JP5887193B2 - 地中斜材の設置方法 - Google Patents

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本発明は、地中に構築される構造体の一部として斜め方向に地中斜材を設置する方法に係り、特に下端が他の構造部材に接合される地中斜材の設置方法に関するものである。
地中に形成される構造体として、杭、地下連続壁体、ケーソン等が知られている。このような地下の構造体は、地上の構造物を支持するため、地盤を強化するため、地盤の液状化を抑制するため、又は地下水の流れを制御するため等の目的で構築される。
このような地中構造体のうち、鋼管、形鋼、プレキャストコンクリート等からなる既製の部材を用いる地下連続壁体は、地表面上から連続する位置に複数の既製部材を順次に地中に貫入して連続する壁体とするのが一般的となっている。つまり、地中において他の構造部材と接合するようなことは通常行われていない。
また、既製の部材を地中に打ち込んだり、圧入したりして形成される杭は、所定の間隔で複数を設置し、これらの頭部で構造物等を支持するものが一般的に採用されている。すなわち、それぞれの杭は、地上の構造物を支持する頭部より下側は地中においてそれぞれ独立しており、これらを互いに接合するようなことは行われていない。地表面から地中に打設又は圧入した部材を地中において他の部材と接合するためには、一般に接合位置まで掘削し、接合後に埋め戻す工程を経ることになる。
例えば、特許文献1又は特許文献2に記載されている構造体は、斜めに配置される部材を含む型鋼等の複数の部材を予め接合して組み立てておき、地盤を掘削した溝内に設置した後、埋め戻すことによって形成されている。
特開平6−57738号公報 特開2011−42992号公報
上記従来例のように、型鋼等の既製の部材が地中において他の部材に接合された構造体を形成するのに、接合位置まで予め掘削して埋め戻すものとすれば、費用が多大になるとともに多くの作業が必要となる。
しかし、地上から斜め下方の地中に軸線を有する部材の先端部を他の部材に接合することができれば、地表面上における広い範囲の荷重を基礎杭、ケーソン等に集中して負担させることが容易となる。また、地中に設けられた複数の杭や鋼矢板を斜め方向の部材で結合して、複数の杭又は鋼矢板の相互間の変位を有効に拘束することも容易に行うことが可能となる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、地表面から地中に貫入した部材の先端を地中で他の部材に接合して斜め方向に設置することができる地中斜材の設置方法を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、 地表面又は地表面付近から下方に軸線を有し、地表面から所定の深さの位置にワイヤロープの先端部が結合された主部材を地中に設置する工程と、 前記ワイヤロープの後方部分を管部材の先端側から内側に挿通し、該管部材の先端を前記主部材と前記ワイヤロープとの結合位置に向けて該管部材を地中に貫入する工程と、 前記ワイヤロープを前記管部材の後方側から牽引するとともに、前記管部材を軸線方向に繰り返し往復移動し、又は該管部材に装着された部材を該管部材の軸線方向に繰り返し往復移動して、前記ワイヤロープが挿通された前記管部材の位置を調整する工程と、 前記ワイヤロープをガイドとし、前記主部材の前記ワイヤロープとの結合位置に設けられた斜材受け部に、前記管部材の先端を接合して地中斜材とする工程と、を有する地中斜材の設置方法を提供する。
この方法では、主部材は所定の深さの位置にワイヤロープの先端部が結合された状態で地中に設置され、ワイヤロープは主部材に沿って地表面上まで配置することができる。このワイヤロープを管部材に挿通して牽引することにより、地中に貫入した管部材をワイヤロープに案内させて往復移動し、管部材の位置を調整することができる。そして、管部材を主部材の所定の深さの位置に突き当てるように接合することができる。したがって、地盤を大きく掘削することなく、上記管部材を主部材の所定の深さに接合して、地表面近くから主部材に軸力を伝達することができる地中斜材とすることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の地中斜材の設置方法において、 前記管部材を地中に貫入する工程は、 前記ワイヤロープを、前記主部材との結合位置から該主部材に沿って地表面に至り地表面に沿って該主部材から離れた位置まで配置して、さらに後方部分を前記管部材の先端側から内側に挿通し、 前記主部材と離れた位置から前記管部材の先端を斜め下方に向けて該管部材を地中に貫入するとともに、前記ワイヤロープを該管部材の後方側から牽引し、 該ワイヤロープを地表面及び前記主部材に沿った位置から地中にくい込ませて、前記ワイヤロープと前記主部材との結合位置と前記管部材の先端とを結ぶ線上へ該ワイヤロープを近づける工程を含むものとする。
この方法では、管部材を斜め下方の地中へ貫入し、管部材に挿通されたワイヤロープを牽引することによって、ワイヤロープが主部材に沿った位置及び地表面に沿った位置から地盤中に食い込み、主部材に結合された位置から管部材の先端に向かう直線に近づく。地中に貫入した管部材は、ワイヤロープが主部材に結合された位置に向かって正確に貫入することは難しいが、ワイヤロープを牽引しながら管部材を軸線方向に往復移動させることにより、ワイヤロープをガイドとして管部材の位置を修正し、管部材の先端をワイヤロープが結合された位置に近づけることができる。そして、管部材の先端を主部材の所定の深さの位置に突き当てて接合し、管部材の軸力を主部材に伝達することが可能となる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の地中斜材の設置方法において、 前記管部材を地中に貫入する工程は、前記管部材の後端部から注水し、該管部材の先端付近の地盤中に供給する工程を含むものとする。
この方法では、管部材の先端付近の地中に水を供給することにより、地中の間隙水圧が上昇し、土粒子が移動し易くなって管部材を貫入することが容易となる。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の地中斜材の設置方法において、 前記管部材を地中に貫入する工程は、前記主部材の所定位置に先端部が結合されたワイヤロープを前記管部材の先端側から内側に挿通し、該管部材は先端を下方に向けて前記主部材に沿った位置に支持して、前記主部材を地中に設置する工程と同時に行うものとし、 前記管部材の位置を調整する工程は、該管部材を該管部材の軸線方向に繰り返し往復移動することによって地盤を削り、前記管部材を前記主部材に沿った位置から徐々に傾斜角が変化するように移動させるものとする。
この方法では、管部材を主部材に沿った位置に支持した状態として主部材を地中に貫入するので、管部材を主部材とともに地中に貫入することができる。そして、管部材に挿通したワイヤロープを牽引した状態で該ワイヤロープをガイドとし、管部材を軸線方向に往復移動することによって地盤を削り、管部材の傾斜を変化させて行くことができる。したがって、管部材は先端が所定の深さの位置で主部材に突き当てるように接合されるとともに所定の傾きとなった地中斜材とすることができる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の地中斜材の設置方法において、 前記管部材の外周面の周方向における限定された範囲に、該管部材の軸線方向への往復移動によって地盤を切削する切削部を形成しておくものとする。
この方法では、管部材に設けられた切削部によって地盤を削り、管部材の位置をその軸線が移動するように調整することが容易となる。また、切削部を周方向の限定された範囲に設けておくことにより、管部材を軸線回りに回転させ、切削部の位置を変更することにより、管部材の位置を調整するときの方向を制御することが可能となる。
請求項6に係る発明は、請求項1に記載の地中斜材の設置方法において、 前記管部材を地中に貫入する工程は、前記主部材の所定位置に先端部が結合されたワイヤロープを前記管部材の先端側から内側に挿通し、該管部材は先端を下方に向けて前記主部材に沿った位置に支持して、前記主部材を地中に設置する工程と同時に行うものとし、 前記管部材の位置を調整する工程は、前記管部材の外側に切削部材を装着し、該切削部材を前記管部材の軸線方向に繰り返し往復移動することによって地盤を削り、前記管部材を前記主部材に沿った位置から徐々に傾斜角が変化するように移動させるものとし、 前記切削部材は、前記管部材の外側の全周又は周方向の一部を囲むように嵌め合わされ、周方向における限定された範囲に、該管部材の軸線方向への往復移動によって地盤を切削する切削部を備えるものとする。
この方法では、管部材に嵌め合わせた切削部材を管部材の軸線方向に往復移動することによって管部材の軸線の位置を調整することが容易となる。また、管部材を所定の位置に調整した後は、地上に切削部材を引き抜き、他の管部材を貫入して位置を調整するのに転用することができる。これにより、複数の管部材を地中で斜め方向に設置するときに、全ての管部材に切削部を設ける必要がなく、部材の加工費用を低減することが可能となる。
以上説明したように、本発明に係る地中斜材の設置方法では、先端が他の構造体と地中で接合されて斜めに支持される地中斜材を、他の構造体と接合する位置まで掘削することなく設置することができ、作業の効率が向上し、工事費用を低減することが可能となる。
本発明に係る方法で設置することができる地中斜材の一例を示す概略断面図である。 図1に示す地中斜材の下端を主部材に接合する構造の一例を示す部分断面図である。 本発明の一実施形態である方法で地中斜材を設置する工程を示す概略図である。 本発明の一実施形態である方法で地中斜材を設置する工程を示す概略図である。 本発明に係る方法においてワイヤロープを主部材に結合する構造の一例を示す断面図である。 管部材を地中へ斜め方向に貫入する状態の一例を示す概略図である。 ワイヤロープが内側に挿通された管部材の先端部分を示す側面図及び断面図である。 本発明の他の実施形態である方法で地中斜材を設置する工程を示す概略図である。 本発明の他の実施形態である方法で地中斜材を設置する工程を示す概略図である。 図8及び図9に示す方法において、主部材である鋼管杭を地中に貫入するときに管部材を主部材に支持させた状態を示す断面図である。 切削部材を用いて地中に貫入するときの管部材の先端部分を示す側面図及び断面図である。 本発明に係る方法で設置することができる地中斜材の他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る方法で設置することができる地中斜材を含む地中構造体の一例を示す概略断面図である。
この地中構造体は、擁壁4の背面土5の上に構築された建築物6の荷重を支持するものであり、背面土5の上に荷重が載荷されたときにも擁壁4の安定性を維持するために設置されたものである。この地中構造体は、主部材である鋼管杭1と、この鋼管杭1の側面に下端が接合され、斜め方向に設置された地中斜材2と、鋼管杭1の上端部と地中斜材2の上端部とを連結する水平連結部材3とを備えている。
上記鋼管杭1は、既存の方法によって地中に設置入されたものであり、充分な支持力が得られる強固な層に下端が到達する深さまで貫入されている。
上記地中斜材2は、鋼管からなるものであり、下端部は上記鋼管杭1の所定の深さの位置に接合されており、上端部はほぼ地表面近くで水平連結部材3に接合されている。
上記水平連結部材3は、形鋼からなるものであり、一端が鋼管杭1の上端面に載せ架けるように支持され、溶接等によって鋼管杭1の頂部と接合されている。また、他端は地中斜材2の上端部と溶接等によって接合されている。したがって、水平連結部材3上に作用する荷重は、鋼管杭1及び地中斜材2に支持されるとともに、地中斜材2の上端部に作用した鉛直方向の荷重は、地中斜材2の軸方向の力となって下端部から鋼管杭1に伝達される。そして、水平連結部材3から鋼管杭1の上端部に伝達された鉛直方向の力とともに鋼管杭1から支持地盤に伝達され、支持される。
上記地中斜材2の下端部が鋼管杭1の所定の深さの位置に接合される構造は、図2に示すように、鋼管杭1の外周面から側方に突き出した斜材受け部11によって支持されるものとなっており、この斜材受け部11は地中斜材2の下端部に装着される斜材接合部12と回動軸13によって連結されている。
上記斜材受け部11は、鋼管杭の側面に溶接によって接合された鉛直方向の板材からなる2つの鉛直板部11aと、これらの鉛直板部11aを連結する傾斜板部11bとからなるものである。鉛直板部11aは、下端から上方にかけて徐々に張り出し長を拡大する形状となっており、下端から斜め上方へと傾斜した辺に傾斜板部11bとなる鋼板が溶接によって接合されている。したがって傾斜板部11bは、平行に支持された2つの鉛直板部11a間の下側を傾斜した面で覆うものとなっている。また、鉛直板部11aには開口が設けられており、斜材接合部12と連結するための回動軸13がこの開口に挿通され、2つの鉛直板部11a間に架け渡されている。
上記斜材接合部12は、地中斜材2を構成する斜材用の鋼管の下端面に突き当てられる当接板12aと、この当接板12aの上面から上方に突き出した斜材案内部12bと、上記当接板12aの下面から下方に突き出した連結板12cとを有するものである。
当接板12aは鋼板を2枚重ね合わせたものとなっており、それぞれの鋼板には中央部に開口12dが設けられ、この開口12dにはワイヤロープ14が挿通されている。そして、このワイヤロープ14の端部には定着部材14aが固着され、上記開口12dの周囲に定着部材14aが係止されている。これにより、ワイヤロープ14は斜材接合部12及び斜材受け部11を介して鋼管杭1に結合されている。
上記連結板12cは、当接板12aの下面から互いに平行に突き出した2枚の鋼板からなるものであり、これらの連結板12cには回動軸13を挿通することができる開口が設けられている。これらの開口には、2つの鉛直板部11a間に架け渡された回動軸13が挿通され、斜材接合部12が回動軸13を介して斜材受け部11と回動が可能に接合されている。
上記斜材案内部12bは、当接板12aの上側の鋼板の上面から上方に突き出すように設けられて管状となっており、外径が地中斜材2となる管部材すなわち斜材用鋼管の内側に挿入することができる大きさに設定されている。そして、先端部は外径が縮小され、管部材の内側に容易に挿入することができるものとなっている。また、この中空となった斜材案内部12bの中心部は、ワイヤロープ14を挿通して該ワイヤロープ14の先端部を当接板12aに係止することできるものである。したがって、地表面から牽引されたワイヤロープ14に案内させて管部材である斜材用鋼管を上記斜材案内部12bに嵌め合わせ、さらにこの斜材案内部12bに案内させて当接板12aに端面を当接して、図2に示すように地中斜材2を鋼管杭1と接合するものとなっている。
なお、本実施の形態では、上記管部材として用いる斜材用鋼管は、鋼管杭1より径の小さいものを用いている。
次に、上記地中構造体を設置する方法を、図3及び図4に基づいて説明する。
上記地中構造体の主部材である鋼管杭1を最初に地中に貫入する。この鋼管杭1は、頭部を打撃して地中に打ち込む方法、振動を付与しながら圧入する方法、鋼管内から先端部分の地盤を掘削しながら圧入する方法等、既存の方法を採用することができる。
上記鋼管杭1の地中斜材2が接合される位置には、図3(a)に示すように予め斜材受け部11と、これに連結された斜材接合部12を取り付けておく。そして、斜材接合部12にはワイヤロープ14の先端を係止しておく。斜材接合部12は、図5に示すように、回動軸13の軸線回りに回転させ、ワイヤロープ14を鋼管杭1の外周面に接近させておき、ワイヤロープ14は鋼管杭1に沿って上方に支持しておく。このような状態で鋼管杭1を地中に貫入し、ワイヤロープ14は鋼管杭1に沿って地表面まで引き出された状態とする。
ワイヤロープ14は、さらに地表面に沿って配置し、地中斜材2とする斜材用鋼管2aの内側に先端側から挿通する。そして、この斜材用鋼管2aは、図3(b)に示すように地中斜材2を設置しようとする位置の軸線に沿って先端側から斜め下方に向けて地中に圧入する。斜材用鋼管2の圧入は、例えば図6に示すように、杭等の貫入に用いられる走行可能な重機7を用いて圧入することができ、振動を付与しながら圧入するものであってもよい。また、斜材用鋼管2aの圧入時には、斜材用鋼管2aの上端部から水を供給し、斜材用鋼管2a内を経て先端付近の地盤内に水を供給することができる。水の供給は、斜材用鋼管2a内を直接流下させても良いが、斜材用鋼管2aの内側にホースを差し入れ、このホースを経て先端付近の地盤に水を供給しても良い。また、ホースの先にはノズルを設け、水圧を調整しながら水を噴射するものであってもよい。
なお、地中に貫入する斜材用鋼管2aには、図6及び図7に示すように外周面に切削部2bを設けておくことができる。この切削部2bは管部材である斜材用鋼管2aの外周面に、のこぎり状に先端が尖った突出部を軸線方向に複数を配列したものである。この突出部は、斜材用鋼管2aの周方向の一部に設けられており、軸線方向には全長にわたって設けられるものであっても良いし、先端から限定された範囲に設けられるものであっても良い。
上記のように斜材用鋼管2aを地中の斜め方向に貫入するのにともない、斜材用鋼管2aの後方からワイヤロープ14を牽引する。これにより、図4(a)に示すようにワイヤロープ14が地表面から土中にくい込み、鋼管杭2に沿った位置からも土中にくい込む。そして、斜材用鋼管2aの貫入が進むのにともなって牽引を繰り返し、ワイヤロープ14を、該ワイヤロープの先端部を鋼管杭1に接合した位置と斜材用鋼管2aの先端とを結ぶ線上に近づける。
ワイヤロープ14が斜材用鋼管2a内に引き込まれ、図4(b)に示すように、ワイヤロープが鋼管杭1との接合位置と斜材用鋼管2aの先端とを結ぶ線上に近くなると、ワイヤロープを牽引した状態で斜材用鋼管2aを軸線方向に往復移動し、これを繰り返して斜材用鋼管2aの位置を調整する。斜材用鋼管2aを地表面から斜め下方に貫入するときには方向の誤差が生じ、正確に鋼管杭1と接合する位置に向かって貫入することは難しく、生じた貫入位置の誤差を修正するものである。斜材用鋼管2aには外周面から突出して切削部2bが設けられており、往復移動によって切削部2bが地盤を削り、斜材用鋼管2aがその軸線を移動するように位置が調整される。切削部2bは、斜材用鋼管2aを軸線回りに回転させることによって周方向の位置を調整することができる。これにより斜材用鋼管2aを移動させる方向を選択することができる。つまり、切削部2bが突出する方向に斜材用鋼管が移動しやすくなる。
斜材用鋼管2aの先端が斜材接合部12に接近すると、牽引されているワイヤロープ14に案内されて斜材用鋼管2aの先端部が斜材案内部12bに嵌め合わされる。そして、斜材用鋼管2aを押し入れることによって先端が斜材接合部12の当接板12aに突き当てられ、斜材用鋼管2aが斜材接合部12と斜材受け部11とを介して鋼管杭1の所定の位置に接合される。
貫入した斜材用鋼管2aの先端すなわち下端が鋼管杭1と接合された後は、ワイヤロープ14を切断するともに、鋼管杭1の上端部から斜材用鋼管2aの上端部に水平連結部材3を架け渡し、それぞれ接合して斜材用鋼管からなる地中斜材2を備えた地中構造体が完成する。
次に、本発明の他の実施形態である地下斜材の設置方法を図8及び図9に基づいて説明する。
この方法も、図1に示す地下構造体が備える地下斜材2と同様に、主部材である鋼管杭21の所定の位置に下端部が接合された地下斜材22を設置するものである。
この方法では、図8(a)に示すように、主部材である鋼管杭21を地中に貫入するときに、この鋼管杭21の所定の深さの位置にワイヤロープ34の先端部を結合しておく。このワイヤロープ34の後方部分は斜材用鋼管22aの内側に先端側から挿通し、この斜材用鋼管22aは先端を下方に向けて鋼管杭21に沿った位置に支持する。
鋼管杭21のワイヤロープ34が結合される位置に設けられた斜材受け部及31び斜材接合部32は、図2に示すものと同じ構造となっている。そして、鋼管杭21に沿って支持された斜材用鋼管22aの先端すなわち下端は、図10に示すように斜材接合部32が有する斜材案内部32bに嵌め合わされた状態となっている。このように斜材用鋼管22aを支持した状態で鋼管杭21を斜材用鋼管22aとともに地中に貫入する。
鋼管杭21が所定の深さまで地中に貫入されたとき、図8(b)に示すように、斜材用鋼管22aの上部は地表面からほぼ鉛直方向に突き出している。そして、斜材用鋼管の内側にはワイヤロープ34が挿通されており、このワイヤロープ34を斜材用鋼管22aの後方から牽引するとともに、この斜材用鋼管22aの上部を把持し、ワイヤロープをガイドとして斜材用鋼管22aの軸線方向に該斜材用鋼管22aの往復移動を繰り返す。これにより、地中斜材を設置する軸線の位置に向けて上記斜材用鋼管22aを傾けてゆく。斜材用鋼管22aには、図7に示すものと同様の切削部22bがほぼ全長にわたって設けられており、これらの切削部22bを傾ける方向に向けて往復移動を繰り返すことにより、切削部22bが地盤を削り、図9(a)に示すように斜材用鋼管22aを徐々に傾けて行くことができる。また、このとき斜材用鋼管の内側にはワイヤロープ34が挿通されており、このワイヤロープ34を斜材用鋼管22aの後方から牽引することにより、このワイヤロープ34をガイドとして斜材用鋼管22aはいつでも斜材案内部32bに嵌め合わせて接合することができるものとなっている。
上記のように斜材用鋼管22aの往復移動を繰り返して該斜材用鋼管22aを傾斜させ、該斜材用鋼管22aが所定の傾きとなった位置で、斜材用鋼管22aの先端を斜材案内部32bに嵌め合わせ、当接板32aに突き当てて接合する。そして、斜材用鋼管22aの上端部と主部材である鋼管杭21の上端部とに水平連結部材23を架け渡し、鋼管杭21及び斜材用鋼管22aと接合することによって斜材用鋼管22aが地中斜材22となった地下構造体を完成することができる。
上記のような地中斜材22の設置方法では、切削部22bが外周面に設けられた斜材用鋼管22aに代えて、切削部のない斜材用鋼管42を用い、図11に示すように斜材用鋼管42の外側に切削部材43を嵌め合わせて使用することができる。この切削部材43は、斜材用鋼管42の外径より内径が大きい鋼管43aの外周面に切削部43bを設けたものであり、この鋼管43aの内側に斜材用鋼管42を挿入した状態とする。そして、鋼管杭21の外周面に設けられた斜材受け部31と斜材接合部32とを介して鋼管杭21に沿った位置に支持し、図8に示す実施の形態と同様に鋼管杭21とともに地中に貫入することができる。
鋼管杭21が所定の深さまで貫入された後には、切削部材43のみを斜材用鋼管42の軸線方向に往復移動するか、又は斜材用鋼管42ととともに切削部材43を往復移動させ、これを繰り返して、図8(b)及び図9(a)に示す工程と同様にして斜材用鋼管42を傾けてゆくことができる。そして、斜材用鋼管42が所定の傾きとなる位置まで移動した後、切削部材43を上方に抜き取り、水平連結部材23を接合する。
このように切削部材43を用いることにより、複数の地中斜材を設けるときに、地中斜材とするそれぞれの斜材用鋼管には切削部となる突起を設ける必要はなく、一つの切削部材43を製作しておけば、これを転用して複数の地中斜材を設置することができる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において様々な形態で実施をすることができる。
例えば、主部材は鋼管杭に限定されるものではなく、形鋼を用いた杭であっても良いし、コンクリートからなる杭であっても良い。また、杭に限定されるものではなく鋼矢板や鋼管矢板であっても良い。さらに地表面上で形成されたコンクリートの函体を沈下させたケーソン等であっても良い。
一方、地中斜材も鋼管に限定されるものではなく、プレキャストコンクリートで形成されるものであってもよい。
また、本発明の方法によって設置される地中斜材は、図1に示すように荷重を支持するための構造体の一部となるものに限定されず、図12に示すように、建築物51の周囲を囲むように地表面下に設けられた地中連続鋼隔壁52の変位を拘束するものとして設置することもできる。
上記地中連続隔壁52は、砂質地盤における地震時の液状化を抑制するために設けられたものであり、液状化の可能性がある層54の層厚が大きく、液状化しない層55まで地中連続鋼隔壁52を貫入せずに、液状化しない層55より上方となる深さまで設けられたものである。このような地中連続鋼隔壁52は、液状化による土の流動によって変位する可能性があり、これを拘束するために、対向する位置に設けられた地中連続鋼隔壁の一方の頂部と他方の所定の深さの位置とを地中斜材53で連結したものである。このような地中斜材53も本発明の方法により、以上に説明した実施の形態と同様に設置することができる。
1,21:鋼管杭, 2,22:地中斜材, 2a,22a:斜材用鋼管, 2b,22b:切削部, 3,23:水平連結部材, 4:擁壁, 5:背面土, 6:建築物, 7:重機,
11,31:斜材受け部, 11a:鉛直板部, 11b:傾斜板部, 12,32:斜材接合部, 12a,32a:当接板, 12b,32b:斜材案内部, 12c,32c:連結板, 12d:開口, 13,33:回動軸, 14,34:ワイヤロープ, 14a:定着部材,
42:斜材用鋼管, 43:切削部材, 43a:鋼管, 43b:切削部,
51:建築物, 52:地中連続鋼隔壁, 53:地中斜材, 54:液状化し易い層, 55:液状化しない層

Claims (6)

  1. 地表面又は地表面付近から下方に軸線を有し、地表面から所定の深さの位置にワイヤロープの先端部が結合された主部材を地中に設置する工程と、
    前記ワイヤロープの後方部分を管部材の先端側から内側に挿通し、該管部材の先端を前記主部材と前記ワイヤロープとの結合位置に向けて該管部材を地中に貫入する工程と、
    前記ワイヤロープを前記管部材の後方側から牽引するとともに、前記管部材を軸線方向に繰り返し往復移動し、又は該管部材に装着された部材を該管部材の軸線方向に繰り返し往復移動して、前記ワイヤロープが挿通された前記管部材の位置を調整する工程と、
    前記ワイヤロープをガイドとし、前記主部材の前記ワイヤロープとの結合位置に設けられた斜材受け部に、前記管部材の先端を接合して地中斜材とする工程と、を有することを特徴とする地中斜材の設置方法
  2. 前記管部材を地中に貫入する工程は、
    前記ワイヤロープを、前記主部材との結合位置から該主部材に沿って地表面に至り地表面に沿って該主部材から離れた位置まで配置して、さらに後方部分を前記管部材の先端側から内側に挿通し、 前記主部材と離れた位置から前記管部材の先端を斜め下方に向けて該管部材を地中に貫入するとともに、前記ワイヤロープを該管部材の後方側から牽引し、 該ワイヤロープを地表面及び前記主部材に沿った位置から地中にくい込ませて、前記ワイヤロープと前記主部材との結合位置と前記管部材の先端とを結ぶ線上へ該ワイヤロープを近づける工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の地中斜材の設置方法。
  3. 前記管部材を地中に貫入する工程は、前記管部材の後端部から注水し、該管部材の先端付近の地盤中に供給する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の地中斜材の設置方法。
  4. 前記管部材を地中に貫入する工程は、前記主部材の所定位置に先端部が結合されたワイヤロープを前記管部材の先端側から内側に挿通し、該管部材は先端を下方に向けて前記主部材に沿った位置に支持して、前記主部材を地中に設置する工程と同時に行うものとし、
    前記管部材の位置を調整する工程は、該管部材を該管部材の軸線方向に繰り返し往復移動することによって地盤を削り、前記管部材を前記主部材に沿った位置から徐々に傾斜角が変化するように移動させるものであることを特徴とする請求項1に記載の地中斜材の設置方法。
  5. 前記管部材の外周面の周方向における限定された範囲に、該管部材の軸線方向への往復移動によって地盤を切削する切削部を形成しておくことを特徴とする請求項4に記載の地中斜材の設置方法。
  6. 前記管部材を地中に貫入する工程は、前記主部材の所定位置に先端部が結合されたワイヤロープを前記管部材の先端側から内側に挿通し、該管部材は先端を下方に向けて前記主部材に沿った位置に支持して、前記主部材を地中に設置する工程と同時に行うものとし、
    前記管部材の位置を調整する工程は、前記管部材の外側に切削部材を装着し、該切削部材を前記管部材の軸線方向に繰り返し往復移動することによって地盤を削り、前記管部材を前記主部材に沿った位置から徐々に傾斜角が変化するように移動させるものとし、
    前記切削部材は、前記管部材の外側の全周又は周方向の一部を囲むように嵌め合わされ、周方向における限定された範囲に、該管部材の軸線方向への往復移動によって地盤を切削する切削部を備えるものとすることを特徴とする請求項1に記載の地中斜材の設置方法。

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