定されている磁気センサセットとして選択する際に、時刻tでの全磁気センサの直流除去磁気信号FD (t)の平均値Aと標準偏差σとを算出する。そして、時刻tでの直流除去磁気信号FD (t)が平均値Aから大きく外れている磁気センサが存在する場合には、その磁気センサを含んでいる磁気センサセットについては、選択対象から除外する。具体的には平均値A±σから外れた直流除去磁気信号FD (t)を含んだ磁気センサセットを選択対象から除外する。
次に、理想背景磁界RR(t)に対する統計的処理を用いた第二のスクリーニングについて説明する。
ここでは、上述した背景磁界抽出部14は、算出された45個のピーク幅値Cij(t)ppに基づいて、いずれか1セットを背景磁界のみが測定されている磁気センサセットとして選択する際に、理想背景磁界作成部23が時刻tから所定期間Δt前までの期間中に算出した各時点の理想背景磁界RR(t)についての平均値Bと標準偏差σとを算出する。そして、時刻tの直流除去磁気信号FD (t)の中に、理想背景磁界RR(t)についての平均値Bから大きく外れている信号が存在する場合には、その信号の磁気センサを含んでいる磁気センサセットについては、選択対象から除外する。具体的には平均値B±3σよりも外れた直流除去磁気信号FD (t)を含んだ磁気センサセットを除外する。
なお、第一のスクリーニングと第二のスクリーニングとを合わせて実行すればさらに信頼性が高まる。
本発明は、磁気計測装置における背景磁界補償に利用することができる。
M 磁気計測装置
1 磁気センサ
2a 信号処理装置
3 信号処理部
11 ハイパスフィルタ処理部
12 差分磁界演算部
13 変動幅算出部
14 背景磁界作成部
15 背景磁界補償演算部
21 中間背景磁界抽出部
22 ローパスフィルタ処理部
23 平滑化背景磁界作成部

Claims (6)

  1. 少なくとも3つの磁気センサを用いて測定対象物に由来する磁気信号を計測する磁気計測装置であって、
    時々刻々送信される各磁気センサからの磁気信号FD(t)に対しハイパスフィルタ処理により直流変動を除去した直流除去磁気信号FD (t)を作成するハイパスフィルタ処理部と、
    全磁気センサを対象にして2つずつの磁気センサセットの全ての組み合わせ(i、j)を作り、各磁気センサセットのいずれか一方を被補償センサ(i)、他方を補償センサ(j)の対として、当該被補償センサ(i)の直流除去磁気信号FD (t)と当該補償センサ(j)の直流除去磁気信号FD (t)との差分を前記磁気センサセットの全ての組み合わせに対して算出することにより、全ての磁気センサセットの組み合わせに対する差分磁気信号(Cij(t)=FD (t)−FD (t))を算出する差分磁界演算部と、
    前記全ての磁気センサセットの組み合わせについての差分磁気信号Cij(t)に対し、時刻tから所定期間Δt前までの最大値と最小値との変動幅であるピーク幅値Cij(t)ppを算出する変動幅算出部と、
    前記ピーク幅値Cij(t)ppに基づいて磁気センサセットを選択し、選択された磁気センサセットにおけるいずれかの直流除去磁気信号(FD (t)またはFD (t))を基礎にして時刻tの背景磁界R(t)を作成する背景磁界作成部と、
    各磁気センサの直流除去磁気信号FD (t)に対し、前記背景磁界R(t)を用いて背景磁界補償の演算を行う背景磁界補償演算部とを備えたことを特徴とする磁気計測装置。
  2. 前記背景磁界作成部は、前記選択された磁気センサセットにおけるいずれかの直流除去磁気信号(FD (t)またはFD (t))を中間背景磁界D(t)として抽出する中間背景磁界抽出部と、
    前記中間背景磁界D(t)に対し、ローパスフィルタ処理により高周波変動成分を除去した高周波除去中間背景磁界(D(t)を算出するローパスフィルタ処理部と、
    前記高周波除去中間背景磁界D(t)を背景磁界R(t)とするか、または、前記高周波除去中間背景磁界D(t)から所定の磁界強度の幅ΔW内にある前記直流除去磁気信号FD (t)に基づいて、理想背景磁界RR(t)を作成し、これを背景磁界R(t)とする平滑化背景磁界作成部とからなる請求項1に記載の磁気計測装置。
  3. 前記背景磁界抽出部は、時刻tでの磁気センサセットを選択する際に、時刻tでの各磁気センサの直流除去磁気信号FD (t)を用いて行う統計的処理により、一部の磁気センサセットを選択対象からスクリーニングする請求項1または請求項2に記載の磁気計測装置。
  4. 前記各磁気センサの直流除去磁気信号FD (t)を用いた統計的処理は、時刻tでの全磁気センサの直流除去磁気信号FD (t)の平均値をA、標準偏差をσとして、A±σから外れる直流除去磁気信号FD (t)を含んだ磁気センサセットを除外する請求項3に記載の磁気計測装置。
  5. 前記背景磁界抽出部は、時刻tでの磁気センサセットを選択する際に、時刻tから所定期間Δt前までの期間中において前記平滑化背景磁界作成部により算出された理想背景磁界RR(t)を用いて行う統計的処理により、一部の磁気センサセットを選択対象からスクリーニングする請求項2に記載の磁気計測装置。
  6. 前記理想背景磁界RR(t)を用いた統計的処理は、時刻tの直前の所定期間Δtにおける理想背景磁界RR(t)の平均値をB、標準偏差をσとして、B±3σから外れる直流除去信号FD (t)を含んだ磁気センサセットを除外する請求項5に記載の磁気計測装置。
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