JP5887193B2 - 地中斜材の設置方法 - Google Patents
地中斜材の設置方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5887193B2 JP5887193B2 JP2012100705A JP2012100705A JP5887193B2 JP 5887193 B2 JP5887193 B2 JP 5887193B2 JP 2012100705 A JP2012100705 A JP 2012100705A JP 2012100705 A JP2012100705 A JP 2012100705A JP 5887193 B2 JP5887193 B2 JP 5887193B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ground
- wire rope
- diagonal
- steel pipe
- pipe
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
また、既製の部材を地中に打ち込んだり、圧入したりして形成される杭は、所定の間隔で複数を設置し、これらの頭部で構造物等を支持するものが一般的に採用されている。すなわち、それぞれの杭は、地上の構造物を支持する頭部より下側は地中においてそれぞれ独立しており、これらを互いに接合するようなことは行われていない。地表面から地中に打設又は圧入した部材を地中において他の部材と接合するためには、一般に接合位置まで掘削し、接合後に埋め戻す工程を経ることになる。
しかし、地上から斜め下方の地中に軸線を有する部材の先端部を他の部材に接合することができれば、地表面上における広い範囲の荷重を基礎杭、ケーソン等に集中して負担させることが容易となる。また、地中に設けられた複数の杭や鋼矢板を斜め方向の部材で結合して、複数の杭又は鋼矢板の相互間の変位を有効に拘束することも容易に行うことが可能となる。
図1は、本発明に係る方法で設置することができる地中斜材を含む地中構造体の一例を示す概略断面図である。
この地中構造体は、擁壁4の背面土5の上に構築された建築物6の荷重を支持するものであり、背面土5の上に荷重が載荷されたときにも擁壁4の安定性を維持するために設置されたものである。この地中構造体は、主部材である鋼管杭1と、この鋼管杭1の側面に下端が接合され、斜め方向に設置された地中斜材2と、鋼管杭1の上端部と地中斜材2の上端部とを連結する水平連結部材3とを備えている。
上記地中斜材2は、鋼管からなるものであり、下端部は上記鋼管杭1の所定の深さの位置に接合されており、上端部はほぼ地表面近くで水平連結部材3に接合されている。
上記水平連結部材3は、形鋼からなるものであり、一端が鋼管杭1の上端面に載せ架けるように支持され、溶接等によって鋼管杭1の頂部と接合されている。また、他端は地中斜材2の上端部と溶接等によって接合されている。したがって、水平連結部材3上に作用する荷重は、鋼管杭1及び地中斜材2に支持されるとともに、地中斜材2の上端部に作用した鉛直方向の荷重は、地中斜材2の軸方向の力となって下端部から鋼管杭1に伝達される。そして、水平連結部材3から鋼管杭1の上端部に伝達された鉛直方向の力とともに鋼管杭1から支持地盤に伝達され、支持される。
当接板12aは鋼板を2枚重ね合わせたものとなっており、それぞれの鋼板には中央部に開口12dが設けられ、この開口12dにはワイヤロープ14が挿通されている。そして、このワイヤロープ14の端部には定着部材14aが固着され、上記開口12dの周囲に定着部材14aが係止されている。これにより、ワイヤロープ14は斜材接合部12及び斜材受け部11を介して鋼管杭1に結合されている。
なお、本実施の形態では、上記管部材として用いる斜材用鋼管は、鋼管杭1より径の小さいものを用いている。
上記地中構造体の主部材である鋼管杭1を最初に地中に貫入する。この鋼管杭1は、頭部を打撃して地中に打ち込む方法、振動を付与しながら圧入する方法、鋼管内から先端部分の地盤を掘削しながら圧入する方法等、既存の方法を採用することができる。
上記鋼管杭1の地中斜材2が接合される位置には、図3(a)に示すように予め斜材受け部11と、これに連結された斜材接合部12を取り付けておく。そして、斜材接合部12にはワイヤロープ14の先端を係止しておく。斜材接合部12は、図5に示すように、回動軸13の軸線回りに回転させ、ワイヤロープ14を鋼管杭1の外周面に接近させておき、ワイヤロープ14は鋼管杭1に沿って上方に支持しておく。このような状態で鋼管杭1を地中に貫入し、ワイヤロープ14は鋼管杭1に沿って地表面まで引き出された状態とする。
なお、地中に貫入する斜材用鋼管2aには、図6及び図7に示すように外周面に切削部2bを設けておくことができる。この切削部2bは管部材である斜材用鋼管2aの外周面に、のこぎり状に先端が尖った突出部を軸線方向に複数を配列したものである。この突出部は、斜材用鋼管2aの周方向の一部に設けられており、軸線方向には全長にわたって設けられるものであっても良いし、先端から限定された範囲に設けられるものであっても良い。
ワイヤロープ14が斜材用鋼管2a内に引き込まれ、図4(b)に示すように、ワイヤロープが鋼管杭1との接合位置と斜材用鋼管2aの先端とを結ぶ線上に近くなると、ワイヤロープを牽引した状態で斜材用鋼管2aを軸線方向に往復移動し、これを繰り返して斜材用鋼管2aの位置を調整する。斜材用鋼管2aを地表面から斜め下方に貫入するときには方向の誤差が生じ、正確に鋼管杭1と接合する位置に向かって貫入することは難しく、生じた貫入位置の誤差を修正するものである。斜材用鋼管2aには外周面から突出して切削部2bが設けられており、往復移動によって切削部2bが地盤を削り、斜材用鋼管2aがその軸線を移動するように位置が調整される。切削部2bは、斜材用鋼管2aを軸線回りに回転させることによって周方向の位置を調整することができる。これにより斜材用鋼管2aを移動させる方向を選択することができる。つまり、切削部2bが突出する方向に斜材用鋼管が移動しやすくなる。
貫入した斜材用鋼管2aの先端すなわち下端が鋼管杭1と接合された後は、ワイヤロープ14を切断するともに、鋼管杭1の上端部から斜材用鋼管2aの上端部に水平連結部材3を架け渡し、それぞれ接合して斜材用鋼管からなる地中斜材2を備えた地中構造体が完成する。
この方法も、図1に示す地下構造体が備える地下斜材2と同様に、主部材である鋼管杭21の所定の位置に下端部が接合された地下斜材22を設置するものである。
この方法では、図8(a)に示すように、主部材である鋼管杭21を地中に貫入するときに、この鋼管杭21の所定の深さの位置にワイヤロープ34の先端部を結合しておく。このワイヤロープ34の後方部分は斜材用鋼管22aの内側に先端側から挿通し、この斜材用鋼管22aは先端を下方に向けて鋼管杭21に沿った位置に支持する。
鋼管杭21のワイヤロープ34が結合される位置に設けられた斜材受け部及31び斜材接合部32は、図2に示すものと同じ構造となっている。そして、鋼管杭21に沿って支持された斜材用鋼管22aの先端すなわち下端は、図10に示すように斜材接合部32が有する斜材案内部32bに嵌め合わされた状態となっている。このように斜材用鋼管22aを支持した状態で鋼管杭21を斜材用鋼管22aとともに地中に貫入する。
例えば、主部材は鋼管杭に限定されるものではなく、形鋼を用いた杭であっても良いし、コンクリートからなる杭であっても良い。また、杭に限定されるものではなく鋼矢板や鋼管矢板であっても良い。さらに地表面上で形成されたコンクリートの函体を沈下させたケーソン等であっても良い。
一方、地中斜材も鋼管に限定されるものではなく、プレキャストコンクリートで形成されるものであってもよい。
上記地中連続隔壁52は、砂質地盤における地震時の液状化を抑制するために設けられたものであり、液状化の可能性がある層54の層厚が大きく、液状化しない層55まで地中連続鋼隔壁52を貫入せずに、液状化しない層55より上方となる深さまで設けられたものである。このような地中連続鋼隔壁52は、液状化による土の流動によって変位する可能性があり、これを拘束するために、対向する位置に設けられた地中連続鋼隔壁の一方の頂部と他方の所定の深さの位置とを地中斜材53で連結したものである。このような地中斜材53も本発明の方法により、以上に説明した実施の形態と同様に設置することができる。
11,31:斜材受け部, 11a:鉛直板部, 11b:傾斜板部, 12,32:斜材接合部, 12a,32a:当接板, 12b,32b:斜材案内部, 12c,32c:連結板, 12d:開口, 13,33:回動軸, 14,34:ワイヤロープ, 14a:定着部材,
42:斜材用鋼管, 43:切削部材, 43a:鋼管, 43b:切削部,
51:建築物, 52:地中連続鋼隔壁, 53:地中斜材, 54:液状化し易い層, 55:液状化しない層
Claims (6)
- 地表面又は地表面付近から下方に軸線を有し、地表面から所定の深さの位置にワイヤロープの先端部が結合された主部材を地中に設置する工程と、
前記ワイヤロープの後方部分を管部材の先端側から内側に挿通し、該管部材の先端を前記主部材と前記ワイヤロープとの結合位置に向けて該管部材を地中に貫入する工程と、
前記ワイヤロープを前記管部材の後方側から牽引するとともに、前記管部材を軸線方向に繰り返し往復移動し、又は該管部材に装着された部材を該管部材の軸線方向に繰り返し往復移動して、前記ワイヤロープが挿通された前記管部材の位置を調整する工程と、
前記ワイヤロープをガイドとし、前記主部材の前記ワイヤロープとの結合位置に設けられた斜材受け部に、前記管部材の先端を接合して地中斜材とする工程と、を有することを特徴とする地中斜材の設置方法 - 前記管部材を地中に貫入する工程は、
前記ワイヤロープを、前記主部材との結合位置から該主部材に沿って地表面に至り地表面に沿って該主部材から離れた位置まで配置して、さらに後方部分を前記管部材の先端側から内側に挿通し、 前記主部材と離れた位置から前記管部材の先端を斜め下方に向けて該管部材を地中に貫入するとともに、前記ワイヤロープを該管部材の後方側から牽引し、 該ワイヤロープを地表面及び前記主部材に沿った位置から地中にくい込ませて、前記ワイヤロープと前記主部材との結合位置と前記管部材の先端とを結ぶ線上へ該ワイヤロープを近づける工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の地中斜材の設置方法。 - 前記管部材を地中に貫入する工程は、前記管部材の後端部から注水し、該管部材の先端付近の地盤中に供給する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の地中斜材の設置方法。
- 前記管部材を地中に貫入する工程は、前記主部材の所定位置に先端部が結合されたワイヤロープを前記管部材の先端側から内側に挿通し、該管部材は先端を下方に向けて前記主部材に沿った位置に支持して、前記主部材を地中に設置する工程と同時に行うものとし、
前記管部材の位置を調整する工程は、該管部材を該管部材の軸線方向に繰り返し往復移動することによって地盤を削り、前記管部材を前記主部材に沿った位置から徐々に傾斜角が変化するように移動させるものであることを特徴とする請求項1に記載の地中斜材の設置方法。 - 前記管部材の外周面の周方向における限定された範囲に、該管部材の軸線方向への往復移動によって地盤を切削する切削部を形成しておくことを特徴とする請求項4に記載の地中斜材の設置方法。
- 前記管部材を地中に貫入する工程は、前記主部材の所定位置に先端部が結合されたワイヤロープを前記管部材の先端側から内側に挿通し、該管部材は先端を下方に向けて前記主部材に沿った位置に支持して、前記主部材を地中に設置する工程と同時に行うものとし、
前記管部材の位置を調整する工程は、前記管部材の外側に切削部材を装着し、該切削部材を前記管部材の軸線方向に繰り返し往復移動することによって地盤を削り、前記管部材を前記主部材に沿った位置から徐々に傾斜角が変化するように移動させるものとし、
前記切削部材は、前記管部材の外側の全周又は周方向の一部を囲むように嵌め合わされ、周方向における限定された範囲に、該管部材の軸線方向への往復移動によって地盤を切削する切削部を備えるものとすることを特徴とする請求項1に記載の地中斜材の設置方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012100705A JP5887193B2 (ja) | 2012-04-26 | 2012-04-26 | 地中斜材の設置方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012100705A JP5887193B2 (ja) | 2012-04-26 | 2012-04-26 | 地中斜材の設置方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013227788A JP2013227788A (ja) | 2013-11-07 |
JP5887193B2 true JP5887193B2 (ja) | 2016-03-16 |
Family
ID=49675670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012100705A Expired - Fee Related JP5887193B2 (ja) | 2012-04-26 | 2012-04-26 | 地中斜材の設置方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5887193B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6103135B2 (ja) * | 2014-03-31 | 2017-03-29 | 日本電気株式会社 | 蓄電池装置 |
JP6197156B2 (ja) * | 2015-11-25 | 2017-09-20 | 有限会社久美川鉄工所 | 建物の補強構造 |
KR101671395B1 (ko) * | 2016-03-30 | 2016-11-01 | 창은건설 주식회사 | 흙막이 구조 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63181817A (ja) * | 1987-01-20 | 1988-07-27 | Fujita Corp | 地盤安定工法 |
JP2694881B2 (ja) * | 1991-07-17 | 1997-12-24 | 住友建設 株式会社 | 既存構造物の耐震補強方法 |
JP2000319902A (ja) * | 1999-05-11 | 2000-11-21 | Shimizu Corp | ブレース付き場所打ち杭及びその構築方法 |
JP3905387B2 (ja) * | 2002-01-07 | 2007-04-18 | 東京製綱株式会社 | 高耐力土中アンカー |
-
2012
- 2012-04-26 JP JP2012100705A patent/JP5887193B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013227788A (ja) | 2013-11-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2141286B1 (en) | Spiral steel pipe pile | |
JP4796477B2 (ja) | 鋼管ソイルセメント杭の施工方法および合成杭のの施工方法 | |
JP5887193B2 (ja) | 地中斜材の設置方法 | |
JP3850802B2 (ja) | 鋼杭及びその施工方法 | |
JP5598246B2 (ja) | 地下水位低下工法、及び地下水位低下システム | |
JP5825644B2 (ja) | 桟橋構築方法 | |
KR101051878B1 (ko) | 분사형 굴착 비트를 이용한 파일 시공 장치 | |
JP5698316B2 (ja) | 基礎杭の施工方法 | |
JP6513470B2 (ja) | 設置用の基礎杭、太陽光パネルの設置用の基礎杭、基礎杭の設置方法および太陽光パネルの基礎杭の設置方法 | |
KR101870714B1 (ko) | 굴착날 및 굴착스크류 근가가 형성된 토사 회전 굴착 압입형 조립식 강관주 및 그 강관주 시공방법 | |
KR101871306B1 (ko) | 워터젯 대구경 지반 천공기 및 이를 이용한 말뚝 시공방법 | |
JP4608327B2 (ja) | 中掘り工法に用いる鋼管杭の先端構造。 | |
JP6807285B2 (ja) | 地盤改良体の造成方法およびケーシングパイプ | |
JP6735138B2 (ja) | 土留壁構造の構築方法および土留壁構造 | |
KR101040042B1 (ko) | 가변형 굴착 비트를 이용한 파일 시공 방법 | |
CN105926582A (zh) | 预制中空构件地下掘进施工组合体、连续墙及施工方法 | |
JP2017190635A (ja) | 鋼管杭の施工方法 | |
KR20170090190A (ko) | 강판 이탈 방지 구조를 갖는 강판 흙막이 구조물 및 그 시공방법 | |
KR101385399B1 (ko) | 토사 되메우기 공법용 굴착 교반 로드 및 이를 이용한 중공식 말뚝 시공방법 | |
JP2020169455A (ja) | ソイルセメント連続壁の施工法 | |
JP2010281079A (ja) | 鋼管杭の施工方法 | |
KR102270555B1 (ko) | 그라우팅 비드와 헬리칼 파일을 이용한 지반보강공법 | |
JP3538810B2 (ja) | 鋼管埋設杭及び鋼管埋設杭の支持方法 | |
JP5455869B2 (ja) | 既設擁壁の補強構造及び既設擁壁の補強方法 | |
JP4414325B2 (ja) | 連結鋼管山留工法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150312 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151228 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160209 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160215 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5887193 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |