JP5887754B2 - レーザ加工システム、レーザ加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザを照射して加工するレーザ加工システム、レーザ加工方法に関するものである。
従来、連続用紙を搬送しながらレーザ加工する横ミシン目加工装置があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来の横ミシン目加工装置は、エンコーダを設ける必要があるため、装置が複雑であり、また、制御が複雑であった。
特許第3413553号公報
本発明の課題は、装置構成を簡単にでき、制御を簡単にできるレーザ加工システム、レーザ加工方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
・第1の発明は、制御情報に対応した量だけ、加工用紙(W)を送り方向に送る用紙送り駆動部(21,21a,21b)と、前記制御情報を用紙送り駆動部に対して出力するとともに、前記制御情報を前記加工用紙にレーザ光を照射するレーザ照射部に対して出力する制御部(42,42a,42b,242,242a,242b,342b)と、を備えるレーザ加工システムである。
・第2の発明は、第1の発明のレーザ加工システムにおいて、前記レーザ照射部(31)からのレーザ照射方向を変更することにより、前記レーザ照射部の前記加工用紙上へのレーザ照射位置(P(a),P(b))を、前記送り方向及び前記送り方向に直交する直交方向に移動する照射位置変更部(32)を備え、前記制御部(42b,242b,342b)は、前記照射位置変更部を、前記レーザ照射位置が、前記制御情報に対応した量だけ前記送り方向及び前記直交方向に移動するように制御すること、を特徴とするレーザ加工システムである。
・第3の発明は、第2の発明のレーザ加工システムにおいて、前記照射位置変更部(32)は、前記レーザ照射部(31)からのレーザ光を反射するミラー(32a)と、前記ミラーを前記送り方向の軸回り及び前記直交方向の軸回りに回転駆動させることにより、前記レーザ照射位置(P(a),P(b))を移動するミラー駆動部(32X,32Y)とを備えること、を特徴とするレーザ加工システムである。
・第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明のレーザ加工システムにおいて、前記レーザ照射部(31)よりも前記送り方向の上流側(X1)に配置され、前記加工用紙(W)に印刷する印刷装置(10)を備え、前記制御部(14)は、前記印刷装置の送り駆動部である印刷装置送り駆動部(11)を、前記制御情報に対応した量だけ前記加工用紙を前記送り方向に送るように制御すること、を特徴とするレーザ加工システムである。
・第5の発明は、第4の発明のレーザ加工システムにおいて、前記印刷装置(10)は、レーザ照射のトリガー情報(50)を前記加工用紙(W)に印刷し、前記トリガー情報を検出するトリガー情報検出部(35)を備え、前記制御部(42b,342b)は、前記トリガー情報検出部の出力に基づいて、前記レーザ照射部のレーザ照射を開始すること、を特徴とするレーザ加工システムである。
・第6の発明は、第3の発明のレーザ加工システムにおいて、前記用紙送り駆動部(21,21a,21b)は、前記制御情報に対応した量だけ回転駆動するサーボモータ(21b)を備え、前記照射位置変更部(32)は、前記ミラー(32a)を前記送り方向の軸回り及び前記直交方向の軸回りに回転させるサーボモータ又はステッピングモータ(32X,32Y)を備え、前記制御部(42b,242b,342b)は、前記用紙送り駆動部の前記サーボモータの前記制御情報を、前記照射位置変更部の前記サーボモータ又はステッピングモータに対応し、かつ、前記加工用紙(W)の送り量に対応した駆動信号に変換して、前記照射位置変更部に出力すること、を特徴とするレーザ加工システムである。
・第7の発明は、第1から第5までのいずれかの発明のレーザ加工システムにおいて、前記用紙送り駆動部(21,21a,21b)は、前記制御情報に対応した量だけ回転駆動するサーボモータ(21b)又はステッピングモータを備えること、を特徴とするレーザ加工システムである。
・第8の発明は、第1から第7までのいずれかの発明のレーザ加工システムを用いたレーザ加工方法であって、前記制御情報を用紙送り駆動部(21,21a,21b)に対して出力するとともに、前記制御情報を前記加工用紙に(W)レーザ光を照射するレーザ照射部に対して出力する送り制御工程を備えること、を特徴とするレーザ加工方法である。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
第1、第8の発明は、用紙送り駆動部の制御情報を用紙送り駆動部に対して出力するとともに、レーザ照射部に対して出力するので、用紙送り駆動部の制御情報を用紙送り駆動部だけでなく、レーザ照射部の制御にも利用して、加工用紙の送り量を検出する検出部を設けることなく、用紙送り及びレーザ照射を制御できる。また、加工用紙を送りながらレーザ加工できるので、加工用紙を滞留させるバッファ機構が不要である。これにより、装置構成を簡単にでき、かつ、制御を簡単にできる。
第2の発明は、制御情報に対応した量だけ加工用紙を送り、制御情報に対応した量だけレーザ照射位置を送り方向及び直交方向に変更するので、加工用紙の送り量を検出する検出部を設けることなく、用紙送り駆動部及び照射位置変更部のみで、レーザ照射位置を制御できる。
第3の発明は、ミラーを送り方向の軸回り及び直交方向の軸回りに回転させることにより、レーザ照射位置を移動するので、レーザ照射部及び照射位置変更部として、いわゆるガルバノ式のXYスキャナを利用できる。
第4の発明は、印刷部送り駆動部を、制御情報に対応した量だけ加工用紙を送り方向に送るように制御するので、レーザ加工領域、印刷領域での加工用紙の送り量を同じにして、同期をとることができる。
第5の発明は、トリガー情報を加工用紙に印刷し、トリガー情報検出部の出力に基づいて、レーザ照射を開始するので、トリガー情報をレーザ照射の開始のきっかけに利用できる。
第6の発明は、制御情報に対応した量だけ回転駆動するサーボモータを備えるので、応答性がよく、加工用紙の高負荷の送り駆動に適している。また、ミラーを送り方向の軸回り及び直交方向の軸回りに回転させるサーボモータ又はステッピングモータを備えるので、制御情報を、ミラーの駆動にも利用できるので、制御が簡単である。
第7の発明は、用紙送り駆動部は、制御情報に対応した量だけ回転駆動するサーボモータ又はステッピングモータを備える。このため、サーボモータの場合には、サーボモータをフィードバック制御して、加工用紙の送り量が所望の送り量になるように制御し、また、ステッピングモータの場合には、加工用紙の所望の送り量対したパルス信号を出力すればよいので、制御が簡単である。
第1実施形態のインライン加工システム1の構成を説明する図である。 第1実施形態のインライン加工システム1の加工処理を説明するフローチャートである。 第1実施形態のレーザ照射動作を説明する図である。 第2実施形態の加工システム201の構成を説明する図である。 第3実施形態のインライン加工システム301の構成を説明する図である。
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のインライン加工システム1の構成を説明する図である。
インライン加工システム1(レーザ加工システム)は、インラインで、プリンタ10(印刷装置)及びレーザ加工装置30を接続することにより、加工用紙Wに対して、一連の工程で印刷及びレーザ加工行い、連続帳票等を作製できる加工システムである。
インライン加工システム1は、送出ローラ2、巻き取りローラ3、プリンタ10、前ローラ21、サーボアンプ21a、サーボモータ21b、後ローラ22、レーザ加工装置30、トリガー情報検出部35、管理装置40を備える。
送出ローラ2は、加工前の加工用紙W(ワーク)が巻かれたローラであり、送り方向Xの上流側X1に設けられている。
巻き取りローラ3は、加工後の加工用紙Wを巻き取るローラであり、送り方向Xの下流側X2に設けられている。
プリンタ10は、加工用紙Wに印刷する汎用の印刷装置であり、例えば、レーザビームプリンタ、インクジェットプリンタ等である。プリンタ10は、レーザ加工装置30の上流側X1に配置されている。プリンタ10へは、管理装置40から前ローラ制御情報(後述する)と同じ信号が入力されるようになっている。
プリンタ10は、プリンタローラ11(印刷部送り駆動部)、ヘッド12、プリンタ記憶部13、プリンタ制御部14を備える。
プリンタローラ11は、プリンタ10内部において、加工用紙Wを下流側X2に送る装置である。プリンタローラ11は、プリンタ10内の上流側X1、下流側X2にそれぞれ配置されている。
ヘッド12は、例えば、インクを射出したり、レーザを照射する装置であり、加工用紙Wに対して実際に印刷する装置である。
プリンタ記憶部13は、プリンタ10の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。
プリンタ記憶部13は、印刷情報を記憶する印刷情報記憶部13aを有する。なお、管理装置40の管理記憶部41(後述する)が印刷情報を記憶し、印刷情報をプリンタ10に出力するようにしてもよい。
プリンタ制御部14は、プリンタ10を統括的に制御する制御部である。プリンタ制御部14は、例えばCPU(中央処理装置)等から構成される。プリンタ制御部14は、プリンタ記憶部13の印刷情報に基づいて、プリンタローラ11、ヘッド12を制御して、加工用紙Wに印刷する。
前ローラ21、後ローラ22は、加工用紙Wを下流側X2に送るローラである。前ローラ21、後ローラ22は、送り方向Xにおいて、レーザ加工装置30を挟み込むように配置されている。
前ローラ21は、プリンタ10及びレーザ加工装置30の間に配置されている。前ローラ21は、サーボモータ21bに機械的に接続され、サーボモータ21bによって駆動される。前ローラ21、サーボアンプ21a、及びサーボモータ21bは、用紙送り駆動部を構成する。
サーボアンプ21aは、前ローラ制御情報(目標値)に対応した量だけ、サーボモータ21bを駆動する制御装置である。サーボアンプ21aは、前ローラ制御情報と、サーボモータ21bからの回転検出情報(フィードバック情報)の差がなくなるようにサーボモータ21bをフィードバック制御することにより、前ローラ制御情報(目標値)に対応した量だけ、サーボモータ21bを回転駆動することができる。
サーボモータ21bは、サーボアンプ21aの制御によって、前ローラ制御情報(目標値)に対応した量だけ、回転するモータである。サーボモータ21bは、回転軸の回転検出部を内部に備えており、その回転検出情報をサーボアンプ21aに出力するようになっている。
これにより、前ローラ21は、前ローラ制御情報(目標値)に対応した量だけ、加工用紙Wを送り方向Xに送ることができる。
なお、加工用紙Wの搬送にサーボモータ21bを用いる理由は、高精度であり、応答性に優れ、また、高負荷の駆動に適しているからである。
後ローラ22は、レーザ加工装置30及び巻き取りローラ3の間に配置されている。前ローラ21は、前ローラ制御情報を基準として、前ローラ21と同じ周速になるように、サーボモータ(図示せず)によって駆動される。
なお、インライン加工システム1は、加工用紙Wの送り動作を安定するために、複数の前ローラ21、複数の後ローラ22を設けてもよい。この場合には、複数の前ローラ21のうち1つを基準として、残りの前ローラ21と、複数の後ローラ22とを駆動すればよい。
レーザ加工装置30は、加工用紙Wに対してレーザ加工を行う装置である。レーザ加工装置30は、例えば、孔開加工、ミシン目加工、マーキング処理、ハーフカット加工、マージナル加工等を行うことができる。レーザ加工装置30は、加工用紙Wにレーザ光Lを、送り方向X及び送り方向Xに直交した方向である奥行方向Y(直交方向)にスキャンする、いわゆるXYスキャナである。
レーザ加工装置30は、レーザ照射部31、照射位置変更部32を備える。
レーザ照射部31は、レーザ光Lを照射する光源であり、レーザ発振素子等である。
照射位置変更部32は、レーザ照射部31からのレーザ光の照射方向を変更する装置である。照射位置変更部32は、ミラー32a、サーボモータ32X,32Yを備える。
ミラー32aは、レーザ照射部31からのレーザ光Lを反射する部材である。ミラー32aは、いわゆるガルバノミラーであり、送り方向Xの軸回り及び奥行方向Yの軸回りに回転可能に支持される。ミラー32aは、回転駆動することによって、レーザ照射部31の加工用紙W上へのレーザ照射位置を、送り方向X及び奥行方向Yに移動する。
サーボモータ32Xは、ミラー32aを、送り方向Xの軸回りに回転駆動するモータである。サーボモータ32Yは、ミラー32aを、奥行方向Yの軸回りに回転駆動するモータである。
サーボモータをミラー32aの駆動に用いる理由は、高精度であり、応答性に優れているからである。
トリガー情報検出部35は、トリガー情報50(後述する)を検出する光学センサである。
トリガー情報検出部35は、レーザ加工装置30の下流側X2に配置されている。
管理装置40は、インライン加工システム1の前ローラ21、レーザ加工装置30等の各ハードウェアを統括的に制御するコンピュータである。
管理装置40は、管理記憶部41、管理制御部42を備える。
管理記憶部41は、管理装置40の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。管理記憶部41は、加工情報記憶部41aを備える。
加工情報記憶部41aは、レーザ加工装置30での加工形状を記憶する記憶領域である。
管理制御部42は、管理装置40を統括的に制御する制御部である。管理制御部42は、例えばCPU等から構成される。管理制御部42は、管理記憶部41に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。管理制御部42は、用紙送り制御部42a、レーザ制御部42bを備える。
用紙送り制御部42aは、前後のローラ21,22、巻き取りローラ3等を回転制御することにより、加工用紙Wの送り制御を行う制御部である。
レーザ制御部42bは、加工情報記憶部41aの加工情報に基づいて、レーザ加工を行う制御部である。
各制御部の処理は、後述する。
次に、インライン加工システム1の加工処理について説明する。
図2は、第1実施形態のインライン加工システム1の加工処理を説明するフローチャートである。
図3は、第1実施形態のレーザ照射動作を説明する図である。
図3(a)は、レーザ照射を開始する状態を説明する図である。
図3(a−1)は、上面図、図3(a−2)は、手前側Y1から見た正面図である。
図3(b)は、図3(a)の状態から、加工用紙Wが下流側X2に移動した状態の上面図である。
最初に、ステップS(以下「S」という)1において、用紙送り制御部42aは、前ローラ制御情報をサーボアンプ21a及びプリンタ10に出力する。サーボアンプ21aは、サーボモータ21bをフィードバック制御して、前ローラ制御情報に応じた量だけ、加工用紙Wを下流側X2に搬送する。
S2において、用紙送り制御部42aは、後ローラ22を、前ローラ制御情報に応じた量だけ回転駆動する。つまり、用紙送り制御部42aは、前ローラ制御情報を基準として、前ローラ21及び後ローラ22が同じ周速で回転するように、後ローラ22を制御する。なお、後ローラ22は、前ローラ21と同様に、サーボアンプによって制御してもよい。
S3において、プリンタ制御部14は、前ローラ制御情報に基づいて、前ローラ制御情報に対応した量だけ、加工用紙Wを下流側X2に送るように、プリンタローラ11を制御する。つまり、プリンタ制御部14は、前ローラ制御情報を基準として、前ローラ21及びプリンタローラ11が同じ周速で回転するように、プリンタローラ11を制御する。
プリンタ制御部14は、例えば、以下の手順によってプリンタローラ11を制御する。
(1)前ローラ制御情報を解析して前ローラ21の周速、つまり、レーザ加工装置30内での用紙送り速度を求める。
(2)求めた用紙送り速度になるように、プリンタローラ11を回転駆動する。
これにより、インライン加工システム1は、前ローラ、後ローラ、プリンタローラ11を同期して制御して、プリンタ10内及びレーザ加工装置30内において、同じ送り速度で加工用紙Wを搬送できる。
なお、S1〜S3の処理は、全ての加工処理が終了するまで行われる。このため、加工用紙Wの送り速度、つまり前ローラ制御情報の制御量は、一定でなくてもよい。インライン加工システム1は、加工用紙Wの送り速度が変化した場合であっても、加工開始から終了まで、プリンタ10内及びレーザ加工装置30内において、同期して加工用紙Wを搬送できるからである。
S4において、プリンタ10は、印刷情報を加工用紙Wに印刷する。
図3に示すように、印刷情報にはトリガー情報50が含まれている。なお、図3には、印刷情報は、簡略してトリガー情報50のみ図示するが、実際には、文字、図形等が含まれている。
S5において、レーザ制御部42bは、トリガー情報検出部35の出力に基づいて、トリガー情報50を検出したか否かを判定する。レーザ制御部42bは、トリガー情報50を検出したと判定した場合には(S5:YES)、S6に進み、一方、検出していないと判定した場合には(S5:NO)、S12に進む。
S6において、図3(a)に示すように、レーザ制御部42bは、トリガー情報50を検出したことに応じて(S5:YES)、レーザ照射部31を制御して、レーザ照射を開始する。
以下、円51を孔開加工する例を説明するが、ミシン目加工等の場合でも、同様に加工できる。
S7において、レーザ制御部42bは、用紙送り制御部42aから出力された前ローラ制御情報(S1参照)に基づいて、用紙送り速度を算出する。算出方法は、前述したプリンタ制御部14と同様である(S3参照)。
S8において、レーザ制御部42bは、S7で算出した用紙送り速度に基づいて、レーザ照射位置の送り方向X及び奥行方向Yのレーザ照射位置の移動速度を演算する。
S9において、レーザ制御部42bは、サーボモータ32X,32Yに出力するための駆動信号を生成する。
図3(a)の場合、レーザ制御部42bのS8,S9の処理は、以下の通りである。
図3(a)は、加工情報の円51の先端から左回りに孔開加工する例であり、加工用紙Wの送り速度(S7で算出)が、下流側X2に送り速度VXw(a)である。
図3(a)に示すように、加工開始直後は、仮に加工用紙Wが停止していたとすると、レーザ照射位置P(a)の接線は、奥行方向Yに平行なので、加工速度は、送り方向Xへの加工速度が0であり、奥側Y2への加工速度VY(a)である。しかし、実際には、加工用紙Wが下流側X2に送り速度VXw(a)で移動する。このため、レーザ照射位置P(a)は、下流側X2へ速度VXw(a)、奥側Y2へ速度VY(a)で移動する必要がある。
そこで、レーザ制御部42bは、レーザ照射位置P(a)が下流側X2にVXw(a)で移動するように演算し(S8)、サーボモータ32Xの駆動信号を算出する(S9)。同様に、レーザ制御部42bは、レーザ照射位置が奥側Y2へ速度VY(a)で移動するように演算し(S8)、サーボモータ32Yの駆動信号を算出する(S9)。
S10において、レーザ制御部42bは、駆動信号を出力する。これにより、照射位置変更部32のサーボモータ32X,32Yが駆動して、レーザ照射位置P(a)が速度VXw(a),VY(a)で移動する。
このように、レーザ制御部42bは、照射位置変更部32を、前ローラ制御情報に対応した量だけレーザ照射位置が送り方向X及び奥行方向Yに変更するように、照射位置変更部32を制御できる。
図3(b)は、図3(a)の状態から、レーザ加工が進行した場合である。なお、加工用紙Wの移動距離は、前ローラ制御情報から用紙送り速度を算出(積分)することにより算出できる。このため、レーザ制御部42bは、送り方向Xにおいて、レーザ照射すべき位置を判定できる。レーザ制御部42bの制御は、図3(a)の場合と同様である。
すなわち、仮に加工用紙Wが停止していたとすると、加工速度は、レーザ照射位置P(b)の接線方向に、加工速度VX(b),VY(b)である。しかし、実際には、加工用紙Wが下流側X2に用紙送り速度VXw(b)で移動する。このため、レーザ制御部42bは、レーザ照射位置P(b)が、下流側X2へ速度(−VX(b)+VXw(b))、手前側Y1へ速度VY(b)で移動するように、駆動信号を算出して出力する。
なお、孔開加工ではなく、ミシン目加工する場合等には、レーザ制御部42bは、加工情報に基づいて、レーザ照射部31のオン、オフを切り替えればよい。
S11において、レーザ制御部42bは、加工情報に基づいて、円51の全周の孔開加工が終了したか否かを判定する。レーザ制御部42bは、全周の孔開加工が終了したと判定した場合には(S11:YES)、S12に進み、一方、全周の孔開加工が終了してないと判定した場合には(S11:NO)、S7からの処理を繰り返す。
S12において、管理制御部42は、例えば、電源がオフにされたか否か等を判断することによって、加工終了するか否かを判定する。管理制御部42は、加工を終了すると判定した場合には(S12:YES)、S13に進み、一方、加工を継続すると判定した場合には(S12:NO)、S1からの処理を繰り返す。
なお、繰り返されるS1からの処理では、管理制御部42は、新たにトリガー情報50を検出した場合には、次の孔開加工を開始する。これによって、インライン加工システム1は、複数の孔開加工を繰り返し行うことができる。
また、インライン加工システム1は、帳票等を作製する場合に、宛先毎に異なる印刷内容や枚数(ページ数)を加工用紙Wに印刷しておいてもよい。この場合、孔開加工等を行う枚目に対応したトリガー情報50を有する印刷情報を作成しておき、加工用紙Wに印刷すれば、インライン加工システム1は、宛先毎に異なる枚目に孔開加工等を行うことができる。
S13おいて、管理制御部42は、加工終了情報をプリンタ10に出力した後に、一連の処理を終了する(S14)。
S15において、プリンタ制御部14は、加工終了情報を受信したか否かを判定する。プリンタ制御部14は、加工終了情報を受信したと判定した場合には(S15:YES)、S16に進んで一連の処理を終了し、一方、加工終了情報を受信していないと判定した場合には(S15:NO)、S3からの処理を繰り返す。
以上説明したように、第1実施形態のインライン加工システム1は、加工用紙Wの送り量を検出する検出部を設けることなく、レーザ照射位置を制御できる。また、加工用紙Wを送りながらレーザ加工できるので、加工用紙Wを滞留させるバッファ機構が不要である。これにより、装置を簡単でき、かつ、制御が簡単である。
また、インライン加工システム1は、トリガー情報50をレーザ照射の開始のきっかけに利用できるので、帳票等を作成する場合に、宛先毎に異なる加工を行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図4は、第2実施形態の加工システム201の構成を説明する図である。
加工システム201は、第1実施形態のインライン加工システム1から、プリンタ10、トリガー情報検出部35を取り除いた構成である。
加工情報記憶部241aには、孔開加工、ミシン目形状等の加工形状の情報に加えて、加工位置の情報が記憶されている。加工位置の情報は、例えば、孔開加工等を行う間隔等の情報である。つまり、加工システム201は、所定間隔毎に、孔開加工等を行うものである。
管理装置240の用紙送り制御部242aは、加工用紙Wの送り量を、前ローラ制御情報に基づいて演算(積分)して求めることができるので、この所定間隔分だけ搬送したか否かを判定できる。このため、用紙送り制御部242aが所定間隔分だけ搬送したと判定した場合に、レーザ制御部242bは、孔開加工等のレーザ加工を開始すればよい。
孔開加工等の処理は、第1実施形態のS6〜S11と同様である。
以上説明したように、第2実施形態の加工システム201は、より簡単な構成で、レーザ加工を行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図5は、第3実施形態のインライン加工システム301の構成を説明する図である。
第3実施形態のインライン加工システム301は、第1実施形態と比較すると、以下の点が異なる。
・レーザ加工装置330自体が、加工情報記憶部341a、レーザ制御部342bを備える。つまり、レーザ加工装置330自体が、レーザ照射部31、照射位置変更部32を制御するようになっている。
・管理制御部340は、前ローラ制御情報を、プリンタ10に加えて、レーザ加工装置330に出力する。また、管理制御部340は、トリガー情報検出部35からのトリガー読み取り情報を、レーザ加工装置330に出力する。
上記構成により、管理制御部340は、主に加工用紙Wの送り制御を行う。また、レーザ加工装置330は、第1実施形態の図2のS6〜S11の加工処理と同様に、以下の処理を行う。
(1)レーザ制御部342bは、管理制御部340からのトリガー読み取り情報に基づいて、レーザ照射部31のレーザ照射のオン、オフを切り替える(図2のS6参照)。
(2)レーザ制御部342bは、管理制御部340からの前ローラ制御情報に基づいて、加工用紙Wの送り速度を算出する(図2のS7参照)。
(3)レーザ制御部342bは、算出した加工用紙Wの送り速度、加工情報記憶部341aの加工情報に基づいて、レーザ照射位置の移動速度を演算する(図2のS8参照)。
(4)レーザ制御部342bは、演算したレーザ照射位置の移動速度に基づいて、照射位置変更部32のサーボモータ32X,32Yの駆動信号を生成する(図2のS9参照)。
(5)レーザ制御部342bは、生成した駆動信号をサーボモータ32X,32Yに出力して、サーボモータ32X,32Yを駆動して、レーザ照射位置を移動する(図2のS10参照)。
(6)レーザ制御部342bは、加工情報記憶部341aの加工情報に基づいて、レーザ加工が終了したか否かを判定する(図2のS11)。
以上説明したように、本実施形態のインライン加工システム301は、レーザ加工装置330自体に加工情報記憶部341a、レーザ制御部342bを備えることにより、第1実施形態と同様に加工処理を行うことができる。また、汎用のレーザ加工装置をシステムに利用できるので、システム構築が容易である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできる。例えば、第2実施形態において、第3実施形態と同様に、レーザ加工装置自体に、加工情報記憶部、レーザ制御部等を設けてもよい。
(変形形態)
(1)実施形態において、前ローラ、ミラーは、サーボモータにより駆動する例を示したが、これに限定されない。例えば、前ローラ等は、ステッピングモータによって、駆動してもよい。この場合でも、ステッピングモータは、制御情報に対応した量だけ回転駆動するので、実施形態と同様に制御できる。
(2)実施形態において、照射位置変更部は、ミラーを駆動するためにサーボモータを備える例を示したが、これに限定されない。例えば、照射位置変更部は、ステッピングモータを備えていてもよい。
(3)実施形態において、レーザ制御部は、トリガー情報の検出に応じてレーザ照射を開始する例を示したが、これに限定されない。例えば、トリガー検出部をレーザ照射部よりも上流側に配置して、レーザ制御部が、トリガー情報を検出後、さらに前ローラ制御情報の所定パルスをカウント後にレーザ照射してもよい。これにより、トリガー検出部の配置の自由度を向上でき、システムの設計の自由度を向上できる。
1,301 インライン加工システム
10 プリンタ
21 前ローラ
21a サーボアンプ
21b サーボモータ
30,330 レーザ加工装置
31 レーザ照射部
32 照射位置変更部
32X,32Y サーボモータ
35 トリガー情報検出部
40,240,340 管理装置
41 管理記憶部
41a,241a,341a 加工情報記憶部
42,342 管理制御部
42a,242a 用紙送り制御部
42b,242b,342b レーザ制御部
201 加工システム
W 加工用紙

Claims (6)

  1. 制御情報に対応した量だけ、加工用紙を送り方向に送る用紙送り駆動部と、
    記加工用紙にレーザ光を照射するレーザ照射部と、
    前記レーザ照射部からのレーザ照射方向を変更することにより、前記レーザ照射部の前記加工用紙上へのレーザ照射位置を、前記送り方向及び前記送り方向に直交する直交方向に移動する照射位置変更部と、
    前記加工用紙に印刷する印刷装置と、
    制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記制御情報を前記用紙送り駆動部に対して出力するとともに、前記制御情報を前記レーザ照射部に対して出力し、
    前記照射位置変更部を、前記レーザ照射位置が前記制御情報に対応した量だけ前記送り方向及び前記直交方向に移動するように制御し、
    前記印刷装置の送り駆動部である印刷装置送り駆動部を、前記制御情報に対応した量だけ前記加工用紙を前記送り方向に送るように制御することにより、前記制御情報に応じて前記用紙送り駆動部の用紙送り速度が変化した場合に、前記用紙送り駆動部の用紙送り速度と、前記印刷装置送り駆動部の用紙送り速度とを同じにすること、
    を特徴とするレーザ加工システム。
  2. 請求項1に記載のレーザ加工システムにおいて、
    前記照射位置変更部は、
    前記レーザ照射部からのレーザ光を反射するミラーと、
    前記ミラーを前記送り方向の軸回り及び前記直交方向の軸回りに回転駆動させることにより、前記レーザ照射位置を移動するミラー駆動部とを備えること、
    を特徴とするレーザ加工システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のレーザ加工システムにおいて、
    前記印刷装置は、レーザ照射のトリガー情報を前記加工用紙に印刷し、
    前記トリガー情報を検出するトリガー情報検出部を備え、
    前記制御部は、前記トリガー情報検出部の出力に基づいて、前記レーザ照射部のレーザ照射を開始すること、
    を特徴とするレーザ加工システム。
  4. 請求項2に記載のレーザ加工システムにおいて、
    前記用紙送り駆動部は、前記制御情報に対応した量だけ回転駆動するサーボモータを備え、
    前記照射位置変更部は、前記ミラーを前記送り方向の軸回り及び前記直交方向の軸回りに回転させるサーボモータ又はステッピングモータを備え、
    前記制御部は、前記用紙送り駆動部の前記サーボモータの前記制御情報を、前記照射位置変更部の前記サーボモータ又はステッピングモータに対応し、かつ、前記加工用紙の送り量に対応した駆動信号に変換して、前記照射位置変更部に出力すること、
    を特徴とするレーザ加工システム。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレーザ加工システムにおいて、
    前記用紙送り駆動部は、前記制御情報に対応した量だけ回転駆動するサーボモータ又はステッピングモータを備えること、
    を特徴とするレーザ加工システム。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のレーザ加工システムを用いたレーザ加工方法であって、
    前記制御情報を用紙送り駆動部に対して出力するとともに、前記制御情報を前記加工用紙にレーザ光を照射するレーザ照射部に対して出力する送り制御工程を備えること、
    を特徴とするレーザ加工方法。
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