以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としての複数の複合機をネットワークを介して接続した画像形成システムについて説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態における画像形成システムを示す図である。
図において、MFPi(i=1、2、…)は複合機、PCj(j=1、2、…)は上位装置としてのホストコンピュータ、10は前記複合機MFPiとホストコンピュータPCjとを接続する有線又は無線の通信回線を表すネットワークである。
前記各複合機MFPiは、印刷、複写、スキャン、ファクシミリ通信、スキャントゥサーバ等の各機能を有し、印刷の機能が選択されると、ホストコンピュータPCjから送信された印刷データに基づいて媒体としての図示されない用紙に対して印刷を行い、複写の機能が選択されると、原稿の画像を読み取り、読み取られた画像のデータ、すなわち、画像データ(読取データ)に基づいて用紙に原稿の画像を形成し、スキャンの機能が選択されると、原稿の画像を読み取り、画像データをホストコンピュータPCjのメモリに記録したり、メールで他のコンピュータ、複合機等に送信したりし、ファクシミリ通信の機能が選択されると、原稿の画像を読み取り、画像データを他のファクシミリ、複合機等に送信し、スキャントゥサーバの機能が選択されると、原稿の画像を読み取り、画像データをサーバに送信する。
次に、前記複合機MFPiの制御装置について説明する。この場合、各複合機MFPiのうちの複合機MFP1について説明する。また、各複合機MFPiのうちの複合機MFP1以外の他の複合機をMFPk(k=2、3、…)とする。
図1は本発明の第1の実施の形態における複合機の制御ブロック図である。
図において、20は複合機MFP1の全体の制御を行う制御部であり、該制御部20に、コマンド解析処理手段としてのコマンド解析部21、モード管理処理手段としてのモード管理部22、記憶装置23、表示処理手段としての、かつ、操作処理手段としての表示・操作部24、スキャン制御処理手段としてのスキャン制御部26、印刷処理手段としての、かつ、画像処理手段としての画像処理部28、及び送受信処理手段としての送受信部30が接続される。そして、前記表示・操作部24に表示部としての、かつ、操作部としての表示・操作デバイス25が接続され、前記スキャン制御部26に読取装置としての、かつ、スキャナ部としての読取デバイス27が接続され、前記画像処理部28に印刷機構としての、かつ、プリンタ部としての印刷デバイス29が接続され、前記送受信部30に送信部としての、かつ、受信部としての外部通信インタフェース31(外部通信デバイス)が接続される。
前記コマンド解析部21は、コマンド解析処理を行い、他の複合機MFPk、ホストコンピュータPCj等から送信され、送受信部30がネットワーク10及び外部通信インタフェース31を介して受信したデータ、すなわち、受信データに含まれるコマンドを読み込んで解析し、受信データが、複合機MFP1の操作者であるユーザによる処理要求であるか、又は所定の制御プログラムを更新するための更新用のデータ、すなわち、更新データであるかを判断し、記憶装置23の図示されない受信データ記録領域に受信データを記録する。なお、ユーザによる処理要求には、読取デバイス27による原稿の画像の読取指示、印刷デバイス29による印刷指示等が含まれる。
そして、前記制御部20は、受信データに基づいて、前記表示・操作デバイス25、読取デバイス27、印刷デバイス29及び外部通信インタフェース31のうちの所定のデバイスを組み合わせて動作させ、所定の機能を実行する。
また、前記モード管理部22は、モード管理処理を行い、複合機MFP1の稼働状況等を管理するとともに、前記ユーザによる処理要求に基づいて、複合機MFP1において、原稿の画像の読取り、印刷等の通常のジョブ(処理)を実行することができるかどうかを規定する動作モードを管理する。
そして、前記記憶装置23は、RAM、ROM等から成り、複合機MFP1において各機能を実行するための制御プログラム、データ等を記録したり、受信データを一時的に記録したりするために配設される。
また、前記表示・操作部24は、表示処理としての、かつ、操作処理としての表示・操作処理を行い、ユーザによる処理要求を受けるほかに、ユーザが表示・操作デバイス25を操作して入力した複合機MFP1の各種の設定値を受けたり、該各種の設定値を表示・操作デバイス25の図示されない画面に表示したり、複合機MFP1の状態、稼働状況等を前記画面に表示したりする。
そして、前記スキャン制御部26は、スキャン制御を行い、読取デバイス27を動作させて原稿の画像を読み取り、読み取られた画像データを読み込む。
また、前記画像処理部28は、印刷処理としての画像処理を行い、ホストコンピュータPCjから印刷データが送信されたときに、印刷デバイス29を動作させて、印刷データに基づいて印刷を行う。
前記印刷デバイス29としては、現像剤としてのトナーの種類に応じて、単色、カラー等の印刷機構を使用したり、印刷方式に応じて、インクジェット式、電子写真式等の印刷機構を使用したりすることができる。
例えば、カラーの電子写真式の印刷機構においては、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの4色のトナーを使用して画像が形成され、そのために、前記印刷デバイス29は、各色の画像形成ユニット、各色の露光装置としてのLEDヘッド、転写装置としての転写ユニット、定着装置としての定着器等を備える。そして、前記画像形成ユニットは、像担持体としての感光体ドラム、帯電装置としての帯電ローラ、現像剤担持体としての現像ローラ、現像剤層規制部材としての現像ブレード、現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ、クリーニング部材としてのクリーニングブレード、トナーが収容された現像剤収容室としてのトナーカートリッジ等を備える。
前記印刷デバイス29によって印刷を行う場合、各画像形成ユニットにおいて、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面がLEDヘッドによって露光されて、潜像としての静電潜像が形成される。また、前記トナーカートリッジから画像形成ユニットの本体、すなわち、画像形成ユニット本体内に供給されたトナーがトナー供給ローラによって現像ローラに供給され、現像ブレードによって現像ローラ上のトナーが薄層化される。そして、前記現像ローラ上のトナーが、感光体ドラム上の静電潜像に付着させられ、該静電潜像が現像されて感光体ドラム上にトナー像が形成される。該各色のトナー像が、転写ユニットの転写ローラによって用紙に順次転写されてカラーのトナー像になり、定着器において用紙に定着させられて、カラーの画像が形成される。
また、前記送受信部30は、送受信処理を行い、ホストコンピュータPCjから送信された各種のコマンド、データ等を受信したり、他の複合機MFPkに対して各種のコマンド、データ等を送信したり、他の複合機MFPkからコマンド、データ等を受信したりする。
次に、複合機MFP1における前記各デバイスを動作させるための制御プログラムについて説明する。
図3は本発明の第1の実施の形態における複合機の制御プログラムを示す図である。
前記表示・操作部24、スキャン制御部26、画像処理部28、送受信部30等のデバイス処理部は、それぞれ、処理モジュールを構成する複数の制御プログラムを備え、各制御プログラムを実行することによって、前記各デバイスを動作させる。
表示・操作デバイス25を動作させるための表示・操作関連の制御プログラムは、表示処理プログラム41、入力処理プログラム42等から成り、読取デバイス27を動作させるためのスキャン関連の制御プログラムは、スキャナ制御プログラム43等から成り、印刷デバイス29を動作させるための印刷関連の制御プログラムは、画像処理プログラム44、印刷制御プログラム45、PDL処理プログラム46等から成り、外部通信インタフェース31を動作させるための外部通信関連の制御プログラムは、USB I/F制御プログラム47、ネットワーク制御プログラム48、ファクシミリ制御プログラム49等から成る。
ところで、複合機MFP1においては、前記各デバイスを動作させることによって各機能が実行されるようになっているので、各機能を改善したり、各機能で発生した問題を解決したりするために、メンテナンス作業が行われ、前記制御プログラムが更新される。
すなわち、各複合機MFPiの管理者又は複合機のメーカの保守員が、例えば、ホストコンピュータPCjのうちのホストコンピュータPC1を使用し、ホストコンピュータPC1から各複合機MFPiに更新データを送信すると、各複合機MFPiにおいて制御プログラムが更新される。
ところが、本実施の形態においては、複数の複合機MFPiがネットワーク10を介して接続されているので、管理者又は保守員が各複合機MFPiの稼働状況等を把握するのは困難であり、各複合機MFPiにおいて制御プログラムを更新するに当たり、例えば、所定の複合機において所定の機能が選択されて処理が行われていたり、所定の複合機においてメンテナンス作業を行う時間に制約があったりすると、各複合機MFPiについて同時にメンテナンス作業を行うのが困難になってしまう。
そこで、本実施の形態においては、複数の複合機MFPiにおいて制御プログラムを更新するに当たり、メンテナンス作業を容易に行うことができるように、モード管理部22によって各複合機MFPiの動作モードが管理され、管理された動作モードに基づいて制御プログラムが更新されるようになっている。
図4は本発明の第1の実施の形態における制御部及びモード管理部の詳細図、図5は本発明の第1の実施の形態における複合機の動作モードの遷移を示す図である。
本実施の形態においては、前記モード管理部22のモード設定処理手段Pb1によって、モード設定処理が行われ、複合機MFPiの稼働状況に応じて、複合機MFP1に動作モード、本実施の形態においては、第1の装置モードとしての通常モード、第2の装置モードとしてのロックモード、又は第3の装置モードとしてのメンテナンスモードが設定される。そして、前記モード設定処理手段Pb1は、動作モードを、通常モードとロックモードとの間、及び通常モードとメンテナンスモードとの間で遷移させる。
通常モードにおいては、各複合機MFPiにおける、印刷ジョブ等の通常のジョブの実行及び制御プログラムの更新が可能にされ、ロックモードにおいては、各複合機MFPiにおける、通常のジョブの実行が可能にされ、制御プログラムの更新が禁止(ロック)され、メンテナンスモードにおいては、各複合機MFPiにおける、通常のジョブの実行が不可能にされ、制御プログラムの更新が行われる。
ところで、複合機MFPiのうちの所定の複合機、例えば、複合機MFP1に更新データが送信され、複合機MFP1において制御プログラムの更新が行われている間に、通常のジョブが送信されることがあるが、複合機MFP1において通常のジョブを実行することができない場合、ユーザはジョブが実行されるのを待機するか、又はジョブを他の複合機に送信しなければならない。
そこで、本実施の形態においては、他の複合機MFPkのうちの所定の複数の複合機が、複合機MFP1の周辺装置としてあらかじめ設定され、複合機MFP1において制御プログラムの更新が行われている間に通常のジョブが送信された場合に、各周辺装置のうちの所定の周辺装置に前記通常のジョブが転送され、前記所定の周辺装置において通常のジョブが実行されるようになっている。
なお、この場合、各複合機MFPiのうちの、複合機MFP1とIPアドレスが末尾だけ異なる複合機MFPkが周辺装置として設定される。そして、複合機MFP1の記憶装置23には、複合機MFPkのうちの所定の複合機を周辺装置として識別するための管理テーブルが配設され、該管理テーブルに、周辺装置として設定された複合機の識別情報として、IPアドレス(又はMACアドレス)が記録される。
次に、前記構成の画像形成システムの動作について説明する。
図6は本発明の第1の実施の形態における複合機の動作を示す第1のフローチャート、図7は本発明の第1の実施の形態における複合機の動作を示す第2のフローチャート、図8は本発明の第1の実施の形態における周辺装置の動作を示すフローチャート、図9は本発明の第1の実施の形態における画像形成システムのシーケンス図である。
まず、図6、7及び9に基づいて、複合機MFP1の動作について説明する。
複合機MFP1において、送受信部30がデータを受信すると、コマンド解析部21は、受信データに含まれるコマンドを読み出して解析し、記憶装置23の前記受信データ記録領域に受信データを記録する。
続いて、制御部20の状態判断処理手段Pa1は、状態判断処理を行い、複合機MFP1が待機状態であるかどうかを、表示・操作デバイス25、読取デバイス27、印刷デバイス29及び外部通信インタフェース31のいずれのデバイスにおいても、ユーザによる処理要求に基づく処理が行われていないかどうかによって判断する。
いずれのデバイスにおいてもユーザによる処理要求に基づく処理が行われておらず、複合機MFP1が待機状態である場合、前記モード管理部22のモード判断処理手段Pb2は、モード判断処理を行い、複合機MFP1に通常モードが設定されているかどうかを判断する。複合機MFP1に通常モードが設定されている場合、前記制御部20の受信データ判断処理手段Pa2は、受信データ判断処理を行い、前記コマンド解析部21によるコマンドの解析結果を読み込み、受信データが、ユーザによる処理要求であるか、又は更新データであるかを判断する。
受信データが更新データではなく、ユーザによる処理要求である場合、前記制御部20の受信データ処理手段Pa3は、受信データ処理を行い、前記受信データ記録領域から受信データを読み出し、該受信データに基づいて、読取デバイス27による原稿の画像の読取り、印刷デバイス29による印刷等の通常のジョブを実行し、処理結果を表示・操作部24に出力し、表示・操作デバイス25の画面に表示する。
また、受信データが更新データである場合、前記制御部20の代替処理部探索処理手段としての代替装置探索処理手段Pa4は、代替処理部探索処理としての代替装置探索処理を行い、前記管理テーブルを参照し、IPアドレスに基づいて周辺装置を読み出し、各周辺装置のうちの通常モードが設定されている周辺装置を探索し、通常モードが設定されている周辺装置が存在すると、該周辺装置のうちの任意の一つを複合機MFP1に対する代替処理を行う代替処理部としての代替装置として設定する。
そのために、前記代替装置探索処理手段Pa4は、各周辺装置に、各周辺装置の状態、すなわち、ロックモードを設定することができるかどうかを問い合わせるコマンド、すなわち、ロック可否問合せコマンドを送信し、周辺装置からロックモードを設定したことを通知する応答、すなわち、ロックモード設定応答を受信した場合に、ロックモード設定応答を送信した周辺装置を通常モードが設定されている周辺装置とし、周辺装置からロックモードを設定することができないことを通知する応答、すなわち、ロック不可応答を受信した場合に、ロック不可応答を送信した周辺装置を通常モードが設定されていない周辺装置とする。この場合、図9に示されるように、複合機MFP1は、メンテナンスモードが設定されている周辺装置Aからロック不可応答を受信し、通常モードが設定されている周辺装置Bからロックモード設定応答を受信する。
次に、前記制御部20の代替処理部情報記録処理手段としての代替装置情報記録処理手段Pa5は、代替処理部情報記録処理としての代替装置情報記録処理を行い、前記代替装置探索処理において代替装置が探索されたかどうかを判断し、代替装置が探索された場合、該代替装置を特定するための代替処理部情報としての代替装置情報として、代替装置のIPアドレスを記憶装置23の代替処理部情報領域としての図示されない代替装置情報領域に記録し、前記モード設定処理手段Pb1は、複合機MFP1にメンテナンスモードを設定する。
続いて、前記制御部20の制御プログラム更新処理手段Pa6は、制御プログラム更新処理を行い、前記受信データ記録領域から受信データである更新データを読み出し、該更新データに基づいて制御プログラムを更新する。
次に、前記制御部20の更新終了判断処理手段Pa7は、更新終了判断処理を行い、複合機MFP1において制御プログラムの更新が終了したかどうかを判断し、制御プログラムの更新が終了すると、前記モード管理部22のモード設定解除指示処理手段Pb3は、モード設定解除指示処理を行い、代替装置にモード設定解除コマンドを送信し、複合機MFP1が代替装置に送信したロック可否問合せコマンドに基づくロックモードの設定を解除するように指示する。
そして、複合機MFP1に代替装置からロックモードの設定を解除したことを通知する応答、すなわち、モード設定解除応答が送信されると、前記制御部20の代替装置情報消去処理手段Pa8は、代替装置情報消去処理を行い、代替装置のIPアドレスを前記代替装置情報領域から消去し、前記モード設定処理手段Pb1は、複合機MFP1に通常モードを設定する。なお、複合機MFP1においては通常モードが設定されるが、代替装置においては、他の複合機MFPkに対する代替装置とされていることがあるので、ロックモードの設定が解除されても、通常モードが設定されるとは限らない。
また、複合機MFP1において、制御プログラム更新処理が終了しておらず、制御プログラムの更新が行われている場合、制御部20の転送処理手段Pa9は、転送処理を行い、所定のホストコンピュータ、例えば、ホストコンピュータPC1から送信されたユーザによる処理要求及びデータ、例えば、印刷デバイス29による印刷指示及び印刷データを受信したかどうかを判断し、ユーザによる処理要求及びデータを受信した場合、前記代替装置情報領域から代替装置のIPアドレスを読み出し、代替装置に前記処理要求及びデータを転送する。
次に、図8及び9に基づいて、複合機MFP1において制御プログラムを更新するときの周辺装置の動作について説明する。
この場合、前記各動作モードを管理するために、各周辺装置ごとに、モード管理情報としてロックカウントLCが設定され、通常モードにおいてロックカウントLCが0に、ロックモードにおいてロックカウントLCが1以上にされる。
まず、周辺装置において、送受信部30がコマンドを受信すると、コマンド解析部21は、コマンドを読み込んで解析し、コマンドが前記ロック可否問合せコマンドであるかどうかを判断する。コマンドがロック可否問合せコマンドである場合、モード管理部22の前記モード判断処理手段Pb2は、周辺装置に通常モードが設定されているかどうかを、ロックカウントLCが0であるかどうによって判断する。なお、前記ロック可否問合せコマンドは、周辺装置にロックモードを設定するように指示するためのロック指示でもある。
ロックカウントLCが0であり、周辺装置に通常モードが設定されている場合、前記モード設定処理手段Pb1は周辺装置にロックモードを設定し、前記モード管理部22のモード管理情報設定処理手段Pb4は、モード管理情報設定処理を行い、ロックカウントLCをインクリメント(LC←LC+1)して1にし、送受信部30は前記ロックモード設定応答を複合機MFP1に送信する。この場合、図9に示されるように、通常モードが設定されている周辺装置Bからロックモード設定応答が複合機MFP1に送信される。このとき、前記モード管理情報設定処理手段Pb4は、複合機MFP1がロック可否問合せコマンドを送信したことを通知する問合せ元情報として、複合機MFP1のIPアドレスを記憶装置23の図示されない問合せ元情報記録領域に記録する。
また、周辺装置に通常モードが設定されていない場合、前記モード判断処理手段Pb2は、周辺装置に既にロックモードが設定されているかどうかを判断する。なお、他の周辺装置から既にロック可否問合せコマンドが送信されている場合は、既にロックモードが設定されていることになる。
そして、既にロックモードが設定されている場合、前記モード管理情報設定処理手段Pb4は、ロックカウントLCをインクリメント(LC←LC+1)し、送受信部30はロックモード設定応答を複合機MFP1に送信する。
このように、周辺装置にロックモードが設定されているときに、前述されたように、複合機MFP1からユーザによる処理要求及びデータが転送されると、周辺装置は、代替装置として複合機MFP1の代わりにユーザによる処理要求に基づく処理を行う。
そして、周辺装置にロックモードが設定されていない場合、すなわち、メンテナンスモードが設定されている場合、前記送受信部30は前記ロック不可応答を複合機MFP1に送信する。この場合、図9に示されるように、メンテナンスモードが設定されている周辺装置Aからロック不可応答が複合機MFP1に送信される。
また、前記送受信部30が受信したコマンドがロック可否問合せコマンドではない場合、すなわち、複合機MFP1が周辺装置に送信したモード設定解除コマンドである場合、モード管理部22のモード設定解除処理手段Pb5は、モード設定解除処理を行い、複合機MFP1が周辺装置に送信したロック可否問合せコマンドに基づくロックモードの設定を解除する。
続いて、前記モード管理情報設定処理手段Pb4は、ロックカウントLCをデクリメント(LC←LC−1)し、前記モード設定処理手段Pb1は、ロックカウントLCが0であるかどうかを判断し、ロックカウントLCが0である場合、周辺装置に通常モードを設定する。このとき、前記モード管理情報設定処理手段Pb4は、複合機MFP1のIPアドレスを前記問合せ元情報記録領域から消去する。
そして、ロックカウントLCのデクリメント又は通常モードの設定が終了すると、前記送受信部30は、モード設定解除コマンドを受信したことを通知する応答、すなわち、コマンド受信応答を複合機MFP1に送信する。
なお、ロックカウントLCが0である場合は、周辺装置に通常モードが設定されるが、周辺装置に、他の周辺装置から送信されたロック可否問合せコマンドによってロックモード設定されている場合は、ロックカウントLCをデクリメントしても、ロックカウントLCは0にならない。その場合、周辺装置にロックモードが設定されたままになる。
このように、本実施の形態においては、複合機MFP1において制御プログラムの更新が行われている間に、ユーザによる処理要求及びデータが送信されても、ネットワーク10を介して接続された周辺装置に前記処理要求及びデータが転送され、代替処理が行われるので、複数の複合機MFPiがネットワーク10を介して接続された画像形成システムにおいて、各複合機MFPiに対して更新データを送信するだけで、各複合機MFPiにおいて制御プログラムを更新することができる。したがって、複数の複合機MFPiにおけるメンテナンス作業を同時に、かつ、容易に行うことができる。
次に、図6及び7のフローチャートについて説明する。
ステップS1 送受信部30はデータを受信する。
ステップS2 コマンド解析部21はコマンドを解析する。
ステップS3 コマンド解析部21は記憶装置23の受信データ記録領域に受信データを記録する。
ステップS4 状態判断処理手段Pa1は複合機MFP1が待機状態であるかどうかを判断する。複合機MFP1が待機状態である場合はステップS5に進む。
ステップS5 モード判断処理手段Pb2は複合機MFP1に通常モードが設定されているかどうかを判断する。複合機MFP1に通常モードが設定されている場合はステップS6に進み、複合機MFP1に通常モードが設定されていない場合はステップS4に戻る。
ステップS6 受信データ判断処理手段Pa2は受信データが更新データであるかどうかを判断する。受信データが更新データである場合はステップS9に、受信データが更新データでない場合はステップS7に進む。
ステップS7 受信データ処理手段Pa3は受信データ処理を行う。
ステップS8 受信データ処理手段Pa3は処理結果を出力し、処理を終了する。
ステップS9 代替装置探索処理手段Pa4は代替装置探索処理を行う。
ステップS10 代替装置情報記録処理手段Pa5は代替装置が探索されたかどうかを判断する。代替装置が探索された場合はステップS11に進み、代替装置が探索されない場合はステップS4に戻る。
ステップS11 代替装置情報記録処理手段Pa5は記憶装置23の代替装置情報領域に代替装置情報を記録する。
ステップS12 モード設定処理手段Pb1は複合機MFP1にメンテナンスモードを設定する。
ステップS13 制御プログラム更新処理手段Pa6は制御プログラム更新処理を行う。
ステップS14 更新終了判断処理手段Pa7は制御プログラムの更新が終了したかどうかを判断する。制御プログラムの更新が終了した場合はステップS15に、制御プログラムの更新が終了していない場合はステップS17に進む。
ステップS15 モード設定解除指示処理手段Pb3はモード設定解除指示処理を行う。
ステップS16 代替装置情報消去処理手段Pa8は代替装置情報を消去し、モード設定処理手段Pb1は複合機MFP1に通常モードを設定し、処理を終了する。
ステップS17 転送処理手段Pa9はユーザによる処理要求及びデータを受信したかどうかを判断する。ユーザによる処理要求及びデータを受信した場合はステップS18に進み、処理要求及びデータを受信していない場合はステップS13に戻る。
ステップS18 転送処理手段Pa9はユーザによる処理要求及びデータを代替装置に転送し、ステップS13に戻る。
次に、図8のフローチャートについて説明する。
ステップS21 送受信部30はコマンドを受信する。
ステップS22 コマンド解析部21はコマンドがロック可否問合せコマンドであるかどうかを判断する。コマンドがロック可否問合せコマンドである場合はステップS23に、コマンドがロック可否問合せコマンドでない場合はステップS29に進む。
ステップS23 モード判断処理手段Pb2は周辺装置に通常モードが設定されているかどうかを判断する。周辺装置に通常モードが設定されている場合はステップS24に、周辺装置に通常モードが設定されていない場合はステップS27に進む。
ステップS24 モード設定処理手段Pb1は周辺装置にロックモードを設定する。
ステップS25 モード管理情報設定処理手段Pb4はロックカウントLCに1を加算する。
ステップS26 送受信部30はロックモード設定応答を複合機MFP1に送信し、処理を終了する。
ステップS27 モード判断処理手段Pb2は周辺装置にロックモードが設定されているかどうかを判断する。周辺装置にロックモードが設定されている場合はステップS25に、周辺装置にロックモードが設定されていない場合はステップS28に進む。
ステップS28 送受信部30はロック不可応答を複合機MFP1に送信し、処理を終了する。
ステップS29 モード設定解除処理手段Pb5はロックモードの設定を解除する。
ステップS30 モード管理情報設定処理手段Pb4はロックカウントLCから1を減算する。
ステップS31 モード設定処理手段Pb1はロックカウントLCが0であるかどうかを判断する。ロックカウントLCが0である場合はステップS32に、ロックカウントLCが0でない場合はステップS33に進む。
ステップS32 モード設定処理手段Pb1は周辺装置に通常モードを設定する。
ステップS33 送受信部30はコマンド受信応答を複合機MFP1に送信し、処理を終了する。
ところで、前述されたように、各複合機MFPiにおいて、表示・操作部24、スキャン制御部26、画像処理部28、送受信部30等のデバイス処理部は、それぞれ、処理モジュールを構成する複数の制御プログラムから成り、制御プログラムを実行し、表示・操作デバイス25、読取デバイス27、印刷デバイス29、外部通信インタフェース31等の各デバイスを動作させることによって複合機MFPiの機能を実行するようになっている。
したがって、一部の制御プログラムを変更したり、新たに制御プログラムを追加したりするために制御プログラムの更新を行う場合には、必ずしもすべてのデバイスの動作を停止させる必要はなく、制御プログラムの更新に関与しないデバイスを動作させることによって、所定の機能を利用することができる。
ところが、本実施の形態においては、所定の複合機MFP1において制御プログラムの更新を行う場合、複合機MFP1にメンテナンスモードが設定されるので、すべての機能を利用することができなくなってしまう。
そこで、複合機MFPiの各機能を実行するに当たり、各デバイスを動作させるための制御プログラム、各デバイスの調整を行うためのデータ等のリソースごとに制御プログラムを更新することができるようにし、所定の機能を実行するためのリソースにおいて制御プログラムの更新が行われていても、他の機能を実行することができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図10は本発明の第2の実施の形態における複合機の制御ブロック図、図11は本発明の第2の実施の形態における制御部及びモード管理部の詳細図、図12は本発明の第2の実施の形態におけるリソース管理テーブルの例を示す図である。
図10において、22はモード管理処理手段としてのモード管理部であり、該モード管理部22は、画像形成装置としての複合機MFPiの稼働状況及びリソースの状態を管理するとともに、ユーザによる処理要求に基づいて、原稿の画像の読取り、印刷等の通常のジョブ(処理)を実行することができるかどうかを規定する動作モードを管理する。
そのために、モード管理部22の前記モード設定処理手段Pb1は、複合機MFPiの稼働状況に応じて、複合機用の動作モード、すなわち、第1の装置モードとしての通常モード、第2の装置モードとしてのロックモード、又は第3の装置モードとしてのメンテナンスモードを設定する。
また、前記モード設定処理手段Pb1は、各リソースの状態に応じて、リソース用の動作モード、すなわち、第1のリソースモードとしての通常モード、第2のリソースモードとしてのロックモード、又は第3のリソースモードとしてのメンテナンスモードを設定する。
前記複合機用の動作モードの場合、通常モードにおいては、各複合機MFPiにおける通常のジョブの実行及び制御プログラムの更新が可能にされ、ロックモードにおいては、各複合機MFPiにおける、通常のジョブの実行が可能にされ、制御プログラムの更新が禁止され、メンテナンスモードにおいては、各複合機MFPiにおける、通常のジョブの実行が不可能にされ、制御プログラムの更新が行われる。
また、前記リソース用の動作モードの場合、通常モードにおいては、各リソースにおける通常のジョブの実行及び制御プログラムの更新が可能にされ、ロックモードにおいては、各リソースにおける、通常のジョブの実行が可能にされ、制御プログラムの更新が禁止され、メンテナンスモードにおいては、各リソースにおける、通常のジョブの実行が不可能にされ、制御プログラムの更新が行われる。
そして、32はリソース管理処理手段としてのリソース管理部であり、該リソース管理部32は、リソース管理処理を行い、各リソースの状態を、図12に示されるリソース管理テーブルで管理する。
該リソース管理テーブルには、各リソースの、管理番号、名称、動作モード、及び動作モードがロックモードである場合の、ロック可否問合せコマンドを送信した複合機をIPアドレスで表す問合せ元情報が記録される。
本実施の形態において、表示部としての、かつ、操作部としての表示・操作デバイス25を動作させるための表示・操作関連リソースは、表示処理プログラム41(図3)及び入力処理プログラム42から成り、読取装置としての、かつ、スキャナ部としての読取デバイス27を動作させるためのスキャン関連リソースは、スキャナ制御プログラム43及びスキャナ調整データから成り、印刷機構としての、かつ、プリンタ部としての印刷デバイス29を動作させるための印刷関連リソースは、画像処理プログラム44、印刷制御プログラム45、PDL処理プログラム46及び印刷プロセスデータから成り、送信部としての、かつ、受信部としての外部通信インタフェース31を動作させるための外部通信関連リソースは、USB I/F制御プログラム47、ネットワーク制御プログラム48及びファクシミリ制御プログラム49から成る。
次に、複合機MFP1において制御プログラムを更新するときの複合機MFP1の動作について説明する。
図13は本発明の第2の実施の形態における複合機の動作を示す第1のフローチャート、図14は本発明の第2の実施の形態における複合機の動作を示す第2のフローチャート、図15は本発明の第2の実施の形態における周辺装置の動作を示すフローチャート、図16は本発明の第2の実施の形態における複合機の機能とリソースとの対応表を示す図である。なお、図16におけるリソースは図12に示される管理番号で表されている。
まず、図13及び14に基づいて、複合機MFP1の動作について説明する。
複合機MFP1において、送受信処理手段としての送受信部30がデータを受信すると、コマンド解析処理手段としてのコマンド解析部21は、受信データに含まれるコマンドを読み出して解析し、記憶装置23の受信データ記録領域に受信データを記録する。
続いて、制御部20の前記状態判断処理手段Pa1は、複合機MFP1が待機状態であるかどうかを、表示・操作デバイス25、読取デバイス27、印刷デバイス29及び外部通信インタフェース31のいずれのデバイスにおいても、ユーザによる処理要求に基づく処理が行われていないかどうかによって判断する。
いずれのデバイスにおいてもユーザによる処理要求に基づく処理が行われておらず、複合機MFP1が待機状態である場合、前記制御部20の前記受信データ判断処理手段Pa2は、前記コマンド解析部21によるコマンドの解析結果を読み込み、受信データが、ユーザによる処理要求であるか、又は更新データであるかを判断する。
受信データが更新データである場合、前記モード管理部22の前記モード判断処理手段Pb2は、複合機MFP1にメンテナンスモードが設定されていないかどうかを判断する。
複合機MFP1にメンテナンスモードが設定されていない場合、すなわち、複合機MFP1に通常モードが設定されている場合、モード管理部22の前記モード設定処理手段Pb1は、複合機MFP1にロックモードを設定し、前記制御部20の更新対象リソース判断処理手段Pa10は、更新対象リソース判断処理を行い、更新データを解析し、更新データが属する機能に基づいて、更新の対象となっているリソース、すなわち、更新対象リソースを判断する。なお、複合機MFP1にロックモードが設定されている場合は、直ちに更新対象リソース判断処理が行われる。
ところで、図16に示されるように、複合機MFP1が有する機能と、各機能を実行するために必要なリソースとは対応する。
例えば、複写の機能を実行するのに必要なリソースは、管理番号1−2の入力処理プログラム42、管理番号2−1のスキャナ制御プログラム43及び管理番号3−2の印刷制御プログラム45であり、スキャントゥサーバの機能を実行するのに必要なリソースは、管理番号1−2の入力処理プログラム42、管理番号2−1のスキャナ制御プログラム43及び管理番号4−2のネットワーク制御プログラム48であり、ファクシミリ通信(受信印刷)の機能を実行するのに必要なリソースは、管理番号4−3のファクシミリ制御プログラム49及び管理番号3−2の印刷制御プログラム45であり、スキャンの機能を実行するのに必要なリソースは、管理番号2−1のスキャナ制御プログラム43及び管理番号4−1のUSB I/F制御プログラム47であり、印刷(USB経由)の機能を実行するのに必要なリソースは、管理番号3−3のPDL処理プログラム46、管理番号3−2の印刷制御プログラム45及び管理番号4−1のUSB I/F制御プログラム47である。
したがって、例えば、更新データが属する機能が複写である場合、管理番号1−2の入力処理プログラム42、管理番号2−1のスキャナ制御プログラム43及び管理番号3−2の印刷制御プログラム45が更新対象リソースとされる。
そこで、前記制御部20の代替処理部探索処理手段としての代替リソース探索処理手段Pa11は、代替処理部探索処理としての代替リソース探索処理を行い、各周辺装置における更新対象リソースに対応するリソースを探索対象リソースとし、該探索対象リソースのうちの通常モードが設定されているリソースを探索し、通常モードが設定されているリソースのうちの任意の一つを、更新対象リソースに対する代替処理を行う代替処理部としての代替リソースとする。
そのために、前記代替リソース探索処理手段Pa11は、各周辺装置に、各周辺装置の状態、すなわち、探索対象リソースにロックモードを設定することができるかどうかを問い合わせるコマンド、すなわち、リソースロック可否問合せコマンドを送信し、周辺装置から探索対象リソースにロックモードを設定したことを通知する応答、すなわち、ロックモード設定応答を受信した場合に、ロックモード設定応答を送信した周辺装置の探索対象リソースを通常モードが設定されているリソースとし、周辺装置から探索対象リソースにロックモードを設定することができないことを通知する応答、すなわち、ロック不可応答を受信した場合に、ロック不可応答を送信した周辺装置の探索対象リソースを通常モードが設定されていないリソースとする。
次に、前記制御部20の代替処理部情報記録処理手段としての代替リソース情報記録処理手段Pa12は、代替処理部情報記録処理としての代替リソース情報記録処理を行い、前記代替リソース探索処理において代替リソースが探索されたかどうかを判断し、代替リソースが探索された場合、該代替リソースを特定するための代替処理部情報としての代替リソース情報として、代替リソースを備える周辺装置のIPアドレス及び代替リソースの管理番号を記憶装置23の代替処理部情報領域としての図示されない代替リソース情報領域に記録し、前記モード設定処理手段Pb1は、複合機MFP1にメンテナンスモードを設定する。
続いて、前記制御部20の前記制御プログラム更新処理手段Pa6は、前記受信データ記録領域から受信データである更新データを読み出し、該更新データに基づいて制御プログラムを更新する。
次に、前記制御部20の前記更新終了判断処理手段Pa7は、制御プログラムの更新が終了したかどうかを判断し、制御プログラムの更新が終了すると、前記モード管理部22の前記モード設定解除指示処理手段Pb3は、複合機MFP1にロックモード設定応答を送信した周辺装置にモード設定解除コマンドを送信し、ロックモードの設定を解除するように指示する。
そして、複合機MFP1に周辺装置からモード設定解除応答が送信されると、前記制御部20の代替リソース情報消去処理手段Pa13は、代替リソース情報消去処理を行い、周辺装置のIPアドレス及び代替リソースの管理番号を前記代替リソース情報領域から消去し、前記モード設定処理手段Pb1は、複合機MFP1に通常モードを設定する。なお、複合機MFP1においては通常モードが設定されるが、周辺装置の代替対象リソースにおいては、他の周辺装置のロック可否問合せコマンドによってロックモードが設定されていることがあるので、代替対象リソースのロックモードの設定が解除されても、代替対象リソースに通常モードが設定されるとは限らない。
複合機MFP1において、制御プログラム更新処理が終了しておらず、制御プログラムの更新が行われている場合、前記制御部20の前記転送処理手段Pa9は、上位装置としての所定のホストコンピュータ、例えば、ホストコンピュータPC1から送信されたユーザによる処理要求及びデータ、例えば、印刷デバイス29による印刷指示及び印刷データを受信したかどうかを判断し、ユーザによる処理要求及びデータを受信した場合、前記代替リソース情報領域から代替リソースを備える周辺装置のIPアドレス及び代替リソースの管理番号を読み出し、周辺装置に前記処理要求及びデータを転送する。
また、前記受信データ判断処理において、受信データが更新データではなく、ユーザによる処理要求である場合、前記制御部20のリソース利用可能判断処理手段Pa14は、リソース利用可能判断処理を行い、前記リソース管理テーブルを参照し、ユーザによる処理要求に基づくジョブを実行するために必要なリソースが利用可能であるかどうかを、複合機MFP1において各リソースに通常モードが設定されているかどうかによって判断する。
複合機MFP1において、各リソースに通常モードが設定されていて、リソースが利用可能である場合、前記制御部20の前記受信データ処理手段Pa3は、前記受信データ記録領域から受信データを読み出し、該受信データに基づいて、読取デバイス27による原稿の画像の読取り、印刷デバイス29による印刷等の通常のジョブを実行し、処理結果を表示・操作部24に出力し、表示・操作デバイス25の画面に表示する。また、必要なリソースが利用可能でない場合、制御部20の代替リソース設定判断処理手段Pa15は、代替リソース設定判断処理を行い、代替リソースが設定されているかどうかを判断し、代替リソースが設定されている場合は、代替リソースによる前記受信データ処理が行われる。
次に、図15に基づいて、複合機MFP1において制御プログラムを更新するときの周辺装置の動作について説明する。
この場合、前記リソース用の各動作モードを管理するために、周辺装置のリソースごとに、モード管理情報としてロックカウントRLCが設定され、通常モードにおいてロックカウントRLCが0に、ロックモードにおいてロックカウントRLCが1以上にされる。
まず、周辺装置において、送受信部30がコマンドを受信すると、コマンド解析部21は、コマンドを読み込んで解析し、コマンドが前記リソースロック可否問合せコマンドであるかどうかを判断する。コマンドがリソースロック可否問合せコマンドである場合、モード管理部22の前記モード判断処理手段Pb2は、前記リソース管理テーブルを参照し、周辺装置における探索対象リソースに通常モードが設定されているかどうかを、ロックカンウトRLCが0であるかどうかによって判断する。なお、前記リソースロック可否問合せコマンドは、リソースにロックモードを設定するように指示するためのロック指示でもある。
ロックカンウトRLCが0であり、周辺装置における探索対象リソースに通常モードが設定されている場合、前記モード設定処理手段Pb1は、周辺装置における探索対象リソースにロックモードを設定し、前記モード管理部22の前記モード管理情報設定処理手段Pb4は、ロックカンウトRLCをインクリメント(RLC←RLC+1)して1にし、送受信部30は、探索対象リソースにロックモードが設定されたことを通知するロックモード設定応答を複合機MFP1に送信する。このとき、前記モード管理情報設定処理手段Pb4は、複合機MFP1がリソースロック可否問合せコマンドを送信したことを通知する問合せ元情報として、複合機MFP1のIPアドレスを前記問合せ元情報記録領域に記録する。
また、周辺装置における探索対象リソースに通常モードが設定されていない場合、前記モード判断処理手段Pb2は、既に探索対象リソースにロックモードが設定されているかどうかを判断する。なお、他の周辺装置から既にリソースロック可否問合せコマンドが送信されている場合は、既に探索対象リソースにロックモードが設定されていることになる。
そして、既にリソースにロックモードが設定されている場合、前記リソース利用可能判断処理手段Pa14は、周辺装置における探索対象リソースが利用可能であるかどうかを判断し、探索対象リソースが利用可能である場合、前記モード管理情報設定処理手段Pb4は、ロックカンウトRLCをインクリメント(RLC←RLC+1)し、送受信部30は、ロックモード設定応答を複合機MFP1に送信する。
このように、探索対象リソースにロックモードが設定されているときに、前述されたように、複合機MFP1からユーザによる処理要求及びデータが転送されると、探索対象リソースは、代替リソースとして複合機MFP1の更新対象リソースの代わりにユーザによる処理要求に基づく処理を行う。
そして、周辺装置における探索対象リソースにロックモードが設定されていない場合、すなわち、メンテナンスモードが設定されている場合、及び周辺装置における探索対象リソースが利用可能でない場合、前記送受信部30は、前記ロック不可応答を複合機MFP1に送信する。
また、前記送受信部30が受信したコマンドがリソースロック可否問合せコマンドではない場合、すなわち、複合機MFP1が周辺装置に送信したモード設定解除コマンドである場合、モード管理部22の前記モード設定解除処理手段Pb5は、探索対象リソースのロックモードの設定を解除する。
続いて、前記モード管理情報設定処理手段Pb4は、ロックカンウトRLCをデクリメント(RLC←RLC−1)し、前記モード判断処理手段Pb2は、ロックカンウトRLCが0であるかどうかを判断し、ロックカンウトRLCが0である場合、前記モード設定処理手段Pb1は、探索対象リソースに通常モードを設定する。このとき、前記モード管理情報設定処理手段Pb4は、複合機MFP1のIPアドレスを前記問合せ元情報記録領域から消去する。
そして、ロックカンウトRLCのデクリメント又は通常モードの設定が終了すると、前記送受信部30は、モード設定解除コマンドを受信したことを通知する応答、すなわち、コマンド受信応答を複合機MFP1に送信する。
このように、本実施の形態においては、複合機MFP1において制御プログラムの更新が行われている間にユーザによる処理要求及びデータが送信されても、ネットワーク10を介して接続された周辺装置において、複合機MFP1の更新対象リソースに対する代替処理が行われるので、複数の複合機MFPiがネットワーク10を介して接続された画像形成システムにおいて、各複合機MFPiに対して更新データを送信するだけで、各複合機MFPiにおいて制御プログラムを更新することができる。したがって、複数の複合機MFPiにおけるメンテナンス作業を同時に、かつ、容易に行うことができる。
また、所定の複合機MFP1において制御プログラムを更新する場合、リソースごとに制御プログラムが更新されるので、所定の機能を実行するためのリソースの制御プログラムの更新中においても、他の機能を実行することができる。
次に、図13及び14のフローチャートについて説明する。
ステップS41 送受信部30はデータを受信する。
ステップS42 コマンド解析部21はコマンドを解析する。
ステップS43 コマンド解析部21は記憶装置23の受信データ記録領域に受信データを記録する。
ステップS44 状態判断処理手段Pa1は複合機MFP1が待機状態であるかどうかを判断する。複合機MFP1が待機状態である場合はステップS45に進む。
ステップS45 受信データ判断処理手段Pa2は受信データが更新データであるかどうかを判断する。受信データが更新データである場合はステップS46に、受信データが更新データでない場合はステップS59に進む。
ステップS46 モード判断処理手段Pb2は複合機MFP1にメンテナンスモードが設定されていないかどうかを判断する。複合機MFP1にメンテナンスモードが設定されていない場合はステップS47に進み、複合機MFP1にメンテナンスモードが設定されている場合はステップS44に戻る。
ステップS47 モード設定処理手段Pb1は複合機MFP1にロックモードを設定する。
ステップS48 更新対象リソース判断処理手段Pa10は更新対象リソース判断処理を行う。
ステップS49 代替リソース探索処理手段Pa11は代替リソース探索処理を行う。
ステップS50 代替リソース情報記録処理手段Pa12は代替リソースが探索されたかどうかを判断する。代替リソースが探索された場合はステップS51に進み、代替リソースが探索されない場合はステップS49に戻る。
ステップS51 代替リソース情報記録処理手段Pa12は記憶装置23の代替リソース情報領域に代替リソース情報を記録する。
ステップS52 モード設定処理手段Pb1は複合機MFP1にメンテナンスモードを設定する。
ステップS53 制御プログラム更新処理手段Pa6は制御プログラム更新処理を行う。
ステップS54 更新終了判断処理手段Pa7は制御プログラムの更新が終了したかどうかを判断する。制御プログラムの更新が終了した場合はステップS55に、制御プログラムの更新が終了しない場合はステップS57に進む。
ステップS55 モード設定解除指示処理手段Pb3はモード設定解除指示処理を行う。
ステップS56 代替リソース情報消去処理手段Pa13は代替リソース情報を消去し、モード設定処理手段Pb1は複合機MFP1に通常モードを設定し、処理を終了する。
ステップS57 転送処理手段Pa9はユーザによる処理要求及びデータを受信したかどうかを判断する。ユーザによる処理要求及びデータを受信した場合はステップS58に進み、ユーザによる処理要求及びデータを受信していない場合はステップS53に戻る。
ステップS58 転送処理手段Pa9はユーザによる処理要求及びデータを転送し、ステップS53に戻る。
ステップS59 リソース利用可能判断処理手段Pa14は必要なリソースが利用可能であるかどうかを判断する。必要なリソースが利用可能である場合はステップS61に、必要なリソースが利用可能でない場合はステップS60に進む。
ステップS60 代替リソース設定判断処理手段Pa15は代替リソースが設定されているかどうかを判断する。代替リソースが設定されている場合はステップS61に進み、代替リソースが設定されていない場合はステップS44に戻る。
ステップS61 受信データ処理手段Pa3は受信データ処理を行う。
ステップS62 受信データ処理手段Pa3は処理結果を出力し、処理を終了する。
次に、図15のフローチャートについて説明する。
ステップS71 送受信部30はコマンドを受信する。
ステップS72 コマンド解析部21はコマンドがリソースロック可否問合せコマンドであるかどうかを判断する。コマンドがリソースロック可否問合せコマンドである場合はステップS73に、コマンドがリソースロック可否問合せコマンドでない場合はステップS80に進む。
ステップS73 モード判断処理手段Pb2は探索対象リソースに通常モードが設定されているかどうかを判断する。探索対象リソースに通常モードが設定されている場合はステップS74に、探索対象リソースに通常モードが設定されていない場合はステップS77に進む。
ステップS74 モード設定処理手段Pb1は探索対象リソースにロックモードを設定する。
ステップS75 モード管理情報設定処理手段Pb4はロックカウントRLCに1を加算する。
ステップS76 送受信部30はロックモード設定応答を送信し、処理を終了する。
ステップS77 モード判断処理手段Pb2は探索対象リソースにロックモードが設定されているかどうかを判断する。探索対象リソースにロックモードが設定されている場合はステップS78に、探索対象リソースにロックモードが設定されていない場合はステップS79に進む。
ステップS78 リソース利用可能判断処理手段Pa14はリソースが利用可能であるかどうかを判断する。リソースが利用可能である場合はステップS75に、リソースが利用可能でない場合はステップS79に進む。
ステップS79 モード管理情報設定処理手段Pb4はロック不可応答を送信し、処理を終了する。
ステップS80 モード設定解除処理手段Pb5はロックモードの設定を解除する。
ステップS81 モード管理情報設定処理手段Pb4はロックカウントRLCから1を減算する。
ステップS82 モード設定処理手段Pb1はロックカンウトRLCが0であるかどうかを判断する。ロックカンウトRLCが0である場合はステップS83に、ロックカンウトRLCが0でない場合はステップS84に進む。
ステップS83 モード設定処理手段Pb1は探索対象リソースに通常モードを設定する。
ステップS84 モード管理情報設定処理手段Pb4はコマンド受信応答を複合機MFP1に送信し、処理を終了する。
なお、前記各実施の形態においては、複合機MFPiとホストコンピュータPCjとを接続した画像形成システムについて説明しているが、本発明を、読取装置と出力装置とを接続した画像形成システム、ファクシミリとデータ出力装置とを接続した画像形成システム等に適用することができる。
また、前記各実施の形態においては、更新データが受信されると、コマンドの解析が行われるようになっているが、更新データが受信されると、表示・操作デバイス25の画面に、更新データが受信され、記憶装置23に記録されたことを表すメッセージを表示し、ユーザが制御プログラムの更新を指示したときに、動作を開始するようにすることができる。この場合、管理者は必要な更新データをあらかじめ複合機MFPiに送信し、記憶装置23に記録しておき、ユーザの都合に合わせて、制御プログラムの更新のタイミングを設定することができる。
さらに、前記各実施の形態においては、ホストコンピュータPCjから各複合機MFPiに更新データが送信されるようになっているが、ホストコンピュータPCjとは別の管理者用の端末装置から各複合機MFPiに更新データを送信することができる。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。